JP2015159544A - 送信装置、受信装置、送信方法、受信方法、及び多次元コンステレーションの生成方法 - Google Patents
送信装置、受信装置、送信方法、受信方法、及び多次元コンステレーションの生成方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】回転コンステレーションマッパ1420は、カウンタ710の出力b1〜b4を、N次元空間内の位置によって定義された複数のコンステレーションポイントを持つN次元回転コンステレーションにマッピングし、これによって得られたコンステレーション成分s1〜s4を平方ユークリッド距離演算部730へ出力する。平方ユークリッド距離演算器730は、平方ユークリッド距離を計算する。最小器740−1〜740−4は、各ビットについて2つの部分に対する最小の平方ユークリッド距離を保持する。加算器750−1〜750−4は、最小器740−1〜740−4のmin0の出力から、min1の出力を減算し、減算の結果をL(b1)〜L(b4)として出力する。
【選択図】図14
Description
ョンの例では、各伝送ビットは1つの次元にのみ影響を与える。図1Aにおいて、コンステレーションポイント“b1b2”(=“00”、“01”、“10”、“11”)のb1
は水平軸に相当する次元にのみ影響を与え、b2は垂直軸に相当する次元にのみ影響を与
える。仮に、伝送ビットが影響を与える次元が深いフェージングを受けると、当該次元を変調する全てのビットの信頼性が極端に低下し、誤り率が大きくなる。この影響が図1Aにおいて誤りによって示されている。例えば、垂直軸によって表されるチャネルが徐々に消失していくと、コンステレーションポイントが水平軸に近づいていき(図1Aの実線矢印)、コンステレーションポイント“00”と“01”とが区別しにくくなり、コンステレーションポイント“10”と“11”とが区別しにくくなる。
[Rotated Constellations]
変調ダイバーシチを達成する一つの方法は、コンステレーションの次元の全てにチャネルフェージングの影響を拡散するために、(超立方体)コンステレーションを回転することである。これが、N=2、B=1の場合に関して、図1Bに示されている。例えば、図1Bに示すように、垂直軸によって表されるチャネルが徐々に消失していくと、コンステレーションポイントが水平軸に近づいていく(図1Bの実線矢印)が、コンステレーションポイント“00”、“01”、“10”、“11”は水平軸に相当する次元で区別できる。このように、コンステレーションポイント“00”、“01”、“10”、“11”は、垂直軸に相当する深いチャネルフェージングの影響を受けた後でさえ、区別できる。
それが直交行列であること、即ち、下記の(数1)を満足することである。
明らかに、必ずしも全ての回転が改良された変調ダイバーシチの効果を生じるわけではない。非特許文献1から、16QAMに対する最適な回転角θは下記の(数3)であることが知られており、対応する2次元の回転行列Rは下記の(数4)である。
非特許文献3は、減少させたパラメータ数の利点を持つ、代数的整数理論を使用した、
2つの異なるアプローチを開示する。
第1のアプローチは、“canonical embedding(標準埋め込み)”を代数的整数場に適
用することによって、回転行列の構造を考えるものである。これには、2つの方法が提案されている。第1の方法は、次元数N=2e23e3に対して、ダイバーシチL=N/2を持つ格子を作り出す。但し、e2,e3=0,1,2,・・・である。ダイバーシチはコンステレーションのいかなる2つの異なったポイントの成分における異なった値の最小数を意味する。第2の方法は、ダイバーシチL=Nを持つ格子を作り出す。Nの取り得る値は非常に制限され、3,5,9,11,15などである。
N=4に関する回転行列の値は下記の(数10)に示す値である。
これらの方法の各々は、ある程度のダイバーシチを保証することができる。これらの方法の厳しい欠点は、結果として得られる回転行列は固定され、異なるコンステレーションサイズに対して最適化を許容する一つのパラメータも持たないため、様々なコンステレーションサイズに応じて変調ダイバーシチ効果を最大化することができないことである。
を使ってより大きな次元を持った行列を作りだすための基本の行列として使う。
のことが第2のアプローチの主要な欠点である。
