JP2015168548A - 台枠ローラー浮かせ工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術においては、例えば、保守点検作業をより効率的に行うことが望まれている。【解決手段】実施形態の台枠ローラー浮かせ工具は、乗客コンベアの従動輪の軸受を載置すると共に、水平方向に沿ったレール上をローラーが転動することで水平方向に沿って移動可能である従動輪台車を鉛直方向上側に持ち上げるものである。そして、台枠ローラー浮かせ工具は、棒状に形成される持ち手部と、持ち上げ部と、屈曲部とを備え、前記持ち手部と前記持ち上げ部と前記屈曲部とは、一体で形成される。持ち上げ部は、前記持ち手部の一方の端部側に設けられ、前記レールの一部、あるいは、前記ローラーの一部を挿入可能なスリットが形成され前記従動輪台車を載置可能である。屈曲部は、前記持ち手部と前記持ち上げ部との間に介在する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、台枠ローラー浮かせ工具に関する。
従来、エスカレータ等の乗客コンベアは、無端状に連結された複数の踏段を、駆動輪と従動輪との間に掛け渡されたチェーンを駆動させることで周回移動させて動作する。
ところで、従来技術においては、例えば、従動輪の軸受を載置すると共に、水平方向に沿ったレール上をローラーが転動することで水平方向に沿って移動可能である従動輪台車を鉛直方向上側に持ち上げて保守点検を行う場合があるが、このような場合に保守点検作業をより効率的に行うことが望まれている。
実施形態の台枠ローラー浮かせ工具は、乗客コンベアの前記従動輪の軸受を載置すると共に、水平方向に沿ったレール上をローラーが転動することで水平方向に沿って移動可能である従動輪台車を鉛直方向上側に持ち上げるものである。ここで、乗客コンベアは、無端状に連結された複数の踏段を、駆動輪と従動輪との間に掛け渡されたチェーンを駆動させることで周回移動させて動作する。そして、台枠ローラー浮かせ工具は、棒状に形成される持ち手部と、持ち上げ部と、屈曲部とを備え、前記持ち手部と前記持ち上げ部と前記屈曲部とは、一体で形成される。持ち上げ部は、前記持ち手部の一方の端部側に設けられ、前記レールの一部、あるいは、前記ローラーの一部を挿入可能なスリットが形成され前記従動輪台車を載置可能である。屈曲部は、前記持ち手部と前記持ち上げ部との間に介在する。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具の概略構成を表す斜視図である。図2は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具の概略構成を表す正面図である。図3は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具の概略構成を表す側面図である。図4は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具の適用例を表す模式的な側面図である。図5は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具の適用例を表す模式的な部分斜視図である。図6は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具が適用されるエスカレータの概略構成例を示すブロック図である。図7は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具が適用されるエスカレータの従動輪近傍の模式的な側面図である。
図1は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具の概略構成を表す斜視図である。図2は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具の概略構成を表す正面図である。図3は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具の概略構成を表す側面図である。図4は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具の適用例を表す模式的な側面図である。図5は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具の適用例を表す模式的な部分斜視図である。図6は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具が適用されるエスカレータの概略構成例を示すブロック図である。図7は、実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具が適用されるエスカレータの従動輪近傍の模式的な側面図である。
