JP2015169222A - 無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ベルト式無段変速機構に副変速機構を組み合わせた無段変速機において、クラッチの数を減少させながら車両の減速時に駆動輪側から駆動源側への駆動力の逆伝達を可能にする。【解決手段】 第1出力切換機構36および第2出力切換機構37は、両方向の相対回転を阻止する第1状態と、両方向の相対回転を許容する第2状態と、一方向の相対回転だけを許容する第3状態とを切り換え可能なので、LOWモードで第1出力切換機構36を第1状態として第2出力切換機構を第2状態とし、HIモードで第1出力切換機構36を第2状態として第2出力切換機構37を第1状態とし、LOWモードおよびHIモード間の移行モードで第1出力切換機構36および第2出力切換機構37を第3状態とすることで、エンジンブレーキ機能や減速フュエルカットからの復帰機能を確保するとともに、移行モードでは駆動力伝達の途切れを回避しながらインターロックの発生を防止することができる。【選択図】 図3

Description

本発明は、ベルト式無段変速機構に副変速機構を組み合わせることでオーバーオール変速比の拡大を図った無段変速機に関する。
第1プーリおよび第2プーリを無端ベルトで接続したベルト式無段変速機構を備え、駆動源→第1プーリ→無端ベルト→第2プーリ→駆動輪の経路で駆動力を伝達するLOWモードと、駆動源→第2プーリ→無端ベルト→第1プーリ→駆動輪の経路で駆動力を伝達するHIモードとを複数のクラッチで切り換えることで、オーバーオール変速比の拡大を図った無段変速機において、ベルト式無段変速機構の下流側の駆動力出力経路にワンウェイクラッチを配置することで、クラッチやブレーキ等の摩擦係合要素の数を減少させるとともに、LOWモードおよびHIモードの切り換え時に油圧による変速比の制御不良が発生しても、ワンウェイクラッチがスリップすることでインターロックの発生を防止可能なものが、下記特許文献1により公知である。
特表2011−524500号公報
ところで、ベルト式無段変速機構の下流側の駆動力出力経路にワンウェイクラッチを配置すると、車両の減速により駆動輪側からエンジン側に駆動力が逆伝達されるときにワンウェイクラッチが係合解除するため、エンジンブレーキを作動させることができなくなったり、減速フュエルカット状態からのエンジンの再始動ができなくなったりする問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ベルト式無段変速機構に副変速機構を組み合わせた無段変速機において、クラッチの数を減少させながら車両の減速時に駆動輪側から駆動源側への駆動力の逆伝達を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源からの駆動力を無端伝動部材を巻き掛けた一対のプーリ間で連続的に変速する無段変速機構と、前記駆動源からの駆動力を前記無段変速機構の一方のプーリに入力する第1入力経路と、前記無段変速機構の他方のプーリから駆動力を出力する第1出力経路と、前記駆動源からの駆動力を前記無段変速機構の他方のプーリに入力する第2入力経路と、前記無段変速機構の一方のプーリから駆動力を出力する第2出力経路と、前記第1入力経路の駆動力伝達を接続・遮断する第1入力切換機構と、前記第2入力経路の駆動力伝達を接続・遮断する第2入力切換機構と、前記第1出力経路の駆動力伝達を接続・遮断する第1出力切換機構と、前記第2出力経路の駆動力伝達を接続・遮断する第2出力切換機構とを備える無段変速機であって、前記第1出力切換機構および前記第2出力切換機構は、第1方向および第2方向の相対回転を阻止する第1状態と、第1方向および第2方向の相対回転を許容する第2状態と、第1方向の相対回転を許容して第2方向の相対回転を阻止する第3状態とを切り換え可能な機械式クラッチで構成され、前記駆動源からの駆動力が前記第1入力切換機構から入力されて前記第1出力切換機構から出力されるときに、前記第1出力切換機構は前記第1状態とされて前記第2出力切換機構は前記第2状態とされ、前記駆動源からの駆動力が前記第2入力切換機構から入力されて前記第2出力切換機構から出力されるときに、前記第1出力切換機構は前記第2状態とされて前記第2出力切換機構は前記