JP2015165526A - シリコン基板 - Google Patents

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瑞穂 森田
健太郎 川合
Kentaro Kawai
健太郎 川合
純一 打越
Junichi Uchikoshi
純一 打越
足達 健二
Kenji Adachi
健二 足達
永井 隆文
Takafumi Nagai
隆文 永井
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Abstract

【課題】種々の反射防止機能を有する表面形状を有するシリコン基板を自在に且つ簡便に形成できる方法及びそれにより得られるシリコン基板を提供する。【解決手段】少なくとも片面に、以下の(A)〜(F):(A)上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、(B)上下方向に伸びる溝が形成された側面と、三角形状の痕が形成された側面とを有する、略逆ピラミッド形状の凹部、(C)三角形状の痕が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、(D)逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、(E)底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部、(F)平均直径が1〜10μmであり、且つ、大きさがランダムである逆ピラミッド形状の凹部の少なくとも1つが形成された、シリコン基板。【選択図】図1

Description

本発明は、表面が所望の形状にエッチングされたシリコン基板に関する。
太陽電池は、昨今の地球温暖化対策として最も重要な技術であり、現在開発に注力化されている。太陽電池の開発における効率向上策は非常に重要であるが、材料による効率向上には限界があるため、デバイス全体での効率向上策が検討されている。
効率の改善策としては、デバイス受光面での光吸収効率を向上させれば、効率向上に大きく寄与できることが知られている。このため、単結晶シリコン等のシリコン基板の表面テクスチャ構造の最適化による光の低反射率化及び光閉じ込め効果が注目されており、このテクスチャ構造の形成方法が精力的に検討されている。
このシリコン基板表面のテクスチャ構造について、変換効率への効果は、形状によって異なり、ハニカム形状>逆ピラミッド形状>ピラミッド形状>クレーター形状の順に優れていることが知られている。ハニカム形状のテクスチャ構造は、シリコン基板にプラズマCVDでマスクを形成し、レーザパターニングにより穴あけ加工を行う。その後、ふっ硝酸等を用いた等方性湿式エッチングにより、半球状の穴を最密配置でシリコン基板表面に形成したものであり、工程数が多く、高コストであり、実用化はされていない(非特許文献1)。逆ピラミッド形状のテクスチャ構造は、通常、結晶シリコン基板に対して、マスクを用いて、リソグラフィによる工程により形成されているため、工程数が多く、高コストとなり、汎用には使われていない(非特許文献2等)。また特許文献1には、LSI用シリコン基板に対して、N−F結合を有する有機化合物を用いたエッチングで大きさ20〜30nm程度の小さい逆ピラミッド構造の形成が報告されているが、反射率は改善の余地がある。
しかしながら、この方法以外に、実用的な逆ピラミッド形状の反射防止加工の方法は極めて少ない。また、現行プロセスは複雑であるため、より簡便に、種々の形状のテクスチャ構造を形成する方法が求められている。
国際公開第2013/024823号
J. Plasma Fusion Res. Vol.85, No.12 (2009) 829-832 M. A. Green et al, Very high efficiency silicon solar cells-science and technology IEEE TRANSACTION ON ELECTRON DEVICES, 46, pp.1940-1947 (1999)
しかしながら、実用的な逆ピラミッド形状の反射防止加工の方法は極めて少ない。また、現行プロセスは複雑であるため、より簡便に、太陽電池用の反射防止加工として有用な種々の形状のテクスチャ構造を形成する方法が求められている。そこで、本発明は、種々の反射防止機能を有する表面形状を有するシリコン基板を自在に且つ簡便に形成することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、シリコン基板として太陽電池用シリコン基板を採用したところ、意外にも、エッチング条件を適宜設定することにより、従来は得られなかった種々様々な反射防止機能を有する表面形状を有するシリコン基板が得られることを見出した。本発明は、この知見に基づき研究を重ね、完成されたものである。すなわち、本発明は以下の構成を包含する。
項1.少なくとも片面に、
(A)上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部
が形成された、シリコン基板。
項2.少なくとも片面に、
(B)上下方向に伸びる溝が形成された側面と、
横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とを有する、底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部
が形成された、シリコン基板。
項3.少なくとも片面に、
(C)横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を有する逆ピラミッド形状の凹部
が形成された、シリコン基板。
項4.少なくとも片面に、
(D)逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部
が形成された、シリコン基板。
項5.前記(D)の凹部において、前記逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面には、下部に逆ピラミッド形状の孔が形成され、上部に上下方向に伸びる溝が形成された、項4に記載のシリコン基板。
項6.少なくとも片面に、
(E)底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部
が形成された、シリコン基板。
項7.少なくとも片面に、
(F)平均直径が1〜10μmであり、且つ、大きさがランダムである逆ピラミッド形状の凹部
が形成されている、シリコン基板。
項8.少なくとも片面に、
(A)上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、
(B)上下方向に伸びる溝が形成された側面と、
横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とを有する、底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部、
(C)横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、
(D)逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、
(E)底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部、及び
(F)平均直径が1〜10μmであり、且つ、大きさがランダムである逆ピラミッド形状の凹部
の少なくとも2種以上を有する、シリコン基板。
項9.少なくとも片面に、
(A)上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、
(B)上下方向に伸びる溝が形成された側面と、
横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とを有する、底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部、
(C)横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、及び
(F)平均直径が1〜10μmであり、且つ、大きさがランダムである逆ピラミッド形状の凹部
の少なくとも2種以上を有する、シリコン基板。
項10.太陽電池用シリコン基板である、請求項1〜9のいずれかに記載のシリコン基板。
項11.項1〜10のいずれかに記載のシリコン基板を備える太陽電池。
本発明によれば、地球温暖化を引き起こす環境負荷が高いガス類、又は反応性、毒性の高く危険なフッ素ガス、フッ酸を用いることなく、種々の反射防止機能を有する表面形状を有するシリコン基板を自在に、且つ安全で簡便に、行うことができる。
逆ピラミッド形状を説明する概略図である。 逆多角錐形状の一例を説明する概略図である。 横方向に筋が形成された多段構造を有する側面を説明する概略図である。 V字状の筋が形成された多段構造を有する側面を説明する概略図である。 多角形が八角形である場合の逆多角錐を説明する概略図である。 凹部の上部と下部を説明する概略図である。 面方位ごとのエッチング形状を説明する図面である。 実施例A−1のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例A−2のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例A−3のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例B−1のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例C−1のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例C−2のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例C−3のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例C−4のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例C−5のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例C−6のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例C−7のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例C−8のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例D−1のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例D−2のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例D−3のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例D−4のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例D−5のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例E−1のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例E−2のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例E−3のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例E−4のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例E−5のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例E−6のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例E−7のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 参考例1のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 参考例2のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例G−1のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例G−2のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 実施例G−3のシリコン基板表面のエッチング形状を示す図面である。 反射率測定装置のシステムブロック図である。 実施例G−1のシリコン基板の反射率測定の結果(下線)を示すグラフである。参考のために、エッチング処理されていないシリコン基板(上線)及び従来の方法でピラミッド形状の凹部が形成されたシリコン基板(中線)の反射率も示す。 実施例C−2のシリコン基板の反射率測定の結果(下線)を示すグラフである。参考のために、エッチング処理されていないシリコン基板(上線)及び従来の方法でピラミッド形状の凹部が形成されたシリコン基板(中線)の反射率も示す。 実施例C−5のシリコン基板の反射率測定の結果(下線)を示すグラフである。参考のために、エッチング処理されていないシリコン基板(上線)及び従来の方法でピラミッド形状の凹部が形成されたシリコン基板(中線)の反射率も示す。 実施例C−6のシリコン基板の反射率測定の結果(下線)を示すグラフである。参考のために、エッチング処理されていないシリコン基板(上線)及び従来の方法でピラミッド形状の凹部が形成されたシリコン基板(中線)の反射率も示す。 実施例G−2のシリコン基板の反射率測定の結果(下線)を示すグラフである。参考のために、エッチング処理されていないシリコン基板(上線)及び従来の方法でピラミッド形状の凹部が形成されたシリコン基板(中線)の反射率も示す。 実施例G−3のシリコン基板の反射率測定の結果(下線)を示すグラフである。参考のために、エッチング処理されていないシリコン基板(上線)及び従来の方法でピラミッド形状の凹部が形成されたシリコン基板(中線)の反射率も示す。
本明細書において、「逆ピラミッド形状の凹部」とは、基板の表面が、平面に対して、ピラミッド(四角錘)を伏せた形状(例えば、図1に示されるような形状)に掘り込んだ大きな凹部を意味する。
図1において、Aはピラミッドの頂点(凹部の最下点)である。aはピラミッドの底面を構成する1辺であり、逆ピラミッド形状の凹部とシリコン基板表面との境界線を示す。また、b及びcはいずれもピラミッドの側辺であり、a、b及びcで囲まれる三角形はピラミッドの側面を形成する。逆ピラミッド形状の凹部には、この側面を4個有する。さらに、hはピラミッドの高さであり、凹部の深さを意味する。
