JP2015162530A - 液冷装置および光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】重力方向にかかわらず、冷媒液内の気泡が冷却対象物の冷却を妨げないようにする。
【解決手段】液冷装置は、冷却対象物6が取り付けられるジャケット部材1に対して冷媒液を流入および流出させるとともに、該冷媒液の放熱を行う。ジャケット部材は、該ジャケット部材の外側に配置された冷却対象物からの熱が伝達される受熱部102と、該ジャケット部材の内側において受熱部に面する空間であって冷媒液が通る冷媒室10aとを有する。ジャケット部材の内側であって受熱部側にて冷媒室に面する部分のうち受熱部の外側に、冷却対象物側に凹となる形状を有する空気溜まり101を有する。
【選択図】図2
【解決手段】液冷装置は、冷却対象物6が取り付けられるジャケット部材1に対して冷媒液を流入および流出させるとともに、該冷媒液の放熱を行う。ジャケット部材は、該ジャケット部材の外側に配置された冷却対象物からの熱が伝達される受熱部102と、該ジャケット部材の内側において受熱部に面する空間であって冷媒液が通る冷媒室10aとを有する。ジャケット部材の内側であって受熱部側にて冷媒室に面する部分のうち受熱部の外側に、冷却対象物側に凹となる形状を有する空気溜まり101を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷媒液を用いて冷却対象物を冷却する液冷装置に関し、特に光学機器にて熱を発生する光学素子の冷却に好適な液冷装置に関する。
光学機器の中でも画像投射装置に用いられる液晶パネル等の光変調素子や偏光板といった光学素子は、光源からの高強度の光の入射によって高温になるため、効率良く冷却する必要がある。このような光学素子の冷却に冷媒液を使用する画像投射装置が、特許文献1に開示されている。
ただし、冷媒液を使用する場合に、光学素子からの熱が伝達される受熱部や伝達した熱を放熱する放熱部等の熱交換部において、冷媒液に発生した気泡は熱交換効率を低下させる。特に画像投射装置は、載置台に載せて使用されるほか、装置の天地を反転させて天吊り状態で設置されることも多いため、装置の設置姿勢、つまりは重力方向を特定することができず、設置姿勢に応じた気泡による熱交換効率の低下を考慮する必要がある。
特許文献2には、光学素子の周囲に形成した空間に冷媒液を循環させる画像投射装置において、ポンプから該空間(受熱部)に冷媒液を供給する配管の途中に気泡抜き部を設け、光学素子から冷媒液に熱が伝達される受熱部への気泡の侵入を防ぐ構成が開示されている。
特許文献2には、光学素子の周囲に形成した空間に冷媒液を循環させる画像投射装置において、ポンプから該空間(受熱部)に冷媒液を供給する配管の途中に気泡抜き部を設け、光学素子から冷媒液に熱が伝達される受熱部への気泡の侵入を防ぐ構成が開示されている。
しかしながら、特許文献2にて開示された構成では、受熱部より前段階で冷媒液から気泡を除去することはできるが、受熱部やその直前(受熱部を構成するジャケット部材と配管との継ぎ目等)で発生する気泡を冷媒液から除去することはできない。
本発明は、重力方向にかかわらず、受熱部やその直前で冷媒液に発生した気泡が冷却対象物の冷却を妨げないようにすることができる液冷装置およびこれを備えた光学機器を提供する。
本発明の一側面としての液冷装置は、冷却対象物が取り付けられるジャケット部材に対して冷媒液を流入および流出させるとともに、該冷媒液の放熱を行う。ジャケット部材は、該ジャケット部材の外側に配置された冷却対象物からの熱が伝達される受熱部と、該ジャケット部材の内側において受熱部に面する空間であって冷媒液が通る冷媒室とを有する。そして、ジャケット部材の内側であって受熱部側にて冷媒室に面する部分のうち受熱部の外側に、冷却対象物側に凹となる形状を有する空気溜まりを有すること特徴とする。
なお、上記液冷装置と、冷却対象物としての光学素子とを有する光学機器(例えば、光学素子としての液晶パネルにより変調された光を投射する画像投射装置)も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明の液却装置によれば、重力方向にかかわらず、ジャケット部材の内側やその直前で冷媒液に発生した気泡をもジャケット部材内の空気溜まりに導くことができる。したがって、この液冷装置を搭載した光学機器において、その使用姿勢にかかわらず、冷却対象物としての光学素子を効率良く冷却することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図4には、本発明の実施例1である液冷システム(液冷装置)の構成を示している。この液冷システムは、後述する画像投射装置としての液晶プロジェクタにおいて、冷却対象物(熱源)および光学素子としての液晶パネル(ライトバルブ)の冷却を行う。