第1状態とされ、前記駆動源からの駆動力が前記第1入力切換機構から入力されて前記第1出力切換機構から出力される状態と、前記駆動源からの駆動力が前記第2入力切換機構から入力されて前記第2出力切換機構から出力される状態とを切り換えるときに、前記第1出力切換機構および前記第2出力切換機構は前記第3状態とされることを特徴とする無段変速機が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第1出力切換機構および前記第2出力切換機構は同軸上で向かい合わせに配置され、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態を油圧により切り換え可能であることを特徴とする無段変速機が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記第1入力切換機構はサンギヤ、キャリヤおよびリングギヤからなる三つの要素を備える遊星歯車機構で構成され、第1要素は前記駆動源からの駆動力が入力され、第2要素はブレーキでケーシングに結合可能であり、第1要素および第3要素はクラッチで相互に結合可能であることを特徴とする無段変速機が提案される。
尚、実施の形態の遊星歯車機構17は本発明の第1入力切換機構に対応し、実施の形態のLOWブレーキ22は本発明のブレーキに対応し、実施の形態のRVSクラッチ24は本発明のクラッチに対応し、実施の形態のHIクラッチ25は本発明の第2入力切換機構に対応し、実施の形態のベルト式無段変速機構26は本発明の無段変速機構に対応し、実施の形態の第1プーリ27および第2プーリ28は本発明のプーリに対応し、実施の形態の無端ベルト29は本発明の無端伝動部材に対応し、実施の形態のLOWツーウェイクラッチ36は本発明の第1出力切換機構に対応し、実施の形態のHIツーウェイクラッチ37は本発明の第2出力切換機構に対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、第1、第2入力切換機構および第1、第2出力切換機構を切り換えることで、駆動源からの駆動力は、駆動源→第1入力経路(第1入力切換機構)→一方のプーリ→無端伝動部材→他方のプーリ→第1出力経路(第1出力切換機構)の経路で伝達されてLOWモードが確立し、また駆動源からの駆動力は、駆動源→第2入力経路(第2入力切換機構)→他方のプーリ→無端伝動部材→一方のプーリ→第2出力経路(第2出力切換機構)の経路で伝達されてHIモードが確立するので、無段変速機のオーバーオール変速比を大幅に拡大することができる。
第1出力切換機構および第2出力切換機構は、第1方向および第2方向の相対回転を阻止する第1状態と、第1方向および第2方向の相対回転を許容する第2状態と、第1方向の相対回転を許容して第2方向の相対回転を阻止する第3状態とを切り換え可能な機械式クラッチで構成されるので、LOWモードで第1出力切換機構を第1状態として第2出力切換機構を第2状態とし、HIモードで第1出力切換機構を第2状態として第2出力切換機構を第1状態とし、LOWモードおよびHIモード間の移行モードで第1出力切換機構および第2出力切換機構を第3状態とすることで、クラッチやブレーキ等の摩擦係合要素の数を減らすことができるだけでなく、LOWモードおよびHIモードでの走行中に駆動輪側から駆動源側への駆動力の逆伝達を可能にし、エンジンブレーキ機能や減速フュエルカットからの復帰機能を確保するとともに、LOWモードおよびHIモード間の移行モードでは駆動力伝達の途切れを回避しながらインターロックの発生を防止することができる。
また請求項2の構成によれば、第1出力切換機構および第2出力切換機構は同軸上で向かい合わせに配置され、第1状態、第2状態および第3状態を油圧により切り換え可能であるので、第1出力切換機構および第2出力切換機構を作動させる油圧装置を集約して構造の簡素化を図ることができる。
また請求項3の構成によれば、第1入力切換機構はサンギヤ、キャリヤおよびリングギヤからなる三つの要素を備える遊星歯車機構で構成され、第1要素は駆動源からの駆動力が入力され、第2要素はブレーキでケーシングに結合可能であり、第1要素および第3要素はクラッチで相互に結合可能であるので、前後進切換機構の機能を有する第1入力切換機構を第1入力経路の回転軸と同軸に配置し、無段変速機構の小型化および軽量化を図ることができる。
