JP2015156842A - コンバインの穀稈供給移送装置 - Google Patents

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和平 石賀
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Abstract

【課題】本発明は、左株元移送装置と右株元移送装置で刈取穀稈を脱穀機のフィードチェンに搬送するコンバインの穀稈供給移送装置において、右株元移送装置の長い搬送チェンが安定して搬送作用するようにすることを課題とする。【解決手段】右下株元移送装置(10b)を構成する右下株元移送チェン(10d)を、少なくとも2つの輪体(53a,59)に巻回し、右下株元移送チェン(10d)における2つの輪体(53b,59)の間に形成される非搬送作用部には、いずれか一方の輪体(53b)側に偏った位置を押圧するテンションローラ(54)を備え、右下株元移送チェン(10d)における非搬送作用部における他方の輪体(59)に偏った部位を案内するチェンスラシ(60)を設け、このチェンスラシ(60)を着脱自在に構成する。【選択図】図15

Description

本発明は、コンバインの穀稈供給移送装置に関する。
コンバインでの植立穀稈の収穫作業は、コンバインを圃場で走行させて、走行車台の前側に設けた刈取装置で、下方から後上方に向けて設けた分草体等で植立穀稈を条分けし、この条分けした穀稈を複数の掻込移送装置で掻込みながら刈刃装置で株元を刈り取り、刈り取った穀稈を株元移送装置と穂先移送装置で搬送し、刈り取った全条の穀稈を合流させて供給移送装置へ引き継いで挟持移送し、さらに脱穀機のフィードチェンと挟持杆へ引継がせて穀稈の穂先側を脱穀機の供給口から内部へ供給する。そして、フィードチェンと挟持杆とで株元側を挟持された穀稈が後方へ送られながら穂先側が脱穀機内を通過する間に脱穀される。
特開2012−13号公報
前記の穀稈供給移送装置を構成する株元移送装置は、左株元移送装置と右株元移送装置で構成され、刈取装置の左側で刈り取られた穀稈が左株元移送装置で後方へ送られ、刈取装置の右側と左右中央部で刈り取られた穀稈が右株元移送装置で左後方へ送られて、機体の左側に設ける脱穀機のフィードチェンに受け継ぎ搬送されるので、右株元移送装置が長くなるが、右株元移送装置の搬送チェンが駆動スプロケットと従動スプロケットとテンションローラで支持されているために、駆動中の搬送チェンが揺れて駆動スプロケットで歯飛びして空回りすることで穀稈の搬送が停滞して詰りの原因になることがある。
本発明は、左株元移送装置と右株元移送装置で刈取穀稈を脱穀機のフィードチェンに搬送するコンバインの穀稈供給移送装置において、右株元移送装置の長い搬送チェンが安定して搬送作用するようにすることを課題とする。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、刈り取った穀稈を右上株元移送装置(10a)と右下株元移送装置(10b)及び左株元移送装置(11)と穂先移送装置(12)で脱穀装置(2a)のフィードチェン(2c)へ搬送するコンバインの穀稈供給移送装置において、右下株元移送装置(10b)を構成する右下株元移送チェン(10d)を、少なくとも2つの輪体(53a,59)に巻回し、右下株元移送チェン(10d)における2つの輪体(53b,59)の間に形成される非搬送作用部には、いずれか一方の輪体(53b)側に偏った位置を押圧するテンションローラ(54)を備え、右下株元移送チェン(10d)における非搬送作用部における他方の輪体(59)に偏った部位を案内するチェンスラシ(60)を設け、このチェンスラシ(60)を着脱自在に構成したことを特徴とするコンバインの穀稈供給移送装置とする。
