JP2003071941A - Frp積層体およびfrp補強部材 - Google Patents

Frp積層体およびfrp補強部材

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JP2003071941A
JP2003071941A JP2001263940A JP2001263940A JP2003071941A JP 2003071941 A JP2003071941 A JP 2003071941A JP 2001263940 A JP2001263940 A JP 2001263940A JP 2001263940 A JP2001263940 A JP 2001263940A JP 2003071941 A JP2003071941 A JP 2003071941A
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frp
braid
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glass
laminated
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JP2001263940A
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Shigeru Sato
茂 佐藤
Hisashi Nanjo
尚志 南条
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Nitto Boseki Co Ltd
Nittobo FRP Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
Nittobo FRP Laboratory Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高剛性で且つ層間剥離の生じ難いFRP積層
体およびFRP補強部材を提供すること。 【解決手段】 本発明は、硬化した樹脂中にガラス基材
が配されたFRP積層体10であって、複数枚の長尺状
のガラス基材22a〜22dが積層された積層部20
と、積層部20の最上面20uと積層部20の両端面2
0Sa,20Sbの少なくとも一部とを一体的に覆う、
ガラス繊維の連続繊維束によって形成された長尺状の3
軸または4軸の第1組布30と、積層部20の最下面2
0lを覆う、3軸または4軸の第2組布40と、を備
え、積層部20、第1組布30、および第2組布40は
硬化樹脂を含み、第1組布30の両端部30a,30b
と第2組布40の両端部40a,40bとが重なり合っ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FRP(Fiber Re
inforced Plastic:繊維強化プラスチック)によって形
成され、建物の屋根材や土木構造部材等として利用され
るFRP積層体およびFRP補強部材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】FRP製の部材は、鋼材等に比して軽量
で、耐食性に優れ、且つ強度が高いという特徴を備えて
おり、従来、建物の屋根材や土木構造部材等として多方
面で利用されている。また、建物の屋根等の広域エリア
には、長尺状に形成されたFRP部材が利用に供されて
いる。そして、このような長尺状のFRP部材は、主と
していわゆる引抜き成形法によって作製されている。引
抜き成形法は、強度特性に合わせて構成された繊維強化
材(連続繊維束、マット状の繊維基材等)を引き揃え、
これを予め触媒や硬化剤を混合した液状樹脂に含浸させ
た後に加熱した金型内を通しながら硬化させることで、
連続的にFRP成形品を得るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
FRP部材には、次のような問題があった。すなわち、
引抜き成形法で作製する長尺状のFRP成形品として、
繊維強化材としてのガラス基材を複数枚重ね合わせそれ
に樹脂を含浸させたものが考えられるが、このようなF
RP成形品には、長尺状であるがゆえに反りや捩れが発
生し易く、また、積層された各ガラス基材が横方向にず
れて層間剥離が起こるという問題があった。屋根材とし
て用いたFRP部材に反りや捩れ、或いは層間剥離が生
じると雨漏りが起こり得て、土木用補強部材として用い
たFRP部材に反りや捩れが発生すると耐強度の低下を
招く。
