JP2015156795A - 半導体スイッチ回路および電力変換装置 - Google Patents

半導体スイッチ回路および電力変換装置 Download PDF

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宏 餅川
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宏 餅川
建夫 小山
Takeo Koyama
建夫 小山
淳彦 葛巻
Atsuhiko Kuzumaki
淳彦 葛巻
純一 津田
Junichi Tsuda
純一 津田
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Abstract

【課題】主回路スイッチング素子に還流ダイオードが逆並列接続された電力変換回路において、損失を更に低減し回路構成の単純化を図った半導体スイッチ回路を提供する。
【解決手段】半導体スイッチ回路1Aは、逆導通ダイオード5が内蔵された第1のスイッチング素子2と、前記逆導通ダイオードとは逆の導通方向となる寄生ダイオード6が内蔵され、前記第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子3と、前記第1のダイオードと同じ導通方向となるように前記第1及び第2のスイッチング素子に並列接続されたダイオード4と、前記第1及び第2のスイッチング素子の開閉を制御するゲート駆動手段とを備え、前記ダイオードのカソード側が正極端子7に接続され、アノード側が負極端子8に接続される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体スイッチ回路および電力変換装置に係り、特に、主回路スイッチング素子に還流ダイオードが逆並列接続された構成の電力変換回路における還流ダイオードの逆回復電流を抑制する半導体スイッチ回路および電力変換装置に関する。
従来、主回路のスイッチング素子に還流ダイオードが逆並列接続された構成の電力変換回路においては、還流ダイオードの逆回復電流が流れることで生じる損失の低減化を図った電力変換回路が提案されている。このような電力変換回路を有する電力変換装置は、例えば、特開2006−141167号公報(特許文献1)や特開2006−141168号公報(特許文献2)に開示されている。
特開2006−141167号公報 特開2006−141168号公報
ところが、特許文献1や特許文献2に開示されるような従来の電力変換装置では、還流ダイオードの逆回復時に、一時的に主回路の大電流を付加回路に流すために付加回路が大規模となり、比較的大容量の補助電源が必要になるという課題がある。また、付加回路に使用されるスイッチング素子のゲートパルス信号を発生させるため論理回路が必要になり、回路が複雑化するという課題がある。さらに、付加回路に使用されるスイッチング素子を主回路のデッドタイムの期間中に作動させる必要があり、タイミングの制約が厳しくなるため、高速スイッチングには不向きであった。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、回路構成を単純化しつつも還流ダイオードの逆回復電流を効果的に抑制することで、損失のさらなる低減化およびスイッチング速度の高速化を図った半導体スイッチ回路および電力変換装置を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態に係る半導体スイッチ回路は、上述した課題を解決するため、逆導通ダイオードが内蔵された第1のスイッチング素子と、逆導通ダイオードとは逆の導通方向となる寄生ダイオードが内蔵され、前記第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子と、前記第1のダイオードと同じ導通方向となるように前記第1及び第2のスイッチング素子に並列接続されたダイオードと、前記第1及び第2のスイッチング素子の開閉タイミングを制御するゲート駆動手段と、を備え、前記ダイオードのカソード側が正極端子に接続され、アノード側が負極端子に接続されたことを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る電力変換装置は、上述した課題を解決するため、第1及び第2の半導体スイッチ回路が直列に接続され、前記半導体スイッチ回路の開閉を制御する手段を備える電力変換装置であり、前記第1の半導体スイッチ回路は、第1の逆導通ダイオードが内蔵された第1のスイッチング素子と、前記第1の逆導通ダイオードとは逆の導通方向となる第1の寄生ダイオードが内蔵され、前記第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子と、前記第1の逆導通ダイオードと同じ導通方向となるように前記第1及び第2のスイッチング素子に並列接続された第1のダイオードと、前記第1及び第2のスイッチング素子の開閉のタイミングを制御するゲート駆動手段と、を備え、前記第2の半導体スイッチ回路は、第2の逆導通ダイオードが内蔵された第3のスイッチング素子と、前記第2の逆導通ダイオードとは逆の導通方向となる第2の寄生ダイオードが内蔵され、前記第3のスイッチング素子に直列接続された第4のスイッチング素子と、前記第1及び第2の寄生ダイオードと同じ導通方向となるように前記第3及び第4のスイッチング素子に並列接続された第2のダイオードと、前記第3及び前記第4のスイッチング素子の開閉のタイミングとを制御するゲート駆動手段と、を備え、前記第1のダイオードのカソード側が直流電源の正側に接続され、前記第2のダイオードのアノード側が直流電源の負側に接続されたことを特徴とする。