請求項2に記載の発明は、前記チェンスラシ(60)を、右下株元移送チェン(10d)の搬送作用部を案内するチェンレール(10e)に装着した請求項1に記載のコンバインの穀稈供給移送装置とする。
請求項3に記載の発明は、チェンスラシ(60)に右下株元移送チェン(10d)を両側或いは片側に横倒れを防ぐチェン受(65)を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバインの穀稈供給移送装置とする。
請求項1に記載の発明によれば、右下株元移送チェン(10d)における2つの輪体(53b,59)の間に形成される非搬送作用部には、いずれか一方の輪体(53b)側に偏った位置を押圧するテンションローラ(54)を備え、右下株元移送チェン(10d)における非搬送作用部における他方の輪体(59)に偏った部位を案内するチェンスラシ(60)を設け、このチェンスラシ(60)を着脱自在に構成しているので、右下株元移送チェン(10d)が非搬送作用側において揺れることが防止され、穀稈搬送を安定させることができる。また、チェンスラシ(60)が磨耗したときに、容易に交換することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、チェンスラシ(60)を、右下株元移送チェン(10d)の搬送作用部を案内するチェンレール(10e)に装着しているので、チェンスラシ(60)の支持剛性を高めて、チェンの揺れを防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、チェン受(65)を設けたことで長い右下株元移送チェン(10d)が傾くことを防止して、右下株元移送チェン(10d)が輪体(53b,59)から脱落することを防止できる。
穀稈刈取移送装置部の拡大平面図である。 穀稈刈取移送装置部の概略平面図である。 穀稈刈取移送装置部の拡大平断面図である。 穂先移送装置部と供給移送装置部の拡大平面図である。 穂先移送装置部と供給移送装置部の拡大平面図である。 穂先移送ケースの概略平面図である。 コンバインの正面図である。 コンバイン前部の側面図である。 コンバイン全体の左側面図である。 コンバイン全体の平面図である。 供給移送装置の部分拡大平面図である。 刈取部支持杆の拡大側面図である。 刈取部支持杆の一部拡大平面図である。 右下株元移送チェンのチェンレール取付部の拡大斜視図である。 右下株元移送チェンの拡大平面図である。 右下株元移送チェンの拡大側断面図である。 別実施例の右下株元移送チェンの拡大平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に示す実施例を参照しながら説明する。尚、以下では説明の便宜上、機体の進行方向に対する左右を夫々左側、右側と言うことがある。
実施例は、四条列の植立穀稈を刈取り脱穀するコンバイン1である。このコンバイン1の走行車台2の下側には、図8及び図9で示すように、圃場を走行する左右一対の走行クローラ3aを張設した走行装置3を配設し、走行車台2の上側に脱穀装置2aを載置した構成である。
走行車台2の前方部の刈取装置4で植立穀稈を刈取りして、後上方へ移送し、脱穀装置2aのフィードチェン2cと、挟持杆2dとで引継いで挟持移送しながら穀稈の穂先側を供給口から脱穀装置2aに供給して脱穀する。脱穀して選別した穀粒は、脱穀装置2aの右横側へ配設した穀粒貯留タンク2b内へ供給されて一時貯留される。
前記走行車台2の前方部の刈取装置4は、図1と図2と図9で示すように、植立穀稈を分離するナローガイド5a、及び複数個の分草体5bと、倒伏穀稈を引起す複数個の引起装置6と、引起された穀稈を掻込む外側左右両側と中央部左右の四個の各掻込装置9aからなる穀稈掻込移送装置9と、掻込まれた穀稈を刈取る刈刃装置5cと、刈り取られた穀稈を挟持移送する右上株元移送装置10aと右下株元移送装置10b及び左株元移送装置11と穂先移送装置12と、脱穀装置2aのフィードチェン2cと挟持杆2dとへ受渡しする供給移送装置14が設けられている。
