JP2015168649A - 浸透促進剤および浸透感を改善する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多価アルコールに代表される保湿剤や肌荒れ防止剤に用いられる成分に由来する浸透感の低下を低濃度で改善する浸透促進剤、およびこれを用いた化粧料組成物を提供する。【解決手段】マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)を有効成分とする、化粧料の浸透促進剤。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚外用剤を皮膚へ塗布した後の「浸透感」を促進する、浸透促進剤およびその改善する方法に関する。
健康な皮膚を保つためには水分の保持が不可欠であり、保湿を目的とした皮膚外用剤が数多く開発されているが、その使用感として、「高い浸透感」を有するものが求められている。
例えば、化粧水や乳液等、各種用途に用いられている保湿剤の代表例として1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール等の多価アルコールが知られている。
しかし、これら多価アルコールは、保湿効果や肌荒れ改善効果は知られているが、使用時の感触が悪く、皮脂にはじかれて肌へのなじみが悪く、高濃度で配合すると「浸透感」が低いことが知られている(非特許文献1)。
新化粧品学、第2版、152〜156頁、光井武夫編、2001年1月18日、南山堂
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、多価アルコールに代表される保湿剤や肌荒れ防止剤に用いられる成分に由来する浸透感の低下を低濃度で改善する浸透促進剤、およびこれを用いた化粧料組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)を有効成分とする、化粧料の浸透促進剤。
(2)前記MELが、MEL−A、MEL−B、MEL−Cから選ばれる少なくとも1種である(1)に記載の浸透促進剤。
(3)多価アルコール、糖アルコール、水溶性ポリマー、リン脂質、スフィンゴ脂質、植物抽出物及びアミノ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種とマンノシルエリスリトールリピッドを含有する化粧料。
(4)前記多価アルコールが1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール及びポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である(3)に記載の化粧料。
(5)多価アルコール、糖アルコール、水溶性ポリマー、リン脂質、スフィンゴ脂質、植物抽出物及びアミノ酸からなる群より選ばれる保湿用成分にマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)を含有させることを特徴とする、化粧料の浸透感を改善する方法。
多価アルコール等の保湿機能性成分を含む化粧料等において、マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)を添加することにより、化粧料の浸透感を促進することができる。
図1はMELの添加により1,3-ブチレングリコール水溶液の「浸透感」が大きくなることを示した、モニターによる一対比較評価の結果である。 図2はMELの添加により1,3-プロパンジオール水溶液の「浸透感」が大きくなることを示した、モニターによる一対比較評価の結果である。 図3はMELの添加によりポリエチレングリコール水溶液の「浸透感」が大きくなることを示した、モニターによる一対比較評価の結果である。 図4はMELが添加された1,3-ブチレングリコールの残存率の測定結果を示す。 図5より、MELが添加された1,3-ブチレングリコールの剥離力の測定結果を示す。
本発明は、化粧料とりわけ保湿用もしくは肌荒れ防止用化粧料に保湿剤・肌荒れ防止剤成分として用いられる多価アルコール、糖アルコール、水溶性ポリマー、リン脂質、スフィンゴ脂質、植物抽出物、アミノ酸等の肌への馴染みや浸透を促進するため、バイオサーファクタントの一種であるマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)を用いたことを特徴する。これら多価アルコールに代表される保湿剤・肌荒れ防止剤成分は、保湿効果や肌荒れ改善効果は知られているが、使用時の感触が悪く、皮脂にはじかれて肌へのなじみが悪く、高濃度で配合すると「浸透感」が悪化することが知られている。しかしながら、これらの保湿剤・肌荒れ防止剤成分とMELを併用することにより、保湿剤・肌荒れ防止剤成分の浸透感の向上やべたつき感の低減に有意に効果がある。
(MEL)
