JP2015167462A - 超音波モータ - Google Patents

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Hitoshi Nishitani
仁志 西谷
一治 大澤
Kazuharu Osawa
一治 大澤
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Abstract

【課題】駆動周波数の近傍から連結部材の固有振動モードの周波数を除去し、低騒音かつ低振動で、駆動力の大きい超音波モータを提供する。
【解決手段】高周波振動が励起される振動子と、振動子と接触し、高周波振動によって振動子が相対移動する摩擦部材と、振動子を間接的に保持し振動子と同期して移動する振動子ホルダとを有し、振動子を保持する保持部材と、保持部材に振動子が固定されている部分の移動軌跡に関して片側に1か所設けられ、保持部材と前記振動子ホルダとを連結する弾性連結部材と、振動子と摩擦部材が接触する面の法線方向及び振動子の移動方向に対して振動子を移動可能に案内し、かつ、法線方向と移動方向との双方に垂直な方向には振動子を移動不能に拘束するガイド部材とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、小型軽量かつ高速駆動が求められるレンズ鏡筒、特に振動、及び、騒音を嫌う動画対応レンズ鏡筒に応用される超音波モータに関する。
圧電素子の超音波振動を利用した超音波モータは小型で、高い駆動力が得られ、広い速度レンジに対応でき、低振動かつ低騒音であるという特徴を有している優れたアクチュエータである。
図6はこの超音波モータを有するリニア駆動ユニットを利用したレンズ鏡筒600の説明のための図である。図6(a)はレンズ鏡筒の正面図、及び図6(b)はレンズ鏡筒の一部を断面で描いた側面図である。図6(b)においては、図の明確化のため、レンズ鏡筒の外枠、フォーカスレンズホルダ、フォーカスレンズホルダの案内板、及びガイド軸以外の部材は省略されている。
図6(a)及び図6(b)において、101は外枠、102はフォーカスレンズ、103はフォーカスレンズホルダである。104は長穴104aを有する案内板、105は丸穴105aを有する案内板である。106は、長穴104aを通りレンズ鏡筒の光軸方向に延在し、フォーカスレンズホルダ103を支持して光軸方向(図示の矢印Kの方向)に案内するガイド軸である。107は、丸穴105aを通りレンズ鏡筒の光軸方向に延在し、フォーカスレンズホルダ103を支持して光軸方向に案内するガイド軸である。700はフォーカスレンズホルダ103を光軸方向に駆動するリニア駆動ユニットである。図示されていない制御手段からの移動命令に従い、リニア駆動ユニット700が所定の距離を移動することにより、フォーカスレンズ102及びフォーカスレンズホルダ103を合焦位置に到達させることができる。
図7(a)は、レンズ鏡筒600の光軸方向から見たリニア駆動ユニット700の拡大図であり、波線部は部分断面を表す。
図7(a)において、201は超音波モータ本体であり超音波振動する2つの突起201bを有する振動子、202は振動子201を保持する振動子ホルダ、203はリニア駆動ユニット700を光軸方向に案内するガイド軸である。204は振動子の突起201bが当接し摩擦駆動する摩擦部材であるスライダー、205は、突起201bが当接するスライダー204の摩擦面204aの裏面に回転摺動するローラである。205aはローラ205を支持するローラ支持軸、206は振動子ホルダ202とローラ205を連結する枠体である。206aは枠体206に取り付けられローラ支持軸205aを支持するローラ支持部、206bはガイド軸203を貫通させてリニア駆動ユニット700を案内するための案内板、207はレンズホルダ103と連結される駆動伝達部位である。スライダー204だけでは振動子の直進性が確保できないが、ガイド軸203と案内板206bとの案内作用により振動子201及び振動子ホルダ202はスライダー204の延在方向である長手方向に沿って直線的に駆動することができる。又、ローラ205は駆動の際の摺動抵抗を軽減するために設けられている。波線部に図示された301は振動子201の突起201bが設けられた面の裏面に貼り付けられた圧電素子、302は圧電素子301を介して振動子201をスライダー204へ押圧するばね、303は圧電素子301とばね302の間に設けられた加圧板である。図示されていない高周波給電手段が印加する電圧により圧電素子301が伸縮することによって、振動子201が超音波振動しスライダー204の延在方向に沿って摩擦駆動を行うことができる。
