JP2015163750A - 配管システムの施工方法および配管システム - Google Patents

配管システムの施工方法および配管システム Download PDF

Info

Publication number
JP2015163750A
JP2015163750A JP2014039389A JP2014039389A JP2015163750A JP 2015163750 A JP2015163750 A JP 2015163750A JP 2014039389 A JP2014039389 A JP 2014039389A JP 2014039389 A JP2014039389 A JP 2014039389A JP 2015163750 A JP2015163750 A JP 2015163750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piping system
piping
hole
cured product
floor slab
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014039389A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6325283B2 (ja
Inventor
秀行 丸山
Hideyuki Maruyama
秀行 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2014039389A priority Critical patent/JP6325283B2/ja
Publication of JP2015163750A publication Critical patent/JP2015163750A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6325283B2 publication Critical patent/JP6325283B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Domestic Plumbing Installations (AREA)

Abstract

【課題】複数の配管を貫通させた床スラブの貫通穴を穴埋めするときに硬化材料の漏れ出しが抑制される配管システムの施工方法と、硬化材料の漏れ出しを抑制しつつ施工可能な配管システムとを提供する。
【解決手段】本発明の配管システムの施工方法は、床スラブ1の貫通穴1aの内側に複数の配管4が硬化材料Mを用いて固定された配管システムの施工方法であって、複数の配管貫通穴3aが形成された硬化物3を用い、少なくとも複数の配管貫通穴3aのそれぞれに配管4の1つずつ貫通させた状態で、複数の配管4を、硬化物3とともに貫通穴1aの内側に配置する工程と、貫通穴1aの内側に硬化材料Mを充填する工程と、スラブ1に、硬化物3を受ける受け部材2を取り付ける工程を有する。また本発明の配管システムは、スラブ1と、複数の配管4と、硬化物3と、複数の配管4を硬化物3とともに貫通穴1aの内側に固定する固定部材6とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、配管システムの施工方法および配管システムに関するものである。
従来の配管システムの施工方法には、スラブに形成されたスリーブ穴に配管を貫通させた状態で当該スリーブ穴を穴埋めするときに、シート状の補修用補助材を用いるものがある(例えば、特許文献1参照)。この技術は、前記補修用補助材に形成された穴に前記配管を通して前記スリーブ穴の下面側を塞ぐことで、当該スリーブ穴の上面側からのモルタルの埋戻しを可能にするものである。
特公平4−38862号公報 特開2001−256557号公報
一方、サイホン排水システム等では、スラブに複数の配管をまとめて貫通させる場合もある。しかしながら、スラブに複数の配管を貫通させて穴埋めする場合、上記補修用補助材の前記穴には複数の配管が貫通するため、各配管の相互間に形成される隙間からモルタルが漏れ出す虞がある。
そこで、本発明の目的は、複数の配管を貫通させた床スラブの貫通穴を穴埋めするときに、硬化材料の漏れ出しが抑制される配管システムの施工方法、および、複数の配管を貫通させた床スラブの貫通穴を穴埋めするときに、硬化材料の漏れ出しを抑制しつつ施工可能な配管システムを提供することにある。
本発明の配管システムの施工方法は、床スラブに形成された貫通穴の内側に複数の配管が硬化材料を用いて固定された配管システムの施工方法であって、