無段変速機のスケルトン図。 図1の2部拡大図。 LOWモードのトルクフロー図。 移行モード1のトルクフロー図。 移行モード2のトルクフロー図。 HIモードのトルクフロー図。 後進モードのトルクフロー図。
以下、図1〜図7に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、車両に搭載される無段変速機TはエンジンEのクランクシャフト11にトルクコンバータ12を介して接続された主入力軸13と、主入力軸13に対して平行に配置された副入力軸14および出力軸15とを備え、主入力軸13の外周に副軸16が相対回転自在に支持される。
主入力軸13の外周に配置された遊星歯車機構17は、主入力軸13に固設されたサンギヤ18と、主入力軸13に相対回転自在に支持されたキャリヤ19と、主入力軸13に相対回転自在に支持されたリングギヤ20と、キャリヤ19に支持されてサンギヤ18およびリングギヤ20に噛合する複数のピニオン21…とを備える。キャリヤ19はLOWブレーキ22を介してケーシング23に結合可能であり、リングギヤ20はRVSクラッチ24を介して主入力軸13に結合可能である。また副軸16はHIクラッチ25を介して主入力軸13に結合可能である。
主入力軸13および副入力軸14間に配置されたベルト式無段変速機構26は、副入力軸14に設けられた第1プーリ27と、主入力軸13に設けられた第2プーリ28と、第1プーリ27および第2プーリ28間に巻き掛けられた無端ベルト29とを備え、第1プーリ27および第2プーリ28の溝幅を変化させることで、主入力軸13および副入力軸14間の変速比を無段階に変更可能である。
遊星歯車機構17のリングギヤ20の外周に一体に形成された第1入力ギヤ30が、副入力軸14に固設した第2入力ギヤ31に噛合する。また副軸16に固設した第1出力ギヤ32が出力軸15に相対回転自在に支持した第2出力ギヤ33に噛合するとともに、副入力軸14に固設した第3出力ギヤ34が出力軸15に相対回転自在に支持した第4出力ギヤ35に噛合する。そして第2出力ギヤ33と出力軸15との間にLOWツーウェイクラッチ36が配置され、第4出力ギヤ35と出力軸15との間にHIツーウェイクラッチ37が配置される。
出力軸15に固設したファイナルドライブギヤ38がディファレンシャルギヤ39のケースに固設したファイナルドリブンギヤ40に噛合しており、ディファレンシャルギヤ39から左右に延びる車軸41,41が左右の駆動輪(不図示)に接続される。
次に、図2に基づいてLOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37の具体的構造を説明する。
LOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37は実質的に同一構造を有するもので、出力軸15に固設したハブ42の両側に左右対称に配置される。その代表としてLOWツーウェイクラッチ36の構造を説明すると、ハブ42の右側面に第1ピン43および第2ピン44を介してそれぞれ第1スプラグ45および第2スプラグ46が揺動自在に支持されており、ハブ42の右側面に対向する第2出力ギヤ33の左側面には第1段部47および第2段部48が形成される。第1スプラグ45および第2スプラグ46はハブ42の内部に組み込まれた油圧アクチュエータで独立に駆動され、ハブ42内に没するオフ位置と、第2出力ギヤ33に向けて突出するオン位置との間を揺動可能である。
図2(A)に示すように、第1スプラグ45および第2スプラグ46が共にオン位置に突出すると、第1スプラグ45が第1段部47に係合し、第2スプラグ46が第2段部48に係合することで、ハブ42(つまり出力軸15)と第2出力ギヤ33とが一体に結合される(第1状態)。また図2(B)に示すように、第1スプラグ45だけがオン位置に突出すると、第1スプラグ45が第1段部47に係合することで、第2出力ギヤ33が図中下方に相対回転するときには、第1スプラグ45を介してハブ42と第2出力ギヤ33とが一体に結合されるが、第2出力ギヤ33が図中上方に相対回転するときには、第2スプラグ46が鎖線位置に押し戻されることで、ハブ42と第2出力ギヤ33が相対回転自在なワンウェイクラッチ状態になる(第3状態)。また図2(C)に示すように、第1スプラグ45および第2スプラグ46が共にオフ位置に没すると、第1スプラグ45および第2スプラグ46と第1段部47および第2段部48との係合が解除されることで、ハブ42と第2出力ギヤ33とが自由に相対回転可能になる(第2状態)。