このような逆ピラミッド形状の凹部としては、ピラミッドの頂点に相当する凹部の最下点と、ピラミッドの底面の頂点に相当する4点が認識されていればよく、必ずしも完全なピラミッド(四角錐)状でなくてもよい。つまり、凹部が丸みを帯びていてもよい。
また、本明細書において、「底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部」とは、底面が5以上の多角形である多角錐を伏せた形状に掘り込まれた凹部であれば特に制限されないが、基板の表面が、平面に対して、ピラミッド(四角錐)の底面の頂点近傍が切り取られた形状の立体(例えば、図2に示す形状を有する立体)の形状に掘り込んだ大きな凹部が好ましい。図2では、底面は八角形の場合について例示しているが、これに限られることはなく、底面は5以上の多角形(特に八角形)である。この場合も、凹部を形成する側面と側面との境界線は、完全な直線でなくてもよい。また、「底面が5以上の多角形である多角錐」も同様に、ピラミッド(四角錐)の底面の頂点近傍が切り取られた形状の立体(例えば、図2に示す形状を有する立体)と定義する。
「逆ピラミッド形状の孔」とは、前記逆ピラミッド形状の凹部の側面(凹部を四角錘に見立てた場合の側面に相当する部分)に対して、ピラミッド(四角錘)を伏せた形状に掘り込んだ小さな孔を意味する。この場合も、上記「逆ピラミッド形状の凹部」と同様に、必ずしも完全なピラミッド(四角錐)状でなくてもよい。
「上下方向に伸びる溝」における「上下方向」とは、凹部の最下部側を下方向、反対側(シリコン基板表面に近い側)を上方向として、上下方向を定義する。
「横方向の筋」における「横方向」とは、逆ピラミッド形状の凹部の側面上において、この上下方向とほぼ垂直な方向を横方向と定義する。つまり、「横方向の筋」は、逆ピラミッド形状の凹部における底辺とほぼ平行に形成されていることが好ましい(図3;図中、Aは凹部の最下点である)。この横方向の筋は、逆ピラミッド形状の凹部の側辺とともに、最下点を起点とする三角形状の筋を形成していることもある。
「V字状の筋が形成された多段構造」は、特に制限されないが、逆ピラミッド形状の凹部における側辺とほぼ平行に形成された2本の筋がV字を形成するように形成されていることが好ましい(図4;図中、Aは凹部の最下点である)。このV字状の筋は、逆ピラミッド形状の凹部の底辺とともに、当該底辺が共通する三角形状の筋を形成していることもある。
「三角形の孔」は、逆ピラミッド形状の凹部の側面において、例えば図7のSi(111)面の図面のように、表面形状が三角形の孔を意味する。
1.第1の態様(凹部(A))
本発明の第1の態様におけるシリコン基板は、少なくとも片面に、
(A)上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部
が形成された、シリコン基板である。
この凹部は、基板の片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
本発明のシリコン基板が有し得る凹部(A)は、上下方向に伸びる溝(好ましくは上下方向に伸びる複数の溝)が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部である。凹部を形成する表面のうち、1面のみがこの上下方向に伸びる溝(好ましくは上下方向に伸びる複数の溝)が形成された側面であってもよいし、全ての表面に、上下方向に伸びる溝(好ましくは上下方向に伸びる複数の溝)が形成されていてもよい。後述する本発明の製造方法によれば、上下方向に伸びる溝(好ましくは上下方向に伸びる複数の溝)が形成された側面を4個有する(上下方向に伸びる溝が形成された側面からなる)凹部が形成されやすい。
この凹部(A)は、より反射を低減するため、深さ(例えば、図1に示される逆ピラミッドにおける高さh)は0.4〜8μmが好ましく、2.4〜5.6μmがより好ましい。また、凹部の深さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する凹部を形成するため、逆ピラミッド形状の凹部の平均直径は0.5〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。なお、凹部の平均直径とは、凹部を円状と見立てたときの平均直径を意味する。また、凹部の平均直径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
理由は後述するが、本発明において、凹部(A)は、上下に伸びる溝が形成された側面を有する。凹部(A)の側面に形成される溝は、断面視V字状又はU字状の溝が好ましい。また、この溝は、逆ピラミッド形状の凹部の表面(凹部を四角錐に見立てた場合の側面)の端部から端部まで達していてもよいし、途中で終了していてもよい。
この上下方向に伸びる溝は、より反射を低減するため、深さを10〜500nmとすることが好ましく、100〜500nmとすることがより好ましい。また、溝の深さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する溝を形成するため、上下方向に伸びる溝の幅は10〜500nmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。また、溝の幅は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
さらに、上下方向に伸びる溝が、上記逆ピラミッド形状の凹部の表面(凹部を四角錘に見立てた場合の側面)上に隙間なく配列されれば、側面での反射光はほぼすべて、隣接する側面へ再入射され、光を吸収しやすくなることから、光の利用効率は最大化されることとなる。つまり、上記逆ピラミッド形状の凹部の表面(凹部を四角錘に見立てた場合の側面)上に形成される上下方向に伸びる溝は、できるだけ密に形成されることが好ましい。このため、上下方向に伸びる溝は、凹部の表面を逆ピラミッドの側面と見立てた場合、その側面1つ当たり5〜1000個程度形成されるのが好ましく、10〜500個程度形成されるのがより好ましい。
本発明の第1の態様におけるシリコン基板は、上記説明した凹部(A)を有している。ただし、第1の態様におけるシリコン基板が有する凹部は、凹部(A)のみである必要はなく、他の凹部を有していてもよい。具体的には、後述する凹部(B)〜(E)も有していてもよい。特に、後述のように、時間の経過とともに凹部(A)は凹部(B)及び凹部(C)に変化し得ることから、第1の態様におけるシリコン基板は、凹部(A)のほか、凹部(B)及び/凹部(C)を有していることが好ましい。
本発明の第1の態様におけるシリコン基板においては、上記説明した凹部(特に凹部(A))がシリコン基板の少なくとも片面上に隙間なく配列されれば、シリコン基板の少なくとも片面が凹部(特に凹部(A))によって構成されることとなり、側面での反射光はほぼすべて、隣接する側面へ再入射され、光を吸収しやすくなることから、光の利用効率は最大化されることとなる。つまり、シリコン基板の少なくとも片面に形成される逆ピラミッド形状の凹部は、できるだけ密に形成されることが好ましい。
本発明では、特に後述する本発明の製造方法によれば、上記凹部(特に凹部(A))を密にすることができる。具体的には、本発明のシリコン基板の少なくとも片面には、表面1mmあたり1万〜1億個、好ましくは5万〜1千万個の凹部(特に凹部(A))が形成される。また、凹部の密度は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、上記のように、凹部(特に凹部(A))はできるだけ密に形成されることが好ましいことから、ピッチ(最近接の凹部の頂点同士の距離)は0.5〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。また、凹部のピッチは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
2.第2の態様(凹部(B))
本発明の第2の態様におけるシリコン基板は、少なくとも片面に、
(B)上下方向に伸びる溝が形成された側面と、
横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とを有する、底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部
が形成された、シリコン基板である。
また、凹部(B)において、「逆多角錐形状の凹部」とは、上記の「逆ピラミッド形状の凹部」と同様に、基板の表面が、平面に対して、多角錐を伏せた形状に掘り込んだ大きな凹部を意味するが、本態様においては、頂点が1つではない形状のもの(例えば図2に示される形状のもの)も逆多角錐形状の凹部と呼ぶ。
つまり、本発明のシリコン基板が有し得る凹部(B)は、上下方向に伸びる溝(好ましくは上下方向に伸びる複数の溝)が形成された側面と、横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とを有する、底面が5以上の多角形である凹部である。凹部の底面を構成する多角形は、正多角形でもよいし正多角形でなくてもよい。また、底面を構成する多角形は、5以上の多角形であれば特に制限はないが、八角形が好ましい。ただし、後述のように、エッチングの進行度合いによって、底面を構成する多角形の形状は変化し得る。凹部を形成する表面のうち、上下方向に伸びる溝が形成された側面と、横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とをそれぞれ1面のみ有していてもよいし、上下方向に伸びる溝が形成された側面と、横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とをそれぞれ複数有していてもよい。後述する本発明の製造方法によれば、上下方向に伸びる溝が形成された側面を4個と、横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を4個有する(上下方向に伸びる溝が形成された側面と、横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とからなる)凹部が形成されやすい。
この凹部は、基板の片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
この凹部(B)は、より反射を低減するため、深さ(例えば、図2に示される逆多角錐における高さh)は0.4〜8μmが好ましく、2.4〜5.6μmがより好ましい。また、凹部の深さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する凹部を形成するため、逆多角錐形状の凹部の平均直径は0.5〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。なお、凹部の平均直径とは、凹部を円状と見立てたときの平均直径を意味する。また、凹部の平均直径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
理由は後述するが、本発明において、凹部(B)は、上下に伸びる溝が形成された側面と、横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を有する。
なお、凹部(B)においては、上下に伸びる溝は、図2におけるXで示される箇所に対応する表面(略五角形の表面)に形成されやすく、横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、又は三角形の孔は、図2におけるYで示される箇所に対応する表面(略三角形の表面)に形成されやすい。
形成される溝は、断面視V字状又はU字状の溝が好ましい。また、この溝は、凹部の表面の端部から端部まで達していてもよいし、途中で終了していてもよい。
この上下方向に伸びる溝は、より反射を低減するため、深さを10〜500nmとすることが好ましく、100〜500nmとすることがより好ましい。また、溝の深さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する溝を形成するため、上下方向に伸びる溝の幅は10〜500nmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。また、溝の幅は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
さらに、上下方向に伸びる溝が隙間なく配列されれば、側面での反射光はほぼすべて、隣接する側面へ再入射され、光を吸収しやすくなることから、光の利用効率は最大化されることとなる。つまり、上記略逆ピラミッド形状の凹部の側面上に形成される上下方向に伸びる溝は、できるだけ密に形成されることが好ましい。このため、上下方向に伸びる溝は、凹部の側面1つ当たり5〜1000個程度形成されるのが好ましく、10〜500個程度形成されるのがより好ましい。また、筋の密度は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
横方向の筋が形成された多段構造としては、特に制限されないが、逆ピラミッド形状の凹部における底辺とほぼ平行に形成されている筋が形成された多段構造(例えば2〜1000個、特に5〜500個の多段構造)を形成することが好ましい(図3;図中、Aは凹部の最下点である)。この横方向の筋は、逆ピラミッド形状の凹部の側辺とともに、最下点を起点とする三角形状の筋を形成していることもある。この形状の多段構造は、大きさの異なる三角形の孔が重なり合って形成されると考えられる。この場合、側面には後述の三角形の孔も形成されていてもよい。
V字状の筋が形成された多段構造としては、特に制限されないが、逆ピラミッド形状の凹部における側辺とほぼ平行に形成された2本の筋がV字を形成するように形成された多段構造(例えば2〜1000個、特に5〜500個の多段構造)を形成することが好ましい(図4;図中、Aは凹部の最下点である)。このV字状の筋は、逆ピラミッド形状の凹部の底辺とともに、当該底辺が共通する三角形状の筋を形成していることもある。この形状の多段構造は、大きさの異なる三角形の孔が重なり合って形成されると考えられる。この場合、側面には後述の三角形の孔も形成されていてもよい。
これら多段構造を形成する筋は、高さ10〜500nm程度の高さの凸部であってもよいし、10〜500nm程度の溝であってもよい。また、筋は、側面の端部から端部まで達していてもよいし、途中で終了していてもよい。
