JP2015169593A - 力検出装置、ロボットおよび部品加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の力検出装置は、第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する素子と、前記第2の基板に設けた貫通孔に挿入されて前記素子に圧力を加える加圧部材と、を備え、前記第2の基板は、前記第2の基板の厚み方向において薄肉である薄肉部と、を有し、前記加圧部材の一部が前記薄肉部の一部を加圧する。
【選択図】図1
Description
(適用例1)
本発明に係わる力検出装置は、第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する素子と、
前記第2の基板に設けた貫通孔に挿入されて前記素子に圧力を加える加圧部材と、を備え、
前記第2の基板は、前記第2の基板の厚み方向において薄肉である薄肉部と、を有し、
前記加圧部材の一部が前記薄肉部の一部を加圧することを特徴とする。
これにより、加圧部材が素子に与圧を加えた状態で薄肉部が弾性変形し、加圧部材の加圧が緩んだ場合、前記段差の変形分で前記加圧部材の緩みを吸収し、前記与圧を一定に保持することができ、これによって、正逆両方向の力を精度良く検出することができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記加圧部材は、前記第2の基板に設けた貫通孔に挿入された雄螺子と、前記第1の基板に前記雄螺子が適合するように形成された雌螺子孔と、を備えることが好ましい。
これにより、簡易な構成で、素子に与圧を加えることができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記薄肉部は、弾性体であって、
前記雄螺子の一部は、前記薄肉部を前記第1の基板に向けて弾性変形させていることが好ましい。
これにより、雄螺子が緩んだ場合、薄肉部の弾性力により素子に対して与圧を加え、その与圧を一定に保持することができ、これによって、正逆両方向の力を精度良く検出することができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記貫通孔が、第1孔と、前記第1孔よりも広い孔面積である第2孔と、で形成され、
前記薄肉部の一部が前記第2孔の底の一部であることが好ましい。
(適用例5)
本発明に係わる力検出装置では、前記薄肉部の許容曲げ応力は、150N/mm2以上、1000N/mm2以下の範囲に設定されることが好ましい。
これにより、コストを低減しつつ、薄肉部の厚さを適度な大きさにすることができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記薄肉部の厚さは、一定であることが好ましい。
これにより、薄肉部の構造を簡素化することができる。
(適用例7)
本発明に係わる力検出装置では、前記薄肉部は、前記第2の基板の厚さ方向の中央部に設けられていることが好ましい。
これにより、薄肉部が第1の基板に向って変形した場合に、薄肉部が第1の基板と第2の基板との間に配置されている各部や各部材に干渉してしまうことを防止することができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記薄肉部は、環状をなしており、前記薄肉部の厚さが前記薄肉部の中心から外周に向って漸増する部位を有することが好ましい。
これにより、力検出装置の組み立てにおいて、雄螺子を締め付ける際、その雄螺子が薄肉部の厚さが漸増する部位に当接することにより、第2の基板を容易かつ確実に位置決めすることができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記第1の基板は、前記雄螺子が挿入される貫通孔を有し、
前記第1の基板は、前記貫通孔の部位に、薄肉部を有することが好ましい。
これにより、雄螺子が素子に与圧を加えた状態で第1の基板の薄肉部が弾性変形し、雄螺子が緩んだ場合、第1の基板の薄肉部、第2の基板の薄肉部のそれぞれの変形分で、前記雄螺子の緩みを吸収することができ、これによって、雄螺子の緩み量がより大きい場合でも対応することができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記第1の基板の薄肉部は、弾性体であって、
前記雄螺子は、前記第1の基板の薄肉部を前記第2の基板に向けて弾性変形させていることが好ましい。