図1〜図5に示す本実施形態に係る台枠ローラー浮かせ工具100は、保守点検作業等の際に、乗客コンベアとしてのエスカレータ1の従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げるための工具である。
ここで、本実施形態の台枠ローラー浮かせ工具100は、図6、図7に示すようなエスカレータ1に適用される。エスカレータ1は、無端状に連結された複数の踏段5を、駆動輪3と従動輪4との間に掛け渡されたチェーン9を駆動させることで周回移動させて動作するものである。
具体的には、エスカレータ1は、トラス(構造フレーム)2の内部に、駆動輪3と従動輪4との間を無端状に連結された複数の踏段5を備える。エスカレータ1は、駆動輪3に減速機6及び駆動チェーン7を介してモータ8から供給される動力により、複数の踏段5が駆動輪3と従動輪4との間を周回移動するよう構成される。エスカレータ1は、駆動輪3と従動輪4との間には踏段5の移動用の踏段チェーン9(チェーン)が掛け渡され、無端上に回転駆動するようになっている。そして、エスカレータ1は、踏段チェーン9に、利用者を乗せる踏段5が連結されていて、踏段チェーン9の駆動と共に回転移動するようになっている。駆動輪3は、上階側に配置され、従動輪4は、下階側に配置される。
エスカレータ1が下降方向に稼動する場合、複数の踏段5は、上方の乗り口(上階側乗降口10)において進行方向に向けて隣接する踏段5同士が水平状でトラス2内から進出され、上部遷移カーブにおいて隣接する踏段5間の段差を拡大してゆき階段状に遷移され、中間傾斜部において階段状で下降され、下部遷移カーブにおいて隣接する踏段5間の段差を縮小してゆき水平状に遷移され、下方の降り口(下階側乗降口11)において再び水平状となってトラス2内に進入する。そして、トラス2内に進入された後に上方に反転され、帰路側を水平状で上昇され、再度反転されて上階側乗降口10においてトラス2内から進出される。上昇方向に稼動するエスカレータ1では上記の逆の動作となる。上階側乗降口10及び下階側乗降口11において、踏段5は、利用者を乗せる上面の踏み面を水平状として、トラス2内から進出し、またはトラス2内へ進入する。
また、エスカレータ1は、踏段5の進行方向における両脇に欄干12を備え、この欄干12の外周に沿って環状の手すりベルト13が取り付けられている。エスカレータ1は、上記の踏段5の移動に合わせて欄干12の手すりベルト13も踏段5と同方向に周回移動するよう構成されている。
このようなエスカレータ1の動作は、トラス2内に設置される制御装置14によって、インバータ装置(図示せず)及びモータ8を制御することで実現される。制御装置14は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などを有するコンピュータである。制御装置14の機能は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することによって、CPUの制御のもとでエスカレータ1内の各種装置を動作させると共に、RAMやROMにおけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
従動輪4は、下部機械室30(図6参照)内に配置され、図7に示すように、外周に従動スプロケット21が設けられ、この従動スプロケット21を介して踏段チェーン9と噛み合っている。従動輪4の従動軸(回転軸)22は、軸受23により回転自在に支持されている。軸受23は、従動輪台車24に固定されていて、従動輪台車24は、複数のローラー(コロ)25を介してレール26上を水平方向に移動可能に設置されている。レール26は、トラス2内に固設された横梁27に固定されている。つまり、従動輪台車24は、従動輪4の軸受23を載置すると共に、水平方向に沿ったレール26上をローラー25が転動することで水平方向に沿って移動可能である。より詳細には、従動輪台車24は、図5に例示するように、一対のピローブロック24aによって各ローラー25の転動軸を挟み込むことで構成される。
なお、このエスカレータ1は、図7に示すように、踏段チェーン9が経年変化により伸びても常に一定の張力を得られるように、張力装置28(張力付与部)が設けられている。張力装置28は、ロッド28a及びバネ28bを有する。ロッド28aは、その一端が従動輪台車24に固定され、従動輪4及び上階側の駆動輪3から離間する方向(図7では左方向)に延在するよう配置される。ロッド28aの他端にはバネ28bの一端が取り付けられている。バネ28bの他端は、ロッド28aの両端部の間に位置する縦梁29に、従動輪4と反対側から取り付けられている。縦梁29は、横梁27と同様にトラス2内に固設され、鉛直方向に延在している。バネ28bは、圧縮された状態でロッド28aと縦梁29との間に設置されており、これにより、ロッド28aは、従動輪4及び上階側の駆動輪3から離間する方向(図7では左方向)に付勢されている。このような張力装置28によって、ロッド28aの付勢力が、従動輪台車24及び軸受23を介して従動輪4の従動軸22に常に伝達されているので、従動輪4は常に上階側の駆動輪3から離間する方向(図7では左方向)にこの付勢力を受けることとなる。これにより、踏段チェーン9も、従動輪4と同方向の力を受けて、駆動輪3から離間する方向に引っ張られ、充分な張力を得られるので、張り具合が均等に保たれている。エスカレータ1が起動すると、従動輪台車24は、レール26上をわずかな距離で往復移動することとなる。
