JP2015168454A - 保護カバー及び航空部品の梱包方法 - Google Patents

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義治 江尻
Yoshiharu Ejiri
義治 江尻
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Abstract

【課題】輸送時における航空部品への影響を低減することができる保護カバー等を提供する。
【解決手段】輸送時に航空部品5を覆って保護する保護カバー1であって、航空部品5が接する裏側から表側に亘る厚さ方向に沿って積層構造となるカバー本体10を備え、カバー本体10は、表層となる耐水性を有する第1層11と、裏層となる耐水性を有する第3層13と、第1層11と第3層13との間の中間層となる緩衝性を有する第2層12と、を含んで構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、航空部品の保護カバー及び航空部品の梱包方法に関するものである。
従来、トラックの荷台に積み上げられる荷物を荷崩れしないようにするための荷崩れ防止装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この荷崩れ防止装置では、布状被覆材により荷物を覆うことで、荷物の上方への運動を阻止し、荷物の荷崩れを抑制している。
実公昭58−55078号公報
ところで、トラックで陸上輸送される荷物としては、例えば、航空部品がある。航空部品としては、例えば、分割された(サブコンポーネントとなった)航空機の機体であり、胴部、主翼、水平尾翼及び垂直尾翼等がある。この航空部品は、その内部に各種機器から構成される機能品が装備されている場合があり、陸上輸送時において、航空部品の内部に、塵芥及び雨水が混入することは好ましくない。また、航空機の機体はアルミニウムまたはアルミ合金等を用いて構成されるため、陸上輸送時における飛び石等の外的要因による影響を低減する必要がある。ここで、特許文献1の布状被覆材は、荷物を保護する機能を有していないことから、トラックの荷台に積載される荷物に、陸上輸送時の外的要因による影響が与えられる可能性がある。
そこで、本発明は、輸送時における航空部品への影響を低減することができる保護カバー及び航空部品の梱包方法を提供することを課題とする。
本発明の保護カバーは、輸送時に航空部品を覆って保護する保護カバーであって、前記航空部品が接する裏側から表側に亘る厚さ方向に沿って積層構造となるカバー本体を備え、前記カバー本体は、表層となる耐水性を有する第1層と、裏層となる耐水性を有する第3層と、前記第1層と前記第3層との間の中間層となる緩衝性を有する第2層と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、航空部品を覆うカバー本体は、輸送時に降雨があっても、航空部品の内部への雨水の浸入を、第1層及び第3層によって抑制することができ、また、飛び石等の外的要因による衝撃を、第2層によって抑制することができる。このため、輸送時における航空部品への影響を低減することができ、航空部品を好適に保護することができる。なお、第2層は、カバー本体の部位に応じて厚みを変えてもよい。
また、前記航空部品には、開口部が形成されており、前記カバー本体の前記開口部を覆う部位に設けられ、前記カバー本体の内外を連通する通風孔と、前記通風孔に設けられるフィルタと、前記通風孔を覆う蓋と、をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、輸送時において、航空部品を覆うカバー本体の内部に空気が侵入しても、通風孔を介して、空気を外部に排出することができ、カバー本体の膨らみを抑制することができる。このため、航空部品と航空部品に接するカバー本体との間に、カバー本体の膨らみによって空間部が形成されることがないため、空間部を滞留する塵芥によって航空部品に与えられる影響を抑制することができる。
また、前記通風孔は、方形状に形成され、前記蓋は、前記通風孔を覆うと共に、前記通風孔の三辺に沿う部位が前記カバー本体に接合される一方で、前記通風孔の残りの一辺に沿う部位が開放されることが好ましい。
この構成によれば、通風孔を介したカバー本体の内外の通気を許容しつつ、カバー本体に対する蓋のばたつきを抑制することができる。
また、前記航空部品には、開口部が形成されており、前記カバー本体の前記開口部を覆う部位に取り付けられ、前記カバー本体の変形を抑制する芯材と、前記カバー本体の前記芯材を取り付ける部位に設けられ、前記芯材を固定可能に収容する収容部と、をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、芯材により、航空部品の開口部を覆うカバー本体の変形を抑制することができるため、カバー本体の変形によって航空部品に与えられる影響を抑制することができる。なお、芯材は、例えば、2つの棒状部材を交差させて十字状に配設してもよく、特に限定されない。
また、前記航空部品を覆う前記カバー本体の頂部に設けられ、前記カバー本体を吊り上げるためのフックを、さらに備えることが好ましい。
この構成によれば、クレーン等によりフックを介してカバー本体を吊り上げることができるため、作業者が航空部品に触れることなく、カバー本体を簡単に取り外したり、覆ったりすることができる。
また、前記カバー本体には、前記航空部品を搭載する台車に設けられる棒状部材に固縛ロープを巻き付けるためのロープ穴が形成されることが好ましい。
この構成によれば、固縛ロープを用いて、カバー本体を台車の棒状部材に固縛することで、カバー本体を航空部品に簡単に装着することができるため、作業性を向上させることができる。
また、前記第1層、前記第2層及び前記第3層は、縫製可能な材料であり、縫製によって縫い合わせられていることが好ましい。
この構成によれば、第1層、第2層及び第3層を縫い合わせて一体とすることができ、また、縫製によってカバー本体を航空部品の形状に応じて容易に形成することができる。なお、縫製は、例えば、二本針縫いで行われることが好ましい。また、縫製の間隔は、1m〜1.5m程度の範囲となることで、各層間のずれを抑制しつつ、縫製部分の形成を抑制することができる。ここで、縫製可能な材料として、第1層及び第3層は、例えば、耐水性を有する生地(織布)であり、第2層は、例えば、多孔質の樹脂シートである。
また、縫製によって縫い合わせられた縫製部分には、目地シール材が設けられることが好ましい。
この構成によれば、縫製部分からの雨水の浸入を抑制することができる。
また、前記第1層は、前記第3層と比べて、単位面積当たりの耐水度が高いことが好ましい。
この構成によれば、表側となる第1層の耐水度を高くすることで、第2層への水の浸入を抑制することができるため、第2層の水による劣化を抑制することができる。
また、前記第3層は、前記第1層と比べて、単位面積当たりの質量が軽いことが好ましい。
この構成によれば、第3層の軽量化を図ることで、カバー本体の軽量化を図ることが可能となる。
また、前記第2層は、水による腐敗への耐性を有することが好ましい。
この構成によれば、第2層が水に含浸しても、第2層の腐敗による劣化を抑制することができる。
また、前記第2層は、断熱性を有することが好ましい。
この構成によれば、カバー本体と航空部品との間において、空気中の水分が凍結することによって、航空部品に与えられる影響を抑制することができる。
また、前記第3層は、前記第1層と比べて、柔軟性を有することが好ましい。
この構成によれば、航空部品に接触する第3層を柔軟性の高いものとすることができるため、カバー本体を航空部品に覆うことによって、航空部品に与えられる影響を抑制することができる。
また、前記カバー本体の厚さは、0.9mm±0.1mmであることが好ましい。
この構成によれば、カバー本体の厚さを薄くすることができるため、カバー本体を畳んだときの厚みを薄くすることができ、カバー本体の取り扱いを容易なものにすることができる。
また、前記カバー本体は、所定面を有する一方側の部位と、前記所定面に対向する対向面を有する他方側の部位とを重ね合わせており、前記所定面と前記対向面とにそれぞれ設けられ、相互に接合可能な一対の面ファスナ部材を、さらに備え、一対の前記面ファスナ部材は、前記カバー本体の一方側の部位が下方側となり、前記カバー本体の他方側の部位が上方側となる場合、下方側の前記面ファスナ部材の面積が、上方側の前記面ファスナ部材の面積に比して広いことが好ましい。
この構成によれば、下方側の面ファスナ部材の面積を、上方側の面ファスナ部材の面積に比して広くすることで、一対の面ファスナ部材の接合を簡単に行うことができる。また、下方側の面ファスナ部材の面積が広いことから、上方側の面ファスナ部材に対する下方側の面ファスナ部材の取付位置を、容易に調整することができる。
また、前記カバー本体は、所定の部位を重ね合わせた重複部位を有しており、前記重複部位の一方側が下方側となり、前記重複部位の他方側が上方側となる場合、下方側の前記重複部位が内側となり、上方側の前記重複部位が外側となるように重ね合わされることが好ましい。
この構成によれば、上方から下方に流れる雨水が、カバー本体の重複部位から浸入することを抑制することができる。
