JP2015159648A - 回転電機のステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ステータコアでの磁束の流れが阻害されるのを抑えつつ、モールド材でコイルを固定する際にステータコアに発生する圧縮応力を低減する。
【解決手段】ヨーク23には、ステータ軸方向端面23a,23bで開口する開口穴33a,33bが、ティース24が突出するステータ周方向位置に形成され、モールド樹脂14が開口穴33a,33bに充填されている。常温への冷却時に生じるステータコア21の内周側への収縮による圧縮応力を、開口穴33a,33bに充填された充填樹脂部14a,14bで受けることができ、ティース24及びヨーク23に発生する圧縮応力を低減することができる。
【選択図】図2
【解決手段】ヨーク23には、ステータ軸方向端面23a,23bで開口する開口穴33a,33bが、ティース24が突出するステータ周方向位置に形成され、モールド樹脂14が開口穴33a,33bに充填されている。常温への冷却時に生じるステータコア21の内周側への収縮による圧縮応力を、開口穴33a,33bに充填された充填樹脂部14a,14bで受けることができ、ティース24及びヨーク23に発生する圧縮応力を低減することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、回転電機のステータに関し、特に、モールド材によりコイルをステータコアに固定するステータに関する。
下記特許文献1の回転電機のステータでは、ステータコアにコイルを樹脂モールドにより固定している。
特許文献1では、モールド材でコイルをステータコアに固定する際の温度変化によって、ステータコアとモールド材の熱膨張率の違いによる圧縮応力がステータコアに発生する。ステータコアに発生する圧縮応力が大きくなると、ステータコアの鉄損による損失が増大する。
本発明は、ステータコアでの磁束の流れが阻害されるのを抑えつつ、モールド材でコイルを固定する際にステータコアに発生する圧縮応力を低減することを目的とする。
本発明に係る回転電機のステータは、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る回転電機のステータは、ステータ周方向に沿って延びるヨークと、ステータ周方向に互いに間隔をおいて配置され、各々がヨークよりステータ径方向内側へ突出する複数のティースとを含むステータコアと、ティースに巻装されたコイルと、を備える回転電機のステータであって、ステータ軸方向端部に設けられたモールド材によりコイルがステータコアに固定され、ヨークには、ステータ軸方向端面で開口する開口穴が、ティースが突出するステータ周方向位置に形成され、開口穴にモールド材が充填されていることを要旨とする。
本発明によれば、ヨークには、ステータ軸方向端面で開口する開口穴が、ティースが突出するステータ周方向位置に形成され、開口穴にモールド材が充填されていることで、ステータコアでの磁束の流れが阻害されるのを抑えつつ、モールド材でコイルを固定する際にステータコアに発生する圧縮応力を低減することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1〜3は、本発明の実施形態に係る回転電機のステータの概略構成を示す図である。図1はステータの軸方向から見た概略構成を示し、図2はステータの軸方向と垂直な方向から見た断面図を示し、図3はステータコア21及びコイル22の構成例を示す。図1,3では、ステータ周方向に関して構成の一部を図示しているが、図示を省略している残りの部分の構成は、図示している部分と同様の構成である。
ステータは、ステータコア21と、ステータコア21に巻装されたコイル22とを含んで構成される。ステータコア21は、ステータ周方向に沿って延びる円環状のヨーク23と、ヨーク23の内周面よりステータ径方向内側(図示しないロータ側)へ突出する複数のティース24とを含み、例えば複数の電磁鋼板をステータ軸方向に積層して構成することが可能である。複数のティース24はステータ周方向に互いに間隔をおいて配置され、各ティース24にコイル22が巻装されている。図3の例では、複数のティース24がステータ周方向に等間隔で配置され、コイル22が各ティース24に集中巻で巻装されている。コイル22は、ステータコア21(ティース24)よりステータ軸方向外側(ステータ軸方向一方側及び他方側)へ張り出したコイルエンド部22a,22bを有する。
ステータにおいては、コイル22をステータコア21に固定するために、モールド樹脂(モールド材)14がステータ軸方向両端部に設けられている。図2の例では、モールド樹脂14がコイルエンド部22a,22b及びヨーク23のステータ軸方向両端面23a,23bの一部(内周側部分)を覆うように密着して設けられていることで、コイルエンド部22a,22bがモールド(封止)されている。モールド樹脂14は、ステータ周方向に隣接するコイル22間の隙間等にも充填される。モールド樹脂14としては、例えば熱硬化性樹脂を用いることが可能である。
本実施形態では、ヨーク23には、ステータ軸方向一端面23aで開口する開口穴33a、及びステータ軸方向他端面23bで開口する開口穴33bが、ティース24が突出するステータ周方向位置、つまりティース24よりステータ径方向外側位置のティースバック部に形成されている。各開口穴33a,33bは、ステータ軸方向に沿って延びている。そして、モールド樹脂14が各開口穴33a,33bに充填されている。モールド樹脂14における開口穴33aに充填された充填樹脂部14aは、開口穴33aの内周面と密着し、モールド樹脂14における開口穴33bに充填された充填樹脂部14bは、開口穴33bの内周面と密着している。図3の例では、開口穴33a,33bを各ティース24毎に対応させて各ティースバック部に形成している。また、図2の例では、ステータ軸方向中央部に位置する電磁鋼板には開口穴33a,33bを形成するための穴は設けられておらず、開口穴33a,33bは貫通穴となっていないが、開口穴33a,33bは貫通穴となっていてもよい。
