JP2015163578A - 磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び切断刃部材 - Google Patents

磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び切断刃部材 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気ディスク用ガラスブランクを製造するとき、シアマークの深さを浅くし、しかもシアマークの深さのばらつき抑える。
【解決手段】磁気ディスク用ガラスブランクを製造するとき、溶融ガラス流の上流側切断刃部材及び下流側切断刃部材を溶融ガラス流の流路領域で互いに切断刃を交差させることにより溶融ガラス流を切断し、ガラスゴブをつくる。前記ガラスゴブを一対のプレス面で挟んでプレス成形をすることによりガラスブランクを成形する。溶融ガラス流を切断するとき、溶融ガラス流の先端部が、上流側切断刃部材と接触する時間は、40m秒以下である。また、前記切断刃部材のそれぞれは、前記一対の切断刃が交差して前記ガラスゴブをつくるとき、前記溶融ガラス流の流路領域を一方向に通り抜ける。
【選択図】 図3

Description

本発明は、一対の主表面を有する磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び切断刃部材に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、あるいはDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置が内蔵されている。特に、ノート型パーソナルコンピュータ等の可搬性を前提とした機器に用いられるハードディスク装置では、基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッド(DFH(Dynamic Flying Height)ヘッド)で磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板には、金属基板等に比べて塑性変形をしにくい性質を持つことから、ガラス基板が好適に用いられている。
磁気ディスク用ガラス基板を作製するには、例えば、溶融ガラス流を所定の長さに切断して得られたガラスゴブを一対のプレス面で挟んでガラスブランクを作製し、このガラスブランクを所定の円盤形状に形状加工するとともに、必要に応じて研削及び研磨加工を行う。ところで、磁気ディスク用ガラス基板の主表面の表面凹凸が極めて小さいことが、主表面に磁性層を形成した磁気ディスクにおいて、磁気ヘッドの浮上距離を小さくする上で好ましい。このため、磁気ディスク用ガラス基板の主表面は、表面凹凸が小さいことが望ましい。上述の磁気ディスク用ガラス基板の作製方法では、溶融ガラス流を切断刃によって切断する際に切断刃の部材と溶融ガラス流の先端部が接触して溶融ガラス流の先端部が局部的に冷えることに起因して、ガラスブランクの表面近傍にシアマークといった欠陥が発生する。このシアマークを研削や研磨で除去することができるが、表面凹凸を目標とする範囲にするための研削、研磨の取り代量より大きい取り代で研削、研磨をすることが必要になり、磁気ディスク用ガラス基板の生産効率を低下させる要因となっていた。
ところで、上記シアマークについては、切断刃であるブレードが溶融ガラスと接触する時間が長くなることによって、シアマークの発生位置が深くなり、その大きさが大きくなることが知られている。このため、切断刃であるブレードが溶融ガラスと接触する時間を短くするための溶融ガラス切断装置が知られている(特許文献1)。当該装置では、切断刃であるブレードが溶融ガラスと接触する時間を50〜70m秒にすることができるとされている。
特開平09−227130号公報
シアマークは、例えば円弧形状を成してガラス基板の内部に形成されるが、この形状は、ガラス主表面から一定の深さ方向の位置にあるのではなく、深さ方向の位置は変化している。このため、以降では、シアマークの深さとは、ガラス主表面からシアマークの最も深い位置までの距離をいう。上述した溶融ガラス切断装置では、シアマークの深さが常に一定の範囲に存在せず、ばらついていることがわかった。このため、量産する場合には、必ずしも研削、研磨の取り代量を一定にすることはできず、磁気ディスク用ガラス基板の生産効率を依然として低下させていた。
そこで、本発明は、シアマークの深さを浅くし、しかもシアマークの深さのばらつきを抑えることができる磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び切断刃部材を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、磁気ディスク用ガラス基板に用いられる一対の主表面を有する磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法である。当該製造方法は、
溶融ガラス流を一対の切断刃で切断し、該切断によってガラスゴブをつくる処理と、
前記ガラスゴブを一対のプレス面で挟んでプレス成形をすることによりガラスブランクを成形する処理と、を含み、
前記一対の切断刃は、溶融ガラス流の上流側及び下流側に、溶融ガラス流を切断するように設けられており、
前記溶融ガラス流を切断するとき、前記溶融ガラス流の先端部が、前記一対の切断刃部材のうち前記溶融ガラス流の上流側に位置する上流側切断刃と接触する時間は、40m秒以下である。