また、前記カバー本体は、所定の部位を重ね合わせた重複部位を有しており、前記重複部位の一方側が輸送時の進行方向の下流側となり、前記重複部位の他方側が輸送時の進行方向の上流側となる場合、下流側の前記重複部位が内側となり、上流側の前記重複部位が外側となるように重ね合わされることが好ましい。
この構成によれば、進行方向の上流から下流に流れる雨水が、カバー本体の重複部位から浸入することを抑制することができる。
また、前記カバー本体には、前記航空部品に対する前記カバー本体の取付位置を指標する目印が付されていることが好ましい。
この構成によれば、目印を指標としてカバー本体を航空部品に容易に装着することができるため、作業性を向上させることができる。
また、前記カバー本体は、所定面を有する一方側の部位と、前記所定面に対向する対向面を有する他方側の部位とを重ね合わせており、重ね合わされた前記カバー本体の一方側の部位と他方側の部位とを拘束する拘束ベルトを、さらに備えることが好ましい。
この構成によれば、拘束ベルトによりカバー本体の重ね合わせ部分を拘束することができるため、重ね合わせ部分におけるカバー本体のばたつきを抑制することができる。また、カバー本体の重ね合わせ部分が面ファスナ部材により接合される場合、カバー本体のばたつきにより面ファスナ部材の接合が外れてしまっても、拘束ベルトによりカバー本体の脱落を抑制することができる。
本発明の航空部品の梱包方法は、上記の保護カバーを用いて、前記航空部品を梱包する航空部品の梱包方法であって、前記第3層が前記航空部品に接して、前記第1層が表側となるように、前記カバー本体を前記航空部品に覆うカバー被覆工程と、前記航空部品を覆った前記カバー本体を、前記航空部品を搭載する台車に設けられる棒状部材に固縛する固縛工程と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、保護カバーにより航空部品を覆うことで、輸送時において航空部品に与えられる影響を低減することができるため、航空部品を好適に保護することができる。
図1は、本実施例に係る保護カバーの積層構造を示す断面図である。 図2は、航空部品としての前胴に覆われた保護カバーの斜視図である。 図3は、航空部品としての後胴後部に覆われた保護カバーの斜視図である。 図4は、前胴または後胴後部を覆う保護カバーを展開した平面図である。 図5は、前胴または後胴後部を覆う保護カバーの前面部(後面部)を示す模式図である。 図6は、前胴を覆う保護カバーの側面部を示す模式図である。 図7は、後胴後部を覆う保護カバーの側面部を示す模式図である。 図8は、航空部品としての中胴前部に覆われた保護カバーの斜視図である。 図9は、航空部品としての中胴後部に覆われた保護カバーの斜視図である。 図10は、航空部品としての後胴前部に覆われた保護カバーの斜視図である。 図11は、中胴前部、中胴後部または後胴前部を覆う保護カバーを展開した平面図である。 図12は、中胴前部、中胴後部または後胴前部を覆う保護カバーの前面部を示す模式図である。 図13は、中胴前部、中胴後部または後胴前部を覆う保護カバーの後面部を示す模式図である。 図14は、中胴前部または中胴後部を覆う保護カバーの側面部を示す模式図である。 図15は、後胴前部を覆う保護カバーの側面部を示す模式図である。 図16は、航空部品としての主翼に覆われた保護カバーの斜視図である。 図17は、主翼を覆う保護カバーを示す模式図である。 図18は、航空部品としての水平尾翼に覆われた保護カバーの斜視図である。 図19は、水平尾翼を覆う保護カバーの翼部を示す模式図である。 図20は、水平尾翼を覆う保護カバーの根元部を示す模式図である。 図21は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図22は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図23は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図24は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図25は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図26は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図27は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図28は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図29は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図30は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図31は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図32は、2つの収容袋の交差部分を示す平面図である。 図33は、図32のA−A断面図である。 図34は、図32のB−B断面図である。 図35は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図36は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図37は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図38は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。 図39は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。
以下に、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせることも可能である。
本実施例の保護カバー1は、航空部品5の陸上輸送時において、航空部品5を保護すべく、航空部品5を覆うものである。この保護カバー1は、航空部品5の形状に応じて複数種(例えば、下記する保護カバー1a、1b、1c、1d)のものが用意され、航空部品5としては、例えば、胴体、主翼及び水平尾翼等がある。複数種の保護カバー1は、航空部品5の形状に応じたカバー本体10を有しており、航空部品5に密着させた状態で、航空部品5を覆っている。また、カバー本体10は、その厚さ方向に沿った積層構造となっている。先ず、図1を参照し、カバー本体10の積層構造について説明する。
図1は、本実施例に係る保護カバーの積層構造を示す断面図である。図1に示すように、保護カバー1のカバー本体10は、表側から裏側に向かって順に、第1層11、第2層12及び第3層13となる3層構造となっており、裏層となる第3層13が航空部品5に接している。
第1層11は、耐水性を有する表層となっており、その耐水度が、第3層13の耐水度よりも大きくなっている。ここで、耐水度は、水頭圧が加えられたときに、通水するまでに耐えることが可能な水頭圧の高さとなっており、第1層11の耐水度は、例えば、5,000mm前後となっている。また、第1層11は、縫製可能な材料となっており、耐水性を有する織布を用いて構成されている。この第1層11は、単位面積当たりの質量が第3層13に比べて重く、例えば、288g/m前後となっている。また、第1層11は、その厚さが、例えば、0.25mm前後となっている。
第3層13は、耐水性を有する裏層となっており、その耐水度が、第1層11の耐水度よりも小さくなっている。具体的に、第3層13の耐水度は、例えば、1,300mm前後となっている。また、第3層13は、第1層11と同様に、縫製可能な材料となっており、耐水性を有する織布を用いて構成されている。この第3層13は、単位面積当たりの質量が第1層11に比べて軽く、例えば、115g/m前後となっている。また、第3層13は、その厚さが第1層11よりも薄くなっており、例えば、0.18mm前後となっている。さらに、第3層13は、第1層11と比して柔軟性を有しており、航空部品5への接触によって与える影響を抑制することができる。
第2層12は、緩衝性を有する中間層となっており、水による腐敗への耐性及び断熱性を有している。この第2層12は、多孔質の樹脂シートを用いて構成されており、具体的には、高発泡ポリエチレンシートを用いて構成されている。この第2層12は、第1層11及び第3層13に比べて軽く、例えば、25g/m前後となっている。また、第2層12は、その厚さが、第1層11及び第3層13に比べて厚く、例えば、0.50mm前後となっている。
このため、カバー本体10の厚さは、0.93mm前後となっており、0.9mm±0.1mmの範囲に収まる厚さとなっている。また、カバー本体10の重さは、単位面積当たり、428g/m前後となる。このため、航空部品5の形状に合わせたカバー本体10の総面積は、最大で50m前後となることから、カバー本体10の重さは、約21.4kgとなる。このため、作業者は、保護カバー1を取り扱うことが容易となる。
そして、第1層11、第2層12及び第3層13は、縫製によって縫い合わせられることで一体に形成される。なお、縫製は、二本針縫いで行われ、また、各層間のずれを抑制すべく、縫製の間隔は、1m〜1.5m程度の範囲となっている。また、縫製によって縫い合わせられた縫製部分には、目地シール材が設けられる。
