JP2015166398A - コンタクトレンズ装着点眼液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)セルロース系高分子化合物、ビニル系高分子化合物及びデキストランからなる群より選択される1種以上と、(B)コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロンアミノカプロン酸、及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上とを含有する、コンタクトレンズ装着点眼液であって、同一の組成でコンタクトレンズ装着液及びコンタクトレンズ装用中の点眼液の両方の用途に用いられる、コンタクトレンズ装着点眼液。
【選択図】なし
Description
目の疲れを引き起こす原因として、読書、注視作業、観察作業などの目の酷使や精神的緊張によるものが挙げられるが、近年では、パーソナルコンピューターの普及に伴い急激に増加してきたVDT(Visual Display Terminal)作業による目の疲れが非常に多くなっている。目の疲れを訴える患者は、一般に、目の奥の痛み、眼のかすみ、目の乾き、肩こり、頭重などの症状も併発しており、目の疲れが甚だしい時には、悪心、吐気を伴う場合がある。これらの症状は毛様体筋が長時間の注視作業などにより過度の緊張状態に陥り、目の調節機能が低下することが要因となって起こると指摘されている。
しかし、前述のような成分は、成分の種類によってはコンタクトレンズに吸着したり、コンタクトレンズのサイズやベースカーブ等の規格や、形状に影響を及ぼす恐れがあり、コンタクトレンズ装用者にとっては必ずしも安全でないばかりか、疲れ目改善効果が十分でない、等の問題点があった。
具体的には、本発明者らは、(A)セルロース系高分子化合物、ビニル系高分子化合物及びデキストランからなる群より選択される1種以上を必須成分として含有するコンタクトレンズ装着液が、上記の課題を解決し、優れた疲れ目改善効果及び/又はかすみ目改善効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)(A)セルロース系高分子化合物、ビニル系高分子化合物及びデキストランからなる群より選択される1種以上を含有する、疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(2)(A)成分を0.0001〜25(w/v)%の割合で含有する、(1)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(3)さらに、(B)アミノ酸類を含有する、(1)又は(2)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(4)(B)成分が、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロンアミノカプロン酸、及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上である、(3)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(5)(B)成分を0.0001〜10(w/v)%の割合で含有する、(3)又は(4)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(6)さらに、(C)テルペノイドを含有する、(1)乃至(5)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(7)テルペノイドが、メントールである、(6)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(8)(C)成分を0.0001〜0.1(w/v)%の割合で含有する、(6)又は(7)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(9)さらに(D)成分として非イオン性界面活性剤を含有する、(1)〜(8)のいずれかに記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(10)(D)成分が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体からなる群より選択される1種以上である、(9)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(11)(D)成分が、ポリソルベート80である、(9)又は(10)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(12)(D)成分を0.001〜5(w/v)%の割合で含有する、(9)〜(11)のいずれかに記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(13)コンタクトレンズが、ソフトコンタクトレンズである、(1)〜(12)のいずれかに記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(14)ソフトコンタクトレンズが、原則としてソフトコンタクトレンズ分類グループIVのソフトコンタクトレンズである、(13)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(15)ソフトコンタクトレンズが、シリコーンハイドロゲル素材のソフトコンタクトレンズである、(13)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液。