これら多段構造を形成する場合の1段当たりの高さは、より反射を低減するため、10〜500nmとすることが好ましく、100〜500nmとすることがより好ましい。また、この高さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、これら多段構造を形成する場合の1段当たりの幅は、より反射を低減するため、10〜500nmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。また、1段当たりの幅は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
一方、三角形の孔が形成された側面としては、特に制限されないが、逆ピラミッド形状の凹部の側面に、小さな三角形の孔が無数に(例えば5〜1000個、特に10〜500個)形成されていてもよい。
三角形の孔を無数に形成する場合の三角形の孔の高さは、より反射を低減するため、10〜500nmとすることが好ましく、100〜500nmとすることがより好ましい。また、この高さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する三角形の孔を形成するため、三角形の孔の平均直径は500nm以下が好ましく、100〜500nmがより好ましい。なお、三角形の孔の平均直径とは、孔を円状と見立てたときの平均直径を意味する。また、孔の平均直径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
本発明の第2の態様におけるシリコン基板は、上記説明した凹部(B)を有している。ただし、第2の態様におけるシリコン基板が有する凹部は、凹部(B)のみである必要はなく、他の凹部を有していてもよい。具体的には、上記凹部(A)及び後述する凹部(C)〜(E)も有していてもよい。特に、後述のように、時間の経過とともに凹部(A)は凹部(B)及び凹部(C)に変化し得ることから、第2の態様におけるシリコン基板は、凹部(B)のほか、凹部(A)及び/凹部(C)を有していることが好ましい。
本発明の第2の態様におけるシリコン基板においては、上記説明した凹部(特に凹部(B))がシリコン基板の少なくとも片面上に隙間なく配列されれば、シリコン基板の少なくとも片面が凹部(特に凹部(B))によって構成されることとなり、側面での反射光はほぼすべて、隣接する側面へ再入射され、光を吸収しやすくなることから、光の利用効率は最大化されることとなる。つまり、シリコン基板の少なくとも片面に形成される逆ピラミッド形状の凹部は、できるだけ密に形成されることが好ましい。
本発明では、特に後述する本発明の製造方法によれば、上記凹部(特に凹部(B))を密にすることができる。具体的には、本発明のシリコン基板の少なくとも片面には、表面1mmあたり1万〜1億個、好ましくは5万〜1千万個の凹部(特に凹部(B))が形成される。また、凹部の密度は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、上記のように、凹部(特に凹部(B))はできるだけ密に形成されることが好ましいことから、ピッチ(最近接の凹部の頂点同士の距離)は1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。また、凹部のピッチは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
3.第3の態様(凹部(C))
本発明の第3の態様におけるシリコン基板は、少なくとも片面に、
(C)横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を有する逆ピラミッド形状の凹部
が形成された、シリコン基板である。
本発明のシリコン基板が有し得る凹部(C)は、横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を有する逆ピラミッド形状の凹部である。凹部を形成する表面のうち、1面のみがこの横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面であってもよいし、全ての表面が横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面であってもよい。後述する本発明の製造方法によれば、横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を4個有する(横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面からなる)凹部が形成されやすい。
この凹部は、基板の片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
この凹部(C)は、より反射を低減するため、深さ(例えば、図1に示される逆ピラミッドにおける高さh)は0.4〜8μmが好ましく、2.4〜5.6μmがより好ましい。また、凹部の深さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する凹部を形成するため、逆ピラミッド形状の凹部の平均直径は0.5〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。なお、凹部の平均直径とは、凹部を円状と見立てたときの平均直径を意味する。また、凹部の平均直径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
理由は後述するが、本発明において、凹部(C)は、横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を有する。
横方向の筋が形成された多段構造としては、特に制限されないが、逆ピラミッド形状の凹部における底辺とほぼ平行に形成されている筋が形成された多段構造(例えば2〜1000個、特に5〜500個の多段構造)を形成することが好ましい(図3;図中、Aは凹部の最下点である)。この横方向の筋は、逆ピラミッド形状の凹部の側辺とともに、最下点を起点とする三角形状の筋を形成していることもある。この形状の多段構造は、大きさの異なる三角形の孔が重なり合って形成されると考えられる。この場合、側面には後述の三角形の孔も形成されていてもよい。
V字状の筋が形成された多段構造としては、特に制限されないが、逆ピラミッド形状の凹部における側辺とほぼ平行に形成された2本の筋がV字を形成するように形成された多段構造(例えば2〜1000個、特に5〜500個の多段構造)を形成することが好ましい(図4;図中、Aは凹部の最下点である)。このV字状の筋は、逆ピラミッド形状の凹部の底辺とともに、当該底辺が共通する三角形状の筋を形成していることもある。この形状の多段構造は、大きさの異なる三角形の孔が重なり合って形成されると考えられる。この場合、側面には後述の三角形の孔も形成されていてもよい。
これら多段構造を形成する筋は、高さ10〜500nm程度の高さの凸部であってもよいし、10〜500nm程度の溝であってもよい。また、筋は、側面の端部から端部まで達していてもよいし、途中で終了していてもよい。
これら多段構造を形成する場合の1段当たりの高さは、より反射を低減するため、10〜500nmとすることが好ましく、100〜500nmとすることがより好ましい。また、この高さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、これら多段構造を形成する場合の1段当たりの幅は、より反射を低減するため、10〜500nmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。また、1段当たりの幅は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
一方、三角形の孔が形成された側面としては、特に制限されないが、逆ピラミッド形状の凹部の側面に、小さな三角形の孔が無数に(例えば5〜1000個、特に10〜500個)形成されていてもよい。
三角形の孔を無数に形成する場合の三角形の孔の高さは、より反射を低減するため、10〜500nmとすることが好ましく、100〜500nmとすることがより好ましい。また、この高さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する三角形の孔を形成するため、三角形の孔の平均直径は500nm以下が好ましく、100〜500nmがより好ましい。なお、三角形の孔の平均直径とは、孔を円状と見立てたときの平均直径を意味する。また、孔の平均直径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
本発明の第3の態様におけるシリコン基板は、上記説明した凹部(C)を有している。ただし、第3の態様におけるシリコン基板が有する凹部は、凹部(C)のみである必要はなく、他の凹部を有していてもよい。具体的には、上記凹部(A)〜(B)及び後述する凹部(D)〜(E)も有していてもよい。特に、後述のように、時間の経過とともに凹部(A)は凹部(B)及び凹部(C)に変化し得ることから、第3の態様におけるシリコン基板は、凹部(C)のほか、凹部(A)及び/凹部(B)を有していることが好ましい。
本発明の第3の態様におけるシリコン基板においては、上記説明した凹部(特に凹部(C))がシリコン基板の少なくとも片面上に隙間なく配列されれば、シリコン基板の少なくとも片面が凹部(特に凹部(C))によって構成されることとなり、側面での反射光はほぼすべて、隣接する側面へ再入射され、光を吸収しやすくなることから、光の利用効率は最大化されることとなる。つまり、シリコン基板の少なくとも片面に形成される逆ピラミッド形状の凹部は、できるだけ密に形成されることが好ましい。
本発明では、特に後述する本発明の製造方法によれば、上記凹部(特に凹部(C))を密にすることができる。具体的には、本発明のシリコン基板の少なくとも片面には、表面1mmあたり1万〜1億個、好ましくは5万〜1千万個の凹部(特に凹部(C))が形成される。また、凹部の密度は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、上記のように、凹部(特に凹部(C))はできるだけ密に形成されることが好ましいことから、ピッチ(最近接の凹部の頂点同士の距離)は0.5〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。また、凹部のピッチは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
4.第4の態様(凹部(D))
本発明の第4の態様におけるシリコン基板は、少なくとも片面に、
(D)逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部
が形成された、シリコン基板である。
この凹部は、基板の片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
本発明のシリコン基板が有し得る凹部(D)は、逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部である。凹部を形成する表面のうち、1面のみがこの逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面であってもよいし、全ての表面が逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面であってもよい。後述する本発明の製造方法によれば、逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面を4個有する(逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面からなる)凹部が形成されやすい。
この凹部(D)は、より反射を低減するため、深さ(例えば、図1に示される逆ピラミッドにおける高さh)は0.4〜8μmが好ましく、2.4〜5.6μmがより好ましい。また、凹部の深さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する凹部を形成するため、逆ピラミッド形状の凹部の平均直径は0.5〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。なお、凹部の平均直径とは、凹部を円状と見立てたときの平均直径を意味する。また、凹部の平均直径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、理由は後述するが、本発明の製造方法によれば、凹部(D)は完全な逆ピラミッド形状ではなく、その底面が丸みを帯びた円状に近い逆ピラミッド形状の凹部を形成しやすい。また、本発明の製造方法によれば、凹部の下部には逆ピラミッド形状の孔が形成されやすく、凹部の上部には上下方向に伸びる溝が形成されやすい(上部及び下部については、図6に概略を示す)。
逆ピラミッド形状の孔は、より反射を低減するため、深さ(例えば、図1に示される逆ピラミッドにおける高さh)は10〜500nmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。また、逆ピラミッド形状の孔の深さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する孔を形成するため、逆ピラミッド形状の孔の平均直径は500nm以下が好ましく、100〜500nmがより好ましい。なお、逆ピラミッド形状の孔の平均直径とは、逆ピラミッド形状の孔を円状と見立てたときの平均直径を意味する。また、逆ピラミッド形状の孔の平均直径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
さらに、逆ピラミッド形状の孔が、上記逆ピラミッド形状の凹部の表面(凹部を四角錘に見立てた場合の側面、なかでも下部)上に隙間なく配列されれば、側面での反射光はほぼすべて、隣接する側面へ再入射され、光を吸収しやすくなることから、光の利用効率は最大化されることとなる。つまり、上記逆ピラミッド形状の凹部の表面(凹部を四角錘に見立てた場合の側面、なかでも下部)上に形成される逆ピラミッド形状の孔は、できるだけ密に形成されることが好ましい。このため、逆ピラミッド形状の孔は、凹部の表面を略逆ピラミッドの側面と見立てた場合、その側面1つ当たり5〜20万個程度形成されるのが好ましく、10〜1万個程度形成されるのがより好ましい。また、孔の密度は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
凹部(D)の側面に形成される溝は、断面視V字状又はU字状の溝が好ましい。また、この溝は、逆ピラミッド形状の凹部の表面(凹部を四角錐に見立てた場合の側面)の端部から端部まで達していてもよいし、途中で終了していてもよい。
この上下方向に伸びる溝は、より反射を低減するため、深さを10〜500nmとすることが好ましく、100〜500nmとすることがより好ましい。また、溝の深さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する溝を形成するため、上下方向に伸びる溝の幅は10〜500nmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。また、溝の幅は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
