JP2015160433A - 反応材成形体の製造方法 - Google Patents

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Yohei Shiren
陽平 志連
阿萬 康知
Yasutomo Aman
康知 阿萬
升澤 正弘
Masahiro Masuzawa
正弘 升澤
浩子 大倉
Hiroko Okura
浩子 大倉
祥史 大場
Yoshifumi Oba
祥史 大場
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Abstract

【課題】蓄放熱ユニットの伝熱面との熱交換性能に優れ、劣化時の交換が容易に行うことが可能な反応材成形体を製造する方法を提供すること。
【解決手段】反応媒体と可逆的に反応して蓄熱又は放熱する反応材を成形した反応材成形体を製造する方法であって、伝熱促進材の長軸方向が所定の方向に揃えられた伝熱促進材束に、液状又はスラリー状に流動化された流動状反応材を含浸させる含浸処理工程と、流動状反応材が含浸された伝熱促進材束を一層又は複数層積層させて積層反応材を形成する積層処理工程と、積層反応材を硬化させる硬化処理工程と、硬化処理された積層反応材における伝熱促進材の長軸を断ち切る方向に積層反応材を切り出す成形処理工程とを含む、反応材成形体の製造方法が提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は、反応材成形体の製造方法に関する。
近年、省エネルギーなどの観点から、ケミカルヒートポンプや吸着式冷凍装置を始めとする、廃熱などの熱源を回収して利用するための熱回収システムが注目されている。
熱回収システムにおいては、一般的に、反応媒体と、この反応媒体と可逆的に反応する蓄熱材(以後、反応材と称する)との間で熱を交換する蓄放熱ユニットと、反応媒体を蒸発させる蒸発器と、反応媒体を凝縮させる凝縮器とが、開閉機構を介して接続される。また、蓄熱放熱ユニットは、一般的に、熱媒体が移動する熱媒流路と、該熱媒流路と熱的に接続され、反応材を収納する反応材収納部とを有して構成される。
熱回収システムを使用して効率的に熱を回収するためには、反応材と、熱媒流路と熱的に接続された伝熱面と、が常に密着していることが好ましい。そのため、反応材と伝熱面との間の伝熱特性を向上させるために、バインダを使用して吸着剤を伝熱面に固着させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の技術では、反応材が経時劣化して交換する際に、蓄放熱ユニット全体を交換する必要があるため、ランニングコストが高くなることがある。
そこで、本発明の一つの案では、蓄放熱ユニットの伝熱面との熱交換性能に優れ、劣化時の交換が容易に行うことが可能な反応材成形体を製造する方法を提供することを課題とする。
一つの案では、反応媒体と可逆的に反応して蓄熱又は放熱する反応材を成形した反応材成形体を製造する方法であって、伝熱促進材の長軸方向が所定の方向に揃えられた伝熱促進材束に、液状又はスラリー状に流動化された流動状反応材を含浸させる含浸処理工程と、流動状反応材が含浸された伝熱促進材束を一層又は複数層積層させて積層反応材を形成する積層処理工程と、積層反応材を硬化させる硬化処理工程と、硬化処理された積層反応材における伝熱促進材の長軸を断ち切る方向に積層反応材を切り出す成形処理工程とを含む、反応材成形体の製造方法が提供される。
一態様によれば、蓄放熱ユニットの伝熱面との熱交換性能に優れ、劣化時の交換が容易に行うことが可能な反応材成形体を製造する方法を提供することができる。
第1実施形態に係る反応材成形体を製造する製造装置の一例の概略構成図。 第1実施形態に係る反応材成形体の製造方法の一例のフローチャート。 第1実施形態に係る反応材成形体の製造方法の一例の説明図。 第1実施形態に係る伝熱促進材束の形状の例の説明図。 第1実施形態に係る反応材成形体の例の説明図。 第2実施形態に係る反応材成形体を製造する製造装置の一例の概略構成図。 第3実施形態に係る反応材成形体を製造する製造装置の一例の概略構成図。 第4実施形態に係る反応材成形体を製造する製造装置の一例の概略構成図。 第4実施形態に係るパターニング機構の形状の例の説明図。 第4実施形態に係る反応材成形体の例の説明図。 第5実施形態に係る反応材成形体を製造する製造装置の一例の概略構成図。 第5実施形態に係る通気構造部材の例の説明図。 第6実施形態に係る反応材成形体を製造する製造装置の一例の概略構成図。 第7実施形態に係る反応材成形体を製造する製造装置の一例の概略構成図。 本実施形態に係る蓄放熱ユニットの一例の概略構成図。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る反応材成形体5の製造装置及び製造方法について説明する。第1実施形態では、反応媒体と可逆的に反応して蓄熱又は放熱する反応材を成形した反応材成形体5の製造装置及び製造方法について、図1から図5を参照しながら説明する。図1に、第1実施形態に係る反応材成形体5を製造する製造装置の一例の概略構成図を示す。
第1実施形態に係る製造装置は、積層ユニット39と、積層ユニット39の下部に設けられた積層台43とを有する。また、積層ユニット39は、反応材供給部10と、伝熱促進材束供給部20及び繰出ローラ21を含む伝熱促進材束供給機構と、反応材含浸槽30と、導入ローラ31と、切断機構33と、押付ローラ40と、往路スキージ41と、復路スキージ42とを含む。
反応材供給部10は、流動状の反応材である流動状反応材1を反応材含浸槽30に供給する。
伝熱促進材束供給部20には、複数の伝熱促進材22を整列させて帯状に形成した伝熱促進材束2が巻かれている。
反応材含浸槽30には、反応材供給部10から供給された流動状反応材1が充填される。また、反応材含浸槽30の下部には、導出部32が設けられている。導出部32は、反応材含浸槽30において流動状反応材1が含浸された伝熱促進材束2(以下、反応材含浸伝熱促進材束3とも呼ぶ)が導出される部分である。
繰出ローラ21は、伝熱促進材束供給部20から伝熱促進材束2を繰り出す。
導入ローラ31は、繰出ローラ21から繰り出された伝熱促進材束2を反応材含浸槽30に導入する。
切断機構33は、導出部32の下部に設けられており、反応材含浸伝熱促進材束3を所定の長さに切断する。
押付ローラ40は、切断機構33の下部に設けられており、時計回り又は反時計回りに回転することで、反応材含浸伝熱促進材束3を積層台43上に押し付けながら載置し、一層又は複数層積層させる。押付ローラ40の材料としては、付着した反応材含浸伝熱促進材束3が剥離しやすいものが好ましく、例えばフッ素樹脂でコーティングされた金属等を用いることができる。
往路スキージ41及び復路スキージ42は、押付ローラ40の回転方向前後に設けられており、押付ローラ40により積層台43上に積層された反応材含浸伝熱促進材束3を押圧し、反応材含浸伝熱促進材束3の厚みを均一化する。往路スキージ41及び復路スキージ42の材料としては、押付ローラ40と同様のものを好適に用いることができる。
積層台43は、押付ローラ40、往路スキージ41及び復路スキージ42の下部に設けられている。積層台43は、可動式であることが好ましく、例えば水平方向(図1のX方向)に往復運動する。そして、反応材含浸伝熱促進材束3を積層台43上に一層又は複数層積層させることにより、伝熱促進材整列積層反応材(以下、積層反応材4と呼ぶ)を積層台43上に形成する。
次に、上述した第1実施形態に係る製造装置を用いた反応材成形体5の製造方法について説明する。図2に、第1実施形態に係る反応材成形体5の製造方法の一例のフローチャートを示す。
第1実施形態に係る反応材成形体5の製造方法は、図2に示すように、含浸処理工程S1と、積層処理工程S2と、硬化処理工程S3と、成形処理工程S4とを含む。