同様に、HIツーウェイクラッチ37は、図2(C)に示すように、第1スプラグ45および第2スプラグ46が共にオン位置に突出すると、ハブ42(つまり出力軸15)と第4出力ギヤ35とが一体に結合される(第1状態)。また図2(B)に示すように、第1スプラグ45だけがオン位置に突出すると、第1スプラグ45が第1段部47に係合することで、第4出力ギヤ35が図中下方に相対回転するときには、第1スプラグ45を介してハブ42と第4出力ギヤ35とが一体に結合されるが、第4出力ギヤ35が図中上方に相対回転するときには、第1スプラグ45が鎖線位置に押し戻されることで、ハブ42と第4出力ギヤ35が相対回転自在なワンウェイクラッチ状態になる(第3状態)。また図2(A)に示すように、第1スプラグ45および第2スプラグ46が共にオフ位置に没すると、ハブ42と第4出力ギヤ35とが自由に相対回転可能になる(第2状態)。
図1に戻り、トルクコンバータ12から主入力軸13、遊星歯車機構17、第1入力ギヤ30、第2入力ギヤ31および副入力軸14を介して第1プーリ27に至る経路は第1入力経路IP1と定義され、主入力軸13からHIクラッチ25および副軸16を介して第2プーリ28に至る経路は第2入力経路IP2と定義される。
また第2プーリ28から副軸16、第1出力ギヤ32、第3出力ギヤ33、LOWツーウェイクラッチ36、出力軸15、ファイナルドライブギヤ38およびファイナルドリブンギヤ40を介してディファレンシャルギヤ39に至る経路は第1出力経路OP1と定義され、第1プーリ27から副入力軸14、第3出力ギヤ34、第4出力ギヤ35、HIツーウェイクラッチ37、出力軸15、ファイナルドライブギヤ38およびファイナルドリブンギヤ40を介してディファレンシャルギヤ39に至る経路は第2出力経路OP2と定義される。
主入力軸13から遊星歯車機構17を介して副入力軸14へのギヤ比をired とし、ベルト式無段変速機構26の第1プーリ27から第2プーリ28への最小変速比をimin とすると、ired ×imin =1となるように各ギヤ比が設定される。また第1出力ギヤ32から第2出力ギヤ33へのギヤ比をisec1とし、第3出力ギヤ34から第4出力ギヤ35へのギヤ比をisec2としたとき、isec1×imin =isec2となるように各ギヤ比が設定される。
図3には、無段変速機TのLOWモードが示される。LOWモードでは、LOWブレーキ22が係合し、HIクラッチ25が係合解除し、LOWツーウェイクラッチ36が第1状態(両回転方向に結合した状態)になり、HIツーウェイクラッチ37が第2状態(両回転方向にスリップする状態)になり、RVSクラッチ24が係合解除する。
その結果、エンジンEの駆動力はクランクシャフト11→トルクコンバータ12→主入力軸13→遊星歯車機構17のサンギヤ18、ピニオン21…およびリングギヤ20→第1入力ギヤ30→第2入力ギヤ31→副入力軸14→第1プーリ27→無端ベルト29→第2プーリ28→副軸16→第1出力ギヤ32→第2出力ギヤ33→LOWツーウェイクラッチ36→出力軸15→ファイナルドライブギヤ38→ファイナルドリブンギヤ40→ディファレンシャルギヤ39の経路で左右の車軸41,41に伝達される。
LOWモードにおいて、ベルト式無段変速機構26は第1プーリ27側から第2プーリ28側に駆動力を伝達し、その変速比が最大変速比側から最小変速比側に変化するのに応じて無段変速機Tのオーバーオール変速比が変更される。このとき、副入力軸14から第3出力ギヤ34および第4出力ギヤ35を介してHIツーウェイクラッチ37に駆動力が伝達されるが、HIツーウェイクラッチ37は第2状態にあるため、駆動力の伝達経路にインターロックが発生することはない。
以上のように、車両が加速状態または定常走行状態にある場合には、エンジンE側から駆動輪側に第1状態にあるLOWツーウェイクラッチ36を介して駆動力が伝達されるが、車両が減速状態になって駆動輪側からエンジンE側に駆動力が逆伝達される場合であっても、その逆伝達経路に配置されたLOWツーウェイクラッチ36が第1状態にあって駆動力の逆伝達を可能にするため、エンジンブレーキを支障なく作動させることができる。