本発明によれば、従来と比較して回路構成を単純化しつつも還流ダイオードの逆回復電流をより効果的に抑制することができるので、損失をさらに低減した半導体スイッチおよび電力変換装置を提供することができる。また、本発明は、従来のようにスイッチングタイミングの制約がないので、スイッチング速度を従来よりも高速化した半導体スイッチ回路および電力変換装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体スイッチ回路の回路構成を示した回路図。 本発明の第2の実施形態に係る半導体スイッチ回路の回路構成を示した回路図。 本発明の第3の実施形態に係る半導体スイッチ回路の回路構成を示した回路図。 本発明の第4の実施形態に係る半導体スイッチ回路の回路構成を示した回路図。 本発明の第5の実施形態に係る半導体スイッチ回路の回路構成を示した回路図。 本発明の第6の実施形態に係る半導体スイッチ回路の回路構成を示した回路図。 本発明の第7の実施形態に係る半導体スイッチ回路の回路構成を示した回路図。 本発明の第8の実施形態に係る半導体スイッチ回路の回路構成を示した回路図。 本発明の第9の実施形態に係る半導体スイッチ回路の回路構成を示した概略図。 本発明に係る第1の電力変換装置(本発明の実施の形態に係る半導体スイッチ回路を適用して構成された電力変換装置)の回路構成を示した回路図。 本発明に係る第2の電力変換装置(本発明の実施の形態に係る半導体スイッチ回路を適用して構成された電力変換装置)の回路構成を示した回路図。 本発明に係る第3の電力変換装置(本発明の実施の形態に係る半導体スイッチ回路を適用して構成された電力変換装置)の回路構成を示した回路図。 本発明に係る第4の電力変換装置(本発明の実施の形態に係る半導体スイッチを適用して構成された電力変換装置)の回路構成を示した回路図。
以下、本発明に係る半導体スイッチ回路および電力変換装置の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体スイッチ回路の一例である半導体スイッチ回路1Aの回路構成を示した回路図である。
半導体スイッチ回路1Aは、一般的な電力変換回路のスイッチング素子としての主素子2に補助素子3を直列接続し、主素子2と補助素子3の直列接続に対して主素子2と同等の耐圧(耐電圧)を有する高速還流ダイオード4を逆並列接続して構成される。すなわち、補助素子3と高速還流ダイオード4とを備える追加回路を主素子2に付加して構成される。
半導体スイッチ回路1Aの主素子2は、耐圧(耐電圧)が高い高耐圧な電圧駆動型素子であり、例えば、逆導通ダイオード5を内蔵したIGBT2Aを適用する。主素子2の耐圧は、好ましくは100V以上、より好ましくは200V以上、さらに好ましくは250V以上の実現可能な電圧である。通常は、250V以上(上記のさらに好ましい範囲)の素子を用いる。
補助素子3は、電圧駆動型素子であり、主素子2の耐圧に比べおよそ半分以下の耐圧(耐電圧)を有する。補助素子3には、例えば、数十Vの耐圧を有する低圧MOSFETを適用する。
ここで、符号6は、MOSFET3の寄生ダイオードである。逆導通ダイオード5および寄生ダイオード6は、IGBT2A(主素子2)および低圧MOSFET(補助素子)3の逆導通性能を実現している。また、高速還流ダイオード4とは、主素子2に内蔵される逆導通ダイオード5に比べ、チップ面積が小さく、順方向の電圧降下は高く、逆回復特性に優れた特性を有するダイオードである。
主素子2と補助素子3との接続は、IGBT2A(主素子2)の負極にあたるエミッタと低圧MOSFET(補助素子)3の負極にあたるソース端子とを接続して行う。すなわち、主素子2の正極にあたるIGBT2Aのコレクタを正極端子7とし、補助素子3の正極にあたる低圧MOSFET3のドレイン端子を負極端子8とする。高速還流ダイオード4は、負極端子8から正極端子7に向かう方向が順方向(p極→n極)となるように接続される。
次に、半導体スイッチ回路1Aの主素子2と補助素子3のゲートタイミングについて説明する。
半導体スイッチ回路1Aは、図1において図示されないゲート駆動器からゲート信号を受信して動作する。ゲート信号は、主素子2のオン/オフのタイミングに同期して、補助素子3もオン/オフするようなタイミングで与えられる。すなわち、主素子2のゲートにオン信号が印加されている時には、補助素子3のゲートにもオン信号を印加する。逆に、主素子2のゲートにオフ信号が印加されている時には、補助素子3のゲートにもオフ信号を印加する。実際には、多少のタイミングの誤差は、あるものの、主素子2と補助素子3は、同期してスイッチングする。
次に、半導体スイッチ回路1Aの作用および効果について説明する。
図1に示されるように構成され、ゲートタイミングが制御される半導体スイッチ回路1Aでは、補助素子3に十分低い耐圧(例えば、数十V程度)のMOSFETを用いることで、導通抵抗増加を極僅かに抑えることができる。また、補助素子3に十分低い耐圧のMOSFETを用いることで、補助素子3の導通抵抗を低くしつつ、かつ、補助素子3の半導体チップを小さくできる。これは、MOSFETの導通抵抗特性(数式1として後述)に起因する。
一般に、MOSFETの導通抵抗Ronは、以下の式(1)に示すように、素子耐圧Vの略2.5乗に比例し、チップ面積Sに反比例することが知られている。ここで、式(1)の右辺中のkは比例定数である。
Figure 2015156795
つまり、上記式(1)に基づいて考えれば、素子耐圧Vの2.5乗は、導通抵抗Ronとチップ面積Sとの積に略比例するともいえる。例えば、素子耐圧Vを1/5倍にすれば、導通抵抗Ronとチップ面積Sとの積は、1/5の2.5乗(約1/56)倍とすることができるので、導通抵抗を1/7倍にした場合、同時にチップ面積も約1/8倍と小型化することができる。
また、主電流が順方向、すなわち、正極端子7から負極端子8に向かって流れている時には、補助素子3もゲートにオン信号が印加されているので、非常に低抵抗の状態になる。一方、主電流が逆方向、すなわち、負極端子8から正極端子7に向かって流れている時にも、補助素子3もゲートにオン信号が印加されているので、非常に低抵抗の状態になっており、負極端子8から流入した主電流は、補助素子3から主素子2に内蔵された逆導通ダイオード5を通って正極端子7へ流れる。