「バイオサーファクタント」とは、生物によって生み出される界面活性物質の総称であり、優れた界面活性や、高い生分解性を示すばかりでなく、さまざまな生理作用を有していることから、合成界面活性剤とは異なる挙動・機能を発現する可能性がある。バイオサーファクタントとしては、微生物が生産する界面活性物質が代表的なものとして挙げられる。現在、上述した微生物が生産する界面活性物質としては、糖型、アシルペプチド型、リン脂質型、脂肪酸型及び高分子化合物型の5つに大別されている。
本発明に用いられるバイオサーファクタントとしては、マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)、MEL以外のマンノシルアルジトールリピッド(MAL)としては、マンノシルマンニトールリピッド(MML)、マンノシルソルビトールリピッド(MSL)、マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)、マンノシルリビトールリピッド(MRL)などが挙げられ、中でも、MELが好ましい。
MELは、ウスチラゴ ヌーダ(Ustilago nuda)とシゾネラ メラノグラマ(Shizonellamelanogramma)から発見された物質である。その後、イタコン酸生産の変異株であるキャンデダ属酵母、キャンデダ アンタークチカ(Candida antarctica)(現在はシュードザイマ アンタークチカ(Pseudozyma antarctica)、クルツマノマイセス(Kurtzmanomyces)属等の酵母らによっても生産されることが報告されている。
MELの構造を一般式(1)に示す。一般式(1)中、置換基R1は、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基である。MELは、マンノースの4位及び6位のアセチル基の有無に基づいて、MEL−A、MEL−B、MEL−C及びMEL−Dの4種類に分類される。
具体的には、MEL−Aは、一般式(1)中、置換基R2およびR3がともにアセチル基である。MEL−Bは、一般式(1)中、置換基R2はアセチル基であり、置換基R3は水素である。MEL−Cは、一般式(1)中、置換基R2が水素であり、置換基R3はアセチル基である。MEL−Dは、一般式(1)中、置換基R2及びR3がともに水素である。
上記MEL−A〜MEL−Dにおける置換基R1の炭素数は、MEL生産培地に含有させる油脂類であるトリグリセリドを構成する脂肪酸の炭素数および、使用するMEL生産菌の脂肪酸の資化の程度によって変化する。また、上記、トリグリセリドが不飽和脂肪酸残基を有する場合、MEL生産菌が上記不飽和脂肪酸の二重結合部分まで資化しなければ、置換基R1として不飽和脂肪酸残基を含ませることも可能である。以上の説明から明らかなように、得られるMELは、通常、置換基R1の脂肪酸残基部分が異なる化合物の混合物の形態である。
本発明の組成物には一般式(2)または一般式(3)に示されている構造を有するマンノシルエリスリトールリピッドが含まれている。尚、一般式(2)中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である。また、一般式(3)中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である。置換基R1の炭素数は上記範囲内であれば特に限定されないが、8個〜14個であることがさらに好ましい。
また、上記一般式(2)及び一般式(3)中の置換基R1は、飽和脂肪族アシル基であっても不飽和脂肪族アシル基であってもよく、特に限定されるものではない。不飽和結合を有している場合、例えば、複数の二重結合を有していても良い。炭素鎖は直鎖であっても分岐鎖状であってもよい。また、酸素原子含有炭化水素基の場合、含まれる酸素原子の数及び位置は特に限定されない。
MEL以外のMAL(マンノシルアルジトールリピッド)の構造は一般式(4)に示す(式中、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である)。エリスリトール以外の糖アルコール(アルジトール)としては、マンニトール、アラビトール、リビトール、ソルビトールが付加している(n=4:マンニトール、ソルビトール、n=2:アラビトール、リビトール)。一般式(4)に対応させれば、MALはマンノースの2位、3位に炭素数2〜20、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜14の飽和又は不飽和の直鎖又は分枝を有するアルカノイル基を有する(式中、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である)
(式中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数2〜20、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜14の飽和又は不飽和の直鎖又は分枝を有するアルカノイル基を有し、式中、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である。好ましくは、式中、置換基R2のどちらもアセチル基である化合物である。)