【0004】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、高剛性で且つ層間剥離の生じ難いFR
P積層体およびFRP補強部材を提供することを課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、硬化した樹脂中に補強材としてのガラス
基材が配されたFRP積層体であって、複数枚の長尺状
のガラス基材が積層された積層部と、前記積層部の最上
面と前記積層部の長手方向に沿った両端面の少なくとも
一部とを一体的に覆う、ガラス繊維の連続繊維束によっ
て形成された長尺状の3軸または4軸の第1組布と、前
記積層部の最下面を覆う、ガラス繊維の連続繊維束によ
って形成された長尺状の3軸または4軸の第2組布と、
を備え、前記積層部、前記第1組布、および前記第2組
布は、硬化樹脂を含み、前記第1組布の長手方向に沿っ
た両端部と前記第2組布の長手方向に沿った両端部とが
重なり合っていることを特徴とする。
【0006】本発明のFRP積層体では、ガラス基材が
複数枚重ねられた積層部の長手方向に沿った両端面が第
1組布または第2組布で抑えられているため、ガラス基
材の横方向へのズレが抑制されて層間剥離を防止でき
る。また、第1組布の両端と第2組布との両端が重なり
合っているため、ガラス基材の両端面を抑える力が向上
して層間剥離をより確実に抑えることができるととも
に、FRP積層体の剛性が高められて反りや捩れを防止
できる。更に、第1組布および第2組布ではガラス繊維
の連続繊維束が3方向または4方向に配されていること
からFRP積層体を補強する強度が高くなっており、こ
の点からも、FRP積層体の剛性が高められると共に、
層間剥離の防止がより確実にされている。
【0007】また、本発明のFRP積層体において、前
記ガラス基材は、ガラスクロス、3軸もしくは4軸の組
布、またはコンティニュアスストランドマットであるこ
とを特徴としてもよい。
【0008】また、本発明のFRP積層体において、長
手方向に沿って略直角に折り曲げられた形状をなすこと
を特徴としてもよい。この場合、FRP積層体は、断面
が略L字状の長尺部材となり、土木建築等の補強材とし
て好適に利用できる。
【0009】また、本発明のFRP積層体において、長
手方向に沿って2箇所で略直角に折り曲げられた形状を
なすことを特徴としてもよい。この場合、FRP積層体
は、断面が溝形の長尺部材となり、土木建築等の補強材
として好適に利用できる。
【0010】更に、本発明のFRP補強部材は、長尺状
のウェブと前記ウェブの側端部に設けられたフランジと
を備えたFRP補強部材であって、前記ウェブおよび前
記フランジにおいては、硬化した樹脂中にガラス基材が
配されており、前記フランジは、上記本発明のFRP積
層体で形成されていることを特徴としてもよい。
【0011】このようなFRP補強部材は断面T形とな
り、土木建築等の補強材として好適に利用できる。特
に、フランジには本発明のFRP積層体が用いられてい
るため、フランジ部の剛性が高められて反りや捩れを防
止できると共に、ガラス基材の横方向へのズレが抑制さ
れて層間剥離を防止できる。
【0012】更にこの場合、上記フランジは、ウェブの
両側端部に設けられていることを特徴としてもよい。F
RP補強部材は断面H形となり、土木建築等の補強材と
して好適に利用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るFRP積層体およびFRP補強部材の好適な実
施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一
符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0014】図1は、本実施形態のFRP積層体10を
示す斜視図であり、図2は、FRP積層体10の正面図
である。FRP積層体10は、建物の屋根材や土木構造
部材等として利用される長尺状のFRP成形品であり、
補強材としての長尺状のガラス基材22a〜22dが図
中上下方向に複数枚積層された積層部20、並びに、こ
の積層部20の周囲を取り巻くように配された第1組布
30および第2組布40によって構成されている。そし
て、積層部20、第1組布30、および第2組布40に
は熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂が含浸され、当該
樹脂が硬化した状態となっている。FRP積層体10に
用いる樹脂として、この他様々な熱硬化性樹脂または熱
可塑性樹脂を利用することができ、例えば熱硬化性樹脂
