JP2015155494A - インク組成物、インクセット、及びブラックインクセット - Google Patents

インク組成物、インクセット、及びブラックインクセット Download PDF

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Abstract

【課題】クリーニング誘発性吐出不良が抑制でき、間欠特性に優れるインク組成物、インクセット、及びブラックインクセットを提供することを目的とする。
【解決手段】顔料と、HLB4未満のアセチレンジオールと、アニオン系界面活性剤と、を含み、
前記アニオン系界面活性剤に対する前記アセチレンジオールの質量比が、0.30〜4.0である、インク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物、インクセット、及びブラックインクセットに関する。
ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射装置には、記録媒体に対してインクを噴射するインクジェット式プリンタ(以下単に、プリンタという。)が知られている。このプリンタでは、インクの噴射不良を低減するために、インクを噴射する噴射ノズルから増粘したインクなどを吐出させるクリーニングが適宜行われている。
このクリーニングでは、ノズルの形成されるノズル形成面を吸引キャップで封止した後に、そのノズル形成面と吸引キャップとで気密にされる空間(吸引キャップ内)を吸引ポンプにより吸引している。つまり、クリーニングでは、インクの吐出方向側に負圧となる空間を形成し、その負圧を利用して増粘したインクなどをノズルから排出させている。
さて、こうしたクリーニングでは、一般に、ノズルから吐出されるインクは、吸引キャップを介して吸引ポンプで吸引された後、液体回収ユニットとしてのインク回収ユニットに排出されている。そのインク回収ユニットには、インクを吸収するインク吸収体が収容されている。そして、そのインク吸収体が排出されるインクを吸収することによって、吸引ポンプから排出されるインクを回収している。
インク回収ユニットに着目した技術としては、例えば、特許文献1が知られている。特許文献1には、吸引ポンプの排出口から液体回収ユニットへ排出される液体に含有される泡を消失し、排出される液体を円滑に吸収して回収する液体吸収体を提供することを目的として、液体と気体とを吸引して空間を減圧する吸引手段の排出口から排出される液体を吸収する液体吸収体において、前記排出口から排出される液体に含まれる泡を消失させる消泡剤を備えたことを特徴とする液体吸収体が開示されている。
特開2006−21451号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、記録装置において消泡剤を液体回収ユニットの液体吸収体に供給する機構がさらに必要となるという問題がある。
また、上記するノズルから吸引されるインクには、吸引(陰圧)によりインク中に生じた気泡が含まれている。吸引キャップには、増粘したインクとともに細かい気泡が排出される。これらの気泡は、吸引キャップ内のインク吸収体に吸収されにくいため、吸引キャップにインク組成物が蓄積され、やがて吸引キャップからインク組成物が溢れ出すようになる。吸引キャップからインク組成物が溢れ出すと、クリーニングの際にノズル形成面が汚染され、クリーニング誘発性吐出不良が生じる恐れがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、クリーニング誘発性吐出不良が抑制でき、間欠特性に優れるインク組成物、インクセット、及びブラックインクセットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定のアセチレンジオールとアニオン系界面活性剤とを用いることにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
顔料と、HLB4未満のアセチレンジオールと、アニオン系界面活性剤と、を含み、
前記アニオン系界面活性剤に対する前記アセチレンジオールの質量比が、0.30〜4.0である、インク組成物。
〔2〕
炭素数4〜6の1,2−アルカンジオールをさらに含み、
前記1,2−アルカンジオールに対する前記アセチレンジオールの質量比が、0.0010〜0.100である、前項〔1〕に記載のインク組成物。
〔3〕
前記アセチレンジオールが、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールを含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のインク組成物。
〔4〕
前記アニオン系界面活性剤の含有量が、0.025〜0.25質量%である、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔5〕
前記アセチレンジオールの含有量が、0.010〜0.40質量%である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔6〕
前記アニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレン系化合物及び硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔7〕
前記顔料の含有量が、5.0質量%以上である、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔8〕
吸引キャップを有する記録装置用の、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔9〕