次に、図2から図15を参照して、胴体に用いられる保護カバー1について説明する。なお、胴体は、航空機の航行方向から順に、前胴、中胴前部、中胴後部、後胴前部及び後胴後部に分割され、分割された各胴部の形状に応じた保護カバー1が用意される。このとき、前胴及び後胴後部は、ほぼ同形状となる保護カバー1aが用いられ、また、中胴前部、中胴後部及び後胴前部は、ほぼ同形状となる保護カバー1bが用いられる。先ず、図2から図7を参照して、前胴または後胴後部に用いられる保護カバー1aについて説明する。
なお、前胴、中胴前部、中胴後部、後胴前部及び後胴後部は、これらを搬送可能な台車(詳細は後述)に搭載された状態で、トラック等の荷台に積載され、陸上輸送される。
図2は、航空部品としての前胴に覆われた保護カバーの斜視図である。図3は、航空部品としての後胴後部に覆われた保護カバーの斜視図である。図4は、前胴または後胴後部を覆う保護カバーを展開した平面図である。図5は、前胴または後胴後部を覆う保護カバーの前面部(後面部)を示す模式図である。図6は、前胴を覆う保護カバーの側面部を示す模式図である。図7は、後胴後部を覆う保護カバーの側面部を示す模式図である。
図2に示すように、航空部品5としての前胴は、航空機の航行方向の前方側に向かって先細りとなるテーパ形状となっており、図3に示すように、航空部品5としての後胴後部は、航空機の航行方向の後方側に向かって先細りとなるテーパ形状となっている。そして、図4に示すように、保護カバー1aは、テーパ形状の航空部品5に応じた形状とすべく、そのカバー本体10aが、前方側の前面部21と、後方側の後面部22と、前面部21と後面部22との間に設けられる側面部23とを有している。なお、前面部21は、航空部品5の航行方向の前面に設けられており、前胴の場合、後面部22に比して面積が小さいものとなり、後胴後部の場合、後面部22に比して面積が大きいものとなる。同様に、後面部22は、航空部品5の航行方向の後面に設けられており、前胴の場合、前面部21に比して面積が大きいものとなり、後胴後部の場合、前面部21に比して面積が小さいものとなる。この前面部21、後面部22及び側面部23は、縫製によって一体となっている。また、保護カバー1aは、カバー本体10aに設けられる面ファスナ31aと、ロープ穴32aと、バックルベルト(拘束ベルト)33aとを備えている。
次に、図5から図7を参照して、前面部21、後面部22及び側面部23について詳細に説明する。なお、前面部21及び後面部22は、大きさが異なるものの、ほぼ同じ形状となっていることから、図5を用いて、前面部21を主として説明し、後面部22については、括弧を付して説明する。
図5に示すように、前面部21(または後面部22)は、航空部品5の梱包時における下方側(図示下側)が矩形状に形成される一方で、上方側(図示上側)が円弧形状に形成されている。この前面部21(または後面部22)には、下方側の一辺に沿って、ロープ穴32aが所定の間隔を空けて複数並べて形成されている。
また、前面部21(または後面部22)は、航空部品5の梱包時において、側面部23と重なり合う重複部位を有している。前面部21の重複部位は、下方側の一辺の一端部から、上方側の円弧をとおって、下方側の一辺の他端部に至る、前面部21の周縁に沿った部位となっている。重複部位が延在する方向において、重複部位の中央(つまり、上方側の頂部)は、側面部23と縫製によって接合される縫製部35となっている。また、重複部位が延在する方向において、縫製部35の両側には、下方側の一辺の両端部にまで伸びる面ファスナ31aがそれぞれ設けられている。
縫製部35は、カバー本体10の縫製と同様に、二本針縫いによって形成されており、この縫製部35には、目地シール材が設けられる。目地シール材は、縫製によって前面部21に形成される貫通孔を目張りすることで、雨水の浸入を抑制している。
前面部21(または後面部22)に設けられる各面ファスナ31aは、面ファスナ31aを構成する一対の面ファスナ部材41の一方側が設けられており、他方側の面ファスナ部材41は、側面部23に設けられている。ここで、一対の面ファスナ部材41は、その一方がメス側(ループ側)の面ファスナ部材41となっており、その他方がオス側(フック側)の面ファスナ部材41となっている。
また、前面部21(または後面部22)は、面ファスナ31aによって接合された、前面部21と側面部23との重複部位を拘束するバックルベルト33aが設けられている。このバックルベルト33aは、固定具としてのバックルを含む固定側ベルト部材42と、バックルに締結される締結側ベルト部材43とを有している。そして、前面部21には、固定側ベルト部材42または締結側ベルト部材43の一方が設けられ、側面部23には、固定側ベルト部材42または締結側ベルト部材43の他方が設けられる。また、バックルベルト33aは、前面部21(または後面部22)に設けられる各面ファスナ31aが延在する方向に沿って所定の間隔を空けて複数並べて設けられている。
この前面部21(または後面部22)には、保護カバー1aを航空部品5に取り付けるときの取付位置を指標する目印が付されている。目印は、前面部21(または後面部22)であることを指標するFWDマーク37(またはAFTマーク38)と、前面部21の中央を指標するセンターライン39とを含んでいる。このセンターライン39は、鉛直方向の上方側から下方側に延びて形成されると共に、鉛直方向に直交する前面部21(または後面部22)の幅方向の中央に形成されている。
図4に示すように、側面部23は、内側の円弧と外側の円弧とを有する扇形状に形成されている。側面部23は、その内側の円弧に、航空部品5が前胴である場合には前面部21が縫製部35によって接合され、航空部品5が後胴後部である場合には後面部22が縫製部35によって接合される。また、側面部23は、その外側の円弧に、航空部品5が前胴である場合には後面部22が縫製部35によって接合され、航空部品5が後胴後部である場合には前面部21が縫製部35によって接合される。
図6に示す側面部23は、航空部品5が前胴である場合の側面部23であり、図2の側方から見たときの側面部23である。図6の側面部23は、図示左側が前方側となっており、図示右側が後方側となっている。この側面部23は、航空部品5の梱包時において、内側の円弧の端部と外側の円弧の端部とをつなぐ一辺が下方側となり、この下方側の一辺に沿って、ロープ穴32aが所定の間隔を空けて複数並べて形成されている。
また、図6の側面部23は、航空部品5の梱包時において、前面部21と重なり合う重複部位と、後面部22と重なり合う重複部位とを有している。前面部21と重なり合う側面部23の重複部位は、内側の円弧の周縁に沿った部位となっており、後面部22と重なり合う側面部23の重複部位は、外側の円弧の周縁に沿った部位となっている。側面部23の前面部21と重なる重複部位は、内側の円弧の周方向における中央が、前面部21と縫製によって接合する上記の縫製部35となっており、この縫製部35の周方向の両側に上記の面ファスナ31aが設けられる。
前面部21と側面部23との重複部位に設けられる各面ファスナ31aは、面ファスナ31aを構成する一対の面ファスナ部材41の他方側が設けられており、一方側の面ファスナ部材41は、前面部21に設けられている。そして、前面部21と側面部23との重複部位に設けられる面ファスナ31aは、陸上輸送時において、進行方向の上流側となる前面部21のほうが外側となり、下流側となる側面部23のほうが内側となるように設けられる。
また、側面部23の後面部22と重なる重複部位は、外側の円弧の周方向における中央が、後面部22と縫製によって接合する上記の縫製部35となっており、この縫製部35の周方向の両側に上記の面ファスナ31aが設けられる。
後面部22と側面部23との重複部位に設けられる各面ファスナ31aは、面ファスナ31aを構成する一対の面ファスナ部材41の他方側が設けられており、一方側の面ファスナ部材41は、後面部22に設けられている。そして、後面部22と側面部23との重複部位に設けられる面ファスナ31aは、陸上輸送時において、進行方向の上流側となる側面部23のほうが外側となり、下流側となる後面部22のほうが内側となるように設けられる。
また、図6の側面部23には、前面部21及び後面部22と同様に、上記の目印が付されており、目印は、陸上輸送時の進行方向を指標する進行方向マーク45と、保護カバー1aの梱包対象となる航空部品5の種類を指標する部品番号マーク46とを含んでいる。
図7に示す側面部23は、航空部品5が後胴後部である場合の側面部23であり、図3の側方から見たときの側面部23である。図7の側面部23は、図示左側が前方側となっており、図示右側が後方側となっている。後胴後部を覆う図7の保護カバー1aの側面部23については、前胴を覆う図6の保護カバー1aの側面部23と形状が異なる以外は、ほぼ同様であることから、図7の側面部23の説明については省略する。
上記のように構成された図4に示す保護カバー1aは、梱包時において保護カバー1aが好適に展開可能なように折り畳まれている。このとき、部品番号マーク46は、折り畳まれた保護カバー1aに対して、視認容易な位置に付すことが好ましい。