以上のようなリニア駆動ユニットの作用及び機能の詳細については特許文献1に開示されている。
図7(b)及び図7(c)はリニア駆動ユニット700の振動子201と振動子ホルダ202の連結構造の説明のための図であり、図7(b)は図7(a)のM−M断面図、図7(c)は図7(b)のN−N断面図である。なお、図7(c)においては、図の明確化のため、振動子、振動子ホルダ、スライダー、連結部材以外の部材は省略している。
図7(b)において、401は振動子201と振動子ホルダ202を連結する連結部材である。連結部材401は振動子201とは固定部201aで溶接され、振動子ホルダ202とは結合部202aでビス締結されている。
カメラのフォーカスレンズは動画撮影時には、結像面において許容錯乱円の範囲でフォーカスレンズを駆動方向(図示の矢印Qの方向)に微小に往復移動させ、ピントのズレ方向を判定する、いわゆる「ウォブリング動作」をする必要がある。ここでウォブリング動作の周期は動画撮影のフレームレートの高速化にともなって高速化し、近年では60fpsや120fpsのフレームレートまで対応する必要がある。従って、連結部材401にはフィードバック制御に対する高い周波数特性、すなわち、高い応答性が要求されるので、振動子201と振動子ホルダ202の間から、駆動方向(図示の矢印Qの方向)のガタ要素や弾性変形要素を除去する必要がある。そこで、振動子201と振動子ホルダ202を連結する連結部材401は、少なくとも駆動方向(図示の矢印Qの方向)に高い剛性を確保できる板金部材が用いられ、又、結合方法には溶接やビス締結等が用いられる。
更に、連結部材401は以下の2つの理由から厚さが0.1mm程度の薄い板材が用いられる。なお、図面は板厚方向等の寸法を誇張して描かれている。
第一に連結部材401の剛性が高過ぎると振動子201の超音波振動が阻害され、振動方向(図示の矢印Rの方向)の振幅が小さくなり、駆動力が低下してしまう。結合部202aから固定部201aに至る連結部材401の曲げ剛性を十分に弱くし、振動子の振動を阻害しないことによって、超音波モータに高い駆動力を発揮させることができる。
第二にスライダー204の部品寸法ばらつきと組立寸法ばらつきの範囲内で振動子201がスライダー204へ追従する必要があるからである。スライダー204及びスライダー204を固定する部品は高精度に加工されるものの、部品寸法ばらつきと組立寸法ばらつきを考慮すると振動方向(図示の矢印Rの方向)に0.3mm程度、又は、それ以上のばらつきを許容する必要がある。連結部材401の板厚を0.1mm程度に設定し、振動子の振動方向(図示の矢印Rの方向)に必要な柔軟性を確保することによって、スライダー204の寸法ばらつきに追従することができる。
以上のような連結部材については特許文献2に開示されている。
特開2001−292584号公報 特開2012−16107号公報 特開平5−161370号公報 特開2012−29525号公報
超音波モータを有するリニア駆動ユニットでは、振動子と振動子ホルダを連結する連結部材に対し、駆動方向には高い剛性、振動方向には柔軟性が要求される。この結果、要求を満たす連結部材として、駆動方向の寸法が数mmで振動方向の寸法(板厚)が0.1mm程度の薄いプレス部材が用いられる。しかし、平板形状の連結部材は、面外の曲げ方向、面内の曲げ方向、伸縮方向、及び、ねじれ方向に非常に多くの固有振動モードを持つ梁として考えられる。このように非常に多くの固有振動モードを持つ梁を駆動ユニット内に有すると、共振により不要振動を発生し異音、特にいわゆる鳴きと呼ばれる高周波音の原因となり、従来の超音波モータの課題となっていた。