これにより、雄螺子が緩んだ場合、第1の基板の薄肉部、第2の基板の薄肉部のそれぞれの弾性力により素子に対して与圧を加えることができ、これによって、ネジの緩み量がより大きい場合でも対応することができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記加圧部材は、ボルトおよび前記ボルトに螺合するナットで構成されており、
前記ボルトの一部が前記第2の基板の薄肉部を加圧し、前記ナットが前記第1の基板の薄肉部を加圧していることが好ましい。
これにより、簡易な構成で、ボルトの緩み量がより大きい場合でも対応することができる。
本発明に係わる力検出装置では、複数の前記素子を有し、
前記各素子は、前記第1の基板または前記第2の基板の周方向に沿って、等角度間隔に配置されていることが好ましい。
これにより、偏りなく外力を検出することができ、より精度の高い力検出を行うことができる。そして、3つ以上の素子を有することにより、6軸力、すなわち、x、y、z軸方向の並進力成分(せん断力)およびx、y、z軸周りの回転力成分(モーメント)を検出することができる。
本発明に係わるロボットは、アームと、
前記アームに設けられたエンドエフェクタと、
前記アームと前記エンドエフェクタの間に設けられ、前記エンドエフェクタに加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基板と、
貫通孔を有する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する素子と、
前記貫通孔に挿入され、前記素子に圧力を加える雄螺子と、を備え、
前記第2の基板は、前記貫通孔の部位に、薄肉部を有することを特徴とする。
本発明に係わる部品加工装置は、工具を装着し、前記工具を変位させる工具変位部と、
前記工具に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基板と、
貫通孔を有する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する素子と、
前記貫通孔に挿入され、前記素子に圧力を加える雄螺子と、を備え、
前記第2の基板は、前記貫通孔の部位に、薄肉部を有することを特徴とする。
<第1実施形態>
図1は、本発明の力検出装置の第1実施形態を示す断面図である。図2は、図1に示す力検出装置の平面図である。図3は、図1に示す力検出装置を概略的に示す回路図である。図4は、図1に示す力検出装置の電荷出力素子を概略的に示す断面図である。図5は、図1に示す力検出装置の第2の基板の孔の近傍を示す断面図である。図6は、図1に示す力検出装置の第2の基板の孔の近傍および与圧ボルトを示す断面図である。図7は、図1に示す力検出装置の補正後の出力値と、補正前の出力値と、補正値とを示す図である。
図1および図2に示す力検出装置1は、外力(モーメントを含む)を検出する機能、すなわち、互いに直交する3軸(α(X)軸、β(Y)軸、γ(Z)軸)に沿って加えられた外力を検出する機能を有する。
電荷出力素子10は、互いに直交する3軸(α(X)軸、β(Y)軸、γ(Z)軸)に沿って加えられた(受けた)外力のそれぞれに応じて3つの電荷Qx、Qy、Qzを出力する機能を有する。
電荷出力素子10の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、第1の基板2の平面視、すなわち、第1の基板2に対して垂直な方向から見て、四角形をなしている。なお、電荷出力素子10の平面視での前記の他の外形形状としては、例えば、五角形等の他の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。
グランド電極層11は、グランド(基準電位点)に接地された電極である。グランド電極層11を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、金、チタニウム、アルミニウム、銅、鉄またはこれらを含む合金が好ましい。これらの中でも特に、鉄合金であるステンレスを用いるのが好ましい。ステンレスにより構成されたグランド電極層11は、優れた耐久性および耐食性を有する。
第1のセンサー12は、第1の結晶軸CA1を有する第1の圧電体層121と、第1の圧電体層121と対向して設けられ、第2の結晶軸CA2を有する第2の圧電体層123と、第1の圧電体層121と第2の圧電体層123との間に設けられ、電荷Qを出力する出力電極層122を有する。
第2のセンサー13は、第3の結晶軸CA3を有する第3の圧電体層131と、第3の圧電体層131と対向して設けられ、第4の結晶軸CA4を有する第4の圧電体層133と、第3の圧電体層131と第4の圧電体層133との間に設けられ、電荷Qzを出力する出力電極層132を有する。
