JP2015157235A - エンジン排ガス浄化用触媒材及びパティキュレートフィルタ - Google Patents

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原田 浩一郎
Koichiro Harada
浩一郎 原田
誉士 馬場
Yoshi Baba
誉士 馬場
山田 啓司
Keiji Yamada
啓司 山田
岡本 謙治
Kenji Okamoto
謙治 岡本
知也 滝沢
Tomoya Takizawa
知也 滝沢
義志 佐藤
Yoshiyuki Sato
義志 佐藤
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Abstract

【課題】優れた酸素吸蔵放出能を有するエンジン排ガス浄化用触媒材を提供する。
【解決手段】本発明のエンジン排ガス浄化用触媒材は、Ce含有酸化物粒子の表面に、Ptを担持したZr含有酸化物材を担持しており、前記Zr含有酸化物材の量は、前記Ce含有酸化物粒子と前記Zr含有酸化物材との合計量に対して5wt%以上20wt%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、エンジン排ガス浄化用触媒材及びそれを担持したパティキュレートフィルタに関するものである。
エンジンの排ガス用触媒である三元触媒、ディーゼル酸化触媒、リーンNOx吸蔵還元触媒、ディーゼルパティキュレート燃焼触媒等には、Ce含有酸化物が共通して含有されている。これはCeO材が酸素吸蔵放出能やNOx吸着能を有しているからである。またジルコニアを複合化させたCeO材(CeZr複合酸化物)も知られている。ジルコニアを複合化することでセリアの熱安定性を大幅に向上させることができる。このようなCeO材に対して、CeO材そのものの耐久性を向上させたり、担持触媒金属の耐久性を向上させたり、あるいは酸素吸蔵放出能を向上させる等の検討が種々行われている(特許文献1,2)。
例えば特許文献1には、CeOを核として、その核の周りにZrOが存在するセリウム-ジルコニウム複合金属酸化物とすることで、セリア材の高温耐久性を改善することが開示されている。すなわち、特許文献1の0012段落に記載されているように、耐熱性の高いZrOが内側のCeOを覆うため高温の耐久性が改良されると考えられる。
また特許文献2には、RhドープCe系酸化物と活性アルミナとからなる複合粒子にZr系酸化物粒子を担持した構成の触媒材や、RhドープCe系酸化物とZr系酸化物とからなる複合粒子に活性アルミナ粒子を担持した構成の触媒材が開示されている。
特開2003−277060号公報 特開2013−117190号公報
しかしながら、特許文献1,2の検討においてはCeO材の酸素吸蔵放出能が具体的にどのようなメカニズムで低下するかについては明確にされてはいなかった。そのため従来の技術は対症療法的な技術となってしまっていた。本願発明者らは、CeO材の酸素吸蔵放出及びその阻害のメカニズムを調べることにより、そのメカニズムに基づいてCeO材の酸素吸蔵放出能を向上させる検討を行った。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、優れた酸素吸蔵放出能を有するエンジン排ガス浄化用触媒材を提供することにある。
本発明に係るエンジン排ガス浄化用触媒材は、Ce含有酸化物粒子の表面に、Ptを担持したZr含有酸化物材を担持しており、前記Zr含有酸化物材の量は、前記Ce含有酸化物粒子と前記Zr含有酸化物材との合計量に対して5wt%以上20wt%以下である。
このエンジン排ガス浄化用触媒材によれば、Ce含有酸化物粒子の表面にカルボネートが生成して酸素吸蔵放出能が低下することを、当該Ce含有酸化物粒子の表面に担持された、Ptを担持したZr含有酸化物材が防ぐ。
前記Ce含有酸化物粒子はZrを主体とするCeZr含有複合酸化物粒子であることが好ましい。Zrを主体とするCeZr含有複合酸化物粒子とは、当該粒子中のZrOの含有量が50mol%よりも大きい粒子であることを意味している。
前記CeZr含有複合酸化物粒子にはRhがドープされていることが好ましい。これにより酸素の吸蔵放出及び酸素交換反応がより促進される。