図4において、1はジャケット部(ジャケット部材)であり、その外側に配置された液晶パネル6からの熱の伝達を受ける(吸熱する)機能を有する。2はポンプであり、液冷システム内において冷媒液を循環させる機能を有する。3はラジエータ部であり、ジャケット部1で液晶パネル6から吸熱した熱を放熱する機能を有する。4はタンク部であり、その内部には冷媒液(冷媒液層)が空気層を残して充填されている。ポンプ2、ジャケット部1、タンク部4、ラジエータ部3およびポンプ2はこの順で配管チューブ5によって接続され、これらの内部を冷媒液が循環することで液晶パネルの冷却が行われる。
図1には、上記ジャケット部1の構成を示している。図1(a)は上側からの斜視図であり、図1(b)は下側からの斜視図である。ジャケット部1は、ジャケット部1の本体となるベース10と、そのベース10の内側に冷媒液が通る空間として形成された冷媒室10aの裏面開口を塞ぐカバー11とを有する。ベース10とカバー11との間には、これらの間からの液漏れを防ぐためのシール部材12が配置される。カバー11は、ベース10に対してビスにより取り付けられる。
また、ベース10における冷媒室10aへの冷媒液の流入側と流出側には、配管チューブ5を接続するための継手13が取り付けられる。継手13には雄ねじ部が形成されており、該雄ねじ部をベース10に形成された雌ねじ部に締め込むことで継手13がベース10に取り付けられる。継手13は、その内部に形成された通路を通してベース10内の冷媒室10aと継手13に接続されたチューブ5の内部とを連通させる。ベース10と継手13との間には、これらの間からの液漏れを防ぐためのシール部材14が設けられる。
図2には、ジャケット部1の組み立て状態での構成を示しており、図2(a)はジャケット部1をカバー11側から見た図であり、図2(b)は図2(a)におけるB−B線での断面を示す。また、図2(c)は図2(a)におけるA−A線での断面を示す。図2(d)は図2(c)中のC部を拡大して示す。ベース10とその両端に設けられた継手13とが延びる方向を、以下の説明において液流方向という。
ベース10は、上述した冷媒室10aに面し、液晶パネル(図示せず)からの熱を吸熱する受熱部102と、この受熱部102の両側に液流方向に延びるように設けられた側壁部103(図2(c),(d)参照)とを有する。受熱部102は、上述したカバー11に冷媒室10aを挟んで対向する部分として設けられており、その外面(上面)には、図1(b)にも示すように、矩形状の凸部を有する。この凸部の上面(以下、パネル受け面という)には、液晶パネルが配置される。
また、図2(d)に示すように、ベース10の内側には、空気溜まり101が形成されている。空気溜まり101は、ベース10の内側であって受熱部側にて冷媒室10aに面する部分のうち受熱部102の外側(受熱部102と側壁部103との境界部分)に、液晶パネル側(冷却対象物側)に凹となる形状を有する。そして、空気溜まり101は、受熱部102を囲むように液流方向およびこれに直交する方向に延びる周溝として形成されている。この空気溜まり101は、冷媒室10a内の冷媒液から浮き出た気泡を溜めるための空間である。
図3には、受熱部102に液晶パネル6を配置した状態を示している。受熱部102のパネル受け面上には、伝達媒体である熱伝導グリス7を介して液晶パネル6が配置される。これにより、液晶パネル6からの熱が、液晶パネル6と受熱部102との間に隙間なく設けられた熱伝導グリス7を介して効率良く受熱部102に吸熱される。
上述したように、空気溜まり101は受熱部102よりも外側に設けられている。このため、冷媒室10a内の冷媒液から浮き出た気泡は、受熱部102に面する領域よりも外側の空気溜まり101に溜まる。したがって、受熱部102に面して気泡が溜まり、受熱部102から冷媒液への熱伝達効率が低下することを防止できる。つまり、ジャケット部1の内側において受熱部102の全面が冷媒液と接触するため、受熱部102から冷媒液への熱伝達が高い効率で行われ、冷媒液の液晶パネル6からの熱の吸熱効果を高めることができる。
空気溜まり101に気泡(空気)が蓄積していくと、その量が空気溜まり101の容積より多くなる。このとき、図2(b)に示すように、空気溜まり101における冷媒室10aに面する開口の高さ位置と継手13内の通路の開口における空気溜まり側の縁の高さ位置とがほぼ同じであるため、空気は冷媒液とともにジャケット部1の外部に流出する。