複数の配管貫通穴が形成された硬化物を用い、少なくとも複数の前記配管貫通穴のそれぞれに前記複数の配管を1つずつ貫通させた状態で、前記複数の配管を前記硬化物とともに前記床スラブに形成した前記貫通穴の内側に配置する工程と、
前記床スラブに形成した前記貫通穴の内側に前記硬化材料を充填する工程と、
前記床スラブに、前記硬化物を受ける受け部材を取り付ける工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の配管システムの施工方法によれば、複数の配管を貫通させた床スラブの前記貫通穴を穴埋めするときに、硬化材料の漏れ出しを抑制することができる。
本発明の配管システムの施工方法は、前記硬化材料は、不燃性材料であることが好ましい。
この場合、耐火性に優れて施工跡も目立ち難い配管システムを施工できる。
また、本発明の配管システムの施工方法は、前記硬化物は、不燃性材料で形成されたものあることが好ましい。
この場合、耐火性に優れて施工跡も目立ち難い配管システムを施工できる。
本発明の配管システムの施工方法において、前記硬化材料および前記硬化物を形成する材料は、モルタルであることが好ましい。
前記モルタルを前記硬化材料として使用する場合、流動性に優れて埋め戻しに最適である。また、前記硬化物を形成する材料として前記モルタルを使用する場合、流動性に優れるため、製造を容易に行うことができる。
本発明の配管システムの施工方法において、前記配管の周囲に、熱膨張性耐火部材を配置する工程を有することが好ましい。
この場合、火災時に前記配管貫通穴からの延焼を防止できる配管システムを施工できる。
本発明の配管システムは、貫通穴が形成された床スラブと、複数の配管と、前記複数の配管を1つずつ貫通させる複数の配管貫通穴が少なくとも前記配管の個数分、複数形成された硬化物と、前記複数の配管を前記硬化物とともに前記床スラブに形成した前記貫通穴の内側に固定する固定部材とを有することを特徴とする。
本発明の配管システムによれば、複数の配管を貫通させた床スラブの前記貫通穴を穴埋めするときに前記配管の相互間に形成された隙間からの硬化材料の漏れ出し抑制しつつ施工可能となる。
本発明の配管システムは、前記床スラブに、前記硬化物を受ける受け部材を有することが好ましい。
この場合、複数の配管を貫通させた床スラブの前記貫通穴を穴埋めするときに前記床スラブと前記硬化物との間に形成された隙間からの硬化材料の漏れ出しを抑制しつつ施工可能となる。
また、本発明の配管システムは、前記硬化物を形成する材料は、不燃性材料であることが好ましい。
この場合、耐火性に優れて施工跡も目立ち難く施工可能となる。
また、本発明の配管システムは、前記固定部材を形成する材料は、不燃性材料であることが好ましい。
この場合、耐火性に優れて施工跡も目立ち難く施工可能となる。
本発明の配管システムにおいて、前記硬化物を形成する材料および前記固定部材を形成する材料は、モルタルであることが好ましい。
この場合、前記硬化物を形成する材料がモルタルである場合、当該硬化物の容易な製造が可能となる。また、前記固定部材を形成する材料がモルタルである場合、流動性に優れるため、最適な埋め戻しが可能となる。
本発明の配管システムは、前記配管の周囲に、熱膨張性耐火部材を配置したものであることが好ましい。
この場合、前記配管貫通穴からの延焼を防止できる。
本発明によれば、複数の配管を貫通させた床スラブの貫通穴を穴埋めするときに、硬化材料の漏れ出しが抑制される配管システムの施工方法、および、複数の配管を貫通させた床スラブの貫通穴を穴埋めするときに、硬化材料の漏れ出しを抑制しつつ施工可能な配管システムを提供することができる。
本発明の一実施形態である、配管システムの施工方法に係る、複数の工程のうち、床スラブに受け部材を取り付ける工程を説明する模式断面図および、同施工方法に係る受け部材を上方から模式的に示す平面図である。 図1の実施形態に係る、複数の工程のうち、複数のサイホン排水管それぞれを、硬化物のそれぞれの配管貫通穴に貫通させた状態で、床スラブに形成された貫通穴の内側に硬化物とともに配置する工程を説明するための模式断面図および、同施工方法に係る硬化物を上方から模式的に示す平面図である。 図1の実施形態に係る、複数の工程のうち、複数のサイホン排水管それぞれを、硬化物のそれぞれの配管貫通穴に貫通させた状態で、床スラブに形成された貫通穴の内側に硬化物とともに配置する工程と、前記貫通穴の内側に硬化材料を充填する工程とを説明するための模式断面図である。 