他の観点は、回転コンステレーションのN次元が独立したフェージングを受けるように、回転コンステレーションのN次元の分離とマッピングに関する。これは、所望のダイバーシチの性能を得るために必要な重要な側面である。
N次元で表現されている回転コンステレーションを次元ごとに分離して得られたN個のコンステレーション成分は、異なる、タイムスロット、周波数、伝送アンテナ、或いは、それらの組合せを用いて伝送される。さらに、信号処理が伝送前に可能である。重大な側面は、N次元が理想的には無相関の、異なったフェージングを受けなければならない、ことである。
[Mapping constellation components to transmitted complex cells]
他の観点は、伝送用の複素シンボルへの、回転コンステレーションのN実次元のマッピングに関する。所望のダイバーシチを保証するために、N次元は異なる複素シンボルにマッピングされなければならない。それから、複素シンボルは、前述したように、インタリービングとマッピングとによって、拡散される。その結果、受信時に、N次元は無相関のフェージングを受ける。
送信機はFECエンコーダ210と、ビットインタリーバ220と、回転コンステレーションマッパ230と、複素シンボルマッパ240と、シンボルインタリーバ/シンボルマッパ250と、変調チェーン260−1〜260−Mと、伝送アンテナ270−1〜270−Mとを備える。
ビットインタリーバ220はFECエンコーダ210からの入力に対してビットインタリービングを行う。ビットインタリービングはブロックインターリービング或いは畳み込みインタリービングである。
一般に、回転コンステレーションマッパ230の入力は、付加的にビットインタリービングを行うビットインタリーバ220を介した、FECエンコーダ210の出力である。ビットインタリービングは、普通、1次元当たり1ビットより大きいときに(B>1)、要求される。FECエンコーダ210によるFECエンコーディングは、制御された方法で、冗長なビットを作り出す。その結果、伝搬誤りは受信側において訂正され得る。総合的なスペクトル効率は減少するけれども、伝送は全体としてロバストになる。すなわち、ビット誤り率(BER)がSN比(Signal to Noise ratio:SNR)と比べてより早く
減衰する。
2B×Nである。
複素シンボルマッパ240は、回転コンステレーションマッパ230からの入力であるN次元の回転コンステレーションシンボルを表すN個のコンステレーション成分を異なる複素シンボルにマッピングする。
図3の"Constellation symbols"は4次元の回転コンステレーションシンボルが6つ並
んだ状態を表す。図3の"Complex symbols"は6つの4次元の回転コンステレーションシ
ンボルを並び替えて得られた12個の複素シンボルを表している。但し、図3では"Complex symbols"として3つの態様を例示している。なお、実際に伝送する際は、並び替えに
よって得られた1つの"Complex symbols"の上下に並ぶ2つのコンステレーション成分を
ペアリングしたものを複素シンボルとして変調して伝送する。
Analog)変換、送信フィルタリング、直交変調等の処理を施し、送信信号を伝送アンテ
ナ270−1〜270−Mから送出する。
受信機側において、送信機側の正確な逆のステップが実行されなければならない。図2にブロック構成を示した送信機に対応した受信機のブロック構成を図4に示す。
受信機は、受信アンテナ410−1〜410−Mと、復調チェーン420−1〜420−Mと、シンボルデマッパ/シンボルデインタリーバ430と、複素シンボルデマッパ440と、回転コンステレーションデマッパ450と、ビットデインタリーバ460と、FECデコーダ470とを備える。
リング、直交復調等の処理を施し、パイロットを利用して伝送路特性の振幅値(フェージング係数)の推定および雑音分散の推定を行い、位相が補正された受信信号とともにそれらを出力する。
理と逆の処理を行う。
複素シンボルデマッパ440は、シンボルデマッパ/シンボルデインタリーバ430からの入力に対して、送信機の複素シンボルマッパ240の処理と逆の処理を行う。これによって、N次元の回転コンステレーションシンボルが得られる。
ビットデインタリーバ460は、回転コンステレーションデマッパ450からの入力に対して、送信機のビットインタリーバ220の処理と逆の処理を行う。
以下、回転コンステレーションデマッパ450について更に説明する。