次に、図8から図15を参照して、中胴前部、中胴後部及び後胴前部に用いられる保護カバー1bについて説明する。図8は、航空部品としての中胴前部に覆われた保護カバーの斜視図である。図9は、航空部品としての中胴後部に覆われた保護カバーの斜視図である。図10は、航空部品としての後胴前部に覆われた保護カバーの斜視図である。図11は、中胴前部、中胴後部または後胴前部を覆う保護カバーを展開した平面図である。図12は、中胴前部、中胴後部または後胴前部を覆う保護カバーの前面部を示す模式図である。図13は、中胴前部、中胴後部または後胴前部を覆う保護カバーの後面部を示す模式図である。図14は、中胴前部または中胴後部を覆う保護カバーの側面部を示す模式図である。図15は、後胴前部を覆う保護カバーの側面部を示す模式図である。
図8に示すように、航空部品5としての中胴前部は、円筒形状に形成されており、同様に、図9に示す航空部品5としての中胴後部、及び図10に示す航空部品5としての後胴前部も、円筒形状に形成されている。そして、図11に示すように、保護カバー1bは、円筒形状の航空部品5に応じた形状とすべく、そのカバー本体10bが、前方側の前面部51、後方側の後面部52と、前面部51と後面部52との間に設けられる上方側側面部53と、前面部51と後面部52との間に設けられると共に上方側側面部53の両側に設けられる一対の下方側側面部54とを有している。このとき、前面部51、後面部52、上方側側面部53及び一対の下方側側面部54は、別体となっていることから、カバー本体10bは、複数(本実施例では5つ)に分割された構成となっている。また、保護カバー1bは、カバー本体10bに設けられる面ファスナ31bと、ロープ穴32bと、バックルベルト(拘束ベルト)33bと、芯棒(芯材)56とを備えている。
次に、図12から図15を参照して、前面部51、後面部52、上方側側面部53及び下方側側面部54について詳細に説明する。図12に示すように、前面部51は、陸上輸送時における進行方向において、航空部品5の前方側に設けられている。前面部51は、上記の前面部21とほぼ同様に構成されていることから、上記の前面部21と異なる部分についてのみ説明する。
前面部51は、上方側側面部53及び一対の下方側側面部54と重なり合う重複部位を有している。前面部51の重複部位は、重複部位が延在する方向において、重複部位の中央において、上方側側面部53と重なり合い、重複部位の中央を挟んだ両側において、一対の下方側側面部54とそれぞれ重なり合う。また、この重複部位には、重複部位が延在する全長に亘って面ファスナ31bが設けられている。
前面部51に設けられる各面ファスナ31bは、面ファスナ31bを構成する一対の面ファスナ部材41の一方側が設けられており、他方側の面ファスナ部材41は、上方側側面部53及び下方側側面部54にそれぞれ設けられている。
前面部51には、前面部21と同様に、ロープ穴32b及びバックルベルト33bが設けられ、また、目印として、FWDマーク37及びセンターライン39が形成されている。
ここで、前面部51は、円筒形状となる航空部品5の円形状の開口部を覆っている。つまり、カバー本体10bの航空部品5の開口部を覆う部位が、前面部51となっている。この前面部51の前面には、前面部51の変形を抑制するための複数(本実施例では2本)の芯棒56が取り付けられる。また、前面部51には、複数の芯棒56をそれぞれ収容する複数(本実施例では2つ)の収容袋(収容部)57が設けられている。
2本の芯棒56は、交差点を中心に交差させて十字状とし、十字状の2本の芯棒56が、前面部51に取り付けられる。各芯棒56は、アルミニウムを用いた円筒管であり、いわゆるアルミパイプである。
2つの収容袋57は、2本の芯棒56を前面部51に対して十字状に配置可能なように、交差点を中心に交差させて十字状に設けられている。この収容袋57は、芯棒56の長手方向に長い方形状に形成されており、芯棒56の長手方向の両側と、芯棒56の長手方向の一端(上方端)側とが、縫製によって前面部51に縫い合わされて閉塞される。一方で、収容袋57は、芯棒56の長手方向の他端(下方端)側が開閉可能となっている。このため、芯棒56は、開放した収容袋57の他端側から挿入され、収容袋57の他端側を閉じて、芯棒56を収容袋57に収容することで、前面部51に取り付けることができる。なお、交差点において交差する2つの収容袋57は、収容される2つの芯棒56の物理的な干渉を回避可能なように、立体交差させて設けられる。
ここで、図32から図34を参照し、2つの収容袋57の交差部分について説明する。図32は、2つの収容袋の交差部分を示す平面図である。図33は、図32のA−A断面図である。図34は、図32のB−B断面図である。2つの収容袋57は、一方の収容袋57aが、他方の収容袋57bの一部を貫通して配置され、一方の収容袋57aと他方の収容袋57bとは、その延在する方向が、交差するように配置される。
具体的に、図33に示すように、一方の収容袋57aは、芯棒56の長手方向に直交する幅方向の両端部が、縫製によって前面部51に接合されている。このため、収容袋57aは、その幅方向の両端部に縫製部59が一対形成される。そして、この一対の縫製部59は、芯棒56の長手方向に延在して形成される。また、一方の収容袋57aは、その幅方向の中央に収容空間が形成され、この収容空間に芯棒56が挿通される。
一方で、図34に示すように、他方の収容袋57bは、芯棒56の長手方向に直交する幅方向の一端部(上端部)が、縫製によって前面部51に接合されている。このため、収容袋57bは、その幅方向の上端部に縫製部59が形成される。そして、この縫製部59は、芯棒56の長手方向に延在して形成される。また、他方の収容袋57bは、その幅方向の他端部(下端部)に収容空間が形成され、この収容空間に芯棒56が挿通される。このため、芯棒56が挿通される収容袋57bの下端部が自由端となる。
他方の収容袋57bは、一方の収容袋57aが挿通される貫通孔58が形成されている。貫通孔58は、スリット形状となっており、他方の収容袋57bの幅方向において、縫製部59と収容空間との間に形成され、芯棒56の長手方向に延在して形成されている。この貫通孔58は、その延在する方向における幅が、一方の収容袋57aとほぼ同じ幅となっている。
上記のように交差する2つの収容袋57に対し、2つの芯棒56をそれぞれ収容すると、一方の収容袋57aに挿通される芯棒56は、他方の収容袋57bの貫通孔58を通過することから、他方の収容袋57bに挿通される芯棒56との物理的な干渉を回避することが可能となる。また、他方の収容袋57bに挿通される芯棒56は、他方の収容袋57bの幅方向の下端部が自由端となることから、一方の収容袋57aに挿通される芯棒56との物理的な干渉を回避することが可能となる。
図13に示すように、後面部52は、陸上輸送時における進行方向において、航空部品5の後方側に設けられている。後面部52は、上記の前面部51とほぼ同様に構成されていることから、上記の前面部51と異なる部分についてのみ説明する。
後面部52は、前面部51の2つの芯棒56及び2つの収容袋57に代えて、通風孔61が設けられている。具体的に、後面部52は、円筒形状となる航空部品5の前面部51とは反対側の円形状の開口部を覆っている。つまり、後面部52も、カバー本体10bの航空部品5の開口部を覆う部位となっている。この後面部52には、カバー本体10bの内外を連通する通風孔61と、通風孔61に設けられるフィルタ62と、通風孔61を覆う蓋63とが設けられている。
通風孔61は、方形状に形成されており、保護カバー1bの内部と外部との間で通気可能となっている。フィルタ62は、通風孔61を覆うメッシュ状の網材を用いて構成され、外部からの異物の侵入を抑制している。蓋63は、通風孔61を覆うように、通風孔61よりも一回り大きな方形状に形成されている。この蓋63は、後面部52の後面に縫製によって取り付けられており、具体的に、通風孔61の上辺、右辺及び左辺の三辺に沿う部位が縫製によって接合される一方で、通風孔61の残りの一辺となる下辺に沿う部位が開放される。
従って、陸上輸送時において、航空部品5を覆う保護カバー1bの内部に外気が流入しても、内部に流入した外気は、通風孔61を介して外部に排出されることから、保護カバー1bの膨らみが抑制される。
また、後面部52には、前面部51と同様に、ロープ穴32b及びバックルベルト33bが設けられ、また、目印として、AFTマーク38及びセンターライン39が形成されている。
図11に示すように、上方側側面部53は、円筒形状の各胴部の軸方向を長辺方向とする方形状に形成されている。図14に示す上方側側面部53は、航空部品5が中胴前部または中胴後部である場合の上方側側面部53であり、図8及び図9の側方から見たときの上方側側面部53である。図14の上方側側面部53は、図示左側が前方側となっており、図示右側が後方側となっている。この上方側側面部53は、航空部品5の梱包時において、長辺方向に直交する短辺方向の中央部が、保護カバー1bの頂部となっている。
上方側側面部53は、前方側の短辺に沿った部位が前面部51と重なり合う重複部位となっており、後方側の短辺に沿った部位が後面部52と重なり合う重複部位となっている。また、上方側側面部53は、航空部品5の梱包時において、長辺に沿った部位が、下方側となり、下方側側面部54と重なり合う重複部位となっている。