このとき、前記溶融ガラス流の切断の一形態では、溶融ガラス流の上流側及び下流側に、一対の切断刃を備える一対の切断刃部材を前記溶融ガラス流の流路領域で、互いに交差させることにより前記溶融ガラス流を前記一対の切断刃で切断する。前記一対の切断刃は、例えば前記溶融ガラス流を挟むように配置される。
本発明の他の一態様も、磁気ディスク用ガラス基板に用いられる一対の主表面を有する磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法である。当該製造方法は、
溶融ガラス流を一対の切断刃で切断し、該切断によってガラスゴブをつくる処理と、
前記ガラスゴブを一対のプレス面で挟んでプレス成形をすることによりガラスブランクを成形する処理と、を含み、
前記切断刃部材のそれぞれは、前記一対の切断刃が交差して前記ガラスゴブをつくるとき、前記溶融ガラス流の流路領域を一方向に通り抜けることにより、前記溶融ガラス流を切断する。
このとき、前記溶融ガラス流の切断の一形態では、溶融ガラス流の上流側及び下流側に、一対の切断刃を備える一対の切断刃部材を前記溶融ガラス流の流路領域で、互いに交差させることにより前記溶融ガラス流を前記一対の切断刃で切断する。前記一対の切断刃は、例えば前記溶融ガラス流を挟むように配置される。
前記溶融ガラス流を切断するとき、前記溶融ガラス流の先端部が、前記一対の切断刃部材のうち前記溶融ガラス流の上流側に位置する上流側切断刃部材と接触する時間は、40m秒以下である、ことが好ましい。
また、前記切断刃部材のそれぞれは、前記溶融ガラス流の上流側から見て前記流路領域を通る円弧状の移動経路の一方向に沿って動いて前記溶融ガラス流を切断することが好ましい。
前記切断刃部材のそれぞれは、前記溶融ガラス流の上流側から見て前記流路領域を通る直線状の移動経路の一方向に沿って動いて溶融ガラス流を切断する、ことも好ましい。
また、前記切断刃部材のそれぞれは、前記溶融ガラス流の上流側から見て前記流路領域を通る環状移動経路に沿って一方向に回転し、前記切断刃部材は、前記環状移動経路上の前記流路領域で互いに交差するように回転する、ことも好ましい。
このとき、前記切断刃部材それぞれにおける前記環状移動経路は、互いに同じ経路であり、前記切断刃部材の前記環状移動経路における回転方向は前記溶融ガラス流の上流側から見て互いに逆方向である、ことが好ましい。あるいは、前記切断刃部材それぞれにおける前記環状移動経路は、互いに異なる経路であり、前記切断刃部材の前記環状移動経路における回転方向は前記溶融ガラス流の上流側から見て互いに逆方向である、ことも好ましい。あるいは、前記切断刃部材それぞれにおける前記環状移動経路は、互いに異なる経路であり、前記切断刃部材の前記環状移動経路における回転方向は前記溶融ガラス流の上流側から見て互いに同じ方向である、ことも好ましい。
前記一対の切断刃を前記一対の前端切断刃というとき、前記一対の切断刃部材のそれぞれの後端には、後端切断刃が設けられ、前記前端切断刃を交差させることにより前記溶融ガラス流を切断する切断の他に、前記後端切断刃を移動させて前記溶融ガラス流の流路領域で互いに交差させることにより前記溶融ガラス流を切断する切断も行なう、ことが好ましい。
前記一対の前端切断刃と前記一対の後端切断波を交互に用いて、前記溶融ガラス流を切断する、ことが好ましい。
あるいは、前記切断刃部材の後端が前記溶融ガラス流の流れる流路領域を通り抜けた後、前記切断刃部材は、前記溶融ガラス流の流路領域を避けて前記切断刃の交差前の位置に移動する、ことも好ましい。
前記ガラスブランクを成形する処理では、前記ガラスゴブを、前記ガラスゴブの両側から前記一対のプレス面で挟むことにより前記ガラスブランクを成形する、ことが好ましい。
本発明のさらに他の一態様は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。当該製造方法は、前記磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法で作製された前記ガラスブランクを機械加工する処理を含む。前記機械加工をする処理は、前記ガラスブランクの主表面の研削処理と、研削後の前記ガラスブランクの主表面を研磨する研磨処理を含む。
本発明のさらに他の一態様は、切断刃部材である。前記切断刃部材は、溶融ガラス流の流路領域で互いに交差することにより前記溶融ガラス流を切断してガラスゴブをつくるための切断刃を備える。前記切断刃部材は、前記切断刃部材の交差のために前記切断刃部材が移動する移動方向の前端及び後端にそれぞれに前記切断刃を有する。
前記切断刃は、例えば、溶融ガラス流の上流側及び下流側に配置される。前記切断刃は、例えば、前記溶融ガラス流を挟んで配置される。
上述の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び切断刃部材によれば、シアマークの深さを浅くし、しかもシアマークの深さのばらつきを抑えることができる。
本実施形態の溶融ガラス流の切断の一例を示す図である。 図1に示す溶融ガラス流の切断を上方から見た図である。 (a)及び(b)は、本実施形態で用いる切断刃部材の移動を説明する図である。 本実施形態に用いる上流側切断刃部材と溶融ガラス流の先端部の接触時間(m秒)とシアマークの深さの平均値とばらつきの範囲を示す図である。 (a)〜(d)は、下流側切断刃部材及び上流側切断刃部材の移動の例を説明する図である。 (a)〜(c)は、切断刃部材の移動経路の例を説明する図である。 本実施形態で用いる切断刃の形状の一例を説明する図である。
以下、本発明の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び切断刃部材について詳細に説明する。
(磁気ディスク用ガラス基板)
