JP2015160877A - 組成物、塗膜、積層体、タイヤおよび物品 - Google Patents

組成物、塗膜、積層体、タイヤおよび物品 Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜の高い耐クラック性を得ることができる組成物を提供すること。
【解決手段】(A)ヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリレートと、(B)オキシアルキレン基を有する単官能(メタ)アクリレートと、(C)多官能(メタ)アクリレートと、(D)脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートと、を、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、前記(A)成分の配合量:40〜70質量部、前記(C)成分の配合量:0〜2質量部、前記(D)成分の配合量:0質量部以上、の条件で含み、ただし、前記(C)成分および前記(D)成分の少なくとも一方が含まれることを特徴とする、組成物。
【選択図】図2

Description

本発明は、組成物、塗膜、積層体、タイヤおよび物品に関する。
従来、ゴム製品、その他の成型品などの物品において、装飾性や視認性の向上などを目的として、物品への塗布、印刷などの着色や加工が広く行われている。ゴム製品であるタイヤにおいても同様に各種塗料組成物を用いた着色や加工が可能である(例えば、特許文献1)。
特開2013−141967号公報
低温環境下にさらされることがある物品では、塗膜にクラックが生じて塗膜の装飾性や視認性が損なわれないように、塗膜の高い耐クラック性が必要とされる。
そこで、本発明は、塗膜の高い耐クラック性を得ることができる組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、高い耐クラック性を備えた塗膜、ならびに当該塗膜を備えた積層体、タイヤおよび物品を提供することを目的とする。
本発明に係る組成物は、(A)ヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリレートと、
(B)オキシアルキレン基を有する単官能(メタ)アクリレートと、
(C)多官能(メタ)アクリレートと、
(D)脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートと、
を、
前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、
前記(A)成分の配合量:40〜70質量部、
前記(C)成分の配合量:0〜2質量部、
前記(D)成分の配合量:0質量部以上、
の条件で含み、ただし、前記(C)成分および前記(D)成分の少なくとも一方が含まれることを特徴とする。
本発明の組成物によれば、塗膜の高い耐クラック性を得ることができる。
本発明において、オキシアルキレン基は、式−(RO)n−で表される基を意味する。式中、Rは、直鎖構造または分岐構造のアルキレン基であり、nは、1以上の整数である。
本発明において、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートから選択される1種または2種を意味する。
本発明において、単官能は、(メタ)アクリレートが1つの(メタ)アクリロイル基を有することを意味し、多官能は、(メタ)アクリレートが、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有することを意味する。
本明細書において、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基およびメタクリロイル基から選択される1種または2種を意味する。
本発明において、平衡弾性率は、以下の方法により求められる。
動的粘弾性測定装置を用いて、10mm×40mm×1mmの板状の硬化した組成物(塗膜)の試験片を作製し、その試験片を引っ張り振動用治具に固定し、−100℃〜150℃の温度範囲にて、5Hzの周波数で応力をかけ、その際に発生する応答を検知させる。測定より求められたE’(貯蔵弾性率)のゴム平坦領域で一番低い値を平衡弾性率とする。
本発明において、ガラス転移温度(Tg)は、以下の方法により求められる。
動的粘弾性測定装置を用いて、10mm×40mm×1mm)の板状の硬化した組成物(塗膜)の試験片を作製し、その試験片を引っ張り振動用治具に固定し、−100℃〜150℃の温度範囲にて、5Hzの周波数で応力をかけ、その際に発生する応答を検知させる。測定より求められたE’(貯蔵弾性率)、E”(損失弾性率)より正弦損失tanδを求め、そのピーク温度をガラス転移温度(Tg)とする。
本発明において、用語「塗布」および「塗装」は相互互換的に用いられる。また、「塗布」および「塗装」に、「塗工」が含まれることが当業者に理解される。
本発明において、用語「被覆」は、被塗装体およびゴム層の少なくとも一部をおおうことを意味する。
本明細書において、光硬化および光重合における「光」には、紫外線、可視光線などの電磁波、α線、β線、γ線などの電離放射線が含まれる。
本発明に係る組成物では、前記(A)成分が、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートおよび4−ヒドロキシブチルアクリレートからなる群より選択される1以上であることが好ましい。これにより、塗膜の伸縮性を向上させることができ、かつ、塗膜の耐クラック性をさらに向上させることができる。