なお、ここまでは空気溜まり101が周溝として形成されている場合について説明したが、液流方向またはこれに直交する方向にのみ延びる溝として形成されていてもよいし、ひとつながりの溝ではなく、途中で分割された溝(凹部)として形成されていてもよい。また、ベース10と継手13は一体成形部品として製作されてもよい。
上述したようにジャケット部1の受熱部102を介して液晶パネル6からの熱を吸熱した冷媒液は、チューブ5内を通ってタンク4を経由した後、ラジエータ部3を通過する。この際、冷媒液から熱が放熱される。
ラジエータ部3は、蛇行するように配置された金属チューブに放熱フィンが取り付けられた構成を有する。この液冷システムがプロジェクタ内に設けられると、該プロジェクタ内に設けられた不図示のファンによってプロジェクタ外から取り込まれた冷媒液よりも低温の空気流が放熱フィンの周囲を流れる。これにより、金属チューブ内を流れる冷媒液からの放熱が効率良く行われる。
ラジエータ部3にて放熱された冷媒液は、ポンプ2により吸引されて吐出され、再びジャケット部1に流入する。このような冷媒液の循環によって、液晶パネル6が冷却される。
ここで、図5に示すように、ジャケット部1の姿勢(つまりは液冷システムが設けられたプロジェクタの設置姿勢)が矢印Aの方向が重力方向となる姿勢である場合は、受熱部102(液晶パネル6)が冷媒室10a内の冷媒液よりも重力方向(下側)に位置する。この場合、冷媒液内の気泡は受熱部102とは反対側(上側)に溜まるので、受熱部102から冷媒液への熱伝達を妨げない。
しかし、図6に示すように、ジャケット部1の姿勢が矢印Bの方向が重力方向となる姿勢である場合は、受熱部102が冷媒室10a内の冷媒液よりも重力方向とは反対側(上側)に位置する。この場合、仮に空気溜まり101がなければ、冷媒液内の気泡は受熱部102に面する領域に溜まって、受熱部102から冷媒液への熱伝達を妨げる。しかし、本実施例では、気泡を、受熱部102の周囲(外側)に形成された空気溜まり101に導いてここに溜めることができるため、気泡が受熱部102に面する領域に溜まって受熱部102から冷媒液への熱伝達を妨げることを防止できる。しかも、本実施例では、ジャケット部1の内部に空気溜まり101を設けているので、ジャケット部1の内側やその直前で冷媒液に発生した気泡をも空気溜まり101に導くことができ、その気泡が受熱部102から冷媒液への熱伝達を妨げることを防止できる。
このように、本実施例によれば、ジャケット部1の姿勢、つまりはプロジェクタの設置姿勢(使用姿勢)により変化する重力方向にかかわらず、液晶パネル6の冷却能力を高く維持することができる。
なお、液冷システムの起動時にポンプ2からの冷媒液の吐出流量を通常状態より高くする制御を行ってもよい。これにより、ジャケット部1内の冷媒液とともに気泡をタンク部4内に強制的に流入させ、その気泡をタンク部4内の空気層に排出することができる。このようにして起動時の液冷システム内の気泡除去を行ってもよい。
図7には、上述した液冷システムが搭載される液晶プロジェクタの光学的構成を示す。光源ランプ2000は、超高圧水銀ランプ等の高輝度光源であり、白色光を発光する放電発光管と該発光管からの光を照明光学系3000に向けて集光するリフレクタとを有する。
照明光学系3000は、シリンドリカルレンズアレイ等の光学部材によって光源ランプ2000からの光束を複数に分割し、偏光変換素子によって無偏光である該光束をP偏光に変換し、コンデンサーレンズによって該複数の光束を液晶パネル6上にて重畳させる。照明光学系3000からの白色光は、色分解合成光学系1000に入射し、ダイクロイックミラー1001によって青(B)および赤(R)光と緑(G)光とに分離される。G光は、1/2波長板1002にてS偏光に変換された後、G用の入射側偏光板1003を通って、第1の偏光ビームスプリッタ1004にて反射され、G用1/4波長板1005Gで円偏光に変換されてG用反射型液晶パネル6Gに導かれる。G用液晶パネル6Gにて画像変調され、かつ反射されたG光は、G用1/4波長板1005GでP偏光に変換されて第1の偏光ビームスプリッタ1004を透過し、G用出側偏光板1010Gにて検光された後、ダイクロイックプリズム1011に入射する。
一方、ダイクロイックミラー1001で反射されたRB光はたRB用入射側偏光板1006を通り、色選択性位相差板1007に入射する。色選択性位相差板1007では、R光のみがS偏光に変換され、B光はP偏光のまま通過する。そして、R光およびB光は、R光の色純度を高めるトリミングフィルタ1008を通過した後、第2の偏光ビームスプリッタ1009に入射する。