回転コンステレーションデマッパ450によるN次元の回転コンステレーションシンボルのデマッピング処理は下記の2つの方法(i)、(ii)で実施され得る。
(ii)一度に全次元のビットをデコードする。
第1の解法(上記の(i))は最も単純であるが、その性能は準最適である。その性能は、回転コンステレーションにとって、非回転のコンステレーションに対してよりさらに悪くなる。簡易なため、この解法は低コストの受信機で使用される。
送信機のように、受信機の好ましい形態は、図4に示すように、回転コンステレーションデマッパ450の後段に、付加的にビットデインタリーバ460を介して、FECデコーダ470を含む。より正確には、回転されたコンステレーションデマッピングを行う回転コンステレーションデマッパ450は、図5に示すように、N次元シンボルベクトル(y1,・・・,yN)と推定されたフェーシング係数ベクトル(h1,・・・,hN)とを受け取り、各シンボルからN×Bビットのデータ(b1,・・・,bN×B)を取り出す。
尤度比(Log-likelihood ratio:LLR)の形式において、使用される。確率乗算が便宜上和として表されるため、LLR表現の方が選ばれる。定義により、ビットbkのLLR
は下記の(数12)であるとする。
Sk 0とSk 1は夫々bkが0と1に対応する。一例として、グレイエンコーディングによる
古典的な16−QAMコンステレーションに関して図6A、図6Bに示す。図6Aはコンステレーションエンコーディングを示し、図6Bは各ビットbkに対する2つの部分を示
す。
16QAM回転コンステレーション(N=2,B=2)に対するLLRデマッパ(図4
の回転コンステレーションデマッパ450の一例)の好ましいハードウェア構成を図7に示す。
各受信シンボルベクトルy毎に、カウンタ710は24=16のコンステレーションポ
イントの全ての生成を繰り返して行い、コンステレーションポイントを表す4ビットb1
,b2,b3,b4を回転コンステレーションマッパ720へ出力する。
平方ユークリッド距離演算器730は、平方ユークリッド距離を計算する(図8参照)。
加算器750−1〜750−4は、最小器740−1〜740−4のmin0(ビット0に対応)の出力から、min1(ビット1に対応)の出力を減算し、減算の結果をL(b1)〜L(b4)として出力する。
平方ユークリッド距離演算器は、乗算器810−1〜810−Nと、加算器820−1〜820−Nと、乗算器810〜1〜810−Nと、加算器840と、乗算器850を備える。
加算器840は、乗算器830−1〜830−Nの出力を加算し、乗算器850は、加算器840の出力に1/2σ2を乗算する。乗算器850の出力がN次元の平方ユークリ
ッド距離である。
最小器740−1〜740−4は、比較器910と、セレクタ920と、インバータ930と、Dフリップフロップ940−0,940−1と、セレクタ950とを備える。
セレクタ950は、Dフリップフロップ940−0の出力とDフリップフロップ940
−1の出力とからDフリップフロップ940−0の出力を選択して出力する。
比較器910は、平方ユークリッド距離演算器730で計算された平方ユークリッド距離を示すdin(A)とセレクタ950の出力(B)とを比較して、BがAより小さい場合には0を出力し、セレクタ920は、比較器910から受け取った0に基づき、dinとセレクタ950の出力とからセレクタ950の出力を選択して出力する。一方、比較器910は、AがBより小さい場合には1を出力し、セレクタ920は、比較器910から受け取った1に基づき、dinとセレクタ950の出力とからdinを選択して出力する。なお、AとBが等しい場合には、セレクタ920においてdinとセレクタ950の出力のいずれを選択しても同じ結果が得られるため、比較器910は0または1のいずれを出力してもよい。
セレクタ950は、Dフリップフロップ940−0の出力とDフリップフロップ940−1の出力とからDフリップフロップ940−1の出力を選択して出力する。
比較器910は、din(A)とセレクタ950の出力(B)とを比較して、BがAより小さい場合には0を出力し、セレクタ920は、比較器910から受け取った0に基づき、dinとセレクタ950の出力とからセレクタ950の出力を選択して出力する。一方、比較器910は、AがBより小さい場合には1を出力し、セレクタ920は、比較器910から受け取った1に基づき、dinとセレクタ950の出力とからdinを選択して出力する。なお、AとBが等しい場合には、セレクタ920においてdinとセレクタ950の出力のいずれを選択しても同じ結果が得られるため、比較器910は0または1のいずれを出力してもよい。