本発明に係る組成物では、前記(B)成分が、メトキシトリエチレングリコールアクリレートおよびエトキシジエチレングリコールアクリレートからなる群より選択される1以上であることが好ましい。これにより、塗膜の低温での耐クラック性(以下、「低温耐クラック性」という)をさらに向上させることができる。
本発明に係る組成物では、前記(C)成分が、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよび1,9−ノナンジオールジアクリレートからなる群より選択される1以上であることが好ましい。これにより、塗膜の耐クラック性をさらに向上させることができる。
本発明に係る組成物では、前記(D)成分が、t−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレートおよびシクロヘキシルアクリレートからなる群より選択される1以上であることが好ましい。これにより、塗膜の濡れ性をさらに向上させることができる。
本発明に係る組成物では、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、前記(D)成分の配合量が0〜50質量部であることが好ましく、0〜20質量部であることがより好ましい。これにより、塗膜の耐クラック性をさらに向上させることができる。
本発明に係る塗膜は、上記組成物の硬化物からなることを特徴とする。
この構成によれば、高い耐クラック性を備えた塗膜を提供することができる。
本発明に係る塗膜では、前記塗膜のガラス転移温度(Tg)が、0℃以下であることが好ましい。これにより、塗膜の低温耐クラック性がより向上する。
本発明に係る塗膜では、前記塗膜の平衡弾性率が、1.0×10Pa以下であることが好ましい。これにより、塗膜の伸縮性がより向上する。
本発明に係る積層体は、上記塗膜からなる被覆層と、前記被覆層と接して配設されたゴム層と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、高い耐クラック性を備えた塗膜を備えた積層体を提供することができる。
本発明に係る積層体では、前記被覆層が、上記組成物をインクジェット法によって、前記ゴム層に塗布し、硬化してなる。
本発明に係るタイヤは、上記積層体をサイドウォール部に用いたことを特徴とする。
この構成によれば、高い耐クラック性を備えた塗膜を備えたタイヤを提供することができる。
本発明に係る物品は、上記塗膜を含むことを特徴とする。
この構成によれば、高い耐クラック性を備えた塗膜を備えた物品を提供することができる。
本発明によれば、塗膜の高い耐クラック性を得ることができる組成物を提供することができる。
本発明によれば、高い耐クラック性を備えた塗膜を提供することができる。
本発明によれば、高い耐クラック性を備えた塗膜を備えた積層体、タイヤおよび物品を提供することができる。
本発明に係る積層体の一実施形態を模式的に示した断面図である。 本発明に係るタイヤの一実施形態を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
(組成物)
本発明に係る組成物は、(A)ヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリレートと、
(B)オキシアルキレン基を有する単官能(メタ)アクリレートと、
(C)多官能(メタ)アクリレートと、
(D)脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートと、
を、
前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、
前記(A)成分の配合量:40〜70質量部、
前記(C)成分の配合量:0〜2質量部、
前記(D)成分の配合量:0質量部以上、
の条件で含み、ただし、前記(C)成分および前記(D)成分の少なくとも一方が含まれることを特徴とする。
理論に拘束されることを望むものではないが、組成物を硬化して塗膜とした際に、(A)成分が塗膜の伸縮性、(B)成分が塗膜の低Tg化、(C)成分が塗膜の硬度(凝集力)、そして(D)成分が塗膜と被塗装体との間の接着力、にそれぞれ影響し、これらが有機的に相互作用することにより、塗膜の高い耐クラック性を得ることができると推測される。
以下、本発明に係る組成物の各成分(A)〜(D)について順に例示説明する。これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
<A:ヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリレート>
(A)成分であるヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートは、組成物の成膜性を高める働きと、塗膜に伸縮性を付与する働きを有する。
(A)成分としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。(A)成分の具体例としては、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ジ(2−ヒドロキシプロポキシ)ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
(A)成分は、高い光反応性で塗布硬化プロセスへの適合性の観点から、単官能アクリレートであることが好ましい。