図1〜図3の各工程を経て施工された、本発明の一実施形態である、配管システムを示す模式断面図である。 図4の配管システムに係る、熱膨張性耐火部材の機能を説明するための模式断面図であって、(a)は、火災発生前(加熱前)の、配管、熱膨張性耐火部材および硬化物の関係を示し、(b)は、火災発生(加熱)から一定の時間が経過した後の、配管、熱膨張性耐火部材および硬化物の関係を示し、(c)は、火災発生(加熱)からさらに一定の時間が経過した後の、配管、熱膨張性耐火部材および硬化物の関係を示す。 従来の施工方法を用いて配管システムを施工したときに生じる1つの問題を説明するための模式断面図であり、(b)は、同従来施工方法を用いて配管システムを施工したときに生じる他の問題を説明するための模式断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る、配管システムの施工方法および配管システムを詳細に説明する。
<配管システムの施工方法>
本発明に係る配管システムの施工方法は、主として複数階で構成された集合住宅などに用いられる。本実施形態では、サイホン力を使用して、集合住宅の各階の排水を下方に流す排水システムを例に、本実施形態の配管システムの施工方法を説明する。なお、以下の説明において、上下方向とは重力方向を意味し、図面上下方向を示す。
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る配管システムの施工方法において、床スラブ1に、後述する受け部材2を取り付ける工程を説明する。
図1において、符号1は、集合住宅の各階を上下に区画する床スラブである。床スラブ1には、床スラブ1を上下に貫通する貫通穴1aが形成されている。本実施形態では、貫通穴1aは、直径φ1の丸穴として形成されている。ただし、貫通穴1aは丸穴に限定されるものではなく、例えば、角穴など、使用状況に応じて適宜変更することができる。
符号2は、床スラブ1に取り付けられる受け部材である。受け部材2は、床スラブ1に形成された貫通穴1aの直径φ1よりも大きな表面積を有し、当該貫通穴1aを閉じることができる。また受け部材2には、貫通穴1aの直径φ1よりも小さな直径φ2の開口部2aが形成されている。直径φ2は、後述するサイホン排水管4の竪管4aの外径(直径)φ4と同一またはそれよりも小径に形成されている。なお、本実施形態では、受け部材2には2つの開口部2aが形成されているが、これに限定されるものではない。開口部2aの個数は、必要とされる配管の個数に対応させた個数とすることができる。受け部材2は、例えば、アルミニウムシートからなり、その上面2fには、床スラブ1に形成された貫通穴1aを取り囲むように、例えば、防水性を有する接着剤を有する。
これにより、施工者は、第1の工程として、図1の断面図に示すように、床スラブ1の下面1fに受け部材2を取り付けることができる。なお、受け部材2は、アルミニウムシートなどの防水性を有するものが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、受け部材2には、木材などを使用できる。また受け部材2の取り付け方法も、接着に限定されるものではなく、例えば、ねじ止め等の機械的な手段を用いた取り付け方法も採用することができる。
次に、図2および図3を参照して、後述する複数の配管貫通穴3aが形成された硬化物3を用い、配管貫通穴3aのうちの、少なくとも複数の配管貫通穴3aのそれぞれに、同じく後述する複数のサイホン排水管4の竪管4aを1つずつ貫通させた状態で、これら全てのサイホン排水管4を、硬化物3とともに貫通穴1aの内側に配置する工程を説明する。
先ず図2中、符号3は、硬化材料Mで形成された硬化物、すなわち、硬化材料Mを予め硬化させて形成した硬化物である。硬化材料Mとしては、例えば、不燃性材料としての、金属材料、セメント系材料が挙げられる。セメント系材料としては、例えば、コンクリート、モルタル、セメントペースト(ノロ)が挙げられる。本実施形態では、例示的に、セメント系材料としてモルタルを選択し、硬化物3をモルタルで形成する。
