JP2015168291A - 水中扉開閉装置およびこれを有する船舶 - Google Patents

水中扉開閉装置およびこれを有する船舶 Download PDF

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Abstract

【課題】スラスタトンネルの端部を確実に閉鎖し、アクチュエータが海水に晒されないようにする水中扉開閉装置を提供する。
【解決手段】水中扉開閉装置200は、スラスタトンネル80の端面81を開閉する半円形の第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rと、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rにそれぞれ固定され、連結フレーム30に設けられた第1ヒンジピン軸受け31Lおよび第2ヒンジピン軸受け31Rに回転自在に支持された第1ヒンジピン48Lおよび第2ヒンジピン48Rと、第1ヒンジピン48Lに固定された第1ヒンジピンアーム49Lに一端が連結され、他端がアクチュエータ設置部32に設置された第1アクチュエータ50Lと、第2ヒンジピン48Rに固定された第2ヒンジピンアーム49Rに一端が連結され、他端がアクチュエータ設置部32に設置された第2アクチュエータ50Rと、を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は水中扉開閉装置およびこれを有する船舶、特に、船舶の側面に設けられたスラスタトンネルの端部を開閉する水中扉開閉装置およびこれを有する船舶に関する。
従来から、船舶には、港湾内で停泊する際等に、船舶を船体外板(舷)方向に移動させるためのバウスラスタが設置されている。バウスラスタは、船舶の一方の船体外板(舷)側から吸引した海水を他方の船体外板(舷)側に吹き出すものであって、両船体外板(両舷)に開口した開口部(以下「舷開口部」と称す)を具備するスラスタトンネルと、スラスタトンネル内に設置された回転プロペラ等の送水手段で構成されている。そのため、スラスタトンネルの出口は現在、常時開放されたままで航行推進し、水流抵抗を生じさせ、無駄なエネルギー消費していると想定される。
そこで、水中扉を設けることにより、航行推進により水流抵抗減じさせる、さらに、舷開口部の閉塞をより確実にすると共に、閉塞した際の水中扉の外面と船体外板(舷)とがより同一な面になるようにするため、船内において油圧シリンダ等によって水中扉を上下にスライドさせ、かつ、下端位置において、水中扉を外方向に押し出して、船体外板に当接させることによって、舷開口部を閉鎖する船舶のバウスラスタゲート装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3330148号公報(第3−4頁、図1)
特許文献1に開示された船舶のバウスラスタゲート装置は、船腹を横断方向に貫通するスラスタトンネルの端部を閉鎖する水中扉(スラスタゲート)を設け、水中扉の中央部両側から側方へガイドピンを突設し、このガイドピンをほぼ上下方向に案内する一対のガイドレールを船体に固定し、水中扉が舷開口部を閉塞する位置で、ガイドピンを受ける受台をガイドレールに固定する。一方、このガイドレールに案内されるバックフレームをリンクを介して水中扉の上部に連結し、このバックフレームをガイドレールに沿って駆動するアクチュエータを備えている。
そして、ガイドピンを中心とした水中扉の上部の船体内側方向への回動を規制するバックストッパを、バックフレームに設けている。このとき、バックストッパは水中扉の背面に位置している。また、水中扉の上部の船体外側方向への回動を規制する少なくとも一対のガイドストッパを、スラストゲートに設けている。このとき、ガイドストッパは、ガイドピンの下方に位置し、水中扉の開口時に一対のガイドレールの側面に摺接する。
したがって、水中扉が舷開口部を閉塞している位置からアクチュエータを作動させ、上部のバックフレームを引き上げると、リンクを介して水中扉が中央部のガイドピンを支点に上部を船体内側に回動する。さらに、上部のバックフレームを引き上げると、水中扉は、バックストッパおよびガイドストッパによって左右への揺動を規制されつつ、ガイドレールに案内されて上昇し、舷開口部を開放する。
また、アクチュエータを逆方向に作動させると、水中扉が下降し、最下降位置付近でガイドストッパがガイドレールから離れて水中扉の船体外側方向への回動を許容し、中央部のガイドピンが受台に受け止められた後、さらに下降する上部のガイドピンが、リンクを介して水中扉の上部を船体外側へ回動させ、水中扉を船体外板に押し付けて、舷開口部を閉塞するものである。
しかしながら、特許文献1に開示された船舶のバウスラスタゲート装置は、円盤状の水中扉(スラスタゲート)を、船体に設置されたバックフレームに案内された状態で昇降させると共に、リンク機構を用いて船体外側方向に押し出して、水中扉の外周を船体外板(舷開口部の内縁に同じ)に押し付けることによって、舷開口部を閉塞する構造であるため以下のような問題があった。
(あ)バックフレームを船体に設置する際の設置誤差によって、あるいは、船体外板の変形(例えば、溶接歪み等)によって、水中扉の全外周が舷開口部の内縁に当接しない場合がある。そうすると、正確な当接を可能にするため、取り付け工数が増加し、取り付け費用が上昇したり、当接が不完全なために、渦巻流が発生し、造波抵抗の増加による船舶の燃費効率が低下したりすると想定される。
(い)特に、既存船に設置しようとすると、船体外板を広いエリアで加工する必要があるため、加工に伴う加熱等によって、船体外板の変形が大きくなり、設置費用が上昇したり、船舶の燃費効率が低下したりすると想定される。