上方側側面部53の重複部位には、面ファスナ31bがそれぞれ設けられ、各面ファスナ31bは、面ファスナ31bを構成する一対の面ファスナ部材41の他方側が設けられており、一方側の面ファスナ部材41は、前面部51、後面部52及び下方側側面部54にそれぞれ設けられている。そして、上記と同様に、重複部位に設けられる面ファスナ31bは、陸上輸送時において、進行方向の上流側の重複部位が外側となり、下流側の重複部位が内側となるように設けられる。
また、前面部51と上方側側面部53との重複部位、後面部52と上方側側面部53との重複部位、及び下方側側面部54と上方側側面部53との重複部位には、面ファスナ31bによって接合された重複部位を拘束するバックルベルト33bが設けられている。このバックルベルト33bは、重複部位に設けられる各面ファスナ31bが延在する方向に沿って所定の間隔を空けて複数並べて設けられている。
また、上方側側面部53は、短辺方向の中央部(頂部)において、長辺方向の後方側にフック65が設けられている。フック65は、クレーン等の吊上げ装置によってカバー本体10bを吊り上げるときに使用される。例えば、フック65は、上方側側面部53を航空部品5に覆うときに使用されたり、航空部品5に覆われた保護カバー1bを取り外すときに使用されたりする。
図11に示すように、一対の下方側側面部54は、円筒形状の各胴部の軸方向を長辺方向とする方形状に形成されている。図14に示す下方側側面部54は、航空部品5が中胴前部または中胴後部である場合の下方側側面部54であり、図8及び図9の側方から見たときの下方側側面部54である。図14の下方側側面部54は、図示左側が前方側となっており、図示右側が後方側となっている。この下方側側面部54は、航空部品5の梱包時において、上方側側面部53の下方側に設けられ、下方側の一辺に沿って、ロープ穴32bが所定の間隔を空けて複数並べて形成されている。
下方側側面部54は、前方側の短辺に沿った部位が前面部51と重なり合う重複部位となっており、後方側の短辺に沿った部位が後面部52と重なり合う重複部位となっている。また、下方側側面部54は、航空部品5の梱包時において、上方側の長辺に沿った部位が、上方側側面部53と重なり合う重複部位となっている。なお、これら重複部位は、面ファスナ31b及びバックベルト33bがそれぞれ設けられおり、上方側側面部53と同様となっていることから説明を省略する。
ここで、下方側側面部54と上方側側面部53との重複部位に設けられる面ファスナ31bは、陸上輸送時において、上方側側面部53の重複部位が外側となり、下方側側面部54の重複部位が内側となるように設けられる。また、面ファスナ31bは、下方側側面部54に設けられる面ファスナ部材41の面積が、上方側側面部53に設けられる面ファスナ部材41の面積に比して広くなっている。より具体的には、下方側側面部54に設けられる面ファスナ部材41の鉛直方向における幅が、上方側側面部53に設けられる面ファスナ部材41の鉛直方向における幅に比して広くなっている。
下方側側面部54には、側面部23と同様に、目印として、進行方向マーク45及び部品番号マーク46が形成されている。
図15に示す上方側側面部53及び下方側側面部54は、航空部品5が後胴前部である場合の上方側側面部53及び下方側側面部54であり、図10の側方から見たときの上方側側面部53及び下方側側面部54である。図15の上方側側面部53及び下方側側面部54は、図示左側が前方側となっており、図示右側が後方側となっている。後胴前部を覆う図15の保護カバー1bの上方側側面部53及び下方側側面部54については、中胴前部及び中胴後部を覆う図8及び図9の保護カバー1bの上方側側面部53及び下方側側面部54と形状が異なる以外は、ほぼ同様であることから、図15の上方側側面部53及び下方側側面部54の説明については省略する。
上記のように構成された図11に示す保護カバー1bも、保護カバー1aと同様に、梱包時において保護カバー1bが好適に展開可能なように折り畳まれている。
次に、図16及び図17を参照して、主翼に用いられる保護カバー1cについて説明する。図16は、航空部品としての主翼に覆われた保護カバーの斜視図である。図17は、主翼を覆う保護カバーを示す模式図である。
図16に示すように、航空部品5としての主翼は、右翼または左翼等の片翼となっており、胴体側から先端側へ向かって細くなるように形成されている。この主翼は、主翼を固定する治具に搭載された状態で、トラック等の荷台に積載されて、陸上輸送される。
図17に示すように、保護カバー1cは、主翼に応じた形状とすべく、そのカバー本体10cが、胴体側から、胴体側翼部71と、胴体側中間翼部72と、先端側中間翼部73と、先端側翼部74とを有している。このとき、胴体側翼部71、胴体側中間翼部72、先端側中間翼部73及び先端側翼部74は、別体となっていることから、カバー本体10cは、複数(本実施例では4つ)に分割された構成となっている。また、保護カバー1cは、カバー本体10cに設けられる面ファスナ31cと、バックルベルト33cとを備えている。
図17に示すように、胴体側翼部71は、主翼の胴体側において、胴体側翼部71の所定の部位同士が重なり合う重複部位と、航行方向における主翼の後縁部において、胴体側翼部71の所定の部位同士が重なり合う重複部位と、主翼の先端側において、胴体側中間翼部72と重なり合う重複部位とを有している。一方で、胴体側翼部71は、航行方向における主翼の前縁部において、重なり合わずに連続している。また、胴体側翼部71には、側面部23と同様に、目印として、進行方向マーク45及び部品番号マーク46が形成されている。
胴体側中間翼部72は、主翼の胴体側において、胴体側翼部71と重なり合う重複部位と、航行方向における主翼の後縁部において、胴体側中間翼部72の所定の部位同士が重なり合う重複部位と、主翼の先端側において、先端側中間翼部73と重なり合う重複部位とを有している。一方で、胴体側中間翼部72は、航行方向における主翼の前縁部において、重なり合わずに連続している。
先端側中間翼部73は、主翼の胴体側において、胴体側中間翼部72と重なり合う重複部位と、航行方向における主翼の後縁部において、先端側中間翼部73の部位同士が重なり合う重複部位と、主翼の先端側において、先端側翼部74と重なり合う重複部位とを有している。一方で、先端側中間翼部73は、航行方向における主翼の前縁部において、重なり合わずに連続している。
先端側翼部74は、主翼の胴体側において、先端側中間翼部73と重なり合う重複部位を有する。一方で、先端側翼部74は、航行方向における主翼の前縁部、航行方向における主翼の後縁部、及び主翼の先端部が縫製によって接合された縫製部35となっている。つまり、先端側翼部74は、主翼の胴体側の重複部分が開口となる袋状に形成されている。
そして、上記の各重複部位には、上記の保護カバー1a,1bと同様に、面ファスナ31c及びバックルベルト33cが設けられている。重複部位にそれぞれ設けられる面ファスナ31cは、上記の保護カバー1a,1bと同様に、陸上輸送時において、進行方向の上流側の重複部位が外側となり、下流側の重複部位が内側となるように設けられ、また、上方側の重複部位が外側となり、下方側の重複部位が内側となるように設けられる。
次に、図18から図20を参照して、水平尾翼に用いられる保護カバー1dについて説明する。図18は、航空部品としての水平尾翼に覆われた保護カバーの斜視図である。図19は、水平尾翼を覆う保護カバーの翼部を示す模式図である。図20は、水平尾翼を覆う保護カバーの根元部を示す模式図である。
図18に示すように、航空部品5としての水平尾翼は、胴体側となる根元部分を中心として左右両側の先端側へ向かって細くなるように形成されている。この水平尾翼は、水平尾翼の根元部分を支持する治具に搭載された状態で、トラック等の荷台に積載されて、陸上輸送される。
図19及び図20に示すように、保護カバー1dは、水平尾翼に応じた形状とすべく、そのカバー本体10dが、根元部81と、根元部81の両側に設けられる一対の翼部82とを有している。このとき、根元部81と、一対の翼部82とは、別体となっていることから、カバー本体10dは、複数(本実施例では3つ)に分割された構成となっている。また、保護カバー1dは、カバー本体10dに設けられる面ファスナ31dと、ロープ穴32dと、バックルベルト33dとを備えている。
図19に示すように、一対の翼部82は、水平尾翼の左右両翼をそれぞれ覆っており、各翼部82は、根元側において、根元部81と重なり合う重複部位を有する。一方で、翼部82は、航行方向における尾翼の前縁部、航行方向における尾翼の後縁部、及び尾翼の先端部が縫製によって接合された縫製部35となっている。つまり、翼部82は、先端側翼部74と同様に、尾翼の根元側の重複部分が開口となる袋状に形成されている。
図20に示すように、根元部81は、水平尾翼の左右両翼の根元となる部分を、水平尾翼を支持する治具ごと覆っている。根元部81は、根元部81の所定の部位同士が重なり合う重複部位と、翼部82と重なり合う重複部位とを有している。また、根元部81には、側面部23と同様に、目印として、進行方向マーク45及び部品番号マーク46が形成されている。
そして、上記の各重複部位には、上記の保護カバー1a,1b,1cと同様に、面ファスナ31d及びバックルベルト33dが設けられている。また、根元部81には、下方側の一辺に沿って、ロープ穴32dが所定の間隔を空けて複数並べて形成されている。