まず、磁気ディスク用ガラス基板について説明する。磁気ディスク用ガラス基板は、円板形状のガラス板から、外周と同心の円形の中心孔がくり抜かれた円環形状のガラス基板である。磁気ディスク用ガラス基板の両面に円環状の磁性層(記録領域)が形成されることで、磁気ディスクが形成される。
磁気ディスク用ガラス基板の素板である磁気ディスク用ガラスブランク(以降、単にガラスブランクという)は、後述するプレス成形により作製される円板形状のガラス板であって、中心孔がくり抜かれる前の形態である。
ガラスブランクの材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平面度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
(磁気ディスク用ガラス基板の製造方法)
次に、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法のフローを説明する。本実施形態の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法では、まず、溶融ガラス流を一対の切断刃で切断し、該切断によってガラスゴブをつくり、このガラスゴブを落下させる。一対の切断刃は、例えば、溶融ガラス流の上流側及び下流側に、溶融ガラス流を切断するように設けられている。この後、ガラスゴブを一対のプレス面で挟んでプレス成形をすることによりガラスブランクを成形する。次に、ガラスブランクを機械加工する。機械加工する処理は、円環形状(リング形状)にする加工処理、端面研磨処理、主表面の研削処理、及び主表面の研磨処理を含む。具体的には、作製されたガラスブランクを加工して円環形状(リング形状)にする。これによりガラス基板が得られる。さらに、ガラス基板に形状加工を行う。次に、形状加工された円環形状のガラス基板に対して端面研磨を行う。端面研磨の行われたガラス基板に研削を行う。次に、ガラス基板の主表面に研磨を行う。以上の処理を経て、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。以下、各処理について、詳細に説明する。なお、研削は行わなくてもよい。また、上述した処理の順番は適宜変更してもよい。
(a)プレス成形処理
まず、プレス成形処理について説明する。プレス成形処理は、切断処理とプレス処理を含む。図1は、溶融ガラス流の切断の一例を示す図である。図2は、図1に示す溶融ガラス流の切断を上方から見た図であり、図3(a),(b)は、切断刃部材の移動を説明する図である。
(a−1)切断処理
図1に示すように、溶融ガラス流出管10の下部の流出口12から溶融ガラス流20となって溶融ガラスが所定の量流出したとき、溶融ガラス流20の先端部を切断器30により切断することによって、溶融ガラス塊21(図3(a)参照)をつくり、この溶融ガラス塊21を落下させる。
(a−2)プレス処理
図3(a)に示す溶融ガラス塊21の落下方向と交差する方向(例えば水平方向)の両側に、移動する一対の金型90A、90B(図1参照)を互いに近接させることで、落下中の溶融ガラスの塊を一対の金型のプレス成形面91A、91Bの間に挟むことにより、プレスしてガラスブランクを成形する(以下、水平プレス方式という)。所定時間プレスを行った後、金型90A、90Bを開いてガラスブランクが取り出される。プレスの際、一対の金型90A、90Bのプレス成形の温度を揃える。なお、図1に示す例では、水平プレス方式で溶融ガラス塊21をプレスするが、水平プレス方式以外に、垂直プレス方式でプレスをしてもよい。垂直プレス方式は、落下する溶融ガラス塊21を一対の金型のうちの一方の金型のプレス成形面で受けた後、この溶融ガラスの塊の上方から他方の金型のプレス成形面を一方の金型のプレス成形面に向けて移動することにより、2つの成形面間に溶融ガラス塊21を挟み、これにより溶融ガラス塊21のプレスを行う方式である。
なお、水平プレス方式及び垂直プレス方式のいずれにおいても、用いる金型のプレス成形面は、楔状や凹凸状の突起のない平坦な面とすることが好ましい。例えば、平坦な面である金型のプレス成形面の面積は、切断によってつくられる熔解ガラス塊21の体積(cm)を、プレス成形で作製されるガラスブランクの板厚(cm)で割った面積換算値(cm)よりも大きいことが好ましく、プレス成形面の面積(cm)は、上記面積換算値(cm)の1.2〜5倍であることが好ましい。このようにすることで、溶融ガラス塊21が一対の金型のプレス成形面に挟まれてつぶされることによって押し広げられる際に、溶融ガラスが突起に引っ掛かっていびつな形に成形されることを防止することができる。また、金型には、プレス成形面の外周を囲むようにプレス成形面に対して段差を形成する壁が設けられる場合もあるが、押し広げられる溶融ガラスの先端は上記段差を形成する壁にも接しないように壁は設けられる。なお、このような段差はガラスブランクの板厚を決定する役割で設けられる場合があるが、段差以外の方法や部材で板厚が決定される場合も、それらに溶融ガラスが接触しないようにすることが重要である。このような引っ掛かりがなく溶融ガラスの先端が壁に接することなく、全方位に均一に溶融ガラス塊が押し広げられれば、円板状に成形される。なおこのような場合、広がった後の溶融ガラス塊の端部(端面)は、金型等の他の固体に触れずに冷えて固まった面(自由曲面)となる。なお、ここでいう突起とは、表面粗さよりもずっと大きなスケールであり、目視で容易に認識できる程度のものである。プレス成形面の表面粗さは、触針式粗さ計で測定して得られる算術平均粗さRaで0.1〜2.0μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることがより好ましい。