れ、回転コンステレーションデマッパ1010によるN次元の回転コンステレーションシンボルのデマッピング処理を助力するために回転コンステレーションデマッパ1010へフィードバックされる。この場合、FECデコーディングは例えばLLRの形式において、軟ビットを作り出すことが絶対不可欠である。
えられる。
例えば、X3 0とX3 1は下記の(数18)で示される。
回転コンステレーションデマッパ1010は、カウンタ710と、回転コンステレーションマッパ720と、平方ユークリッド距離演算器730と、最小器740−1〜740−4と、加算器750−1〜750−4とに加え、論理積器1110−1〜1110−4と、加算器1120と、加算器1130−1〜1130−4と、加算器1140−1〜1140−4とを備える。
1)〜LE(b4)とカウンタ710の出力b1〜b4との論理積演算を行い、加算器1
120は、論理積器1110−1〜1110−4の出力を加算する。加算器1130−1
〜1130−4は加算器1120の出力から論理積器1110−1〜1110−4の出力を減算する。加算器1140−1〜1140−4は、平方ユークリッド距離演算部730の出力から加算器1130−1〜1130−4の出力を減算し、減算値を最小器740−1〜740−4のdinへ出力する。
非特許文献2に記載されたギブンス回転を利用するアプローチは、最適な多次元回転コンステレーションを生成するためのパラメータの数がそのコンステレーションの次元数の2乗オーダで増加する課題を有していた。
のアプローチは、多次元回転行列の生成方法が次元の数で一意に決定され、異なるコンステレーションサイズに対して最適化を許容する一つのパラメータも持たないため、様々なコンステレーションサイズに応じて変調ダイバーシチ効果を最大化することができない課題を有していた。
、次元が大きくなるに従って積み重ねられた回転行列の間の代数的関係が複雑になり、最適化が困難になるという課題を有していた。
本発明の目的は、様々なコンステレーションサイズに対して、高度な変調ダイバーシチを伴うデジタル伝送用の多次元回転コンステレーション(多次元回転行列)を生成するための効率的な方法を提供し、それを利用して得られる多次元回転コンステレーションに基づくデータの伝送を行う送信装置及び送信方法と、それを利用して得られる多次元回転コンステレーションに基づくデータの受信を行う受信装置及び受信方法を提供することである。
コンステレーションポイントの各成分を複数の伝送チャネルの異なる一つを使って伝送するトランスミッタと、を備え、前記複数のコンステレーションポイントは、直交変換をN次元整数格子ZNの部分集合に適用することによって得られるN次元空間内の位置によっ
て定義され、前記Nは4の倍数であり、前記直交変換は、主対角線上にある全要素の絶対値が第1の値に等しく、主対角線上にない全要素の絶対値がゼロでない第2の値に等しい、N行N列の行列表現を持つ。
定義され、前記Nは4の倍数であり、前記直交変換は、主対角線上にある全要素の絶対値が第1の値に等しく、主対角線上にない全要素の絶対値がゼロでない第2の値に等しい、
N行N列の行列表現を持つ。
前記Nは4の倍数であり、前記直交変換は、主対角線上にある全要素の絶対値が第1の値に等しく、主対角線上にない全要素の絶対値がゼロでない第2の値に等しい、N行N列の行列表現を持つ。
これらによれば、直交変換が主対角線上にある全要素の絶対値が第1の値に等しく、主対角線上にない全要素の絶対値がゼロでない第2の値に等しい、N行N列の行列表現を持つ場合と同様の効果が得られる。
第3の送信方法は、第1の送信方法において、前記選択されたコンステレーションポイントの成分が伝送される前記伝送チャネルのフェージングが無相関であるように、前記選択されたコンステレーションポイントの各成分をその成分が伝送されるべき前記複数の伝送チャネルの一つにマッピングするステップを更に有する。
第4の送信装置は、第1の送信装置において、前記トランスミッタは、選択されたコンステレーションポイントの各成分を、複数のタイムスロット、周波数、伝送アンテナ、或いは、それらの組合せの、異なる1つを使って伝送するように、調整する。