図4には、前記LOWモードから後記HIモードに移行する前半の移行モード1が示される。移行モード1では、LOWモードの状態からHIクラッチ25が係合し、LOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37が共に第3状態(ワンウェイクラッチ状態)となる。
図5には、前記LOWモードから後記HIモードに移行する後半の移行モード2が示される。移行モード2では、移行モード1の状態からLOWブレーキ22だけが係合解除する。
移行モード1および移行モード2はLOWモードからHIモードへの移行をスムーズに行うためのものであり、その詳細は後述する。
図6には、無段変速機TのHIモードが示される。HIモードでは、移行モード2の状態からLOWツーウェイクラッチが第2状態(両回転方向にスリップする状態)になり、HIツーウェイクラッチ37が第1状態(両回転方向に結合した状態)になる。
その結果、エンジンEの駆動力はクランクシャフト11→トルクコンバータ12→主入力軸13→HIクラッチ25→副軸16→第2プーリ28→無端ベルト29→第1プーリ27→副入力軸14→第3出力ギヤ34→第4出力ギヤ35→HIツーウェイクラッチ37→出力軸15→ファイナルドライブギヤ38→ファイナルドリブンギヤ40→ディファレンシャルギヤ39の経路で左右の車軸41,41に伝達される。
HIモードにおいて、ベルト式無段変速機構26は第2プーリ28側から第1プーリ27側に駆動力を伝達し、その変速比が最小変速比側から最大変速比側に変化するのに応じて無段変速機Tのオーバーオール変速比が変更される。このとき、副入力軸14から第1出力ギヤ32および第2出力ギヤ33を介してLOWツーウェイクラッチ36に駆動力が伝達されるが、LOWツーウェイクラッチ36は第2状態にあるため、駆動力の伝達経路にインターロックが発生することはない。
以上のように、車両が加速状態または定常走行状態にある場合には、エンジンE側から駆動輪側に第1状態にあるHIツーウェイクラッチ37を介して駆動力が伝達されるが、車両が減速状態になって駆動輪側からエンジンE側に駆動力が逆伝達される場合であっても、その逆伝達経路に配置されたHIツーウェイクラッチ37が第1状態にあって駆動力の逆伝達を可能にするため、エンジンブレーキを支障なく作動させることができる。
図7には、無段変速機Tの後進モードが示される。後進モードでは、LOWモードで係合していたLOWブレーキ22が係合解除し、その代わりにRVSクラッチ24が係合する。
その結果、エンジンEの駆動力はクランクシャフト11→トルクコンバータ12→主入力軸13→RVSクラッチ24→第1入力ギヤ30→第2入力ギヤ31→副入力軸14→第1プーリ27→無端ベルト29→第2プーリ28→副軸16→第1出力ギヤ32→第2出力ギヤ33→LOWツーウェイクラッチ36→出力軸15→ファイナルドライブギヤ38→ファイナルドリブンギヤ40→ディファレンシャルギヤ39の経路で逆回転となって左右の車軸41,41に伝達される。
後進モードにおいて、ベルト式無段変速機構26は第1プーリ27側から第2プーリ28側に駆動力を伝達し、その変速比の変更に応じて無段変速機Tのオーバーオール変速比が変更される。
次に、LOWモードからHIモードへの移行時の作用を説明する。
LOWモードにおいてベルト式無段変速機構26の第1プーリ27側から第2プーリ28側への動力伝達の変速比が最初変速比imin に接近すると、図4に示すように、移行モード1に切り換わってHIクラッチ25が係合することで、LOWモードの動力伝達経路およびHIモードの動力伝達経路が同時に確立し、LOWモードの動力伝達経路の第1出力ギヤ32から第2出力ギヤ33を介してLOWツーウェイクラッチ36に駆動力が入力するとともに、HIモードの動力伝達経路の第3出力ギヤ34から第4出力ギヤ35を介してHIツーウェイクラッチ37に駆動力が入力する。