なお、上記したように、保護カバー1として、前胴及び後胴後部に用いられる保護カバー1a、中胴前部、中胴後部及び後胴前部に用いられる保護カバー1b、主翼に用いられる保護カバー1c、及び水平尾翼に用いられる保護カバー1dを説明したが、保護カバー1は、航空部品であれば、特に限定されない。例えば、保護カバー1として、垂直尾翼を梱包する保護カバーに適用してもよい。
次に、図21から図31を参照して、上記の保護カバー1を用いて、航空部品5を梱包する梱包作業の一例について説明する。図21から図31は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。なお、この梱包作業では、保護カバー1として、中胴前部、中胴後部及び後胴前部に用いられる保護カバー1bを用いる場合について説明する。
航空部品5は、これを搬送可能な台車91に搭載された状態となっている。ここで、台車91には、固縛用バー(棒状部材)92が設けられている。固縛用バー92は、円筒形状の航空部品5の軸方向に沿って、航空部品5の下方側に位置するように、航空部品5の径方向の両側に一対設けられている。一対の固縛用バー92には、保護カバー1bの一対の下方側側面部54に形成される複数のロープ穴32bに挿通される固縛ロープ101が、巻き付けられる。
そして、航空部品5の梱包作業は、保護カバー1bを覆うカバー被覆工程と、保護カバー1bを固縛する固縛工程とを適宜行うことで、航空部品5を梱包する。なお、カバー被覆工程と固縛工程とは、順に行われるとは限らず、カバー本体10の所定の部位を航空部品5に覆い、カバー本体10の所定の部位の固縛が行われた後、カバー本体10の他の部位を航空部品5に覆うことで、航空部品5の梱包作業が行われる場合がある。以下、保護カバー1bを用いた航空部品5の梱包作業について具体的に説明する。
先ず、図21に示すように、台車91に搭載された航空部品5に対し、作業台車100に乗った作業者は、航空部品5の後方側を、保護カバー1bの後面部52で覆う(ステップS11)。このとき、作業者は、後面部52に付されたセンターライン39を視認して、後面部52を航空部品5の後方側に覆うことで、航空部品5に対する後面部52の取付位置を適切な位置とすることができる。また、作業者は、保護カバー1bの後面部52の第3層13が航空部品5側となり、第1層11が外側となるように、後面部52で航空部品5の後方側を覆う。
続いて、図22に示すように、後面部52が覆われた航空部品5に対し、作業台車100に乗った作業者は、折り畳まれた上方側側面部53を、航空部品5の後方側に覆われた後面部52に設置する(ステップS12)。このとき、作業者は、後面部52が内側となり、上方側側面部53が外側となるように、後面部52と上方側側面部53との重複部分に設けられる面ファスナ31bを接合させる。なお、作業者は、保護カバー1bの上方側側面部53の第3層13が航空部品5側となり、第1層11が外側となるように、上方側側面部53で航空部品5の上方側の側面を覆う。
そして、図23に示すように、作業台車100に乗った作業者は、後面部52に設置された上方側側面部53に設けられるフック65に、クレーンを引っ掛ける(ステップS13)。
この後、図24に示すように、クレーンを操作する作業者は、クレーンに引っ掛けられた折り畳まれた上方側側面部53を、航空部品5の後方側から前方側に向かって伸ばして(展開して)いく(ステップS14)。
図25に示すように、上方側側面部53を航空部品5の前方側まで展開すると、作業台車100に乗った作業者は、フック65からクレーンを取り外す(ステップS15)。
次に、図26に示すように、作業者は、航空部品5を挟んで径方向の一方側において、上方側側面部53の下方側に下方側側面部54を設置する(ステップS16)。同様に、作業者は、航空部品5を挟んで径方向の他方側において、上方側側面部53の下方側に下方側側面部54を設置する。このとき、作業者は、下方側側面部54に付された進行方向マーク45を視認して、上方側側面部53の下方側に下方側側面部54を設置することで、航空部品5に対する下方側側面部54の取付方向を適切な方向とすることができる。そして、作業者は、下方側側面部54の後方側において、後面部52が内側となり、下方側側面部54が外側となるように、後面部52と下方側側面部54との重複部分に設けられる面ファスナ31bを接合させる。また、作業者は、下方側側面部54が内側となり、上方側側面部53が外側となるように、上方側側面部53と下方側側面部54との重複部分に設けられる面ファスナ31bを接合させる。このとき、面ファスナ31bにおいて、下方側側面部54に設けられる面ファスナ部材41の面積が、上方側側面部53に設けられる面ファスナ部材41の面積に比して広くなっていることから、作業者は、上方側側面部53に対する下方側側面部54の取付位置を適宜調整することができる。なお、作業者は、保護カバー1bの下方側側面部54の第3層13が航空部品5側となり、第1層11が外側となるように、下方側側面部54で航空部品5の下方側の側面を覆う。
そして、図27に示すように、面ファスナ31bにより上方側側面部53と下方側側面部54との重複部分が接合されると、作業者は、バックルベルト33bを締結することで、上方側側面部53と下方側側面部54との重複部分を拘束する(ステップS17)。
続いて、図28に示すように、作業者は、下方側側面部54に設けられるロープ穴32bに固縛ロープ101を挿通して、台車91に設けられる固縛用バー92に巻き付けることで、台車91に下方側側面部54を固縛する(ステップS18:固縛工程)。なお、下方側側面部54の固縛後、作業者は、後面部52と上方側側面部53との重複部分、及び後面部52と下方側側面部54との重複部分を、バックルベルト33bを締結して拘束する。
次に、図29に示すように、作業台車100に乗った作業者は、航空部品5の前方側を、前面部51で覆う(ステップS19)。このとき、作業者は、前面部51に付されたセンターライン39を視認して、前面部51を航空部品5の前方側に覆うことで、航空部品5に対する前面部51の取付位置を適切な位置とすることができる。そして、作業者は、上方側側面部53及び下方側側面部54が内側となり、前面部51が外側となるように、前面部51と上方側側面部53との重複部分、及び前面部51と下方側側面部54との重複部分に設けられる面ファスナ31bを接合させる。また、作業者は、保護カバー1bの前面部51の第3層13が航空部品5側となり、第1層11が外側となるように、前面部51で航空部品5の前方側を覆う。
続いて、図30に示すように、作業台車100に乗った作業者は、バックルベルト33bを締結することで、前面部51と上方側側面部53との重複部分、及び前面部51と下方側側面部54との重複部分とをそれぞれ拘束する(ステップS20)。これにより、航空部品5は、保護カバー1bの第3層13が航空部品5に接して、第1層11が表側となるように、保護カバー1bが覆われる(カバー被覆工程)。
この後、図31に示すように、作業者は、2つの芯棒56を、前面部51に設けられる2つの収容袋57の下端側からそれぞれ挿入し、各芯棒56を各収容袋57にそれぞれ収容する(ステップS21)。以上により、保護カバー1bを用いた航空部品5の梱包作業が終了する。
次に、図35から図39を参照して、上記の保護カバー1を用いて、航空部品5を梱包する梱包作業の他の一例について説明する。図35から図39は、航空部品の梱包作業の一工程を示す説明図である。なお、この梱包作業では、保護カバー1として、水平尾翼に用いられる保護カバー1dを用いる場合について説明する。ここで、図35から図37は、航空部品5としての水平尾翼を上方から見下ろした平面図となっており、図38及び図39は、水平尾翼を側方から見た側面図となっている。
航空部品5としての水平尾翼(以下、水平尾翼5という)は、これを支持する治具94に搭載された状態となっている。ここで、治具94には、固縛用バー(棒状部材)95が設けられている。固縛用バー95は、治具94の周囲に沿って、水平尾翼5の下方側に位置して設けられている。固縛用バー95には、保護カバー1dの根元部81に形成される複数のロープ穴32dに挿通される固縛ロープ101が、巻き付けられる。
そして、水平尾翼5の梱包作業は、保護カバー1dを覆うカバー被覆工程と、保護カバー1dを固縛する固縛工程と、保護カバー1dを支持する治具94を荷台に積載して固定する積載工程とを適宜行うことで、水平尾翼5を梱包する。なお、保護カバー1dにおいては、カバー被覆工程、固縛工程及び積載工程は、順に行われるとは限らず、カバー本体10の所定の部位を水平尾翼5に覆い、この状態で荷台に積載し、この後、カバー本体10の所定の部位を航空部品5に覆った後、カバー本体10の所定の部位の固縛が行われることで、水平尾翼5の梱包作業が行われる。以下、保護カバー1dを用いた水平尾翼5の梱包作業について具体的に説明する。
先ず、図35に示すように、作業者は、治具94に搭載された水平尾翼5に対し、水平尾翼5の左右両翼の一方(図35では右翼)を、一対の翼部82の一方で覆う(ステップS31)。また、図36に示すように、作業者は、治具94に搭載された水平尾翼5に対し、水平尾翼5の左右両翼の他方(図36では左翼)を、一対の翼部82の他方で覆う(ステップS32)。