本発明に好ましく用いられるバイオサーファクタントは、上述で示されるMEL−A、MEL−B及びMEL−Cである。
なお、バイオサーファクタントは、単独で使用してもよいが、2種以上のバイオサーファクタントを併用することもできる。
バイオサーファクタントの製造方法は特に制限されるものはないが、微生物を用いた発酵方法を任意に選択して行えば良い。例えばMEL(MEL−A、MEL−B、MEL−C)の培養生産は常法に従って、Pseudozymaantarctica(NBRC 1073)により生産することができ、微生物としてはPseudozyma antarctica、Pseudozyma sp.等を用いることができる。いずれの微生物でも容易にMEL混合物が得られることは周知の事実である。MEL混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、MEL−A、MEL−B及びMEL−Cを単離することが出来る。また、MEL−Bを生産する菌としては、Pseudozyma antarctica 及びPseudozymatsukubaensisが知られており、その菌を用いてもよい。MEL−Cを生産する菌としては、Pseudozyma hubeiensis、Pseudozymagraminicola等が知られており、その菌を用いてもよい。MELを生産する能力を有する微生物としては特に限定するものではなく、目的に応じて適宜使用することができる。
(浸透感促進剤)
本発明は、化粧料において保湿・肌荒れ防止用の機能性成分として用いられる多価アルコール、糖アルコール、水溶性ポリマー、リン脂質、スフィンゴ脂質、植物抽出物、アミノ酸等とMELを併用して用いることにより、化粧料の浸透感を改善、促進することができる。
浸透感とは、人が化粧料を肌に塗布した後一定時間経過後も感じる化粧料の残液感の少なさを指し、主観評価により求めることができる。また浸透感は残存率によっても表すことができ、残存率は熱重量分析装置 TGA2950(TA Instrument社製)を用いて、皮膚外用剤10mgを窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の重量を計測し、初期重量と35℃、30分間放置後重量から算出することもできる。
保湿・肌荒れ防止用の機能性成分として用いられる多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ジピロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリンなどを用いることができる。糖アルコールとしては、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、マンニトール、トレハロース等が挙げられる。
水溶性ポリマーとしては、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマーが例示される。リン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、スフィンゴエミリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、大豆レシチン、卵黄レシチンなどが用いられる。スフィンゴ脂質ではセラミドがよく用いられる。植物抽出物、海藻抽出物としては、アロエ、ヘチマなどの植物抽出物、コンブ、テングサなどの海藻抽出物が用いられる。
アミノ酸としては、グリシン、アラニン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等が用いられる。
前記多価アルコール等の保湿・肌荒れ防止用の機能性成分とMELは化粧料に配合して提供することができる。例えば、ローション、乳液、クリーム等の形態をとることができ、具体的には化粧石鹸、シャンプー、洗顔料、リンス、アイクリーム、アイシャドウ、クリーム・乳液、化粧水、香水、おしろい、化粧油、頭髪用化粧品、染毛料、練香水、パウダー、パック、クレンジングクリーム、ひげそり用クリーム、ひげそり用ローション、日焼けオイル、日焼け止めオイル、日焼けローション、日焼け止めローション、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、ファンデーション、粉末香水、ほお紅、マスカラ、眉墨、爪クリーム、美爪エナメル、美爪エナメル除去液、洗毛料、浴用化粧品、口紅、リップクリーム、アイライナー、歯磨き、デオドラント剤、オーデコロン、養毛剤および育毛剤などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
当該バイオサーファクタントの化粧料への添加方法は、一般に利用されている方法であればよい。つまり、化粧料に直接添加してもよいし、その他化粧成分中に配合して添加してもよく、またこれらに限定されるものではない。
化粧料へのMELの配合量は特に制限されないが、通常0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜5.0重量%、特に好ましくは0.1〜3.0重量%の割合で配合される。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1: MEL−Aの製造