第6の送信装置及び第5の送信方法は、夫々、第1の送信装置及び第1の送信方法において、前記複数の伝送チャネルは、直交周波数分割多重スキームでの複数の異なるシンボルを含む。
信号に応じて、複数のコンステレーションポイントの中から1つのコンステレーションポイントを選択するデモジュレータと、を備え、前記複数のコンステレーションポイントは、直交変換をN次元整数格子ZNの部分集合に適用することによって得られるN次元空間
内の位置によって定義され、前記Nは4の倍数であり、前記直交変換は、主対角線上にある全要素の絶対値が第1の値に等しく、主対角線上にない全要素の絶対値がゼロでない第2の値に等しい、N行N列の行列表現を持つ。
置によって定義され、前記Nは4の倍数であり、前記直交変換は、主対角線上にある全要素の絶対値が第1の値に等しく、主対角線上にない全要素の絶対値がゼロでない第2の値に等しい、N行N列の行列表現を持つ。
これらによれば、直交変換が主対角線上にある全要素の絶対値が第1の値に等しく、主対角線上にない全要素の絶対値がゼロでない第2の値に等しい、N行N列の行列表現を持つ場合と同様の効果が得られる。
第4の受信装置及び第4の受信方法は、夫々、第1の受信装置及び第1の受信方法において、前記複数の伝送チャネルは、直交周波数分割多重スキームでの複数の異なるシンボルを含む。
第2の多次元コンステレーションの生成方法は、第1の多次元コンステレーションの生成方法において、前記直交変換は、主対角線上にある全要素の絶対値が第1の値に等しく、主対角線上にない全要素の絶対値がゼロでない第2の値に等しいN行N列の行列表現の列、行、或いは、列及び行を並び替えた行列表現を持つ。
第3の多次元コンステレーションの生成方法は、第1の多次元コンステレーションの生成方法において、実数としての回転因子rを0と1との間で選択するステップと、前記第1の値aを、式
することによって前記直交変換を決定するステップと、を更に有する。
これによれば、直交変換の決定を容易に行うことができる。
第4の多次元コンステレーションの生成方法は、第3の多次元コンステレーションの生成方法において、前記選択された回転因子は、いかなる2つの異なった多次元コンステレーションポイントの成分における異なった値の最小数を最大にする。
第5の多次元コンステレーションの生成方法は、第1の多次元コンステレーションの生成方法において、受信した前記複数のベクトルは、N次元整数格子ZNの部分集合を表す
。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、提案する多次元回転行列について説明する。
多次元回転行列は、一つの独立したパラメータを持ち、可能な限り規則正しい構造を持つ。そのパラメータは可能な限り、様々なコンステレーションサイズに対して誤り率を最小にするように設定される。特に、多次元回転コンステレーションを得るために使用される多次元回転行列には次の2つの条件(i),(ii)が課される。
(ii)残りの入力は等しい重みを持つ。
条件(i),(ii)は、N=4の場合、多次元回転行列が下記の(数19)の形式であれば満たされる。
明らかに、同じ利点が上記の(数20)に示した多次元回転行列の列及び/又は行を並び替えた行列においても得られる。従って、多次元回転行列として、上記の(数20)の行列を用いるようにしてもよく、また、(数20)の行列の列及び/又は行を並び替えて得られた行列を用いるようにしても良い。(数20)の行列及びその列及び/又は行を並び替えて得られた行列の特徴は、各行に実パラメータaを持つ要素が1つあり、各列に実パラメータaを持つ要素が1つあり、且つ、それ以外の要素が実パラメータbを持っていることである。
正規化条件はパラメータa,bとの間で下記の(数21)に示す関係を成立させる。
但し、多次元コンステレーションを回転させる多次元回転行列として、正規化されていない多次元回転行列を用いるようにしてもよく、正規化された多次元回転行列を用いるようにしても良い。
もし主対角線上の全要素が同じ符号を持ち、主対角線に対して対称な位置の要素が互いに反対の符号を持つならば、この条件は満たされる。4次元と8次元の場合に対する特に好ましい符号行列の例を下記の(数26)と(数27)に示す。