この時に、主素子2がゲートオフすると、補助素子3も同期してゲートオフとなり、主電流は、補助素子3を通れなくなる結果、やむなく、順方向電圧降下が大きい高速還流ダイオード4に転流することになる。この転流が完了するまでの瞬間に、補助素子3としての低圧MOSFET3のドレイン端子とソース端子間に一時的にサージ電圧が印加されるが、一般には、数十Vの耐圧で十分持ち堪えることができる。万一、耐圧を極短時間だけ超えるサージ電圧が加わっても、MOSFET3は、多少、アバランシェ耐量をもっているので、転流が完了するまでのわずかな時間に耐圧を超えるサージ電圧が加わったとしても、持ち堪えることができる。
従って、直流主回路に相補的に動作する2個の半導体スイッチ回路1Aを直列接続したブリッジ回路において、一方の半導体スイッチ回路1Aがオンしても、他方の(オフする)半導体スイッチ回路1Aにおいて、一旦、主電流が高速還流ダイオード4に転流してしまえば、逆導通ダイオード5に逆回復電流が流れることはなく、逆回復現象が効果的に抑制される。
半導体スイッチ回路1Aによれば、主素子2と逆並列接続された逆導通ダイオード5に逆回復電流が流れることで生じる損失を低減することができる。また、このことは、スイッチング損失の低減に繋がるため、高速スイッチングが可能になる。さらに、一般的な半導体スイッチ(主素子2に相当)に付加して設ける補助素子3および高速還流ダイオード4のチップ面積を小さく抑えることができ、かつ、これらは付加的な電源を要しないため、追加回路(補助素子3と高速還流ダイオード4)を小型で安価に構成できる。
[第2の実施の形態]
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体スイッチ回路の一例である半導体スイッチ回路1Bの回路構成を示した回路図である。
図2によれば、半導体スイッチ回路1Bは、第1の実施の形態で説明した半導体スイッチ回路1Aに対して、主素子2をIGBT2Aの代わりにMOSFET2Bを用いる点で相違するが、その他の構成は、実質的に相違しない。そこで、半導体スイッチ回路1Aと実質的に異ならない構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
主素子としてMOSFETを適用する場合、MOSFETの半導体の構造上内部において寄生的に形成される逆導通方向のPNダイオード(寄生ダイオード)の逆回復特性、すなわち、逆回復が非常に遅い点が問題となる。一般に、寄生ダイオード6の逆回復特性を改善するためには、半導体製造工程で重金属(例えば、白金)の拡散プロセスや電子線又は中性子の照射プロセス等の逆回復特性改善処理を施す必要がある。しかしながら、逆回復特性改善処理を施す結果、逆回復特性の改善と引換えに、導通抵抗が増大するという好ましくない結果が生じる。
一方、図2に示される半導体スイッチ回路1Bでは、重金属の拡散プロセスを施していないMOSFET2Bを適用して構成される。半導体スイッチ2Bでは、半導体スイッチ回路1Aと同様に、MOSFET2B(主素子2)のオン/オフのタイミングに同期して低圧MOSFET(補助素子)3もオン/オフするようなゲートタイミングに制御されるので、一旦、主電流が高速還流ダイオード4に転流してしまえば、MOSFET2Bの寄生ダイオード6に逆回復電流が流れることはなく、逆回復現象が効果的に抑制される。
また、半導体スイッチ回路1Bでは、主素子2の導通抵抗に補助素子3の導通抵抗分を加算したものになるが、補助素子3の耐圧を十分低く選定することで、加算される補助素子3の導通抵抗(導通抵抗の増加分)は極めて僅かで済む。
さらに、主素子2にMOSFET2Bを用いることで、ターンオフまでの遅延時間が短くなるため、直流主回路に相補的に動作する2個の半導体スイッチ回路1Bを直列接続したブリッジ回路において、相補的に動作するもう一方の半導体スイッチ回路1Bがオンするまでの遅れ時間、すなわち、デッドタイムを短くできる。
このように、半導体スイッチ回路1Bによれば、高耐圧で低抵抗のMOSFET2Bを主素子2に用いても、重金属の拡散工程などを施すことなく逆回復特性の著しい改善を実現することができる。また、導通損失の大きな高速還流ダイオード4の通電時間を短くできるので、一層のスイッチングに伴う損失を低減することができる。さらに、デッドタイムを短くできるため、電力変換回路の制御品質の劣化(波形劣化)も軽減できる。
[第3の実施の形態]
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体スイッチ回路の一例である半導体スイッチ回路1Cの回路構成を示した回路図である。
図3によれば、半導体スイッチ回路1Cは、第1の実施の形態で説明した半導体スイッチ回路1Aに対して、高速還流ダイオード4の代わりに高速還流ダイオード4Cを複数(図3に示される例では2つ)用いる点で相違するが、その他の構成は、実質的に相違しない。そこで、半導体スイッチ回路1Aと実質的に異ならない構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
一般に、ダイオードは、耐圧が高くなる程、逆回復特性が悪化する。そこで、図3に示される半導体スイッチ回路1Cでは、高速還流ダイオード4に比べ、約半分の耐圧の高速還流ダイオード4Cを2個直列に接続して構成する。
このように、逆回復が高速な反面、耐圧の低い高速還流ダイオード4Cを2個直列に接続して半導体スイッチ回路1Cを構成することで、導通時の電圧降下は増大するものの相補的に動作するもう一方の半導体スイッチがオンした時点で発生する逆回復を速やかに収束できる。
また、図3に示される半導体スイッチ回路1Cでは、導通時の電圧降下がダイオード2個分に増えてしまうが、高速還流ダイオード4Cには、主電流が負極端子8から正極端子7に向かって流れている時のデッドタイム期間中にしか通流しないので、その通流時間比率は極めて短く、増大する導通損失も僅かなものである。