としては、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、メタアクリレート樹脂等の熱
硬化性樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、ナイロ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。
【0015】積層部20を構成するガラス基材22a〜
22dは、本実施形態ではガラスクロスとされている
が、この他、3軸または4軸の組布や、マット状の強化
材であるコンティニュアスストランドマットとしてもよ
い。コンティニュアスストランドマットは、連続繊維を
ランダムに且つ均一に分散させバインダでマット状にし
たものである。また、ガラス基材は、本実施形態では4
枚積層されているが、2枚、3枚、或いは5枚以上でも
よい。
【0016】第1組布30および第2組布40は、とも
にガラスロービング(ガラス繊維の連続繊維束)35を
4方向に配した4軸組布である。第1組布30および第
2組布40においては、ガラスロービング35はFRP
積層体10の長手方向に対して0°、90°、±45°
の角度で配されている。また、第1組布30および第2
組布40は、ガラスロービングを3方向に配した3軸組
布としてもよい。3軸組布とする場合は、ガラスロービ
ングをFRP積層体10の長手方向に対して0°、±6
0°に配することが好適である。
【0017】また、第1組布30は、積層部20の最上
面20u(ガラス基材22aの上面に相当)と、積層部
20の長手方向に沿った左右の両端面20Sa,20S
bの一部とを一体的(言い換えれば連続的)に覆ってい
る。一方、第2組布40は、積層部20の最下面20l
(ガラス基材22dの下面に相当)と、積層部20の両
端面20Sa,20Sbの一部とを一体的に覆ってい
る。ここで、積層部20の最上面20uおよび最下面2
0lは、FRP積層体10の使用状態でそれぞれ最上位
および最下位に位置する必要はなく、積層されたガラス
基材22の二つの最外層の表面を意味する。
【0018】更に、図2に示すように、第1組布30の
長手方向に沿った左右の端部30a,30bと、第2組
布40の左右の端部40a,40bとは、積層部20の
両端面20Sa,20Sb上で重なり合っている。図2
中破線で示すように、第1組布30の端部30aと第2
組布40の端部40aとが重なり合ってラップ部51が
形成され、第1組布30の端部30bと第2組布40の
端部40bとが重なり合ってラップ部52が形成されて
いる。
【0019】以上がFRP積層体10の構成である。次
に、図3を参照して、FRP積層体10の製造方法を説
明する。
【0020】図3は、引抜き成形によってFRP積層体
10を製造するための成形装置60を示す斜視図であ
る。成形装置60は、触媒や硬化剤が混合された溶融樹
脂を収容した樹脂層61,62と、内部に断面長方形状
の通路が形成された金型63と、を備えている。各樹脂
層61,62に滞留させた溶融樹脂は、フェノール樹脂
である。
【0021】また、金型63は、樹脂層61,62の下
流に位置すると共に、SKDやSCMのダイス鋼で形成
され、上型と下型とを締結することで断面長方形状の通
路が形成されている。尚、金型63の内部には、樹脂を
硬化させるためのヒータが内蔵されている。
【0022】一方、樹脂層61の上流には、それぞれド
ラム状に巻かれた4軸組布である第1組布30およびガ
ラスクロスであるガラス基材22a,22bがセットさ
れ、樹脂層62の上流には、4軸組布である第2組布4
0および2つのガラス基材22c,22dがセットされ
ている。
【0023】また、引抜き成形を開始する前に、ドラム
状の第1組布30および第2組布40は、金型63内で
その両端部が重なるように引き出されている。尚、第1
組布30および第2組布40は、ドラム状に巻かれた段
階では両端は折り曲げられていないが、金型63の通路
に導入される過程で徐々に折り曲げられるように成形装
置60が構成されている。
【0024】図示は省略するが、金型63の下流には、
第1組布30、第2組布40、およびガラス基材22a
〜22dを金型63を通して引抜くプーラーと、長尺に
形成されたFRPを所望の長さにカットする切断機と、
が設けられている。プーラーは、金型63を通過した成
形品を回転するローラで上下から挟み込むいわゆるキャ
タピラ方式や、機械的、油圧的に往復動する2台のクラ
ンプで成形品を引抜くいわゆるクランプユニット方式と
することができる。切断機は、ブレードをモータの駆動
力で回転させて成形品を切断するように構成されてい
る。