符号行列Sが一旦固定されると、結果として得られる多次元回転行列Rは、適宜に回転因子rを選択し、選択した回転因子rを用いて上記の(数23)からパラメータaの値とパラメータbの値を計算することによって、あるコンステレーションサイズ、即ち、1次元当たりのビット数或いはコンステレーションポイント数に対して最適化される。最後まで、何か適した最適化アルゴリズムが使用されてもよい。最適化の標的として、いかなる2つ異なる多次元回転コンステレーションポイントの成分における異なる値の最小数が使用されてもよい。他の最適化の標的は同じように使用されてもよい。本発明の好ましい実施の形態によれば、費用関数が、いかなる2つの異なる多次元回転コンステレーションポイントの対応する成分間の最小絶対値差を考慮に入れて定義される。このような費用関数の例が、2つの多次元回転コンステレーションポイントの対応する成分間の全N絶対値差に対して最小を計算し、これらの最小を合計する、或いは、多次元回転コンステレーションポイントの全ペアでそれらの平方を計算する。
本発明は、最適なスペクトル効率で、複数のフェージング(サブ)チャネル或いはスロットを使ってデータの変調及び伝送用に使われ得る、多次元回転コンステレーションを生成する。最後まで、所望の次元数Nと1次元当たりの所望のビット数(即ち、1方向当たりのコンステレーションポイントの数)とを持った従来の超立方体コンステレーションが、例えば、適切なN次元整数格子ZNの部分集合を選択することによって定められる。こ
こで、ZNは、整数座標を持つN次元空間の全ポイントの集合である。この超立方体コン
ステレーションは、例えば、N次元に対する、従来の等辺等角のQAMの生成であってもよい。他の初期コンステレーションは、N次元の円形のコンステレーションなどの生成のように使用されても良い。
一般に、これは、チャネルのフェージングが無相関であるという条件で、複数の伝送チャネルの異なった一つの伝送チャネルを使って、N次元回転コンステレーションのコンステレーションポイントのN成分の各々を伝送することによって実現可能である。ターム“複数の伝送チャネルの異なった一つの伝送チャネル”は、複数のタイムスロットの異なった一つのタイムスロット、複数の周波数の異なった一つの周波数、複数の伝送アンテナの異なった一つの伝送アンテナ、或いは、複数のそれらの組合せの異なった一つの組合せ、として言及される。直交周波数分割多重(OFDM)のコンテキストにおいて、特に、ターム“複数の伝送チャネルの異なった一つの伝送チャネル”は、複数のアクティブキャリアの異なった一つのアクティブキャリア、或いは、複数のOFDMシンボルの異なった一つのOFDMシンボル、或いは、複数のそれらの組合せの異なった一つの組合せとして言及されてもよい。シングルキャリアシステムのコンテキストにおいて、特に、ターム“複数の伝送チャネルの異なった一つの伝送チャネル”は、複数のシンボルの異なった一つのシンボル、或いは、複数のタイムスロットの異なった一つのタイムスロットとして言及されてもよい。
異なったタイムスロット、周波数、伝送アンテナに渡ったN次元の拡散は、例えば、適切なインタリービングとマッピングとを使うことによって実現される。
本発明の他の観点は、伝送用の複素シンボルへの、N次元回転コンステレーションのN実次元のマッピングに関する。所定のチャネルの同相成分と直交成分のフェージングは典型的には同一であるので、複素シンボルは、同じN次元回転コンステレーションポイント
の2つの異なる成分で作られるべきではない。代わりに、N次元回転コンステレーションポイントのN成分が所望のダイバーシチを保証するために、異なる複素シンボルにマッピングされなければならない。
データ伝送におけるデジタル変調スキームのための多次元コンステレーションの生成方法の流れの一例を記載する。これは、例えばコンピュータシステムによって実現され、下記の各ステップがCPU(Central Processing Unit)によって実行される。
(ステップ2)上記の(数20)で表される多次元回転行列Rが直交行列になるように、上記の(数24)で表される符号行列Sの各符号値si,jの値を決定する。
(ステップ3)“回転因子”rを0と1との間の実数として選択する。但し、例えば、“回転因子”rは、いかなる2つの異なったN次元コンステレーションポイントの成分における異なった値の最小数を最大にするように選択される。なお、これに限定されるものではなく、“回転因子”rは、ステップS1で受信したいかなる2つの異なったベクトルの成分における異なる値の最小数に対して、いかなる2つの異なったN次元回転コンステレーションポイントの成分における異なった値の数が増加するように、選択されるようにしてもよい。