以下、各々の工程について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3に、第1実施形態に係る反応材成形体5の製造方法の一例を示す。図4に、第1実施形態に係る伝熱促進材束2の形状の例を示す。なお、図4中、実線は伝熱促進材22を表し、破線は纏め糸23を表し、矢印は伝熱促進材22の長軸方向(繰出し方向)を表す。
(含浸処理工程S1)
含浸処理工程S1は、伝熱促進材22の長軸方向が所定の方向に揃えられた伝熱促進材束2に、液状又はスラリー状に流動化させた流動状反応材1を含浸させる工程である。
具体的には、まず、反応材供給部10から流動状の反応材である流動状反応材1を反応材含浸槽30に供給する。次に、図3(a)に示すように、繰出ローラ21から繰り出された伝熱促進材束2を、導入ローラ31を通過させた後、反応材含浸槽30に導入させる。これにより、伝熱促進材束2は、反応材供給部10から供給された反応材含浸槽30内の流動状反応材1を含浸する。
反応材の材料としては、活性炭、シリカゲル、ゼオライト等の吸着材又は酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム等の化学蓄熱材等の熱媒体との気固反応により蓄放熱を行える蓄熱材料を用いることができる。
熱媒体としては、蓄熱材料と反応することにより発熱する気体を用いることができ、蓄熱材料として吸着材を用いる場合には、例えば水蒸気、メタノール、アンモニア等が挙げられる。
流動状反応材1の材料としては、上述した蓄熱材と、蓄熱材に対して硬化性を持たせるためのバインダと、流動性を高めるための溶媒とを混合してスラリー状にしたもの等を用いることができる。バインダとしては、例えば粘土、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂等を用いることができる。溶媒としては、例えば水、トルエン、メチルエチルケトン等を用いることができる。
また、例えば塩化カルシウム6水物等の加熱により液化する蓄熱材を用いる場合には、加熱により流動状にしてもよい。
また、例えば硫酸カルシウムを蓄熱材として用いる場合には、硫酸カルシウム無水物又は半水物と水とを混合することで、硬化処理として脱水を行わなくても2水物として硬化するため、含浸工程において含浸槽内で硬化が進行し閉塞してしまう場合がある。このような材料を蓄熱材として用いる場合には、硬化遅延剤を混合する等の方法により、反応材含浸槽30内での硬化を抑制することが好ましい。硫酸カルシウムと蓄熱材として用いる場合の硬化遅延剤としては、例えばでんぷん、リン酸ナトリウム、クエン酸等を用いることができる。
伝熱促進材22の材料としては、反応材成形体5の伝熱方向の所望の寸法に対して、伝熱経路を形成する十分な長さを持った熱伝導性の高い伝導体であれば良く、例えばカーボン、銅、アルミ等の材料を好適に用いることができる。
伝熱促進材束2は、図4(a)、図4(b)及び図4(c)に示すように、伝熱促進材22が帯状に揃えられた帯状伝熱促進材束であることが好ましい。伝熱促進材束2を帯状にすることで、伝熱促進材束2の一層の幅を広くとることができ、生産性を向上させることができる。
また、伝熱促進材束2は、薄い帯状に複数の層が積層されていることが好ましい。伝熱促進材束2を薄い帯状に複数層積層することで、伝熱促進材束2を流動状反応材1に含浸させる際に、複数層積層された伝熱促進材束2の間に流動状反応材1が入り込むことで膨潤し、導出部32より導出される反応材含浸伝熱促進材束3内部の伝熱促進材22は均等に分散されやすくなる。結果として、反応材と伝熱促進材22との接触性が向上する。
また、伝熱促進材束2は、伝熱促進材22の長軸方向が所定の方向に揃えられた繊維状、針状、紐状又は薄片短冊状であることが好ましい。
また、伝熱促進材束2は、図4(c)に示すように、伝熱促進材22に同一材料又は別材料の纏め糸23が編みこまれた帯状伝熱促進材束の形をとることもできる。これにより、帯状伝熱促進材束の一層一層におけるまとまりが良くなり、伝熱促進材束2を供給する際のハンドリング性が向上する。さらに、伝熱促進材束2に流動状反応材1を含浸させる際に、反応材を流動化させる溶媒や流動状反応材1による表面張力で伝熱促進材22同士が短軸方向に収縮することを抑制することができる。結果として、偏りのない均一な伝熱促進材分散構造を作製することができる。特に、伝熱促進材22として、炭素繊維等の細い繊維質を用いる場合には、収縮により繊維質が破断しやすいため、纏め糸23による伝熱促進材22同士の収縮を抑制する効果が特に大きい。また、比較的硬く曲げにくい金属針等の伝熱促進材22を用いる場合には、例えばすだれ状に纏め糸23を通すことにより、帯状伝熱促進材束の横手方向に伝熱促進方向が並ぶようにすることで、伝熱促進材束2を供給する際のハンドリング性が向上する。
(積層処理工程S2)
積層処理工程S2は、流動状反応材1が含浸された伝熱促進材束2を一層又は複数層積層させて積層反応材4を形成する工程である。
具体的には、まず、図3(a)に示すように、導出部32を通過した反応材含浸伝熱促進材束3を、例えば反時計回りに回転する押付ローラ40により積層台43に押し付ける。次に、積層台43に押し付けられた反応材含浸伝熱促進材束3を往路スキージ41により押圧しながら、例えば+X方向に移動する積層台43上に反応材含浸伝熱促進材束3の厚みを均一化する。
次に、図3(b)に示すように、反応材含浸伝熱促進材束3の積層が進み、反応材含浸伝熱促進材束3が積層台43の端部44に達すると、切断機構33により反応材含浸伝熱促進材束3を切断し、積層を続ける。このとき、反応材含浸伝熱促進材束3の切断端34がすでに積層台43上に積層されている下部の層の端部44と同一位置となる長さで切断される。
次に、図3(c)に示すように、積層台43の移動によって、押付ローラ40の位置が端部44を越えた後に、押付ローラ40を逆方向(時計回り)に回転させる。さらに、積層台43の移動によって往路スキージ41の位置が端部44を越えた後に、積層台43の高さを反応材含浸伝熱促進材束3の積層一層分下方(図3の−Z方向)に移動させ、積層台43を逆方向(図3の−X方向)に移動させる。
次に、図3(d)に示すように、端部44と切断端34とが水平方向(図3のX方向)で略同一位置となるように、押付ローラ40の回転数及び/又は反応材含浸伝熱促進材束3の導入速度を調整し、復路の積層を開始する。
以降、上述の処理を繰り返すことにより、流動状反応材1の供給及び伝熱促進材束2の供給を停止させることなく、積層台43上に反応材含浸伝熱促進材束3が連続的に複数層積層された積層反応材4を作製することができる。このため、積層方向に厚さを有する積層反応材4を効率的に作製することができる。
また、押付ローラ40及び/又はスキージ(往路スキージ41及び復路スキージ42)を用いて反応材含浸伝熱促進材束3を押圧することにより、積層台43上に積層される反応材含浸伝熱促進材束3の表面を平滑にすることができる。このため、凹凸が少ない表面を有する反応材含浸伝熱促進材束3を形成することができる。結果として、複数層の反応材含浸伝熱促進材束3を積層する際に、反応材含浸伝熱促進材束3の積層界面に発生する気泡の量を低減することができる。
また、積層台43上に新たに積層された反応材含浸伝熱促進材束3とすでに積層された反応材含浸伝熱促進材束3との間に気泡が発生した場合においても、押付ローラ40及び/又はスキージで押圧することにより気泡を除去することができる。
(硬化処理工程S3)
硬化処理工程S3は、積層反応材4を硬化させる工程である。
具体的には、積層台43上に形成された積層反応材4に対して、乾燥、焼成等の硬化処理を行う。乾燥及び焼成の条件は特に限定されるものではなく、流動状反応材1として用いる材料、伝熱促進材22として用いる材料等に応じて選択することができる。
(成形処理工程S4)
成形処理工程S4は、積層反応材4における伝熱促進材22の長軸を断ち切る方向に積層反応材4を切り出すことにより成形する工程である。