R光は、第2の偏光ビームスプリッタ1009にて反射され、R用1/4波長板1005Rで円偏光に変換されてR用反射型液晶パネル6Rに導かれる。R用液晶パネル6Rにて画像変調され、かつ反射されたR光は、R用1/4波長板1005RでP偏光に変換されて第2の偏光ビームスプリッタ1009を透過し、B用出側偏光板1010Bを通過した後、ダイクロイックプリズム1011に入射する。
また、B光は、第2の偏光ビームスプリッタ1009を透過し、B用1/4波長板1005Bで円偏光に変換されてB用反射型液晶パネル6Bに導かれる。B用液晶パネル6Bにて画像変調され、かつ反射されたB光は、B用1/4波長板1005BでS偏光に変換されて第2の偏光ビームスプリッタ1009で反射され、B用出側偏光板1010Bで検光された後、ダイクロイックプリズム1011に入射する。
ダイクロイックプリズム1011に入射したG光はここで反射されて投射レンズ4000に向かい、同じくダイクロイックプリズム1011に入射したR光とB光はここを透過して投射レンズ4000に向かう。これにより、G光、B光およびR光が合成されて投射レンズ4000によりスクリーン等の被投射面(図示せず)に投射され、カラー画像を表示する。
このように構成されたプロジェクタにおいて、上述したジャケット部1は、G用液晶パネル6G、R用液晶パネル6RおよびB用液晶パネル6Bのそれぞれに対して、G用ジャケット部1G、R用ジャケット部1RおよびB用ジャケット部1Bとして設けられている。そして、これらG用,R用およびB用ジャケット部1G,1R,1Bに対して、上述したポンプ2、ラジエータ部3およびタンク部4が配管チューブ5を介して接続され、プロジェクタ内の3つの液晶パネル6G,6R,6Bを冷却する液冷システムが構成される。各液晶パネルは、光源ランプ2000からの高強度の光から熱を吸収するとともに、画像変調動作によって自ら発熱するが、液冷システムで効率的に冷却される。
図8には、本発明の実施例2である液冷システムに用いられるジャケット部1′の構成を示している。図8(a)は上側からの斜視図であり、図8(b)は下側からの斜視図である。ジャケット部1′は、ベース20と、そのベース20の内側に空間として形成された冷媒室200aの裏面開口を塞ぐカバー11とを有する。実施例1と同様に、ベース20とカバー11との間には、これらの間からの液漏れを防ぐためのシール部材12が配置される。ベース20には、実施例1と同様に、シール部材14を挟んで継手13が取り付けられ、ベース20内の冷媒室20aと継手13に接続されたチューブ5の内部とが連通される。ジャケット部1′以外の液冷システムの構成および冷媒液の流れは、実施例1の液冷システムと同じである。
図9には、ジャケット部1′の組み立て状態での構成を示しており、図9(a)はジャケット部1′をカバー11側から見た図であり、図9(b)は図9(a)におけるE−E線での断面を示す。また、図9(c)は図9(a)におけるD−D線での断面を示す。図9(d)は図9(c)中のF部を拡大して示す。
実施例1のベース10と同様に、ベース20は、冷媒室20aに面し、液晶パネル(図示せず)からの熱を吸熱する受熱部202と、この受熱部202の両側に液流方向に延びるように設けられた側壁部203(図9(c),(d)参照)とを有する。受熱部202が、カバー11に冷媒室20aを挟んで対向する部分として設けられ、その外面(上面)に図8(b)にも示すように矩形状の凸部を有する点も、実施例1のベース10と同じである。そして、受熱部202の上面であるパネル受け面には、実施例1と同様に、熱伝導グリスを挟んで液晶パネルが配置される。
さらに、本実施例でも、図9(d)に示すように、ベース20の内側には、空気溜まり201が形成されている。空気溜まり201は、ベース20の内側であって受熱部側にて冷媒室20aに面する部分のうち受熱部202の外側(受熱部202と側壁部203との境界部分)に、液晶パネル側(冷却対象物側)に凹となる形状を有する。本実施例でも、空気溜まり201は、受熱部202を囲むように液流方向およびこれに直交する方向に延びる周溝として形成されている。
本実施例では、図9(c),(d)に示すように、受熱部202における冷媒室側の面を、冷媒液内の気泡を空気溜まり201に導くためのアーチ曲面からなる勾配面204として形成している。勾配面204は、空気溜まり201に向かって液晶パネル側に近づく勾配を有する。この勾配面204を設けることで、気泡は冷媒液の表面張力や対流によって受熱部202に面する領域から空気溜まり201に向かって移動し易くなる。このため、実施例に比べて、気泡が受熱部202に面する領域に停滞することをさらに抑制することができる。加また、勾配面203は、受熱部202に配置された液晶パネルの面内温度勾配を解消する効果も有する。