第3のセンサー14は、第5の結晶軸CA5を有する第5の圧電体層141と、第5の圧電体層141と対向して設けられ、第6の結晶軸CA6を有する第6の圧電体層143と、第5の圧電体層141と第6の圧電体層143との間に設けられ、電荷Qxを出力する出力電極層142を有する。
センサーデバイス6は、前記電荷出力素子10と、電荷出力素子10を収納するパッケージ60とを有している。
パッケージ60は、凹部611を有する基部(第1の部材)61と、その基部61に接合された蓋体(第2の部材)62とを有している。電荷出力素子10は、基部61の凹部611に設置されており、その基部61の凹部611は、蓋体62により封止されている。これにより、電荷出力素子10を保護することができ、信頼性の高い力検出装置1を提供することができる。なお、電荷出力素子10の上面は、蓋体62に接触している。また、パッケージ60の蓋体62は、上側、すなわち、第2の基板3側に配置され、基部61は、下側、すなわち、第1の基板2側に配置され、その基部61がアナログ回路基板4に固定されている。この構成により、基部61と蓋体62とが、凸部21と第2の基板3とで挟持されて与圧され、その基部61と蓋体62とにより、電荷出力素子10が挟持されて与圧される。
また、パッケージ60の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、第1の基板2の平面視で、四角形をなしている。なお、パッケージ60の平面視での前記の他の形状としては、例えば、五角形等の他の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。また、パッケージ60の形状が多角形の場合、例えば、その角部が、丸みを帯びていてもよく、また、斜めに切り欠かれていてもよい。
電荷出力素子10には、変換出力回路90a、90b、90cが接続されている。変換出力回路90aは、電荷出力素子10から出力された電荷Qxを電圧Vxに変換する機能を有する。変換出力回路90bは、電荷出力素子10から出力された電荷Qzを電圧Vzに変換する機能を有する。変換出力回路90cは、電荷出力素子10から出力された電荷Qyを電圧Vyに変換する機能を有する。変換出力回路90a、90b、90cは、同様であるので、以下では、代表的に、変換出力回路90cについて説明する。
外力検出回路40は、変換出力回路90aから出力される電圧Vxと、変換出力回路90bから出力される電圧Vzと、変換出力回路90cから出力される電圧Vyとに基づき、加えられた外力を検出する機能を有する。外力検出回路40は、変換出力回路90a、90b、90cに接続されたADコンバーター401と、ADコンバーター401に接続された演算部402とを有する。
すなわち、第1の基板2および第2の基板3の相対位置が互いにα(X)軸方向にずれる外力が加えられた場合、ADコンバーター401は、電圧Vxを出力する。同様に、第1の基板2および第2の基板3の相対位置が互いにβ(Y)軸方向にずれる外力が加えられた場合、ADコンバーター401は、電圧Vyを出力する。また、第1の基板2および第2の基板3の相対位置が互いにγ(Z)軸方向にずれる外力が加えられた場合、ADコンバーター401は、電圧Vzを出力する。
また、凸21部の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、第1の基板2の平面視で、電荷出力素子10と同じ形状、すなわち、四角形をなしている。なお、凸部21の平面視での前記の他の形状としては、例えば、四角形、五角形等の多角形、楕円形等が挙げられる。
なお、アナログ回路基板4には、2つの与圧ボルト71が挿通する2つの孔42が形成され、同様に、デジタル回路基板5には、2つの与圧ボルト71が挿通する2つの孔52が形成されている。
この力検出装置1では、前述したように、各与圧ボルト71は、第2の基板3に形成された座繰り32、すなわち、第2の基板3に形成された後述する薄肉部31を第1の基板2に向けて弾性変形させた状態で、その座繰り32、すなわち、薄肉部31に支持されている。以下、この構成について詳細に説明するが、各座繰り32、各薄肉部31、各孔35、各与圧ボルト71は、それぞれ、同様であるので、以下では代表的に、その一方について説明する。
薄肉部31の許容曲げ応力が前記下限値よりも小さいと、薄肉部31の厚さA(図5参照)が薄くなり、また、前記上限値よりも大きいと、コストが高くなる。