【0025】以上のような構成のもとプーラーを作動さ
せると、それぞれドラム状に巻かれた第1組布30、第
2組布40、およびガラス基材22a〜22dが樹脂層
61,62に向けて引き出される。
【0026】樹脂層61の上流付近においては、第1組
布30、ガラス基材22a、およびガラス基材22bが
この順で上下方向に重ねられ、樹脂層61内で溶融樹脂
に含浸される。樹脂層62の上流付近においては、ガラ
ス基材22c、ガラス基材22d、および第2組布40
がこの順で上下方向に重ねられ、樹脂層62内で溶融樹
脂に含浸される。
【0027】溶融樹脂に含浸された第1組布30、第2
組布40、およびガラス基材22a〜22dは、金型6
3の通路内に引き込まれる。この際、各ガラス基材22
a〜22dは上下方向に積層されて積層部を構成し、第
1組布30および第2組布40は、その両端部が積層部
の両端面を覆うように重なり合う。また、4軸組布であ
る第1組布30および第2組布40の経糸が、金型63
の通路の長手方向に沿うようにされている。
【0028】金型63内において、成形品はヒータによ
って加熱され、第1組布30等に含浸した溶融樹脂が硬
化する。そして、金型63から引抜かれた長尺の成形品
は切断機によって所望の長さに切断されて、図1に示し
た目的のFRP積層体10を得ることができる。
【0029】このようにして得られる本実施形態のFR
P積層体10によれば、次のような効果が得られる。即
ち、ガラス基材22a〜22dが重ねられた積層部20
の両端面20Sa,20Sbが第1組布30および第2
組布40で抑えられているため、ガラス基材20a〜2
0dの横方向(長手方向と直交する方向)へのズレが抑
制されて層間剥離を防止できる。また、第1組布30の
両端部30a,30bと第2組布40の両端部40a,
40bが重なり合っているため、ガラス基材20a〜2
0dの両端面を抑える力が向上して層間剥離をより確実
に抑えることができるとともに、剛性が高められて反り
や捩れを防止できる。
【0030】特に、第1組布30は積層部20の最上面
20uと両端面20Sa,20Sbを一体的に覆い、第
2組布40は積層部20の最下面20lと両端面20S
a,20Sbを一体的に覆っているため、積層部20の
各面を独立した組布が覆う場合と比較してFRP積層体
10の剛性が著しく向上すると共に、ガラス基材20a
〜20dの側部を強固に支持できる。
【0031】更に、第1組布および第2組布ではガラス
ロービング35が4方向に配されていることからFRP
積層体10を補強する強度が高くなっており、この点か
らも、FRP積層体10の剛性が高められると共に、層
間剥離の防止をより確実にされている。
【0032】次に、図4〜図8を参照して、本発明に係
るFRP積層体の他の実施形態を説明する。
【0033】図4に示す第2実施形態では、FRP積層
体10は、幅方向の中央部が持ち上げられた形状となっ
ている。このようなFRP積層体10を複数枚並列さ
せ、隣接するFRP積層体10の両端部をリベット等で
固定することで、体育館等の建築物の屋根材として好適
に利用し得る。
【0034】図5に示す第3実施形態では、FRP積層
体10の積層部20は、7枚のガラス基材22a〜22
gによって構成されている。そして、最上層のガラス基
材22aおよび最下層のガラス基材22gは、これらに
挟まれたガラス基材22b〜22fの側部を覆うように
両端が折り曲げられている。このような構成を採ること
により、FRP積層体10の剛性を一層向上できると共
にガラス基材の層間剥離をより確実に防止できる。尚、
本実施形態では最外層のガラス基材22aおよびガラス
基材22gのみを折り曲げているが、上側と下側でそれ
ぞれ複数枚折り曲げてもよい。
【0035】図6に示す第4実施形態では、第1組布3
0の両端部と第2組布40の両端部とが重なり合うラッ
プ部51,52が、積層部20の側端面上ではなく、積
層部20の下面に位置している。つまり、第1組布30
が積層部20の両端部の全面を覆い、第2組布40が積
層部20の最下面20lのみを覆っている。このような
構成を採った場合でも、FRP積層体10の剛性向上お
よびガラス基材の層間剥離防止を達成し得る。
【0036】図7に示す第5実施形態では、FRP積層
体10は、長手方向に沿って略直角に折り曲げられた形
状とされている。このFRP積層体10は、断面が略L
字状となるため耐強度性が向上し、土木建築等の補強材
として好適に利用できる。このようなFRP積層体10
は、引抜き成形に用いる金型の通路をL字状にして形成
してもよいし、図1のような平板状の積層体を折り曲げ
ることで形成してもよい。