(う)また、円盤状の水中扉に作用する力(波浪により力等)は全て、ガイドレールを経由して船体に伝達されるため、長期使用に伴う繰り返し荷重によって、ガイドレールの変形や船体のガイドレール設置位置の変形が生じた場合、あるいは、舷開口部の内縁の平面度が悪化した場合、当接が不完全になり、造波抵抗の増加による船舶の燃費効率が低下すると想定される。
(え)さらに、スラスタゲート(バックフレームに同じ)をガイドレールに沿って上昇させるアクチュエータは、海水自体や海水飛沫に晒されるため、アクチュエータに付着した油類が海水中に溶出するという環境面への影響や、アクチュエータの内部に海水が侵入したり外部に海水が付着したりすることによる腐食等が発生するという機器保全面への影響が想定される。
(お)さらに、鋼鉄製のスラスタゲートの外周が、鋼板によって形成された船体外板に直接当接するため、水中生物の付着・成長によって、閉塞が不完全になり、造波抵抗の増加による船舶の燃費効率が低下すると想定される。
本発明は上記問題を解決するものであって、以下のようなことができる水中扉開閉装置およびこれを有する船舶を提供することにある。
(イ)建造時の溶接熱等によって、船体や船体外板に変形(例えば、溶接歪み等)がある場合でも、取り付け工数の増加を招くことなく、スラスタトンネルの端部を確実に閉鎖すると共に、水中扉の外面が船体外板をより正確に同一面を形成する。
(ロ)特に、既存船に設置する場合でも、船体外板の加工エリアを狭くして、加工に伴う加熱等による船体外板の変形を抑える。
(ハ)長期使用に伴う繰り返し荷重によって、船体や船体外板に変形が生じた場合でも、スラスタトンネルの端面に当接させ、確実に閉鎖する。
(ニ)水中扉を駆動するアクチュエータが海水自体や海水飛沫に晒されない。
(ホ)水中扉の外周が、船体外板に直接当接しない。
(1)本発明に係る水中扉開閉装置は、船体に設置されたスラスタトンネルの端部およびアウタハルに形成された舷開口部を開閉する略半円形の第1閉塞部および第2閉塞部と、該第1閉塞部および該第2閉塞部にそれぞれ固定された第1ヒンジピンおよび第2ヒンジピンとを具備する第1開閉扉および第2開閉扉と、
前記第1ヒンジピンおよび前記第2ヒンジピンをそれぞれ回転自在に支持する連結フレームと、
前記連結フレームに設置され、前記第1ヒンジピンおよび前記第2ヒンジピンを回転するアクチュエータと、を有し、
前記第1閉塞部および前記第2閉塞部が配置された扉収納室と、前記連結フレームおよび前記アクチュエータが配置された気密室とが、水密的に隔離されていることを特徴とする。
(2)前記(1)において、前記第1開閉扉および前記第2開閉扉を上下方向に移動不能に支持する外枠が、前記扉収納室内でインナハルに設置され、前記連結フレームは、前記外枠にパイプフレームを介して固定されていることを特徴とする。
(3)また、本発明に係る水中扉開閉装置は、インナハルを水密的に貫通して該インナハルに設置され、端面がアウタハルと略同一面に位置するスラスタトンネルと、
該スラスタトンネルの前記インナハルと前記アウタハルに挟まれた範囲を包囲して、前記インナハルおよび前記アウタハルに水密的に設置される水密枠と、
該水密枠内で前記インナハルに設置され、第1外枠柱、第2外枠柱および該第1外枠柱と該第2外枠柱とを連結する外枠梁を具備する外枠と、
前記外枠梁に固定され、前記水密枠に水密的に設置された第1パイプフレームおよび第2パイプフレームと、
第1パイプフレームおよび第2パイプフレームに固定され、前記水密枠の上方に配置された連結フレームと、
前記第1外枠柱に設けられ、前記第2外枠柱の方向に突出した第1ヒンジピン軸ホルダーと、
該第1ヒンジピン軸ホルダーに回転自在に支持され、前記外枠梁に形成された貫通孔および前記第1パイプフレームの内部を貫通すると共に、前記連結フレームに設けられた第1ヒンジピン軸受けに回転自在に支持された第1ヒンジピンと、
該第1ヒンジピンに固定され、前記第1ヒンジピン軸ホルダーによって上下方向に移動不能に支持された第1ヒンジと、前記スラスタトンネルの端部の前記第1外枠柱寄りの半円部を閉塞可能な半円形の第1面材とを具備する第1開閉扉と、
前記第2外枠柱に設けられ、前記第1外枠柱の方向に突出した第2ヒンジピン軸ホルダーと、
該第2ヒンジピン軸ホルダーに回転自在に支持され、前記外枠梁に形成された貫通孔および前記第2パイプフレームの内部を貫通すると共に、前記連結フレームに設けられた第2ヒンジピン軸受けに回転自在に支持された第2ヒンジピンと、
該第2ヒンジピンに固定され、前記第2ヒンジピン軸ホルダーによって上下方向に移動不能に支持された第2ヒンジと、前記スラスタトンネルの端部の前記第2外枠柱寄りの半円部を閉塞可能な半円形の第2面材とを具備する第2開閉扉と、
前記アウタハルの前記水密枠によって包囲され、前記アウタハルと同一面を形成するように設置された扉収納室覆い板と、
該扉収納室覆い板に形成され、前記第1開閉扉および第2開閉扉が通過すると共に、前記第1開閉扉および第2開閉扉によって閉塞される舷開口部と、
前記第1ヒンジピンに固定された第1リンクアームと、
前記第2ヒンジピンに固定された第2リンクアームと、
一方の端部が前記第1リンクアームに接続され、他方の端部が前記連結フレームに接続された伸縮自在な第1アクチュエータと、
一方の端部が前記第2リンクアームに接続され、他方の端部が前記連結フレームに接続された伸縮自在な第2アクチュエータと、
を有し、
前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータが伸びた際、前記第1開閉扉および前記第2開閉扉によって前記スラスタトンネルの端部および前記舷開口部が閉塞され、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータが縮んだ際、前記第1開閉扉および前記第2開閉扉は観音開き状に回転され、前記スラスタトンネルの端部および前記舷開口部が開放されることを特徴とする。