前記Zr含有酸化物材はZrOにNdが固溶した複合酸化物材であることが好ましい。これによりCe含有酸化物粒子の表面にカルボネートが生成して酸素吸蔵放出能が低下することを、より効果的に防ぐことができる。
本発明のパティキュレートフィルタは、上記のエンジン排ガス浄化用触媒材が排ガス流路壁面に担持されている。
本発明のエンジン排ガス浄化用触媒材によれば、Ce含有酸化物粒子の表面に、Ptを担持したZr含有酸化物材を担持することにより、酸素吸蔵放出能が低下することを防ぎ、優れた排ガス浄化作用を発揮できる。
Ptを担持したCeO材の表面を模式的に示した図である。 CO流通条件下でのFT−IRの吸収スペクトルを示した図である。 酸素流通条件下でのFT−IRの吸収スペクトルの変化を示した図である。 500℃でのFT−IRの吸収スペクトルの変化を示した図である。 カルボネート生成処理をしない触媒材のカーボン燃焼試験の結果を示すグラフである。 カルボネート生成処理を行った触媒材のカーボン燃焼試験の結果を示すグラフである。 実施形態に係るパティキュレートフィルタを示す模式的な図である。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に至った経緯について説明する。
上述のように、CeO材は酸素吸蔵放出能やNOx吸着能を有しており、エンジン排ガス浄化用の触媒材として使用されている。けれども使用するうちにCeO材の酸素吸蔵放出能が低下してしまう現象が見出され、本願発明者らはこの現象のメカニズムを探ることによって酸素吸蔵放出能の低下を防ぐことを目指した。そして、CeO材の表面の活性サイトに関して種々の検討を行った結果、酸素を吸蔵放出するサイトをカルボネートが塞いでしまうことが酸素吸蔵放出能の低下の原因の1つであることを本願発明者らは初めて見出した。以下にこのメカニズムとそこに至る根拠となった実験を示す。
図1に表示されているのは、Ptを担持したCeO材の表面を模式的に示したものである。CeO材の表面には酸素を吸蔵放出する多数のサイト100,101が存在している。図1の左側に示しているように、このPtを担持したCeO材の表面に例えばCOが到達した場合、PtあるいはCeO材の表面にCOが一旦吸着されて、サイト100に吸蔵されている酸素が吸着されたCOに結びついてCOとなり離れていく。ここで酸素が吸蔵されていないサイト(酸素欠陥部)101が存在すると、図1の右側に示すようにCOの1つの酸素がこの酸素欠陥部101にトラップされるとともに隣のサイト100の酸素がCOに結合してカルボネート90が形成される。このカルボネート90は2つのサイト102,102を塞いでしまう。サイト100は酸素を吸蔵放出する場所であり酸化触媒の重要な一部であるので、カルボネート90によりサイト102、102が塞がれると酸素吸蔵放出能が低下してしまい、酸化触媒の性能が低下してしまう。
図2のFT−IRの吸収スペクトルは、Ptを担持したCeO材の表面にカルボネートが吸着されていることを示している。1aはCeO材(Pt担持は無し)、1bはPtを担持したCeO材、2aはZr0.54Nd0.18Pr0.28材(Pt担持は無し)、2bはPtを担持したZr0.54Nd0.18Pr0.28材の表面の吸収スペクトルである。測定は、各材料を、前処理としてOが50Torrの状態において600℃10分保持後、室温で真空排気する処理をし、それから室温にてCOが50Torrの状態において30分保持した後、CO50Torrの状態のまま行ったものである。
CeO材1a,1bのいずれもBidentate型のカルボネート由来の吸収(1650、1538cm−1)が大きく表れ、Unidentate型のカルボネート由来の吸収(1429、1336cm−1)も表れている。なお、図1では説明を簡略化するためBidentate型のカルボネート90のみを示したが、COがサイト100内の吸蔵酸素と結合して生成されるUnidentate型のカルボネートも存在しており、このカルボネートもサイト100を塞いでしまう。