(A)成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係る組成物では、前記(A)成分が、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートおよび4−ヒドロキシブチルアクリレートからなる群より選択される1以上であることが好ましい。これにより、塗膜の平衡弾性率が適度に低下し、塗膜の伸縮性を向上させることができ、かつ、塗膜の耐クラック性をさらに向上させることができる。
(A)成分の配合量は、(A)成分と後述する(B)成分の合計100質量部に対して、前記(A)成分の配合量が40〜70質量部であればよい(すなわち、(B)成分の配合量は60〜30質量部である)。前記合計100質量部に対して、(A)成分の量が40質量部未満の場合、あるいは、70質量部よりも多い場合、塗膜の耐クラック性が不十分となる。
前記(A)成分の配合量40〜70質量部の範囲内で、(A)成分の量を増やすと、塗膜の伸縮性を高めることができ、一方、(A)成分の量を減らす((B)成分の量を増やす)と、塗膜のTgをさらに低下させることができる。さらに、(A)成分と(B)成分の量を等分とすることで、または等分に近づけることで、塗膜の伸縮性と低Tg性をバランスさせることができる。
<B:オキシアルキレン基を有する単官能(メタ)アクリレート>
(B)成分であるオキシアルキレン基を有する単官能(メタ)アクリレートは、組成物の成膜性を高める働きと、塗膜のTgを低下させる働きを有する。
オキシアルキレン基は、式−(RO)n−で表される基であり、式中、Rは、直鎖構造または分岐構造のアルキレン基であり、nは、1以上の整数である。
Rとしては、例えば、エチレン、プロピレン(−CHCHCH−、または−CH(CH)CH−)などが挙げられる。
nは、1以上の整数であるが、2〜20が好ましく、2または3がより好ましい。
(B)成分は、式CH=CR”COO−(RO)n−R’を有する単官能(メタ)アクリレートとすることができる。式中、R’は、水素原子および炭素原子数1〜15個の1価の炭化水素基から選択される基を表し、R”は、水素原子またはメチル基であり、nは、1以上の整数である。
(B)成分は、高い光反応性で塗布硬化プロセスへの適合性の観点から、単官能アクリレートであることが好ましい。
(B)成分としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
(B)成分の具体例としては、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(CH=CHCOO(CHCHO)CH)、エトキシジエチレングリコールアクリレート(CH=CHCOO(CHCHO))、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性コハク酸アクリレート;これらのメタクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
(B)成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係る組成物では、前記(B)成分が、メトキシトリエチレングリコールアクリレートおよびエトキシジエチレングリコールアクリレートからなる群より選択される1以上であることが好ましい。これにより、塗膜のTgが低下し、塗膜の低温耐クラック性をさらに向上させることができる。
<C:多官能(メタ)アクリレート>
(C)成分である多官能(メタ)アクリレートは、塗膜の硬度(凝集力)を制御する働きを有する。
(C)成分としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
(C)成分の(メタ)アクリロイル基の数は、2個以上であればよく、例えば、2〜6個が好ましく、2個がより好ましい。
(C)成分は、高い光反応性で塗布硬化プロセスへの適合性の観点から、多官能アクリレートであることが好ましい。
(C)成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
2官能の(C)成分の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)ビスフェノールAジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)−1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート;これらのメタクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
3官能の(C)成分の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これに限定されない。
4官能の(C)成分の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート;これらのメタクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
6官能の(C)成分の具体例としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これに限定されない。
本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した(C)成分の他、(C)成分として、特許文献1に記載の多官能モノマーBを用いてもよい。
本発明に係る組成物では、前記(C)成分が、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよび1,9−ノナンジオールジアクリレートからなる群より選択される1以上であることが好ましい。これにより、塗膜の硬度を制御して、塗膜の耐クラック性をさらに向上させることができる。
