JP2015161039A - 耐震補強用繊維シート - Google Patents

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Abstract

【課題】土木・建築における構造物の耐震性や耐久性の補強補修に用いる補強耐力が高く、軽量であるとともに樹脂含浸性が良好であり、施工時の作業性に優れた補強用繊維シートの提供。【解決手段】目付け量10〜35g/m2の不織布及び経糸に高強度繊維を用い、緯糸に経糸より細い繊度の糸を用いて製織された耐震補強用繊維シート。超高分子量ポリエチレン繊維等の、15cN/dtex以上の強度を有する高強度繊維を含む織編物を有し、前記不織布が炭素繊維、ガラス繊維、PBO繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリアシド繊維又はポリエステル繊維からなる耐震補強用繊維シート。前記耐震補強シートの耐力が30トン/m以上であり、樹脂を含浸させた耐震補強用繊維シート。【選択図】なし

Description

本発明は補強用繊維シートに関し、さらに詳細には高架の鉄道や高速道路などの橋脚や梁などの土木コンクリート構造物、建物の柱、および壁などを補強する補強用繊維シートに関するものである。
コンクリート製の建築構造物が多数存在するが、地震による破壊の耐久性の改善などの問題がある。コンクリート構造物耐久性改善のための補強、補修方法は、対象となるコンクリート製の柱を鉄板で覆う方法と補強用繊維シートをコンクリート面に貼り付け、もしくは巻きつける方法などがある。しかし鉄板で覆う方法は重い鉄板を扱うため重機や頑丈な足場が必要である。
補強用繊維シートを巻きつける方法は重量物を扱う重機の必要がなく施工が容易であり、狭いところでの施工が容易で、また工期が短縮できるなどの利点がある。
繊維シートによる補強方法は、引張強力が高い補強用繊維シートをアクリル樹脂、またはエポキシ樹脂によってコンクリート表面に接着させることにより行われる。その際、アクリル樹脂、またはエポキシ樹脂は繊維シートをコンクリートに接着させるだけでなく繊維シートに含浸し、シートの強度を向上させ、さらに繊維シートの強度をコンクリートに伝える媒介としての役割を果たす。
補強用繊維シートにおいて耐力が高いシートが望まれるが、高耐力にするには単位幅当たりの繊維量、すなわちトータル繊度を多くしなければならない。その手段として繊維集合体としてのヤーンの太さを太くするか、単位幅当たりのヤーンの本数を増加する方法がとられるが、製織性、軽量性、樹脂含浸性を阻害する要因となっている。
特許文献1には、補強用繊維の繊度を高くして布状に製織し、これをコンクリート構造物に巻きつけて、含浸させた樹脂を固化する方法が提案されている。上記の公報公開には補強用繊維シートは平織りで製織されたものが例示されているが、経緯糸の本数の比率についてはなんら述べられていない。
特許文献2には、織物の経糸カバーファクター、緯糸カバーファクターを規定しており、樹脂含浸性と織物の柔軟性を持たせた織物が提案されている。しかしながら、このカバーファクターの範囲では織物目付けが大きくなり織物 が重くなるため運搬時に負担がかかり、施工時の作業性を阻害する問題を有していた。
特許文献3には、一方向に特定の間隔で直線状に配列させた繊維束をシートの片面に固定する方法が提案されている。しかしこれは織物状の繊維シートではなく、一方向に直線状に配列させた繊維束に対する固定方法としてシートが用いられている。
特開平6−288099号公報 特開2000−34639号公報 特開2001−73560号公報
従来、耐震補強繊維シートが柔らかいため、耐震補強繊維シートをコンクリート製の柱に巻きつける作業の際に、耐震補強用繊維シートの自重により巻きつけられた繊維シートの中央部分が垂れ下がるという問題があった。これを解決するため、繊維の繊度を大きくするか、もしくはカバーファクターを大きくすれば曲げ硬さの硬い織物にすることができるが、樹脂の含浸性が悪くなり、更に繊維シート自身の重量増から作業性が著しく悪化する。
そこで、本発明は補強耐力が高く、軽量であるとともに樹脂含浸性が良好であり、施工時の作業性に優れた補強用繊維シートを提供することを目的とする。
本発明者は、高強度繊維を含む織編物および不織布を有する繊維シートが高い効果を示すことを見出し、下記に示す発明をするに至った。
(1)目付け量10g/m以上35g/m以下の不織布及び15cN/dtex以上の強度を有する高強度繊維を含む織編物を有する耐震補強用繊維シート。