(4)前記(3)において、前記第1開閉扉の前記スラスタトンネルの端部の端面に当接する範囲にライナー材が設置され、前記第2開閉扉の前記スラスタトンネルの端部の端面に当接する範囲にライナー材が設置され、
前記ライナー材は、前記第1開閉扉、前記第2開閉扉および前記スラスタトンネルを形成する材質の何れとも相違する異種材質によって形成されていることを特徴とする。
(5)前記(4)において、前記ライナー材は、前記第1開閉扉および前記第2開閉扉に取り付けピンによって設置され、前記取り付けピンの先端は前記ライナー材から突出して前記スラスタトンネルの端部の端面に当接自在で、前記取り付けピンは、前記第1開閉扉、前記第2開閉扉および前記スラスタトンネルを形成する材質と同じ同種材質によって形成されていることを特徴とする。
(6)前記(2)〜(5)の何れかにおいて、前記外枠は、前記インナハルに形成されたボルト孔を貫通するボルトによって設置されることを特徴とする。
(7)また、本発明に係る船舶は、前記(1)〜(6)の何れかに記載の水中扉開閉装置を有することを特徴とする。
(i)本発明に係る水中扉開閉装置は、連結フレームに回転自在に支持された略半円形の第1閉塞部および第2閉塞部と、これらを回転する連結フレームに設置されたアクチュエータとを有しているから、円形の開閉扉に比較して半円形の第1閉塞部および第2閉塞部の受圧面積が半減し、それぞれに作用する開閉時の水圧や航行中の波浪等による荷重が半減する。したがって、第1開閉扉および第2開閉扉の構造自体、これらを支持する支持機構、およびこれらを開閉するアクチュエータを、小型かつ簡素にすることができる。
(ii)特に、既存船に設置する場合でも、アウタハルおよびインナハルの加工エリアを狭くすることができるため、また、連結フレームを機械的手段によって設置することができることから溶接範囲を最少にすることができるため、加工に伴う加熱等による船体の変形を抑えることができ、取り付け工数および取り付け費用の上昇を抑え、位置精度の高い設置が可能になる。
(iii)また、第1開閉扉および第2開閉扉を開閉する荷重は、連結フレームおよびアクチュエータに作用し、船体(インナハル等)に作用しないため、第1開閉扉に作用する荷重の反力(作動反力)と、第2開閉扉に作用する荷重の反力(作動反力)とは相殺される。したがって、船体を変形することがなく、スラスタトンネルの端部および舷開口部と、第1開閉扉および第2開閉扉との位置精度が向上し、スラスタトンネルの端部および舷開口部の閉塞がより確実になるから、渦巻流の発生を抑え、造波抵抗による船舶の燃費効率の低下を抑えることができる。
(iv)また、アクチュエータは気密室に配置され、気密室は扉収納室(水密枠とインナハルとによって形成された空間に同じ)とは水密的に隔離されているため、海水から隔離され、海水飛沫に晒されることがない。したがって、油類が海水中に溶出するという環境面への影響や、アクチュエータに腐食等が発生するという機器保全面への影響がない。
(v)第1開閉扉および第2開閉扉は、連結フレームに回転自在で、外枠に上下方向移動不能に支持される構造であるため、すなわち、第1開閉扉および第2開閉扉はインナハルまたはアウタハルに設置される構造ではないため、予め、製造工場において組み立てておき、かかる組立体を、スラスタトンネルに対して位置決めされた状態でインナハルに設置することができる。したがって、設置誤差を抑えることができ、かつ、インナハルやアウタハルが変形(例えば、溶接歪み等による変形)している場合でも、第1開閉扉および第2開閉扉は、スラスタトンネルの端部および舷開口部を確実に閉塞することができる。
したがって、取り付けが容易で、取り付け費用を抑えることができる。また、前記閉塞が確実で、渦巻流の発生を抑え、造波抵抗による船舶の燃費効率の低下を抑えることができる。
(vi)さらに、第1開閉扉および第2開閉扉のスラスタトンネルの端面に当接する範囲に、異種材質によって形成されたライナー材が設置されているため、かかる当接する範囲における電蝕作用によってライナー材が溶解し、この範囲に水中生物が付着したり、水中生物が生成したりすることを防止ないし軽減することができる。したがって、第1開閉扉および第2開閉扉によるスラスタトンネルの端部の閉塞がより確実になる。
(vii)さらに、ライナー材を第1開閉扉および前記第2開閉扉に取り付ける取り付けピンの先端は、ライナー材から突出してスラスタトンネルの端部の端面に当接自在であるから、取り付けピンが第1開閉扉および第2開閉扉の停止位置を決定する位置決め手段として機能すると共に、スラスタトンネルの端部の端面に付着成長した水中生物が除去する清掃手段としても機能する。
(viii)さらに、外枠はインナハルにボルトによって設置されるため、インナハルは溶接による入熱によって変形することがないから、スラスタトンネルと外枠との位置精度(端面と、閉じた状態の第1開閉扉および第2開閉扉との位置精度に同じ)が保証され、舷開口部の閉塞が確実になる。
(ix)また、本発明に係る船舶は、前記(1)〜(6)の何れかに記載の水中扉開閉装置を有するため、前記効果(i)〜(viii)の効果を享受することができ、安価に建造することができ、環境保全性や機器保全性に優れ、造波抵抗による船舶の燃費効率の低下を抑えることができる。