さらに、上下方向に伸びる溝が、上記逆ピラミッド形状の凹部の表面(凹部を四角錘に見立てた場合の側面、なかでも上部)上に隙間なく配列されれば、側面での反射光はほぼすべて、隣接する側面へ再入射され、光を吸収しやすくなることから、光の利用効率は最大化されることとなる。つまり、上記逆ピラミッド形状の凹部の表面(凹部を四角錘に見立てた場合の側面、なかでも上部)上に形成される上下方向に伸びる溝は、できるだけ密に形成されることが好ましい。このため、上下方向に伸びる溝は、凹部の表面を逆ピラミッドの側面と見立てた場合、その側面1つ当たり4〜800個程度形成されるのが好ましく、8〜400個程度形成されるのがより好ましい。また、上下方向に伸びる溝の密度は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
本発明の第4の態様におけるシリコン基板は、上記説明した凹部(D)を有している。ただし、第4の態様におけるシリコン基板が有する凹部は、凹部(D)のみである必要はなく、他の凹部を有していてもよい。具体的には、上記凹部(A)〜(C)及び後述する凹部(E)も有していてもよい。
本発明の第4の態様におけるシリコン基板においては、上記説明した凹部(特に凹部(D))がシリコン基板の少なくとも片面上に隙間なく配列されれば、シリコン基板の少なくとも片面が凹部(特に凹部(D))によって構成されることとなり、側面での反射光はほぼすべて、隣接する側面へ再入射され、光を吸収しやすくなることから、光の利用効率は最大化されることとなる。つまり、シリコン基板の少なくとも片面に形成される逆ピラミッド形状の凹部は、できるだけ密に形成されることが好ましい。
本発明では、特に後述する本発明の製造方法によれば、上記凹部(特に凹部(D))を密にすることができる。具体的には、本発明のシリコン基板の少なくとも片面には、表面1mmあたり1万〜1億個、好ましくは5万〜1千万個の凹部(特に凹部(D))が形成される。また、凹部の密度は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、上記のように、凹部(特に凹部(D))はできるだけ密に形成されることが好ましいことから、ピッチ(最近接の凹部の頂点同士の距離)は0.5〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。また、凹部のピッチは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
5.第5の態様(凹部(E))
本発明の第5の態様におけるシリコン基板は、少なくとも片面に、
(E)底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部
が形成された、シリコン基板である。
また、凹部(E)において、「逆多角錐形状の凹部」とは、上記の「逆ピラミッド形状の凹部」と同様に、基板の表面が、平面に対して、多角錐を伏せた形状(多角錐として八角錐である場合の概略図を図5に示す)に掘り込んだ大きな凹部を意味する。
この凹部は、基板の片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
本発明のシリコン基板が有し得る凹部(E)は、底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部である。後述する本発明の製造方法によれば、底面が八角形である逆八角錐形状の凹部が形成されやすいが、逆八角錐形状の凹部のみでシリコン基板表面を占めることは困難であるため、隣接する凹部との関係によっては、底面が八角形以外の多角形である逆多角錐形状の凹部も形成され得る。
この凹部(E)は、より反射を低減するため、深さ(例えば、図3に示される逆八角錐における高さh)は0.4〜8μmが好ましく、2.4〜5.6μmがより好ましい。また、凹部の深さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する凹部を形成するため、逆多角錐形状の凹部の平均直径は0.5〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。なお、凹部の平均直径とは、凹部を円状と見立てたときの平均直径を意味する。また、凹部の平均直径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
本発明の第5の態様におけるシリコン基板は、上記説明した凹部(E)を有している。ただし、第5の態様におけるシリコン基板が有する凹部は、凹部(E)のみである必要はなく、他の凹部を有していてもよい。具体的には、上記凹部(A)〜(D)も有していてもよい。
本発明の第5の態様におけるシリコン基板においては、上記説明した凹部(特に凹部(E))がシリコン基板の少なくとも片面上に隙間なく配列されれば、シリコン基板の少なくとも片面が凹部(特に凹部(E))によって構成されることとなり、側面での反射光はほぼすべて、隣接する側面へ再入射され、光を吸収しやすくなることから、光の利用効率は最大化されることとなる。つまり、シリコン基板の少なくとも片面に形成される逆ピラミッド形状の凹部は、できるだけ密に形成されることが好ましい。
本発明では、特に後述する本発明の製造方法によれば、上記凹部(特に凹部(E))を密にすることができる。具体的には、本発明のシリコン基板の少なくとも片面には、表面1mmあたり1万〜1億個、好ましくは5万〜1千万個の凹部(特に凹部(E))が形成される。また、凹部の密度は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、上記のように、凹部(特に凹部(E))はできるだけ密に形成されることが好ましいことから、ピッチ(最近接の凹部の頂点同士の距離)は0.5〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。また、凹部のピッチは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
以上のように、本発明のシリコン基板は、上記説明した凹部(A)〜(E)の少なくとも1種を有する。また、本発明のシリコン基板は、後述する凹部(F)も有していることもある。このため、本発明のシリコン基板は、上記説明した凹部(A)〜(F)の少なくとも2種を有していてもよい。また、後述の製造方法によれば、上記説明した凹部(A)〜(C)及び(F)の少なくとも2種を有するシリコン基板も製造し得る。
6.第1の態様〜第5の態様に係るシリコン基板の製造方法
上記のような条件を満たす本発明の第1の態様〜第5の態様におけるシリコン基板は、例えば、
(1A)N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を、太陽電池用シリコン基板の少なくとも片面に接触させる工程
(1B)前記太陽電池用シリコン基板に、前記N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料側から光照射する工程
を備える製造方法により製造することができる。
また、必要に応じて、前記工程(1B)(光照射)を行う際に、同時に又は別途、
(1C)太陽電池用シリコン基板を加熱する工程
を行ってもよい。
特に、工程(1B)における光照射の強度及び時間、工程(1C)を行う場合の加熱温度及び時間等のエッチング条件を適宜設定することにより、上記凹部(A)〜(E)のうち所望の形状の凹部を有するシリコン基板を得ることができる。この際、後述の凹部(F)が形成されることもある。
[工程(1A):接触]
工程(1A)では、N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を、太陽電池用シリコン基板の少なくとも片面に接触させる。
N−F結合を有する有機化合物は、フッ素化剤として知られており、一般式(1):
で示される化合物が好ましい。
一般式(1)において、
を生成するブレンステッド酸としては、例えば、メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ジニトロベンゼンスルホン酸、トリニトロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルホン酸、パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、クロロスルホン酸、カンファースルホン酸、ブロモカンファースルホン酸、Δ−コレステン−3−オン−6−スルホン酸、1−ヒドロキシ−p−メンタン−2−スルホン酸、p−スチレンスルホン酸、β−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、パーフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホン酸等のスルホン酸;硫酸、リン酸、硝酸等の鉱酸;過塩素酸、過臭素酸、過ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸等のハロゲン酸;モノメチル硫酸、モノエチル硫酸等のモノアルキル硫酸;酢酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、ジクロロ酢酸、アクリル酸等のカルボン酸;HAlF、HBF、HB、HPF、HSbF、HSbF、HSb11、HAsF、HAlCl、HAlClF、HAlFCl、HBCl、HBClF、HBBrF、HSbCl、HSbClF等のルイス酸とハロゲン化水素との化合物;HBPh(Phはフェニル基;以下同様である)、
等のアリール置換ホウ素化合物;(FSONH、(PhSONH、(CFSONH、(CSONH、(CSONH、(HCFCFSONH、CFSONHSO13
等の酸性アミド化合物;(FSOCH、(CFSOCH、(PhOSOCH(Phはフェニル基)、(CFSOCH、(CFSOCH、(CSOCH、(C17SOCH等の炭素酸化合物等が挙げられる。
安定性の高いN−F結合を有する有機化合物を得るためには、
として酢酸(pKa:4.56)よりも強い酸性度のブレンステッド酸の共役塩基が特に好ましい。
前記共役塩基としては、例えば、BFPFAsFSbFAlFAlClSbClSbClF、Sb11OClOOSOF、OSOCl、OSOOH、OSOOCHOSOCHOSOCFOSOCClOSOOSOOSOCHOSONON(SOCF等が特に好ましい。なかでも、テトラフルオロボレート(BF)又はパーフルオロアルカンスルホネート(OSOCFOSO等)が好ましく、テトラフルオロボレート(BF)がより好ましい。
一般式(1)を満たすN−F結合を有する有機化合物としては、例えば、N−フルオロピリジニウム化合物(A)、N−フルオロキヌクリジニウム塩(B)、N−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン化合物(C)等が挙げられる。
N−フルオロピリジニウム化合物(A)として好ましい化合物は、次の一般式(A1):
、又は一般式(A2):
で示される化合物である。
一般式(A1)〜(A2)中、
隣接するRとR、RとR、RとR又はRとRは連結して、−CR=CR−CR=CR−を形成していてもよく、
また、R’とR’、R’とR’、R’とR’又はR’とR’は連結して、−CR’=CR’−CR’=CR’−を形成していてもよく、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’及びR’は同じか又は異なり、いずれも、水素原子;ハロゲン原子;ニトロ基;ヒドロキシ基;シアノ基;カルバモイル基;ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜5のアシル基(アルカノイル基等)、炭素数2〜5のアシルオキシ基(アルカノイルオキシ基等)及び炭素数6〜10のアリール基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基;ハロゲン原子及び炭素数6〜10のアリール基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルケニル基;ハロゲン原子及び炭素数6〜10のアリール基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキニル基;ハロゲン原子及び炭素数1〜5のアルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数6〜15のアリール基;少なくとも1種のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアシル基(アルカノイル基等);ハロゲン原子及び炭素数6〜10のアリール基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基;ハロゲン原子及び炭素数1〜5のアルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数7〜15のアリールオキシカルボニル基;ハロゲン原子及び炭素数6〜10のアリール基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキルスルホニル基;ハロゲン原子及び炭素数1〜5のアルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数6〜15のアリールスルホニル基;ハロゲン原子及び炭素数6〜10のアリール基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキルスルフィニル基;ハロゲン原子及び炭素数1〜5のアルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数6〜15のアリールスルフィニル基;ハロゲン原子及び炭素数6〜10のアリール基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基;ハロゲン原子及び炭素数1〜5のアルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数6〜15のアリールオキシ基;少なくとも1種のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアシルオキシ基(アルカノイルオキシ基等);少なくとも1種のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアシルチオ基(アルカノイルチオ基等);ハロゲン原子及び炭素数6〜10のアリール基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルカンスルホニルオキシ基;ハロゲン原子及び炭素数1〜5のアルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数6〜15のアリールスルホニルオキシ基;炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよいカルバモイル基;炭素数1〜5のアシル基(アルカノイル基等)及びハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよいアミノ基;ハロゲン原子、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数1〜5のアルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数6〜15のN−アルキルピリジニウム塩基;ハロゲン原子、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数1〜5のアルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい炭素数11〜15のN−アリールピリジニウム塩基;又は有機ポリマー鎖であり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’及びR’は種々の組合せでヘテロ原子を介して又は介さずに環構造を形成してもよく、