(2)JIS L1096に記載されるA法(45°カンチレバー法)により測定される剛軟度が150mm以上である(1)記載の耐震補強用繊維シート。
(3)経糸に高強度繊維を用い、緯糸に前記経糸より細い繊度の糸を用いて製織された耐震補強用繊維シートであって、
x=(経糸カバーファクター)=(経糸繊度(dtex)/繊維の密度(g/cm3))^1/2×(経糸密度(本/cm))
y=(緯糸カバーファクター)=(緯糸繊度(dtex)/繊維の密度(g/cm3)))^1/2×(緯糸密度(本/cm))
としたとき、xとyとの関係が下記の(1)および(2)式を満足することを特徴とする(1)または(3)に記載の耐震補強用繊維シート。
600≦x≦1000 ・・・(1)
-0.025x+37≦y≦-0.025x+53・・(2)
(4)前記高強度繊維がポリエチレン繊維である(1)〜(3)のいずれかに記載の耐震補強用繊維シート。
(5)前記高強度繊維が超高分子量ポリエチレン繊維である(1)〜(4)のいずれかに記載の耐震補強繊維シート。
(6)前記不織布が炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、PBO繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維又はポリエステル繊維からなる(1)〜(5)のいずれかに記載の耐震補強用繊維シート。
(7)
樹脂含浸性試験の結果が50回以上90回未満である(1)〜(6)のいずれかに記載の耐震補強用繊維シート。
(8)前記耐震補強用繊維シートの耐力が30トン/m以上である(1)〜(7)のいずれかに記載の耐震補強用繊維シート。
(9)前記耐震補強用繊維シートに樹脂を含浸させた(1)〜(8)のいずれかに記載の耐震補強用繊維シート。
(10)目付け量10g/m以上35g/m以下の不織布及び15cN/dtex以上の強度を有する高強度繊維を含む織編物を有する耐震補強用繊維シートを貼付する工程、及び前記耐震補強用繊維シートに樹脂を含浸させ硬化させる工程を含むことを特徴とする、建造物の耐震補強方法。
本発明の補強用繊維シートは高耐力であっても経糸カバーファクターと緯糸カバーファクターの適切な配分により、樹脂含浸性が良く、軽量なコンクリート補強用繊維シートである。さらに、不織布層を有することにより、軽量でありながら、曲げ硬さの高い繊維シートを提供することができる。それ故、高架の鉄道や高速道路などの橋脚や梁などの土木コンクリート構造物、建物の柱、および壁などの補強用繊維シートとして、補強耐力が高く、軽量かつ施工時の作業性に優れた、利用価値の極めて高いものである。
本発明は、不織布及び15cN/dtex以上の強度を有する高強度繊維を含む織編物を有する耐震補強用繊維シートである。
本発明の耐震補強繊維シートは、JIS L1096に記載されるA法(45°カンチレバー法)により測定される剛軟度が150mm以上であることを特徴とする。155mm以上がより好ましく160mm以上がさらに好ましい。この値は、耐震補強繊維シートの堅さを示す指標である。この値が大きいほうが、織物が堅く繊維の垂れがなくなることを示している。
本発明の耐震補強繊維シートに用いられる織編物は、織物もしくは編物からなり、好ましくは織物からなる。織物において、織り組織は平織、綾織、朱子織、模紗織などが適応され、特に制限はないが綾織が好ましい。高強度繊維の原糸強力に対する織物の強力利用率が高い方が好ましいが、平織、朱子織、模紗織では経糸方向のクリンプ率が高くなり強力利用率が低くなる傾向がある。そのため、高い強力利用率を得るには平織物、朱子織物、模紗織物と比べて低クリンプ率となる織組織である綾織物が好ましく、杉綾織組織で製職されたものがより好ましい。
本発明の耐震補強繊維シートに用いられる織編物は、高強度繊維を少なくとも一部に用いて製織もしくは製編されていることを特徴する。より好ましくは、強度15cN/dtex以上の高強度繊維をシートの長さ方向に平行に配置される経糸に用いて製織されており、シートの幅方向に平行に配置される緯糸には前記経糸より細い繊度の糸を用いて製織された織物である。
本発明に用いられる高強度繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、PBO繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維などを用いることができる。その中でも、しなやかさ、軽量性、摩擦などの繊維破損がおきにくいポリエチレン繊維が好ましく、高強度の超分子量ポリエチレン繊維がより好ましい。繊維の強度は15cN/dtex以上が好ましく、20cN/dtex以上がより好ましく、より好ましくは25cN/dtex以上である。強度は高い方が好ましいが、繊維強度の限界が存在するため、通常は60cN/dtex以下である。