HLB7以上のアセチレンジオール誘導体をさらに含む、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔10〕
ピロリドン誘導体をさらに含む、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔11〕
溶存窒素量が、10ppm以上である、前項〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔12〕
前記顔料が、自己分散型カーボンブラックを含む、前項〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔13〕
前項〔12〕に記載のインク組成物である自己分散型ブラックインクと、カラーインクとを備える、インクセット。
〔14〕
前項〔12〕に記載のインク組成物である自己分散型ブラックインクと、
樹脂分散型カーボンブラック及びHLB4未満のアセチレンジオールを含む樹脂分散型ブラックインクと、を含み、
前記樹脂分散型ブラックインクに含まれる前記アセチレンジオールの含有量が、前記自己分散型ブラックインクに含まれるアセチレンジオールの含有量よりも少なく、前記樹脂分散型カーボンブラックの含有量が、3.0質量%以下である、ブラックインクセット。
〔15〕
前項〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載のインク組成物、前項〔13〕に記載のインクセット、又は前項〔14〕に記載のブラックインクセットを備えた、記録装置。
記録装置に備えられる吸引キャップの概略図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
〔インク組成物〕
本実施形態のインク組成物は、顔料と、HLB4未満のアセチレンジオールと、アニオン系界面活性剤と、を含み、前記アニオン系界面活性剤に対する前記アセチレンジオールの質量比が、0.30〜4.0である。
〔顔料〕
ブラックインクに使用されるカーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
ブラックインクの場合の顔料としては、特に限定されないが、具体的には、自己分散型カーボンブラック、樹脂分散型カーボンブラックが挙げられる。このなかでも、自己分散型カーボンブラックが好ましい。自己分散型カーボンブラックは、窒素を含みやすく、インク組成物の溶存窒素量が高くなり、気泡が発生しやすい傾向にあるため、本発明が特に有利である。
ホワイトインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:2、48:5、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、上記以外の顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
顔料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記の顔料は、分散性顔料であってもよい。顔料の分散方法としては、たとえば、水溶性樹脂を用いて分散させる方法、界面活性剤を用いて分散させる方法、顔料粒子表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し、分散および/または溶解可能とする方法等が挙げられる。本実施形態に用いる顔料には、前記のいずれの方法も用いることができ、必要に応じて各方法を組み合わせた形態で用いることもできる。特に、水溶性樹脂により顔料が水性インク組成物中に分散される方法では、水性インク記録物が記録媒体に付着したときに、記録媒体と水性インク組成物、および/または、水性インク組成物中の固化物間の密着性を高めることができる場合があり好ましい。また、顔料粒子表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入して顔料を水性インク組成物中に分散させる方法は、顔料の分散安定性を高め、該水性インク組成物の保存安定性を良好にする点で好ましい。
顔料の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは5.0〜10質量%であり、より好ましくは5.0〜9.0質量%であり、さらに好ましくは5.0〜8.0質量%である。顔料の含有量が5.0質量%以上であることにより、OD値がより向上する傾向にある。また、顔料の含有量が10質量%以下であることにより、吐出安定性、放置信頼性がより向上する傾向にある。
〔HLB4未満のアセチレンジオール〕
本実施形態のインク組成物は、HLB4未満のアセチレンジオールを含むことにより、インク組成物の消泡性がより向上し、これによりクリーニング誘発性吐出不良を抑制することができる。なお、本発明におけるHLBは、グリフィン法によって下記式で定義される。HLBの下限は特に限定されないが、0以上が好ましい。
HLB値=20×親水部の式量の総和/分子量
HLB4未満のアセチレンジオールとしては、特に限定されないが、例えば、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールが挙げられる。このようなHLB4未満のアセチレンジオールを用いることにより、消泡性がより向上し、これによりクリーニング誘発性吐出不良をより抑制できる傾向にある。HLB4未満のアセチレンジオールは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、本実施形態のインク組成物は、HLBが4以上の2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(市販品としてサーフィノール104)などは含まない。