一般式(A2)において、R、R、R、R、R、R、R、R及びRのうちの1つとR’、R’、R’、R’、R’、R’、R’、R’及びR’のうちの1つとは単結合で結合して結合鎖を形成している。
また、
は同じか又は異なり、いずれも前記
に同じである。
本発明に用いられるN−フルオロピリジニウム塩(A)のうち、とくに好ましい化合物としては、次の一般式(A1a):
(式中、R1a、R2a、R3a、R4a及びR5aは同じか又は異なり、いずれも水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、ハロゲン原子、メチル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基(アルカノイル基等)、炭素数2〜4のアシルオキシ基(アルカノイルオキシ基等)、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基;
がpKaが4.56以下のブレンステッド酸の共役塩基である)
で表される化合物(A1a)が挙げられる。
また、次の一般式(A2a):
(式中、R1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R1a’、R2a’、R3a’、R4a’及びR5a’は同じか又は異なり、いずれも水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、ハロゲン原子、メチル基もしくはハロゲンで置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基(アルカノイル基等)、炭素数2〜4のアシルオキシ基(アルカノイルオキシ基等)、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基であり、R1a、R2a、R3a、R4a、R5aのうち1つはR1a’、R2a’、R3a’、R4a’、R5a’のうちの1つと単結合で結合鎖を形成し、
が、pKaが4.56以下のブレンステッド酸の共役塩基である)
で表される化合物(A2a)も挙げられる。
上記の一般式(A1a)及び(A2a)で示される化合物のなかでも、R1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R1a’、R2a’、R3a’、R4a’及びR5a’は、電子供与性が高いほど安定性が高くなり、電子吸引性が高いほど反応性が高くなる。この観点から、要求特性に応じて適宜選択すればよい。
N−フルオロキヌクリジニウム塩(B)として、特に好ましい化合物は、次の一般式(B):
で示される。
また、N−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン化合物(C)として特に好ましい化合物は、一般式(C):
(式中、Rは、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基;
は同じか又は異なり、いずれも前記に同じである)
で示される。
これらのN−F結合を有する有機化合物のなかでも、電子を受け取りやすい芳香環の骨格を有しており、加熱等により容易に液体とすることができ扱いやすいため、N−フルオロピリジニウム化合物(A)(N−フルオロピリジニウム塩の誘導体)が好ましい。
本発明において、N−F結合を有する有機化合物は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。N−F結合を有する有機化合物を2種類以上組み合わせて使用する場合は、上記のN−F結合を有する有機化合物を任意に組み合わせればよい。特に、N−フルオロピリジニウム化合物(A)を2種類以上組み合わせて使用すると、融点を低くし、室温でも液体とすることができる。このため、N−F結合を有する有機化合物をそのままそのまま塗布することも可能であるため、工程(1A)を簡便に行うことができる。
N−F結合を有する有機化合物を2種類以上組み合わせて使用する場合の組成比は、特に制限はなく、融点を低くし、室温で液体とすることができる組成比とすることが好ましい。この場合、各成分の含有量をそれぞれ1〜99質量%程度が好ましい。
さらに、これらN−F結合を有する有機化合物と、これらと相溶性を有する第2の成分とを組み合わせて、機能を向上させることも好ましく採用される。例えば、イオン液体を加えることで、膜の粘度、均一性、塗布の容易さ、固体材料との濡れ性等の密着性等を調整することができる。
具体的なイオン液体としては、アルドリッチ社のイオン液体を掲載した試薬カタログ、又は関東化学(株)の脂肪族イオン液体を掲載した試薬カタログに記載されている、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等の化合物を挙げることができる。
例えば、水素末端を有するシリコン基板における密着性を向上させる目的では、対カチオン若しくは対アニオンのアルキル鎖長の長いもの、又はこれらイオンの分子量の比較的大きいものが好ましく用いられる。
具体的な例としては、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキシルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムジシアナミド等が挙げられる。
また第2の成分として、N−F結合を有する有機化合物と相溶性の高い有機溶媒、水、高分子、オイル等を混合して用いてもよい。
有機溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、メチルエチルケトン、t−ブチルメチルケトン、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、メチルスルホラン等が挙げられる。
また高分子としては、N−F結合を有する有機化合物との相溶性がある、ポリビニルアルコール、ポリオキシアルキレン、イオン交換用高分子等、極性基を分子内に含んだ親水性高分子、含フッ素アルキルエーテルポリマー等が挙げられる。
オイルとしては、スクワレン、脂肪酸エステル等の動植物油でも、ジメチルシロキサン等から構成されるシリコンオイル等の合成油でも用いることができる。
本発明の第1の態様では、エッチングの対象となるシリコン基板として、太陽電池用シリコン基板を使用する。太陽電池用シリコン基板は、通常、シリコンを遊離砥粒又は固定砥粒によりスライスされており、鏡面仕上げが施されていない。太陽電池用単結晶シリコン基板の場合は、通常シリコンを(100)面に沿ってスライスされている。このため、太陽電池用シリコン基板の表面には、鏡面処理が施されているLSI用シリコン基板とは異なり、チッピングの傷が存在する。このチッピングの傷は、エッチングの起点となり得、より大きい形状の凹部を形成することができる。
このような太陽電池用シリコン基板としては、太陽電池用単結晶シリコン基板、太陽電池用多結晶シリコン基板等(特に太陽電池用単結晶シリコン基板)を好適に使用することができる。
この太陽電池用シリコン基板の厚みは、光吸収の観点から、50〜500μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。
なお、本発明では、太陽電池用シリコン基板を使用するが、鏡面仕上げが施されたシリコン基板に対してレーザー、研磨紙等により欠陥、傷等を形成したシリコン基板を用いてもよい。
工程(1A)で太陽電池用シリコン基板に接触させたN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料中のN−F結合を有する有機化合物は、結晶、多結晶、アモルファス、液体のいずれでも用いることができるが、太陽電池用シリコン基板との反応を良好に進行させるためにはアモルファス又は液体であることが好ましい。ただし、固体のN−F結合を有する有機化合物であっても、上記した第二成分等を混合することにより融点を下げて液体状にすることができれば好ましく使用することができる。
ここで、N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を前記太陽電池用シリコン基板の表面に接触させる際には、N−F結合を有する有機化合物を、必要に応じて溶媒に溶解させ、前記太陽電池用シリコン基板の表面に塗布し、必要に応じて溶媒を除去することができる。
N−F結合を有する有機化合物として液状であるか、加熱等により液状化できるものを用いれば、太陽電池用シリコン基板の表面に容易に塗布することができる。
溶媒を使用する場合、特に制限されるわけではないが、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、メチルエチルケトン、t−ブチルメチルケトン、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、メチルスルホラン等が挙げられる。なかでも、N−F結合を有する有機化合物の溶解度が高い点から、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等が好ましい。
N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を、太陽電池用シリコン基板に接触させる方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、キャスト法、スピンコート法、浸漬法、スプレー法、インクジェット法又はドクターブレード法による塗布法や、液化させたN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料中に太陽電池用シリコン基板を含浸させることで実施することができる。塗布する場合では、太陽電池用シリコン基板の全面に塗布してもよいし、部分的にのみ塗布してもよい。太陽電池用シリコン基板の全面にN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を塗布すれば、太陽電池用シリコン基板の全面に凹部を形成することができるし、所望の箇所のみにN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を塗布し、所望の箇所のみに凹部を形成することもできる。なお、部分的に塗布する場合は、マスクをしてスプレーする方法又はインクジェット法で塗布する方法が好ましい。
上記N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料の膜厚は、特に制限はないが、より適切な形状の凹部を形成できる点から、100nm〜50mmが、さらには200nm〜10mmが好ましい。なお、深くエッチングする場合は、厚く形成することが好ましい。
[工程(1B):光照射]
本発明では、前記工程(1A)の後、
(1B)前記太陽電池用シリコン基板に、N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料側から光照射する工程
を行う。この条件を適宜設定することにより、太陽電池用シリコン基板表面に所望の形状の凹部を形成することができる。
光照射する方法としては、例えば、可視光、紫外線、赤外線、X線、電子ビーム、イオンビーム、レーザービーム等を照射する方法が挙げられる。この際、太陽電池用シリコン基板全面に照射してもよいが、部分的に照射する場合は、マスクする方法も使用できる。また、プロジェクタ等を用いても、簡便に所望の箇所を照射することができる。これらの光のなかでも、可視光又は紫外線が好ましい。
なお、ここで、可視光とは波長が400〜800nm程度、紫外線とは波長が10〜400nm程度、赤外線とは波長が0.8〜25μm程度、X線とは波長が0.01〜70nm程度、電子ビームとは加速電圧が0.1〜200kV程度、イオンビームとは加速電圧が1kV〜200kV程度である。また、レーザービームは、光の照射範囲を正確かつ容易にコントロールできる点で優れており、パルス幅、出力、波長、発振方式及び媒体にこだわらず使用可能である。
なお、好ましい光照射条件は、目的とする凹部の形状によって異なり、詳しくは後述する。
[工程(1C):加熱]
本発明では、上記工程(1B)(光照射)を行う際に、同時又は別途、
(1C)太陽電池用シリコン基板を加熱する工程
を行ってもよい。ただし、上記工程(1B)(光照射)と同時に加熱するのが簡便である。
N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料と太陽電池用シリコン基板とを接触させた後、必要に応じて光照射しながら温度を融点以上に加熱すれば、溶媒を使用せずともN−F結合を有する有機化合物を液状化し、より容易にエッチング反応を促進させることができるため、より短時間で所望の形状の凹部を形成することができる。この際、構造の異なるN−F結合を有する有機化合物や、イオン液体、有機溶媒、有機酸塩、アミン塩等のN−F結合を有する有機化合物と相溶性を有する別の材料を混合させる等により融点を下げれば、加熱温度をより低くすることも可能である。また、溶媒を使用する場合には、温度を溶媒の沸点より高い温度に加熱すれば、溶媒を除去するとともに、より容易にエッチング反応を促進させることができるため、より短時間で所望の形状の凹部を形成することができる。
加熱方法としては特に制限はなく、従来から行われている方法を採用することができる。例えば、ホットプレート、ペルチェ素子、水浴、オイルバス、恒温槽、恒温恒湿槽、乾燥機、インキュベーター、加熱炉、電気炉、赤外線照射等を使用することができる。