この課題についての詳細や従来提案されている対策については特許文献3及び4に開示されている。ただし、特許文献3に記載の対策では超音波モータの駆動特性が犠牲になるおそれがあり、又、特許文献4に記載の対策では、電気回路が複雑化するので、これらの対策には改良の余地があった。
本発明の請求項1に記載の超音波モータは、高周波振動が励起される振動子と、振動子と接触し、高周波振動によって振動子が相対移動する摩擦部材と、振動子を間接的に保持し振動子と同期して移動する振動子ホルダとを有し、振動子を保持する保持部材と、保持部材に振動子が固定されている部分の移動軌跡に関して片側に1か所設けられ、保持部材と前記振動子ホルダとを連結する弾性連結部材と、振動子と摩擦部材が接触する面の法線方向及び振動子の移動方向に対して振動子を移動可能に案内し、かつ、法線方向と移動方向との双方に垂直な方向には振動子を移動不能に拘束するガイド部材とを備えたことを特徴としている。
又、請求項2に記載の超音波モータは、振動子が摩擦部材と接触する領域の移動方向における最も前方の点と振動子が摩擦部材と接触する領域の移動方向における最も後方の点との略中央となる点の振動子の移動方向の位置と、弾性部材が設けられている部分の振動子の移動方向の位置がほぼ等しいことを特徴としている。
又、本発明の請求項3に記載の超音波モータは、高周波振動が励起される振動子であって、摩擦部材の摩擦面に当接し、高周波振動により摩擦部材に対して移動する振動子と、振動子を保持する保持部材と、保持部材に連結され、保持部材を介して振動子を保持し振動子と同期して移動する振動子ホルダと、振動子、保持部材及び振動子ホルダを振動子の移動方向に案内するガイド装置とを備え、ガイド装置は、摩擦部材の長手方向に延在するガイド軸と、ガイド軸を摩擦面の法線方向に移動可能に案内するガイド部とを有し、振動子の移動方向の側方の一箇所において保持部材が連結部材により振動子ホルダに連結されていることを特徴としている。
又、請求項4に記載の超音波モータは、ガイド装置は、振動子の移動方向及び摩擦部材の摩擦面の法線方向の双方に直交する方向に振動子を移動不能に案内することを特徴としている。
又、請求項5に記載の超音波モータは、連結部材は、摩擦部材の摩擦面と振動子との、移動方向における対向する当接部位端部間に配置されていることを特徴としている。
又、請求項6に記載の超音波モータは、摩擦部材の摩擦面と振動子との、移動方向における対向する当接部位端部間の略中央に配置されていることを特徴としている。
又、請求項7に記載の超音波モータは、ガイド装置のガイド部は、長穴または溝により構成されていることを特徴としている。
又、請求項8に記載の超音波モータは、保持部材と振動子ホルダは、0.2mm以下の間隔で連結部材によって連結されていることを特徴としている。
上記の手段により、フィードバック制御に対する高い周波数特性、大きな駆動力、及び、スライダーへの追従性を確保したまま、駆動周波数の近傍から連結部材の固有振動モードの周波数を除去することが容易となり、低騒音かつ低振動で、駆動力の大きい超音波モータを提供することができる。
本発明の実施例1に係る超音波モータを説明のための図である。 本発明の効果を説明するための図である。 本発明の実施例2に係る超音波モータを説明するための図である。 本発明の実施例3に係る超音波モータを説明するための図である。 本発明の実施例4に係る超音波モータを説明するための図である。 従来の超音波モータを有するリニア駆動ユニットを適用したレンズ鏡筒を説明するための図である。 従来の超音波モータの説明のための図である。
以下、発明を実施するための形態について説明する。
本発明による超音波モータを有するリニア駆動ユニットを利用したレンズ鏡筒の説明については、当該レンズ鏡筒の構造が図6(a)及び図6(b)に示された従来例のレンズ鏡筒の構造と同様であるため説明を省略し、本発明の特徴である超音波モータの振動子と振動子ホルダの連結構造について説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の超音波モータ100の振動子201と振動子ホルダ202の連結構造の説明のための図である。図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図であって、従来の超音波モータを示す図7(b)及び図7(c)に相当する図である。図1(a)においては、図の明確化のためスライダーは省略されている。