モールド樹脂14によりコイル22をステータコア21に固定する際には、加熱によりモールド樹脂14を高温で熱硬化させるが、樹脂成形後に常温まで冷却すると、ステータコア21とモールド樹脂14の線膨張率の違いによる熱応力が発生する。その際に、ステータコア21は、加熱により外周側へ膨張し、常温への冷却により内周側へ収縮する。常温への冷却によりステータコア21が内周側へ収縮すると、モールド樹脂14から荷重を受けることでステータコア21に圧縮応力が作用する。ステータコア21に作用する圧縮応力が大きくなると、ステータコア21の鉄損による損失が増大する。
これに対して本実施形態では、常温への冷却時に生じるステータコア21の内周側への収縮による圧縮応力を、開口穴33a,33bに充填された充填樹脂部14a,14bの柱で受けることができ、ティース24及びヨーク23に発生する圧縮応力を低減することができる。したがって、簡便な構造でティース24及びヨーク23の鉄損による損失を低減することができる。その際に、開口穴33a,33b(充填樹脂部14a,14b)は、磁束密度の低いティースバック部に設けられるため、充填樹脂部14a,14bによりティース24及びヨーク23での磁束の流れが阻害されるのを抑え、トルクの低下を抑えることができる。また、樹脂モールドの金型を変更するだけで、ステータコア21に発生する圧縮応力を低減することができるため、ステータのコスト増加を抑えることができる。
本実施形態では、例えば図4,5に示すように、モールド樹脂14をヨーク23の外周面23c上にさらに設けることも可能である。図4,5に示す構成例において、モールド樹脂14におけるヨーク外周面23c上に設けられた外周樹脂部14c,14dは、ヨーク外周面23cと密着している。図4の例では、外周樹脂部14c,14dは、各ティース24が位置するステータ周方向位置、つまり各ティース24よりステータ径方向外側の位置に配置されている。図5の例では、外周樹脂部14cは、ヨーク外周面23c上におけるステータ軸方向一方側部分(図5の左側部分)に配置され、外周樹脂部14dは、ヨーク外周面23c上におけるステータ軸方向他方側部分(図5の右側部分)に配置されている。
図1〜3の構成例の場合は、常温への冷却時に、ヨーク23における開口穴33a,33b(充填樹脂部14a,14b)より外周側の部分にて圧縮応力が印加される。これに対して図4,5の構成例の場合は、常温への冷却時に、ヨーク外周面23cに密着する外周樹脂部14c,14dがヨーク23を外周側から引っ張ることで、ヨーク23(特に充填樹脂部14a,14bより外周側の部分)に発生する圧縮応力を低減することができる。したがって、簡便な構造でヨーク23の鉄損による損失をさらに低減することができる。なお、図4,5の構成例の場合は、引張応力が発生する部位が存在するが、電磁鋼板の特性上、圧縮応力に比べて鉄損は十分小さい。
以上の実施形態では、開口穴33a,33b(充填樹脂部14a,14b)を各ティース24毎に対応させて各ティースバック部に設けるものとした。ただし、本実施形態では、例えばティースバック部に1つおきに開口穴33a,33b(充填樹脂部14a,14b)を設ける等、必ずしも各ティースバック部毎に開口穴33a,33b(充填樹脂部14a,14b)を設ける必要はない。また、本実施形態では、開口穴33a(充填樹脂部14a)及び開口穴33b(充填樹脂部14b)のいずれか一方を省略することも可能である。
図4,5の構成例では、外周樹脂部14c,14dを各ティース24毎に対応させて各ティース24よりステータ径方向外側の位置に設けるものとした。ただし、図4,5の構成例では、例えばティース1つおきに対応させて外周樹脂部14c,14dを設ける等、必ずしも各ティース24毎に対応させて外周樹脂部14c,14dを設ける必要はない。また、図4,5の構成例では、外周樹脂部14c,14dのステータ周方向位置が、ティース24に対しステータ周方向にずれた位置であってもよい。また、図4,5の構成例では、外周樹脂部14c,14dのいずれか一方を省略することも可能である。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
14 モールド樹脂、14a,14b 充填樹脂部、14c,14d 外周樹脂部、21 ステータコア、22 コイル、22a,22b コイルエンド部、23 ヨーク、24 ティース、33a,33b 開口穴。
Claims (1)
- ステータ周方向に沿って延びるヨークと、ステータ周方向に互いに間隔をおいて配置され、各々がヨークよりステータ径方向内側へ突出する複数のティースとを含むステータコアと、
ティースに巻装されたコイルと、
を備える回転電機のステータであって、
ステータ軸方向端部に設けられたモールド材によりコイルがステータコアに固定され、
ヨークには、ステータ軸方向端面で開口する開口穴が、ティースが突出するステータ周方向位置に形成され、
開口穴にモールド材が充填されている、回転電機のステータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014032329A JP2015159648A (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | 回転電機のステータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014032329A JP2015159648A (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | 回転電機のステータ |
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Family
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018088489A1 (ja) * | 2016-11-14 | 2018-05-17 | 三菱電機株式会社 | 回転電機の電機子、回転電機、エレベータ用巻上機、及び電機子の製造方法 |
CN113364235A (zh) * | 2021-05-28 | 2021-09-07 | 山东威马泵业股份有限公司 | 一种潜油电机定子嵌线工艺方法 |
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2014
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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