本発明に係る組成物では、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、前記(C)成分の配合量が0〜2質量部である。ただし、前記(C)成分および後述する(D)成分の少なくとも一方が含まれる。
理論に拘束されることを望むものではないが、この理由は、成分(D)由来の重合物自体の強靭性が高いためと推測される。
前記(C)成分の配合量が2質量部よりも多くなると、耐クラック性が不十分となる。
本発明に係る組成物では、(C)成分の配合量は、0質量部であってもよい。
本発明に係る組成物では、(C)成分の配合量は、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、0質量部より多く、2質量部以下であってもよい。(C)成分の配合量を前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、2質量部以下とすることにより、平衡弾性率の上昇を抑え、塗膜の硬度を制御することができ、塗膜の耐クラック性をさらに向上させることができる。
本発明に係る組成物では、(C)成分の配合量は、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、0.5〜2質量部が好ましく、0.5〜1質量部がより好ましい。
<D:脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート>
(D)成分である脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートは、塗膜の表面自由エネルギーを制御して、塗膜と被塗装体との間の接着力を向上させる働きを有する。
(D)成分の脂肪族炭化水素基としては、例えば、直鎖構造または分岐構造を有するアルキル基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、1個以上、または脂環式炭化水素の場合はその環構造を形成し得る最小炭素原子数以上、かつ、10個以下であることが好ましい。
(D)成分としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
(D)成分は、高い光反応性で塗布硬化プロセスへの適合性の観点から、単官能アクリレートであることが好ましい。
(D)成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(D)成分の具体例としては、t−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート;これらのメタクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に係る組成物では、前記(D)成分が、t−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレートおよびシクロヘキシルアクリレートからなる群より選択される1以上であることが好ましい。これにより、塗膜と被塗装体との間の接着力が高まり、塗膜の濡れ性をさらに向上させることができる。
本発明に係る組成物では、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、前記(D)成分の配合量が0質量部以上である。ただし、前記(C)成分および前記(D)成分の少なくとも一方が含まれる。
本発明に係る組成物では、(D)成分の配合量は、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、0質量部であってもよい。
本発明に係る組成物では、(D)成分の配合量は、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、0質量部より多くともよく、1質量部以上でもよい。
本発明に係る組成物では、(D)成分の配合量は、耐クラック性の観点から、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、80質量部未満であることが好ましい。
本発明に係る組成物では、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、前記(D)成分の配合量が0〜50質量部であることが好ましく、0〜20質量部であることがより好ましい。この範囲であることにより、塗膜の平衡弾性率と柔軟性とをバランスさせて、塗膜の耐クラック性をさらに向上させることができる。
前記(D)成分の配合量は、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、10〜20質量部であることがより好ましい。
本発明に係る組成物は、上記構成により、塗膜の高い耐クラック性を得ることができ、低温でも、例えば特に−30℃でも、塗膜の高い耐クラック性を得ることができる。
なお、一般的に、温度が低くなるほど塗膜にクラックが生じ易くなるため、低温で塗膜が耐クラック性を有する場合は、その温度よりも高い温度でも塗膜が耐クラック性を有すること(例えば、−30℃で塗膜が耐クラック性を有する場合、−20℃、−10℃、0℃、および25℃でも塗膜が耐クラック性を有すること)が当業者に理解される。
従来の塗料組成物では、成膜性を確保するために、アクリレートオリゴマーやアクリレートポリマーの配合が通常、必要であったが、その場合、塗料組成物の粘度が上昇し、加工性(例えば、インクジェット法における吐出性)が低く、例えば、インクジェット印刷への応用が難しいという問題があった。