(ステップ5)ステップS2で決定した各符号値si,jを持つ符号行列Sと、ステップ
S4で計算したパラメータa,bの値とを用いて、上記の(数20)から多次元回転行列Rを決定する。
本発明の実施の形態の送信機の、図2に類似した、ブロック構成を図12に示す。同様の要素には同様の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
に適用することによって得られたN次元空間内の位置によって定義された複数のコンステレーションポイントを持つN次元回転コンステレーションに基づいて処理を行う。この処理は、ビットインタリーバ220の出力を回転コンステレーションにマッピングする処理である。
図13の受信機は、図4の受信機の回転コンステレーションデマッパ450を、回転コンステレーションデマッパ1350に置き換えた構成をしている。回転コンステレーションデマッパ1350は、上記の(数20)のN次元回転行列又は(数20)のN次元回転行列の列及び/又は行を並び替えて得られたN次元回転行列を、N次元整数格子ZNの部
分集合に適用することによって得られたN次元空間内の位置によって定義された複数のコンステレーションポイントを持つN次元回転コンステレーションに基づいて処理を行う。
テレーションデマッパ1350のハードウェア構成の一例を図14に示す。図13の回転コンステレーションデマッパ1350は、図7の回転コンステレーションデマッパの回転コンステレーションマッパ720の代わりに、回転コンステレーションマッパ1420を備える。コンステレーションマッパ1420は、カウンタ710の出力b1〜b4を、上記の(数20)のN次元回転行列又は(数20)のN次元回転行列の列及び/又は行を並び替えて得られたN次元回転行列を、N次元整数格子ZNの部分集合に適用することによっ
て得られたN次元空間内の位置によって定義された複数のコンステレーションポイントを持つN次元回転コンステレーションにマッピングし、これによって得られたコンステレーション成分s1〜s4を平方ユークリッド距離演算部730へ出力する。
空間内の位置によって定義された複数のコンステレーションポイントを持つN次元回転コンステレーションに基づいて処理を行う。
220 ビットインタリーバ
1230 回転コンステレーションマッパ
240 複素シンボルマッパ
250 シンボルインタリーバ/シンボルマッパ
260−1〜260−M 変調チェーン
270−1〜270−M 伝送アンテナ
410−1〜410−M 受信アンテナ
420−1〜420−M 復調チェーン
430 シンボルデマッパ/シンボルデインタリーバ
440 複素シンボルデマッパ
1350 回転コンステレーションデマッパ
460 ビットデインタリーバ
470 FECデコーダ
Claims (2)
- 複数の伝送チャネルを使ってデータ受信を行う受信装置であって、
複数の伝送チャネル上のN個の成分信号を受信するレシーバと、
受信した前記N個の成分信号を回転コンステレーションに基づいて復調するデモジュレータと、
を備え、
前記回転コンステレーションの複数の回転コンステレーションポイントは、直交変換を各々がN個の成分を持つ複数の初期コンステレーションポイントに適用することによって得られ、
前記Nは4の倍数であり、
前記直交変換は、(i)主対角線上にある全要素の絶対値が第1の値に等しく、主対角線上にない全要素の絶対値がゼロでない第2の値に等しい、N行N列の行列表現を持つ、又は、(ii)前記N行N列の行列表現の列または行のいずれかを、或いは、列及び行の両方を並び替えた行列表現を持つ
受信装置。 - 複数の伝送チャネルを使ってデータ受信を行う受信方法であって、
複数の伝送チャネル上のN個の成分信号を受信するステップと、
受信した前記N個の成分信号を回転コンステレーションに基づいて復調するステップと、
を有し、
前記回転コンステレーションの複数の回転コンステレーションポイントは、直交変換を各々がN個の成分を持つ複数の初期コンステレーションポイントに適用することによって得られ、
前記Nは4の倍数であり、
前記直交変換は、(i)主対角線上にある全要素の絶対値が第1の値に等しく、主対角線上にない全要素の絶対値がゼロでない第2の値に等しい、N行N列の行列表現を持つ、又は、(ii)前記N行N列の行列表現の列または行のいずれかを、或いは、列及び行の両方を並び替えた行列表現を持つ
受信方法。
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