(b)円環形状加工処理
プレス成形処理の後、公知のコアドリルやスクライブ等の方法により、成形されたガラスブランクを所定のサイズの円環形状(リング形状)のガラス基板とする。
(c)形状加工処理
次に、形状加工処理について説明する。形状加工処理は、円環形状加工処理後のガラス基板の端部に対する面取り加工(外周側端面および内側端面の面取り加工)を含む。面取り加工は、円環形状加工処理後のガラス基板の外周側端面および内側端面において、ダイヤモンド砥石等により行われる。この形状加工により所定の形状をしたガラス基板が生成される。面取りの傾斜角度は、主表面に対して例えば40〜50度であり、略45度であることが好ましい。
(d)端面研磨処理
次に、端面研磨処理を説明する。端面研磨では、ガラス基板の内側端面及び外周側端面に対して、ブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。このとき、酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含む砥粒スラリが用いられる。端面研磨を行うことにより、ガラス基板の端面での塵等が付着した汚染、傷等の損傷の除去を行うことにより、サーマルアスペリティ障害の発生の防止や、ナトリウムやカリウム等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができる。
(e)研削処理
研削処理では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて、ガラス基板の主表面に対して研削加工を行う。具体的には、ガラス基板の外周側端面を、両面研削装置の保持部材に設けられた保持孔内にガラス基板を保持しながらガラス基板の両側の主表面の研削を行う。研削は、遊離砥粒を用いて行ってもよく、固定砥粒を用いて行ってもよい。
(f)研磨処理
次に、研削後のガラス基板の主表面に研磨が施される。研磨は、ガラス主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸(マイクロウェービネス、粗さ)の調整をして、主表面の鏡面研磨をする。研磨処理では、両面研磨装置を用いて、遊離砥粒を含む研磨スラリを与えながらガラス基板が研磨される。研磨処理を実施することで、主表面の粗さ(Ra)を小さくし、かつ主表面のマイクロウェービネスを小さくする。このようにし
て、研磨処理の施されたガラス基板は、洗浄されて磁気ディスク用ガラス基板となる。研磨処理は、研磨をより精密に行うために、第1の研磨と、第1の研磨後に行う第2の研磨の2つの研磨処理を含んでもよい。研磨処理は3つ以上あってもよい。この場合、第1の研磨は、ガラス主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸の調整をする。第2以降の研磨は、ガラス主表面を鏡面研磨してさらに表面凹凸を小さくする。第1の研磨は場合によっては行わなくてもよい。
なお、研削処理と研磨処理の間に、あるいは上記複数の研磨処理の間に、化学強化処理を行ってもよい。
(溶融ガラス流の切断)
図1は、本実施形態の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法における溶融ガラス流の切断の一例を示す図である。本実施形態の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法では、上述したように、一対の切断刃で溶融ガラス流を切断し、該切断によってガラスゴブをつくり、このガラスゴブを落下させる。この後、落下中のガラスゴブを一対のプレス面で挟んでプレス成形をすることによりガラスブランクを成形する。このとき、一対の切断刃は、例えば、溶融ガラス流の上流側及び下流側の位置に配置される。また、一対の切断刃は、例えば、溶融ガラス流を挟むように配置される。また、一対の切断刃は、例えば互いに対向配置される。この一対の切断刃を備える一対の切断刃部材を溶融ガラス流の流路領域で互いに交差させることにより切断を行なう。
この溶融ガラス流を切断するとき、溶融ガラス流の先端部が、一対の切断刃部材のうち溶融ガラス流の上流側に位置する上流側切断刃部材と接触する時間は、40m秒以下である。また、溶融ガラス流の切断に用いる一対の切断刃部材は、一対の切断刃部材の移動方向に幅を持った一対の切断刃部材の前端に設けられる。さらに、切断刃部材のそれぞれは、一対の切断刃が交差してガラスゴブを得るとき、溶融ガラス流の流路領域を通り抜ける後端を有する。すなわち、切断刃部材のそれぞれは、溶融ガラス流の流路領域を一方向に通り抜けることにより、溶融ガラス流を切断する。一方向とは、直線に沿った方向でもよいし、円弧状あるいは楕円弧状等の曲線に沿った方向でもよい。一方向が曲線に沿った方向である場合、例えば、切断刃部材のそれぞれは、溶融ガラス流の上流側から見て流路領域を通る円弧状あるいは楕円弧状等の移動経路の一方向に沿って動いて溶融ガラス流を切断する。なお、移動経路は、環状経路であってもよい。以下この点を詳細に説明する。
溶融ガラス流の切断では、プレス成形の対象物である溶融ガラス塊を作製する。具体的には、溶融ガラスを溶融ガラス流出管10の下部の流出口12から垂下させて溶融ガラス流20をつくり、鉛直方向の下方側へと連続的に流出する溶融ガラス流20の先端部を切断することで、溶融ガラス塊21を形成する。なお、溶融ガラス流20の先端部を溶融ガラス塊21として切断するために、一対の切断刃部材が用いられる。また、溶融ガラスの粘度としては先端部の切断や、プレス成形に適した粘度であれば特に限定されないが、通常は、500dPa・秒〜1050dPa・秒の範囲内で、一定の値に制御されることが好ましい。