【0037】図8に示す第6実施形態では、FRP積層
体10は、長手方向に沿って2箇所で同じ方向に略直角
に折り曲げられた形状とされている。このFRP積層体
10は、断面が溝状となるため耐強度性が向上し、土木
建築等の補強材として好適に利用できる。このようなF
RP積層体10は、引抜き成形に用いる金型の通路を溝
状にして形成してもよいし、図1のような平板状の積層
体を2箇所で折り曲げることで形成してもよい。
【0038】図9は、FRP積層体10の構造を利用し
たFRP補強部材70を示す図である。FRP補強部材
70は、長尺状をなすウェブ72とウェブ72の側端部
に設けられたフランジ74とを備えている。ウェブ72
およびフランジ74においては、硬化した樹脂中にガラ
ス基材22a〜22fが配されている。また、ガラス基
材22a〜22cとガラス基材22d〜22fがそれぞ
れ1つに積層されて略直角に折り曲げられ、各積層体の
断面における長辺が面接触するような構成とされてい
る。
【0039】また、本実施形態では、1枚の第1組布3
0と、2枚の第2組布40,40を用いている。ガラス
基材22a〜22cの端部は、第1組布30の端部と第
2組布40の端部が重なったラップ部51で覆われてい
る。一方、ガラス基材22d〜22fの端部は、第1組
布30の端部と他方の第2組布40の端部が重なったラ
ップ部52で覆われている。見方を換えると、FRP補
強部材70のフランジ74は、本発明のFRP積層体の
構成が採られている。フランジ74の図中左側と右側で
異なるガラス基材が配されているが、このようなものも
本発明のFRP積層体に含まれる。更に、FRP補強部
材70の下端部は、2枚の第2組布40の端部が重なり
合って覆われている。
【0040】このような断面T形のFRP補強部材70
は、土木建築等の補強材として好適に利用できる。特
に、フランジ74において本発明のFRP積層体構造が
採られているため、フランジ74の剛性が高められて反
りや捩れを防止できると共に、ガラス基材の横方向への
ズレが抑制されて層間剥離を防止できる。
【0041】尚、本実施形態において、第2組布40を
2枚用いずに、1枚の第2組布40でフランジ74の最
下面及びウェブ72の周囲を覆ってもよい。この場合、
ウェブ72の下部にはラップ部が無いことになる。
【0042】図10は、FRP補強部材70の他の実施
形態である。図9に示す形態と異なるのは、ウェブ72
の両側部にフランジ74,74が設けられている点であ
る。構成を詳しく説明すると、ウェブ72およびフラン
ジ74,74においては、硬化した樹脂中にガラス基材
22a〜22fが配されている。また、ガラス基材22
a〜22cとガラス基材22d〜22fがそれぞれ1つ
に積層されて2箇所で同方向に略直角に折り曲げられ、
各積層体の断面における長辺が面接触するような構成と
されている。
【0043】また、本実施形態では、2枚の第1組布3
0,30と、2枚の第2組布40,40を用いており、
各第1組布30,30はそれぞれFRP補強部材70の
上部および下部に配され、各第2組布40,40はそれ
ぞれFRP補強部材70の両側部に配されている。ガラ
ス基材22a〜22cの図中上方の端部は、上方の第1
組布30の端部と左方の第2組布40の端部が重なった
ラップ部51によって覆われ、図中下方の端部は、下方
の第1組布30の端部と左方の第2組布40の端部が重
なったラップ部51によって覆われている。一方、ガラ
ス基材22d〜22fの図中上方の端部は、上方の第1
組布30の端部と右方の第2組布40の端部が重なった
ラップ部52によって覆われ、図中下方の端部は、下方
の第1組布30の端部と右方の第2組布40の端部が重
なったラップ部52によって覆われている。
【0044】このように、フランジ74をウェブ72の
両側部に設けた断面H形のFRP補強部材70は、土木
建築等の補強材として好適に利用できる。特に、フラン
ジ74,74において本発明のFRP積層体構造が採ら
れているため、フランジ74,74の剛性が高められて
反りや捩れを防止できると共に、ガラス基材の横方向へ
のズレが抑制されて層間剥離を防止できる。
【0045】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記各実
施形態に限定されるものではない。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のFRP積
層体によれば、ガラス基材が複数枚重ねられた積層部の
長手方向に沿った両端面が第1組布または第2組布で抑
えられているため、ガラス基材の横方向へのズレが抑制