半導体スイッチ回路1Cによれば、半導体スイッチ回路1Aで得られる効果に加え、半導体スイッチ回路1Aに比べ、逆回復電流が流れることで生じる損失を、より一層低減することができ、高速スイッチングが可能になる。
尚、図3に示される半導体スイッチ回路1Cでは、高速還流ダイオード4に比べ、約半分の耐圧の高速還流ダイオード4Cを2個直列に接続して構成した例を説明したが、高速還流ダイオード4Cの個数は任意に設定できる。すなわち、n(nは2以上の自然数)とした場合、半導体スイッチ回路1Cは、高速還流ダイオード4に比べ約1/n倍の耐圧の高速還流ダイオード4Cをn個直列に接続して構成することができる。
[第4の実施の形態]
図4は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体スイッチ回路の一例である半導体スイッチ回路1Dの回路構成を示した回路図である。
図4によれば、半導体スイッチ回路1Dは、第1の実施の形態で説明した半導体スイッチ回路1Aに対して、高速還流ダイオード4の代わりに、珪素より禁制帯の広い半導体(ワイドギャップ半導体)を材料とする高速還流ダイオード4Dを用いる点で相違するが、その他の構成は、実質的に相違しない。そこで、半導体スイッチ回路1Aと実質的に異ならない構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
半導体スイッチ回路1Dでは、図4に示されるように、珪素より禁制帯の広い半導体材料(例えば、炭化珪素、窒化ガリウム、砒化ガリウム、ダイアモンド等のワイドギャップ半導体)で構成される高速還流ダイオード4Dを適用する。
このように構成された半導体スイッチ回路1Dによれば、高速還流ダイオードとして珪素より禁制帯の広い半導体のダイオード(高速還流ダイオード4D)を適用することで、より高耐圧で、かつ、逆回復の高速な特性を得ることができる。尚、禁制帯の広い半導体材料は、珪素半導体より高価であるが、半導体スイッチ回路1Dでは、デッドタイムの極短時間のみ高速還流ダイオード4Dが通流する構成のため、チップ面積が小さくて済む。つまり、高価な半導体を少量使用するだけで逆回復性能改善に大幅な効果が得られる。
また、逆回復電流が流れることで生じる損失を大幅に低減することができるので、高速スイッチングが可能になる。尚、図4に示される半導体スイッチ回路1Dでは、第1の実施の形態で説明した半導体スイッチ回路1Aの高速還流ダイオード4の代わりに高速還流ダイオード4Dを適用したが、他の半導体スイッチ回路1B等の高速還流ダイオード4,4Cの代わりに適用しても良い。
[第5の実施の形態]
図5は、本発明の第5の実施の形態に係る半導体スイッチ回路の一例である半導体スイッチ回路1Eの回路構成を示した回路図である。
図5によれば、半導体スイッチ回路1Eは、第2の実施の形態で説明した半導体スイッチ回路1Bに対して、低圧MOSFET(補助素子)3のドレイン端子とソース端子間にコンデンサ10をさらに並列接続した点で相違するが、その他の構成は、実質的に相違しない。そこで、半導体スイッチ回路1Bと実質的に異ならない構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
半導体スイッチ回路1Eは、図5に示されるように、半導体スイッチ回路1Bに対して、低圧MOSFET(補助素子)3のドレイン端子とソース端子間にコンデンサ10をさらに並列接続して構成される。
このように構成される半導体スイッチ回路1Eの作用について説明する。主電流が逆方向、すなわち、負極端子8から、正極端子7に向かって流れている時に、ゲートオフすると、第1の実施の形態で上述したように、転流が完了するまでの瞬間に、低圧MOSFET(補助素子)3のドレイン端子とソース端子間に一時的にサージ電圧が印加される。この点は、上述した各半導体スイッチ回路1A〜1Dに共通する話である。
主電流が逆方向に流れている時にゲートオフに移行した瞬間に補助素子3の両端間で発生するサージ電圧は、様々な要因から増大する。例えば、サージ電圧は、主素子2と補助素子3と高速還流ダイオード4とを巡る配線インダクタンスが大きくなるに従って増大する。また、当然ながら主電流の増大に伴っても増える。他にも、補助素子3の出力接合容量が小さくても大きくなる。また、高速還流ダイオード4の順方向導通性能が回復するまでの遅れ時間によっても増大する。さらに、補助素子3のゲート抵抗を小さくしてゲート電圧の低減レートが高速になっても増大する。
この様に様々な要因から増大するサージ電圧に対し、低圧MOSFET(補助素子)3のドレイン端子とソース端子間にコンデンサ10を並列接続していない半導体スイッチ回路1Bでは、補助素子3の両端に一時的に発生した過電圧に対して、補助素子3のアバランシェ耐量に頼って、素子破壊を免れるようにしている。一般に、MOSFETのアバランシェ耐量を高めるためには短時間に発生する発熱に耐える必要がある。従って、設計上補助素子3のチップ面積を大きくせざるを得なくなる。
一方、半導体スイッチ回路1Eでは、補助素子3の両端にコンデンサ10をさらに並列接続したので、サージ電圧を有効に吸収することができる。また、この時、コンデンサ10に充電された電圧は、高速還流ダイオード4が通流して、転流が完了すると、主素子2に対し、逆方向の電圧を印加することになり、一瞬オンしそうになった主素子2に内蔵される逆導通ダイオード(寄生ダイオード)6に対し、完全に逆回復させるための電圧を与えることとなる。
この結果、直流主回路に相補的に動作する2個の半導体スイッチ回路1Eを直列接続したブリッジ回路において、相補的に動作するもう一方の半導体スイッチ回路1Eがオンする前に、主素子2に内蔵される逆導通ダイオード(寄生ダイオード)6の逆回復を確実に完了させることができる。