なお、好ましい加熱条件は、目的とする凹部の形状によって異なり、詳しくは後述する。
上記方法でN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を太陽電池用シリコン基板に接触させた際、該材料が液状又は液状のものを含んでいる場合は、その後乾燥してもよい。乾燥条件は、使用するN−F結合を有する有機化合物により適宜調整すればよい。
また加熱によりN−F結合を有する有機化合物を液状化させた場合は、冷却により固化させてもよい。この場合、加熱はN−F結合を有する有機化合物の融点以上であればよく、冷却温度は凝固点以下であればよい。
7.第6の態様
本発明の第6の態様におけるシリコン基板は、少なくとも片面に、
(F)平均直径が1〜10μmであり、且つ、大きさがランダムである逆ピラミッド形状の凹部
が形成されたシリコン基板である。このシリコン基板は、N−F結合を有する有機化合物を用いたエッチングにおいて、意図的に光照射をせずとも、大きな逆ピラミッド形状の凹部を形成することができる。なお、この第6の態様における逆ピラミッド形状の凹部の側面には、上記第1〜5の態様で見られたような微細な孔や溝等は形成されない。なお、本態様では、光照射を積極的には行わないが、必ずしも暗室下で処理する必要はなく、例えば、蛍光灯の下で処理を行ってもよい。このため、照度を0.005W/cm以下、特に0.002W/cm以下として処理を行うことが好ましい。なお、照度は0W/cm(暗室)でもよい。
この凹部(F)は、基板の片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
凹部(F)は、より反射を低減するため、深さ(例えば、図1に示される逆ピラミッドにおける高さh)は400nm〜8μmが好ましく、2.4〜5.6μmがより好ましい。また、凹部の深さは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、より上記のような深さを有する凹部を形成するため、逆ピラミッド形状の凹部の平均直径は0.5〜10μm、好ましくは1〜7μmであり、さらに好ましくは3〜6μmである。この際形成される凹部は、ほぼ均一な大きさの凹部が形成されるのではなく、大きさがランダム(不揃い)な凹部が形成される。なお、凹部の平均直径とは、凹部を円状と見立てたときの平均直径を意味する。また、凹部の平均直径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
逆ピラミッド形状の凹部がシリコン基板の少なくとも片面上に隙間なく配列されれば、基板の少なくとも片面が逆ピラミッドの斜面によって構成されることとなり、斜面での反射光はほぼすべて、隣接する斜面へ再入射され、光を吸収しやすくなることから、光の利用効率は最大化されることとなる。つまり、基板の少なくとも片面に形成される逆ピラミッド形状の凹部は、できるだけ密に形成されることが好ましい。
本発明の第2の態様におけるシリコン基板においては、逆ピラミッド形状の凹部を密にすることができ、具体的には、本発明のシリコン基板の少なくとも片面には、表面1mmあたり1万〜1億個、好ましくは5万〜1千万個の逆ピラミッド形状の凹部が形成される。また、凹部の密度は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
また、上記のように、逆ピラミッド形状の凹部は、できるだけ密に形成されることが好ましいことから、ピッチ(最近接の逆ピラミッド形状の凹部の頂点同士の距離)は0.5〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましく、3〜6μmが特に好ましい。また、凹部のピッチは、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
8.第6の態様に係るシリコン基板の製造方法
本発明の第6の態様におけるシリコン基板は、第1〜5の態様において、光照射を行わないこと以外は同様に行うことができる。
つまり、本発明の第6の態様における基板は、例えば、
(2A)N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を、太陽電池用シリコン基板の少なくとも片面に接触させる工程
を備える製造方法により製造することができる。
N−F結合を有する有機化合物は、上記第1の態様と同様のものを使用することができる。好ましい具体例も同様である。
さらに、第1の態様と同様に、N−F結合を有する有機化合物と、これらと相溶性を有する第2の成分とを組み合わせて、機能を向上させることも好ましく採用される。例えば、イオン液体を加えることで、膜の粘度、均一性、塗布の容易さ、固体材料との濡れ性等の密着性等を調整することができる。イオン液体としては、上記第1の態様で説明したものと同様のものを使用できる。好ましい具体例も同様である。
また第2の成分として、N−F結合を有する有機化合物と相溶性の高い有機溶媒、高分子、オイル等を混合して用いてもよい。有機溶媒、高分子、オイルとしては、上記第1の態様で説明したものと同様のものを使用できる。好ましい具体例も同様である。
太陽電池用シリコン基板としては、上記第1の態様で説明したものと同様のものを使用できる。好ましい具体例や厚み等も同様である。
工程(2A)で太陽電池用シリコン基板に接触させたN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料中のN−F結合を有する有機化合物は、結晶、多結晶、アモルファス、液体のいずれでも用いることができるが、太陽電池用シリコン基板との反応を良好に進行させるためにはアモルファス又は液体であることが好ましい。ただし、固体のN−F結合を有する有機化合物であっても、上記した第二成分等を混合することにより融点を下げて液体状にすることができれば好ましく使用することができる。
ここで、N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を前記太陽電池用シリコン基板の表面に接触させる際には、N−F結合を有する有機化合物を、必要に応じて溶媒に溶解させ、前記太陽電池用シリコン基板の表面に塗布し、必要に応じて溶媒を除去することができる。
N−F結合を有する有機化合物として液状であるか、加熱等により液状化できるものを用いれば、太陽電池用シリコン基板の表面に容易に塗布することができる。
溶媒を使用する場合、特に制限されるわけではないが、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、メチルエチルケトン、t−ブチルメチルケトン、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、メチルスルホラン等が挙げられる。なかでも、N−F結合を有する有機化合物の溶解度が高い点から、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等が好ましい。
N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を、太陽電池用シリコン基板に接触させる方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、キャスト法、スピンコート法、浸漬法、スプレー法、インクジェット法又はドクターブレード法による塗布法や、液化させたN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料中に太陽電池用シリコン基板を含浸させることで実施することができる。塗布する場合では、太陽電池用シリコン基板の全面に塗布してもよいし、部分的にのみ塗布してもよい。太陽電池用シリコン基板の全面にN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を塗布すれば、太陽電池用シリコン基板の全面に凹部を形成することができるし、所望の箇所のみにN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を塗布し、所望の箇所のみに凹部を形成することもできる。なお、部分的に塗布する場合は、マスクをしてスプレーする方法又はインクジェット法で塗布する方法が好ましい。
上記N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料の膜厚は、特に制限はないが、より適切な形状の凹部を形成できる点から、100nm〜50mmが、さらには200nm〜10mmが好ましい。なお、深くエッチングする場合は、厚く形成することが好ましい。
[工程(2B):加熱]
本発明では、上記工程(1A)においてN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料と太陽電池用半導体基板とを接触させるとともに、
(2B)太陽電池用シリコン基板を加熱する工程
を行ってもよい。なお、本態様では、光照射は行わない。
N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料と太陽電池用シリコン基板とを接触させた後、必要に応じて光照射しながら温度を融点以上に加熱すれば、溶媒を使用せずともN−F結合を有する有機化合物を液状化し、より容易にエッチング反応を促進させることができるため、より短時間で所望の形状の凹部を形成することができる。この際、構造の異なるN−F結合を有する有機化合物や、イオン液体、有機溶媒、有機酸塩、アミン塩等のN−F結合を有する有機化合物と相溶性を有する別の材料を混合させる等により融点を下げれば、加熱温度をより低くすることも可能である。また、溶媒を使用する場合には、温度を溶媒の沸点より高い温度に加熱すれば、溶媒を除去するとともに、より容易にエッチング反応を促進させることができるため、より短時間で所望の形状の凹部を形成することができる。
このような観点から、N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料と太陽電池用半導体基板とを接触させた後、50〜200℃に加熱することが好ましく、100〜175℃に加熱することがより好ましい。
加熱方法としては特に制限はなく、従来から行われている方法を採用することができる。例えば、ホットプレート、ペルチェ素子、水浴、オイルバス、恒温槽、恒温恒湿槽、乾燥機、インキュベーター、加熱炉、電気炉、赤外線照射等を使用することができる。
上記方法でN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を太陽電池用シリコン基板に接触させた際、該材料が液状又は液状のものを含んでいる場合は、その後乾燥してもよい。乾燥条件は、使用するN−F結合を有する有機化合物により適宜調整すればよい。
また加熱によりN−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を液状化させた場合は、冷却により固化させてもよい。この場合、加熱はN−F結合を有する有機化合物の融点以上であればよく、冷却温度は凝固点以下であればよい。
この後、第1の態様と同様の方法で、
(2C)前記N−F結合を有する有機化合物を少なくとも1種含む材料を、太陽電池用シリコン基板との間の残渣とともに除去する工程
を行ってもよい。その方法は第1の態様にて挙げたものと同様である。
[好ましい光照射条件及び加熱条件]
上記の第1の態様〜第6の態様に係るシリコン基板の製造方法を採用することにより、太陽電池用シリコン基板を所望の形状にエッチングすることができる。その反応機構としては、太陽電池用シリコン基板中のシリコンからN−F結合を有する有機化合物への電子移動が起こり、界面でシリコンのフッ素化反応が進行し、生成されるシリコンフッ化物(SiF等)が除去されて、シリコン基板の該当箇所がエッチングされると考えられる。
なお、下記のエッチング形状は、エッチングの起点となり得るチッピングの傷があるためにエッチングしやすい太陽電池用シリコン基板を用いた場合に見られる形状である(シリコン基板としてチッピングの傷を有する太陽電池用シリコン基板を用いた場合には、当該傷を起点としてエッチングが反応しやすいので、より大きな凹部を簡便に形成することができる)。
シリコン基板をエッチングする際、表面に露出している面方位によって、形成されやすいエッチング痕が異なる。その概略を図7に示す。(100)面が露出している場合((100)面をエッチングした場合)は、図7に示されるように、逆ピラミッド形状の凹部が形成されやすい。また、(110)面が露出している場合((110)面をエッチングした場合)は、図7に示されているように、結晶面に沿って細長い溝が形成されやすい。一方、(111)面が露出している場合((111)面をエッチングした場合)は、図7に示されているように、三角形状の痕が形成された凹部が形成されやすい。
また、シリコン基板のエッチング深さ(エッチング速度;エッチングされやすさ)も、表面に露出している面方位によって異なる。シリコン基板の場合、一般的には、(100)面>(110)面>(111)面の順にエッチングされやすい。特に、(111)面は非常にエッチングされにくい。このため、本発明の方法でシリコン基板をエッチングした場合、(100)面、(110)面、(111)面の順にエッチングされることが多い。
(1)凹部(A)の形成
このため、通常(100)面に沿ってスライスされており、(100)面が露出している太陽電池用シリコン基板を用いてエッチングすると、まず最もエッチングされやすい(100)面がエッチングされ、逆ピラミッド形状の凹部が形成されるとともに(110)面が露出する。この際、(110)面も同時に若干エッチングされ、逆ピラミッド形状の凹部の側面には溝が形成される。この(110)面は、上下方向に結晶面が形成されるため、上下方向に伸びる溝が形成される。つまり、この時点では、上記説明した凹部(A)が形成される。よって、凹部(A)を構成する4つの側面は、いずれも(110)面であると考えられる。
(2)凹部(B)の形成
上記のように凹部(A)が形成された後もそのままエッチングを継続すると、(100)面の次にエッチングされやすい(110)面がエッチングされるとともに、(111)面が露出する。
ただし、上記のとおり、シリコンフッ化物が除去されることによりシリコン基板がエッチングされるが、凹部(A)が形成される際により深くエッチングされる凹部(A)の中央部(下部)付近では、シリコンフッ化物の気泡がより多く発生するため、その気泡が光を阻害して、照射強度が小さくなる。一方、凹部(A)が形成される際にあまり深くエッチングされない凹部(A)の端部(上部)では、シリコンフッ化物の気泡があまり発生しないため、気泡が光を阻害することなく、照射強度は小さくなりにくい。このため、凹部(A)が形成されたシリコン基板の(110)面が露出している箇所がすべて同様にエッチングされるわけではなく、凹部の端部(上部)に存在する(110)面が先にエッチングされやすい。このため、凹部(A)の中央部(下部)付近に露出している(110)面はほとんどエッチングされず、まず凹部(A)の端部(上部)付近に露出している(110)面がエッチングされ、この箇所に(111)面が露出する。この際、(111)面も同時に若干エッチングされ、三角形状の痕が形成された側面が形成される。つまり、この時点では、上記説明した凹部(B)が形成される。よって、凹部(B)は、図2のような形状に掘り込まれた凹部が形成されやすく、そのうち、略五角形の4個の側面は(110)面が露出しており、略三角形の4個の側面は(111)面が露出していると考えられる。