本発明の実施の形態1に係る船舶を説明するものであって、船首部分を示す正面図。 本発明の実施の形態1に係る船舶を説明するものであって、船首部分を示す平面視の断面図。 本発明の実施の形態1に係る船舶を説明するものであって、右舷扉開閉装置を含む部分を示す図2のA−A断面における断面図。 本発明の実施の形態2に係る水中扉開閉装置を説明するものであって、一部を透過した正面図。 本発明の実施の形態2に係る水中扉開閉装置を説明するものであって、閉塞した状態を示す一部を透過した平面図。 本発明の実施の形態2に係る水中扉開閉装置を説明するものであって、開放した状態を示す一部を透過した平面図。 本発明の実施の形態2に係る水中扉開閉装置を説明するものであって、一部を拡大して示す正面視の断面図。 本発明の実施の形態2に係る水中扉開閉装置を説明するものであって、閉塞した状態を示す側面視の断面図。 本発明の実施の形態2に係る水中扉開閉装置を説明するものであって、開放した状態を示す側面視の断面図。 本発明の実施の形態2に係る水中扉開閉装置を説明するものであって、一部を拡大して示す正面視の断面図。 本発明の実施の形態2に係る水中扉開閉装置を説明するものであって、開放した状態を示す斜視図。
[実施の形態1]
図1〜図3は本発明の実施の形態1に係る船舶を説明するものであって、図1は船首部分を示す正面図、図2は船首部分を示す平面視の断面図、図3は右舷扉開閉装置を含む部分を示す図2のA−A断面における断面図である。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
(船舶)
図1〜図3において、船舶100は、船首部において、左舷インナハル(左舷内板に同じ)2aおよび右舷インナハル(右舷内板に同じ)2bを貫通し、船底1に平行なスラスタトンネル80を有している。
スラスタトンネル80の左舷側端面81aは、左舷アウタハル(左舷外板に同じ)3aよりも左舷インナハル2a側に位置し、右舷側端面81bは右舷アウタハル(右舷外板に同じ)3bよりも右舷インナハル2b側に位置している。
そして、スラスタトンネル80内には、左舷アウタハル3aから右舷アウタハル3bの方向に、あるいは、右舷アウタハル3bから左舷アウタハル3aの方向に、海水を流すスラスタスクリュウ82が設置されている。
さらに、左舷インナハル2aと左舷アウタハル3aとに挟まれた範囲に、スラスタトンネル80の左舷側端面81aが侵入した左舷扉収納室4aが形成され、右舷インナハル2bと右舷アウタハル3bとに挟まれた範囲に、スラスタトンネル80の右舷側端面81bが侵入した右舷扉収納室4bが形成されている。
そして、左舷扉収納室4aの上方には左舷気密室5aが形成され、左舷扉収納室4aと左舷気密室5aとに跨がって左舷水中扉開閉装置200aが設置されている。左舷水中扉開閉装置200aは左舷第1開閉扉40aLおよび左舷第2開閉扉40aRを回動して、スラスタトンネル80の左舷側端面81aおよび左舷アウタハル3aの左舷開口部(図示しない)を開閉するものである(これについては実施の形態2において詳細に説明する)。
なお、左舷扉収納室4aの左舷アウタハル3a側には、左舷第1開閉扉40aLおよび左舷第2開閉扉40aRの回動を可能にする左舷開口部6aを残して、左舷扉収納室覆い板(図示しない)が設置されている。
同様に、右舷扉収納室4bの上方には右舷気密室5bが形成され、右舷扉収納室4bと右舷気密室5bとに跨がって右舷水中扉開閉装置200bが設置され、右舷水中扉開閉装置200bは右舷第1開閉扉40bLおよび右舷第2開閉扉40bRを回動して、右舷側端面81bおよび右舷開口部6bを開閉するものである(これについては実施の形態2において詳細に説明する)。
なお、右舷扉収納室4bの右舷アウタハル3b側には、右舷第1開閉扉40bLおよび右舷第2開閉扉40bRの回動を可能にする右舷開口部6bを残して、右舷扉収納室覆い板7bが設置されている。
そして、船舶100は、実施の形態2において説明する水中扉開閉装置200を有するため、安価に建造することができ、環境保全性や機器保全性に優れ、造波抵抗による船舶の燃費効率の低下を抑えることができる(これについては実施の形態2において詳細に説明する)。
[実施の形態2]
図4〜図11は本発明の実施の形態2に係る水中扉開閉装置を説明するものであって、図4は一部を透過した正面図、図5は閉塞した状態を示す一部を透過した平面図、図6は開放した状態を示す一部を透過した平面図、図7は一部を拡大して示す正面視の断面図、図8は閉塞した状態を示す側面視の断面図、図9は開放した状態を示す側面視の断面図、図10は一部を拡大して示す正面視の断面図、図11は開放した状態を示す斜視図である。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。また、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
(水中扉開閉装置)
図4〜図11において、実施の形態2に係る水中扉開閉装置200は、実施の形態1で説明した船舶100に設置された右舷水中扉開閉装置200bであって、左舷水中扉開閉装置200aおよび右舷水中扉開閉装置200bは同様の構造(正確には、面対称の構造)であるから、以下の説明において、これ自体およびこれを構成する部材の名称を修飾する「左舷、右舷」および符号の添え字「a、b」の記載を省略する。
(スラスタトンネル)
水中扉開閉装置200において、スラスタトンネル80は、船舶100のインナハル2を水密的に貫通してインナハル2に設置され、端面81はスラスタトンネル80に対して開閉扉40の厚さ分だけインナハル2寄りとなっている。すなわち、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rがスラスタトンネル80の端面81に当接したとき、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rの外面がアウタハル3の外面と同一面を形成するようになっている。
(水密枠)