半導体スイッチ回路1Eによれば、補助素子3に発生するサージ電圧を抑制することができ、補助素子3のチップ面積を小さくでき、より安価に構成できる。また、配線インダクタンスがある程度高くても良くなる結果、配線インダクタンスを減らす方策(例えば配線本数の増大等)も施す必要がなくなるので、より安価に構成することができる。さらに、補助素子3で生じるサージ電圧の発生を考慮しなくても良いので、補助素子3のゲート抵抗を小さくしてゲートオフを高速化でき、デッドタイムをより短くできるため、スイッチング損失も低減できる。結果として高速スイッチングが可能となる。
尚、図5に示される半導体スイッチ回路1Eでは、半導体スイッチ回路1Bに対して、低圧MOSFET(補助素子)3のドレイン端子とソース端子間にコンデンサ10をさらに並列接続して構成されているが、他の実施形態に係る半導体スイッチ(例えば、半導体スイッチ回路1A)にも適用することができる。
[第6の実施の形態]
図6は、本発明の第6の実施の形態に係る半導体スイッチ回路の一例である半導体スイッチ回路1Fの回路構成を示した回路図である。
図6によれば、半導体スイッチ回路1Fは、第1の実施の形態で説明した半導体スイッチ回路1Aに対して、低圧MOSFET(補助素子)3のソース端子からドレイン端子に向かって珪素半導体材料によるショットキーバリアダイオード11をさらに並列接続した点で相違するが、その他の構成は、実質的に相違しない。そこで、半導体スイッチ回路1Aと実質的に異ならない構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
半導体スイッチ回路1Fは、図6に示されるように、半導体スイッチ回路1Aに対して、低圧MOSFET(補助素子)3のソース端子からドレイン端子に向かってダイオードの一例である珪素半導体材料のショットキーバリアダイオード11をさらに並列接続して構成される。このように構成される半導体スイッチ回路1Fでは、主電流が順方向に流れている際に、主電流が大きくなった場合、補助素子3の導通抵抗だけでは、電圧降下が十分低くならなくても、並列に接続したショットキーバリアダイオード11に主電流が分流するため、電圧降下を低く抑えることができる。
このように、半導体スイッチ回路1Fによれば、主電流が順方向に流れている際に主電流が大きくなった場合であっても、電圧降下を少なくすることができるので、損失を減らすことができる。従って、主電流の許容最大電流をより高くすることができる。
尚、図6に示される半導体スイッチ回路1Fでは、半導体スイッチ回路1Aに対して、低圧MOSFET(補助素子)3のドレイン端子とソース端子間にダイオード(ショットキーバリアダイオード11)をさらに並列接続して構成されているが、他の実施形態に係る半導体スイッチ(例えば、半導体スイッチ回路1B)にも適用することができる。
また、ダイオード(ショットキーバリアダイオード11)の数(並列数)は、1に限定されない。少なくとも1以上の並列数であれば良い。
[第7の実施の形態]
図7は、本発明の第7の実施の形態に係る半導体スイッチ回路の一例である半導体スイッチ回路1Gの回路構成を示した回路図である。
図7によれば、半導体スイッチ回路1Gは、第2の実施の形態で説明した半導体スイッチ回路1Bに対して、ゲート制御回路およびゲート駆動回路を付加して構成される点で相違するが、その他の構成は、実質的に相違しない。そこで、半導体スイッチ回路1Bと実質的に異ならない構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、半導体スイッチ回路1Gは、主素子2と補助素子3と高速還流ダイオード4とを備えて構成される半導体スイッチ回路1Bに対して、共通のゲート信号13を入力したゲート駆動器14からの出力を主素子2のゲート端子と補助素子3のゲート端子にゲート抵抗15を介して供給するように構成されたゲート制御回路およびゲート駆動回路を付加して構成される。ここで、符号16は、ゲート駆動器14にゲート駆動用の電力を供給するゲート駆動用電源である。
このように構成される半導体スイッチ回路1Gでは、共通のゲート信号13が入力されるゲート駆動器14がゲート駆動用電源16からの電力供給を受けて駆動し、その出力を主素子2のゲート端子と補助素子3のゲート端子にゲート抵抗15を介して供給する。つまり、単一で共通のゲート信号13、ゲート駆動器14、ゲート駆動用電源16および2つのゲート抵抗15という極めて単純に構成されるゲート制御回路およびゲート駆動回路によって主素子2および補助素子3を駆動する。その後の動作は、半導体スイッチ回路1Bと同様である。
半導体スイッチ回路1Gによれば、単一で共通のゲート信号13、ゲート駆動器14、ゲート駆動用電源16および2つのゲート抵抗15という極めて単純に構成されるゲート制御回路およびゲート駆動回路によって主素子2および補助素子3を駆動することができる。すなわち、小型で、低コストなゲート制御回路およびゲート駆動回路を実現できる。
尚、図7に示される半導体スイッチ回路1Gでは、ゲート駆動用電源16を1個のみで構成しているが、ゲートオフを高速化する目的や、ゲートオフ時のノイズ等による誤動作を防ぐ目的から、主素子2および補助素子3のゲート端子に負電圧を印加するための負バイアス電源を付加して構成しても良い。
また、図7に示される半導体スイッチ回路1Gでは、第2の実施の形態で説明した半導体スイッチ回路1Bに対して、ゲート制御回路およびゲート駆動回路を付加して構成されているが、他の実施形態に係る半導体スイッチ(例えば、半導体スイッチ回路1A)に対してゲート制御回路およびゲート駆動回路を付加して構成しても良い。
[第8の実施の形態]
図8は、本発明の第8の実施の形態に係る半導体スイッチ回路の一例である半導体スイッチ回路1Hの回路構成を示した回路図である。
図8によれば、半導体スイッチ回路1Hは、第7の実施の形態で説明した半導体スイッチ回路1Gに対して、負極端子8からゲート駆動器14の電源であるゲート駆動用電源16の正側へダイオード18などで構成される電圧クランプ回路をさらに接続して構成される点で相違するが、その他の構成は、実質的に相違しない。そこで、半導体スイッチ回路1Gと実質的に異ならない構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