刈取装置4の右側は、右二個の掻込装置9aと、右上株元移送装置10aと右下株元移送装置10bと、穂先移送装置12で構成し、左側は、左二個の掻込装置9aと、左株元移送装置11と、供給移送装置14で構成される。
前記刈取装置4の前方下部から後方上部へ傾斜する縦伝動機構16dを内装した支持杆16aの上端部に設ける横伝動機構16eを内装した支持パイプ杆16bを走行車台2の上側面に設けた支持装置16cで回動自在に支持させている。伸縮シリンダ16を作動させると支持杆16aで支持した刈取装置4の前部が上下に回動して土壌面に対して昇降する構成である。この支持杆16aの外径上側部で上後方向の所定位置には、中央部左右両側の各掻込装置9a、9aを装着する取付装置16fを固着して設けている。
図12から図14に示す如く、支持杆16aの上下中間部には、右下株元移送チェン10dを支持するチェンレール支持ブラケット44を設け、このチェンレール支持ブラケット44の上面に刈取装置4の支持杆56を受ける刈取受台55をボルト57で上下位置調整可能に取り付けている。チェンレール支持ブラケット44の取付面44aには、右下株元移送チェン10dのチェンレール10eを上下調節可能に取り付けている。
また、刈取受台55の前には、後挟持受ブラケット29と同一板形状の刈取ガイド58を機体の左右中心より左側に設けている。
右下株元移送装置10bを構成する右下株元移送チェン10dは、図15に示す如く、駆動スプロケット(請求項における「輪体」)59と前後に設ける従動スプロケット(請求項における「輪体」)53a,53bと緩み側で左右中間に設けるチェンスラシ60に巻き掛け、従動スプロケット53a,53bの近くでテンションローラ54を外側から押圧して右下株元移送チェン10dを張るようにしている。なお、従動スプロケット53bを駆動スプロケットとし、駆動スプロケット59を従動スプロケットとした形態を採用することもできる。
従動スプロケット53a,53bは、チェンレール10eの左端部に固着した従動支持ブラケット61に枢支し、テンションローラ54は従動支持ブラケット61と共にチェンレール10eに固着したテンションブラケット62に枢支したテンションアーム63に枢支して引張りバネ(図示省略)で押圧している。
チェンスラシ60は焼き入れして摩耗に強くすると共に、チェンレール10eの右側に設けたアーム取付部68にボルト67で取り付けたスラシアーム64にボルト66で取外し可能に取り付けている。このスラシアーム64には、図16に示す如く、右下株元移送チェン10dの側面に接近してチェン受65を固着して、右下株元移送チェン10dが横倒れしようとすると受けるようにしている。なお、図示ではチェンスラシ60を右下株元移送チェン10dの片側に設けているが、両側に設けるほうが良い。また、チェンスラシ60はスラシアーム64と一体としてアーム取付部68から取り外して交換可能にしても良い。
また、図17に示す如く、アーム取付部68に複数の差し込み部を設ける位置変更取付部68aを設けてボルト69で固定するようにしても良い。
前記穀粒貯留タンク2b側の前部には、図8及び図9で示すように、コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置22と、操縦席23とを設け、この操縦席23の下側にエンジン24を載置している。
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース25内の伝動機構25aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサを設けている。
