JP7051459B2 - 振動波モータ及び光学機器 - Google Patents
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(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る振動波モータである超音波モータを模式的に示す分解斜視図である。また、図2は、第1の実施形態に係る超音波モータの駆動方向Aに沿う断面図である。
1は振動子であり、長板状の振動体2と、振動体2に接合される圧電素子3とを備えて構成される。4はスライダーとも呼ばれる長板状の摩擦部材であり、振動子1と接触する摩擦接触面4a、及びその反対側の面である裏面4bを有する。振動子1と摩擦部材4とは、詳細は後述するが、振動子1の圧電効果による超音波振動を直動に変換することで、長手方向を駆動方向Aとして相対移動可能となっている。
図3は、振動子1を保持部材5で保持した状態を示す斜視図であり、摩擦部材4に接触させる側から見た図である。また、図4は、振動子1を示す斜視図であり、圧電素子3を接合する側から見た図である。
図4に示すように、振動体2の一方の面に、圧電素子3が接着等により接合される。圧電素子3は、複数の圧電素子膜を積層して一体化したものである。
また、図3に示すように、振動体2の他方の面には、その長手方向に並べた2個の接触部1aが設けられており、これら接触部1aを摩擦部材4の摩擦接触面4aに接触させる。
図5に示すように、ガイド部材9は、底面9aと、対向する一対の壁部9b、9cとを備える。底面9aには、駆動方向Aに延びる長穴状のガイド溝9dが3箇所に形成されている。これらガイド溝9dの上側の開口付近には、V字状の斜面が形成される。
また、ベース部材12には、図7に示すように、ガイド部材9のガイド溝9dに対応させて、V字状の溝部12aと、平面状のガイド部12bとが設けられる。
ボール14は、ガイド溝9dに対応して3個設けられる。ボール14は、引張りばね11の付勢力により、ガイド部材9のガイド溝9dと、ベース部材12の溝部12a及びガイド部12bとの間で転動自在に狭持される。これにより、ガイド部材9とベース部材12とが、すなわち振動子1を含むユニットと摩擦部材4及びベース部材12とが、駆動方向Aにガイドされて相対移動可能となっている。
第2の実施形態は、摩擦部材4の締結穴4cの形状を変更した例である。なお、超音波モータの基本構成は第1の実施形態で述べたとおりであり、以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同様の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図9は、第2の実施形態に係る超音波モータの駆動方向Aに沿う断面図であり、振動子1と摩擦部材4とが最大量だけ相対移動した状態を示す。
第1の実施形態では、締結穴4cは裏面4bに開口し、摩擦接触面4aまで貫通する形状としたが、第2の実施形態では、締結穴4cは裏面4bに開口し、摩擦接触面4aまで貫通しない形状にする。
本実施形態において、締結穴4cは、摩擦部材4の長手方向の3箇所、より詳細には摩擦部材4の長手方向の両端部に加えて、その中間位置にも設けられている。摩擦部材4には、振動子1に発生する超音波振動との共振により、音が発生することがある。これを避けるために、摩擦部材4の厚み、幅、長さ、材質によって決まる共振周波数を、振動子1に発生する超音波振動の周波数と異ならせる必要がある。締結穴4cの位置の自由度を高めることにより、締結穴4cを増やして摩擦部材4に振動の節を配設することが可能となり、形状の自由度が増し、音の発生等を防ぐことができる。
第3の実施形態は、雄ねじ13を駆動端部材として機能させるようにした例である。なお、超音波モータの基本構成は第1の実施形態で述べたとおりであり、以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同様の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図10は、第3の実施形態に係る超音波モータの駆動方向Aに沿う断面図であり、振動子1と摩擦部材4とが最大量だけ相対移動した状態を示す。
第3の実施形態では、締結穴4cに挿入された雄ねじ13の先端部が摩擦接触面4aから突出するようにして、雄ねじ13を駆動端部材として利用する。すなわち、振動子1の接触部1aが雄ねじ13の先端部に当接することにより、それ以上の振動子1と摩擦部材4との相対移動が規制される。これにより、第1、2の実施形態のように駆動端部材15を別途設ける必要がなくなり、それだけ小型化が可能になる。