このとき、ベルト式無段変速機構26の変速比が最小変速比imin に完全に一致せずに僅かな誤差が存在する可能性があるが、移行モード1ではLOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37は共に第3状態(ワンウェイクラッチ状態)に切り換えられるため、LOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37のうちの入力回転数が小さい側がスリップすることで、インターロックの発生が回避される。
続いて、図5に示すように、移行モード1から移行モード2に切り換わってLOWブレーキ22が係合解除することで、第3出力ギヤ34から第4出力ギヤ35を介してHIツーウェイクラッチ37に駆動力が入力すると同時に、副軸16に設けた第1出力ギヤ32から第2出力ギヤ33を介してLOWツーウェイクラッチ36に駆動力が入力する。
このときも、ベルト式無段変速機構26の変速比が最小変速比imin に完全に一致せずに僅かな誤差が存在する可能性があるが、移行モード2でもLOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37は共に第3状態(ワンウェイクラッチ状態)に維持されるため、LOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37のうちの入力回転数が小さい側がスリップすることで、インターロックの発生が回避される。
そしてベルト式無段変速機構26の変速比が最小変速比imin を越えて最大変速比側に折り返すと、LOWツーウェイクラッチを第2状態に切り換え、HIツーウェイクラッチ37を第1状態に切り換えることで図6に示すHIモードが確立し、このHIモードではHIツーウェイクラッチ37を第1状態になることで、駆動輪からエンジンEに駆動力を逆伝達することが可能となってエンジンブレーキの作動が可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、LOWモードではベルト式無段変速機構26を最高変速比側から最低変速比側に変速し、HIモードではベルト式無段変速機構26を最低変速比側から最高変速比側に変速するので、無段変速機Tのオーバーオール変速比を大幅に拡大することができる。またLOWモードの最後およびHIモードの最初において、無段変速機Tのオーバーオール変速比は一致しており、これによりLOWモードからHIモードに切り換わるときの変速ショックの発生が防止される。
またLOWモードおよびHIモードが切り換わる移行モード1および移行モード2において、共に第3状態にあるLOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37の何れか一方が駆動力を伝達することで、トルク伝達を途切れさせることなく両モード間の移行を達成することができ、しかもLOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37の何れか他方がスリップすることで、インターロックの発生を回避することができる。
またLOWモードおよびHIモードでの走行中には、駆動力を伝達するLOWツーウェイクラッチ36あるいはHIツーウェイクラッチ37が第1状態になるため、駆動輪側からエンジンE側への駆動力の逆伝達を可能にし、エンジンブレーキ機能や減速フュエルカットからの復帰機能を確保することができる。そしてLOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37で第1出力経路OP1および第2出力経路OP2の駆動力伝達を接続・遮断するので、クラッチやブレーキ等の摩擦係合要素の数を減らすことができる。
また主入力軸13上に遊星歯車機構17を配置したので、遊星歯車機構17にLOWモードにおける第1入力経路IP1の減速機能と、前後進の切換機能とを併せ持たせることができるだけでなく、前後進の切換のためのリバースアイドル軸を廃止して軸数を減少させ、無段変速機Tの小型化および軽量化を図ることができる。
またLOWモードにおける第1出力経路OP1とHIモードにおける第2出力経路OP2とが相互に独立した別経路となっているため、ギヤ比の設定自由度を高めることができる。
またLOWツーウェイクラッチ36およびHIツーウェイクラッチ37は出力軸15上で向かい合わせに配置されるので、それらを第1状態、第2状態および第3状態に切り換える油圧装置を1カ所に集約して構造の簡素化を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の駆動源はエンジンEに限定されず、モータ・ジェネレータ等の他種の駆動源であっても良い。