本発明に用いられる高強度繊維の繊度は1000dtex以上が好ましい。繊度は、使用する補強用繊維の耐力に応じて設計すればよいが、可能な限り強度並びに強度保持率が高い繊維を用いることで、少ない繊維で必要な耐力を得ることが出来るため好ましい。高強度繊維を構成する単糸の繊度は0.5dtex以上が好ましい。単糸繊度が0.5dtexより小さいと、製職時に毛羽立ちやすくなる。好ましくは1.0dtex以上である。
本発明の耐震補強用繊維シートにおいて、経糸方向に補強効果を発揮させるために、高強度繊維は大部分を経糸として配置されることが好ましい。緯糸は経糸をシート状に保持するための役割をする。耐震補強用繊維シートに必要な樹脂含浸性を持たせるために、経糸と緯糸のカバーファクター(CF)の範囲を以下の通りに定める。その範囲は、
x=(経糸カバーファクター)=(経糸繊度(dtex)/繊維の密度(g/cm))^1/2×(経糸密度(本/cm))
y=(緯糸カバーファクター)=(緯糸繊度(dtex)/繊維の密度(g/cm))^1/2×(緯糸密度(本/cm))としたとき、
xとyとの関係が以下の通りである。
600≦x≦1000 ・・・(1)
-0.025x+37≦y≦-0.025x+53 ・・・(2)
経糸のカバーファクター(x)は600≦x≦1000であり、600≦x≦850が好ましく、600≦x≦750がより好ましい。x<600の場合は十分な引張強力を得ることが難しく、x>1000の場合は、製織が難しい。
緯糸のカバーファクター(y)は-0.025x+37≦y≦-0.025x+53であり、y<-0.025x+37の場合は緯糸の経糸に対する拘束力が不足する。-0.025x+53>yの場合は樹脂含浸性が低下する。
緯糸は経糸に用いられる繊維と同一または異なっていてもよく、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などの高強度繊維以外の繊維でもよい。好ましくは、特に湿度による寸法変化の少ないポリエステル繊維である。
本発明は、上述した織編物にさらに不織布を組み合わせることを特徴とする。
不織布の目付け量は35g/m以下であり、33g/m以下が好ましく、30g/m以下がより好ましい。一方、目付け量の下限は、10g/m以上が好ましく、15g/m以上がより好ましく、20g/mがさらに好ましい。10g/m未満の場合は耐震補強繊維シートの十分な固さを得ることが難しく、35g/mより大きい場合は、良好な樹脂含浸性を得ることは難しい。
本発明に用いる不織布の力学特性は、引張強さは、縦方向で少なくとも10N以上、好ましくは30N以上、より好ましくは40N以上であり、上限は特に限定されないが500N未満である。破断伸度は、15%以上、好ましくは20%以上50%未満である。引裂強さは、少なくとも3N以上、より好ましくは5N以上であり、上限は特に限定されないが100N未満である。
本発明の不織布には炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、PBO繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維又はポリエステル繊維などを用いることができ、特に限定されない。
本発明の不織布は上記目付け量及び力学特性を満たす不織布であれば特には限定されないが、好ましくは、安価なコストで、配向結晶化による剛直性向上効果が発現でき、高速紡糸で得られるスパンボンド不織布が好適に用いられる。
前記織編物のシート層と不織布層は縫合されているか、もしくは接着されることが好ましい。前記織編物層と不織布層を接着される場合、低融点ポリアミドの熱可塑性のフィルム状シートもしくは不織布状シートを用い熱融着することができる。その他の熱可塑性の接着剤や溶剤系の接着剤を用いてもよく、特に限定されるものではない。
本発明の耐震補強用繊維シートは、樹脂含浸性試験の結果が50回以上90回未満であることが好ましく、より好ましくは60回以上80回未満である。樹脂含浸性は脱泡ローラーで耐震補強用繊維シートに樹脂を含浸させるにあたり、樹脂が該繊維シートの上面全体をおおうまでの脱泡ローラーを往復させた回数を意味し、回数が多いほど含浸しにくいことを表す。50回未満では樹脂は含浸しやすいものの、繊維シート自体の強力が出ないかもしくは曲げ硬さが小さい(剛軟度が小さい)可能性があり、90回以上であると剛軟度は高くても樹脂含浸性が悪いため、耐震補強用繊維シートとしてコンクリート柱等に巻き付けたのち樹脂含浸、固化することが困難になる。