これに対して、本発明に係る組成物は、上記構成により、塗膜の高い耐クラック性を得ることができることに加えて、(メタ)アクリレートポリマー、(メタ)アクリレートオリゴマーを含まなくとも、優れた成膜性を得ることもできる。
また、本発明に係る組成物は、(メタ)アクリレートポリマー、(メタ)アクリレートオリゴマーを含まなくともよいため、粘度が低く、優れた加工性(例えば、インクジェット法における吐出性)を得ることもできる。
本発明に係る組成物は、例えば、溶剤なしでインクジェット方式による組成物の塗布が可能である。
本発明に係る組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した(A)〜(D)成分の他、用途、所望の性能などに応じて、光重合開始剤((E)成分)、(メタ)アクリレートポリマー、(メタ)アクリレートオリゴマー、顔料、染料、分散剤、表面張力を制御する添加物(例えば、表面調整剤など)、可塑剤、重合禁止剤、光安定化剤、酸化防止剤などの塗料(インク)組成物の分野において従来公知の添加剤を適宜含んでもよい。
本発明に係る組成物は、(メタ)アクリレートポリマーおよび(メタ)アクリレートオリゴマーを含まないことも可能である。
以下、本発明に係る組成物に含まれ得る(E)成分としての光重合開始剤を例示説明する。
<E:光重合開始剤>
(E)成分である光重合開始剤は、光照射による(A)〜(D)成分の重合を開始ないし促進する働きを有する。
(E)成分である光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤のいずれを用いてもよい。一般には、ラジカル重合開始剤が使用される。
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、4−(ジエチルアミノ)安息香酸メチルなどの水素引き抜き型開始剤;ベンゾインエーテル、ベンゾイルプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどの分子内開裂型開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノンなどのα−ヒドロキシアルキルフェノン型開始剤;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1などのα−アミノアルキルフェノン型開始剤;アシルホスフィンオキサイドなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
(E)成分としては、入手容易性の観点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。
(E)成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(E)成分の配合量は、上述した各成分の配合量などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されないが、(E)成分を用いる場合、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましい。あるいは、前記(A)〜(D)成分の総量の0.1〜10質量%であってもよい。
(塗膜)
本発明に係る塗膜は、上記組成物の硬化物からなることを特徴とする。
この構成によれば、高い耐クラック性を備えた塗膜を提供することができる。そのため、例えば、大きな変形を繰り返し受ける、屋外など低温環境下にさらされる、または微細ないし複雑な構造を有する、タイヤなどの被塗装体であっても、装飾性や視認性の高い塗膜を得ることができる。
塗膜の形成方法は、特に限定されず、例えば、被塗装体に、上述した組成物を塗布し、光および/または熱によって硬化させて塗膜を形成することができる。
塗布方法は特に限定されず、例えば、インクジェット、グラビアコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、熱転写、浸漬(ディップ)など従来公知の方式を採用することができる。なかでも、本発明に係る組成物は、低粘度を保持できるため、インクジェット方式を好適に利用することができる。
硬化方法は特に限定されず、光による硬化、熱による硬化のいずれでもよいが、光による硬化が好ましい。
硬化に使用する光、光源、光量、照度は、特に限定されず、組成物の配合組成、塗膜の厚み、および所望の物性などに応じて適宜、選択することができる。
光は、例えば、波長200〜450nmの光が好ましく、波長250〜430nmの光がより好ましい。
光源は、特に限定されず、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、太陽光、LEDランプなどが挙げられる。これらの光源を用い、例えば、積算光量が100〜5000mJ/cm、ピーク照度が100〜1000mW/cmの条件で光照射することにより、組成物を光硬化させて塗膜を形成することができる。
積算光量およびピーク照度は、紫外線光量計を用いて測定することができる。
本発明に係る塗膜では、前記塗膜のガラス転移温度(Tg)が、0℃以下であることが好ましい。これにより、塗膜の低温耐クラック性がより向上する。
本発明に係る塗膜では、前記塗膜の平衡弾性率が、1.0×10Pa以下であることが好ましい。これにより、塗膜の伸縮性がより向上する。
また、本発明に係る塗膜では、前記塗膜の平衡弾性率が、1.0×10Pa以上であることが好ましい。これにより、塗膜の成膜性がより高まる。