また、図6、7には図示しないが、駆動輪3、従動輪4及び踏段チェーン9は、踏段5の進行方向における両脇にそれぞれ設けられるので、上述した従動輪台車24や張力装置28などの踏段チェーン9の張力保持に関連する構成要素も、一対の従動輪4にそれぞれ設けられる。
そして、図1〜図5に示す本実施形態の当該台枠ローラー浮かせ工具100は、保守点検作業等の際に、上記従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げるために用いられるものである。従動輪台車24は、エスカレータ1が起動すると、上述のようにレール26上をわずかな距離で往復移動することとなることから、この往復移動によって当該ローラー25が劣化し、例えば、異音等が発生するおそれがある。このため、例えば、従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げてローラー25を浮かせ、ローラー25の当たり面をかえたり、レール26にグリスを塗ったりするなど、上記異音を防止するために種々の保守点検作業を行う場合がある。当該台枠ローラー浮かせ工具100は、このような場合に用いられる。
具体的には、台枠ローラー浮かせ工具100は、図1〜図5に示すように、棒状に形成される持ち手部101と、従動輪台車24を載置可能である持ち上げ部102と、持ち手部101と持ち上げ部102との間に介在する屈曲部103とを備える。そして、台枠ローラー浮かせ工具100は、これら持ち手部101と持ち上げ部102と屈曲部103とが一体で形成されることで、従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げて保守点検を行う場合に、当該保守点検作業を効率的に行うことができるようにしている。
持ち手部101は、延在方向に直交する方向の断面形状が略長方形状の棒状に形成される。持ち手部101は、例えば、一般的なモンキーレンチの持ち手部より長く形成される(例えば、300mm以上)。持ち上げ部102は、持ち手部101の一方の端部側に設けられ、従動輪台車24を載置可能である。持ち上げ部102は、レール26の一部、あるいは、ローラー25の一部を挿入可能なスリット102aが形成されており、当該スリット102aによって全体として二股状(U字状)に分かれている。言い換えれば、持ち上げ部102は、先割れ形状となっており、この先割れ部分に従動輪台車24の一対のピローブロック24aをそれぞれ載置可能である。また、持ち上げ部102は、従動輪台車24を構成するピローブロック24aを載置する側の載置面にグリット状の溝102bを有する。ここでは、グリット状の溝12bは、網目状に形成されている。屈曲部103は、持ち手部101と持ち上げ部102との間に介在する。屈曲部103は、持ち手部101に対して持ち上げ部102を所定の角度で屈曲させる部分である。屈曲部103の屈曲角度θ(図3参照)、すなわち、持ち手部101に対する持ち上げ部102の載置面側の屈曲角度θは、例えば、110°から170°程度、より好ましくは120°から160°程度である。持ち手部101と持ち上げ部102と屈曲部103とは、金属等で一体に形成される。
このような台枠ローラー浮かせ工具100を用いて、エスカレータ1の作業員等により行われる、従動輪台車24を持ち上げる作業の概要は以下のとおりである。すなわち、作業員は、まず、踏段5を3〜4段ほどはずし当該エスカレータ1が動かない処置を取るため、例えば、電源をきり安全回路を遮断するスイッチを使って作業を行う。次に、作業員は、下部機械室30、あるいは、トラス2の内部に入る。そして、作業員は、図4、図5に示すように、台枠ローラー浮かせ工具100の持ち手部101を把持して持ち上げ部102を、従動輪台車24の一対のピローブロック24aの鉛直方向下側端部とレール26との間に差し込む。作業員は、複数のローラー25に対してそれぞれ台枠ローラー浮かせ工具100の持ち上げ部102を、ピローブロック24aとレール26との間に差し込む。この状態では、台枠ローラー浮かせ工具100は、レール26の一部、あるいは、ローラー25の一部がスリット102a内に挿入された状態となることで、持ち上げ部102の先割れ部分を、確実にピローブロック24aとレール26との間に差し込ませることができる。そして、作業員は、持ち上げ部102を差し込んだ状態で持ち手部101を鉛直方向下側に押し下げることで、てこの原理を利用して従動輪台車24のピローブロック24aを鉛直方向上側に持ち上げて各ローラー25をレール26から浮かせる。その後、作業員は、ローラー25の当たり面をかえたり、レール26にグリスを塗ったりするなど、種々の保守点検作業を行う。作業員は、保守点検作業が終わったら持ち手部101を押圧する力を徐々に緩めていき、従動輪台車24を自重により鉛直方向下側に下していき、各ローラー25をレール26上に載置し、持ち上げ部102を引き抜いて作業を終了する。