硬化物3は、図2の断面図に示すように、床スラブ1に形成された1つの貫通穴1aの内側に配置される。本実施形態では、硬化物3は、図2の平面図に示すように、貫通穴1aの直径よりも小さな直径φ3の円柱形である。ただし、硬化物3は円柱形に限定されるものではなく、例えば、角柱形など、使用状況に応じて適宜変更することができる。また硬化物3には、図2の断面図に示すように、硬化物3を上下に貫通する複数の配管貫通穴3a(図面では例示的に1つの符号のみ表示)が形成されている。本実施形態では、配管貫通穴3aの個数は、受け部材2の開口部2aよりも多いが、受け部材2の開口部2aに対応させて同じ個数とすることもできる。配管貫通穴3aは、直径φ3aの丸穴として形成されている。ただし、配管貫通穴3aは丸穴に限定されるものではなく、例えば、角穴など、後述するサイホン排水管4の外観形状に応じて適宜変更することができる。また本実施形態では、配管貫通穴3aの直径φ3aは、後述するサイホン排水管4の竪管4aを配管貫通穴3aの内側で保持できる寸法であればよい。例えば、後述する熱膨張性耐火部材5を配置するため、受け部材2の開口部2aよりも大径に形成することもできる。
施工者は、第2の工程として、図2の断面図に示すように、1つの貫通穴1aの内側に硬化物3を配置することができる。本実施形態では、硬化物3は、その下面3fを受け部材2の上面2fに載せ置くことで、1つの貫通穴1aの内側に配置される。本実施形態では、硬化物3の外径φ3は、受け部材2の開口部2aの直径φ2よりも大きい。これにより、硬化物3を受け部材2に載せ置いても、受け部材2の開口部2aから脱落することがない。
次いで、図3中、符号4は、サイホン排水管(配管)である。サイホン排水管4は、竪管4aと、当該竪管4aに繋がる横引き管4bとで形成されている。本実施形態の配管システムの施工方法では、竪管4aの周囲に、熱膨張性耐火部材5を配置する工程を有する。熱膨張性耐火部材5は、一定以上の温度で加熱することにより、その体積を増大させるものである。熱膨張性耐火部材5は、好適には、図3に示すように、サイホン排水管4の竪管4aを硬化物3の配管貫通穴3aに貫通させたとき、サイホン排水管4の竪管4aのうち、硬化物3(の配管貫通穴3a)よりも上側に位置することが好ましい。ただし、熱膨張性耐火部材5の配置はこれに限定されるものではなく、少なくとも、後述のようにサイホン排水管4を破壊して配管貫通穴3aを密封できる位置であればよい。このため、少なくとも図3に示すように、硬化物3よりも外側の位置になるように配置できることは勿論、配管貫通穴3aの内側の位置となるように配置することもできる。この工程は、上記第2の工程と以下に述べる第3の工程との間に、または、第2の工程とは別にもしくは同時に、すなわち、少なくとも、サイホン排水管4を硬化物3に配置する前に行うことができる。
また施工者は、第3の工程として、硬化物3の配管貫通穴3aにそれぞれ、1つのサイホン排水管4を貫通させて、複数のサイホン排水管4を硬化物3に保持させることができる。本実施形態では、サイホン排水管4は、熱膨張性耐火部材5で取り囲まれた竪管4aを差込むことにより硬化物3の配管貫通穴3aに貫通させる。なお、このとき、硬化物3を貫通して硬化物3の下面3fから突出した竪管4aは、図3に示すように、受け部材2に形成された開口部2aを通って、床スラブ1の下面1fから突出させることができる。
このように、上記第2の工程と第3の工程を実行すれば、施工者は、図3に示すように、配管貫通穴3aのうちの、少なくとも複数の配管貫通穴3aのそれぞれに、全てのサイホン排水管4を1つずつ貫通させた状態で、これら全てのサイホン排水管4を硬化物3とともに、貫通穴1aの内側に配置する工程を実行できる。これにより、複数のサイホン排水管4の堅管4aはそれぞれ、床スラブ1を上下方向に貫通して上階および下階に突出させた状態に配管される。なお、第2および第3の工程は、予め複数のサイホン排水管4の堅管4aを硬化物3に貫通させることでユニット化しておき、このユニット化された硬化物3およびサイホン排水管4を、床スラブ1に形成された貫通穴1aの内側に配置することで実行することもできる。この場合、貫通穴1aの内側に、複数のサイホン排水管4の堅管4aを容易にセットすることができる。
次に、図3を参照して、床スラブ1に形成された貫通穴1aの内側に硬化材料Mを充填する第4の工程を説明する。硬化物3を用いて貫通穴1aの内側に、複数のサイホン排水管4をセットしたのちは、床スラブ1の上側から貫通穴1aの内側に硬化材料Mを充填する。硬化材料Mとしては、例えば、硬化物3と同様、不燃性材料としての、金属材料、セメント系材料が挙げられる。セメント系材料としては、硬化物3と同様、例えば、コンクリート、モルタル、ノロが挙げられる。充填される硬化材料Mを不燃性材料とした場合、熱膨張性耐火部材5とともに、床スラブ1を境界として上下に分けられた2つの区画(本明細書中では、部屋などの「空間」を意味するものとする)をそれぞれ、防火区画(本明細書中では、他の区画に延焼が及ばないように対策が施された「区画」を意味するものとする)とすることができる。この場合、床スラブ1の貫通穴1aは、2つの防火区画を通じさせる区画貫通穴となる。本実施形態では、例示的に、防火区画を想定し、硬化材料Mとして、硬化物3と同材質のモルタルを選択する。硬化物3の材料と、貫通穴1aに充填する材料とは、硬化したときの境界が目立ち難く、外観上好ましいので、同一であることが好ましく、特に、双方がモルタルの場合、表面が粗くならないのでより好ましい。ただし、硬化物3の材料と、貫通穴1aに充填する材料とは、異なっていてもよい。