具体的には、硬化処理工程S3で硬化処理された積層反応材4を、成形切断機構50を用いて、使用される蓄放熱ユニット9の反応材収納部91の形状、大きさ等に応じて切断し、成形することにより、所望の形状、大きさの反応材成形体5を作製する。このとき、図15に示す蓄放熱ユニット9の伝熱面93に対して、伝熱促進材22の長軸方向が垂直となるように、積層反応材4を切断することが好ましい。
成形処理工程S4は、硬化した積層反応材4の表面に、伝熱促進材22を露出させる工程を含むことが好ましい。露出させる方法としては、例えば硬化した積層反応材4の表面に対して、硬化した積層反応材4を溶解する溶剤を供給する方法、ブラッシングする方法等が挙げられる。これにより、反応材成形体5が、例えば図15に示す反応材収納部91と熱媒流路92とを含む蓄放熱ユニット9の反応材収納部91に導入されたときに、蓄放熱ユニット9の伝熱面93と反応材成形体5の伝熱促進材22とが接する。結果として、蓄放熱ユニット9の伝熱面93と反応材成形体5との間の熱的接触性が向上し、反応材成形体5と蓄放熱ユニット9との間の熱交換を効率よく行うことができる。
以上の工程により製造された反応材成形体5の内部には、所定の方向の伝熱経路が形成されている。また、伝熱促進材22の整列方向の反応材成形体5の端面は、伝熱経路の終端となることから、外部との熱交換を効率的に行うことができる伝熱面となる。さらに、反応材成形体5は、積層方向に厚さを有していることから、大きな伝熱面を有する。
次に、反応材成形体5を好適に用いることができる蓄放熱ユニット9の一例について説明する。図15に、本実施形態の蓄放熱ユニット9の一例の概略構成を示す。
図15に示すように、蓄放熱ユニット9は、反応材成形体5が収納される伝熱面93を有する反応材収納部91と、熱媒体が循環する熱媒流路92とを含む。
蓄放熱ユニット9の反応材収納部91には、前述した反応材成形体5が収納され、反応材成形体5の端面と蓄放熱ユニット9の伝熱面93とが接触する。これにより、反応材成形体5と蓄放熱ユニット9の伝熱面93との間で効率よく熱交換が行われる。また、本実施形態の反応材成形体5は、熱伝導に優れるため、蓄放熱ユニット9に固着させる必要がない。そのため、反応材成形体が劣化等により交換する必要が生じた場合においても、容易に反応材成形体5を分離して着脱することができる。
以上に説明したように、第1実施形態に係る反応材成形体5の製造方法によれば、蓄放熱ユニットの伝熱面との熱交換性能に優れ、劣化時の交換を容易に行うことが可能な反応材成形体5を提供することができる。
なお、第1実施形態に係る反応材成形体5の製造方法においては、積層台43が往復運動する形態としたが、本発明はこの点において限定されるものではない。例えば、反応材含浸槽30、押付ローラ40、往路スキージ41及び復路スキージが積層台43に替えて往復運動する形態であってもよい。
また、第1実施形態に係る製造装置においては、反応材含浸伝熱促進材束3が、押付ローラ40、往路スキージ41及び復路スキージ42により押圧されながら、積層台43上に積層される形態としたが、本発明はこの点において限定されるものではない。例えば往路スキージ41及び復路スキージ42を設けずに、押付ローラ40のみによって、反応材含浸伝熱促進材束3が積層台43上に積層される形態であってもよい。また、例えば押付ローラ40を設けずに、往路スキージ41及び復路スキージ42によって、反応材含浸伝熱促進材束3が積層台43上に積層される形態であってもよい。押付ローラ40を設けない場合には、切断機構33により切断された反応材含浸伝熱促進材束3の端部44が積層台43の進行方向と逆方向に積層されることがないように、積層させる反応材含浸伝熱促進材束3のたわみを調節する。
さらに、反応材含浸伝熱促進材束3の積層面の平滑性が重要でない場合には、押付ローラ40、往路スキージ41及び復路スキージ42を設けずに、反応材含浸伝熱促進材束3が積層台43上に積層される形態であってもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る反応材成形体5の製造装置及び製造方法について、図6を参照しながら説明する。図6に、第2実施形態に係る反応材成形体5を製造する製造装置の一例の概略構成図を示す。
図6に示すように、第2実施形態に係る製造装置は、反応材含浸伝熱促進材束3の導出部32が反応材含浸槽30から所定の距離を離した位置に設けられ、導出部32に導出ローラ37及び導出スキージ38を有する点で、第1実施形態に係る製造装置と相違する。
また、第2実施形態に係る製造装置は、積層台43が、図6中のY方向を軸として回転することにより、反応材含浸伝熱促進材束3を巻き取りながら積層軸49の周方向に一層又は複数層積層させて積層反応材4を形成する点で、第1実施形態に係る製造装置と相違する。
なお、第2実施形態に係る製造装置においては、上記相違点以外は第1実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
導出部32は、反応材含浸槽30から所定の距離を離した位置に設けられている。
導出ローラ37及び導出スキージ38は、導出部32近傍に設けられ、反応材含浸槽30から反応材含浸伝熱促進材束3を導出する。
積層軸49は、積層台43の一例であり、押付ローラ40及び往路スキージ41の下部に設けられており、図6中のY方向を軸として回転することにより、反応材含浸伝熱促進材束3を巻き取る。そして、反応材含浸伝熱促進材束3を積層軸49の周方向に積層させることにより、積層反応材4を積層軸49上に形成する。
次に、上述した第2実施形態に係る製造装置を用いた反応材成形体5の製造方法について説明する。
第2実施形態に係る製造方法は、積層処理工程S2及び成形処理工程S4が第1実施形態に係る製造方法と相違する。
なお、第2実施形態に係る製造方法においては、上記相違点以外は第1実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
(積層処理工程S2)
積層処理工程S2は、流動状反応材1が含浸された伝熱促進材束2を一層又は複数層積層させて積層反応材4を形成する工程である。
具体的には、まず、反応材含浸伝熱促進材束3を、導出ローラ37により反応材含浸槽30から導出する。このとき、導出ローラ37に対して一定の間隔で設置された導出スキージ38により、導出後の反応材含浸伝熱促進材束3が適切な厚さとなるように調整される。導出された反応材含浸伝熱促進材束3を、導出ローラ37の下部に設けられた、例えば反時計回りに回転する押付ローラ40により積層軸49に押し付ける。
次に、積層軸49に押し付けられた反応材含浸伝熱促進材束3を、往路スキージ41により押圧しながら、例えば図6中のY方向を軸として時計回りに回転する積層軸49上に積層する。
反応材含浸伝熱促進材束3が所望の径まで積層されると、切断機構33により、反応材含浸伝熱促進材束3を切断する。これにより、積層軸49上に反応材含浸伝熱促進材束3が連続的に複数層積層された積層反応材4を作製することができる。
(成形処理工程S4)
成形処理工程S4は、積層反応材4における伝熱促進材22の長軸を断ち切る方向に積層反応材4を切り出すことにより成形する工程である。
具体的には、使用される蓄放熱ユニット9の反応材収納部91の形状、大きさに応じて積層反応材4を成形することにより、所望の形状、大きさの反応材成形体5を作製する。このとき、図15に示す蓄放熱ユニット9の伝熱面93に対して、伝熱促進材22の長軸方向が垂直となるように、積層反応材4を切断することが好ましい。
このとき、切断加工時に円柱を輪切り方向に切断し、切断した切断面を伝熱面とする場合には、積層軸49上に形成された積層反応材4では、円柱状の積層反応材4が得られ、伝熱促進材束2が円柱内に螺旋状に分散した形状となる。このため、伝熱促進材束2は、伝熱促進材束2の繰出し方向に対して垂直な方向に伝熱促進成分を有する形状であることが好ましく、例えば、図4(b)又は図4(c)に示す形状であることが好ましい。