そして、スラスタトンネル80のインナハル2とアウタハル3とに挟まれた範囲を包囲して、インナハル2およびアウタハル3に水密的に設置される水密枠10が設けられている。水密枠10は、船底1に対して垂直な第1水密縦板12Lおよび第2水密縦板12Rと、第1水密縦板12Lと第2水密縦板12Rの上端とを水密的に連結する船底1に対して平行な水密上板11と、スラスタトンネル80の外面の略下側半分に沿って配置された水密円弧板14と、第1水密縦板12Lの下端と水密円弧板14の一方の端部とを水密的に連結する船底1に対して平行な第1水密下板13Lと、第2水密縦板12Rの下端と水密円弧板14他方の端部とを水密的に連結する船底1に対して平行な第2水密下板13Rとを、有している。
すなわち、インナハル2の水密枠10によって囲まれた範囲と、水密枠10とによって扉収納室4が形成されている。このとき、扉収納室4は、インナハル2に対しても、インナハル2とアウタハル3との間で扉収納室4を除く範囲(扉収納室4の上方の範囲を気密室5と称している)に対しても、水密構造になっている。
さらに、水密枠10のアウタハル3側には、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rの回動を可能にする舷開口部6を残して、扉収納室覆い板7が設置され、扉収納室覆い板7の外面はアウタハル3の外面と同一面を形成している(図8参照)。
(外枠)
扉収納室4内には、スラスタトンネル80の上方および両側面に対向する外枠20が、インナハル2にボルト(図示しない)によって設置されている。このとき、外枠20はインナハル2に密着しているから、インナハル2に形成されたボルト孔(図示しない)とボルトとの隙間を経由して海水が船舶100内に浸入することはない。
外枠20は、船底1に対して垂直な第1外枠柱22Lおよび第2外枠柱(図示しない)と、第1外枠柱22Lの上端と第2外枠柱の上端とを連結する船底1に対して平行な外枠梁21を具備し、面対称の形状を呈している。
第1外枠柱22Lの上下方向の中間位置には、第2外枠柱方向に突出した第1ヒンジホルダー23Lが設けられ、第1ヒンジホルダー23Lは第1ヒンジピン48Lを回転自在に保持している。同様に、第2外枠柱の上下方向の中間位置には、第1外枠柱22L方向に突出した第2ヒンジホルダー23Rが設けられ、第2ヒンジホルダー23Rは第2ヒンジピン48Rを回転自在にしている。
(パイプフレーム)
また、外枠梁21には、第1ヒンジピン48Lおよび第2ヒンジピン48Rがそれぞれ貫通自在な貫通孔(図示しない)が形成され、ピン貫通孔を包囲した状態で、外枠梁21の上面に第1パイプフレーム25Lおよび第2パイプフレーム25Rが設置されている。
第1パイプフレーム25Lの上端および第2パイプフレーム25Rの上端はそれぞれ、水密枠10を構成する水密上板11を貫通して設置されている。
また、第1パイプフレーム25Lおよび第2パイプフレーム25Rのそれぞれの内部に、第1ヒンジピンシール材(図示しない)および第2ヒンジピンシール材27Rを、それぞれ保持する第1ピンシール保持材(図示しない)および第2ピンシール保持材26Rが水密上板11の上方に水密的に設置され、第1ヒンジピンシール材および第2ヒンジピンシール材27Rはそれぞれ、第1ヒンジピン48Lおよび第2ヒンジピン48Rを回転自在で水密的にシールしている。
(連結フレーム)
さらに、第1パイプフレーム25Lおよび第2パイプフレーム25Rは、水密上板11を貫通して水密上板11に水密溶接されている。そして、第1パイプフレーム25Lおよび第2パイプフレーム25Rの上面に連結フレーム30が配置され、連結フレーム30は水密上板11を挟んだ状態で、第1パイプフレーム25Lの上端および第2パイプフレーム25Rの上端に設置されている。
また、連結フレーム30には、第1ヒンジピン48Lおよび第2ヒンジピン48Rをそれぞれ回転自在に支持する第1ヒンジピン軸受け31Lおよび第2ヒンジピン軸受け31Rが設置されている。
そして、連結フレーム30には、第1アクチュエータ50Lおよび第2アクチュエータ50Rが設置されている(これについては別途詳細に説明する)。
(第1開閉扉)
第1開閉扉40Lは、スラスタトンネル80の端面81の第1外枠柱22L寄りの半円部を閉塞する半円形の第1閉塞部41Lと、第1閉塞部41Lと一体化した第1上ヒンジ42Lおよび第1下ヒンジ43Lを具備している。
第1閉塞部41Lは、所定の高さ(第1開閉扉40Lの厚さに略同じ)で断面半円形を呈する第1周囲材44Lと、第1周囲材44Lの一方の端部に固定された第1面材45Lと、第1周囲材44Lに囲まれた範囲に配置され、第1周囲材44Lおよび第1面材45Lに接続された格子状の第1補強材46Lとを具備している(図3参照)。なお、第1面材45Lは、第1上ヒンジ42Lおよび第1下ヒンジ43Lの外面側の一部を覆っている。
また、第1ヒンジピン48Lが第1上ヒンジ42Lおよび第1下ヒンジ43Lに固定され、第1上ヒンジ42Lおよび第1下ヒンジ43Lは、第1ヒンジホルダー23Lを挟むように配置されている。このとき、第1ヒンジピン48Lは、第1ヒンジホルダー23Lに設置された第1ヒンジピン軸受け(図示しない)によって、回転自在に支持されているから、第1開閉扉40Lは回転自在かつ上下方向に移動不能になっている。
(第2開閉扉)
第2開閉扉40Rは、第1開閉扉40Lと面対称の構成であって、スラスタトンネル80の端面81の第2外枠柱(図示しない)寄りの半円部を閉塞する半円形の第2閉塞部41Rと、第2閉塞部41Rと一体化した第2上ヒンジ42Rおよび第2下ヒンジ43Rを具備している。そして、第2閉塞部41Rは、第2周囲材44R、第2面材45Rおよび第2補強材46Rを具備している。また、第2ヒンジピン48Rが第1上ヒンジ42Lおよび第1下ヒンジ43Lに固定され、第2開閉扉40Rは回転自在かつ上下方向に移動不能になっている。