17 遊星歯車機構(第1入力切換機構)
18 サンギヤ
19 キャリヤ
20 リングギヤ
22 LOWブレーキ(ブレーキ)
23 ケーシング
24 RVSクラッチ(クラッチ)
25 HIクラッチ(第2入力切換機構)
26 ベルト式無段変速機構(無段変速機構)
27 第1プーリ(プーリ)
28 第2プーリ(プーリ)
29 無端ベルト(無端伝動部材)
36 LOWツーウェイクラッチ(第1出力切換機構)
37 HIツーウェイクラッチ(第2出力切換機構)
E エンジン(駆動源)
IP1 第1入力経路
IP2 第2入力経路
OP1 第1出力経路
OP2 第2出力経路

Claims (3)

  1. 駆動源(E)からの駆動力を無端伝動部材(29)を巻き掛けた一対のプーリ(27,28)間で連続的に変速する無段変速機構(26)と、
    前記駆動源(E)からの駆動力を前記無段変速機構(26)の一方のプーリ(27)に入力する第1入力経路(IP1)と、
    前記無段変速機構(26)の他方のプーリ(28)から駆動力を出力する第1出力経路(OP1)と、
    前記駆動源(E)からの駆動力を前記無段変速機構(26)の他方のプーリ(28)に入力する第2入力経路(IP2)と、
    前記無段変速機構(26)の一方のプーリ(27)から駆動力を出力する第2出力経路(OP2)と、
    前記第1入力経路(IP1)の駆動力伝達を接続・遮断する第1入力切換機構(17)と、
    前記第2入力経路(IP2)の駆動力伝達を接続・遮断する第2入力切換機構(25)と、
    前記第1出力経路(OP1)の駆動力伝達を接続・遮断する第1出力切換機構(36)と、
    前記第2出力経路(OP2)の駆動力伝達を接続・遮断する第2出力切換機構(37)とを備える無段変速機であって、
    前記第1出力切換機構(36)および前記第2出力切換機構(37)は、第1方向および第2方向の相対回転を阻止する第1状態と、第1方向および第2方向の相対回転を許容する第2状態と、第1方向の相対回転を許容して第2方向の相対回転を阻止する第3状態とを切り換え可能な機械式クラッチで構成され、
    前記駆動源(E)からの駆動力が前記第1入力切換機構(17)から入力されて前記第1出力切換機構(36)から出力されるときに、前記第1出力切換機構(36)は前記第1状態とされて前記第2出力切換機構(37)は前記第2状態とされ、
    前記駆動源(E)からの駆動力が前記第2入力切換機構(25)から入力されて前記第2出力切換機構(37)から出力されるときに、前記第1出力切換機構(36)は前記第2状態とされて前記第2出力切換機構(37)は前記第1状態とされ、
    前記駆動源(E)からの駆動力が前記第1入力切換機構(17)から入力されて前記第1出力切換機構(36)から出力される状態と、前記駆動源(E)からの駆動力が前記第2入力切換機構(25)から入力されて前記第2出力切換機構(37)から出力される状態とを切り換えるときに、前記第1出力切換機構(36)および前記第2出力切換機構(37)は前記第3状態とされることを特徴とする無段変速機。
  2. 前記第1出力切換機構(36)および前記第2出力切換機構(37)は同軸上で向かい合わせに配置され、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態を油圧により切り換え可能であることを特徴とする、請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記第1入力切換機構(17)はサンギヤ(18)、キャリヤ(19)およびリングギヤ(20)からなる三つの要素を備える遊星歯車機構で構成され、第1要素は前記駆動源(E)からの駆動力が入力され、第2要素はブレーキ(22)でケーシング(23)に結合可能であり、第1要素および第3要素はクラッチ(24)で相互に結合可能であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の無段変速機。
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