図8に示されるように、半導体スイッチ回路1Hは、主素子2、補助素子3、高速還流ダイオード4、共通のゲート信号13が入力されるゲート駆動器14、ゲート抵抗15を備えて構成された半導体スイッチ回路1Gに対して、負極端子8からゲート駆動器14の電源であるゲート駆動用電源16の正側へダイオード18などで構成される電圧クランプ回路をさらに接続して構成される。
このように構成される半導体スイッチ回路1Hでは、半導体スイッチ回路1Gの作用および効果に加え、主電流が逆方向に流れている時にゲートオフした瞬間に補助素子3の両端間で発生するサージ電圧のエネルギーをゲート駆動用電源として利用することができるので、ゲート駆動用電源の消費電力を軽減することができる。
また、補助素子3に発生するサージ電圧を抑制することができるので、補助素子3のチップ面積を小さくすることができる。さらに、配線インダクタンスを減らす方策も不要となり、より安価に構成することができる。さらにまた、補助素子3のゲートオフを高速化でき、デッドタイムを短くできるので、スイッチング損失が低減し、結果として高速スイッチングが可能となる。
[第9の実施の形態]
図9は、本発明の第9の実施の形態に係る半導体スイッチ回路の一例である半導体スイッチ回路1Iの回路構成を示した概略図である。なお、図9に示される半導体スイッチ回路1Iに対応する回路図は、図2である。すなわち、半導体スイッチ回路1Iとは、各種素子の配置および配線を工夫して構成された半導体スイッチ回路1Bである。
図9によれば、絶縁物の基板20上に、正極端子7の銅基板(以下、正極基板とする)21および負極端子8の銅基板(以下、負極基板とする)22が配置される。両銅基板21,22は、必要な絶縁が確保できる最小限の距離で互いに少し離して配置される。
図9に示される半導体スイッチ回路1Iでは、正極基板21の上に、主素子2と高速還流ダイオード4とを乗せている。主素子2と高速還流ダイオード4は、両者の間のインダクタンスを少なくなるように、互いに近づけて配置する。主素子(MOSFET)2の半導体チップ裏面はドレイン端子であり、正極基板21に接続される。また、高速還流ダイオード4の半導体チップ裏面は、カソード(陰極)であり、正極基板21に接続されている。また、負極基板22の上には、補助素子3を乗せている。補助素子(低圧MOSFET)3の半導体チップ裏面はドレイン端子であり、負極基板22に接続されている。
主素子(MOSFET)2の半導体チップ表面はソース端子であり、補助素子3の半導体チップ表面もソース端子であり、両方の表面間を電線23で渡し、電気的に接続する。また、高速還流ダイオード4の半導体チップ表面はアノード(陽極)であり、負極基板22との間を電線23で渡し、電気的に接続する。
このように構成される半導体スイッチ回路1Iでは、1つの基板20上に主素子2の半導体チップと、補助素子3の半導体チップと、高速還流ダイオード4の半導体チップとが一体的に形成される。この結果、主素子2と、補助素子3と、高速還流ダイオード4とを巡る配線インダクタンスが少なくなるため、主電流が逆方向のゲートオフの瞬間に、補助素子(低圧MOSFET)3のドレイン端子とソース端子間に発生するサージ電圧をより抑制できる。
また、補助素子3に発生するサージ電圧を抑制することができるので、補助素子3のチップ面積を小さくでき、さらに、補助素子3のゲートオフを高速化できる。補助素子3のゲートオフを高速化できる結果、デッドタイムを短くできるので、スイッチング損失を低減させることができ、結果として高速スイッチングが可能となる。
[第10の実施の形態]
図10は、本発明の実施の形態に係る半導体スイッチ回路を適用して構成された電力変換装置の一例である第1の電力変換装置30Aの回路構成を示した回路図である。
第1の電力変換装置30Aは、図10に示されるように、直流主電源31から伸びる正側直流母線32および負側直流母線33の間に2個の主回路スイッチング素子を直列接続して構成するブリッジを3組配置した三相ブリッジ回路である。正側のスイッチング素子と負側スイッチング素子の間の接続点が出力端子35であり、三相各相が夫々35a、35b、35cに相当する。
より具体的には、主回路スイッチング素子として正側(正側直流母線32の側)の3個のスイッチング素子には本発明に係る半導体スイッチの一例である半導体スイッチ回路1E(図5に図示)を適用し、負側(負側直流母線33の側)の3個のスイッチング素子には、従来の半導体スイッチの一例として特許文献2(特開2006−141168号公報)において第7の実施形態で示された半導体スイッチ36を適用して構成される。尚、直流主電源31は、例えば三相交流電源を整流し、コンデンサにて平滑することで得ることができる。
このように構成される第1の電力変換装置30Aでは、正側に、導通電圧が非常に低く、しかも高速スイッチングが可能な半導体スイッチ回路1Eを配置することで、高効率(低損失)で、安価で、高速スイッチングが可能な電力変換装置を実現することができる。また、半導体スイッチ回路1Eは、付加的な補助電源が不要なため、各相を互いに絶縁分離した個別電源を用意しなくても良いという従来の電力変換装置にはない利点もある。
尚、図10に示される第1の電力変換装置30Aでは、正側(正側直流母線32の側)の3個のスイッチング素子に半導体スイッチ回路1Eを適用し、負側(負側直流母線33の側)の3個のスイッチング素子には、半導体スイッチ36を適用して構成されているが、他の実施形態に係る半導体スイッチ(例えば、半導体スイッチ回路1A)を適用しても構わない。
また、本実施の形態における説明は、負側(負側直流母線33の側)の3個のスイッチング素子を従来の半導体スイッチに限定するものではなく、本発明に係る半導体スイッチ(例えば、半導体スイッチ回路1A)の適用を妨げるものではない。さらに、図10に示される第1の電力変換装置30Aでは、三相ブリッジ回路を例にしたが、多相ブリッジ回路のみならず、単相ブリッジ回路であっても適用できる。