(16)(A)セルロース系高分子化合物、ビニル系高分子化合物及びデキストランからなる群より選択される1種以上を含有する、疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(17)(A)成分を0.0001〜25(w/v)%の割合で含有する、(16)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(18)さらに、(B)アミノ酸類を含有する、(16)又は(17)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(19)(B)成分が、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロンアミノカプロン酸、及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上である、(18)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(20)(B)成分を0.0001〜10(w/v)%の割合で含有する、(18)又は(19)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(21)さらに、(C)テルペノイドを含有する、(16)乃至(20)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(22)テルペノイドが、メントールである、(21)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(23)(C)成分を0.0001〜0.1(w/v)%の割合で含有する、(21)又は(22)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(24)さらに(D)成分として非イオン性界面活性剤を含有する、(16)〜(23)のいずれかに記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(25)(D)成分が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体からなる群より選択される1種以上である、(24)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(26)(D)成分が、ポリソルベート80である、(24)又は(25)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(27)(D)成分を0.001〜5(w/v)%の割合で含有する、(24)〜(26)のいずれかに記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(28)コンタクトレンズが、ソフトコンタクトレンズである、(16)〜(27)のいずれかに記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(29)ソフトコンタクトレンズが、原則としてソフトコンタクトレンズ分類グループIVのソフトコンタクトレンズである、(28)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
(30)ソフトコンタクトレンズが、シリコーンハイドロゲル素材のソフトコンタクトレンズである、(28)に記載の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着点眼液。
本明細書中、「装着」と言う表記は、コンタクトレンズを「目に着ける」行為(操作)を表し、「装用」と言う表記は、コンタクトレンズが「角膜上にある」状態を表す。また「コンタクトレンズ装用者」とは、コンタクトレンズを日常的(daily)に、もしくは機会に応じて(occasionaly)使用する人を表す。
本明細書中、「%」と言う表記は、特記しない限りw/v%、即ち溶液100mLに溶けている各成分(溶質)の重量gを意味するものである。
セルロース系高分子化合物としては、セルロースのヒドロキシル基を他の官能基で置き換えることで得られるセルロース系高分子化合物であって、水性組成物に粘性を付与することができ、コンタクトレンズに対して適用可能な化合物を用いることができる。セルロースのヒドロキシル基を置換する官能基としてはメトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシメトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、カルボキシメトキシ基、カルボキシエトキシ基等がある。セルロース系高分子化合物を例示すると、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースまたはこれらの塩などを挙げることができる。ここで、塩としては薬理学的に許容される塩が好ましく、中でもアルカリ金属塩がさらに好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩などが特に好ましい。本発明に用いるセルロース系高分子化合物は、置換基の置換度や分子量に制限はないが、例えば、重量平均分子量0.5万〜100万、好ましくは1万〜50万、さらに好ましくは1万〜10万程度のものを使用することができる。また、これらのセルロース系高分子化合物は、市販のものを用いることができ、これらの化合物の1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。なかでも、本発明の効果をより一層高める観点から、好ましくは、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である。より好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、特に好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースである。