(積層体)
図1は、本発明に係る積層体の一実施形態を、模式的に示した断面図である。
図1に示すように、本発明に係る積層体10は、塗膜からなる被覆層12と、前記被覆層12に接して配設されたゴム層11と、を備える。
この構成によれば、積層体は、高い耐クラック性を備えた塗膜を備える。
以下、被覆層およびゴム層について順に例示説明する。
<被覆層>
被覆層は、上記塗膜からなる。
塗膜を形成する組成物および塗膜の形成方法は、上述したとおりである。
本発明に係る積層体では、上記組成物が低粘度を保持できるため、前記被覆層が、上記組成物をインクジェット法によって、前記ゴム層に塗布し、硬化してなることも可能である。
また、被塗装体がタイヤの場合、あらかじめ上記組成物を、剥離フィルムなどの上に塗布し、光を照射して硬化させて得た被覆層をタイヤの加硫時に挿入するインモールド成型により、前記被覆層をタイヤの外表面に設けてもよい。あるいは、容易かつ確実に前記組成物の塗布が可能であることから、加硫済みのタイヤに、インクジェット方式を用いて塗布してもよい。
上記組成物をUVなどの光照射により硬化させて被覆層を形成する場合、硬化に使用する光、光源、光量、照度は、特に限定されず、組成物の配合組成、被覆層の厚み、および所望の物性などに応じて適宜、選択することができる。硬化に使用する光、好ましい光の波長、光源、積算光量、ピーク照度については、上記塗膜について上述した内容とすることができる。
被覆層の厚みは、特に限定されず、例えば、積層体がタイヤのサイドウォール部として用いられる場合には、5〜100μmであることが好ましい。5μm以上とすることにより、十分な意匠性を確保しやすく、一方、100μm以下とすることにより、製造コストを抑えることができる。
タイヤを形成する場合には、タイヤサイドの黒色を隠ぺいするために白色顔料を含む塗膜(白色層)を先に形成し、その上に所望の色の顔料を含む上記塗膜である被覆層(カラー層)を1〜3色形成する。白色層の厚みは、配合する白色顔料の量にもよるが、例えば、10〜40μm程度とすることができ、カラー層の厚みは、例えば、5〜30μm程度とすることができる。
<ゴム層>
ゴム層は、天然ゴム、合成ゴムなどのゴム成分を含むゴム組成物を加硫してなるものであればよく、特に限定されない。
積層体がタイヤ部材として使用される場合、前記被覆層との接着性を確保するために、主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム成分を含んだゴム組成物からなるゴム層が好ましい。
なお、「主鎖に不飽和炭素結合を有する」とは、ポリマーの主鎖に不飽和炭素結合(ジエン成分)を有し、ジエン成分が2mol%以上である場合をいう。
また、前記主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR);イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)などのジエン系ゴム、ブチルゴム(IIR)などの合成ゴムが挙げられるが、これらに限定されない。
これらゴム成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ゴム層を構成するゴム組成物において、ゴム成分の15質量%以上が非ジエン系ゴムであることが好ましい。ゴム成分の15質量%以上を非ジエン系ゴムとすることにより、ゴム層の耐候性が大幅に向上する。
ゴム層に適用するゴム組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述したゴム成分の他、老化防止剤;カーボンブラック、シリカなどの充填剤;硫黄などの加硫剤;加硫促進剤;プロセスオイル;スコーチ防止剤;亜鉛華;ステアリン酸などのゴム工業で一般的に使用される公知の添加剤を、適宜選択して配合することができる。
前記ゴム組成物は、ゴム成分に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を混練りし、熱入れ、押出などを行うことによって製造できる。
本発明に係る積層体には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、被覆層の塵などによる汚れならびに酸化および太陽光による劣化を防ぐ目的で、図1に示すように、被覆層12の表面にさらに表面保護層13が設けられてもよい。
表面保護層としては、被覆層を保護し得るものであればよく、例えば、特許文献1に記載の構成を採用することができる。
本発明に係る積層体には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、被覆層とゴム層との間の接着力を高めるため、被覆層とゴム層との間にプライマー層が形成されていてもよい。
プライマー層としては、例えば、特許文献1に記載の構成を採用することができる。
本発明に係る積層体には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ゴム層の表面上に、本発明に係る組成物を塗布した際に、ゴム層に対する当該組成物の濡れ性を高めるために、ゴム層表面の表面改質処理(例えば、プラズマ処理、コロナ処理など)を施しても良い。
(タイヤ)
本発明に係るタイヤは、積層体をサイドウォール部に用いたことを特徴とする。