前記穀粒貯留タンク2b内へ貯留した穀粒を機外へ排出するために、この穀粒貯留タンク2bの後側には、図8及び図9で示すように、縦移送螺旋26aを内装した縦移送筒26を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この縦移送筒26の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋26cを伸縮自在に内装した排出オーガ27を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
図10で示すように、左側二条列の穀稈は、左外側と左外側より二番目と中央部との分草体5b、5b、5bにより、穀稈を条毎に分離すると共に、右側二条列の穀稈は、右外側と右外側より二番目と中央部との分草体5b、5b、5bにより、穀稈を条毎に分離する。
前記引起装置6は、図2及び図10で示すように、左右両外側部には、左外引起装置6cと右外引起装置6dを設けると共に、中央部の左右両側には、左内引起装置6aと右内引起装置6bを設けている。これら左外引起装置6cと左内引起装置6aとにより、左側の二条列の穀稈が引起しされる。又、これら右外引起装置6dと右内引起装置6bとにより、右側の二条列の穀稈が引起される。
前記左内引起装置6aと右内引起装置6bと、左外引起装置6cと右外引起装置6dとは、図2で示す個別に設けた引起ケース8a内の上下端部には、上・下スプロケット8b、8cを軸支して設け、これら上・下スプロケット8b、8cには、所定間隔に引起ラグ8eを装着した引起チェン8dを掛け渡している。
前記各引起ラグ8eの作用範囲は、引起ケース8aの搬送通路側部が作用範囲であり、搬送通路に向けて引起ケース8a内より突出した各引起ラグ8eは上スプロケット8bの回転駆動により、穀稈を引起しする。非搬送通路側では、各引起ラグ8eは引起ケース8内へ収納状態で引起チェン8dに沿う姿勢となる。
前記左外引起装置6cと右外引起装置6d、及び左内引起装置6aと右内引起装置6bの後側には、図2及び図10で示すように、左右両側の二条列毎の穀稈を掻込みする各掻込装置9aを平面視左右両側に、後側で二条分の穀稈を合流させるべく略V字形状に設けている。
前記各掻込装置9aは、掻込ケース9bの下側部に所定間隔で掻込ラグ9cを設けた掻込ベルト9dを張設すると共に、この掻込ベルト9dの下側で、後側の掻込軸9eに掻込スターホイル9fを軸支している。掻込ベルト9dと掻込スターホイル9fの間には円筒部を形成している。
前記左側2個の掻込装置9a、9aで、左側二条列の穀稈を掻込み、右側2個の掻込装置9a、9aで、右側二条列の穀稈を掻込む。
中央部の左右両側の前記掻込装置9a、9aの掻込ケース9b、9bの上外側面で掻込軸9e、9eには、図1で示すように、略へ字形状の接続杆9hを設けて、これら左右両側の掻込装置9a,9aを接続している。この接続杆9hの左右方向略中央部に取付板9jを固着して設け、この取付板9jをボルト、及びナット等により、支持杆16aへ設けた取付装置16fへ着脱自在である。これにより、中央部の左右両側の掻込装置9a、9aを一体の部分組立品として、着脱自在である。左右両側のこの掻込装置9a、9aに穀稈の詰まり等の不具合が発生したときには、両者を一体で取り外して対処する。
中央部右側の前記掻込装置9aの掻込ラグ8eの下側へ設けた小外径の掻込スターホイル9fは、掻込軸9eへ回転自在に軸支して設けている。この掻込スターホイル9fの下側で、支持杆16aの取付装置16fへ株元案内ガイド9mをボルト、及びナット等により装着している。中央部左側の前記掻込装置9aの掻込ラグ8eの下側へ設けた小外径の掻込スターホイル9fも同様である。
前記中央部右側の掻込スターホイル9fの株元案内ガイド9mの取付位置は、図1で示すように、小外径の掻込スターホイル9fの上面に接近した位置に、前側部では小外径の掻込スターホイル9fの歯底部A位置へ位置させて、この歯底部A位置から順次横側部は、円弧状に湾曲させて、後側部では、該掻込スターホイル9fの歯先部B位置へと順次変更させて設け、後端を右下株元移送チェン10dに沿うように構成している。