図1に示すように、溶融ガラス流出管10の流出口12の下方には、切断器30が配置されている。切断器(切断装置)30は、下流側切断刃部材40と、上流側切断刃部材50と、駆動部44と、を備える。下流側切断刃部材40は、溶融ガラス流20の流れの方向において、上流側切断刃部材50に比べて下流側に位置する。上流側切断刃部材50は、下流側切断刃部材40に比べて溶融ガラス流20の流れの方向の上流側に位置する。
下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50とは、例えば、図1に示すように、溶融ガラス流20を挟んで、水平方向の両側に対向配置される。この配置位置を基準位置という。
下流側切断刃部材40は、溶融ガラス流20の中心側に先端を向け、溶融ガラス流20の流れの方向と逆方向に向く上面41Tと、一方の側の先端(溶融ガラス流20に近い側の先端)から下方向(溶融ガラス流20の下流側方向)かつ溶融ガラス流20の中心から遠ざかる方向へ傾斜した前端切断刃41Aと、他方の側の先端(溶融ガラス流20から遠い側の先端)から下方向かつ溶融ガラス流20の中心に近づく方向へ傾斜した後端切断刃41Bと、を有する。
上流側切断刃部材50は、溶融ガラス流20の中心側に先端を向け、溶融ガラス流20の流れの方向に向く下面51Uと、一方の側の先端(溶融ガラス流20に近い側の先端)から上方向(溶融ガラス流20の上流側方向)かつ溶融ガラス流20の中心から遠ざかる方向へ傾斜した前端切断刃51Aと、他方の側の先端(溶融ガラス流20から遠い側の先端)から上方向かつ溶融ガラス流20の中心に近づく方向へ傾斜した後端切断刃51Bと、を有する。
下流側切断刃部材40および上流側切断刃部材50は、下流側切断刃部材40の上面41Tと、上流側切断刃部材50の下面51Uとが略同程度の高さ位置となるように配置される。
下流側切断刃部材40は、溶融ガラス流20の中心軸Dを横切る方向に移動する。上流側切断刃部材50は、溶融ガラス流20の中心軸Dを横切る方向に移動する。下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50は互いに近づく方向に移動する。下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50は、棒状の支持部材42,52の一方の端で接続されており、支持部材42,52の他方の端は、駆動部44と接続されている。駆動部44は、支持部材42,52を、中心軸Dを横切る方向に移動する。これによって、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50は互いに近づくように移動する。具体的には、駆動部44は、上流側切断刃50を、水平方向であって溶融ガラス流20の中心軸Dを横切る方向に移動させ、下流側切断刃50を、溶融ガラス流20の中心軸Dを横切る方向に移動させる。ここで、溶融ガラス流20の上流側に位置する上流側切断刃部材50と接触する時間は、40m秒以下となるように、下流側切断刃40および上流側切断刃50の溶融ガラス流20の、中心軸Dを横切る方向への移動速度および移動タイミングが制御されている。すなわち、駆動部44は、溶融ガラス流20の上流側に位置する上流側切断刃部材50と接触する時間が40m秒以下となるように、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50を駆動する。本実施形態では、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50を、直線状の移動経路の一方向に沿って、すなわち直線に沿った一方向に移動させるが、円や楕円等の曲線に沿った方向に移動させでもよい。
ここで、下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50は、駆動部44による下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の駆動により、これらの部材の後端を含め、図3(b)に示すように、溶融ガラス流20の流路領域を通過して通り抜ける。ここで、切断刃が通り抜けるとは、下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50の移動方向の後端が流路領域を通り抜けることをいう。図3(b)に示す状態は、図3(a)に示す状態から所定の時間経過後の状態である。すなわち、下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50は、一対の切断刃部材の移動方向に幅を持っており、下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50の移動方向の前端には、前端切断刃41A,51Aが設けられ、移動方向の後端には、後端切断刃41B,51Bが設けられている。そして、下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50が交差してガラスゴブ21を得るとき、下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50のそれぞれの前端の他に、後端、すなわち、後端切断刃41B,51Bも、溶融ガラス流20の流路領域を通過して通り抜ける。本実施形態でいう後端は、下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50が交差するとき、溶融ガラス流20の流路領域を通過する部分をいう。