本発明における疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液中の(A)成分の含有量は、該コンタクトレンズ装着液の総量に対し、これらが総量で通常0.0001〜25%、好ましくは0.001〜10%、より好ましくは0.005〜10%、さらに好ましくは0.01〜7%、特に好ましくは0.01〜5%である。
本発明に用いるアミノ酸類とは、アミノ酸又はその塩、及びアミノ酸類似体を包含し、分子内にアミノ基とカルボキシル基又はスルホン基を有する化合物又はその誘導体を意味する。具体的にはアミノ酸又はその塩、ムコ多糖又はその誘導体又はそれらの塩が例示される。
本発明の疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液に用いられるテルペノイドとしては、メントール(l−メントール、dl−メントールなど)、メントン、カンフル(d−カンフル、dl−カンフルなど)、ボルネオール(d−ボルネオール、dl−ボルネオールなど)、ゲラニオール、シネオール、シトラール、リナロール、アネトール、リモネン、オイゲノール等が挙げられる。これらはd体、l体またはdl体のいずれでもよいが、本発明の効果をより一層高める観点から、l−メントール、d−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオール、dl−ボルネオール、ゲラニオールを用いることが好ましい。中でもl−メントール、d−カンフル、dl−カンフル、ゲラニオールが好ましく、さらに好ましくはl−メントールである。また、前記テルペノイドは、精油に含有した状態で使用することもでき、好ましい精油は、ハッカ油、ペパーミント油、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油等である。これらのテルペノイドは、1種または2種以上を組み合わせて使用することもできる。
尚、(C)成分としてテルペノイドを含む精油を使用する場合は、当該精油の配合割合は、配合される精油中のテルペノイド含有量が上記割合を満たすように設定される。
本発明に用いる非イオン性界面活性剤としては、通常当業者がコンタクトレンズ用眼科組成物に利用しうるものを用いることができ、例えばポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188などのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(以下、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体とも言う。);ポロキサミンなどのエチレンジアミンのPOE−POPブロックコポリマー付加物;モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20),モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80),POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60),POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65)などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE硬化ヒマシ油5,POE硬化ヒマシ油10,POE硬化ヒマシ油20,POE硬化ヒマシ油40,POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60,POE硬化ヒマシ油100などのPOE硬化ヒマシ油類;POE(9)ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類などが挙げられる。なお、POEはポリオキシエチレンを示し、POPはポリオキシプロピレンを示し、括弧内の数字は付加モル数を示す。
なかでも好ましくは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、POEソルビタン脂肪酸エステル類又はPOE硬化ヒマシ油類であり、中でも特に好ましくは、ポロクサマー407、ポリソルベート80、POE硬化ヒマシ油60である。
本発明における疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液中の無機塩類の含有量は、無機塩類の種類などによって異なるので一概に規定できないが、疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液の総量に対し、これらが総量で、通常0.001〜5%、好ましくは0.01〜1.5%、より好ましくは0.1〜0.7%で用いられる。
本発明における疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液中のエチレンジアミン酢酸誘導体またはその塩、非イオン性界面活性剤、無機塩類、緩衝剤の含有量は、該コンタクトレンズ装着液の総量に対し、これらが総量で、0.01〜5%が好ましく、特に好ましくは0.05〜3%である。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリンなど。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。