竪管4aが隣り合って、竪管4aの相互間に図3に示すような隙間S1が形成される場合、こうした隙間S1では、図6(a)に示す従来例のように、硬化材料Mが確実に行き渡らない虞がある。そこで、水分量等を増やすことで硬化材料Mの流動性を向上させる方法も考えられるが、硬化材料Mの流動性が高まることで、図6(b)に示すように、硬化材料Mが開口部2aから漏れ出す虞がある。
特に、シート状の受け部材2に複数の開口部2aを形成するだけで対処しようとする場合、シート部材の強度は一般的に弱いため、硬化材料Mが硬化する前においては不意に竪管4aがずれ、シート部材が破損して硬化材料Mが漏れ出す虞がある。
これに対し、図1〜3に示した、本実施形態の配管システムの施工方法によれば、特に図3に示すように、竪管4aの一部が硬化物3の配管貫通穴3aの内側に保持されるため、複数の竪管4aを貫通させた床スラブ1の貫通穴1aを硬化物Mで穴埋めするときに、硬化材料Mが確実に行き渡るように流動性を高めても、竪管4aの相互間に形成された隙間S1からの硬化材料Mの漏れ出しを抑制することができる。また、本実施形態の施工方法のように、竪管4aの一部を硬化物3の配管貫通穴3aの内側で保持すれば、各竪管4aの動きを拘束することができるため、配管作業が行い易くなるという利点もある。
また、本実施形態の施工方法では、上述のとおり、床スラブ1に、硬化物3を受ける受け部材2を取り付ける工程を有する。この場合、床スラブ1の貫通穴1aの下側開口部が受け部材2により閉じられることで、硬化物3が貫通穴1aの内側で受け部材2によって保持されるため、貫通穴1aを穴埋めするときに、床スラブ1と硬化物3との間に形成された隙間S2(図3参照)からの硬化材料Mの漏れ出しを、容易に抑制することができる。なお、本実施形態では、利用しない硬化物3の配管貫通穴3aは、その下端開口部が受け部材2によって閉じられている。このため、硬化物3に不要な配管貫通穴3aが存在しても機能上問題ない。また使用しない配管貫通穴3aを予め封しておくことも可能である。また、受け部材2の開口部2aと硬化物3の配管貫通穴3aとを同数にして、一対一対応にすることも可能である。
また、本実施形態の施工方法のように、硬化材料Mおよび硬化物3を形成する材料をそれぞれ、不燃性材料とすれば、それぞれ、耐火性に優れて施工跡も目立ち難い配管システムを施工できる。特に、本実施形態の施工方法のように、充填される硬化材料Mとしてモルタルを使用する場合、流動性に優れて埋め戻しに最適である。また、本実施形態の施工方法のように、硬化物3を形成する材料としてモルタルを使用する場合、流動性に優れるため、硬化物3を製造し易い。
なお、受け部材2は、枠部材として構成し、硬化物3を脱落させないようにすることも可能である。また本実施形態のように、受け部材2を用いれば、施工時に簡単に漏れを防止することができるが、例えば、硬化物3を貫通穴1aに対して嵌合または接着することにより、受け部材2を用いることなく施工することも可能である。
また、本実施形態の施工方法では、上述のとおり、竪管4aの周囲に、熱膨張性耐火部材5を配置する工程を有する。この場合、火災時に配管貫通穴3aからの延焼を防止できる配管システムを施工できる。なお、本実施形態の施工方法では図3に示すように、熱膨張性耐火部材5は、床スラブ1の上面から突出するように配置されている。この場合、硬化材料Mが硬化して竪管4aとともに硬化物3を固定したのちも、熱膨張性耐火部材5を、後述する固定部材6の外部から視認することができる。
<配管システム>
図4は、本発明の一実施形態である、配管システムである。本実施形態に係る、配管システムは、上記施工方法を用いて施工されたものである。したがって、以下の説明において、図1〜4に記載された部材および材料と実質的に同一の部分は、同一の符号をもって、その説明を省略する。本実施形態に係る、配管システムは、貫通穴1aが形成された床スラブ1と、複数のサイホン排水管4と、これらのサイホン排水管4を1つずつ貫通させる複数の配管貫通穴3aが少なくともサイホン排水管4の個数分、複数形成された硬化物3と、複数のサイホン排水管4を硬化物3とともに貫通穴1aの内側に固定する固定部材6とを有する。固定部材6は、床スラブ1の貫通穴1aの上側から充填された硬化材料Mからなり、この硬化材料Mが硬化したものである。また、図4に示すように、熱膨張性耐火部材5も、その一部が固定部材6から突出することで外部から視認することができる。