ただし、図2においては、逆ピラミッド形状の凹部の底面が有する4個の頂点近傍が同様にエッチングされた場合の形状について示しているが、必ずしもこれに限定されることはない。例えば、エッチングの進行度合いによって、逆ピラミッド形状の凹部の底面が有する4個の頂点のうち、1箇所のみがエッチングされれば5角錐形状、2箇所のみがエッチングされれば6角錐形状、3箇所のみがエッチングされれば7角錐形状となる。また、隣接する凹部の影響を受けて9角錐又はそれ以上の多角錐を形成することもある。
(3)凹部(C)の形成
上記のように凹部(B)が形成された後もそのままエッチングを継続すると、照射強度が小さくなる凹部の中央部(下部)付近に露出している(110)面も完全にエッチングされ、(111)面のみが露出するようになる。この際、(111)面も同時に若干エッチングされ、三角形状の痕が形成された側面が形成される。つまり、この時点では、上記説明した凹部(C)が形成される。よって、凹部(C)を構成する側面は、いずれも(111)面であると考えられる。
つまり、凹部(A)と凹部(C)とでは、凹部の全体的な形状は逆ピラミッド形状であり、類似しているが、露出している面が(110)面と(111)面で異なるため、凹部表面(凹部を逆四角錐形状と見立てた場合の側面)に形成される微細な痕が異なると考えられる。
(4)凹部(D)の形成
上記のとおり、本発明の方法によるエッチング方法を採用すれば、(100)面がエッチングされ、(110)面や(111)面の逆ピラミッド形状の凹部が形成されることにより、条件の違いで、凹部(A)、凹部(B)、凹部(C)の順に形成される。
しかしながら、フッ素化剤の種類とエッチング時の加熱温度(上記工程(1C)による加熱温度)を適宜設定した場合には、(110)面のエッチング速度と(111)面のエッチング速度とが、(100)面のエッチング速度に近づく。
このため、逆ピラミッド形状の凹部が形成される際には、表面に露出している(110)面と(111)面とが等方性エッチングされて、側辺があいまいで丸みを帯びた逆ピラミッド形状の凹部が形成される。この際、凹部が丸みを帯びることにより、凹部の下部表面は、もともとの(100)面が露出しているシリコン基板の表面とほぼ平行になり、(100)面が露出する。このため、凹部の下部表面には、(100)面が若干エッチングされて逆ピラミッド形状の孔が形成される。一方、凹部の上部表面では、上記(1)の凹部(A)が形成される際と同様に、(110)面が露出しており、この(110)面が若干エッチングされることにより、上下方向に伸びる溝が形成される。このため、高温で処理した場合には、凹部(A)ではなく凹部(D)が形成される。
(5)凹部(E)の形成
上記のとおり、本発明の方法によるエッチング方法を採用すれば、まず上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部が形成される。しかしながら、低温且つ短時間のエッチングを行う場合や、光照射強度が弱い場合のように、エッチング反応が進行しにくい条件下においては、逆ピラミッド形状の凹部が完全には形成されず、逆八角錐形状の凹部が形成される。ただし、逆八角錐形状の凹部のみでシリコン基板表面を占めることは困難であるため、隣接する凹部との関係によっては、底面が5以上の多角形(八角形以外)である逆多角錐形状の凹部も形成され得る。
以上から、エッチング条件を適宜設定することにより、所望の形状の凹部を有するシリコン基板を得ることができる。この際、他の凹部が形成されることもあり、複数の凹部が形成されたシリコン基板が得られることもある。
なお、各凹部を形成するための好ましい条件としては、例えば、
凹部(A):加熱温度80〜180℃
光照射強度0.005〜100W/cm
エッチング(照射及び加熱)時間1秒〜15分
凹部(B):加熱温度80〜180℃
光照射強度0.005〜100W/cm
エッチング(照射及び加熱)時間10分〜25分
凹部(C):加熱温度110〜200℃
光照射強度0.005〜100W/cm
エッチング(照射及び加熱)時間15分〜24時間
凹部(D):加熱温度110〜200℃
光照射強度0.005〜100W/cm
エッチング(照射及び加熱)時間20分〜24時間
凹部(E):加熱温度室温(25℃)〜150℃
光照射強度0.005〜100W/cm
エッチング(照射及び加熱)時間1秒〜60分
凹部(F):加熱温度室温(25℃)〜200℃
光照射強度0〜0.005W/cm
エッチング(照射及び加熱)時間1秒〜24時間
等が例示される。
特許文献1の方法では、シリコン基板として、鏡面処理が施されているLSI用シリコン基板を用いて、N−F結合を有する有機化合物によるエッチングを加熱下で行うことにより、小さな逆ピラミッド形状の凹部(大きさは20〜30nm程度)が形成されたシリコン基板が提供される。
一方、本発明では、エッチングの対象となるシリコン基板として、太陽電池用シリコン基板を使用する。太陽電池用シリコン基板は、通常、シリコンを遊離砥粒又は固定砥粒によりスライスされており、鏡面仕上げが施されていない。太陽電池用単結晶シリコン基板の場合は、通常シリコンを(100)面に沿ってスライスされている。このため、太陽電池用シリコン基板の表面には、鏡面処理が施されているLSI用シリコン基板とは異なり、チッピングの傷が存在する。このチッピングの傷は、エッチングの起点となり得、より大きい形状の凹部を形成することができる。
このように、特許文献1では小さな逆ピラミッド形状の凹部(大きさは20〜30nm程度)が形成されたが、本発明では大きな凹部(大きさは1μm以上)を形成することができるため、長波長域の光に対しても、反射率を低減することができると期待される。
9.その他用途等
このように、本発明によれば、地球温暖化を引き起こす環境負荷が高いガス類、又は反応性、毒性の高く危険なフッ素ガス、フッ酸を用いることなく、光反射防止に有効な種々の表面形状を有する基板を形成することができ、光閉じ込め及び/又は反射防止加工(テクスチャ構造形成)に特に有用であるため、目的とする反射率に応じて、様々な種類の太陽電池用シリコン基板を安全且つ簡便に製造することができる。
なお、太陽電池用シリコン基板の表面の光閉じ込め及び/又は反射防止加工(テクスチャ構造形成)において、そのテクスチャ形状により光利用効果が異なり、ピラミッド型より逆ピラミッド型の方が望ましいことが報告されている。テクスチャ形成において、ピラミッド構造はアルカリエッチングにより形成することが可能であるが、逆ピラミッド構造はマスクの使用が必要とされている。今回のように、エッチング試薬を用いた1工程での加工方法は、製造コスト削減の面で利点を有している。
本発明の太陽電池は、本発明のシリコン基板を備えており、その製造方法は特に制限はなく、公知の方法で製造することができる。例えば、以下に示す態様により、本発明の太陽電池を製造することができる。
第一の形態
まず、本発明のシリコン基板を裏面電極とする。次に、この裏面電極の凹凸の付いた表面の上に蒸着法、気相成長法等により半導体材料を製膜して、太陽電池を構成する。通常の太陽電池では、半導体材料の上に、さらに反射防止膜を形成するが、本発明では、反射防止膜を形成してもしなくてもよい。この方法は、半導体材料を蒸着法、気相成長法等により製膜する、多結晶シリコン、微結晶シリコン、アモルファスシリコン又は化合物半導体を用いた太陽電池の製造において有効な形態である。
半導体材料としては、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン、シリコンカーバイト(SiC)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガリウムアルミニウムヒ素、インジウムガリウムヒ素、インジウムリン、インジウムアンチモン、銅インジウムセレン、銅インジウムガリウムセレン、酸化インジウムスズ、カドミウムテルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、銅アルミニウムオキサイド、酸化スズ、窒化ガリウム、窒化アルミニウム等を使用できる。また、絶縁体としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム等の金属酸化物及びこれらのシリケート、二酸化ケイ素、石英等のシリコン酸化物、シリコン窒化物、サファイア等を使用できる。
第二の形態
まず、裏面電極として、絶縁材料又は電極材料を使用し、この裏面電極の上に、本発明のシリコン基板を形成する。裏面電極の上に本発明のシリコン基板を形成する際には、まず裏面電極の上に蒸着法、気相成長法等により半導体材料を製膜する。その後、本発明のシリコン基板を得る方法と同様の方法により、半導体材料をエッチングすることで、太陽電池を構成することができる。通常の太陽電池では、半導体材料の上に、さらに反射防止膜を形成するが、本発明では、反射防止膜を形成してもしなくてもよい。
ここにおいて、裏面電極としては、絶縁材料又は電極材料を使用することができる。絶縁材料としては酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム等の金属酸化物及びこれらのシリケート、二酸化ケイ素、石英等のシリコン酸化物、シリコン窒化物、サファイア等を用いることが出来るが、特に酸化ケイ素が好ましく用いられ、電極材料としては種々の半導体材料を用いることが出来るが、透明性の面で、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムスズ等が好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されない。
なお、以下の実施例において、N−F結合を有する有機化合物、基板及び照射光源としては、以下のものを使用した。なお、シリコン基板としては、特に断りのない限り、遊離砥粒でスライスしたシリコン基板(n型、面方位(100)、抵抗率:0.5〜3.5Ωcm、厚み200μm、微小なチッピングの傷を有する)を、洗浄等の前処理を行わずに使用した。
<N−F結合を有する有機化合物>
N−F結合を有する有機化合物(I):N−フルオロ−2−メチルピリジニウム テトラフルオロボレート(MEC−74;融点約140℃)
N−F結合を有する有機化合物(II):N−フルオロ−3−メチルピリジニウム テトラフルオロボレート(MEC−75;融点59℃)
N−F結合を有する有機化合物(III):N−フルオロ−4−メチルピリジニウム テトラフルオロボレート(MEC−76;融点66℃)
<照射光源>
キセノンランプ:浜松ホトニクス(株)製、高安定キセノンランプL2274型(出力150W、透過波長220〜2000nm、放射強度2μw/cm・nm−1)。
なお、使用したN−F結合を有する有機化合物は、MEC−75、MEC−76、MEC−74の順にフッ素化力が強いと考えられる。
[実施例A:凹部(A)を有するシリコン基板]
実施例A−1
<工程A:N−F結合を有する有機化合物の塗布>
N−F結合を有する有機化合物(I)(MEC−74)を150℃に加熱して溶解させ、太陽電池用シリコン基板上に、10μLを塗布した。
<工程B:基板の温度制御>
冷却機能付きのホットプレート(商品名:クールプレート;アズワン(株);型式:SCP125)上に工程Aで得たN−F結合を有する有機化合物(I)(MEC−74)を塗布した太陽電池用シリコン基板を載せ、プレート温度を150℃に設定した。温度センサーを用いて表面温度を測定し、実験中の温度が設定通りであることを確認した。
<工程C:光照射の有無>
工程Bで所定の表面温度に調整している太陽電池用シリコン基板に、N−F結合を有する有機化合物(I)の側からキセノンランプ(露光波長220〜2000nm、露光強度4W/cm)を10分間照射した。
<工程D:N−F結合を有する有機化合物及びその分解物を含む材料の除去>
太陽電池用シリコン基板上のN−F結合を有する有機化合物(I)及びその分解物を含む材料を、アセトニトリル中に漬けて、20秒間超音波洗浄して除去した。さらに残った残渣をアセトン中に漬けて、20秒間超音波洗浄して除去した。
<工程E:エッチング評価>
工程Dで得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図8に示す。
実施例A−2
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Bでホットプレート温度を125℃に設定し、工程Cでキセノンランプの露光強度を5W/cmとすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られたシリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図9に示す。
実施例A−3
工程Cにおいて、照射時間を15分にすること以外は実施例A−1と同様の処理を行った。また、実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図10に示す。
[実施例B:凹部(B)を有するシリコン基板]
実施例B−1
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Bでホットプレート温度を125℃に設定し、工程Cでキセノンランプの露光強度を5W/cmとし、照射時間を15分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また、実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図11に示す。
[実施例C:凹部(C)を有するシリコン基板]
実施例C−1
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Bでホットプレート温度を125℃に設定し、工程Cでキセノンランプの露光強度を5W/cmとし、照射時間を30分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図12に示す。
実施例C−2
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Bでホットプレート温度を100℃に設定し、工程Cでキセノンランプの露光強度を5W/cmとし、照射時間を60分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図13に示す。
実施例C−3