続いて、図37に示すように、作業者は、左右両翼が一対の翼部82で覆われた水平尾翼5に対し、折り畳まれた根元部81を一対の翼部82の間に設置して展開する。根元部81の展開後、作業者は、根元部81と各翼部82との重複部分に設けられる面ファスナ31dを接合させる。そして、作業者は、面ファスナ31dにより根元部81と各翼部82との重複部分が接合されると、バックルベルト33dを締結することで、根元部81と各翼部82との重複部分を拘束する(ステップS33)。なお、作業者は、ステップS33において、根元部81により水平尾翼5を支持する治具94を覆わずに、次の工程を行う。
作業者は、ステップS33の後、水平尾翼5を支持する治具94を、水平尾翼5と共に荷台に積載する(ステップS34)。このとき、治具94は、保護カバー1dの根元部81によって覆われていないことから、作業者は、ステップS34の後、根元部81により治具94を覆う。そして、作業者は、根元部81の所定の部位同士を重ね合わせた重複部分に設けられる面ファスナ31dを接合させる。そして、作業者は、面ファスナ31dにより根元部81の重複部分が接合されると、バックルベルト33dを締結することで、根元部81の重複部分を拘束する(ステップS35)。
続いて、図39に示すように、作業者は、根元部81に設けられるロープ穴32dに固縛ロープ101を挿通して、治具94に設けられる固縛用バー95に巻き付けることで、治具94に根元部81を固縛する(ステップS35)。これにより、水平尾翼5は、保護カバー1dの第3層13が水平尾翼5に接して、第1層11が表側となるように、保護カバー1dが覆われ、以上により、保護カバー1dを用いた水平尾翼5の梱包作業が終了する。
なお、本実施例では、保護カバー1b,1dの梱包作業を説明したが、他の保護カバー1a,1cも、保護カバー1b,1dと同様に、カバー本体10を航空部品5に適宜覆って、面ファスナ31により重複部分を接合し、バックルベルト33により重複部分を拘束した後、固縛ロープ101を用いて固縛することで、梱包作業を行ってもよい。
次に、航空部品5を梱包する上記の保護カバー1を開梱する開梱作業の一例について説明する。なお、この開梱作業では、保護カバー1として、中胴前部、中胴後部及び後胴前部に用いられる保護カバー1bを開梱する場合について説明する。なお、保護カバー1bにおいて、開梱作業は、梱包作業と作業手順が異なる(ほぼ逆となる)ものの、保護カバー1b自体の構成は同じであることから、開梱作業については、図示を省略して説明する。
保護カバー1bにより梱包された航空部品5は、図8、図9及び図10に示す状態で、台車91に搭載されている。この航空部品5に覆われる保護カバー1bを取り外す場合、先ず、作業者は、前面部51の2つの収容袋57に収容された2つの芯棒56を取り出す。この後、作業者は、固縛ロープ101を、固縛用バー92から取り外して、保護カバー1bの固縛を解除する。
次に、作業者は、前面部51と上方側側面部53とを接合する面ファスナ31b及びバックルベルト33bを取り外すと共に、前面部51と下方側側面部54とを接合する面ファスナ31b及びバックルベルト33bを取り外す。そして、作業者は、前面部51を、上方側側面部53及び下方側側面部54から取り外す。
続いて、作業者は、前面部51と同様に、上方側側面部53と下方側側面部54とを接合する面ファスナ31b及びバックルベルト33bを取り外すと共に、後面部52と下方側側面部54とを接合する面ファスナ31b及びバックルベルト33bを取り外す。そして、作業者は、下方側側面部54を、上方側側面部53及び後面部52から取り外す。
この後、作業者は、後面部52と上方側側面部53とを接合する面ファスナ31b及びバックルベルト33bを取り外す。そして、作業者は、後面部52を、上方側側面部53から取り外す。これにより、航空部品5は、上方側側面部53によって覆われた状態となる。
作業者は、この上方側側面部53の後方側における取り外されたバックルベルト33bに対し、上方側側面部53を取り外すためのロープを縛り付ける。そして、作業者は、ロープを操作して、航空部品5から上方側側面部53を後方側から前方側に向かって捲りながら引きはがす。これにより、航空部品5の開梱作業が終了する。そして、航空部品5から取り外された保護カバー1bは、梱包時において好適に展開可能なように、作業者によって折り畳まれる。
次に、航空部品5を梱包する上記の保護カバー1を開梱する開梱作業の他の一例について説明する。なお、この開梱作業では、保護カバー1として、航空部品としての水平尾翼5に用いられる保護カバー1dを開梱する場合について説明する。
保護カバー1dにより梱包された水平尾翼5は、図18に示す状態で、治具94に搭載されている。この水平尾翼5に覆われる保護カバー1dを取り外す場合、先ず、作業者は、固縛ロープ101を、治具94の固縛用バー95から取り外して、保護カバー1dの固縛を解除する。
次に、作業者は、根元部81の所定の部位同士を接合する面ファスナ31d及びバックルベルト33dを取り外すと共に、一対の翼部82と根元部81とをそれぞれ接合する面ファスナ31d及びバックルベルト33dを取り外す。そして、作業者は、根元部81を、一対の翼部82から取り外す。この後、作業者は、水平尾翼5から一対の翼部82を取り外す。これにより、水平尾翼5の開梱作業が終了する。
なお、本実施例では、保護カバー1b,1dの開梱作業を説明したが、他の保護カバー1a,1cも、保護カバー1b,1dと同様に、固縛ロープ101による固縛を解除し、重複部分を接合する面ファスナ31及びバックルベルト33を取り外した後、航空部品5から保護カバー1a,1cを引きはがすことで、開梱作業が行われる。
以上のように、本実施例によれば、航空部品5を覆うカバー本体10を、第1層11から第3層13までの3層構造とすることができる。このため、輸送時に降雨があっても、航空部品5の内部への雨水の浸入を、第1層11及び第3層13によって抑制することができ、また、飛び石等の外的要因による衝撃を、第2層12によって抑制することができる。このため、陸上輸送時における航空部品5への影響を低減することができ、航空部品5を好適に保護することができる。なお、第2層12の厚さについては、特に限定しなかったが、カバー本体10の部位に応じて厚みを変えてもよい。
また、本実施例によれば、陸上輸送時において、航空部品5を覆うカバー本体10の内部に空気が侵入しても、通風孔61を介して、空気を外部に排出することができるため、カバー本体10の膨らみを抑制することができる。このため、航空部品5と航空部品5に接するカバー本体10との間に、カバー本体10の膨らみによって空間部が形成されることがないため、空間部を滞留する塵芥によって航空部品5に与えられる影響を抑制することができる。
また、本実施例によれば、通風孔61を覆う蓋63の下辺を除く三辺を接合することで、通風孔61を介したカバー本体10の内外の通気を許容しつつ、カバー本体10に対する蓋63のばたつきを抑制することができる。
また、本実施例によれば、2つの芯棒56により、航空部品5の開口部を覆うカバー本体10の前面部51の変形を抑制することができるため、前面部51の変形によって航空部品5に与えられる影響を抑制することができる。
また、本実施例によれば、クレーン等によりフック65を介してカバー本体10を吊り上げることができるため、作業者が航空部品5に触れることなく、カバー本体10を簡単に取り外したり、覆ったりすることができる。
また、本実施例によれば、固縛ロープ101を用いて、カバー本体10を台車91の固縛用バー92に固縛することができるため、カバー本体10を航空部品5に簡単に装着することができ、作業性を向上させることができる。
また、本実施例によれば、第1層11、第2層12及び第3層13を縫い合わせて一体とすることができるため、縫製によってカバー本体10を航空部品5の形状に応じて容易に形成することができる。また、縫製の間隔を、1m〜1.5m程度の範囲とすることで、各層間のずれを抑制しつつ、縫製部分の形成を抑制することができる。
また、本実施例によれば、縫製部35に目地シール材を設けることができるため、縫製部35からの雨水の浸入を抑制することができる。
また、本実施例によれば、表側となる第1層11の耐水度を高くすることができるため、第2層12への水の浸入を抑制することができ、第2層12の水による劣化を抑制することができる。
また、本実施例によれば、第3層13を第1層11と比べて、単位面積当たりの質量を軽くすることができるため、第3層13の軽量化を図ることで、カバー本体10の軽量化を図ることが可能となる。
また、本実施例によれば、第2層12が水による腐敗への耐性を有するため、第2層12が水に含浸しても、第2層12の腐敗による劣化を抑制することができる。
また、本実施例によれば、第2層12が断熱性を有するため、カバー本体10と航空部品5との間において、空気中の水分が凍結することによって、航空部品5に与えられる影響を抑制することができる。
また、本実施例によれば、航空部品5に接触する第3層13を第1層11よりも柔軟性の高いものとすることができるため、カバー本体10を航空部品5に覆うことによって、航空部品5に与えられる影響を抑制することができる。
また、本実施例によれば、カバー本体10の厚さを、0.9mm±0.1mmの範囲とすることができるため、カバー本体10の厚さを薄くすることができ、カバー本体10を畳んだときの厚みを薄くすることができることから、カバー本体10の取り扱いを容易なものとすることができる。