このように、本実施形態では、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50のそれぞれの後端は、溶融ガラス流20の流路領域を通過して通り抜けるので、溶融ガラス流20の切断後、移動速度を一定に維持したまま、または加速しながら、溶融ガラス流20の流路領域を通り抜けることができる。このように移動する下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50と接触する溶融ガラスの部分が冷却固化することにより、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50は、ガラスを割るように溶融ガラス流20を切断する。従来の切断でも、切断しようとする溶融ガラスの部分が冷却固化することにより、切断が行なわれる。このとき、従来の切断では、溶融ガラス流に切断刃部材が接触するときの切断刃部材の移動速度が速くても、溶融ガラス流の切断後、上流側切断刃部材と溶融ガラス流の先端部が接触したまま、下流側切断刃部材及び上流側切断刃部材は移動を停止し、移動を逆方向に開始して、元の基準位置に戻るので、溶融ガラス流の先端部が、上流側切断刃部材の上面と接触する時間は長い。このため、切断刃が溶融ガラス流と接触を開始するときの溶融ガラス流の切断面と、接触を終了直前の溶融ガラス流の切断面との間で、溶融ガラス流の冷却固化の具合が異なり、シアマークの深さにばらつきが生じ易い。この点、本実施形態では、上流側切断刃部材50及び下流側切断刃部材40は、移動速度を一定に維持したまま溶融ガラス流20の流路領域を一方向に通り抜けるので、溶融ガラス流20の先端部が上流側切断刃部材50の上面と接触する時間は短い。このため、シアマークの深さにばらつきが生じ難い。また、本実施形態では、上流側切断刃部材50の溶融ガラス流20との接触時間が短くなるので、上流側切断刃部材50の熱劣化が抑えられほか、上流側切断刃部材50と下流側切断刃部材40とが交叉するときに擦れる時間が短くなるので、上流側切断刃部材50及び下流側切断刃部材40の寿命は向上する。
このように、シアマークの深さのばらつきは、溶融ガラス流20の切断方法に影響を受けることを発明者は知見し、溶融ガラス流20の先端が上流側切断刃部材50と接触する時間を短くすることが重要であることを見出した。
図4は、上流側切断刃部材50と溶融ガラス流20の先端部の接触時間(m秒)とシアマークの深さの平均値とばらつきの範囲(ガラス基板100枚のシアマークの深さのうち、最も深い位置と最も浅い位置で定まる範囲)を示す図である。シアマークの深さは、上述した研削、研磨によってシアマークが目視において消えるまでに行った研削及び研磨の取代量から求めた。図4からわかるように、シアマークの深さのばらつきは、接触時間を40m秒を境として急激に小さくなる。シアマークの深さのばらつきを小さくするためには、接触時間を40m秒以下にすることが必要である。好ましくは、接触時間は15m秒以下とする。また、接触時間を短くすることにより、シアマークの深さは浅くなることがわかる。
本実施形態では、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50のそれぞれの後端には、図2に示すように、後端切断刃41B,51Bが設けられている。すなわち、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50のそれぞれは、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の交差のために下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50が移動する移動方向の前端及び後端にそれぞれに切断刃を有する。このため、図3(b)に示すように、上流側切断刃部材50と下流側切断刃部材40が交差して溶融ガラス流20の流路領域を通り抜けた後、後端切断刃41B,51Bが互いに対向して近づくように移動させて溶融ガラス流20の流路領域で互いに交差させることにより溶融ガラス流20を切断し、この切断によって得られるガラスゴブを落下させることも好ましい。特に、前端切断刃41A,51Aと後端切断刃41B,51Bを交互に用いて、溶融ガラス流20を切断することが、溶融ガラス流20を効率よく切断する上で好ましい。
また、図3(b)に示すように、下流側切断刃部材40の後端及び上流側切断刃部材50の後端が溶融ガラス流20の流れる流路領域を通り抜けた後、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50は、図5(a)〜(d)に示すように、溶融ガラス流20の流路領域を避けて前端切断刃41A,51Aの交差前の位置に移動する移動形態も好ましい。図5(a)〜(d)は、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の移動の例を説明する図である。図5(a)に示す矢印の交差の移動によって図5(b)に示す状態になり、図5(b)に示す矢印の移動(交差の移動方向と直交する方向への移動)によって、図5(c)に示す状態になり、図5(c)に示す矢印の交差の移動によって、図5(d)に示す状態となり、図5(d)に示す矢印の移動(交差の移動方向と直交する方向への移動)によって、図5(a)に示す状態に戻る。このように、溶融ガラス流20の流路領域を避けて前端切断刃41A,51Aの交差前の位置に移動することにより、前端切断刃41A,51Aを用いて効率よく、溶融ガラス流20を切断することができる。この場合においても、溶融ガラス流20の上流側に位置する上流側切断刃部材50と接触する時間は、40m秒以下となるように、下流側切断刃40および上流側切断刃50の溶融ガラス流20の中心軸Dを横切る方向への移動速度および移動タイミングが制御される。また、溶融ガラス流20の切断に用いる下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50のそれぞれの後端は、溶融ガラス流20の流路領域を通り抜ける。このため、溶融ガラス流20の先端部が上流側切断刃部材40と接触する時間は短くすることができる。このため、シアマークの深さは浅くなり、しかもシアマークの深さのばらつきは小さくなる。図5(a)〜(d)に示す例では、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50は直線に沿って一方向に移動するが、円や楕円等の曲線に沿って一方向に移動することもできる。