一方ZrNdPr複合酸化物材2a,2bは、Bidentate型のカルボネート由来の吸収が少し見られるが、Unidentate型のカルボネート由来の吸収は観測されない。
次に1b、2bの状態からカルボネートの吸着を解消することを目的に、酸素を供給した。その結果を図3に示す。CeO材においては、1bの状態からいったん真空排気して室温のままOを50Torrの状態において10分保持したが、カルボネート由来の吸収に変化が見られなかった。そこで温度を200℃まで上昇させたところ(1c)、Bidentate型のカルボネート由来の吸収が1560cm−1にシフトしたもののカルボネート由来の吸収はほぼそのまま残っており、表面のカルボネートの吸着状態にほとんど変化がないことがわかる。一方、ZrNdPr複合酸化物材においては、2bの状態からいったん真空排気して室温のままOを50Torrの状態において10分保持した状態である2cでは、カルボネート由来の吸収がなくなっており、表面のカルボネートの吸着が解消されていることを表している。
さらにより高温でのカルボネートの吸着状況を調べた。用いたサンプルはPtを担持したCeO材(1bと同じ)、およびPtを担持したZr0.54Nd0.18Pr0.28材(2bと同じ)である。これらのサンプルをまずHeを50ml/分にて流しながら500℃まで昇温する。それからHeにCOを1%加えて500℃のまま10分間流し、その後FT−IRスペクトルを測定した(1d、2d)。それから流すガスをHeにOを1%加えたものに変えて、500℃のまま10分間流し、その後FT−IRスペクトルを測定した(1e、2e)。
Pt担持のCeO材は、CO混合Heを流した後に図4の1dにより示されるように1298cm−1(Bidentate型)および1460、1385cm−1(Polydentate型)に大きくかつブロードなカルボネート由来の吸収が観測された。その後ガスをO混合Heに切り替えたら1eにより示されるようにカルボネート由来の吸収は減少したものの完全にはなくならず、一部残った状態であった。なお、Polydentate型とはカルボネートを形成する3つの酸素原子がそれぞれ酸化物表面上の金属イオンと結合しているものである。
一方、Pt担持のZrNdPr複合酸化物材は、CO混合Heを流した後に図4の2dにより示されるように1331cm−1から1568cm−1にかけて、Bidentate型のブロードで小さなカルボネート由来の吸収が観測された。その後ガスをO混合Heに切り替えたら、2eにより示されるようにカルボネート由来の吸収は消失した。
この結果から、Pt担持のCeO材は500℃という排ガス触媒が機能する高温においてもCOを流すことでカルボネートを大量に吸着し、酸素を流してもカルボネートの吸着を一部残したままとなっていることが明らかとなった。一方Pt担持のZrNdPr複合酸化物材は、500℃でCOを流すことでカルボネートを少し吸着するが、その後に酸素を流すことでカルボネートの吸着が消失していた。
このようにCeO材はPt担持の有無にかかわらず、酸素を吸蔵放出するサイトがカルボネートによって塞がれ、いったん塞がれるとなかなか脱離しないということによって酸素吸蔵放出能が低下してしまうというメカニズムが明らかになった。そこで本願発明者らはこのメカニズムを基にして種々の検討を行い本発明に至った。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
<実施例及び比較例>
RhをドープしたCe含有酸化物粒子(CeO材、ここではCeO-ZrO-Nd)を担体とし、担持材としてPtを担持したZr含有酸化物材(ここではZrNd複合酸化物材)を5wt%担持したエンジン排ガス浄化用触媒材を実施例1の触媒材とした。なお担持量は、担体と担持材との合計量に対する割合で表している。実施例1の担持材の担持量を10wt%、20wt%と変更したものをそれぞれ実施例2,3の触媒材とした。
実施例1と同じ担体に、担持材としてPtを担持したZr含有酸化物材(ここではZrNdPr複合酸化物材)を5wt%担持したエンジン排ガス浄化用触媒材を実施例4の触媒材とした。実施例4の担持材の担持量を10wt%、20wt%と変更したものをそれぞれ実施例5,6の触媒材とした。なお、上記二種のPtを担持したZr含有酸化物材それぞれCeを含有しないものである。