また、切断加工時に円柱を縦方向に切断し、切断した切断面を伝熱面とする場合には、伝熱促進材束2の繰出し方向に対して平行は方向に伝熱促進成分を有する形状であることが好ましく、例えば、図4(a)又は図4(b)に示す形状であることが好ましい。
以上に説明したように、第2実施形態に係る反応材成形体5の製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
特に、第2実施形態では、反応材含浸伝熱促進材束3の導出部32が反応材含浸槽30から所定の距離を離した位置に設けられているため、伝熱促進材束2の交換等のメンテナンス性が向上する。したがって、例えば伝熱促進材束2を頻繁に切り替える必要がある場合や、伝熱促進材束2が切れやすい場合等、伝熱促進材束2をセットしなおすことが必要な場合に特に有効である。伝熱促進材束2を切り替える場合は、導入ローラ31を反応材含浸槽30から引き上げ、新たな伝熱促進材束2をセットした後に、再び導入ローラ31を元の位置に戻すため、反応材含浸槽30内で伝熱促進材束2をセットする必要がなく、作業性が向上する。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る反応材成形体5の製造装置及び製造方法について、図7を参照しながら説明する。図7に、第3実施形態に係る反応材成形体5を製造する製造装置の一例の概略構成図を示す。
図7に示すように、第3実施形態に係る製造装置は、積層ユニット39が溶媒含浸槽11、溶媒供給部12及び脱泡ローラ36を含み、搬送ローラ94により連続的に搬送される複数の積層台43の搬送方向に複数配置される点で、第1実施形態に係る製造装置と相違する。
また、第3実施形態に係る製造装置は、各々の積層ユニット39間に複数の反応材硬化促進機構62と、積層反応材4を積層台43に合わせて分離する分離カッター46を有する点で、第1実施形態に係る製造装置と相違する。
なお、第3実施形態に係る製造装置においては、上記相違点以外は第1実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
溶媒供給部12は、流動状反応材に可溶な溶媒13を溶媒含浸槽11に供給する。溶媒13としては、例えば流動状反応材1に溶解する低粘度の溶媒、溶媒により低粘度化した流動状反応材1を用いることができる。また、流動状反応材1として水と混合した石膏スラリーを用いる場合には、溶媒13としては、例えば水又は石膏スラリーよりも混水量が多く粘度の低い石膏スラリー等を用いることができる。
溶媒含浸槽11には、溶媒供給部12から供給された溶媒13が充填される。また、溶媒含浸槽11の下部には、伝熱促進材束2を搬送するローラ14が設けられている。
脱泡ローラ36は、反応材含浸槽30内に供給された流動状反応材1の液面よりも下部に配置されたローラであり、伝熱促進材束2に内包される気泡及び溶媒13を押し出す。脱泡ローラ36の材料としては、弾性を有し、流動状反応材1及び溶媒13に対して劣化しないものが好ましく、例えばフッ素ゴム等で表面がコーティングされていることが好ましい。
反応材硬化促進機構62は、積層ユニット39間に設けられており、流動状反応材1の硬化を促進させる装置である。反応材硬化促進機構62としては、流動状反応材1の材料に応じて選択することができ、例えば温風送風機、電磁誘導加熱装置、電磁波加熱装置、冷却装置、紫外線照射装置、硬化促進材供給装置等を用いることができる。流動状反応材1が水と焼石膏粉末とを混合した石膏スラリーである場合には、温風送風機、電磁誘導加熱装置、硬化促進材供給装置を好適に用いることができる。また、石膏スラリーの硬化促進材供給装置としては、硬化促進材である塩化ナトリウム、硫酸カリウム等の溶液を噴霧又は滴下する形態や、塩化ナトリウム、硫酸カリウム等の粉末や二水石膏の粉末を噴霧する形態をとることができる。
分離カッター46は、複数の積層ユニット39の右側(図7の+X方向)に設けられており、積層台43に設けられた隙間45単位で積層反応材4を切り出す。
次に、第3実施形態に係る製造装置を用いた反応材成形体5の製造方法について説明する。第3実施形態に係る製造方法は、含浸処理工程S1及び積層処理工程S2が第1実施形態に係る製造方法と相違する。
なお、第3実施形態に係る製造方法においては、上記相違点以外は第1実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
(含浸処理工程S1)
まず、各々の積層ユニット39において、伝熱促進材束供給部20から供給される伝熱促進材束2を、流動状反応材1に溶解する低粘度の溶媒13を含浸する。次に、溶媒13を含浸した伝熱促進材束2を、ローラ14を介して反応材含浸槽30に導入する。
次に、脱泡ローラ36により、伝熱促進材束2に内包された気泡及び溶媒13を押し出しながら流動状反応材1を含浸した伝熱促進材束2(反応材含浸伝熱促進材束3)を、導出部32から導出させる。
(積層処理工程S2)
次に、導出された反応材含浸伝熱促進材束3を、押付ローラ40及び往路スキージ41により押圧しながら、積層台43上に一層又は複数層積層させる。このとき、反応材含浸伝熱促進材束3は、各々の積層ユニット39に設けられた切断機構33により、反応材含浸伝熱促進材束3の切断端34が積層台43に設けられた隙間45の直上と同期するように切断されながら積層される。
次に、積層台43上に積層された反応材含浸伝熱促進材束3に対して、積層ユニット39間に設けられた反応材硬化促進機構62により、硬化処理を行う。なお、硬化処理における硬化の程度は、特に限定されない。
次に、複数の積層ユニット39により積層台43上に形成された積層反応材4を、複数の積層ユニット39の右側(図7の+X方向)に設けられた分離カッター46により積層台43に設けられた隙間45単位で切り出す。
以上に説明したように、第3実施形態に係る反応材成形体5の製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
特に、第3実施形態では、伝熱促進材束2を反応材含浸槽30に含浸させる前に予め溶媒13に含浸されているため、流動状反応材1を含浸させる際に、気泡を含むことなく流動状反応材1が伝熱促進材束2に含浸する。また、流動状反応材1内に伝熱促進材22が分散した状態になるため、反応材と伝熱促進材22との接触が良好となり、反応材成形体5と蓄放熱ユニットと9との間の熱交換効率が向上する。
また、第3実施形態では、脱泡ローラ36により伝熱促進材束2内の脱泡を行うことができるため、硬化処理工程S3による硬化後に伝熱促進材束2内に溶媒が残存する空間が形成され反応材と伝熱促進材22との接触が低下することを抑制することができる。
また、第3実施形態では、積層処理工程S2において反応材硬化促進機構62を用いて硬化処理を行うことができるため、積層後の硬化処理工程S3の処理時間を短縮することができ、生産性が向上する。特に、溶媒の脱離や紫外線硬化等により長時間の硬化が必要な場合には、特に効果的である。さらに、積層中に効果を行うため、硬化前後の体積収縮差が大きい流動状反応材1を用いた場合においても、ひび割れ等を抑制することができる。反応材硬化促進機構62による硬化処理は、硬化処理後の反応材成形体5が積層界面で割れるのを防ぐために、積層面が接着される程度に行うことが好ましい。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る反応材成形体5の製造装置及び製造方法について、図8から図10を参照しながら説明する。図8に、第4実施形態に係る反応材成形体5を製造する製造装置の一例の概略構成図を示す。
図8に示すように、第4実施形態に係る製造装置は、積層ユニット39が複数の伝熱促進材束供給部20と、反応材供給部10及び反応材含浸槽30に接続されたろ過再生機構15とを有する点で、第1実施形態に係る製造装置と相違する。
また、第4実施形態に係る製造装置は、反応材含浸伝熱促進材束3をパターニングするパターニング機構60と、積層中の反応材含浸伝熱促進材束3上に配置された反応材硬化促進機構62とを有する点で、第1実施形態に係る製造装置と相違する。