界面活性剤:例えば、上記した非イオン性界面活性剤以外にも、アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型両性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン界面活性剤など。)など。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコールなど。
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピンなど。
抗ヒスタミン薬成分:例えば、塩酸ジフェンヒドラミンなど。
尚、各実施例及び比較例の粘度は、E型粘度計の1種であるTVE−20L形粘度計コーンプレートタイプ(トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本))を用い、適当な測定条件下、特開2006−348055に記載の粘度測定方法に従って行うことができる。好ましい測定条件は以下の通りである。
使用ローター:標準ローター(1°34′、R=2.4Dm)
回転数:100rpm(尚、粘度により回転数の許容範囲が異なる為、各処方に応じて測定可能な回転数のうち、最も高い回転数で測定する。)
試料量:1ml
測定温度:20℃
時間:3分後の粘度を測定値とする。
また、実施例中では、本発明の「疲れ目改善用及び/又はかすみ目改善用コンタクトレンズ装着液」を、単に「コンタクトレンズ装着液」と略称する。
次いで、コンタクトレンズを装用した状態でフリッカー値(投与前フリッカー値)を測定した。
次いで、一旦両眼のコンタクトレンズを外し、実施例1のコンタクトレンズ装着液を直接コンタクトレンズの凹面(内側、角膜と接触する面)に片方のレンズにつき1滴ずつ滴下し、再びコンタクトレンズを両眼に装着し、再度、フリッカー値(投与後フリッカー値)を測定した。
次に十分な時間を置き、実施例1と同様の手順で実施例2−1、2−2及び比較例1についても投与後フリッカー値を測定した。
なお、被験者が装用しているコンタクトレンズは、(1)ボシュロム社製ソフトコンタクトレンズ分類グループI、(2)ジョンソン&ジョンソン社製ソフトコンタクトレンズ分類グループIV、(3)チバビジョン社製素材:LotrafilconA(シリコーンハイドロゲル素材)ソフトコンタクトレンズ分類グループIであった。
本試験おいて、フリッカー値は、下記の装置及び条件で測定した。
装置名:労研デジタルフリッカー値測定器RDF−1(柴田科学株式会社製)
照度:測定者の見易い照度に設定
距離:測定者の見易い位置(「K」の文字が最も明確に見える位置)に設定
SCANつまみ(下降させる初期フリッカー周波数):60Hz
MANU−AUTO:AUTOに設定
測定されたフリッカー値より、下記の数1の式により疲れ目改善率(フリッカー値の改善率)を求めた。
表1に示す実施例2−1の組成のコンタクトレンズ装着液の疲れ目改善効果を、以下の方法で評価した。
具体的には、コンタクトレンズを週5日以上装用しており、疲れ目を感じ易い4名の被験者に対して、コンタクトレンズを8時間以上終日装用させ、その後コンタクトレンズを装用した状態のフリッカー値(投与前フリッカー値)を測定した。尚、被験者の使用しているコンタクトレンズは、(1)ボシュロム社製ソフトコンタクトレンズ分類グループI、(2)ジョンソン&ジョンソン社製ソフトコンタクトレンズ分類グループIV、(3)チバビジョン社製素材:LotrafilconA(シリコーンハイドロゲル素材)ソフトコンタクトレンズ分類グループIであった。次いで、実施例2−1のコンタクトレンズ装着液を用い、コンタクトレンズを装用した上から両眼に1滴ずつ点眼して、再度、フリッカー値(投与後フリッカー値)を測定した(試験1)。さらに試験1の30分後に、再度実施例2−1のコンタクトレンズ装着液を両眼に1滴ずつ点眼し、フリッカー値(投与後フリッカー値)を測定した(試験2)。
なお、測定機器及び測定条件は、実験例1と同様とした。
測定されたフリッカー値より、前述の数1の式によりフリッカー値改善率を求めた。
これに対し、試験1及び試験2においては、フリッカー値改善率は投与前と比較して殆ど増大していなかった。以上の結果から、本発明のコンタクトレンズ装着液は、同じ処方を点眼液としてのみで使用した場合と比較し、疲れ目改善効果、眼精疲労改善効果、或いは肉体的・精神的疲労の改善効果に顕著に優れており、疲れ目改善用コンタクトレンズ装着液として有用性が高いことが確認された。
表2に示す組成のコンタクトレンズ装着液のかすみ目改善効果を、以下の方法で評価した。
具体的には、コンタクトレンズを週5日以上装用しており、かすみ目を感じ易い4名の被験者に対して、コンタクトレンズを装用した状態でVDT作業(パソコン画面を見ながらの文字入力作業)を1時間実施して、被験者の目に負荷をかけた状態でのかすみ目度を測定した(投与前かすみ目度)。
次いで、一旦両眼のコンタクトレンズを外し、実施例1のコンタクトレンズ装着液を直接コンタクトレンズの凹面(内側、角膜と接触する面)に片方のレンズにつき1滴ずつ滴下し、再びコンタクトレンズを両眼に装着し、かすみ目度(投与後かすみ目度)を測定した。さらにその30分後に、再度実施例1の装着液を両眼に1滴ずつ点眼した後にかすみ目度(投与後かすみ目度)を測定した。