図1において、1は、2つの固定部201aと2つの突起201bとを有する振動子201を保持し支持する保持部材である。2つの突起201bは、不図示の枠体に取り付けられ、振動子201の移動方向である矢印Cの方向に延在するスライダー204(摩擦部材)の摩擦面204aに当接している。保持部材1は、スライダー204の摩擦面204aに平行で振動子201の移動方向に平行に延在する梁部としての1つの第1の梁部材と、スライダー204の摩擦面204aに平行で振動子201の移動方向に垂直に延在する他の梁部としての2つの第2の梁部材とから構成されている。第1の梁部材は、振動子201の移動方向に対して一方の側(図1において紙面の左側)に位置付けられている。第1の梁部材及び第2の梁部材は、振動板の周囲に位置されれば直線形状には限らない。従って、第1の梁部材と第2の梁部材とは角度を有して(本実施例においては直角)互いに接続している。保持部材1は、超音波モータ100の駆動周波数の近傍に固有振動モードの周波数が存在しない程度に十分な剛性を有する材質、及び、板厚で構成されており、第2の梁部材において振動子201の固定部201aと溶接により固定されている。また、第2の保持部材は2つとしたが、これに限らず1つでも良い。この場合、振動子は片持ちの状態となるが同等の結果を得ることができる。
振動子201の突起201bを有する面の裏面には不図示の圧電素子が取り付けられており、枠体に取り付けられた不図示のばねが、当該圧電素子を介して振動子201をスライダー204へ押圧している。不図示の高周波給電手段が印加する電圧により当該圧電素子が伸縮することによって、振動子201に高周波振動が励起される。それにより、2つの突起201bを有する振動板201がスライダー204に対し相対移動する。
2は保持部材1の第1の梁部材と振動子ホルダ202を連結する弾性連結部材である。弾性連結部材2は、振動子201が取り付けられた保持部材1の図示の矢印Dの方向の自由な弾性変形(揺動)が可能となるように、ばね用の薄板板金材又は例えばポリエステルフィルム等の樹脂性のシート材で形成されている。さらに弾性連結部材2は、保持部材1の第1の梁部材とは結合部1aで、振動子ホルダ202とは結合部202aで結合している。本実施例ではビスで締結された例を示したが適切な結合を得ることができれば、接着、溶接、溶着等のいかなる結合方法でもよい。又、弾性連結部材2は、図示の通り、保持部材1に振動子201が固定されている固定部201aの移動軌跡(図示の一点鎖線L)に関して片側(図1において紙面の左側)に一か所設けられている。すなわち、弾性連結部材2は、振動子201の移動方向に対して一方の側方(図1において紙面の左側)に位置付けられ、振動子201を間接的に保持して振動子201と同期して移動する。
3はガイド部材としてのガイド軸であって、振動子201の長手方向である移動方向(図示の矢印Cの方向)と平行に延在し、図示されていない枠体に固定されている。ガイド軸3は、保持部材1の一端を矢印Cの方向に貫通して摩擦面204aの法線方向に長軸を有する長穴1b(ガイド部)を通過している。そして、保持部材1は、図示の矢印Dの方向に回動自在であるが図示の矢印Eの方向には移動不能とされながら、図示の矢印Cの方向に直線的に案内される。また、本実施例においては、ガイド部を長穴としたが、これには限られない。例えば、矢印Cの方向に貫通して摩擦面204aの法線方向に延在する溝であってもよい。本実施例においては、ガイド軸とガイド部とからガイド装置が構成されている。
ここで、図7の従来例の連結部材401を単純に厚くして剛性を高めた場合について説明する。図2は、連結部材401の固有振動モードの周波数の分布を示しており、図2(a)に連結部材401の板厚が0.1mmの場合を、図2(b)に連結部材401の板厚が0.3mmの場合をそれぞれ示している。一般的に梁の全長を短く、又は、梁の断面の厚さを厚くして剛性を高くすれば梁の固有振動モードの数は減少する。このことは、図2(a)を見ると連結部材401の板厚が0.1mmの場合は固有振動モードの周波数の分布が密であり、図2(b)を見ると連結部材401の板厚が0.3mmの場合は固有振動モードの周波数の分布が図2(a)よりも疎であることからも確認できる。