なお、第4実施形態に係る製造装置においては、上記相違点以外は第1実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
ろ過再生機構15は、反応材供給部10及び反応材含浸槽30に接続されており、反応材含浸槽30から排出される流動状反応材1に含まれる伝熱促進材束2から剥がれ落ちた伝熱促進材繊維をろ過しながら、流動状反応材1を反応材供給部10に還流させる。また、ろ過再生機構15は、流動状反応材1の濃度・性質の調整を行う。
パターニング機構60は、例えば押付ローラ40の回転方向後方(図8の押付ローラ40に対して+X方向)又は押付ローラ40との間で反応材含浸伝熱促進材束3を挟むような回転方向前方(図8の押付ローラ40に対して−X方向)に配置されている。パターニング機構60は、反応材含浸伝熱促進材束3をパターニングすることにより、反応材含浸伝熱促進材束3に凹凸形状を形成する。
パターニング機構60の形状としては、反応材含浸伝熱促進材束3の進行方向(図8のX方向)に対して、平行又は垂直な凹凸形状を有する形状であることが好ましく、例えば図9(a)から図9(c)に示す形状を好適に用いることができる。
反応材硬化促進機構62は、押付ローラ40の前方及びパターニング機構60の回転方向後方に配置され、反応材含侵伝熱促進材束3の積層反応材4との接触面及びパターニング機構60により形成された反応材含浸伝熱促進材束3の凹凸部の硬化を行う。
次に、上述した第4実施形態に係る製造装置を用いた反応材成形体5の製造方法について説明する。
第4実施形態に係る製造方法は、含浸処理工程S1及び積層処理工程S2が第1実施形態に係る製造方法と相違する。
なお、第4実施形態に係る製造方法においては、上記相違点以外は第1実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第1実施形態に係る製造方法と相違する点を中心に説明する。
(含浸処理工程S1)
まず、複数の伝熱促進材束供給部20から繰出ローラ21により繰り出された伝熱促進材束2を、導入ローラ31を介して反応材含浸槽30に導入する。次に、反応材含浸槽30に導入された複数の伝熱促進材束2を、反応材含浸槽30で同時に流動状反応材1を含浸させる。次に、流動状反応材1を含浸した複数の伝熱促進材束2(反応材含浸伝熱促進材束3)を導出部32近傍で集合させて、導出部32を通過させる。
また、伝熱促進材束2を流動状反応材1に含浸させる際、ろ過再生機構15により、流動状反応材1を循環させながらろ過することが好ましい。なお、ろ過再生機構15による流動状反応材1のろ過は、伝熱促進材束2を流動状反応材1に含浸させる際に、連続的に行っても良く、所定の間隔で断続的に行ってもよい。
(積層処理工程S2)
次に、流動状反応材1を含浸した反応材含浸伝熱促進材束3を、押付ローラ40により押し付けながら、例えば+X方向に移動する積層台43上に一層又は複数層積層する。このとき、押付ローラ40により押し付けられる前の反応材含侵伝熱促進材束3の積層反応材4との接触面に対して、反応材硬化促進機構62を用いて凹凸部分の硬化処理を行う。反応材硬化促進機構62による硬化処理は、積層反応材4上に形成された凹凸形状の凸部と反応材含侵伝熱促進材束3とが接着される程度に行うことが好ましい。これにより、硬化処理後の反応材成形体5が積層界面で破断することを抑制することができる。
次に、積層台43上に積層された反応材含浸伝熱促進材束3の表面に、パターニング機構60により凹凸形状を形成(パターニング)する。
次に、凹凸形状が形成された反応材含浸伝熱促進材束3に対して、反応材硬化促進機構62を用いて凹凸部分の硬化処理を行う。
反応材含浸伝熱促進材束3が所望の厚さまで積層されると、切断機構33により、反応材含浸伝熱促進材束3を切断することにより、積層軸49上に反応材含浸伝熱促進材束3が連続的に複数層積層された積層反応材4を作製することができる。
そして、前述した硬化処理工程S3及び成形処理工程S4により、所望の形状、大きさを有する反応材成形体5を作製することができる。
図10に、第4実施形態に係る反応材成形体5の例を示す。図10(a)は、積層反応材4及び反応材成形体5を示した図であり、図10(b)及び図10(c)は、反応材成形体5の例の斜視図である。
図10(a)に示すように、積層反応材4は、パターニング機構60により形成された複数の凹凸形状を有する。また、図10(b)及び図10(c)に示すように、反応材成形体5に形成された凹凸形状は、反応材成形体5の一方の面から他方の面まで貫通する反応媒体流路61を有する。
以上に説明したように、第4実施形態に係る反応材成形体5の製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
特に、第4実施形態では、複数の伝熱促進材束供給部20から供給された複数の伝熱促進材束2を一つの反応材含浸槽30内で同時に含浸させ、導出部32近傍で積層状態にして通過させる構造を有する。これにより、一つの反応材含浸槽30を用いて複数層相当の反応材含浸伝熱促進材束3を一度に導出することができる。結果として、所定の厚さの積層反応材4を得るための反応材含浸伝熱促進材束3を積層する回数を低減することができ、生産性が向上する。さらに、複数の伝熱促進材束供給部20が一つの反応材含浸槽30内に集約されていることから、装置構成を簡素化することができる。
また、第4実施形態では、反応材成形体5が反応材成形体5の一方の面から他方の面まで貫通する反応媒体流路61を有する。これにより、蓄熱や放熱を行うときに、反応媒体が反応材内部を速やかに流通する。結果として、反応材成形体5の蓄・放熱の反応速度が向上する。
また、第4実施形態では、反応材含浸伝熱促進材束3の積層中に凹凸形状の形成を行うため、反応材含浸伝熱促進材束3の硬化後に穴あけ加工等により凹凸形状を形成する場合と比較して、伝熱促進材22を切断し媒体流路を破断させることがない。結果として、反応材成形体5の熱伝導性が向上し、反応材成形体5の蓄・放熱の反応速度が向上する。
また、第4実施形態では、反応材含浸伝熱促進材束3の凹凸形状への接触面を積層直前に硬化処理し、また、反応材含浸伝熱促進材束3に凹凸形状を形成した直後に硬化処理を行うため、凹凸形状の上面に更に反応材含浸伝熱促進材束3を積層する際に凹凸形状が閉塞したり崩れたりするのを抑制することができる。第4実施形態では、凹凸形状の確保のため、積層直前の反応材含浸伝熱促進材束3及び凹凸形成後の接触面を硬化させる形態としたが、本発明はこの点において限定されるものではなく、いずれか一方のみを設ける形態や両方とも持たない形態であってもよい。ただし、反応材硬化促進機構62を一方あるいは両方ともを省く場合は、積層後も反応媒体流路61を形成できる程度に粘度が高い流動状反応材1を用いる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る反応材成形体5の製造装置及び製造方法について、図11及び図12を参照しながら説明する。図11に、第5実施形態に係る反応材成形体5を製造する製造装置の一例の概略構成図を示す。
図11に示すように、第5実施形態に係る製造装置は、ろ過再生機構15と、パターニング機構60と、反応材硬化促進機構62とを有していない点で、第4実施形態に係る製造装置と相違する。
また、第5実施形態に係る製造装置は、通気構造部材シート63を供給する通気構造部材供給機構64と、通気構造部材押付ローラ65と、通気構造部材切断機構66と、通気構造部材繰出ローラ69とを有する点で、第4実施形態に係る製造装置と相違する。
なお、第5実施形態に係る製造装置においては、上記相違点以外は第4実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第4実施形態と相違する点を中心に説明する。
通気構造部材供給機構64は、例えば押付ローラ40の回転方向前方(図11の押付ローラ40に対して−X方向)に配置される。通気構造部材供給機構64には、反応媒体の通過流路を形成する通気構造部材67を帯状に形成した通気構造部材シート63が巻かれている。