なお、建物の利用者から視認される可能性のある位置等に配置されることを考慮して、図4の状態から、受け部材2を剥ぎ取ることで、施工後に、受け部材2だけを取り除いてもよい。
本実施形態の配管システムによれば、複数のサイホン排水管4の竪管4aを貫通させた床スラブ1の貫通穴1aを穴埋めするときに、竪管4aの相互間に形成された隙間S1からの硬化材料の漏れ出し抑制しつつ施工可能となる。
また、本実施形態の配管システムは、床スラブ1に、硬化物3を受ける受け部材2を有することにより、床スラブ1と硬化物3との間に形成された隙間S2からの硬化材料Mの漏れ出しを、容易に抑制しつつ施工可能である。
また、本実施形態の配管システムは、硬化物3および固定部材6がそれぞれ、不燃性材料で形成されたものであるため、いずれも、耐火性に優れて施工跡も目立ち難く施工可能となる。特に、本実施形態の配管システムは、硬化物3および固定部材6がそれぞれ、セメント系材料、特にはモルタルで形成されたものであるため、硬化物3にあっては、容易な製造が可能となり、また、固定部材6にあっては、流動性に優れるため、最適な埋め戻しが可能となる。さらに、本実施形態の配管システムは、硬化物3を形成する硬化材料Mと、貫通穴1aの内側に充填される硬化材料Mとが同質のものであるため、硬化物3がさらに目立ち難いものになり、外観に優れる。
また、本実施形態の配管システムは、サイホン排水管4の竪管4aの周囲に、熱膨張性耐火部材5を配置したため、火災時に配管貫通穴3aからの延焼を防止できる。
ここで、図5(a)〜(c)を参照して、熱膨張性耐火部材5の機能について説明する。
図3に示した例では、図5(a)に示すように、火災発生前(加熱前)では、熱膨張性耐火部材5は、サイホン排水管4の竪管4aと硬化物3に形成された配管貫通穴3aを形成する内周面との間に配置されている。このとき、火災(加熱)が発生して一定の時間が経過すると、図5(b)に示すように、熱膨張性耐火部材5は、配管貫通穴3aの内側で膨張してサイホン排水管4の竪管4aの周りをその外側から押し潰し始める。火災(加熱)が発生してさらに一定の時間が経過すると、図5(c)に示すように、配管貫通穴3aの内側で膨張した熱膨張性耐火部材5がサイホン排水管4の竪管4aを押し切ったのち、互いに接触することによって配管貫通穴3aを完全に遮断する。このようにサイホン排水管4を遮断することで、床スラブ1で仕切られた上下階の2区画を防火区画とすることができる。この場合、配管貫通穴3aが床スラブ1を貫通した状態にあっても、上下階の2区画間にわたる延焼を防止することができる。
上述のとおり、本発明によれば、複数のサイホン排水管4を貫通させた床スラブ1の貫通穴1aを穴埋めするときに、硬化材料Mの漏れ出しが抑制される配管システムの施工方法、および、複数のサイホン排水管4を貫通させた床スラブ1の貫通穴1aを穴埋めするときに、硬化材料Mの漏れ出しを抑制しつつ施工可能な配管システムを提供することができる。
上述したところは、本発明の一実施形態にすぎず、特許請求の範囲に従えば、様々な変更が可能となる。例えば、サイホン排水管4は複数であればよく、特に個数は限定されない。また、本実施形態では、上下階の2区画を防火区画とすることで説明したが、本実施形態に係る、配管システムを各階毎に施工することで、2区画以上の上下区画をそれぞれ、防火区画とすることができる。本実施形態では、配管をサイホン排水管4として説明したが、通常の配水管は勿論、上水管など、配管の内部通路に流体物を流通させる配管であれば特に限定されない。また、本実施形態では、集合住宅で説明したが、一般建築など、様々な建築物に適用できる。また、本実施形態のように、防火区画を想定する場合、不燃性材料の選択等については、法令等により指定があるときには、当該法令等に従うことが好ましい。
本発明は、床スラブに形成された貫通穴の内側に複数の配管が硬化材料を用いて固定された配管システムの施工方法および配管システムであれば、様々な配管システムに適用することができる。
1 床スラブ
1a 貫通穴
2 受け部材
2a 開口部
3 硬化物
3a 配管貫通穴
4 サイホン排水管(配管)
4a 竪管(配管)
4b 横引き管(配管)
5 熱膨張性耐火部材
6 固定部材
M 硬化材料

Claims (11)