図5(a)〜(d)では、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50が繰り返し行う切断のための下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の移動経路を説明しているが、このような移動経路に限定されず、図6(a)〜(c)に示すような移動経路であってもよい。図6(a)〜(c)は、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の移動経路の例を説明する図である。
図6(a)に示す例は、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50のそれぞれを、溶融ガラス流20の流路領域を通る、円弧状経路あるいは楕円弧状経路の例である環状移動経路に沿って一方向に回転させ、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50は、環状移動経路100上の流路領域で互いに交差するように回転する例である。この例では、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50それぞれにおける環状移動経路100は、溶融ガラス流の上流側(あるいは下流側)から見て互いに同じ経路であり、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の環状移動経路100における回転方向は互いに逆方向である。この経路上を下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の環状移動経路100は繰り返し周回することにより、溶融ガラス流20を繰り返し切断する。
図6(b)に示す例は、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50を、溶融ガラス流20の流路領域を通る、円弧状経路あるいは楕円弧状経路の例である環状移動経路102,104に沿って一方向に回転させ、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50は、環状移動経路102,104上の流路領域で交差するように回転する例である。この例では、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50それぞれにおける環状移動経路102,104は、溶融ガラス流の上流側(あるいは下流側)から見て互いに異なる経路であり、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の環状移動経路102,104における回転方向は互いに逆方向である。この経路上を下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の環状移動経路100は繰り返し周回することにより、溶融ガラス流20を繰り返し切断する。
図6(c)に示す例は、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50を、溶融ガラス流20の流路領域を通る、円弧状経路あるいは楕円弧状経路の例である環状移動経路106,108に沿って一方向に回転させ、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50は、環状移動経路102,104上の流路領域で交差するように回転する例である。この例では、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50それぞれにおける環状移動経路は、溶融ガラス流の上流側(あるいは下流側)から見て互いに異なる経路であり、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の環状移動経路106,108における回転方向は互いに同じ方向である。この経路上を下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の環状移動経路100は繰り返し周回することにより、溶融ガラス流20を繰り返し切断する。