図2は、本発明に係るタイヤの一例を示す断面図である。この一例のタイヤは、1対のビード部1およびこのビード部1の半径方向外側にそれぞれ連なる1対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2間に跨がるトレッド部3とからなっている。そして、ビード部1のビードコア4間にはトロイド状に延びるこの例では1枚のカーカスプライからなるカーカス5が配置され、トレッド部3におけるこのカーカス5の半径方向外側に、この例では、2層のベルト層を有するベルト6が配置されることによって、タイヤの骨格を形成している。また、図2に示すタイヤは、サイドウォール部2のタイヤ外表面の一部に被覆層7を備え、被覆層7のタイヤ内面側(図示例では、タイヤ幅方向内側)に隣接してゴム層8、タイヤ外面側に表面保護層9を備えている。
この他、本発明に係るタイヤは、図示しないが、例えば、サイドウォール部2のカーカス5のタイヤ幅方向の外側に配置するゴム全体をゴム層8とし、ゴム層8の表面に被覆層7を配設した構成であってもよい。
(物品)
本発明に係る物品は、上記塗膜を含むことを特徴とする。
この構成によれば、高い耐クラック性を備えた塗膜を備えた物品を提供することができる。そのため、例えば、屋外など低温環境下にさらされる、または微細ないし複雑な構造を有する、被塗装体であっても、上記塗膜を含むことによって、装飾性や視認性の高い物品を得ることができる。
物品は、特に限定されず、例えば、ゴムクローラ、コンベアベルトなどのタイヤ以外のゴム物品;携帯電話、タブレット端末などの携帯端末;自動車や鉄道などの車両;家電製品;建築材料などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
(組成物の調製)
表1〜7に示す配合組成で各組成物を調製した。
Figure 2015160877
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表1〜7中の*1〜*5の各成分の詳細は以下のとおりである。
*1 2−ヒドロキシプロピルアクリレート((A)成分):共栄社化学株式会社製の商品名ライトエステルHOP−A
*2 メトキシトリエチレングリコールアクリレート((B)成分):共栄社化学株式会社製の商品名ライトアクリレートMTG−A
*3 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート((C)成分):共栄社化学株式会社製の商品名ライトアクリレート1.6HX−A
*4 イソボルニルアクリレート((D)成分):共栄社化学株式会社製の商品名ライトアクリレートIB−XA
*5 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン((E)成分):商品名IRGACURE 184
上記実施例および比較例の配合組成の各組成物について、以下に示すように、加工性の評価を行った。その結果を各表1〜7に合わせて示す。
(加工性)
加工性の評価は、各組成物の粘度をレオメーター(TA Instruments社製の商品名DISCOVERY HR−2)を用いて測定することにより行った。
せん断速度10s−1のときの40℃の粘度が5〜30mPa・sの範囲内である場合、加工性を○とし、その範囲を外れた場合、加工性を×とした。
上記実施例および比較例の配合組成の組成物の硬化物(塗膜)について、以下に示すように、平衡弾性率およびガラス転移温度の評価を行った。その結果を各表1〜7に合わせて示す。
(平衡弾性率)
動的粘弾性装置を用いて、10mm×40mm×1mmの板状のUV硬化した組成物(塗膜)の試験片を作製し、その試験片を引っ張り振動用治具に固定し、−100℃〜150℃の温度範囲にて、5Hzの周波数で応力をかけ、その際に発生する応答を検知させた。測定より求められたE’(貯蔵弾性率)のゴム平坦領域で一番低い値を平衡弾性率とした。
(ガラス転移温度(Tg))
動的粘弾性測定装置を用いて、10mm×40mm×1mm)の板状のUV硬化した組成物(塗膜)の試験片を作製し、その試験片を引っ張り振動用治具に固定し、−100℃〜150℃の温度範囲にて、5Hzの周波数で応力をかけ、その際に発生する応答を検知させた。測定より求められたE’(貯蔵弾性率)、E”(損失弾性率)より正弦損失tanδを求め、そのピーク温度をTgとした。
上記実施例および比較例の配合組成の組成物の硬化物(被覆層)と、以下のゴム層とを備える積層体について、以下に示すように、耐クラック性の評価を行った。その結果を各表1〜7に合わせて示す。
(ゴム層の配合組成)
以下に示す配合組成をバンバリーミキサーにより混合して、ゴム組成物を調製した。
ブチルゴム(ゴム成分 日本ブチル株式会社製の商品名JSRブロモブチル 2255):100質量部
ナフテン系オイル(JX日鉱日石エネルギー株式会社製の商品名A/O MIX):3質量部
カーボンブラック(旭カーボン株式会社製の商品名旭 NPG)50質量部
アニシジン(J&K SCIENTIFIC LTD社製の商品名RAC−23(3−メトキシベンゼンアミン)):3質量部
ステアリン酸(ミヨシ油脂株式会社製の商品名MXST−L):2質量部
亜鉛華(九州白水株式会社製の商品名ハクスイテック):3質量部
加硫促進剤(三新化学工業株式会社製の商品名サンセラーCM−G):0.2質量部
不溶性硫黄(四国化成工業株式会社製の商品名ミュークロンOT−20):3質量部
(耐クラック性)
まず、上記ゴム組成物を加硫して得たゴム層の表面上に、上記実施例および比較例の配合組成の各組成物を、膜厚が20μmとなるようにバーコーターによりそれぞれ、塗布した。そして、SUBZERO 085(UVランプシステム,インテグレーション社製,出力100W/cm)を用いて、積算光量が3000mJ/cm、ピーク照度が250mW/cmの条件で組成物をUV硬化し、被覆層を形成し、実施例および比較例の各サンプルとなる積層体を作製した。積算光量およびピーク照度の測定は、紫外線光量計Power Pack(EIT社製)を用いて行った。