この構成により、小外径の掻込スターホイル9f上面への藁屑、及び泥等の堆積を防止することができる。又、小外径の該掻込スターホイル9fへの藁屑等の巻き付きを防止できる。更に、該株元案内ガイド9mを四角形状の角パイプ材としたことにより、掻込スターホイル9fの円筒部9n部への隙間を小さくすることができ、移送する穀稈の株元との接触面を広くさせることができて、穀稈を起立させて安定した搬送ができる。
前記外左側と中央部左側、及び外右側と中央部右側とへ平面視略V字形状に設けた前記各掻込装置9a、9a間には、図1で示すように、分草体5bの分草パイプ5dを設け、この各分草パイプ5dの外径上部には、大案内ガイド5eと、小案内ガイド5fとを個別に設けている。
前記各掻込装置9aの後方部の右側の下部には、図2、図5、及び図10で示すように、右上株元移送チェン10cを掛け渡した右上株元移送装置10aと、右下株元移送チェン10dを掛け渡した右下株元移送装置10bとを設けると共に、右側の上部には、略三角形状で平面視移送側面部が略L字形状の穂先移送ケース12aの下側へ所定間隔で穂先移送ラグ12cを装着した穂先移送チェン12bを掛け渡した穂先移送装置12を設けている。
又、左側の下部には、左株元移送チェン11aを掛け渡した、左株元移送装置11を設けると共に、左側の上部には、従動軸15aへ設けた供給ケース14aの下側へ複数個の供給ラグ14cと、供給スターホイル14bとを、従動軸15aへ軸支して構成した供給移送装置14を設けている。
図1で示すように、これら右下株元移送チェン10dと、左株元移送チェン11aとで形成する合流部(リ)の左右両側部は、略半円形状に形成して、前側部は、平面視略ハ字形状に形成し、又、後側部は、平面視略逆ハ字形状に形成して設けると共に、該右下株元移送チェン10dと、該左株元移送チェン11aとの移送終端部には、これら移送チェン10dと、左株元移送チェン11aとを伸縮操作するテンション装置28を個別に設けている。
前記テンション装置28は、図1で示すように、略L字形状のテンションアーム28aの回動中心部をテンション回動軸28bで回転自在に軸支して設け、該テンションアーム28aの一方側の端部には、テンション軸28dを軸支して設け、このテンション軸28dにテンションプーリ28cを回動自在に軸支し、テンションアーム28aの他方側の端部には、テンションプーリ28cを弾発付勢するテンションスプリング28eを設けている。
前記穂先移送装置12と、右上株元移送装置10aと、供給移送装置14とは、一体で上下回動自在に設けている。穀稈の稈長により、脱穀装置2aへ供給する穀稈の供給深さ(扱ぎ深さ)を、これら三部品を一体的に自動で上下回動移動させて、脱穀装置2aへ供給する穀稈の扱ぎ深さ位置を自動調節する構成である。
前記穂先移送装置12の平面視略三角形状に形成した穂先移送ケース12aの上部の移送終端部へ設けた穂先上部軸13aに上部スプロケット13dを軸支して設け、略中間の頂上部へ設けた穂先中間軸13cに中間スプロケット13eと、駆動スターホイル12dとを軸支して設け、下部の移送始端部へ設けた穂先下部軸13bに下部スプロケット13fを軸支して設けている。
前記上部・中間・下部スプロケット13d、13e、13fに穂先移送ラグ12cを所定間隔で装着した穂先移送チェン12bを掛け渡している。各穂先移送ラグ12cは、略三角形状の短辺側の二辺部で平面視移送側面部が略L字形状部では、穂先移送ケース12aから突出して、穀稈の穂先側を移送する作用側としている。又、反対側は穀稈を移送しない非作用側である。
前記穂先移送ケース12aは、図5及び図6で示すように、この穂先移送ケース12aの穀稈移送作用側の短辺側の二辺部の移送角度は、平面視横移送側から縦移送側へ向けて、移送始端部側から移送終端部へ向けて、平面視水平に対して、順次小角度から大角度に複数段に変更して設けている。