また、本実施例によれば、下方側側面部54の面ファスナ部材41の面積を、上方側側面部53の面ファスナ部材41の面積に比して広くすることで、一対の面ファスナ部材41の接合を簡単におこなうことができる。また、下方側側面部54の面ファスナ部材41の面積が広いことから、上方側側面部53の面ファスナ部材41に対する下方側側面部54の面ファスナ部材41の取付位置を、容易に調整することができる。
また、本実施例によれば、下方側の重複部位が内側となり、上方側の重複部位が外側となるように、カバー本体10の重複部位を重ね合わせることができるため、上方から下方に流れる雨水が、カバー本体10の重複部位から浸入することを抑制することができる。
また、本実施例によれば、陸上輸送時における進行方向において、下流側の重複部位が内側となり、上流側の重複部位が外側となるように、カバー本体10の重複部位を重ね合わせることができるため、進行方向の上流から下流に流れる雨水が、カバー本体10の重複部位から浸入することを抑制することができる。
また、本実施例によれば、カバー本体10に、航空部品5に対するカバー本体10の取付位置を指標する目印を付けることができるため、作業者が、目印を指標としてカバー本体10を航空部品5に容易に装着することができ、作業性を向上させることができる。
また、本実施例によれば、バックルベルト33a,33b,33c,33dによりカバー本体10の重複部位を拘束することができるため、重複部位におけるカバー本体10のばたつきを抑制することができる。
また、本実施例によれば、航空部品5の形状に応じて用意された保護カバー1は、面ファスナ31a,31b,31c,31dにより取り外し自在とすることができるため、再利用可能な構成とすることができ、また、梱包作業を簡易な作業とすることができる。
なお、本実施例において、保護カバー1は、航空部品5を陸上輸送するときに用いたが、保護カバー1は、陸上輸送時の使用に特に限定されず、例えば、海上輸送または航空輸送で使用してもよい。
1 保護カバー
5 航空部品
10 カバー本体
11 第1層
12 第2層
13 第3層
21 前面部
22 後面部
23 側面部
31a,31b,31c,31d 面ファスナ
32a,32b,32d ロープ穴
33a,33b,33c,33d バックルベルト
35 縫製部
37 FWDマーク
38 AFTマーク
39 センターライン
41 面ファスナ部材
45 進行方向マーク
46 部品番号マーク
51 前面部
52 後面部
53 上方側側面部
54 下方側側面部
56 芯棒
57 収容袋
61 通風孔
62 フィルタ
63 蓋
65 フック
71 胴体側翼部
72 胴体側中間翼部
73 先端側中間翼部
74 先端側翼部
81 根本部
82 翼部
91 台車
92 固縛用バー

Claims (20)

  1. 輸送時に航空部品を覆って保護する保護カバーであって、
    前記航空部品が接する裏側から表側に亘る厚さ方向に沿って積層構造となるカバー本体を備え、
    前記カバー本体は、
    表層となる耐水性を有する第1層と、
    裏層となる耐水性を有する第3層と、
    前記第1層と前記第3層との間の中間層となる緩衝性を有する第2層と、を含むことを特徴とする保護カバー。
  2. 前記航空部品には、開口部が形成されており、
    前記カバー本体の前記開口部を覆う部位に設けられ、前記カバー本体の内外を連通する通風孔と、
    前記通風孔に設けられるフィルタと、
    前記通風孔を覆う蓋と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の保護カバー。
  3. 前記通風孔は、方形状に形成され、
    前記蓋は、前記通風孔を覆うと共に、前記通風孔の三辺に沿う部位が前記カバー本体に接合される一方で、前記通風孔の残りの一辺に沿う部位が開放されることを特徴とする請求項2に記載の保護カバー。
  4. 前記航空部品には、開口部が形成されており、
    前記カバー本体の前記開口部を覆う部位に取り付けられ、前記カバー本体の変形を抑制する芯材と、
    前記カバー本体の前記芯材を取り付ける部位に設けられ、前記芯材を固定可能に収容する収容部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の保護カバー。
  5. 前記航空部品を覆う前記カバー本体の頂部に設けられ、前記カバー本体を吊り上げるためのフックを、さらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の保護カバー。
  6. 前記カバー本体には、前記航空部品を搭載する台車に設けられる棒状部材に固縛ロープを巻き付けるためのロープ穴が形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の保護カバー。
  7. 前記第1層、前記第2層及び前記第3層は、縫製可能な材料であり、縫製によって縫い合わせられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の保護カバー。
  8. 縫製によって縫い合わせられた縫製部分には、目地シール材が設けられることを特徴とする請求項7に記載の保護カバー。
  9. 前記第1層は、前記第3層と比べて、単位面積当たりの耐水度が高いことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の保護カバー。
  10. 前記第3層は、前記第1層と比べて、単位面積当たりの質量が軽いことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の保護カバー。
  11. 前記第2層は、水による腐敗への耐性を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の保護カバー。
  12. 前記第2層は、断熱性を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の保護カバー。
  13. 前記第3層は、前記第1層と比べて、柔軟性を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の保護カバー。
  14. 前記カバー本体の厚さは、0.9mm±0.1mmであることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の保護カバー。
  15. 前記カバー本体は、所定面を有する一方側の部位と、前記所定面に対向する対向面を有する他方側の部位とを重ね合わせており、
    前記所定面と前記対向面とにそれぞれ設けられ、相互に接合可能な一対の面ファスナ部材を、さらに備え、
    一対の前記面ファスナ部材は、前記カバー本体の一方側の部位が下方側となり、前記カバー本体の他方側の部位が上方側となる場合、下方側の前記面ファスナ部材の面積が、上方側の前記面ファスナ部材の面積に比して広いことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の保護カバー。
  16. 前記カバー本体は、所定の部位を重ね合わせた重複部位を有しており、前記重複部位の一方側が下方側となり、前記重複部位の他方側が上方側となる場合、下方側の前記重複部位が内側となり、上方側の前記重複部位が外側となるように重ね合わされることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の保護カバー。
  17. 前記カバー本体は、所定の部位を重ね合わせた重複部位を有しており、前記重複部位の一方側が輸送時の進行方向の下流側となり、前記重複部位の他方側が輸送時の進行方向の上流側となる場合、下流側の前記重複部位が内側となり、上流側の前記重複部位が外側となるように重ね合わされることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の保護カバー。
  18. 前記カバー本体には、前記航空部品に対する前記カバー本体の取付位置を指標する目印が付されていることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の保護カバー。
  19. 前記カバー本体は、所定面を有する一方側の部位と、前記所定面に対向する対向面を有する他方側の部位とを重ね合わせており、
    重ね合わされた前記カバー本体の一方側の部位と他方側の部位とを拘束する拘束ベルトを、さらに備えることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の保護カバー。
  20. 請求項1から19のいずれか1項に記載の保護カバーを用いて、前記航空部品を梱包する航空部品の梱包方法であって、
    前記第3層が前記航空部品に接して、前記第1層が表側となるように、前記カバー本体を前記航空部品に覆うカバー被覆工程と、
    前記航空部品を覆った前記カバー本体を、前記航空部品を搭載する台車に設けられる棒状部材に固縛する固縛工程と、を備えることを特徴とする航空部品の梱包方法。
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