JP2015160702A - クレーン制御装置およびクレーン制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クレーン制御装置が、クレーンに設けられた複数の電動機を制御するクレーン制御装置であって、各電動機に対する動作指令に基づいて、前記複数の電動機への電力供給を制御して当該電動機の駆動を制御する駆動制御部と、前記複数の電動機での消費電力の総和、または、前記複数の電動機から還元される回生電力の総和のいずれかが予め定められた閾値を超えた時点で、当該時点以降の少なくとも一つの前記電動機の速度を制限する速度制限部と、所定の条件の成立を検出すると前記速度制限部による前記速度制限を解除する速度制限解除部と、を具備する。
【選択図】図2
Description
かかる電動式クレーンにおける速度等の制限に関連して、特許文献1に記載のクレーンの制御装置は、第1の電動モータ、第2の電動モータおよび第3の電動モータにそれぞれ駆動電力を供給する電力供給部と、第1の電動モータ、第2の電動モータおよび第3の電動モータの駆動指令をそれぞれ入力する入力部と、入力部から入力された駆動指令に応じて電力供給部を制御する制御部とを備える。制御部は、第1の電動モータ、第2の電動モータおよび第3の電動モータに供給される電力を加算した総供給電力を、これら電動モータがそれぞれ単独で加速駆動されたときに各電動モータに供給される電力を加算した第1の総供給電力よりも小さい第2の総供給電力に制限する。
これにより、特許文献1に記載のクレーンの制御装置では、発電機の発電容量を効率よく低減することができる。
消費電力や回生電力のピークを小さくでき、かつ、クレーンの性能を発揮できることが望まれる。
図1は、本発明の第1の実施形態において制御対象となるクレーンの例を示す概略外形図である。同図において、船舶1は、船舶本体2と、船舶本体2に搭載されたデッキクレーンシステム3とを具備する。デッキクレーンシステム3は、4台のクレーン本体4を具備する。
旋回塔41は、船舶本体2に対して固定されたベース部の上端に旋回可能に設けられている。旋回塔41は、旋回モータによって駆動されて旋回する。
ジブ42は、旋回塔41に傾き可変に設けられている。ジブ42は、旋回塔41の旋回に伴って旋回する。また、ジブ42は、俯仰モータによって駆動されて傾きを変化させる(俯仰する)。
フック44は、ワイヤ43のジブ42から垂下している一端に設けられている。フック44の位置は、旋回塔41の回転や、ジブ42の傾きの変化や、ワイヤ43の巻き取り量の変化によって変化する。フック44は、貨物を支持する状態で自らの位置が変化することにより、当該貨物を移動させる。
なお、デッキクレーンシステム3の具備するクレーンの数は、図1に示す4つに限らず1つ以上であればよい。
同図において、デッキクレーンシステム3は、クレーン本体4と、クレーン制御装置100と、インバータ301〜303と、操作ハンドル401〜403とを具備する。クレーン本体4は、巻モータ201と、俯仰モータ202と、旋回モータ203とを具備する。クレーン制御装置100は、記憶部110と、制御部120とを具備する。制御部120は、駆動制御部121と、速度制限部122と、速度制限解除部123とを具備する。
また、インバータ301〜303は、それぞれ、電力系統520を介して電源510から電力の供給を受けている。
俯仰モータ202は、上述したように、ジブ42の傾きを変化させる。
旋回モータ203は、上述したように、旋回塔41を回転させる。
なお、以下では、巻モータ201と俯仰モータ202と旋回モータ203とを総称して「各モータ」と表記する。
操作ハンドル401〜403は、いずれもクレーン本体4に対する操作者の操作を受ける。具体的には、操作ハンドル401は、ワイヤ43の巻き取り量を変化させる操作を受ける。操作ハンドル402は、ジブ42の傾きを変化させる操作を受ける。操作ハンドル403は、旋回塔の向き(旋回量)を変化させる操作を受ける。
記憶部110は、クレーン制御装置100の具備する記憶デバイスを用いて構成され、各種データを記憶する。特に、記憶部110は、各モータに対する速度制限の有無を記憶する。例えば、記憶部110は、速度制限の有無を示す速度制限フラグを記憶する。速度制限フラグの値「0」は速度制限なしを示し、「1」は速度制限ありを示す。
駆動制御部121は、各モータ(各電動機)に対する動作指令に基づいて、各モータへの電力供給を制御することで各モータの駆動を制御する。より具体的には、駆動制御部121は、操作ハンドル401、402、403の受ける操作に基づいて、それぞれ、インバータ301、302、303を制御する。これにより、駆動制御部121は、各モータの回転速度を制御する。特に、速度制限ありとなっている場合、駆動制御部121は、予め設定されている各モータの制限速度の範囲内でインバータ301〜303の制御を行う。
速度制限部122が、各モータでの消費電力の総和に基づいて速度制限を行うことで、各モータでの消費電力の総和の最大値を比較的小さく抑えることができる。これにより、電源510の定格出力(電源510の出力電力の最大値)は比較的小さくてよい。この点で、電源510のコスト低減を図ることができる。
速度制限解除部123は、所定の条件の成立を検出すると速度制限部122による速度制限を解除する。特に速度制限解除部123は、所定の条件として、1つのクレーン(クレーン本体4)に設けられた複数の電動機(各モータ)の全てが停止状態となったことを検出する。