ここで、薄肉部31が弾性変形しているので、与圧ボルト71が緩んだとしても、薄肉部31の弾性力により、第2の基板3と第1の基板2の凸部21とを介して電荷出力素子10に与圧が加えられる。これにより、第1の基板2と第2の基板3とが互いに接近する方向の外力が加わった場合はもちろんのこと、第1の基板2と第2の基板3とが互いに離間する方向の外力が加わった場合でもその力を確実に、精度良く検出することができる。すなわち、Z軸方向の正逆両方向の力をそれぞれ精度良く検出することができる。
上記(1)式を満たすようにするには、例えば、薄肉部31(第2の基板3)の材質、薄肉部31の厚さA(図5参照)、孔35の大径部351の直径B(図5参照)等を調整する。
また、この力検出装置1では、外力検出回路40の演算部402は、電圧Vx、Vy、Vz、すなわち、出力値に対して、薄肉部31の弾性変形により生じる弾性力が電荷出力素子10に加わることで生じる出力成分を用いて補正を行う。
ここでは、第2の基板3の材質として、炭素鋼(S45C)、ステンレス鋼(SU304)、アルミニウム合金(A1100P−H14)の3つを用いる場合について説明する。なお、各材質の許容曲げ応力は、炭素鋼(S45C)が、855N/mm2、ステンレス鋼(SU304)が、780N/mm2、アルミニウム合金(A1100P−H14)が、186N/mm2である。
M=(P/16)[(1+ν)a2−(3+ν)r2] ・・・(2)
σ=6M/H2 ・・・(3)
但し、上記(2)式、(3)式におけるσ、M、P、ν、a、r、Hは、それぞれ、下記の通りである。なお、σ、M、Pは、それぞれ、1箇所の孔35における値である。
σ:薄肉部31における応力
M:薄肉部31におけるモーメント
P:荷重
ν:ポアソン比
a:大径部351の半径(B/2)
r:与圧ボルト71の頭部715の半径
H:薄肉部31の厚さ(A)
まず、薄肉部31の厚さAを1mmとした場合の孔35の大径部351の直径Bの上限値は、炭素鋼(S45C)が、27.6mm、ステンレス鋼(SU304)が、26.4mm、アルミニウム合金(A1100P−H14)が、12.7mmである。
以上説明したように、この力検出装置1によれば、与圧ボルト71が緩んでも、薄肉部31の弾性力により電荷出力素子10に対して与圧を加えることができる。これにより、Z軸方向の正逆両方向の力を精度良く検出することができる。
図8は、本発明の力検出装置の第2実施形態の第2の基板の孔の近傍を示す断面図である。
なお、以下では、説明の都合上、図8中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
図8に示すように、第2実施形態の力検出装置1は、第2の基板3の各孔35、各薄肉部31の形状が、それぞれ、第1実施形態と異なっている以外は、第1実施形態と同様である。以下、各薄肉部31、各孔35について説明するが、各薄肉部31、各孔35は、それぞれ、同様であるので、以下では代表的に、その一方について説明する。
そして、この力検出装置1では、薄肉部31が第1の基板2に向って変形した場合に、孔35の大径部353が逃げ部として機能し、薄肉部31が第1の基板2と第2の基板3との間に配置されている各部や各部材に干渉してしまうことを防止することができる。
図9は、本発明の力検出装置の第3実施形態の第2の基板の孔の近傍を示す断面図である。
なお、以下では、説明の都合上、図9中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
図9に示すように、第3実施形態の力検出装置1は、第2の基板3の各孔35、各薄肉部31の形状が、それぞれ、第1実施形態と異なっている以外は、第1実施形態と同様である。以下、各薄肉部31、各孔35について説明するが、各薄肉部31、各孔35は、それぞれ、同様であるので、以下では代表的に、その一方について説明する。
そして、この力検出装置1では、力検出装置1の組み立てにおいて、与圧ボルト71を締め付ける際、その頭部715が薄肉部31のテーパー面311に当接することにより、第2の基板3を容易かつ確実に位置決めすることができる。
図10は、本発明の力検出装置の第4実施形態の第1の基板の孔の近傍と、第2の基板の孔の近傍と、ボルトおよびナットとを示す断面図である。
なお、以下では、説明の都合上、図10中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図10では、アナログ回路基板4およびデジタル回路基板5については、図示が省略されている。
以下、第4実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図10に示すように、第4実施形態の力検出装置1では、加圧部材として、与圧ボルト71およびナット72が用いられている。