第4の実施形態は、摩擦部材4とベース部材12との締結構造を変更した例である。なお、超音波モータの基本構成は第1の実施形態で述べたとおりであり、以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同様の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図11は、第4の実施形態に係る振動波モータである超音波モータを模式的に示す分解斜視図である。また、図12、図13は、第4の実施形態に係る超音波モータの駆動方向Aに沿う断面図である。
第1乃至第3の実施形態では、雄ねじ13の頭部13aがベース部材12の裏面12c側に位置する構成としたが、第4の実施形態では、雄ねじ13の挿入方向を変えて、雄ねじ13の頭部13aが摩擦部材4の摩擦接触面4a側に位置する構成とする。
図14は、本発明を適用した超音波モータを搭載した光学機器の例であるレンズ鏡筒を示す断面図である。本実施形態では、カメラ本体101に対して交換可能な交換レンズユニット102がレンズ鏡筒を構成し、超音波モータ100がフォーカスレンズの駆動源として機能する例を説明する。なお、交換レンズユニット(レンズ鏡筒)102は略回転対称形であるため、上半分だけを図示する。
カメラ本体101には交換レンズユニット102が着脱自在に取り付けられる。カメラ本体101内には撮像素子103が設けられており、交換レンズユニット102を介して被写体像が撮像素子103に結像する。
保持枠110はフォーカスレンズ111を保持し、前鏡筒107と後鏡筒109とに保持されたガイドバー112によって直進移動可能になっている。
より詳細には、超音波モータ100の地板113にはフランジ部が形成されており、後鏡筒109にビス等により固定されている。超音波モータ100の駆動部114が駆動すると、その駆動力は、駆動力伝達部115を介して保持枠110に伝達される。保持枠110はガイドバー112に沿って直線移動し、被駆動部材であるフォーカスレンズ111を前後に移動させる。
なお、図14に例示する超音波モータ100は、上記実施形態で述べたものと細部において必ずしも一致しないが、超音波モータとしての基本構成や基本動作は変わるものではなく、保持枠110、駆動部114及び駆動力伝達部115が実施形態でいう振動子1を含むユニットに相当する構成といえ、地板113が実施形態でいう摩擦部材4及びベース部材12に相当する構成といえる。
例えば図1に示した超音波モータの構成は一例であり、例えば振動子1を含むユニットの構成要素の数や形状等はこれに限定されるものではない。
また、光学機器としてレンズ鏡筒となる交換レンズユニットを説明したが、これに限定されるものではなく、振動波モータにより駆動される被駆動部材を備えるものであればよい。
Claims (22)
- 振動子と、
前記振動子と接触する摩擦接触面、及びその反対側の面である裏面を有する摩擦部材と、
前記摩擦部材を支持する支持部材とを備え、
前記振動子に発生する振動により、前記振動子と前記摩擦部材とが駆動方向に相対移動する振動波モータであって、
前記振動子は、前記摩擦部材の前記摩擦接触面に接触する接触部を備え、
前記摩擦部材は、該摩擦部材を前記支持部材に固定するための締結部材を挿入する締結穴を備え、
前記締結穴は、前記接触部に接触する領域と前記駆動方向にて並ぶ位置であって、前記振動子と前記摩擦部材とが最大量だけ相対移動した状態で、前記振動子の前記接触部と前記振動子の前記駆動方向における最外部との間に位置するように配置され、
前記締結部材は、前記摩擦部材の前記裏面側から前記締結穴に挿入されることを特徴とする振動波モータ。 - 前記締結穴は、前記摩擦部材の前記裏面に開口し、前記摩擦接触面まで貫通することを特徴とする請求項1に記載の振動波モータ。
- 前記締結穴に挿入された前記締結部材が前記摩擦接触面から突出するようにして、前記締結部材が前記振動子と前記摩擦部材との相対移動の可動範囲を定める駆動端部材として機能することを特徴とする請求項1又は2に記載の振動波モータ。
- 前記締結穴は、前記摩擦部材の前記裏面に開口し、前記摩擦接触面まで貫通しないことを特徴とする請求項1に記載の振動波モータ。
- 前記支持部材は、前記摩擦部材の前記裏面を支持することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動波モータ。
- 前記締結部材は雄ねじであり、その頭部が前記摩擦部材の前記裏面側に位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の振動波モータ。
- 前記振動子の長手方向の両端部には、該振動子を支持するための一対の腕部が設けられ、
前記接触部は、前記一対の腕部の間に配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動波モータ。 - 振動子と、