RhをドープしたCe含有酸化物粒子(CeO-ZrO-Nd)にPtを担持したエンジン排ガス浄化用触媒材を比較例1の触媒材とした。
ZrNd複合酸化物材にPtを担持したエンジン排ガス浄化用触媒材を比較例2の触媒材とした。
ZrNdPr複合酸化物材にPtを担持したエンジン排ガス浄化用触媒材を比較例3の触媒材とした。
比較例2の触媒材の表面に、RhをドープしたCe含有酸化物粒子(CeO-ZrO-Nd)を担持材として30wt%担持したエンジン排ガス浄化用触媒材を比較例4の触媒材とした。
比較例3の触媒材の表面に、RhをドープしたCe含有酸化物粒子(CeO-ZrO-Nd)を担持材として30wt%担持したエンジン排ガス浄化用触媒材を比較例5の触媒材とした。
実施例1の担持材の担持量を2.5wt%、30wt%と変更したものをそれぞれ比較例6,7の触媒材とした。
実施例4の担持材の担持量を2.5wt%、30wt%と変更したものをそれぞれ比較例8,9の触媒材とした。
各触媒材の具体的な構成物の量比や調整方法は以下の通りである。
<触媒材の調整>
−RhをドープしたCe含有酸化物粒子(CeO-ZrO-Nd)の調整−
実施例1〜6、比較例1、4、6〜9に用いる、いわゆるRhドープCZNは、例えば共沈法によって調製することができる。すなわち、硝酸セリウム6水和物(23mol%)とオキシ硝酸ジルコニル(69mol%)溶液と硝酸ネオジム6水和物(8mol%)と硝酸ロジウム溶液とをイオン交換水に溶かす。この硝酸塩溶液に塩基性溶液として28質量%アンモニア水の8倍希釈液を混合して中和させることにより、共沈物(RhドープCZN複合酸化物前駆体)を得る。この共沈物を含む溶液を遠心分離器にかけて上澄み液を除去し(脱水)、そこにさらにイオン交換水を加えて撹拌する(水洗)、という脱水・水洗の操作を必要回数繰り返すことで、余剰な塩基性溶液を除去する。最終的に脱水を行なった後の共沈物について、大気中において150℃の温度で一昼夜乾燥させ、粉砕した後、大気中において500℃の温度に2時間保持する焼成を行なう。これにより、RhドープCZN粒子材を得ることができる。Rhのドープ量は0.1wt%である。
−ZrNd複合酸化物材の調整−
実施例1〜3、比較例2、4〜7に用いる、いわゆるZNも共沈法によって調製することができる。すなわち、オキシ硝酸ジルコニル(79mol%)溶液と硝酸ネオジム6水和物(21mol%)とをイオン交換水に溶かした溶液から共沈法によってZN前駆体を沈殿させる。この共沈物に対して、上記RhドープCZNの場合と同様の脱水・水洗の操作、乾燥、粉砕、焼成を行なうことにより、ZNを得ることができる。なお、NdはZrOに固溶している。
−ZrNdPr複合酸化物材の調整−
実施例4〜6、比較例3、5、8、9に用いる、いわゆるZNPも共沈法によって調製することができる。すなわち、オキシ硝酸ジルコニル(54mol%)溶液と硝酸ネオジム6水和物(18mol%)と硝酸プラセオジウム(28mol%)とをイオン交換水に溶かした溶液から共沈法によってZN前駆体を沈殿させる。この共沈物に対して、上記RhドープCZNの場合と同様の脱水・水洗の操作、乾燥、粉砕、焼成を行なうことにより、ZNPを得ることができる。なお、NdはZrOに固溶している。
−Ptの担持方法−
上記のRhドープCZN粒子材、ZrNd複合酸化物材およびZrNdPr複合酸化物材へのPtの担持には、例えば次に説明する蒸発乾固法を採用することができる。すなわち、それぞれの複合酸化物材にイオン交換水を加えてスラリー状にし、それをスターラー等により十分に撹拌する。続いて、撹拌しながらそのスラリーに所定量のジニトロジアミンPt硝酸溶液を滴下し、十分に撹拌する。その後、加熱しながらさらに撹拌を続けて、水分を完全に蒸発させる。蒸発後、大気中において500℃で2時間焼成する。これにより、それぞれの複合酸化物にPtが担持されたPt担持複合酸化物粒子材が得られる。なお、Ptの担持量は1wt%である。
−Pt以外の担持材の担体への担持方法−