されて層間剥離を防止できる。また、第1組布の両端と
第2組布の両端とが重なり合っているため、ガラス基材
の両端面を抑える力が向上して層間剥離をより確実に抑
えることができるとともに、剛性が高められて反りや捩
れを防止できる。更に、第1組布および第2組布ではガ
ラス繊維の連続繊維束が3方向または4方向に配されて
いることからFRP積層体を補強する強度が高くなって
おり、この点からも、FRP積層体の剛性が高められる
と共に、層間剥離の防止をより確実にされている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のFRP積層体を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示すFRP積層体の正面図である。
【図3】FRP積層体を作製する成形装置を示す斜視図
である。
【図4】第2実施形態のFRP積層体を示す正面図であ
る。
【図5】第3実施形態のFRP積層体を示す正面図であ
る。
【図6】第4実施形態のFRP積層体を示す正面図であ
る。
【図7】第5実施形態のFRP積層体を示す正面図であ
る。
【図8】第6実施形態のFRP積層体を示す正面図であ
る。
【図9】本発明に係るFRP補強部材の一実施形態を示
す正面図である。
【図10】本発明に係るFRP補強部材の他の実施形態
を示す正面図である。
【符号の説明】
10…FRP積層体、20a〜20f…ガラス基材、2
0…積層部、20Sa,20Sb…積層体の両端面、2
0u…積層部の最上面、20l…積層部の最下面、30
…第1組布、30a,30b…第1組布の端部、35…
ガラスロービング(ガラス繊維の連続繊維束)、40…
第2組布、40a,40b…第2組布の端部、51,5
2…ラップ部、60…成形装置、61,62…樹脂層、
63…金型、70…FRP補強部材、72…ウェブ、7
4…フランジ。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 茂 福島県郡山市富久山町福原字塩島1番地 株式会社ニットーボー・エフアールピー研 究所内 (72)発明者 南条 尚志 福島県郡山市富久山町福原字塩島1番地 株式会社ニットーボー・エフアールピー研 究所内 Fターム(参考) 4F205 AA36 AD04 AD16 AG03 AH47 HA05 HA14 HA27 HA33 HA46 HB02 HC02 HC04 HC05 HC16 HL17 HL18 HL19 HM03 HT02 HT26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化した樹脂中に補強材としてのガラス
    基材が配されたFRP積層体であって、 複数枚の長尺状のガラス基材が積層された積層部と、 前記積層部の最上面と前記積層部の長手方向に沿った両
    端面の少なくとも一部とを一体的に覆う、ガラス繊維の
    連続繊維束によって形成された長尺状の3軸または4軸
    の第1組布と、 前記積層部の最下面を覆う、ガラス繊維の連続繊維束に
    よって形成された長尺状の3軸または4軸の第2組布
    と、を備え、 前記積層部、前記第1組布、および前記第2組布は、硬
    化樹脂を含み、 前記第1組布の長手方向に沿った両端部と前記第2組布
    の長手方向に沿った両端部とが重なり合っていることを
    特徴とするFRP積層体。
  2. 【請求項2】 前記ガラス基材は、ガラスクロス、3軸
    もしくは4軸の組布、またはコンティニュアスストラン
    ドマットであることを特徴とする請求項1記載のFRP
    積層体。
  3. 【請求項3】 長手方向に沿って略直角に折り曲げられ
    た形状をなすことを特徴とする請求項1記載のFRP積
    層体。
  4. 【請求項4】 長手方向に沿って2箇所で略直角に折り
    曲げられた形状をなすことを特徴とする請求項1記載の
    FRP積層体。
  5. 【請求項5】 長尺状のウェブと前記ウェブの側端部に
    設けられたフランジとを備えたFRP補強部材であっ
    て、 前記ウェブおよび前記フランジにおいては、硬化した樹
    脂中にガラス基材が配されており、 前記フランジは、請求項1記載のFRP積層体で形成さ
    れていることを特徴とするFRP補強部材。
  6. 【請求項6】 前記フランジは、前記ウェブの両側端部
    に設けられていることを特徴とする請求項5記載のFR
    P補強部材。
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