前記振動子と接触する摩擦接触面、及びその反対側の面である裏面を有する摩擦部材と、
前記摩擦部材を支持する支持部材とを備え、
前記振動子に発生する振動により、前記振動子と前記摩擦部材とが駆動方向に相対移動する振動波モータであって、
前記支持部材は、前記摩擦部材の前記裏面を支持し、
前記摩擦部材は、該摩擦部材を前記支持部材に固定するための雄ねじを挿入する締結穴を備え、
前記雄ねじは、前記支持部材の裏面側から前記支持部材を挿通し、前記摩擦部材の前記裏面側から前記締結穴に挿入されて、その頭部が前記支持部材の前記裏面側に位置することを特徴とする振動波モータ。 - 振動子と、
前記振動子と接触する摩擦接触面、及びその反対側の面である裏面を有する摩擦部材と、
前記摩擦部材を支持する支持部材とを備え、
前記振動子に発生する振動により、前記振動子と前記摩擦部材とが駆動方向に相対移動する振動波モータであって、
前記振動子は、前記摩擦部材の前記摩擦接触面に接触する接触部を備え、
前記摩擦部材は、該摩擦部材を前記支持部材に固定するための締結部材を挿通する挿通穴を備え、
前記締結部材は雄ねじであり、その頭部が前記摩擦部材の前記摩擦接触面側に位置し、
前記挿通穴は、前記接触部に接触する領域と前記駆動方向にて並ぶ位置に配置され、前記挿通穴及び前記雄ねじの前記頭部は、前記振動子と前記摩擦部材とが最大量だけ相対移動した状態で、前記振動子の前記接触部と前記振動子の前記駆動方向における最外部との間に位置するように配置されることを特徴とする振動波モータ。 - 前記摩擦部材は、前記摩擦接触面及び前記裏面とは異なる平面部を有し、前記平面部に前記挿通穴が形成され、前記平面部において前記雄ねじの前記頭部と当接することを特徴とする請求項9に記載の振動波モータ。
- 前記平面部は、前記摩擦接触面と前記裏面との間に配置されることを特徴とする請求項9又は10に記載の振動波モータ。
- 前記支持部材は、前記摩擦部材の前記裏面を支持することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の振動波モータ。
- 圧電素子と振動体で構成される振動子と、
前記振動子と接触する第1の面、及び前記第1の面の反対側の面である第2の面を有する摩擦部材と、を備え、
前記振動子に発生する振動により、前記振動子と前記摩擦部材とが駆動方向に相対移動する振動波モータであって、
前記摩擦部材を前記第2の面側で支持する支持部材と、
前記振動子と前記摩擦部材とを加圧接触させる加圧部材と、を備え、
前記摩擦部材は、前記摩擦部材を前記支持部材に固定するための固定部が設けられていて、
前記振動子は、前記加圧部材による加圧方向において前記振動子の少なくとも一部と固定部とが重なる位置に移動可能であることを特徴とする振動波モータ。 - 前記摩擦部材と前記支持部材とを固定する締結部材を備え、
前記摩擦部材の固定部は穴形状であって、
前記締結部材は、前記固定部に挿入されて前記摩擦部材と前記支持部材とを固定することを特徴とする請求項13に記載の振動波モータ。 - 前記締結部材は、前記第2の面側から前記固定部に挿入されて前記摩擦部材と前記支持部材とを固定することを特徴とする請求項14に記載の振動波モータ。
- 前記締結部材は、前記第1の面側から前記固定部に挿入されて前記摩擦部材と前記支持部材とを固定することを特徴とする請求項14に記載の振動波モータ。
- 前記摩擦部材は、前記固定部が設けられている位置の周囲の前記加圧方向の長さが前記振動子と接触する位置の前記加圧方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項16に記載の振動波モータ。
- 前記振動子は、前記加圧方向に突出した突出部により前記摩擦部材と接触し、
前記加圧方向において、前記締結部材の前記第1の面から前記振動子側へ突出する長さは、前記突出部の長さより短いことを特徴とする請求項16に記載の振動波モータ。 - 前記振動子を保持する保持部材を備え、
前記振動子は、前記保持部材によって保持される一対の腕部を有していて、
前記振動子は、前記加圧方向において前記一対の腕部と前記固定部とが重なる位置に移動可能であることを特徴とする請求項13乃至18のいずれか1項に記載の振動波モータ。 - 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の振動波モータと、
前記振動波モータにより駆動される被駆動部材とを備えたことを特徴とする光学機器。 - 前記光学機器はレンズを備え、
前記振動波モータによりレンズの位置を移動させることを特徴とする請求項20に記載の光学機器。 - 前記光学機器は、カメラに着脱自在に取り付けられる交換レンズユニットであることを特徴とする請求項21に記載の光学機器。
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