例えば超音波モータの駆動周波数が92kHz前後とすると連結部材401の板厚が0.1mmの場合は図示の範囲Fにおいて、連結部材401が駆動周波数と共振する可能性が高い。この共振が、分数調波振動等により低周波領域に不要な振動を励起した場合には、振動や騒音の原因、又は、振動子201の振動を阻害し駆動力を低下させる原因ともなる。これに対して、連結部材401の板厚が0.3mmの場合は固有振動モードの周波数の分布が連結部材401の板厚が0.1mmの場合と比較して疎になり、駆動周波数である92kHzの近傍(図示の範囲G)から連結部材401の固有振動モードの周波数を除去できていることが解る。しかし、このように単純に連結部材の梁としての剛性を高くすると、振動方向の柔軟性が損なわれ、前述の通り、振動を阻害し駆動力が低下する、又は、スライダー204の寸法ばらつきが生じた時のスライダー204への追従性を損なう結果となる。
このように、駆動力やスライダーへの追従性を確保するために単純な平板状の連結部材を用いると、振動方向の柔軟性を維持しつつ駆動周波数の近傍から連結部材の固有振動モードの周波数を除去できず、連結部材の共振が誘発されてしまうことがある。その結果、振動や騒音、又は、駆動力の低下が生じる場合がある。すなわち、単純な平板状の連結部材では、振動や騒音の低減と、駆動力やスライダーへの追従性の両立が困難であるといえる。
そこで、本発明の実施例1においては、保持部材1は固有振動モードの周波数が存在しない程度に十分な剛性を有しており、かつ、弾性連結部材2の腕の長さ、すなわち、図示の保持部材1と振動子ホルダとの隙間B(図では隙間Bは誇張して描かれている。)は0.2mm程度又は0.2mm以下に設定されている。更に、弾性連結部材2は保持部材1が振動子201を保持する部分の移動軌跡に関して片側に1か所設けられている。このため、以下の2つの効果が得られる。
第一の効果として、弾性連結部材2の梁としての腕の長さ(保持部材1と振動子ホルダ202との間の間隔B)は0.2mm又は0.2mm以下であって、非常に短いので、引張変形、圧縮変形、及び、座屈変形はほとんど無視することができる。従って、弾性連結部材2とガイド軸3の作用によって、振動子1を全体として、図示の矢印Dの方向に回動自在に、かつ、図示の矢印Eの方向に移動不能に拘束しながら、図示の矢印Cの方向に直線的に移動可能に案内することができる。すなわち、振動子1は弾性連結部材2の周り矢印Dの方向に揺動自在であって、かつ、振動子201の移動方向(矢印Cの方向)とスライダー204の摩擦面204aの法線方向との双方に垂直な方向には移動不可に拘束されている。この結果、振動子1の振動を阻害せず、かつ振動方向(図示の矢印Dの方向)の柔軟性を損なわない状態が実現できる。
第二の効果として、弾性連結部材2の梁としての腕の長さ(保持部材1と振動子ホルダ202との間の間隔B)は0.2mm又は0.2mm以下であって、非常に短いので、弾性連結部材2の固有振動モードの数を減少させることができる。従って、駆動周波数の近傍から連結部材の固有振動モードの周波数を除去することが容易となる。その結果、分数調波振動等により低周波領域に不要な振動を励起することなく、振動や騒音が発生しない状態が実現できる。
この2つの効果により、スライダー204への追従性を確保したまま、駆動周波数の近傍から連結部材の固有振動モードの周波数を除去することが容易となり、低騒音かつ低振動で、駆動力の大きい超音波モータを提供することができる。
(実施例2)
実施例1の超音波モータ100において、弾性連結部材2による保持部材1及び振動子ホルダ202の結合方法は別の態様も考えられる。
図3はその一例であって、本発明の実施例2である超音波モータ200の振動子201と振動子ホルダ202の連結構造の説明のための図である。図3(a)は平面図、図3(b)はH−H断面図であって、従来の超音波モータを示す図7(b)及び図7(c)に相当する図である。図3(a)においては、図の明確化のためスライダーは省略されている。