図6で示すように、例えば、移送始端部側より、水平に対して、小角度の25度から、50度、75度、移送終端部側の90度に、略25度、又は移送終端部は、略15度増加させて、順次変更して形成している。25度の範囲は、右側2条列が移送される箇所であり、25度から50度へ変化する箇所は、左・右2条列が合流する合流部(リ)である。
又、50度以後の箇所は、左右の2条列が合流されて、4条列の穀稈が移送される。
前記穂先移送装置12の穂先移送ケース12aの上側面には、図5と図8で示すように、穂先案内カバー12fを設けている。この穂先案内カバー12fの後端部は、刈取装置4の後側へ設けた脱穀装置2aの前側近部で、前端部は、右外側の引起装置6の後側近傍部までの間に位置させて設け、穂先案内カバー12fの前後方向の外形形状は、穂先移送ケース12aの前後方向の外形形状と略同じ形状に形成している。
又、穂先案内カバー12fは、頂点部から、穀稈移送の作用側へ向けて、下り傾斜させて設けると共に、上下回動自在な穂先移送ケース12aを最上部位置へ回動移動操作した時でも、この穂先移送ケース12aの前端は、前方下部へ下り傾斜状態に設けたことにより、穂先案内カバー12f、及び穂先移送ケース12aには、移送中に穀稈から落下した藁屑、及び塵埃等の堆積を防止することができる。又、移送中の穀稈より飛散する穀粒を防止できるとともに、穀稈の穂先側がスムーズに移送される。
又、前記穂先移送ケース12aを最上部位置へ回動移動操作した時でも、この穂先移送ケース12aの前端部は、後方部から前方部へ向けて下り傾斜状態に設けている。穂先移送装置12で移送中の穀稈から、落下する藁屑、及び塵等は、穂先移送ケース12a、及び穂先案内カバー12fへ堆積しない構成である。
前記供給移送装置14の従動軸15aへ軸支した、供給スターホイル14bの上側面には、図5で示すように、複数個の供給ラグ14cを回転自在に設け、供給ケース14aより、前方部側と内側部とで突出して、穀稈へ供給スターホイル14bと共に、作用して移送する。又、供給ラグ14cは、前方部側と内側部との以外では、逐次供給ケース14a内へ収納状態になる不作用側である。供給スターホイル14bは、穂先移送装置12の駆動スターホイル12dと噛合して、回転駆動される。
前記供給移送装置14は、図2と図5で示すように、穂先移送装置12へ設けた支持杆15bの先端部へコ字形状の支持枠15cを設け、この支持枠15cへ受杆15dを設け、この受杆15dへ供給ケース14aをボルト15eで装着して設けると共に、受杆15dの前端部に従動軸15aを装着して設けている。
支持枠15cには、スプリング(図示せず)等により、挟持移動自在に挟持用杆17aを設け、この挟持用杆17aの後端部に受板17bを固着して設け、この受板17bに後挟持用杆17cを装着している。また、図11に示す如く、挟持用杆17aに対抗して穂先移送ケース12aに挟持受杆18aを設け、後挟持用杆17cに対抗して上後挟持受杆18bと下後挟持受杆18d及び後挟持受板18cからなる後挟持受ガイド18を後挟持受ブラケット29に固着している。
後挟持受ブラケット29は、取付プレート32に長穴とボルトで左右にスライド移動可能で取外し可能に取り付け、取付プレート32を支持杆15bの下部で丸パイプや角材で構成するチェンレール10eの先端に固着している。後挟持受ブラケット29は、機体の左側で側方から左右位置調整が容易に行える。
供給移送装置14の供給ケース14aには、搬送される刈取穀稈の穂先側を前記穂先案内カバー12fに向けて押え込む線材からなる第一穂先誘導杆30aと第一中間誘導杆31を穂先案内カバー12fの上面(搬送面)と略平行姿勢で固着し、支持杆15bに前記第一穂先誘導杆30aに続けて刈取穀稈の穂先側を押え込む第二穂先誘導杆30bを設けている。第二穂先誘導杆30bの取り付け部は、先端部を上下に揺動調節可能に固定するが、電動モータで上下揺動可能にして、操縦席23の近くに設ける調節ダイヤル或いは次に述べる如く穂先移送装置12等の上下動に伴って自動で揺動位置を調整するようにしても良い。