各孔26は、それぞれ、本実施形態では、筒状をなしている。この各孔26は、それぞれ、図10中下側に大径部261を有し、上側に、大径部261よりも小径の小径部262を有しており、これにより、第1の基板2の各孔26の位置には、それぞれ、円環状をなす弾性変形可能な(弾性体である)薄肉部22が形成されている。なお、孔26の大径部261および薄肉部22の図10中の下側の部位により、座繰り23が構成される。なお、各孔26、各薄肉部22の形状は、それぞれ、前記の形状に限定されず、例えば、第2実施形態、第3実施形態の孔35、薄肉部31のような形状にしてもよい。
そして、この力検出装置1では、与圧ボルト71が緩んだ場合、薄肉部31、22のそれぞれの弾性力により電荷出力素子10に対して与圧を加えることができる。これにより、この力検出装置1では、与圧ボルト71の緩み量がより大きい場合でも対応することができる。
図11は、本発明の力検出装置の第5実施形態を示す平面図である。図12は、図11中のA−A線での断面図である。図13は、図11に示す力検出装置を概略的に示す回路図である。
以下、第5実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図11および図12に示す第5実施形態の力検出装置1は、外力(モーメントを含む)を検出する機能、すなわち、6軸力(x、y、z軸方向の並進力成分(せん断力)およびx、y、z軸周りの回転力成分(モーメント))を検出する機能を有する。
なお、センサーデバイス6の数は、前記4つに限定されるものではなく、例えば、2つ、3つ、または5つ以上でもよい。但し、センサーデバイス6の数は、複数であることが好ましく、3つ以上であることがより好ましい。なお、力検出装置1は、少なくとも3つのセンサーデバイス6を有していれば、6軸力を検出可能である。センサーデバイス6が3つの場合、センサーデバイス6の数が少ないので、力検出装置1を軽量化することができる。また、センサーデバイス6が図示のように4つの場合、後述する非常に単純な演算によって6軸力を求めることができるので、演算部402を簡略化することができる。
図13に示すように、各電荷出力素子10には、それぞれ、変換出力回路90a、90b、90cが接続されている。各変換出力回路90a、90b、90cは、前述した第1、第2実施形態の変換出力回路90と同様であるので、その説明は省略する。
<外力検出回路>
外力検出回路40は、各変換出力回路90aから出力される電圧Vx1、Vx2、Vx3、Vx4と、各変換出力回路90bから出力される電圧Vz1、Vz2、Vz3、Vz4と、各変換出力回路90cから出力される電圧Vy1、Vy2、Vy3、Vy4とに基づき、加えられた外力を検出する機能を有する。なお、図11中の上側の電荷出力素子10に対応するのが電圧Vx1、Vy1およびVz1、図11中の右側の電荷出力素子10に対応するのが電圧Vx2、Vy2およびVz2、図11中の下側の電荷出力素子10に対応するのが電圧Vx3、Vy3およびVz3、図11中の左側の電荷出力素子10に対応するのが電圧Vx4、Vy4およびVz4とする。外力検出回路40は、変換出力回路90a、90b、90cに接続されたADコンバーター401と、ADコンバーター401に接続された演算部402とを有する。
演算部402は、デジタル変換された電圧Vx1、Vy1、Vz1、Vx2、Vy2、Vz2、Vx3、Vy3、Vz3、Vx4、Vy4、Vz4に基づき、x軸方向の並進力成分Fx、y軸方向の並進力成分Fy、z軸方向の並進力成分Fz、x軸周りの回転力成分Mx、y軸周りの回転力成分My、z軸周りの回転力成分Mzを演算する機能を有する。各力成分は、以下の式により求めることができる。
Fy=Vy1+Vy2+Vy3+Vy4
Fz=Vz1+Vz2+Vz3+Vz4
Mx=b×(Vz4−Vz2)
My=a×(Vz3−Vz1)
Mz=b×(Vx2−Vx4)+a×(Vy1−Vy3)
ここで、a、bは定数である。
なお、演算部402は、例えば、各変換出力回路90a、90b、90c間の感度の差をなくす補正等を行うようになっていてもよい。
また、図11および図12に示すように、第1の基板2と、第2の基板3とは、4つの与圧ボルト71により、固定されている。なお、与圧ボルト71の数は、4つに限定されず、例えば、2つ、3つ、または、5つ以上であってもよい。
この力検出装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第5実施形態は、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態にも適用することができる。