図10(a)には、カバー11を取り外したベース20を示しており、勾配面204は、受熱部202の中央から、その周囲を囲む矩形状の周溝の4つの辺に相当する溝部分に向かってそれぞれ勾配を有する4つの面として形成されている。
さらに、図10(b)は、図10(a)におけるG−G線での断面を、図10(c)は図10(b)中のH部を拡大してそれぞれ示している。これらの図に示すように、空気溜まり201の底面(空気溜まり201の内面のうち液晶パネル側の面で、冷媒室20a側の開口に対向する面)は、液流方向(図10(a)に矢印Flowで示す方向)に向かって液晶パネル側に近づくように形成された勾配を有する。この勾配により、空気溜まり201に導かれた気泡が冷媒液の流れによって液流方向下流の継手13に向かって導かれ易くなり、気泡をジャケット部1′内に長く溜めることなくジャケット部1′の外部に排出することができる。
なお、勾配面204の形状は、その勾配によって気泡を空気溜まり201に導き易くする形状であれば、アーチ曲面である必要はなく、他の形状、例えば傾斜した平面であってもよい。
また、上記各実施例では、液晶プロジェクタにおける液晶パネルを冷却する液冷システムについて説明したが、冷却対象物としては、偏光板等の液晶パネル以外の光学素子を含む。さらに、各実施例で説明した液冷システムは、液晶プロジェクタ等の画像投射装置に限らず、冷却対象物としての光学素子を備えた様々な光学機器に搭載することが可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
設置姿勢にかかわらず効率良い冷却を行うことが可能な液冷装置およびこれを備えた各種装置を提供できる。
1 ジャケット
2 ポンプ
3 ラジエータ
4 タンク
5 チューブ
6 液晶パネル
10 ベース
101,201 空気溜まり
202 受熱部
2 ポンプ
3 ラジエータ
4 タンク
5 チューブ
6 液晶パネル
10 ベース
101,201 空気溜まり
202 受熱部
Claims (7)
- 冷却対象物が取り付けられるジャケット部材に対して冷媒液を流入および流出させるとともに、該冷媒液の放熱を行う液冷装置であって、
前記ジャケット部材は、
該ジャケット部材の外側に配置された前記冷却対象物からの熱が伝達される受熱部と、
該ジャケット部材の内側において前記受熱部に面する空間であって前記冷媒液が通る冷媒室とを有し、
前記ジャケット部材の内側であって前記受熱部側にて前記冷媒室に面する部分のうち前記受熱部の外側に、前記冷却対象物側に凹となる形状を有する空気溜まりを有すること特徴とする液冷装置。 - 前記空気溜まりは、前記冷媒室に面する前記受熱部の周囲を囲むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液冷装置。
- 前記空気溜まりのうち前記冷媒室に面する開口の位置が、前記ジャケット部材から前記冷媒液を排出するための開口における前記空気溜まり側の縁の位置と同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の液冷装置。
- 前記受熱部のうち前記冷媒室側の面が、前記空気溜まりに向かって前記冷却対象物側に近づく勾配を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液冷装置。
- 前記空気溜まりの内面のうち前記冷却対象物側の面が、前記冷媒室を前記冷媒液が流れる方向に向かって前記冷却対象物側に近づく勾配を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の液冷装置。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の液冷装置と、
前記冷却対象物としての光学素子とを有することを特徴とする光学機器。 - 前記光学素子としての液晶パネルと、
該液晶パネルにより変調された光を投射して画像を表示する光学系とを有する画像投射装置であることを特徴とする請求項6に記載の光学機器。
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2014
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