HLB4未満のアセチレンジオールの含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.010〜0.40質量%であり、より好ましくは0.012〜0.30質量%であり、さらに好ましくは0.014〜0.20質量%である。HLB4未満のアセチレンジオールの含有量が0.01質量%以上であることにより、クリーニング誘発性吐出不良をより抑制できる傾向にある。また、HLB4未満のアセチレンジオールの含有量が0.40質量%以下であることにより、間欠特性がより向上する傾向にある。
〔HLB7以上のアセチレンジオール誘導体〕
本実施形態のインク組成物は、HLB7以上のアセチレンジオール誘導体をさらに含むことが好ましい。HLB7以上のアセチレンジオール誘導体をさらに含むことにより、吐出安定性がより向上する傾向にある。HLB7以上のアセチレンジオール誘導体としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。HLB7以上のアセチレンジオール誘導体の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィンE1010、サーフィノール465が挙げられる。
HLB7以上のアセチレンジオール誘導体の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.10〜1.5質量%であり、より好ましくは0.15〜1.0質量%であり、さらに好ましくは0.25〜0.75質量%である。HLB7以上のアセチレンジオール誘導体の含有量が0.10質量%以上であることにより、吐出安定性がより向上する傾向にある。また、HLB7以上のアセチレンジオール誘導体の含有量が1.5質量%以下であることにより、放置信頼性がより向上する傾向にある。
また、HLB4未満のアセチレンジオールの溶解性向上の観点から、HLB7以上のアセチレンジオール誘導体の含有量は、HLB4未満のアセチレンレンジオールの含有量超過が好ましく、より好ましくはHLB4未満のアセチレンレンジオールの含有量の2倍以上である。
〔アニオン系界面活性剤〕
比較的疎水性のHLB4未満のアセチレンジオールは、ノズル口からの水分の蒸発に伴ってメニスカスに集まり、ノズル口付近のインクを増粘させる傾向がある。そのため、HLB4未満のアセチレンジオールを含むインク組成物の間欠特性は低下しやすい。しかしながら、本実施形態のインク組成物は、アニオン系界面活性剤を含むことによりHLB4未満のアセチレンジオールの水中での溶解性を向上させることができるため、インクの増粘を緩和することができ、優れた間欠特性を示す。
アニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、アルキル型リン酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。このなかでも、ポリオキシエチレン系化合物及び硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。ポリオキシエチレン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸塩等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩が挙げられる。また、硫酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩が挙げられる。このようなアニオン系界面活性剤を用いることにより、間欠特性がより向上する傾向にある。また、アニオン系界面活性剤としては、樹脂であるアニオン形界面活性剤を用いることもできる。なお、アニオン系界面活性剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
アニオン系界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.025〜0.25質量%であり、より好ましくは0.030〜0.20質量%であり、さらに好ましくは0.050〜0.20質量%である。アニオン系界面活性剤の含有量が0.025質量%以上であることにより、間欠特性がより向上する傾向にある。また、アニオン系界面活性剤の含有量が0.25質量%以下であることにより、起泡性をより低減できる傾向にある。
アニオン系界面活性剤に対するアセチレンジオールの質量比(アニオン系界面活性剤の質量を1とした場合)は、0.30〜4.0であり、好ましくは0.50〜3.5であり、より好ましくは0.60〜3.0である。アニオン系界面活性剤に対するアセチレンジオールの質量比が0.30以上であることにより、クリーニング誘発性吐出不良をより抑制できる。また、アニオン系界面活性剤に対するアセチレンジオールの質量比が4.0以下であることにより、間欠特性がより向上する。
〔炭素数4〜6の1,2−アルカンジオール〕
本実施形態のインク組成物は、炭素数4〜6の1,2−アルカンジオールをさらに含むことが好ましい。炭素数4〜6の1,2−アルカンジオールをさらに含むことにより、吐出安定性がより向上する傾向にある。炭素数4〜6の1,2−アルカンジオールとしては、特に限定されないが、例えば、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールが挙げられる。
炭素数4〜6の1,2−アルカンジオールの含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.50〜6.0質量%であり、より好ましくは1.0〜5.0質量%であり、さらに好ましくは2.0〜4.0質量%である。炭素数4〜6の1,2−アルカンジオールの含有量が0.50質量%以上であることにより、吐出安定性がより向上する傾向にある。また、炭素数4〜6の1,2−アルカンジオールの含有量が6.0質量%以下であることにより、放置信頼性がより向上する傾向にある。