次に、図14に基づき、本発明のロボットの実施形態である単腕ロボットを説明する。以下、本実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
アーム520は、第1のアーム要素521、第2のアーム要素522、第3のアーム要素523、第4のアーム要素524および第5のアーム要素525を有しており、隣り合うアーム同士を回動自在に連結することにより構成されている。アーム520は、制御部の制御によって、各アーム要素の連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
なお、エンドエフェクタ530は、ここでは、ハンドであるが、本発明では、これに限定されるものではない。エンドエフェクタの他の例としては、例えば、部品検査用器具、部品搬送用器具、部品加工用器具、部品組立用器具、測定器等が挙げられる。これは、他の実施形態におけるエンドエフェクタについても同様である。
次に、図15に基づき、本発明のロボットの実施形態である複腕ロボットを説明する。以下、本実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図15は、本発明の力検出装置を用いた複腕ロボットの1例を示す図である。図15の複腕ロボット600は、基台610と、第1のアーム620と、第2のアーム630と、第1のアーム620の先端側に設けられた第1のエンドエフェクタ640aと、第2のアーム630の先端側に設けられた第2のエンドエフェクタ640bと、第1のアーム620と第1のエンドエフェクタ640a間および第2のアーム630と第2のエンドエフェクタ640bとの間に設けられた力検出装置100を有する。なお、力検出装置100としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
第1のアーム620は、第1のアーム要素621および第2のアーム要素622を回動自在に連結することにより構成されている。第2のアーム630は、第1のアーム要素631および第2のアーム要素632を回動自在に連結することにより構成されている。第1のアーム620および第2のアーム630は、制御部の制御によって、各アーム要素の連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
なお、図示の構成では、アームは合計2本であるが、本発明はこれに限られない。複腕ロボット600が3本以上のアームを有している場合も、本発明の範囲内である。
次に、図16、図17に基づき、本発明の実施形態である電子部品検査装置および電子部品搬送装置を説明する。以下、本実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図16の電子部品検査装置700は、基台710と、基台710の側面に立設された支持台720とを有する。基台710の上面には、検査対象の電子部品711が載置されて搬送される上流側ステージ712uと、検査済みの電子部品711が載置されて搬送される下流側ステージ712dとが設けられている。また、上流側ステージ712uと下流側ステージ712dとの間には、電子部品711の姿勢を確認するための撮像装置713と、電気的特性を検査するために電子部品711がセットされる検査台714とが設けられている。なお、電子部品711の例として、半導体、半導体ウェハー、CLDやOLED等の表示デバイス、水晶デバイス、各種センサー、インクジェットヘッド、各種MEMSデバイス等などが挙げられる。
次に、図18に基づき、本発明の部品加工装置の実施形態を説明する。以下、本実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図18は、本発明の力検出装置を用いた部品加工装置の1例を示す図である。図18の部品加工装置800は、基台810と、基台810の上面に起立形成された支柱820と、支柱820の側面に設けられた送り機構830と、送り機構830に昇降可能に取り付けられた工具変位部840と、工具変位部840に接続された力検出装置100と、力検出装置100を介して工具変位部840に装着された工具850を有する。なお、力検出装置100としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
また、本発明は、前記実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明では、パッケージ、すなわち、第1の部材、第2の部材が省略されていてもよい。