すなわち、水中扉開閉装置200が有する第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rは、互いに面対称に構成され、後記するように面対称(観音開き状)に回転する。
(アクチュエータ)
第1ヒンジピン48Lの上端に所定の長さの第1ヒンジピンアーム49Lが固定され、第1ヒンジピンアーム49Lの先端に、第1アクチュエータ50Lの一方の端部が接続されている。また、第1アクチュエータ50Lの他方の端部は、連結フレーム30の上面中央に設けられたアクチュエータ設置部32に設置されている。
同様に、第2ヒンジピン48Rの上端に所定の長さの第2ヒンジピンアーム49Rが固定され、第2ヒンジピンアーム49Rの先端に、第2アクチュエータ50Rの一方の端部が接続されている。また、第2アクチュエータ50Rの他方の端部はアクチュエータ設置部32に設置されている。
このとき、第1アクチュエータ50Lおよび第2アクチュエータ50Rは、連結フレーム50の上方に配置され、連結フレーム50は気密室5に設置されているから、第1アクチュエータ50Lおよび第2アクチュエータ50Rは海水に浸漬されたり、飛来する海水の飛沫に晒されることがない。
(ライナー材)
第1開閉扉40Lには、第1周囲材44Lの第1面材45Lとは反対側の端面に第1ライナー材60Lが第1取り付けピン61Lによって設置され、同様に、第2開閉扉40Rには、第2周囲材44Rの第2面材45Rとは反対側の端面に第2ライナー材が第2取り付けピン(何れも図示しない)によって設置されている。
第1取り付けピン61Lおよび第2取り付けピンは、前記第1開閉扉40L、第2開閉扉40Rおよびスラスタトンネル80を形成する材質の何れとも相違する異種材質によって形成されている。
また、第1取り付けピン61Lは第1ライナー材60Lよりも突出し、第2取り付けピンは第2ライナー材よりも突出しているため、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rが、スラスタトンネル80の端面81を閉塞した際、第1取り付けピン61Lの円錐状の先端および第2取り付けピンの円錐状の先端が、スラスタトンネル80の端面81に当接する(図10参照)。
(開閉動作)
水中扉開閉装置200は以上のような構成であるから、第1アクチュエータ50Lおよび第2アクチュエータ50Rが伸縮すると、それぞれ第1ヒンジピンアーム49Lおよび第2ヒンジピンアーム49Rによって、第1ヒンジピン48Lおよび第2ヒンジピン48Rは回転し、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rは回転する。
すなわち、第1アクチュエータ50Lおよび第2アクチュエータ50Rが伸びた際、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rによってスラスタトンネル80の端面81およびアウタハル3の舷開口部6が閉塞される(図5および図8参照)。
このとき、アウタハル3、扉収納室覆い板7、第1面材45Lおよび第2面材45Rのそれぞれの外面は、同一面を形成し、舷開口部6は、第1面材45L、第2面材45R、第1上ヒンジ42Lおよび第1下ヒンジ43Lの一部、第2上ヒンジ42Rおよび第2下ヒンジ43Rの一部によって、閉じられている(正確には、扉収納室覆い板7と第1上ヒンジ42L等との間に隙間がある)。
一方、第1アクチュエータ50Lおよび第2アクチュエータ50Rが縮んだ際、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rは観音開き状に回転され、スラスタトンネル80の端面81およびアウタハル3の舷開口部6が開放される(図6、図9および図11参照)。
なお、以上は、第1閉塞部41Lと第1ヒンジピンアーム49Lとが、平面視において、第1ヒンジピン48Lを挟んで反対側に配置されているが、本発明はこれに限定するものではなく、第1閉塞部41Lと第1ヒンジピンアーム49Lとが、平面視において、第1ヒンジピン48Lの同じ側に配置されてもよい。同様に、第2閉塞部41Rと第2ヒンジピンアーム49Rとが、平面視において、第2ヒンジピン48Rの同じ側に配置されてもよい。このとき、第1アクチュエータ50Lおよび第2アクチュエータ50Rが縮んだ際、端面81および舷開口部6は閉塞され、反対に、第1アクチュエータ50Lおよび第2アクチュエータ50Rが伸びた際、端面81および舷開口部6は開放されることになる。なお、第2閉塞部41Rと第2ヒンジピンアーム49Rとの位置関係においても同じである。
(作用効果)
(i)以上のように、水中扉開閉装置200は、半円形の第1閉塞部41Lおよび第2閉塞部41Rを具備する第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rが、互いに面対称に配置され、それぞれ回転自在に支持されて観音開き状に開閉するものである。このため、円形の開閉扉に比較してそれぞれの受圧面積が半減し、それぞれに作用する開閉時の水圧や航行中の波浪等による荷重が半減することから、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rの構造自体、およびこれらを支持する外枠20、さらに、これらを開閉する第1アクチュエータ50Lおよび第2アクチュエータ50Rを、小型かつ簡素にすることができる。