通気構造部材押付ローラ65は、通気構造部材切断機構66の下部に設けられており、例えば反時計回り(図11の矢印方向)に回転することで、通気構造部材シート63を積層台43上に積層させる。
通気構造部材切断機構66は、通気構造部材供給機構64の下部に設けられており、通気構造部材シート63を所定の長さに切断する。
通気構造部材繰出ローラ69は、通気構造部材供給機構64から通気構造部材シート63を繰り出す。
次に、上述した第5実施形態に係る製造装置を用いた反応材成形体5の製造方法について説明する。
第5実施形態に係る製造方法は、通気構造部材供給機構64から通気構造部材シート63を積層台43上に供給することにより、複数の反応材含浸伝熱促進材束3の間に通気構造部材シート63を挟み込む点で、第4実施形態に係る製造方法と相違する。すなわち、積層処理工程S2が第4実施形態と相違する。
なお、第5実施形態に係る製造方法においては、上記相違点以外は第4実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第4実施形態に係る製造方法と相違する点を中心に説明する。
(積層処理工程S2)
まず、積層された積層反応材4上に、通気構造部材繰出ローラ69により、通気構造部材供給機構64から繰り出された通気構造部材シート63を供給する。次に、通気構造部材押付ローラ65により、積層反応材4の上面と接着するように通気構造部材シート63を押し付けながら積層する。
通気構造部材67としては、例えば帯状に形成した部材を好適に用いることができる。
通気構造部材67の材料としては、部材内を気体が流通しやすい構造を有するものが好ましく、例えば不織布、紙、金属メッシュ、多孔質金属、波状金属箔等を好適に用いることができる。
通気構造部材シート63の形状としては、例えば、図12(a)に示すように全面が通気構造部材67を帯状に切り出したものと好適に用いることができる。さらに、通気構造部材シート63の形状としては、図12(b)及び図12(c)に示すように所定の幅に切り出した通気構造部材67を纏め糸68でまとめ、帯状のシートに加工したもの等を好適に用いることができる。なお、図12中、破線は纏め糸68を表し、矢印は通気構造部材シート63の繰り出し方向を表す。
次に、通気構造部材シート63上に、積層ユニット39により導出された反応材含浸伝熱促進材束3を積層する。ここで、反応材含浸伝熱促進材束3の積層にあたっては、反応材含浸伝熱促進材束3が通気構造部材シート63の通気流路が埋まらない程度の粘性となるようにすることが好ましく、例えば流動状反応材1の粘度を大きくすることが好ましい。また、例えば第3実施形態又は第4実施形態で説明した反応材硬化促進機構62を設けることにより反応材含浸伝熱促進材束3の粘度を高め、押付ローラ40の押付強さを小さくすることが好ましい。
そして、通気構造部材シート63の供給と、反応材含浸伝熱促進材束3の供給とを繰り返すことにより、所定の厚さを有する通気構造部材シート63を含有した積層反応材4を作製することができる。
以上に説明したように、第5実施形態に係る反応材成形体5の製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
特に、第5実施形態では、反応材成形体5が通気構造部材67を有していることから、蓄熱や放熱を行うときに、反応媒体が反応材内部を速やかに流通する。結果として、反応材成形体5の蓄・放熱の反応速度が向上する。また、反応材が蓄・放熱反応により膨張・収縮する場合には、反応材の収縮により図15に示す蓄放熱ユニット9の伝熱面93との接触が不十分となり、蓄・放熱の反応速度が低下することがある。しかし、本実施形態に係る反応材成形体5において、通気構造部材67が反応材の膨張・収縮に対応して収縮・膨張するばね性のあるものを用いることで、反応材成形体5としての変形を抑制することができ、蓄放熱ユニット9の伝熱面93との良好な接触を維持することができる。結果として、反応材成形体5と熱交換器との熱授受が速やかに行うことが可能となり、反応材成形体5の蓄・放熱の反応速度がより向上する。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る反応材成形体5の製造装置及び製造方法について、図13を参照しながら説明する。図13に、第6実施形態に係る反応材成形体5を製造する製造装置の一例の概略構成図を示す。
図13に示すように、第6実施形態に係る製造装置は、複数のローラにより一定方向に回転する含浸ベルト47を有し、含浸ベルト47の回転方向に沿って、順に反応材下塗機構70、伝熱促進材束供給部20、押付ローラ40、反応材上塗機構71、上塗スキージ76、離材ブレード35、クリーニング機構78とを有する点で、第1実施形態に係る製造装置と相違する。
なお、第6実施形態に係る製造装置においては、上記相違点以外は第1実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
含浸ベルト47は、複数のローラにより一定方向に回転する。含浸ベルト47の材料としては、流動状反応材1の溶媒成分等に対して劣化しにくく、導出部32において反応材含浸伝熱促進材束3と分離しやすいものが好ましく、例えば離形性のよいフッ素ゴム等を好適に用いることができる。
反応材下塗機構70は、反応材塗布機構の一例であり、反応材含浸槽30と、反応材供給ローラ72と、供給量規定ブレード73と、下塗スキージ74とを有する。
反応材含浸槽30には、流動状反応材1が供給される。反応材供給ローラ72は、反応材含浸槽30から流動状反応材1を巻き上げ、流動状反応材1を含浸ベルト47に送り出す。供給量規定ブレード73は、反応材供給ローラ72により巻き上げられた流動状反応材1を一定量に規定しながら流動状反応材1を含浸ベルト47に送り出す。下塗スキージ74は、含浸ベルト47上に送り出された流動状反応材1を押圧する。
伝熱促進材束供給部20には、複数の伝熱促進材22を整列させて帯状に形成した伝熱促進材束2が巻かれている。伝熱促進材束2は、押付ローラ40により押圧されながら含浸ベルト47に送り出される。
反応材上塗機構71は、反応材塗布機構の一例であり、含浸ベルト47上に流動状反応材1を供給する。ここで、反応材上塗機構71は、流動状反応材1を含浸ベルト47上に直接供給するため、必要な量のみを伝熱促進材束2に含浸させることができる。
上塗スキージ76は、反応材上塗機構71により含浸ベルト47上に供給された流動状反応材1を押圧する。
なお、図13の例では、反応材上塗機構71及び上塗スキージ76は各々二つ設けられているが、本発明はこの点において限定されるものではない。
離材ブレード35は、導出部32に設けられており、含浸ベルト47上に形成された反応材含浸伝熱促進材束3を含浸ベルト47から分離する。
クリーニング機構78は、クリーニングブレード78a及び回収容器78bを有し、含浸ベルト47から分離されずに残存した反応材含浸伝熱促進材束3である残存物77を除去する。
次に、上述した第6実施形態に係る製造装置を用いた反応材成形体5の製造方法について説明する。
第6実施形態に係る製造方法は、含浸ベルト47上に反応材下塗層75を供給し、反応材下塗層75上に流動状反応材1と伝熱促進材束2とを直接供給することにより、反応材含浸伝熱促進材束3を積層する点で、第1実施形態に係る製造方法と相違する。すなわち、含浸処理工程S1が第1実施形態と相違する。
なお、第6実施形態に係る製造方法においては、上記相違点以外は第1実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第1実施形態に係る製造方法と相違する点を中心に説明する。
(含浸処理工程S1)