また、前記実施形態では、外力に応じて信号を出力する素子として、圧電体を用いたものを使用しているが、本発明では、加えられる外力に応じて出力が変化するものであればこれに限定されず、その他、例えば、感圧導電体等を用いたものが挙げられる。
また、本発明の力検出装置は、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置および部品加工装置に限らず、他の装置、例えば、他の搬送装置、他の検査装置、振動計、加速度計、重力計、動力計、地震計、傾斜計等の測定装置、入力装置、自動車等の移動体等にも適用することができる。
Claims (14)
- 第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する素子と、
前記第2の基板に設けた貫通孔に挿入されて前記素子に圧力を加える加圧部材と、を備え、
前記第2の基板は、前記第2の基板の厚み方向において薄肉である薄肉部と、を有し、
前記加圧部材の一部が前記薄肉部の一部を加圧することを特徴とする力検出装置。 - 前記加圧部材は、前記第2の基板に設けた貫通孔に挿入された雄螺子と、前記第1の基板に前記雄螺子が適合するように形成された雌螺子孔と、を備える請求項1に記載の力検出装置。
- 前記薄肉部は、弾性体であって、
前記雄螺子の一部は、前記薄肉部を前記第1の基板に向けて弾性変形させている請求項1または2に記載の力検出装置。 - 前記貫通孔が、第1孔と、前記第1孔よりも広い孔面積である第2孔と、で形成され、
前記薄肉部の一部が前記第2孔の底の一部である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の力検出装置。 - 前記薄肉部の許容曲げ応力は、150N/mm2以上、1000N/mm2以下の範囲に設定される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の力検出装置。
- 前記薄肉部の厚さは、一定である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の力検出装置。
- 前記薄肉部は、前記第2の基板の厚さ方向の中央部に設けられている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の力検出装置。
- 前記薄肉部は、環状をなしており、前記薄肉部の厚さが前記薄肉部の中心から外周に向って漸増する部位を有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の力検出装置。
- 前記第1の基板は、前記雄螺子が挿入される貫通孔を有し、
前記第1の基板は、前記貫通孔の部位に、薄肉部を有する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の力検出装置。 - 前記第1の基板の薄肉部は、弾性体であって、
前記雄螺子は、前記第1の基板の薄肉部を前記第2の基板に向けて弾性変形させている請求項9に記載の力検出装置。 - 前記加圧部材は、ボルトおよび前記ボルトに螺合するナットで構成されており、
前記ボルトの一部が前記第2の基板の薄肉部を加圧し、前記ナットが前記第1の基板の薄肉部を加圧している請求項9または10に記載の力検出装置。 - 複数の前記素子を有し、
前記各素子は、前記第1の基板または前記第2の基板の周方向に沿って、等角度間隔に配置されている請求項1ないし11のいずれか1項に記載の力検出装置。 - アームと、
前記アームに設けられたエンドエフェクタと、
前記アームと前記エンドエフェクタの間に設けられ、前記エンドエフェクタに加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基板と、
貫通孔を有する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する素子と、
前記貫通孔に挿入され、前記素子に圧力を加える雄螺子と、を備え、
前記第2の基板は、前記貫通孔の部位に、薄肉部を有することを特徴とするロボット。 - 工具を装着し、前記工具を変位させる工具変位部と、
前記工具に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基板と、
貫通孔を有する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する素子と、
前記貫通孔に挿入され、前記素子に圧力を加える雄螺子と、を備え、
前記第2の基板は、前記貫通孔の部位に、薄肉部を有することを特徴とする部品加工装置。
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