本発明の耐震補強用繊維シートの耐力は、30トン/m以上が好ましい。耐力とは、耐震補強用繊維シート10mm幅あたりの荷重(N/mm)をトン/mに換算した値であり、繊維シート1m幅あたりの耐力を示す。なお、荷重はJISL1096A法に従って評価した。INTESCO (model 2050)の引張試験機を用いて、引張速度200 mm/min、試験幅10mmとなる経糸本数(本)で測定し、10mm幅あたりの強力(N/10mm)を測定した。なお、経糸方向を測定方向とした。耐力が30トン/mより小さいと、コンクリート柱等の補強において、巻き付け層数が多くなってしまう。
本発明の耐震補強用繊維シートは一例として下記の方法により利用される。
コンクリート柱表面に補強用繊維シートを貼り付ける手順としては、必要に応じプライマー処理されたコンクリート表面に、下塗りとしてアクリル樹脂またはエポキシ樹脂を塗布した後、あらかじめ必要とする長さ(周長+重ね継ぎ手長さ)に切断した耐震補強用繊維シートを経糸の方向が周長方向になるように貼り付けられる。下塗り樹脂が硬化する前に直ちに補強用繊維シートを貼り付け、ローラーなどを用いて樹脂を十分に繊維シートに含浸させる。補強用繊維シートの幅は10cmから50cmのものが一般に用いられる。
下塗り樹脂が十分に含浸させた後、同じ樹脂を用いて上塗りを行う。耐震補強用繊維シート全面に樹脂を均一に塗布した後、樹脂が完全に硬化するまで養生しておく。補強の程度によっては補強用繊維シートを多層重ねて貼り付ける。最上層のシート貼り付けが終了し、表面の樹脂を完全に硬化させる。
本発明はさらに、繊維シートにアクリル樹脂またはエポキシ樹脂が予め含浸された耐震補強用繊維シートも含有する。
以下実施例を用いて説明を行う。本願発明に用いた測定方法は次の通りである。
[測定方法]
(1)耐震補強用織物の剛軟度
幅10mm、縦方向の長さ240mmの試料を用い、JIS−L−1096剛軟性A法に準拠した条件で測定した(n=5の平均値)(単位:mm)。
(2)耐震補強用織物の垂れ性
幅300mm、縦方向の長さ350mmの試料を用いた。柱に試料の一端を固定し重さ100gの錘を試料下端中心部に加え、縦方向の長さを340mmに縮めた時に垂れた長さを測定した。(単位:mm)。
(3)樹脂含浸性
25cm×30cmの面積にエポキシ樹脂を150g塗布する。10cm×15cmの耐震補強用繊維シートを樹脂の上に設置し、脱泡ローラーで樹脂を含浸させた。樹脂が耐震補強用繊維シートの上面全体を樹脂が覆うまでの脱泡ローラーを往復させた回数を測定した。(単位:回)。
(実施例1)
経糸に東洋紡製の高分子量ポリエチレン繊維「ダイニーマ」(登録商標)を用い、緯糸に東レ(株)製のポリエステル繊維を用いて製作した幅30cmの補強用繊維シート(経糸CF:946、緯糸CF:28)に、目付け20g/mのポリエステル不織布「エクーレ」(登録商標)を、低融点ポリアミドの不織布シートを用いて熱接着した。
(実施例2)
経糸に東洋紡製の高分子量ポリエチレン繊維「ダイニーマ」(登録商標)を用い、緯糸に東レ(株)製のポリエステル繊維を用いて製作した幅30cmの補強用繊維シート(経糸CF:946、緯糸CF:28)に、目付け30g/mのポリエステル不織布「エクーレ」(登録商標)を、低融点ポリアミドの不織布シートを用いて熱接着した。
(実施例3)
経糸に東洋紡製の高分子量ポリエチレン繊維「ダイニーマ」(登録商標)を用い、緯糸に東レ(株)製のポリエステル繊維を用いて製作した幅30cmの補強用繊維シート(経糸CF:630、緯糸CF:35)に、目付け20g/mのポリエステル不織布「エクーレ」(登録商標)を、低融点ポリアミドの不織布シートを用いて熱接着した。
(実施例4)
経糸に東洋紡製の高分子量ポリエチレン繊維「ダイニーマ」(登録商標)を用い、緯糸に東レ(株)製のポリエステル繊維を用いて製作した幅30cmの補強用繊維シート(経糸CF:630、緯糸CF:35)に、目付け20g/mのポリアミド不織布を、低融点ポリアミドの不織布シートを用いて熱接着した。
実施例1から4の耐震補強用繊維シートは剛軟度(mm)が150を超え、樹脂含浸性も80回以下となり耐震補強用繊維シートとして有用なものであった。
(比較例1)
経糸に東洋紡製の高分子量ポリエチレン繊維「ダイニーマ」(登録商標)を用い、緯糸に東レ(株)製のポリエステル繊維を用いて製作した幅30cmの補強用繊維シート(経糸CF:946、緯糸CF:28)を用いた。