[第11の実施の形態]
図11は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置(本発明の実施の形態に係る半導体スイッチ回路を適用して構成された電力変換装置)の一例である第2の電力変換装置30Bの回路構成を示した回路図である。
図11に示される第2の電力変換装置30Bも、図10と同様に、直流主電源31から伸びる正側直流母線32および負側直流母線33の間に2個の主回路スイッチング素子を直列接続して構成するブリッジを3組配置した三相ブリッジ回路である。正側のスイッチング素子と負側スイッチング素子の間の接続点が出力端子35であり、三相各相が夫々35a、35b、35cに相当する。
より具体的には、第2の電力変換装置30Bでは、正側(正側直流母線32の側)の3個のスイッチング素子に半導体スイッチ回路1G(図7に図示)を適用し、負側(負側直流母線33の側)の3個のスイッチング素子に半導体スイッチ回路1H(図8に図示)を適用している。負側の各スイッチング素子(半導体スイッチ回路1H)の共通ゲート駆動用電源37は、電流抑制用の各々の抵抗器38を介して各相に給電されている。尚、ゲート駆動用電源16を共通化させたため、図11に示される半導体スイッチ回路1Hのゲート駆動用電源16をコンデンサ39としている。
このように構成された第2の電力変換装置30Bでは、正側、負側、双方に、従来よりも高速スイッチングが可能な本発明に係る半導体スイッチ(図11に示される例では、半導体スイッチ回路1G,1H)を配置しているので、第1の電力変換装置30Aの効果に加え、第1の電力変換装置30Aよりもスイッチング速度を高速化することができる。また、サージ電圧のエネルギーをゲート駆動用電源として利用することができるので、ゲート駆動用電源の消費電力を軽減することができる。
尚、図11に示される第2の電力変換装置30Bでは、正側(正側直流母線32の側)の3個のスイッチング素子に半導体スイッチ回路1G(図7に図示)を適用し、負側(負側直流母線33の側)の3個のスイッチング素子に半導体スイッチ回路1H(図8に図示)を適用しているが、適用する本発明の半導体スイッチはこれらに限定されない。例えば、正側(正側直流母線32の側)および負側(負側直流母線33の側)の6個のスイッチング素子に半導体スイッチ回路1H(図8に図示)を適用しても構わない。
[第12の実施の形態]
図12は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置(本発明の実施の形態に係る半導体スイッチ回路を適用して構成された電力変換装置)の一例である第3の電力変換装置30Cの回路構成を示した回路図である。
第3の電力変換装置30Cは、第2の電力変換装置30B(図11に図示)に対して、抵抗器38の代わりに充電用スイッチ40を備える点で相違しているが、その他の点は実質的に相違しない。そこで、第2の電力変換装置30Bの構成要素と実質的に相違しない構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
図12に示される第3の電力変換装置30Cは、図11と同様に、直流主電源31から伸びる正側直流母線32および負側直流母線33の間に2個の主回路スイッチング素子を直列接続して構成するブリッジを3組配置した三相ブリッジ回路である。正側のスイッチング素子と負側スイッチング素子の間の接続点が出力端子35であり、三相各相が夫々35a、35b、35cに相当する。
より具体的には、正側(正側直流母線32の側)の3個のスイッチング素子に半導体スイッチ回路1G(図7に図示)を適用し、負側(負側直流母線33の側)の3個のスイッチング素子に半導体スイッチ回路1H(図8に図示)を適用している。また、負側(負側直流母線33の側)の各半導体スイッチ回路1Hの共通ゲート駆動用電源37から、充電用スイッチ40を介して、各相に電力が給電されている。
このように構成された第3の電力変換装置30Cでは、充電用スイッチ40が同相の主素子2および補助素子3のオン/オフのタイミングと同期させる。より具体的には、同相の主素子2および補助素子3がオンしている時のみ、充電用スイッチ40をオンさせる。
第3の電力変換装置30Cによれば、第2の電力変換装置30Bの効果に加え、充電用スイッチ40のオン/オフのタイミングを制御することで、第2の電力変換装置30Bにおける抵抗器38よりも損失を少なくすることができる。従って、第2の電力変換装置30Bの回路よりも小型に回路を構成することができる。尚、図12に示される第3の電力変換装置30Cにおいて適用される本発明の半導体スイッチは図示されるものに限定されない点は第2の電力変換装置30Bと同様である。
[第13の実施の形態]
図13は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置(本発明に係る半導体スイッチを適用して構成された電力変換装置)の一例である第4の電力変換装置30Dの回路構成を示した回路図である。
第4の電力変換装置30Dは、図13に示されるように、直流主電源31から正側直流母線32および負側直流母線33が伸び、両母線32,33間に、2個の主回路スイッチング素子を直列接続して構成するブリッジを2組配置して構成される単相全ブリッジ回路である。
2組のブリッジのうち、一方のブリッジには、正側(正側直流母線32の側)のスイッチング素子および負側(負側直流母線33の側)のスイッチング素子として本発明に係る半導体スイッチの一例である半導体スイッチ回路1Gを適用した高速スイッチングブリッジ回路41を構成する。他方のブリッジには、正側(正側直流母線32の側)のスイッチング素子および負側(負側直流母線33の側)のスイッチング素子として従来のスイッチング素子であるIGBT42を適用した低速スイッチングブリッジ回路43を構成する。