例としてRhドープCZN粒子材を担体とし、Pt担持ZNを担持材とする場合について説明する。まずRhドープCZN粒子材をボールミルにより300〜400nmの粒子径になるように粉砕する。Pt担持ZNにイオン交換水と分散剤とを加えて、ボールミルにより60nm程度の粒子径に粉砕したゾル溶液を調整する。RhドープCZN粒子材にPt担持ゾル溶液を加えて攪拌した後、蒸発乾固を行い、固形物を得る。この固形物に対して150℃で24時間の乾燥を行い、その後500℃で2時間の焼成を行って、RhドープCZN粒子材にPt担持ZNを担持した触媒材を得る。これ以外の触媒材も同様の方法で担持を行う。
<カーボン燃焼性能の測定>
各触媒材の酸素吸蔵放出能の程度を知って比較するために、作成した各触媒材を用いてカーボン燃焼性能の測定を行った。具体的には、まず各触媒材に対して800℃にて24時間の大気エージングを行った。
それから以下のように各触媒材に対してカルボネート生成処理を行った。1〜0.5mmに製粒した触媒材を100mg秤量してサンプル管に詰め、1%のCOを混合させたHe気流中に置いて10℃/分の割合で600℃まで昇温した後、30分そのまま保持してその後室温まで降温させた。
その後、以下のように各触媒材に対してカーボン燃焼の性能を測定した。まずカルボネート生成処理を終了した各触媒材とカルボネート生成処理を行っていない各触媒材とを、それぞれめのう乳鉢で粉砕した。粉砕した各触媒材に対して、カーボンブラックを重量比4:1として加えてめのう乳鉢で混合を行った。この混合物を5mg秤量し、TG−DTAによってAir気流(100ml/分)中にて10℃/分の割合で700℃まで昇温試験を行った。TG曲線から、カーボンブラックが10%燃焼したときの温度(T10)と50%燃焼したときの温度(T50)を求めた。これらを表1及び図5、6に示す。図5、6においては実施例1〜6及び比較例6〜9のデータを示している。
Figure 2015157235
上記のカーボン燃焼の試験は、排ガスのパティキュレートに含まれる炭素粉末を触媒材によって二酸化炭素にまで酸化する性能を測定することを目的にして行っている。T10やT50が小さい値である方が酸化する性能が高いと言える。
実施例1〜3は、RhドープCZN粒子材を担体としPt担持ZNを担持材として担持した触媒材であり、実施例4〜6は、RhドープCZN粒子材を担体としPt担持ZNPを担持材として担持した触媒材であり、両者は担持材が異なっている。一方比較例1は実施例1〜6の担体にPtのみを担持したものを触媒材としており、比較例2は実施例1〜3の担持材であるPt担持ZNのみを触媒材としており、比較例3は実施例4〜6の担持材であるPt担持ZNPのみを触媒材としている。比較例4は実施例1〜3の担体と担持材とを逆にした触媒材であり、比較例5は実施例4〜6の担体と担持材とを逆にした触媒材である。また、比較例6,7は触媒構成が実施例1〜3と同じであるが、担持材の担持量が異なっている。比較例8,9は触媒構成が実施例4〜6と同じであるが、担持材の担持量が異なっている。
表1からわかるように、実施例と比較した場合、比較例1はPt担持RhドープCZN粒子材のみであるのでカルボネートの吸着が生じやすく、T10及びT50が大きくなっている。比較例2はカルボネートの吸着が生じにくいが、実施例では担体に酸素吸蔵放出能の高いCe酸化物が含まれることで担持材に効率的に酸素が供給され、カーボンへの活性な酸素の供給が多くなるのに対して、比較例2ではCe酸化物が含まれていないため比較的T10及びT50が大きい。比較例3はPr酸化物が含有されているので比較例2よりもカルボネートが生じやすいがその分解もされやすく、比較例2と同様にCe酸化物が含まれていないため比較的T10及びT50が大きい。比較例4、5ではCe酸化物が担持材となっていてその量も少ないので、カルボネート吸着の影響を受けやすく、T10及びT50が大きくなっている。比較例1〜5においては、T10及びT50は比較例2,3が最小値を有している。比較例1〜5の中でのT10及びT50の最小値と実施例1〜6及び比較例6〜9のT10及びT50を図5,6において比較している。