この場合、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50の切断刃は、図7に示すような形状の刃であることが好ましい。図7は、切断刃の形状の一例を説明する図である。図7は、下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50を熔融ガラス流20の上流側から見た図である。下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50のそれぞれの切断刃の刃先は、移動方向に対して傾斜している。このため、下流側切断刃部材40の切断刃と上流側切断刃部材50の切断刃は溶融ガラス流20と角度θでV字状に接する。図6(c)に示すように、下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50が溶融ガラス流20の流路領域に近づくとき、下流側切断刃部材40の切断刃と上流側切断刃部材50の切断刃は溶融ガラス流20の流路領域に近づき、図7に示すような切断を開始する。さらに、下流側切断刃部材40と上流側切断刃部材50は、環状移動経路に沿った回転により、溶融ガラス流20の流路領域から図7中の下方向に進み、かつ、溶融ガラス流20の流路領域から遠ざかる方向に進み、これにより、流路領域を一方向に通り抜ける。
このような種々の移動経路に沿って回転する下流側切断刃部材40及び上流側切断刃部材50においても溶融ガラス流20の流路領域に対して一方向に通り抜けるので、溶融ガラス流20の先端部が上流側切断刃部材40と接触する時間は短くすることができる。このため、シアマークの深さは浅くなり、しかもシアマークの深さのばらつきは小さくなる。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び切断刃部材について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 溶融ガラス流出管
12 流出口
20 溶融ガラス流
21 溶融ガラス塊
30 切断器
40 下流側切断刃部材
41A,51A 前端切断刃
41B,51B 後端切断刃
41T 上面
42,52 支持部材
44 駆動部
50 上流側切断刃部材
51U 下面
90A、90B 金型
91A、91B プレス成形面
100,102,104,106,108 環状移動経路

Claims (8)

  1. 磁気ディスク用ガラス基板に用いられる一対の主表面を有する磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法であって、
    溶融ガラス流を一対の切断刃で切断し、該切断によってガラスゴブをつくる処理と、
    前記ガラスゴブを一対のプレス面で挟んでプレス成形をすることによりガラスブランクを成形する処理と、を含み、
    前記一対の切断刃は、溶融ガラス流の上流側及び下流側に、溶融ガラス流を切断するように設けられており、
    前記溶融ガラス流を切断するとき、前記溶融ガラス流の先端部が、前記一対の切断刃部材のうち前記溶融ガラス流の上流側に位置する上流側切断刃と接触する時間は、40m秒以下である、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  2. 磁気ディスク用ガラス基板に用いられる一対の主表面を有する磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法であって、
    溶融ガラス流を一対の切断刃で切断し、該切断によってガラスゴブをつくる処理と、
    前記ガラスゴブを一対のプレス面で挟んでプレス成形をすることによりガラスブランクを成形する処理と、を含み、
    前記切断刃部材のそれぞれは、前記一対の切断刃が交差して前記ガラスゴブをつくるとき、前記溶融ガラス流の流路領域を一方向に通り抜けることにより、前記溶融ガラス流を切断する、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  3. 前記溶融ガラス流を切断するとき、前記溶融ガラス流の先端部が、前記一対の切断刃部材のうち前記溶融ガラス流の上流側に位置する上流側切断刃部材と接触する時間は、40m秒以下である、請求項2に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  4. 前記切断刃部材のそれぞれは、前記溶融ガラス流の上流側から見て前記流路領域を通る円弧状の移動経路の一方向に沿って動いて前記溶融ガラス流を切断する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  5. 前記切断刃部材のそれぞれは、前記溶融ガラス流の上流側から見て前記流路領域を通る直線状の移動経路の一方向に沿って動いて溶融ガラス流を切断する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  6. 前記一対の切断刃を前記一対の前端切断刃というとき、前記一対の切断刃部材のそれぞれの後端には、後端切断刃が設けられ、前記前端切断刃を交差させることにより前記溶融ガラス流を切断する切断の他に、前記後端切断刃を移動させて前記溶融ガラス流の流路領域で互いに交差させることにより前記溶融ガラス流を切断する切断も行なう、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法で作製された前記ガラスブランクを機械加工する処理を含み、
    前記機械加工をする処理は、前記ガラスブランクの主表面の研削処理と、研削後の前記ガラスブランクの主表面を研磨する研磨処理を含む、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  8. 溶融ガラス流の流路領域で互いに交差することにより前記溶融ガラス流を切断してガラスゴブをつくるための切断刃を備える切断刃部材であって、
    前記切断刃部材は、前記切断刃部材の交差のために前記切断刃部材が移動する移動方向の前端及び後端にそれぞれに前記切断刃を有する、ことを特徴とする切断刃部材。
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