図3は、速度制限部122が速度制限を行う処理手順の例を示すフローチャートである。同図の処理において、速度制限部122は、各モータにおける消費電力の合計値を取得する(ステップS101)。例えば、速度制限部122は、インバータ301〜303から各モータの消費電力の情報を取得して合計する。
そして、速度制限部122は、ステップS104で得られた回生電力の合計値が所定の回生電力閾値以上か否かを判定する(ステップS105)。回生電力閾値以上であると判定した場合(ステップS105:YES)、速度制限部122は、各モータに対する速度制限を行う(ステップS106)。なお、消費電力に基づく速度制限と、回生電力に基づく速度制限とで、制限速度が異なっていてもよいし同じであってもよい。
ステップS106の後、ステップS101へ戻る。
また、ステップS105において、回生電力の合計値が回生電力閾値未満であると判定した場合(ステップS105:NO)、ステップS101へ戻る。
次に、速度制限解除部123は、ステップS201で得られた情報に基づいて速度制限中か否かを判定する(ステップS202)。速度制限中ではないと判定した場合(ステップS202:NO)、ステップS201へ戻る。
そして、速度制限解除部123は、ステップS203で得られた情報に基づいて、各モータが全て停止しているか否かを判定する(ステップS204)。停止していないモータがあると判定した場合(ステップS204:NO)、ステップS201へ戻る。
ステップS205の後、ステップS201へ戻る。
また、速度制限部122が回生電力の総和に基づいて速度制限を行うことで、回生電力の余剰を低減させることができる。これにより、例えば余剰の回生電力が各モータに流入してコイルが焼き切れるなど、余剰の回生電力に起因する不具合発生の可能性を低減させることができる。
また、速度制限解除部123が、速度制限を解除することで、制限が必要な場合はモータの速度を制限して消費電力や回生電力のピークを小さくすることができ、制限が不要な場合には、速度制限を解除してクレーンの性能を発揮させることができる。このように、デッキクレーンシステム3では、消費電力や回生電力のピークを小さくでき、かつ、クレーンの性能を発揮できる。
ここで、クレーンのモータに速度制限がかかった場合、速度制限が解除される際に問題が生じる可能性がある。例えば、デッキクレーンには、巻き・俯仰・旋回の3動作がある。複数動作を同時に行って速度制限がかかった後、これら複数動作のうち1つが行われなくなって消費電力または回生電力が規定値以下になり速度制限が解除されることが考えられる。すると、残りの動作にて操作者の意図しない速度上昇が生じ、例えば安全上の問題またはコントロール精度の低下など、何らかの問題が生じる可能性がある。
なお、速度制限部122が、巻モータ201、俯仰モータ202、旋回モータ203のうち1つまたは2つのみに速度制限を設定するようにしてもよい。これによっても、消費電力や回生電力のピークを小さくすることができる。
図5は、本発明の第2の実施形態におけるデッキクレーンシステムの機能構成を示す概略ブロック図である。なお、本実施形態で制御対象となるクレーンについては、図1を参照して説明したのと同様であり、図示および説明を省略する。
図5において、デッキクレーンシステム6は、クレーン本体4−1〜4−4と、クレーン制御装置160と、インバータ301−1〜303−1、・・・、301−4〜303−4、と、操作ハンドル401−1〜403−1、・・・、401−4〜403−4とを具備する。クレーン本体4−i(iは、1<i4の正整数)は、巻モータ201−iと、俯仰モータ202−iと、旋回モータ203−iとを具備する。クレーン制御装置160は、記憶部170と、制御部180とを具備する。制御部180は、駆動制御部181と、速度制限部182と、速度制限解除部183とを具備する。
また、インバータ301−1〜303−1、・・・、301−4〜303−4は、それぞれ、電力系統520を介して電源510から電力の供給を受けている。
なお、以下では、クレーン本体4−1〜4−4、巻モータ201−1〜201−4、俯仰モータ202−1〜202−4、旋回モータ203−1〜203−4を総称して、それぞれ、クレーン本体4、巻モータ201、俯仰モータ202、旋回モータ203と表記する。
なお、以下では、インバータ301−1〜301−4、インバータ302−1〜302−4、インバータ303−1〜303−4を総称して、それぞれ、インバータ301、インバータ302、インバータ303と表記する。
なお、以下では、操作ハンドル401−1〜401−4、操作ハンドル402−1〜402−4、操作ハンドル403−1〜403−4を総称して、それぞれ、操作ハンドル401、操作ハンドル402、操作ハンドル403と表記する。
記憶部170は、クレーン制御装置160の具備する記憶デバイスを用いて構成され、各種データを記憶する。特に、記憶部170は、クレーン本体4毎に、各モータに対する速度制限の有無を記憶する。例えば、記憶部170は、速度制限の有無を示す速度制限フラグを、クレーン本体4−1〜4−4の各々について記憶する。速度制限フラグの値「0」は速度制限なしを示し、「1」は速度制限ありを示す。