まず、反応材下塗機構70は、複数のローラにより一定方向に回転する含浸ベルト47上に反応材下塗層75を一定膜厚で塗布する。すなわち、反応材下塗機構70は、反応材含浸槽30から流動状反応材1を反応材供給ローラ72により巻き上げ、供給量規定ブレード73により一定量の流動状反応材1を含浸ベルト47に塗布する。含浸ベルト47に塗布された流動状反応材1は、下塗スキージ74により所定の膜厚になるように押圧されることにより、反応材下塗層75となる。
次に、含浸ベルト47上に塗布された反応材下塗層75上に、伝熱促進材束供給部20により繰り出された伝熱促進材束2を供給し、押付ローラ40により押し付けることにより、伝熱促進材束2に流動状反応材1を含浸させる。
次に、伝熱促進材束2上に、反応材上塗機構71及び上塗スキージ76を用いて流動状反応材1を供給することにより、伝熱促進材束2は流動状反応材1を含浸し、反応材含浸伝熱促進材束3を形成する。そして、伝熱促進材束2の供給と、流動状反応材1の供給とを繰り返し行うことにより、含浸ベルト47上に複数層の反応材含浸伝熱促進材束3を形成する。
次に、導出部32において、複数層の反応材含浸伝熱促進材束3を、離材ブレード35により所定の長さに切断することにより、含浸ベルト47から分離させる。分離された複数層の反応材含浸伝熱促進材束3を、第1実施形態と同様に積層台43上に積層させることにより、積層反応材4を形成する。
なお、積層反応材4が分離された含浸ベルト47は、含浸ベルト47から分離されずに残存した反応材含浸伝熱促進材束3である残存物77を含むことがある。この残存物77は、2周目以降の含浸処理工程において不純物となることがある。しかしながら、本実施形態に係る製造装置は、クリーニング機構78を有する。このため、残存物77を含浸ベルト47上に残存させることなく除去することができる。
以上に説明したように、第6実施形態に係る反応材成形体5の製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
特に、第6実施形態では、含浸ベルト47上に積層に必要なだけの流動状反応材1を供給することにより反応材含浸伝熱促進材束3を形成する。このため、硬化・沈殿等の変質が起こりやすい流動状反応材1を用いる場合であっても、流動状反応材1の変質を防止することができる。また、伝熱促進材束2が反応材含浸槽30内を通過させることがないため、伝熱促進材束2がほころびることがない。また、伝熱促進材束2が反応材含浸槽30内を通過させることがないため、伝熱促進材束2の交換等のメンテナンス性が向上する。したがって、例えば伝熱促進材束2を頻繁に切り替える必要がある場合や、伝熱促進材束2が切れやすい場合等、伝熱促進材束2をセットしなおすことが必要な場合に特に有効である。
なお、第6実施形態では、伝熱促進材束供給部20、押付ローラ40、反応材上塗機構71及び上塗スキージ76を、各々複数配置したが、本発明はこの点において限定されるものではなく、各々、1つずつ配置してもよい。
また、第6実施形態では、反応材塗布機構の例として、反応材下塗機構70及び反応材上塗機構71を設ける形態としたが、本発明はこの点において限定されるものではなく、いずれか一方のみを設ける形態であってもよい。ただし、反応材下塗層75は、導出部32において、含浸ベルト47と離材ブレード35との間に伝熱促進材束2を巻きこむことを抑制する機能を有する。このため、巻き込みが発生しない又は離材ブレード35を設けなくても含浸ベルト47からの反応材含浸伝熱促進材束3の離材が容易である場合にのみ反応材下塗機構70を省略することができる。
また、第6実施形態では、反応材下塗機構70として、ローラ塗工方式を用いたが、本発明はこの点において限定されるものではなく、例えば滴下塗工方式、液膜塗工方式、スプレ塗工方式等を用いることができる。また、反応材上塗機構71として、滴下塗工方式を用いたが、本発明はこの点において限定されるものではなく、例えばローラ塗工方式、液膜塗工方式、スプレ塗工方式等を用いることができる。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係る反応材成形体5の製造装置及び製造方法について、図14を参照しながら説明する。図14に、第7実施形態に係る製造装置の一例の概略構成図を示す。
図14に示すように、第7実施形態に係る製造装置は、複数のローラにより一定方向に回転する搬送ベルト48を有し、搬送ベルト48の回転方向に沿って、順に台紙供給源80、台紙繰出機構81、台紙切断機構82、台紙押付ローラ83、反応材上塗機構71、上塗スキージ76、伝熱促進材束供給部20、繰出ローラ21、押付ローラ40、分離カッター46、クリーニングブレード78aとを有する点で、第1実施形態に係る製造装置と相違する。
なお、第7実施形態に係る製造装置においては、上記相違点以外は第1実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
台紙供給源80には、積層反応材4の土台となる台紙8が巻かれている。台紙繰出機構81は、台紙供給源80から台紙8を繰り出すローラである。台紙切断機構82は、台紙繰出機構81の下部に設けられており、台紙8を所定の長さに切断する。台紙押付ローラ83は、台紙切断機構82の下部に設けられており、例えば搬送ベルト48の回転方向と反対方向に回転することで、台紙8を搬送ベルト48上に送り出す。
反応材上塗機構71は、含浸ベルト47上に流動状反応材1を供給する。
上塗スキージ76は、反応材上塗機構71により含浸ベルト47上に供給された流動状反応材1を押圧する。
分離カッター46は、搬送ベルト48上に形成された反応材含浸伝熱促進材束3を切断すると共に搬送ベルト48から分離する。
クリーニング機構78は、クリーニングブレード78a及び回収容器78bを有し、搬送ベルト48から分離されずに残存した反応材含浸伝熱促進材束3である残存物77を除去する。
次に、上述した第7実施形態に係る製造装置を用いた反応材成形体5の製造方法について説明する。
第7実施形態に係る製造方法は、搬送ベルト48上に台紙8を供給し、台紙8上に流動状反応材1と伝熱促進材束2とを直接供給することにより、反応材含浸伝熱促進材束3を積層する点で、第1実施形態に係る製造方法と相違する。すなわち、第7実施形態では、含浸処理工程S1と積層処理工程S2とを同時に行う点が第1実施形態と相違する。
なお、第7実施形態に係る製造方法においては、上記相違点以外は第1実施形態と同様の構成を有する。このため、以下の説明では、第1実施形態に係る製造方法と相違する点を中心に説明する。
(含浸処理工程S1)
まず、複数のローラにより一定方向に回転する搬送ベルト48上に台紙供給源80から供給された台紙8を、搬送ベルト48から浮き上がらないように台紙押付ローラ83により押し付けながら搬送ベルト48上に供給する。このとき、台紙切断機構82は、所定の長さに台紙8を切断する。
台紙8の材料としては、流動状反応材1を塗布した時に溶媒含浸等によってしわが発生しないものが好ましく、例えば、紙、樹脂フィルム、金属メッシュ等を好適に用いることができる。また、台紙8としては、流動状反応材1の塗布時に搬送ベルト48から浮き上がらないように巻き癖や折れがないものが好ましい。
次に、搬送ベルト48上に供給された台紙8上に、反応材上塗機構71及び上塗スキージ76により流動状反応材1を供給する。
次に、流動状反応材1上に、伝熱促進材束供給部20により繰り出された伝熱促進材束2を供給し、押付ローラ40を用いて押し付けることにより、伝熱促進材束2に流動状反応材1を含浸させ、反応材含浸伝熱促進材束3を形成する。このとき、切断機構33は、所定の長さに伝熱促進材束2を切断する。
(積層処理工程S2)
そして、流動状反応材1の供給と、伝熱促進材束2の供給とを繰り返し行うことで、台紙8上に所望の厚さを有する積層反応材4を形成する。
搬送ベルト48上に形成された積層反応材4を、分離カッター46により所定の長さに切断することにより、搬送ベルト48から分離する。
なお、積層反応材4が分離された搬送ベルト48は、搬送ベルト48から分離されずに残存した反応材含浸伝熱促進材束3である残存物77を含むことがある。この残存物77は、2周目以降の含浸処理工程において不純物となることがある。しかしながら、本実施形態に係る製造装置は、クリーニング機構78を有する。このため、残存物77を含浸ベルト47上に残存させることなく除去することができる。