以上で説明した台枠ローラー浮かせ工具100によれば、無端状に連結された複数の踏段5を、駆動輪3と従動輪4との間に掛け渡されたチェーン9を駆動させることで周回移動させて動作するエスカレータ1の従動輪4の軸受23を載置すると共に、水平方向に沿ったレール26上をローラー25が転動することで水平方向に沿って移動可能である従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げる台枠ローラー浮かせ工具であって、棒状に形成される持ち手部101と、持ち手部101の一方の端部側に設けられ、レール26の一部、あるいは、ローラー25の一部を挿入可能なスリット102aが形成され従動輪台車24を載置可能である持ち上げ部102と、持ち手部101と持ち上げ部102との間に介在する屈曲部103とを備え、持ち手部101と持ち上げ部102と屈曲部103とは、一体で形成される。
したがって、以上で説明した台枠ローラー浮かせ工具100によれば、持ち手部101と持ち上げ部102との間に屈曲部103が介在し、工具自体に屈曲角度θが付与されているので、作業員は、持ち上げ部102を、従動輪台車24とレール26との間に差し込んだ状態で持ち手部101を鉛直方向下側に押し下げることで、てこの原理を利用して従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げて各ローラー25をレール26から浮かせることができる。この結果、作業員は、従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げて保守点検を行う場合に、当該保守点検作業を効率的に行うことができる。また、作業員は、トラス2が狭い場合、下部機械室30から手が届きにくいような場合、作業姿勢がとりにくいような場合であっても当該台枠ローラー浮かせ工具100を用いて容易に安全に保守点検作業を行うことができる。また、作業員は、持ち上げ部102を従動輪台車24とレール26との間に差し込んで持ち手部101を鉛直方向下側に押し下げるだけであるので、容易に作業を行うことができる。
以上で説明した台枠ローラー浮かせ工具100によれば、持ち上げ部102は、従動輪台車24のピローブロック24aを載置する載置面にグリット状の溝102bを有する。したがって、この台枠ローラー浮かせ工具100は、持ち上げ部102の載置面上に従動輪台車24を載置し当該従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げた際に、持ち上げ部102の載置面のグリット状の溝12bと従動輪台車24との間に生じる摩擦力を相対的に大きくすることができるので、従動輪台車24が持ち上げ部102の載置面から滑りにくくすることができる。この点でも、当該台枠ローラー浮かせ工具100によれば、作業員は、従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げて保守点検を行う場合に、当該保守点検作業をより効率的かつ安全に行うことができる。
なお、上記実施形態では、無端状に連結された複数の踏段5が周回移動するよう動作する乗客コンベアの一例としてエスカレータ1を挙げて説明したが、本実施形態は、エスカレータ1に限らず、動く歩道など他のタイプの乗客コンベアにも同様に適用することができる。
以上で説明した実施形態、変形例に係る台枠ローラー浮かせ工具によれば、保守点検作業を効率的に行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 エスカレータ(乗客コンベア)
3 駆動輪
4 従動輪
5 踏段
9 踏段チェーン(チェーン)
21 従動スプロケット
22 従動軸
23 軸受
24 従動輪台車
24a ピローブロック
25 ローラー
26 レール
100 台枠ローラー浮かせ工具
101 持ち手部
102a スリット
102b 溝
102 持ち上げ部
103 屈曲部
θ 屈曲角度
3 駆動輪
4 従動輪
5 踏段
9 踏段チェーン(チェーン)
21 従動スプロケット
22 従動軸
23 軸受
24 従動輪台車
24a ピローブロック
25 ローラー
26 レール
100 台枠ローラー浮かせ工具
101 持ち手部
102a スリット
102b 溝
102 持ち上げ部
103 屈曲部
θ 屈曲角度