即ち、支持杆15bには、刈取穀稈の穂先先端を検出する第一穂先センサ33aと第二穂先センサ33bを設け、第一穂先センサ33aが穂先を検出せず第二穂先センサ33bが穂先を検出する状態が正常な刈取穀稈搬送状態で、第一穂先センサ33aと第二穂先センサ33bとが共に穀稈検出状態にあるときは深扱ぎ状態であり、両センサとも穀稈を検出していない場合は、浅扱ぎ状態である。この正常な刈取穀稈搬送状態になるように、前記穂先移送装置12と右上株元移送装置10aと供給移送装置14とを一体で前側を、深扱ぎ状態においては上方に、浅扱ぎ状態においては下方に上下回動調節する。第二穂先誘導30bはこれに伴い、穂先移送装置12と右上株元移送装置10aと供給移送装置14との相対位置を上下に調節する。
この構成によって、扱深さが如何なる状態に調節されていても、第二穂先誘導杆30bが穀稈の稈身方向適正位置を押えることができ、穀稈の搬送状態を安定させるものでありながら、過度に穀稈の先端側部分に干渉して脱粒させる虞がない。
前記右側部二個の前記掻込装置9a、9aで掻込されながら、刈刃装置5cで刈取りされた穀稈は、図2と図10で示すように、右側のこの掻込装置9a、9aから右下株元移送装置10bと、同時に上下回動自在な穂先移送装置12、及び右上株元移送10aとにより、後方上部へ移送される。又、左側部二個の掻込装置9a、9aで掻込されながら刈刃装置5cで刈取りされた穀稈は、図2と図10で示すように、左側のこの掻込装置9a、9aから左株元移送装置11と、供給移送装置14とにより、合流部(リ)へ移送され、この合流部(リ)で左右両側を移送される刈取り穀稈は合流され、更に右上株元移送装置10aと、穂先移送装置12とにより、後方上部へ移送され、脱穀へ供給され、この脱穀装置2aのフィードチェン2cと挟持杆2dとで引継ぎされ、脱穀装置2a内を挟持移送され、この脱穀装置2a内で脱穀される。
前記穂先移送装置12の穀稈移送作用側で、上側の移送終端部側へ設けた穂先上部軸13aの軸心(イ)と、穂先移送装置12の前側へ設けた供給移送装置14の従動軸15aの軸心(ニ)とは、図5で示すように、前後方向に略直線上へ位置させて設けた構成である。又、左側の二条列の穀稈と、右側の二条列の穀稈とが、後方上部へ移送されて合流される位置までの形状は、図5で示すように、平面視で略Y字形状に形成した構成である。
前記穂先移送装置12の穀稈の穂先側を移送する移送終端部の穂先上部軸13aの軸心(イ)位置と、供給移送装置14の従動軸15aの軸心(ニ)位置とは、前後方向に略直線上へ位置させて設けた構成としたことにより、左側の二条列の穀稈と、右側の二条列の穀稈との合流部(リ)で合流したときの穀稈の乱れを防止できる。又、供給移送装置14の供給ラグ14cの移送範囲を少なくしたことにより、多量の穀稈の移送が可能である。
更に、穂先の振れが少ないことにより、穀粒の飛散防止ができる。
前記支持杆16aの上端部へ設けた支持パイプ杆16bには、図8と図9で示すように、支持メタル19aを設け、この支持メタル19aと、穂先移送装置12の上部の移送終端部に設けた穂先上部メタル12eとの間には、接続メタル19bを設けて接続している。この接続メタル19bへ回動自在に軸支した接続軸19cを回動中心として、穂先移送装置12の穀稈移送部側の下側部を上下回動自在に形成している。接続軸19cの中心位置は、支持パイプ杆16bの中心位置より、所定距離上部へ位置させて設けている。支持パイプ杆16bを支持する支持メタル19aは、図10で示すように、コンバイン1の機体1aの左右方向略中央部へ位置させて設けている。