次いで、恒温槽付き2連サーボパルサーにて、上記積層体を20mm×60mmの試験片にカットし、その試験片を引っ張り振動用治具に固定し、−30℃環境下、30%歪条件で5Hzの周波数により1万回疲労試験を行った。その試験後の塗膜表面のクラックの有無を確認した。耐クラック性の評価基準は以下のとおりである。
◎:サンプル前面にわたり初期対比変化なし(クラックなし)
○:固定治具近傍がわずかに白変(クラックなし)
△:固定治具近傍にわずかなシワが発生(クラックなし)
×:クラック発生
(結果のまとめ)
表1〜7より、上記(A)〜(D)成分を、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(A)成分の配合量:40〜70質量部、(C)成分の配合量:0〜2質量部、(D)成分の配合量:0質量部以上、の条件で含み、ただし、(C)成分および(D)成分の少なくとも一方が含まれることにより、塗膜の高い耐クラック性を得ることができる。
本発明に係る組成物は、タイヤ部材(特に、タイヤのサイドウォール部)の製造において特に好適に利用可能である。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 カーカス
6 ベルト
7 被覆層
8 ゴム層
9 表面保護層
10 積層体
11 ゴム層
12 被覆層
13 表面保護層

Claims (14)

  1. (A)ヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリレートと、
    (B)オキシアルキレン基を有する単官能(メタ)アクリレートと、
    (C)多官能(メタ)アクリレートと、
    (D)脂肪族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートと、
    を、
    前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、
    前記(A)成分の配合量:40〜70質量部、
    前記(C)成分の配合量:0〜2質量部、
    前記(D)成分の配合量:0質量部以上、
    の条件で含み、ただし、前記(C)成分および前記(D)成分の少なくとも一方が含まれることを特徴とする、組成物。
  2. 前記(A)成分が、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートおよび4−ヒドロキシブチルアクリレートからなる群より選択される1以上であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記(B)成分が、メトキシトリエチレングリコールアクリレートおよびエトキシジエチレングリコールアクリレートからなる群より選択される1以上であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記(C)成分が、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよび1,9−ノナンジオールジアクリレートからなる群より選択される1以上であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記(D)成分が、t−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレートおよびシクロヘキシルアクリレートからなる群より選択される1以上であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記(D)成分の配合量が、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、0〜50質量部であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記(D)成分の配合量が、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、0〜20質量部であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物の硬化物からなることを特徴とする、塗膜。
  9. 前記塗膜のガラス転移温度(Tg)が、0℃以下であることを特徴とする、請求項8に記載の塗膜。
  10. 前記塗膜の平衡弾性率が、1.0×10Pa以下であることを特徴とする、請求項8に記載の塗膜。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の塗膜からなる被覆層と、
    前記被覆層と接して配設されたゴム層と、
    を備えることを特徴とする、積層体。
  12. 前記被覆層が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物をインクジェット法によって、前記ゴム層に塗布し、硬化してなることを特徴とする、請求項11に記載の積層体。
  13. 請求項11または12に記載の積層体をサイドウォール部に用いたことを特徴とする、タイヤ。
  14. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の塗膜を含むことを特徴とする、物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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