超音波モータ100と比較し、超音波モータ200は弾性連結部材12が保持部材1と振動子ホルダ202に対してインサート成型等で埋め込まれている例である。このような構成としても、前述の第一と第二の効果が得られるので、スライダー204への追従性を確保したまま、駆動周波数の近傍から連結部材の固有振動モードの周波数を除去することが容易となり、低騒音かつ低振動で、駆動力の大きい超音波モータを提供することができる。
(実施例3)
図4は本発明の実施例3である超音波モータ300の振動子201と振動子ホルダ202の連結構造の説明のための図である。図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のI−I断面図であって、従来の超音波モータを示す図7(b)及び図7(c)に相当する図である。図4(a)においては、図の明確化のためスライダーは省略されている。
図4において、実施例1及び実施例2と異なる構成は、アーム部材21aが保持部材21に設けられていることである。アーム部材21aは、ガイド軸23が矢印Cの方向に貫通するための長孔21bを有し、ガイド軸23及び長孔21bの配置位置も実施例1及び実施例2と異なる。アーム部材21aは、振動子ホルダ202と接触せずに、振動子201の移動方向と直交する方向に延出している。長穴21bの構造は実施例1の長穴1bの構造と同様である。ガイド軸23の位置は、ガイド軸3とは異なり、弾性連結部材12が存在する側であるものの、保持部材21を図示の矢印Dの方向に回動自在に、かつ、図示の矢印Eの方向に移動不能に拘束しながら、図示の矢印Cの方向に直線的に案内することができる。このような構成としても、前述の第一と第二の効果が得られるので、スライダー204への追従性を確保したまま、駆動周波数の近傍から連結部材21の固有振動モードの周波数を除去することが容易となり、低騒音かつ低振動で、駆動力の大きい超音波モータを提供することができる。なお、本実施例においては、実施例2の弾性連結部材12と同じ構造を有しインサート成型された弾性連結部材22を適用しているが、実施例1の弾性連結部材2と同じ構造のものを適用してもよい。また、ガイド軸23を実施例1を同様な配置とした場合においても、アーム部材21aは、図4(a)とは反対の方向に向って延出させることで同様の効果が得られる。
(実施例4)
図5は本発明の実施例4である超音波モータ400の振動子201と振動子ホルダ202の連結構造の説明のための図である。図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)のJ−J断面図であって、従来の超音波モータを示す図7(b)及び図7(c)に相当する図である。図5(a)においては、図の明確化のためスライダーは省略されている。
図5において、実施例1と異なる構成は、弾性連結部材32の位置が振動板201の移動方向である矢印Cの方向に対して中央からずれた位置に配置されている点である。
前述の通りスライダー204の部品寸法ばらつきと組立寸法ばらつきの範囲内で振動子201がスライダー204へ追従する必要があるため、振動子201の振動方向(図示の矢印Dの方向)に必要な柔軟性を確保するために、図1及び図5ではそれぞれ、弾性連結部材2及び弾性連結部材32が設けられている。図1に示した実施例1においては、振動子201の突起201bが摩擦部材としてのスライダー204と当接する領域の移動方向について対向して最も離間する前方の位置P1の点と最も後方の位置P2の二点(当接部位端部間)の略中央となる位置P3の前記振動子201の移動方向の位置と、弾性連結部材2が設けられている部分の振動子201の移動方向の位置P4がほぼ等しい。すなわち、位置P3から振動子201の移動方向に垂直でありスライダー204の摩擦面204aに平行な直線上に弾性連結部材2が存在する。振動子201のスライダー204への追従性を考慮すると、図1のような弾性連結部材2の構成が最も適切であるといえる。