前記前側、及び横側へ設けた前側の操作装置22の前側面部から、左横外側の操作装置22の左横外側面部にわたって設ける防塵用外カバー20の外側面は、図10で示すように、刈取装置4の左右方向の中心(チ)の近傍部、又は略同じ位置へ設けている。
これにより、穀稈の穂先移送通路と前記各操作装置22とを離すことで藁屑等の溜りを防止する。又、穀粒及び塵埃の飛散を防止できる。
前記右下株元移送装置10bの右下株元移送チェン10dは、図10、及び図3で示すように、右外側の掻込装置9aへ設けたスプロケット9Qと、移送終端部へ設けたテンション装置28とへ掛け渡している。右下株元移送チェン10dの移送始端部側で、右外側と、右側より二番目の各掻込装置9a、9aの各掻込スターホイル9f、9fの噛合部の後側には、凹部(逃がし部)10fを設けている。多量の穀稈が掻込みされたときであっても、右下株元移送チェン10dは、この凹部10f部で穀稈を逃がして、移送中の穀稈の詰りを防止している。
10eはチェンレールであり、右下株元移送チェン10dを支持させ、その終端部を支持杆16aの上下中間部に設けるチェンレール支持ブラケット44の取付面44a(図13)に上下調節可能に取り付けている。
右外側の掻込スターホイル9fの外径(D1)より、右側より二番目の掻込スターホイル9fの外径(D2)を所定寸法小径に形成して設けている。
前記右下株元移送装置10bの右下株元移送チェン10dの前側の穀稈を移送する作用側には、図3で示すように、挟持ガイド21を挟持受装置21aで摺動移動自在に設けている。この挟持ガイド21の移送終端部には、合流部(リ)まで延長した補助挟持ガイド21bを設けると共に、テンション装置28の前側には、後挟持ガイド21cを設けている。スプリング21dは、挟持ガイド21を弾発する。
右側二条列の掻込みされて、刈取りされた刈取り穀稈の株元側は、右下株元移送チェン10dと、各挟持ガイド21,21b,21cとの間へ挟持されて、合流部(リ)へ移送される。
これにより、右側二条列の穀稈が多量掻込みされて、引継ぎされたときであっても、右下株元移送装置10bの右下株元移送チェン10dの移送始端部側へ穀稈の詰りを防止することができる。又、部品の変形、及び破損を防止できる。
2a 脱穀装置
2c フィードチェン
2d 挟持杆
4 刈取装置
10a 右上株元移送装置
10b 右下株元移送装置
10d 右下株元移送チェン
11 左株元移送装置
12 穂先移送装置
59 駆動スプロケット(輪体)
53a,53b 従動輪(輪体)
60 チェンスラシ
65 チェン受

Claims (3)

  1. 刈り取った穀稈を右上株元移送装置(10a)と右下株元移送装置(10b)及び左株元移送装置(11)と穂先移送装置(12)で脱穀装置(2a)のフィードチェン(2c)へ搬送するコンバインの穀稈供給移送装置において、右下株元移送装置(10b)を構成する右下株元移送チェン(10d)を、少なくとも2つの輪体(53a,59)に巻回し、右下株元移送チェン(10d)における2つの輪体(53b,59)の間に形成される非搬送作用部には、いずれか一方の輪体(53b)側に偏った位置を押圧するテンションローラ(54)を備え、右下株元移送チェン(10d)における非搬送作用部における他方の輪体(59)に偏った部位を案内するチェンスラシ(60)を設け、このチェンスラシ(60)を着脱自在に構成したことを特徴とするコンバインの穀稈供給移送装置。
  2. 前記チェンスラシ(60)を、右下株元移送チェン(10d)の搬送作用部を案内するチェンレール(10e)に装着した請求項1に記載のコンバインの穀稈供給移送装置。
  3. チェンスラシ(60)に右下株元移送チェン(10d)を両側或いは片側に横倒れを防ぐチェン受(65)を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバインの穀稈供給移送装置。
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