1,2−アルカンジオールに対するアセチレンジオールの質量比(1,2−アルカンジオールの質量を1とした場合)は、好ましくは0.0010〜0.100であり、より好ましくは0.0025〜0.075であり、さらに好ましくは0.0050〜0.050である。1,2−アルカンジオールに対するアセチレンジオールの質量比が0.0010以上であることにより、消泡性がより向上する傾向にある。また、1,2−アルカンジオールに対するアセチレンジオールの質量比が0.100以下であることにより、溶解性を確保できる。
〔ピロリドン誘導体〕
本実施形態のインク組成物は、ピロリドン誘導体をさらに含むことが好ましい。ピロリドン誘導体をさらに含むことにより、間欠能力がより向上する傾向にある。ピロリドン誘導体としては、特に限定されないが、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN−エチル−2−ピロリドンが挙げられる。
ピロリドン誘導体の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは1.0〜12質量%であり、より好ましくは2.0〜10質量%であり、さらに好ましくは4.0〜8.0質量%である。ピロリドン誘導体の含有量が1.0質量%以上であることにより、間欠性がより向上する傾向にある。また、ピロリドン誘導体の含有量が12質量%以下であることにより、放置信頼性がより向上する傾向にある。
〔樹脂〕
本実施形態のインク組成物は、樹脂をさらに含有することが好ましい。樹脂としては、例えば、溶媒中にポリマー成分をエマルションの形態で分散もしくは溶解させたものを用いることができる。このなかでも、エマルションの形態で分散もしくは溶解させたものが好ましい。このような樹脂を用いることにより、耐水性や耐擦性により優れた記録物が得られる傾向にある。
樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、パラフィン樹脂、フッ素樹脂、及び水溶性樹脂、並びにこれらの樹脂を構成する単量体を組み合わせた共重合体が挙げられる。共重合体としては、特に限定されないが、例えば、スチレンブタジエン樹脂、スチレンアクリル樹脂が挙げられる。また、樹脂としては、これら樹脂を含むポリマーラテックスを用いることができる。例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂の微粒子を含むポリマーラテックスが挙げられる。
このなかでも、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及び水溶性樹脂並びにこれらの樹脂を構成する単量体を組み合わせた共重合体が好ましい。これら樹脂は、得られる記録物の耐擦性がより向上する傾向にある。なお、樹脂は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
樹脂の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.5〜5.0質量%であり、より好ましくは0.5〜4.0質量%であり、さらに好ましくは0.5〜3.0質量%である。樹脂の含有量が0.5質量%以上であることにより、メディアへの定着性がより向上する傾向にある。また、樹脂の含有量が5.0質量%以下であることにより、放置信頼性がより向上する傾向にある。
〔その他の成分〕
本実施形態のインク組成物は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインク組成物の劣化を防止するため、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
〔溶存窒素量〕
インク組成物中の溶存窒素量は、一般的には、溶存窒素量が低いほど気泡の発生が抑制され、クリーニング誘発性吐出不良が抑制される。しかし、インク組成物の溶存窒素量を低く保つためには、製造段階や保存段階において脱気機構が必要となる。この点において、本実施形態のインク組成物であれば溶存窒素量が10ppm以上、又は15ppm以上であったとしても、HLB4未満のアセチレンジオールの消泡効果により気泡が生じにくいため、クリーニング誘発性吐出不良が抑制される傾向にある。なお、溶存窒素量の上限は特に限定されないが、50ppm以下が好ましく、25ppm以下がより好ましい。なお、溶存窒素量は実施例に記載の方法により測定することができる。
〔吸引キャップを有する記録装置用インク組成物〕
本実施形態のインク組成物は、吸引キャップを有する記録装置用であることが好ましい。吸引キャップを有する記録装置を用いる場合、気泡が生じやすいインク組成物では、吸引キャップ内に排出されたインク組成物が蓄積しやすく、クリーニング誘発性吐出不良が特に生じやすい。そのため、本発明が特に有利である。以下、吸引キャップについて図1を用いて説明する。
図1に、記録装置に備えられる吸引キャップの概略図を示す。図1に示すように、長手方向に沿って丸棒状のガイド軸16が架設されている。ガイド軸16には、キャリッジ17が長手方向に沿って移動可能に挿通支持されている。そのキャリッジ17は、キャリッジモータ(不図示)の駆動力を受けて、ガイド軸16に沿って左右方向(主走査方向X)に往復動するようになっている。
キャリッジ17の下側には、ガイド軸16と平行にプラテン18が配設されている。プラテン18は、キャリッジ17と相対向するように配置され給紙部から給紙されてくる記録用紙Pを支持する支持台である。そのプラテン18には、主走査方向Xと直行する方向(副走査方向Y)に記録用紙Pを給送する紙送り機構(不図示)が設けられている。
キャリッジ17には記録ヘッド19が配設されており、記録ヘッド19にはノズル形成面19aが形成されている。そのノズル形成面19aには、液体としてのインクを噴射させる複数の液体噴射ノズル(不図示)が形成されている。