  1. 床スラブに形成された貫通穴の内側に複数の配管が硬化材料を用いて固定された配管システムの施工方法であって、
    複数の配管貫通穴が形成された硬化物を用い、少なくとも複数の前記配管貫通穴のそれぞれに前記複数の配管を1つずつ貫通させた状態で、前記複数の配管を前記硬化物とともに前記床スラブに形成した前記貫通穴の内側に配置する工程と、
    前記床スラブに形成した前記貫通穴の内側に前記硬化材料を充填する工程と、
    前記床スラブに、前記硬化物を受ける受け部材を取り付ける工程と、
    を有することを特徴とする、配管システムの施工方法。
  2. 請求項1において、前記硬化材料は、不燃性材料である、配管システムの施工方法。
  3. 請求項1または2において、前記硬化物は、不燃性材料で形成されたものである、配管システムの施工方法
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記硬化材料および前記硬化物を形成する材料は、モルタルである、配管システムの施工方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、前記配管の周囲に、熱膨張性耐火部材を配置する工程を有する、配管システムの施工方法。
  6. 貫通穴が形成された床スラブと、複数の配管と、前記複数の配管を1つずつ貫通させる複数の配管貫通穴が少なくとも前記配管の個数分、複数形成された硬化物と、前記複数の配管を前記硬化物とともに前記床スラブに形成した前記貫通穴の内側に固定する固定部材とを有することを特徴とする、配管システム。
  7. 請求項6において、前記床スラブに、前記硬化物を受ける受け部材を有する、配管システム。
  8. 請求項6または7において、前記硬化物は、不燃性材料で形成されたものである、配管システム。
  9. 請求項6乃至8のいずれか1項において、前記固定部材は、不燃性材料で形成されたものある、配管システム。
  10. 請求項6乃至9のいずれか1項において、前記硬化物を形成する材料および前記固定部材を形成する材料は、モルタルである、配管システム。
  11. 請求項6乃至10のいずれか1項において、前記配管の周囲に、熱膨張性耐火部材を配置した、配管システム。
JP2014039389A 2014-02-28 2014-02-28 配管システムの施工方法および配管システム Active JP6325283B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014039389A JP6325283B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 配管システムの施工方法および配管システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014039389A JP6325283B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 配管システムの施工方法および配管システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015163750A true JP2015163750A (ja) 2015-09-10
JP6325283B2 JP6325283B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=54186762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014039389A Active JP6325283B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 配管システムの施工方法および配管システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6325283B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07286685A (ja) * 1994-02-24 1995-10-31 Mitsui Constr Co Ltd 配管部材、配管組立体、及び配管設置方法
JPH08218610A (ja) * 1995-02-20 1996-08-27 Taisei Corp 貫通孔の充填材支持具
US6176052B1 (en) * 1999-05-21 2001-01-23 Tosetz Co., Ltd. Fire retarding division penetrating member