しかし、図5の超音波モータ400の弾性連結部材32のように、超音波モータ100の構成に対し位置P3と位置P4がずれた位置であっても、スライダー204への追従性が確保される範囲であって、振動子201の振動を阻害しない範囲ならば、自由な位置に設けることができる。このような構成としても、前述の第一と第二の効果が得られるので、スライダー204への追従性を確保したまま、駆動周波数の近傍から連結部材の固有振動モードの周波数を除去することが容易となり、低騒音かつ低振動で、駆動力の大きい超音波モータを提供することができる。なお、本実施例においては、実施例1の弾性連結部材1と同じ構造を有する弾性連結部材32を適用しているが、実施例2の弾性連結部材12と同じ構造を有しインサート成型されたものを適用してもよい。
本発明は、小型軽量かつ高速駆動が求められるレンズ鏡筒、特に振動、騒音を嫌う動画対応レンズ鏡筒等に利用可能である。
1 保持部材
1b 長穴
2 弾性連結部材
3 ガイド軸
21a アーム部材
21b 長穴
201 振動子
201a 固定部
202 振動子ホルダ
204 スライダー
204a 摩擦面

Claims (8)

  1. 高周波振動が励起される振動子と、
    前記振動子と接触し、前記高周波振動によって前記振動子が相対移動する摩擦部材と、
    前記振動子を間接的に保持し前記振動子と同期して移動する振動子ホルダと、
    を有し
    前記振動子を保持する保持部材と、
    前記保持部材に前記振動子が固定されている部分の移動軌跡に関して片側に一か所設けられ、前記保持部材と前記振動子ホルダとを連結する弾性連結部材と、
    前記振動子と前記摩擦部材が接触する面の法線方向及び振動子の移動方向に対して前記振動子を移動可能に案内し、かつ、前記法線方向と前記移動方向との双方に垂直な方向には前記振動子を移動不能に拘束するガイド部材と、
    を備えたことを特徴とする超音波モータ。
  2. 前記振動子が前記摩擦部材と接触する領域の前記移動方向における最も前方の点と前記振動子が前記摩擦部材と接触する領域の前記移動方向における最も後方の点との略中央となる点の前記振動子の前記移動方向の位置と、
    前記弾性連結部材が設けられている部分の前記振動子の前記移動方向の位置がほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  3. 高周波振動が励起される振動子であって、摩擦部材の摩擦面に当接し、前記高周波振動により前記摩擦部材に対して移動する振動子と、
    前記振動子を保持する保持部材と、
    前記保持部材に連結され、前記保持部材を介して前記振動子を保持し前記振動子と同期して移動する振動子ホルダと、
    前記振動子、前記保持部材及び前記振動子ホルダを前記振動子の移動方向に案内するガイド装置と、
    を備え、
    前記ガイド装置は、前記摩擦部材の長手方向に延在するガイド軸と、前記ガイド軸を前記摩擦面の法線方向に移動可能に案内するガイド部とを有し、
    前記振動子の前記移動方向の側方の一か所において前記保持部材が連結部材により前記振動子ホルダに連結されていることを特徴とする超音波モータ。
  4. 前記ガイド装置は、前記振動子の前記移動方向及び前記摩擦部材の前記摩擦面の法線方向の双方に直交する方向に前記振動子を移動不能に案内することを特徴とする請求項3に記載の超音波モータ。
  5. 前記連結部材は、前記摩擦部材の前記摩擦面と前記振動子との、前記移動方向における対向する当接部位端部間に配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の超音波モータ。
  6. 前記連結部材は、前記摩擦部材の前記摩擦面と前記振動子との、前記移動方向における対向する当接部位端部間の略中央に配置されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の超音波モータ。
  7. 前記ガイド装置のガイド部は、長穴または溝により構成されていることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の超音波モータ。
  8. 前記保持部材と前記振動子ホルダは、0.2mm以下の間隔で前記連結部材によって連結されていることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の超音波モータ。
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