実施例1及び実施例2−1では、かすみ目改善度の顕著な増大が見られた。またいずれの実施例においても、装着のみを行った後よりも、装着後にさらに点眼を行った後の方がかすみ目改善度が優れていた。この結果は、実施例1もしくは2−1の組成物を用いてコンタクトレンズを装着した後、同一処方の組成物を点眼液として使用することによって、より一層高いかすみ目改善効果が奏される事を示している。尚、中でも(2)ジョンソン&ジョンソン社製ソフトコンタクトレンズ分類グループIV、(3)チバビジョン社製素材:LotrafilconA(シリコーンハイドロゲル素材)のコンタクトレンズ使用者において、かすみ目改善度の増大が顕著であった。
これに対し、比較例1の処方では、装着後、装着+点眼後のいずれの場合にも、かすみ目改善度の増大は殆ど認められなかった。以上の結果から、本発明のコンタクトレンズ装着液は、かすみ目に対して顕著な改善効果を有することが明らかである。また、この試験により、本発明のコンタクトレンズ装着液は、かすみ目改善用コンタクトレンズ装着液として有用性が高いことが確認された。またさらに、この試験により、本発明のコンタクトレンズ装着液は、視力増強効果、ピント調節能改善効果にも顕著に優れている事が判明した。
疲れ目に対する実効感の評価項目については、(1)頭がしゃきっとした、(2)眼の疲れがとれた、(3)体がかるくなった、という3つの項目について、表5の基準に従い7段階評価(−3〜+3)を行い、その総得点を疲れ目改善指数として算出した。また、かすみ目に対する実効感の評価項目については、(1)眼が潤った、(2)視界がすっきりした、(3)全体的に明るく見える、という3つの項目について、同じく7段階評価を行い、その総得点をかすみ目改善指数として算出した。さらに4名の疲れ目改善指数の和、又はかすみ目改善指数の和をそれぞれ算出した。
また、実施例2−1及び実施例2−3についても、同様に比較例1の試験液との比較を実施したところ、実施例2−2と同様に比較例1と比較してはるかに優れた疲れ目改善指数及びかすみ目改善指数を示すことが確認された。
この結果から、本発明のコンタクトレンズ装着液による疲れ目改善効果及びかすみ目改善効果が、実効感の上でも確認された。
表6〜表13に記載の処方で、本発明のコンタクトレンズ装着液(実施例3−46)を調製した。なお、表6〜表13中、各配合成分の単位はg/100mLである。これらの実施例はいずれも、実験例1〜4の試験において、上記実施例1、実施例2−1、実施例2−2、実施例2−3と同様の発明の効果を示した。
表14〜表17に記載の処方で、コンタクトレンズ用装着点眼液(処方例1−20)を調製した。なお、表14〜表17中、各配合成分の単位はg/100mLである。
1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース商品名:65SH−4000 信越化学工業株式会社
2)商品名: CF−V 住友精化株式会社
3)商品名: AGガムM 第一工業製薬株式会社
4)商品名: SM8000 信越化学工業株式会社
1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース商品名:65SH−4000 信越化学工業株式会社
2)商品名: CF−V 住友精化株式会社
3)商品名: AGガムM 第一工業製薬株式会社
4)商品名: SM8000 信越化学工業株式会社
Claims (10)
- (A)セルロース系高分子化合物、ビニル系高分子化合物及びデキストランからなる群より選択される1種以上と、
(B)コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロンアミノカプロン酸、及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上とを含有する、コンタクトレンズ装着点眼液であって、
同一の組成でコンタクトレンズ装着液及びコンタクトレンズ装用中の点眼液の両方の用途に用いられる、コンタクトレンズ装着点眼液。 - (A)成分を0.0001〜25(w/v)%の割合で含有する、請求項1に記載のコンタクトレンズ装着点眼液。
- コンドロイチン硫酸及びその塩を0.0001〜10(w/v)%の割合で含有する、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ装着点眼液。
- ヒアルロン酸及びその塩を0.0001〜10(w/v)%の割合で含有する、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ装着点眼液。
- アスパラギン酸及びその塩を0.0001〜10(w/v)%の割合で含有する、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ装着点眼液。
- アミノエチルスルホン酸及びその塩を0.0001〜10(w/v)%の割合で含有する、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ装着点眼液。
- イプシロンアミノカプロン酸及びその塩を0.0001〜10(w/v)%の割合で含有する、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ装着点眼液。
- さらに、(C)テルペノイドを含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ装着点眼液。
- (C)テルペノイドを0.0001〜0.1(w/v)%の割合で含有する、請求項8に記載のコンタクトレンズ装着点眼液。
- エチレンジアミン酢酸誘導体及びその塩、非イオン性界面活性剤、無機塩並びに緩衝剤からなる群より選択される1種以上を含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ装着点眼液。
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