(ii)また、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rは、外枠20および連結フレーム30に回転自在に支持されているため、予め、製作工場において組み立てておき、かかる組立体を、スラスタトンネル80に対して位置決めされた状態でインナハル2に設置することができるから、設置誤差を抑えることができ、かつ、アウタハル3が変形(船体外板の溶接歪み等)した場合でも、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rはスラスタトンネル80の端面81を確実に閉塞し、しかも、アウタハル3の舷開口部6を、アウタハル3と同一面を形成した状態で、舷開口部6を閉塞することができる。
したがって、取り付けが容易で、取り付け費用を抑えることができ、また、スラスタトンネル80の端面81の閉塞が確実で、渦巻流の発生を抑え、造波抵抗による船舶の燃費効率の低下を抑えることができる。
(iii)さらに、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rを開閉する荷重は、両者を間接的に支持する連結フレームおよび両者を間接的に連結するアクチュエータに作用し、インナハル2(船体に同じ)に作用しないため、インナハル2が変形することがない。
すなわち、第1開閉扉40Lに作用する荷重の反力(作動反力)と、第2開閉扉40Rに作用する荷重の反力(作動反力)とは、相殺される。このため、スラスタトンネル80の端面81と第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rとの位置関係、およびアウタハル3の舷開口部6と第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rとの位置関係が狂うことがなく、前記閉塞がより確実になる。
(iv)さらに、第1アクチュエータ50Lおよび第2アクチュエータ50Rは、扉収納室4とは水密的に隔離された気密室5に配置されるため、海水から隔離され海水飛沫に晒されることがない。したがって、油類が海水中に溶出するという環境面への影響や、アクチュエータに腐食等が発生するという機器保全面への影響がない。
(v)さらに、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rのスラスタトンネル80の端面81に当接する範囲に、異種材質によって形成された第1ライナー材60Lおよび第2ライナー材が設置されているため、かかる当接する範囲における電蝕作用によって第1ライナー材60Lおよび第2ライナー材が溶解し、この範囲に水中生物が付着したり、水中生物が生成したりすることを防止ないし軽減することができる。したがって、第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rによるスラスタトンネル80の端面81の閉塞がより確実になる。
(vi)さらに、第1ライナー材60Lおよび第2ライナー材を、それぞれ第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉40Rに取り付ける第1取り付けピン61Lおよび第2取り付けピンの先端は、第1ライナー材60Lおよび第2ライナー材から突出してスラスタトンネル80の端面81に当接する。このため、第1取り付けピン61Lおよび第2取り付けピンが第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉の停止位置を決定する位置決め手段として機能すると共に、スラスタトンネルの端部の端面に付着成長した水中生物が除去する清掃手段としても機能する。よって、前記閉塞がより確実になる。
(vii)さらに、外枠20はインナハル2にボルトによって設置され、水中扉開閉装置200を船体に設置するための溶接が不要になるため、溶接による入熱によって変形することがないから、スラスタトンネル80と外枠20との位置精度(第1開閉扉40Lおよび第2開閉扉との位置精度に同じ)が保証され、前記閉塞が確実になる。
(viii)なお、実施の形態1に示した船舶100は、水中扉開閉装置200を有するため、安価に建造することができ、環境保全性や機器保全性に優れ、造波抵抗による船舶の燃費効率の低下を抑えることができる。
本発明によれば、安価に建造することができ、環境保全性や機器保全性に優れ、造波抵抗による船舶の燃費効率の低下を抑えることができるから、様々な用途の各種船型の船舶に広く設置することができる。
1 船底
2 インナハル
3 アウタハル
4 扉収納室
5 気密室
6 舷開口部
7 扉収納室覆い板
10 水密枠
11 水密上板
12L 第1水密縦板
12R 第2水密縦板
13L 第1水密下板
13R 第2水密下板
14 水密円弧板
20 外枠
21 外枠梁
22L 第1外枠柱
23L 第1ヒンジホルダー
23R 第2ヒンジホルダー
25L 第1パイプフレーム
25R 第2パイプフレーム
26R 第2ピンシール保持材
27R ヒンジピンシール材
30 連結フレーム
31L 第1ヒンジピン軸受け
31R 第2ヒンジピン軸受け
32 アクチュエータ設置部
40L 第1開閉扉
40R 第2開閉扉
40aL 左舷第1開閉扉
40aR 左舷第2開閉扉
40bL 右舷第1開閉扉
40bR 右舷第2開閉扉
41L 第1閉塞部
41R 第2閉塞部
42L 第1上ヒンジ
42R 第2上ヒンジ
43L 第1下ヒンジ
43R 第2下ヒンジ
44L 第1周囲材
44R 第2周囲材
45L 第1面材
45R 第2面材
46L 第1補強材
46R 第2補強材
48L 第1ヒンジピン
48R 第2ヒンジピン
49L 第1ヒンジピンアーム
49R 第2ヒンジピンアーム
50 連結フレーム
50L 第1アクチュエータ
50R 第2アクチュエータ
60L 第1ライナー材
61L 第1取り付けピン
80 スラスタトンネル
81 端面
81a 左舷側端面
81b 右舷側端面
82 スラスタスクリュウ
100 船舶
200 水中扉開閉装置
200a 左舷水中扉開閉装置