駆動制御部181は、クレーン本体4毎に、各モータ(各電動機)に対する動作指令に基づいて、各モータへの電力供給を制御することで各モータの駆動を制御する。より具体的には、駆動制御部181は、操作ハンドル401、402、403の受ける操作に基づいて、それぞれ、対応するインバータ301、302、303を制御する。これにより、駆動制御部181は、各モータの回転速度を制御する。特に、速度制限ありとなっている場合、駆動制御部181は、予め設定されている各モータの制限速度の範囲内でインバータ301〜303の制御を行う。
速度制限部182が、各モータでの消費電力の総和に基づいて速度制限を行うことで、各モータでの消費電力の総和の最大値を比較的小さく抑えることができる。これにより、電源510の定格出力は比較的小さくてよい。この点で、電源510のコスト低減を図ることができる。
速度制限解除部183は、所定の条件の成立を検出すると速度制限部182による速度制限を、クレーン本体4毎に解除する。特に速度制限解除部183は、所定の条件として、1つのクレーン(クレーン本体4)に設けられた複数の電動機(各モータ)の全てが停止状態となったことを検出する。
図6は、速度制限部182が速度制限を行う処理手順の例を示すフローチャートである。同図の処理において、速度制限部182は、クレーン本体4−1〜4−4全ての各モータにおける消費電力の合計値を取得する(ステップS301)。例えば、速度制限部182は、インバータ301−1〜303−1、・・・、301−4〜303−4から各モータの消費電力の情報を取得して合計する。
例えば、第1の実施形態における消費電力閾値は、電源510の供給する電力のうち4台のクレーン本体4に割り当てられる電力を4(クレーン台数)で除算した値に設定される。これに対して、本実施形態における消費電力閾値は、電源510の供給する電力のうち4台のクレーン本体4に割り当てられる電力の値に設定される。
そして、速度制限部182は、ステップS304で得られた回生電力の合計値が所定の回生電力閾値以上か否かを判定する(ステップS305)。回生電力閾値以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、速度制限部182は、各モータに対する速度制限を行う(ステップS306)。
なお、消費電力に基づく速度制限と、回生電力に基づく速度制限とで、制限速度が異なっていてもよいし同じであってもよい。
ステップS306の後、ステップS301へ戻る。
また、ステップS305において、回生電力の合計値が回生電力閾値未満であると判定した場合(ステップS305:NO)、ステップS301へ戻る。
次に、速度制限解除部183は、ステップS402で得られた情報に基づいて、対象クレーンが速度制限中か否かを判定する(ステップS403)。
その後、ステップS401へ戻る。
また、ステップS405において停止していないモータがあると判定した場合も(ステップS405:NO)、ステップS407へ進む。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
4、4−1〜4−4 クレーン本体
100、160 クレーン制御装置
110、170 記憶部
120、180 制御部
121、181 駆動制御部
122、182 速度制限部
123、183 速度制限解除部
201、201−1〜201−4 巻モータ
202、202−1〜202−4 俯仰モータ
203、203−1〜203−4 旋回モータ
301〜303、301−1〜303−4 インバータ
401〜403、401−1〜403−4 操作ハンドル
Claims (4)
- クレーンに設けられた複数の電動機を制御するクレーン制御装置であって、
各電動機に対する動作指令に基づいて、前記複数の電動機への電力供給を制御して当該電動機の駆動を制御する駆動制御部と、
前記複数の電動機での消費電力の総和、または、前記複数の電動機から還元される回生電力の総和のいずれかが予め定められた閾値を超えた時点で、当該時点以降の少なくとも一つの前記電動機の速度を制限する速度制限部と、
所定の条件の成立を検出すると前記速度制限部による速度制限を解除する速度制限解除部と、
を具備するクレーン制御装置。 - 前記速度制限解除部は、前記所定の条件として、1つのクレーンに設けられた複数の電動機の全てが停止状態となったことを検出する、請求項1に記載のクレーン制御装置。
- 前記速度制限部は、複数のクレーンに設けられた複数の電動機での消費電力の総和、または、当該複数の電動機から還元される回生電力の総和のいずれかが予め定められた閾値を超えた時点で、当該時点以降の少なくとも一つの前記電動機の速度を制限し、
前記速度制限解除部は、1つのクレーンに設けられた複数の電動機の全てが停止状態となったことを検出すると、当該クレーンに対する前記速度制限を解除する、
請求項2に記載のクレーン制御装置。 - クレーンに設けられた複数の電動機を制御するクレーン制御方法であって、
各電動機に対する動作指令に基づいて、前記複数の電動機への電力供給を制御して当該電動機の駆動を制御する駆動制御ステップと、
前記複数の電動機での消費電力の総和、または、前記複数の電動機から還元される回生電力の総和のいずれかが予め定められた閾値を超えた時点で、当該時点以降の少なくとも一つの前記電動機の速度を制限する速度制限ステップと、
所定の条件の成立を検出すると前記速度制限ステップによる速度制限を解除する速度制限解除ステップと、
を有するクレーン制御方法。
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