種菌培養はPseudozyma antarctica NBRC 10736のコロニーを種培地(20ml/500ml坂口フラスコ)に1 loop植菌して実施した。30℃にて一晩培養した。得られた培養液を種菌とした。種培地組成は4% Glucose、0.3% NaNO3、0.02% MgSO4・7H2O、0.02% KH2PO4、0.1% yeast extractであった。培養は上記種菌75mlを生産培地1.5L(5L-jar)に植菌し、30℃、300rpm(攪拌回転)、0.5L/min(Air)の条件で5L-jarを用いて培養した。生産培地組成は、5% オリーブ油、0.02% MgSO4・7H2O、0.02% KH2PO4、0.1% yeast extractであった。培養液250mlを遠心(6500rpm、30min)し、上清を取り除き、沈殿(菌体)を回収した。沈殿に、50mlの酢酸エチルを加え、十分攪拌後、遠心(8500rpm、30min)し、沈殿と上清に分け、上清をエバポーレーターで濃縮した。シリカゲルを用いて、クロロホルム:アセトン=1:0、クロロホルム:アセトン=9:1、クロロホルム:アセトン1:1、クロロホルム:アセトン=3:7、クロロホルム:アセトン=0:1で溶出しMEL−A画分を得た。
実施例2: MEL−Bの製造
0.2mlのPseudozymatsukubaensisのコロニーを20mlのYM培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種種菌とした。0.2mlの種種菌を再度、20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種菌とした。20mlの種菌を2LのYM培地/5L Jarに植菌し、26℃ 300rpm(1/4VVM、0.5L air /min)で8日間培養した。培養液を7,900rpm 60min 4℃で遠心し、菌体(MEL−Bを含む)と上清に分離した。菌体画分にそれぞれ80mlの酢酸エチルを加え、菌体が十分懸濁するように上下に攪拌した後、7,900rpm 30min 4℃で遠心した。得られた上清に等量の飽和食塩水を加え攪拌し酢酸エチル層を得た。酢酸エチル層に無水硫酸Naを適量加え、30分間精置させた後、エバポレートしMEL−B粗精製品を得た。得られたMEL−B粗精製品をシリカゲルカラムを用いて、ヘキサン:アセトン=5:1、ヘキサン:アセトン=1:1で溶出しMEL−B画分精製品を得た。
実施例3: MEL−Cの製造
0.2mlのPseudozymahubeiensis及びPseudozyma graminicolaフローズンストックを20mlのYM培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種種菌とした。0.2mlの種種菌を再度、20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種菌とした。20mlの種菌を2LのYM培地/5L Jarに植菌し、26℃ 300rpm(1/4VVM、0.5L air /min)で8日間培養した。培養液を7,900rpm 60min 4℃で遠心し、菌体(MEL−Cを含む)と上清に分離した。菌体画分にそれぞれ80mlの酢酸エチルを加え、菌体が十分懸濁するように上下に攪拌した後、7,900rpm 30min 4℃で遠心した。得られた上清に等量の飽和食塩水を加え攪拌し酢酸エチル層を得た。酢酸エチル層に無水硫酸Naを適量加え、30分間精置させた後、エバポレートしMEL−C粗精製品を得た。得られたMEL−C粗精製品をシリカゲルカラムを用いて、ヘキサン:酢酸エチル=1:1、ヘキサン:酢酸エチル=1:3、酢酸エチルで溶出しMEL−C画分精製品を得た。
実施例4:化粧水調製(1,3−ブチレングリコール水溶液)
1,3-ブチレングリコールを各種濃度(5〜30重量%)となるように調製し、これにMEL−Bを0.1重量%を添加した化粧水を調製した。比較対象として、1,3-ブチレングリコールを各種濃度(5〜30重量%)となるように調製しMELを含有しない化粧水を調製した。
実施例5:化粧水調製(1,3-プロパンジオール水溶液)
1,3-プロパンジオールを20重量%となるように調製し、これにMEL−Bを0.1重量%添加した化粧水を調製した。比較対象として、1,3-プロパンジオールを20重量%となるように調製しMELを含有しない化粧水を調製した。
実施例6:化粧水調製(ポリエチレングリコール水溶液)
ポリエチレングリコールを20重量%となるように調製し、これにMEL−Bを0.1重量%添加した化粧水を調製した。比較対象として、ポリエチレングリコールを20重量%となるように調製しMELを含有しない化粧水を調製した。
実施例7:モニターによる一対比較評価
(モニターによる乾燥後の「べたつき感の無さ」の一対比較評価)