200b 右舷水中扉開閉装置

Claims (7)

  1. 船体に設置されたスラスタトンネルの端部およびアウタハルに形成された舷開口部を開閉する略半円形の第1閉塞部および第2閉塞部と、該第1閉塞部および該第2閉塞部にそれぞれ固定された第1ヒンジピンおよび第2ヒンジピンとを具備する第1開閉扉および第2開閉扉と、
    前記第1ヒンジピンおよび前記第2ヒンジピンをそれぞれ回転自在に支持する連結フレームと、
    前記連結フレームに設置され、前記第1ヒンジピンおよび前記第2ヒンジピンを回転するアクチュエータと、を有し、
    前記第1閉塞部および前記第2閉塞部が配置された扉収納室と、前記連結フレームおよび前記アクチュエータが配置された気密室とが、水密的に隔離されていることを特徴とする水中扉開閉装置。
  2. 前記第1開閉扉および前記第2開閉扉を上下方向に移動不能に支持する外枠が、前記扉収納室内でインナハルに設置され、
    前記連結フレームは、前記外枠にパイプフレームを介して固定されていることを特徴とする請求項1記載の水中扉開閉装置。
  3. インナハルを水密的に貫通して該インナハルに設置され、端面がアウタハルと略同一面に位置するスラスタトンネルと、
    該スラスタトンネルの前記インナハルと前記アウタハルに挟まれた範囲を包囲して、前記インナハルおよび前記アウタハルに水密的に設置される水密枠と、
    該水密枠内で前記インナハルに設置され、第1外枠柱、第2外枠柱および該第1外枠柱と該第2外枠柱とを連結する外枠梁を具備する外枠と、
    前記外枠梁に固定され、前記水密枠に水密的に設置された第1パイプフレームおよび第2パイプフレームと、
    第1パイプフレームおよび第2パイプフレームに固定され、前記水密枠の上方に配置された連結フレームと、
    前記第1外枠柱に設けられ、前記第2外枠柱の方向に突出した第1ヒンジピン軸ホルダーと、
    該第1ヒンジピン軸ホルダーに回転自在に支持され、前記外枠梁に形成された貫通孔および前記第1パイプフレームの内部を貫通すると共に、前記連結フレームに設けられた第1ヒンジピン軸受けに回転自在に支持された第1ヒンジピンと、
    該第1ヒンジピンに固定され、前記第1ヒンジピン軸ホルダーによって上下方向に移動不能に支持された第1ヒンジと、前記スラスタトンネルの端部の前記第1外枠柱寄りの半円部を閉塞可能な半円形の第1面材とを具備する第1開閉扉と、
    前記第2外枠柱に設けられ、前記第1外枠柱の方向に突出した第2ヒンジピン軸ホルダーと、
    該第2ヒンジピン軸ホルダーに回転自在に支持され、前記外枠梁に形成された貫通孔および前記第2パイプフレームの内部を貫通すると共に、前記連結フレームに設けられた第2ヒンジピン軸受けに回転自在に支持された第2ヒンジピンと、
    該第2ヒンジピンに固定され、前記第2ヒンジピン軸ホルダーによって上下方向に移動不能に支持された第2ヒンジと、前記スラスタトンネルの端部の前記第2外枠柱寄りの半円部を閉塞可能な半円形の第2面材とを具備する第2開閉扉と、
    前記アウタハルの前記水密枠によって包囲され、前記アウタハルと同一面を形成するように設置された扉収納室覆い板と、
    該扉収納室覆い板に形成され、前記第1開閉扉および第2開閉扉が通過すると共に、前記第1開閉扉および第2開閉扉によって閉塞される舷開口部と、
    前記第1ヒンジピンに固定された第1リンクアームと、
    前記第2ヒンジピンに固定された第2リンクアームと、
    一方の端部が前記第1リンクアームに接続され、他方の端部が前記連結フレームに接続された伸縮自在な第1アクチュエータと、
    一方の端部が前記第2リンクアームに接続され、他方の端部が前記連結フレームに接続された伸縮自在な第2アクチュエータと、
    を有し、
    前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータが伸びた際、前記第1開閉扉および前記第2開閉扉によって前記スラスタトンネルの端部および前記舷開口部が閉塞され、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータが縮んだ際、前記第1開閉扉および前記第2開閉扉は観音開き状に回転され、前記スラスタトンネルの端部および前記舷開口部が開放されることを特徴とする水中扉開閉装置。
  4. 前記第1開閉扉の前記スラスタトンネルの端部の端面に当接する範囲にライナー材が設置され、前記第2開閉扉の前記スラスタトンネルの端部の端面に当接する範囲にライナー材が設置され、
    前記ライナー材は、前記第1開閉扉、前記第2開閉扉および前記スラスタトンネルを形成する材質の何れとも相違する異種材質によって形成されていることを特徴とする請求項3記載の水中扉開閉装置。
  5. 前記ライナー材は、前記第1開閉扉および前記第2開閉扉に取り付けピンによって設置され、前記取り付けピンの先端は前記ライナー材から突出して前記スラスタトンネルの端部の端面に当接自在で、前記取り付けピンは、前記第1開閉扉、前記第2開閉扉および前記スラスタトンネルを形成する材質と同じ同種材質によって形成されていることを特徴とする請求項4記載の水中扉開閉装置。
  6. 前記外枠は、前記インナハルに形成されたボルト孔を貫通するボルトによって設置されることを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の水中扉開閉装置。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の水中扉開閉装置を有することを特徴とする船舶。
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