JP2002323177A (ja) * 2001-02-26 2002-11-08 Bakuma Kogyo Kk 防火躯体貫通用排水管ユニット及びその施工方法
JP2013072515A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Sekisui Chem Co Ltd たて管更新方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07286685A (ja) * 1994-02-24 1995-10-31 Mitsui Constr Co Ltd 配管部材、配管組立体、及び配管設置方法
JPH08218610A (ja) * 1995-02-20 1996-08-27 Taisei Corp 貫通孔の充填材支持具
US6176052B1 (en) * 1999-05-21 2001-01-23 Tosetz Co., Ltd. Fire retarding division penetrating member
JP2002323177A (ja) * 2001-02-26 2002-11-08 Bakuma Kogyo Kk 防火躯体貫通用排水管ユニット及びその施工方法
JP2013072515A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Sekisui Chem Co Ltd たて管更新方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6325283B2 (ja) 2018-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5779435B2 (ja) 防火区画貫通部構造
KR101654682B1 (ko) 벽체배관 연결장치 및 이를 이용한 벽체배관 시공방법
KR20170084970A (ko) 발포성 내화충전재용 소켓
JP2002323177A (ja) 防火躯体貫通用排水管ユニット及びその施工方法
JP6193249B2 (ja) 防火区画貫通部構造
JP2008208653A (ja) 排水配管構造
JP2011257001A (ja) 更新配管の施工構造及びこの施工構造に用いられる床スラブ貫通用配管材
JP5727340B2 (ja) たて管更新方法
CN101555767B (zh) 一种复合保温墙体的窗体组件及其施工方法
JP6325283B2 (ja) 配管システムの施工方法および配管システム
JP6321463B2 (ja) 配管システムの施工方法
JP2016089488A (ja) 既存建物補強方法
JP2015048694A (ja) コンクリート構造体の補修方法、補修構造及びシールド工法のセグメント
JP2001123563A (ja) 防火区画貫通穴形成用打込み型枠及びこの施工法
JP4927797B2 (ja) 配線ボックス用耐火処理部材
JP5585953B2 (ja) 原子力施設における放射線管理区域貫通処理方法
JP2014098305A (ja) 排水配管継手
NO20100987A1 (no) Forskaling for en gjennomforing og fremgangsmate ved tildanning av en slik gjennomforing for et langstrakt legeme i et gulvdekke.
JP2016056855A (ja) 配管モジュールおよび貫通部構造
KR102011987B1 (ko) 하지 매립형 프리캐스트 콘크리트 부재를 이용한 층간 방화 구조
JP2015101854A (ja) 排水システムの配管構造およびこの配管構造の施工方法
KR102553228B1 (ko) 슬리브용 내화충전제 낙하 방지를 위한 배관 연결장치
JP4041807B2 (ja) ドア枠構造およびその組立方法
JP5107479B1 (ja) 鉄筋コンクリート開口工法、及び鉄筋コンクリート開口構造
JP2019027242A (ja) 鉄骨構造物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170822

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6325283

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250