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Bでホットプレート温度を100℃に設定し、工程Cでキセノンランプの露光強度を5W/cmとし、照射時間を40分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られたシリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図14に示す。
実施例C−4
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Bでホットプレート温度を100℃に設定し、工程Cでキセノンランプの照射時間を60分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図15に示す。
実施例C−5
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(III)(MEC−76)を用い、工程Bでホットプレート温度を100℃に設定し、工程Cでキセノンランプの照射時間を60分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図16に示す。
実施例C−6
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)とN−F結合を有する有機化合物(III)(MEC−76)とを1:1(モル比)に混合して用い、工程Bでホットプレート温度を100℃に設定し、工程Cでキセノンランプの照射時間を60分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図17に示す。
実施例C−7
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(I)(MEC−74)とN−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)とを1:1(モル比)に混合して用い、工程Bでホットプレート温度を100℃に設定し、工程Cでキセノンランプの照射時間を60分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図18に示す。
実施例C−8
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(I)(MEC−74)とN−F結合を有する有機化合物(III)(MEC−76)を1:1(モル比)に混合して用い、工程Bでホットプレート温度を100℃に設定し、工程Cでキセノンランプの照射時間を60分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図19に示す。
[実施例D:凹部(D)を有するシリコン基板]
実施例D−1
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Cで照射時間を30分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図20に示す。
実施例D−2
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Cで照射時間を10分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また、実施例A−1と同様に後処理を行い、得られたシリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図21に示す。
実施例D−3
工程Cで白色LEDを用いて露光強度を1.0W/cmとし、照射時間を15分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また、実施例A−1と同様に後処理を行い、得られたシリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図22に示す。
実施例D−4
固定吐粒でスライスしたシリコン基板(n型、面方位(100)、抵抗率:0.5〜3.5Ωcm、厚み200μm、微小なチッピングの傷を有する)を用いて、工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用いること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図23に示す。
実施例D−5
固定吐粒でスライスしたシリコン基板(n型、面方位(100)、抵抗率:0.5〜3.5Ωcm、厚み200μm、微小なチッピングの傷を有する)を用いて、工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、照射時間を15分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図24に示す。
[実施例E:凹部(E)を有するシリコン基板]
実施例E−1
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Bでホットプレート温度を100℃に設定し、工程Cでハロゲンランプを用いて露光強度を4W/cmとし、照射時間を20分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図25に示す。
実施例E−2
工程Cで赤色LED(波長620〜630nm)を用いて露光強度を0.3W/cmとし、照射時間を15分とすること以外は実施例A−1と同様の処理を行った。また、実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図26に示す。
実施例E−3
工程Cで黄色LED(波長587nm)を用いて露光強度を0.1W/cmとし、照射時間を15分とすること以外は実施例A−1と同様の処理を行った。また、実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図27に示す。
実施例E−4
工程Cで緑色LED(波長522nm)を用いて露光強度を0.1W/cmとし、照射時間を15分とすること以外は実施例A−1と同様の処理を行った。また、実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図28に示す。
実施例E−5
工程Cで緑色LED(波長522nm)を用いて露光強度を0.24W/cmとし、照射時間を15分とすること以外は実施例A−1と同様の処理を行った。また、実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図29に示す。
実施例E−6
工程Cで白色LEDを用いて露光強度を0.1W/cmとすること以外は実施例A−1と同様の処理を行った。また、実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図30に示す。
実施例E−7
工程Cで青色LEDを用いて露光強度を0.4W/cmとし、照射時間を15分とすること以外は実施例A−1と同様の処理を行った。また、実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図31に示す。
[実施例F:凹部(F)を有するシリコン基板]
実施例F−1
工程Cで光照射を行わず10分間エッチングを行うこと以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図32に示す。
実施例F−2
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Cで光照射を行わず15分間エッチングを行うこと以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られた太陽電池用シリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図33に示す。
[実施例G:複数の凹部(凹部(A)〜(C)のうち2つ以上)を有するシリコン基板]
実施例G−1
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)を用い、工程Bでホットプレート温度を125℃に設定し、工程Cでキセノンランプの露光強度を5W/cmとし、照射時間を30分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られたシリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図34に示す。
実施例G−2
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(I)(MEC−74)とN−F結合を有する有機化合物(II)(MEC−75)の1:1の混合物を用い、工程Bでホットプレート温度を100℃に設定し、工程Cで照射時間を60分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られたシリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図35に示す。
実施例G−3
工程AでN−F結合を有する有機化合物として、N−F結合を有する有機化合物(I)(MEC−74)とN−F結合を有する有機化合物(III)(MEC−76)の1:1の混合物を用い、工程Bでホットプレート温度を100℃に設定し、工程Cで照射時間を60分とすること以外は、実施例A−1と同様の処理を行った。また実施例A−1と同様に後処理を行い、得られたシリコン基板を走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S-4800)により表面を計測した。結果を図36に示す。
実験例:反射率
反射率の測定には、反射率測定装置(大塚電子(株)製)を用いた。反射率測定装置のシステムブロック図を図37に示す。検出器は、超高感度瞬間マルチ側光システムMCPD−9800(大塚電子(株)製)を使用し、ハロゲンランプからの測定光を投光ファイバーでサンプル上に照射、反射光を積分球で受け分光し、反射率スペクトルを取得した。なお、サンプルとしては、実施例G−1、実施例C−2、実施例C−5、実施例C−6、実施例G−2、及び実施例G−3で得たサンプルを用いた。結果を図38〜43にそれぞれ示す。なお、各図においては、いずれも、上線はエッチング処理されていないシリコン基板、中線は従来の方法で逆ピラミッド形状の凹部が形成されたシリコン基板、下線は本発明の実施例で得られたシリコン基板である。いずれにしても、本発明の方法で製造されたシリコン基板は、逆ピラミッド形状の凹部が形成された現行品のシリコン基板と比較しても、さらに反射率を低減することができた。

Claims (11)

  1. 少なくとも片面に、
    (A)上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部
    が形成された、シリコン基板。
  2. 少なくとも片面に、
    (B)上下方向に伸びる溝が形成された側面と、
    横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とを有する、底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部
    が形成された、シリコン基板。
  3. 少なくとも片面に、
    (C)横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を有する逆ピラミッド形状の凹部
    が形成された、シリコン基板。
  4. 少なくとも片面に、
    (D)逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部
    が形成された、シリコン基板。
  5. 前記(D)の凹部において、前記逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面には、下部に逆ピラミッド形状の孔が形成され、上部に上下方向に伸びる溝が形成された、請求項4に記載のシリコン基板。
  6. 少なくとも片面に、
    (E)底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部
    が形成された、シリコン基板。
  7. 少なくとも片面に、
    (F)平均直径が1〜10μmであり、且つ、大きさがランダムである逆ピラミッド形状の凹部
    が形成されている、シリコン基板。
  8. 少なくとも片面に、
    (A)上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、
    (B)上下方向に伸びる溝が形成された側面と、
    横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とを有する、底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部、
    (C)横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、
    (D)逆ピラミッド形状の孔及び上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、
    (E)底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部、及び
    (F)平均直径が1〜10μmであり、且つ、大きさがランダムである逆ピラミッド形状の凹部
    の少なくとも2種以上を有する、シリコン基板。
  9. 少なくとも片面に、
    (A)上下方向に伸びる溝が形成された側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、
    (B)上下方向に伸びる溝が形成された側面と、
    横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面とを有する、底面が5以上の多角形である逆多角錐形状の凹部、
    (C)横方向の筋が形成された多段構造、V字状の筋が形成された多段構造、及び三角形の孔の少なくとも1つを有する側面を有する逆ピラミッド形状の凹部、及び
    (F)平均直径が1〜10μmであり、且つ、大きさがランダムである逆ピラミッド形状の凹部
    の少なくとも2種以上を有する、シリコン基板。
  10. 太陽電池用シリコン基板である、請求項1〜9のいずれかに記載のシリコン基板。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のシリコン基板を備える太陽電池。
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