図5はカルボネート生成処理をしない触媒材のカーボン燃焼試験の結果を示している。いずれも担持材にPr酸化物が含有されている触媒材の方が、T10及びT50が小さくなっている。これは、Pr酸化物が含有されている方が酸素交換反応が優れており、担体のRhドープCZN粒子材から受け取った酸素を効率的にカーボンに供給して酸化しているためと考えられる。
一方図6はカルボネート生成処理を行った触媒材のカーボン燃焼試験の結果を示している。いずれも担持材にPr酸化物が含有されていない触媒材の方が、T10及びT50が小さくなっている。Pr酸化物がない方がカルボネートが吸着されにくいからと考えられる。
また図5,6のどちらからも、担持材の担持割合が5wt%以上20wt%以下であると、比較例1〜5での最低温度よりも低いT10及びT50となり、優れたカーボン燃焼性能を示していることがわかる。特に、担持材の担持割合が8wt%以上15wt%以下の範囲であるとより優れたカーボン燃焼性能を示している。一方比較例6,8では担持材の担持量が2.5wt%と小さいため、カーボン燃焼性能の向上効果が不十分である。また、比較例7,9では担持材の担持量が30wt%と大きいため、担持材が担体の表面を厚く覆ってしまい両者の相互作用がうまく働かず、カーボン燃焼性能の向上効果が不十分である。
このように、RhをドープしたCe含有酸化物材を担体として、Pt担持のZr含有酸化物材を担持材として担持した触媒材においては、担持材の担持量が5wt%以上20wt%以下であると優れたカーボン燃焼性能を示し、Ce含有酸化物材の酸素吸蔵放出能の低下を防止している。
<パティキュレートフィルタへの担持>
実施例1〜6に係る触媒材を担持させたパティキュレートフィルタを図6に示す。パティキュレートフィルタ10はハニカム構造をなしており、互いに平行に延びる多数の排ガス流路を備えており、排ガス通路11に配置されている。そして、排ガス流路の壁面に実施例1〜4に係る触媒材が担持されている。このような構成によりパティキュレートフィルタ10で捕集されたパティキュレートが実施例1〜6に係る触媒材によって酸化分解される。
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。
Ce含有酸化物粒子におけるCeの含有量や他の構成元素の種類及びその含有量は上記の実施例に限定されず、触媒としての機能を発揮できる構成であればよい。Zr含有酸化物材におけるZrの含有量や他の構成元素及びその含有量も上記の実施例に限定されず、触媒としての機能を発揮できる構成であればよい。CeZr含有複合酸化物粒子におけるZrの含有量は50mol%を超えておればよい。また、Zr含有酸化物材に担持するPtの量も触媒としての機能を発揮できる量であれば特に限定されない。CeZr含有複合酸化物粒子にドープされるRhの量も実施例の量に限定されず、触媒としての機能を発揮できる量であればよい。また、担持物として複数種類のPt担持Zr含有酸化物材を用いても構わない。さらには、Ptを担持したZr含有酸化物材に加えてそれ以外の物質をCe含有酸化物粒子の表面に担持していても構わない。
10 パティキュレートフィルタ

Claims (5)

  1. Ce含有酸化物粒子の表面に、Ptを担持したZr含有酸化物材を担持しており、
    前記Zr含有酸化物材の量は、前記Ce含有酸化物粒子と前記Zr含有酸化物材との合計量に対して5wt%以上20wt%以下である、エンジン排ガス浄化用触媒材。
  2. 請求項1において、
    前記Ce含有酸化物粒子はZrを主体とするCeZr含有複合酸化物粒子であることを特徴とするエンジン排ガス浄化用触媒材。
  3. 請求項2において、
    前記CeZr含有複合酸化物粒子にはRhがドープされていることを特徴とするエンジン排ガス浄化用触媒材。
  4. 請求項2又は3において、
    前記Zr含有酸化物材はZrOにNdが固溶した複合酸化物材であることを特徴とするエンジン排ガス浄化用触媒材。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載されたエンジン排ガス浄化用触媒材が排ガス流路壁面に担持されている、パティキュレートフィルタ。
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