実施形態の台枠ローラー浮かせ工具は、乗客コンベアの従動輪の軸受を載置すると共に、水平方向に沿ったレール上をローラーが転動することで水平方向に沿って移動可能である従動輪台車を鉛直方向上側に持ち上げるものである。ここで、乗客コンベアは、無端状に連結された複数の踏段を、駆動輪と従動輪との間に掛け渡されたチェーンを駆動させることで周回移動させて動作する。そして、台枠ローラー浮かせ工具は、棒状に形成される持ち手部と、持ち上げ部と、屈曲部とを備え、前記持ち手部と前記持ち上げ部と前記屈曲部とは、一体で形成される。持ち上げ部は、前記持ち手部の一方の端部側に設けられ、前記レールの一部、あるいは、前記ローラーの一部を挿入可能なスリットが形成され前記従動輪台車を載置可能である。屈曲部は、前記持ち手部と前記持ち上げ部との間に介在する。
持ち手部101は、延在方向に直交する方向の断面形状が略長方形状の棒状に形成される。持ち手部101は、例えば、一般的なモンキーレンチの持ち手部より長く形成される(例えば、300mm以上)。持ち上げ部102は、持ち手部101の一方の端部側に設けられ、従動輪台車24を載置可能である。持ち上げ部102は、レール26の一部、あるいは、ローラー25の一部を挿入可能なスリット102aが形成されており、当該スリット102aによって全体として二股状(U字状)に分かれている。言い換えれば、持ち上げ部102は、先割れ形状となっており、この先割れ部分に従動輪台車24の一対のピローブロック24aをそれぞれ載置可能である。また、持ち上げ部102は、従動輪台車24を構成するピローブロック24aを載置する側の載置面にグリット状の溝102bを有する。ここでは、グリット状の溝102bは、網目状に形成されている。屈曲部103は、持ち手部101と持ち上げ部102との間に介在する。屈曲部103は、持ち手部101に対して持ち上げ部102を所定の角度で屈曲させる部分である。屈曲部103の屈曲角度θ(図3参照)、すなわち、持ち手部101に対する持ち上げ部102の載置面側の屈曲角度θは、例えば、110°から170°程度、より好ましくは120°から160°程度である。持ち手部101と持ち上げ部102と屈曲部103とは、金属等で一体に形成される。
以上で説明した台枠ローラー浮かせ工具100によれば、持ち上げ部102は、従動輪台車24のピローブロック24aを載置する載置面にグリット状の溝102bを有する。したがって、この台枠ローラー浮かせ工具100は、持ち上げ部102の載置面上に従動輪台車24を載置し当該従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げた際に、持ち上げ部102の載置面のグリット状の溝102bと従動輪台車24との間に生じる摩擦力を相対的に大きくすることができるので、従動輪台車24が持ち上げ部102の載置面から滑りにくくすることができる。この点でも、当該台枠ローラー浮かせ工具100によれば、作業員は、従動輪台車24を鉛直方向上側に持ち上げて保守点検を行う場合に、当該保守点検作業をより効率的かつ安全に行うことができる。
実施形態の台枠ローラー浮かせ工具は、乗客コンベアの従動輪の軸受を載置すると共に、水平方向に沿ったレール上をローラーが転動することで水平方向に沿って移動可能である従動輪台車を鉛直方向上側に持ち上げるものである。ここで、乗客コンベアは、無端状に連結された複数の踏段を、駆動輪と従動輪との間に掛け渡されたチェーンを駆動させることで周回移動させて動作する。そして、台枠ローラー浮かせ工具は、棒状に形成される持ち手部と、持ち上げ部と、屈曲部とを備え、前記持ち手部と前記持ち上げ部と前記屈曲部とは、一体で形成される。持ち上げ部は、前記持ち手部の一方の端部側に設けられ、前記レールの一部、あるいは、前記ローラーの一部を挿入可能なスリットが形成され前記従動輪台車を載置可能である。屈曲部は、前記持ち手部と前記持ち上げ部との間に介在する。持ち上げ部が従動輪台車とレールとの間に差し込まれた状態では、ローラーの一部がスリット内に挿入された状態となる。
Claims (2)
- 無端状に連結された複数の踏段を、駆動輪と従動輪との間に掛け渡されたチェーンを駆動させることで周回移動させて動作する乗客コンベアの前記従動輪の軸受を載置すると共に、水平方向に沿ったレール上をローラーが転動することで水平方向に沿って移動可能である従動輪台車を鉛直方向上側に持ち上げる台枠ローラー浮かせ工具であって、
棒状に形成される持ち手部と、
前記持ち手部の一方の端部側に設けられ、前記レールの一部、あるいは、前記ローラーの一部を挿入可能なスリットが形成され前記従動輪台車を載置可能である持ち上げ部と、
前記持ち手部と前記持ち上げ部との間に介在する屈曲部とを備え、
前記持ち手部と前記持ち上げ部と前記屈曲部とは、一体で形成されることを特徴とする、
台枠ローラー浮かせ工具。 - 前記持ち上げ部は、前記従動輪台車を載置する載置面にグリット状の溝を有する、
請求項1に記載の台枠ローラー浮かせ工具。
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