以上に説明したように、第7実施形態に係る反応材成形体5の製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
特に、第7実施形態では、第6実施形態と同様に、反応材含浸槽30を用いずに積層反応材4を形成することができるため、変質しやすい流動状反応材1を用いる場合に有効である。また、流動状反応材1と伝熱促進材束2とを交互に積層しながら積層反応材4を形成するため、積層台43を別途設ける必要がなく、製造装置の構造を簡素化できる。
以上、反応材成形体5の製造装置及び製造方法を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
1 流動状反応材
2 伝熱促進材束
3 反応材含浸伝熱促進材束
4 積層反応材
5 反応材成形体
10 反応材供給部
13 溶媒
20 伝熱促進材束供給部
21 繰出ローラ
22 伝熱促進材
23 纏め糸
30 反応材含浸槽
35 離材ブレード
36 脱泡ローラ
40 押付ローラ
41 往路スキージ
42 復路スキージ
43 積層台
60 パターニング機構
62 反応材硬化促進機構
67 通気構造部材
特開平10−286460号公報

Claims (19)

  1. 反応媒体と可逆的に反応して蓄熱又は放熱する反応材を成形した反応材成形体を製造する方法であって、
    伝熱促進材の長軸方向が所定の方向に揃えられた伝熱促進材束に、液状又はスラリー状に流動化された流動状反応材を含浸させる含浸処理工程と、
    前記流動状反応材が含浸された前記伝熱促進材束を一層又は複数層積層させて積層反応材を形成する積層処理工程と、
    前記積層反応材を硬化させる硬化処理工程と、
    硬化処理された前記積層反応材における前記伝熱促進材の長軸を断ち切る方向に前記積層反応材を切り出す成形処理工程と
    を含む、
    反応材成形体の製造方法。
  2. 前記含浸処理工程は、
    前記伝熱促進材束と前記流動状反応材とを交互に積層させることにより、前記伝熱促進材束に前記流動状反応材を含浸させる、
    請求項1に記載の反応材成形体の製造方法。
  3. 前記含浸処理工程は、
    前記伝熱促進材束を供給する伝熱促進材束供給部と、前記流動状反応材を含浸させる反応材含浸槽とを用いて、前記伝熱促進材束に前記流動状反応材を含浸させる工程を含み、
    前記積層処理工程は、
    前記流動状反応材が含浸された前記伝熱促進材束を可動式の積層台に積層させる工程を含む、
    請求項1又は2に記載の反応材成形体の製造方法。
  4. 前記含浸処理工程は、
    前記伝熱促進材束を供給する伝熱促進材束供給部と、前記伝熱促進材束上に流動状反応材を供給する反応材供給部とを用いて、可動式の積層台に前記伝熱促進材束を供給し、前記伝熱促進材束上に前記流動状反応材を塗布する工程を含み、
    前記伝熱促進材束供給部と前記反応材供給部とが前記積層台上に交互に配置された、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  5. 前記伝熱促進材束は、帯状に揃えられた帯状伝熱促進材束である、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  6. 前記帯状伝熱促進材束は、繊維状、針状、紐状又は薄片短冊状のいずれかの形状を有し、更に纏め糸が編みこまれた帯状伝熱促進材束である、
    請求項5に記載の反応材成形体の製造方法。
  7. 前記流動状反応材が充填される反応材含浸槽を備え、
    前記反応材含浸槽は、前記反応材含浸槽内の流動状反応材に前記伝熱促進材束を沈めながら通過させることができる構造を有する、
    請求項1〜3、5、6のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  8. 前記流動状反応材が充填される反応材含浸槽を備え、
    前記反応材含浸槽は、複数の前記伝熱促進材束を一つの前記反応材含浸槽内で同時に含浸させながら積層する構造を有する、
    請求項1〜3、5〜7のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  9. 前記流動状反応材と前記伝熱促進材束とを含浸させながら搬送する含浸ベルトと、
    前記含浸ベルト上に前記伝熱促進材束を送り出す伝熱促進材束供給機構と、
    前記含浸ベルト上及び前記伝熱促進材束上の少なくとも一方に前記流動状反応材を連続的に供給する反応材塗布機構と、
    前記含浸ベルトから前記流動状反応材を含浸させた伝熱促進材束を離材させる離材ブレードと
    を含む、
    請求項1〜3、5〜8のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  10. 前記含浸ベルト上に、前記伝熱促進材束供給機構と前記反応材塗布機構とが交互に配置された、
    請求項9に記載の反応材成形体の製造方法。
  11. 前記含浸処理工程は、
    前記流動状反応材に可溶な溶媒を予め前記伝熱促進材束に含浸させる工程を含む、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  12. 前記含浸処理工程は、
    前記流動状反応材を含浸させる反応材含浸槽内に設けられたローラにより前記伝熱促進材束内の気泡を押し出す工程を含む、
    請求項1、3、5〜8、11のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  13. 前記積層処理工程は、積層台が水平方向に往復運動することにより、前記流動状反応材を含浸させた前記伝熱促進材束を前記積層台上に積層させて前記積層反応材を形成する、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  14. 前記積層処理工程は、積層台が回転することにより、前記流動状反応材を含浸させた前記伝熱促進材束を巻き取りながら積層させて前記積層反応材を形成する、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  15. 前記積層処理工程は、積層台上に積層された前記流動状反応材を含浸させた前記伝熱促進材束を、ローラ及び/又はスキージを用いて押圧する工程を含む、
    請求項1乃至14のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  16. 前記積層処理工程は、積層台上に形成された前記流動状反応材を含浸させた伝熱促進材束を、表面に凹凸形状を有するパターニング機構を用いてパターニングする工程を含む、
    請求項1〜3、5〜15のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  17. 前記積層処理工程は、積層台上に形成された前記流動状反応材が含浸された前記伝熱促進材束の硬化を促進する工程を含む、
    請求項1乃至16のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  18. 前記積層処理工程は、前記流動状反応材が含浸された複数の前記伝熱促進材束の間に前記反応媒体の通過流路を形成する通気構造部材を挟む工程を含む、
    請求項1乃至17のいずれか一項に記載の反応材成形体の製造方法。
  19. 前記積層処理工程は、前記通気構造部材の切断面と前記伝熱促進材束の切断面とが水平方向で同じ位置となるように、前記通気構造部材を切断する工程を含む、
    請求項18に記載の反応材成形体の製造方法。
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