このように構成された第4の電力変換装置30Dでは、高速スイッチングブリッジ回路41のスイッチング頻度を低速スイッチングブリッジ回路43より高くするように動作させる。このように動作制御することによって、従来よりも高効率で高速スイッチング可能な電力変換装置をより安価で単純な回路構成で実現できる。
尚、図13に示される第4の電力変換装置30Dでは、単相全ブリッジ回路の例を説明したが、第4の電力変換装置30Dは、単相全ブリッジ回路に限定されるものではない。第4の電力変換装置30Dは、2個の主回路スイッチング素子を直列接続して構成するブリッジを複数有するブリッジ回路であって少なくとも1以上の高速スイッチングブリッジ回路41を有していれば良い。例えば、図10ないし図12で示した三相ブリッジ回路でも良い。
以上、本発明によれば、従来と比較して回路構成を単純化しつつも還流ダイオードの逆回復電流をより効果的に抑制することができるので、損失をさらに低減した半導体スイッチ回路および当該半導体スイッチ回路を適用した電力変換装置を提供することができる。また、本発明は、従来のようにスイッチングタイミングの制約がないので、スイッチング速度を従来よりも高速化した半導体スイッチ回路および当該半導体スイッチ回路を適用した電力変換装置を提供することができる。尚、本発明は上記の各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化しても良い。
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I 半導体スイッチ回路
2 主素子
3 補助素子
4 高速還流ダイオード
4D ワイドギャップ半導体を材料とする高速還流ダイオード
5 逆導通ダイオード
6 寄生ダイオード
7 正極端子
8 負極端子
10 コンデンサ
11 ショットキーバリアダイオード
13 ゲート信号
14 ゲート駆動器
15 ゲート抵抗
16 ゲート駆動用電源
18 ダイオード(クランプ回路)
20 絶縁物基板
21 正極基板(正極端子の銅基板)
22 負極基板(負極端子の銅基板)
23 電線
30A,30B,30C,30D 電力変換装置
31 直流主電源
32 正側直流母線
33 負側直流母線
35(35a,35b,35c) 出力端子
36 従来例の半導体スイッチ
37 充電用スイッチ
38 抵抗器
39 コンデンサ
40 スイッチ
41 高速スイッチングブリッジ回路
42 IGBT(従来のスイッチング素子)
43 低速スイッチングブリッジ回路

Claims (6)

  1. 逆導通ダイオードが内蔵された第1のスイッチング素子と、
    逆導通ダイオードとは逆の導通方向となる寄生ダイオードが内蔵され、前記第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子と、
    前記第1のダイオードと同じ導通方向となるように前記第1及び第2のスイッチング素子に並列接続されたダイオードと、
    前記第1及び第2のスイッチング素子の開閉タイミングを制御するゲート駆動手段と、を備え、
    前記ダイオードのカソード側が正極端子に接続され、アノード側が負極端子に接続されたことを特徴とする半導体スイッチ回路。
  2. 前記ゲート駆動手段は、前記第1のスイッチング素子の開閉タイミングと、前記第2のスイッチング素子の開閉タイミングとを同期して開閉制御する請求項1に記載の半導体スイッチ回路。
  3. 前記第2のスイッチング素子の耐圧が前記第1のスイッチング素子の耐圧の半分以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体スイッチ回路。
  4. 第1及び第2の半導体スイッチ回路が直列に接続され、前記半導体スイッチ回路の開閉を制御する手段を備える電力変換装置であり、
    前記第1の半導体スイッチ回路は、
    第1の逆導通ダイオードが内蔵された第1のスイッチング素子と、
    前記第1の逆導通ダイオードとは逆の導通方向となる第1の寄生ダイオードが内蔵され、前記第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子と、
    前記第1の逆導通ダイオードと同じ導通方向となるように前記第1及び第2のスイッチング素子に並列接続された第1のダイオードと、
    前記第1及び第2のスイッチング素子の開閉のタイミングを制御するゲート駆動手段と、を備え、
    前記第2の半導体スイッチ回路は、
    第2の逆導通ダイオードが内蔵された第3のスイッチング素子と、
    前記第2の逆導通ダイオードとは逆の導通方向となる第2の寄生ダイオードが内蔵され、前記第3のスイッチング素子に直列接続された第4のスイッチング素子と、
    前記第1及び第2の寄生ダイオードと同じ導通方向となるように前記第3及び第4のスイッチング素子に並列接続された第2のダイオードと、
    前記第3及び前記第4のスイッチング素子の開閉のタイミングとを制御するゲート駆動手段と、を備え、
    前記第1のダイオードのカソード側が直流電源の正側に接続され、前記第2のダイオードのアノード側が直流電源の負側に接続されたことを特徴とする電力変換装置。
  5. 前記ゲート駆動手段は、前記第1のスイッチング素子の開閉タイミングと、前記第2のスイッチング素子の開閉タイミングとを同期して開閉制御し、
    前記第3のスイッチング素子の開閉タイミングと、前記第4のスイッチング素子の開閉タイミングとを同期して開閉制御する請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記第2のスイッチング素子の耐圧が前記第1のスイッチング素子の耐圧の半分以下であり、
    前記第3のスイッチング素子の耐圧が前記第4のスイッチング素子の耐圧の半分以下である請求項4又は請求項5に記載の電力変換装置。
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