比較例1は剛軟度(mm)が100となり低い値であった。比較例1は不織布と一体化していない織物であり、織物が柔らかい。このため柱に巻きつけ時に垂れやすい織物であった。
(比較例2)
経糸に東洋紡製の高分子量ポリエチレン繊維「ダイニーマ」(登録商標)を用い、緯糸に東レ(株)製のポリエステル繊維を用いて製作した幅30cmの補強用繊維シート(経糸CF:946、緯糸CF:28)に、目付け40g/mのポリエステル不織布「エクーレ」(登録商標)を、低融点ポリアミドの不織布シートを用いて熱接着した。
(比較例3)
経糸に東洋紡製の高分子量ポリエチレン繊維「ダイニーマ」(登録商標)を用い、緯糸に東レ(株)製のポリエステル繊維を用いて製作した幅30cmの補強用繊維シート(経糸CF:946、緯糸CF:28)に、目付け60g/mのポリエステル不織布「エクーレ」(登録商標)を、低融点ポリアミドの不織布シートを用いて熱接着した。
(比較例4)
経糸に東洋紡製の高分子量ポリエチレン繊維「ダイニーマ」(登録商標)を用い、緯糸に東レ(株)製のポリエステル繊維を用いて製作した幅30cmの補強用繊維シート(経糸CF:946、緯糸CF:28)に、目付け100g/mのポリエステル不織布「エクーレ」(登録商標)を、低融点ポリアミドの不織布シートを用いて熱接着した。
比較例2から4は剛軟度(mm)が200以上あり良好であるが、樹脂含浸性(回)が90以上となり樹脂含浸性が好ましくないものとなった。不織布の目付けが大きいため、織物は堅くなるが、樹脂の浸透を妨げる結果となった。
本発明の補強繊維シートは高強力繊維と不織布を一体化した織物であり、道路の床盤、橋脚、建物の柱、および壁などの補強に有用であり、効果的な補強が行えるとともに施工時の取り扱いに優れた工業的価値の高いものである。

Claims (10)

  1. 目付け量10g/m以上35g/m以下の不織布及び15cN/dtex以上の強度を有する高強度繊維を含む織編物を有する耐震補強用繊維シート。
  2. JIS L1096に記載されるA法(45°カンチレバー法)により測定される剛軟度が150mm以上である請求項1記載の耐震補強用繊維シート。
  3. 経糸に高強度繊維を用い、緯糸に前記経糸より細い繊度の糸を用いて製織された耐震補強用繊維シートであって、
    x=(経糸カバーファクター)=(経糸繊度(dtex)/繊維の密度(g/cm3))^1/2×(経糸密度(本/cm))
    y=(緯糸カバーファクター)=(緯糸繊度(dtex)/繊維の密度(g/cm3)))^1/2×(緯糸密度(本/cm))
    としたとき、xとyとの関係が下記の(1)および(2)式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐震補強用繊維シート。
    600≦x≦1000 ・・・(1)
    -0.025x+37≦y≦-0.025x+53・・(2)
  4. 前記高強度繊維がポリエチレン繊維である請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐震補強用繊維シート。
  5. 前記高強度繊維が超高分子量ポリエチレン繊維である請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐震補強繊維シート。
  6. 前記不織布が炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、PBO繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維又はポリエステル繊維からなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の耐震補強用繊維シート。
  7. 樹脂含浸性試験の結果が50回以上90回未満である請求項1〜6のいずれか一項に記載の耐震補強用繊維シート。
  8. 前記耐震補強用繊維シートの耐力が30トン/m以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の耐震補強用繊維シート。
  9. 前記耐震補強用繊維シートに樹脂を含浸させた請求項1〜8のいずれか一項に記載の耐震補強用繊維シート。
  10. 目付け量10g/m以上35g/m以下の不織布及び15cN/dtex以上の強度を有する高強度繊維を含む織編物を有する耐震補強用繊維シートを貼付する工程、及び前記耐震補強用繊維シートに樹脂を含浸させ硬化させる工程を含むことを特徴とする、建造物の耐震補強方法。
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