20〜30代女性20名により、試料の塗布3分後の「べたつき感の無さ」を一対比較法により判定した。23℃、50%RHの恒温恒湿室内でモニターの左右の頬に、実施例4〜6で作製した各種・各濃度の多価アルコールを含む化粧水におけるMEL添加有り及び無し2種類の試料を各々30μl塗布して、指で伸ばし広げた。そして、塗布3分後の頬を指で触った時の「べたつき感の無さ」を、左右どちらの試料がより肌に対してべたつきがないかについて判定した。全試料の組合せにて一対比較判定後、中屋の変法を用いたシェッフェの一対比較法に準拠し、「べたつき感の無さ」をー2〜+2点で得点化した。モニターによる乾燥後の「べたつき感の無さ」の中屋の変法を用いたシェッフェの一対比較法による主観評価結果を図1〜図3に示した。
図1〜3から明らかな通り、多価アルコールである1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ポリエチレングリコールのそれぞれを含有する化粧料において、MELを添加することにより「浸透感」が改善される結果となった。
実施例8:残存率測定
実施例4で調製した25重量%濃度の1,3-ブチレングリコール含有化粧水及び25重量%濃度の1,3-ブチレングリコールに0.1重量%MEL−Bを添加した化粧水の残存率を測定し、評価した。残存率は、熱重量分析装置 TGA2950(TA Instrument社製)を用い、皮膚外用剤10mgを窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の重量を計測した。初期重量と35℃、30分放置後重量から残存率を式(1)にて算出した。
残存率(%)=100−(W−W)/W×100 ・・・(式1)
:初期重量(g)
:35℃、30分間放置後重量(g)
結果を図4に示す。図4よりMELが添加された1,3-ブチレングリコールの残存率が未添加より低くなることが明らかとなった。
実施例9:剥離力測定
実施例4で調製した25重量%濃度の1,3-ブチレングリコール含有化粧水及び25重量%濃度の1,3-ブチレングリコールに0.1重量%MEL−Bを添加した化粧水の剥離力を測定した。剥離力はハンディー圧縮試験機KES−G5(カトーテック株式会社製)を用い、試料台に皮膚外用剤を6μl塗布後、皮膚外用剤のある状態で加圧子と試料台との圧縮を180秒間繰り返し、120秒後の加圧子と試料台が離れる時の値を剥離力として用いた。測定環境は温度25℃、湿度50%RHとし、試料台にはポリエステルフィルム(東洋紡(株)製 クリスパーK2379 厚さ188μm)、加圧子には10mm角の前記フィルムにオイルオフスポンジ(株式会社シャンティ製)を貼り付け、スポンジ側を加圧板に貼り付けたものを用いた。荷重1000gf/cm、速度10mm/sec、加圧子と試料台の距離2mmとした。
結果を図5に示す。図5より、MELが添加された1,3-ブチレングリコールの剥離力が未添加より小さくなることが明らかとなった。
MELが添加された1,3-ブチレングリコールの残存率が未添加より低くなること、および、剥離力が未添加より小さくなることから、中屋の変法を用いたシェッフェの一対比較法に準拠して得点化した実施例7における「浸透感」はMELを添加することで大きくなる傾向がみられたことが明らかとなった。
本発明により、多価アルコール類が有するべたつき感を抑制する添加物として、MELをはじめとするバイオサーファクタントを選択することが可能となる。当該技術は、低濃度でそのべたつき感抑制作用および浸透感促進作用を発揮することが可能である。そのため、化粧品をはじめ皮膚外用剤など、さまざまな製品に対して利用可能性があり、産業界に大きく寄与することが期待される。

Claims (5)

  1. マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)を有効成分とする、化粧料の浸透促進剤。
  2. 前記MELが、MEL−A、MEL−B、MEL−Cから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の浸透促進剤。
  3. 多価アルコール、糖アルコール、水溶性ポリマー、リン脂質、スフィンゴ脂質、植物抽出物及びアミノ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種とマンノシルエリスリトールリピッドを含有する化粧料。
  4. 前記多価アルコールが1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール及びポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の化粧料。
  5. 多価アルコール、糖アルコール、水溶性ポリマー、リン脂質、スフィンゴ脂質、植物抽出物及びアミノ酸からなる群より選ばれる保湿用成分にマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)を含有させることを特徴とする、化粧料の浸透感を改善する方法。
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