吸引キャップ26は、上側を開口した箱体状に形成され、昇降機構(不図示)によって、上下方向に沿って往復動可能に支持されている。その吸引キャップ26の底面には、その上下方向に貫通する吸引孔26aが形成されている。また、その吸引キャップ26の内側には、シート状に形成された吐出インク吸収体26bが配設されている。さらに、吸引キャップ26の上縁には、可撓性部材からなる四角枠状の外枠26cが形成されている。
そして、記録ヘッド19が非印刷領域に移動し吸引キャップ26が上動すると、吸引キャップ26の外枠26cが記録ヘッド19に当接してノズル形成面19aを封止する。これによって、吸引キャップ26内には、ノズル形成面19aを密閉する空間、すなわちキャップ内空間が形成される。
その吸引キャップ26の底面に形成される吸引孔26aには、排出チューブ27が接続されている。排出チューブ27は、空気やインク等の流路であって、吸引ポンプ28を介してキャップ内空間とインク回収ユニット30とを連通可能にしている。その吸引ポンプ28は、ポンプモータ(不図示)にて稼動するポンプである。そして、吸引ポンプ28が稼動すると、キャップ内空間の気体が吸引されて吸引ポンプ28の吸引能力と相対する負圧が形成される。この負圧によって、記録ヘッド19内にある増粘したインク等が液体噴射ノズルからキャップ内空間(吐出インク吸収体26b)に向かって吐出される。その吐出されたインク等はキャップ内空間の気体とともに吸引ポンプ28および排出チューブ27を介してインク回収ユニット30に排出される。
このように、クリーニング機構25は、吸引キャップ26内を負圧にすることによって、増粘したインク等を液体噴射ノズルから吐出させて、記録ヘッド19内のクリーニングを行う。同時に、クリーニング機構25は、吐出されたインク等を吸引ポンプ28に吸引させ、インク回収ユニット30内に排出する。
〔インクセット〕
本実施形態のインクセットは、自己分散型カーボンブラックを含む上記インク組成物(以下、「自己分散型ブラックインク」ともいう)と、カラーインクとを備える。自己分散型ブラックインクに含まれるカーボンブラックは、窒素を含みやすく、クリーニング誘発性吐出不良の原因となる溶存窒素量を増加させやすい傾向にあるため、特に本発明が有利である。また、通常、記録物上でブラックインクがカラーインクにブリードすることを抑制する観点から、ブラックインクの濡れ性は低い、すなわち界面活性剤の含有量が少ないほうが好ましい。この点においても、比較的少量のアニオン性界面活性剤を含むことでクリーニング誘発性吐出不良を抑制しかつ間欠特性を向上できる本実施形態のインク組成物を、ブラックインクとして用いることが好ましい。
「カラーインク」とは、カラー顔料を含むインク組成物であれば、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。カラーインクは、HLB4未満のアセチレンジオールを含まなくてもよい。カラーインクに含まれる界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が挙げられる。
なお、自己分散型ブラックインクの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、顔料、樹脂、及びアセチレンジオール以外の成分と、水と、を混合し、次いで、得られた混合物に顔料、樹脂、及びアセチレンジオールを混合する方法が挙げられる。
〔ブラックインクセット〕
本実施形態のブラックインクセットは、上記インク組成物である自己分散型ブラックインクと、樹脂分散型カーボンブラックと、HLB4未満のアセチレンジオールと、を含む樹脂分散型ブラックインクと、を含み、前記樹脂分散型ブラックインクに含まれる前記アセチレンジオールの含有量が、前記自己分散型ブラックインクに含まれる前記アセチレンジオールの含有量よりも少なく、前記樹脂分散型カーボンブラックの含有量が、3.0質量%以下である。
自己分散型ブラックインクと樹脂分散型カーボンブラックとを備えるブラックインクセットとすることにより、次のような効果がある。まず、自己分散ブラックインクは、マット紙において、より高い黒濃度を提供できる。これはカーボン間の樹脂が少なく、細密にマット紙上に定着するためである。一方、樹脂分散型ブラックインクは、光沢紙において、高い黒濃度と光沢性を提供できる。これは、1,2−ヘキサンジオール等の有機溶剤により膨潤した分散樹脂が、定着した顔料表面を、滑らかに覆うことで、光沢感がでるからである。以上の効果により、本実施形態のブラックインクセットであれば、広汎な被記録媒体に対して品質の高い記録物を得ることができる。
樹脂分散型ブラックインクに含まれる樹脂分散型カーボンブラック及びHLB4未満のアセチレンジオールは上記と同様のものが挙げられる。
樹脂分散型ブラックインクに含まれるHLB4未満のアセチレンジオールの含有量は、前記自己分散型ブラックインクに含まれるHLB4未満のアセチレンジオールの含有量よりも少ない。具体的には、樹脂分散型ブラックインクに含まれるHLB4未満のアセチレンジオールの含有量は、好ましくは0.0015〜0.0075質量%であり、より好ましくは0.0020〜0.0070質量%であり、さらに好ましくは0.0025〜0.0065質量%である。樹脂分散型ブラックインクに含まれるHLB4未満のアセチレンジオールの含有量が、前記自己分散型ブラックインクに含まれるHLB4未満のアセチレンジオールの含有量よりも少ないことにより、次のような効果がある。樹脂分散型ブラックインクは、顔料の含有量が比較的低く、自己分散型ブラックインクと異なり、溶存窒素量も少なくなる傾向があるため、HLB4未満のアセチレンジオールは少なくてもよい。また、当該アセチレンジオールは、疎水性が強いため、液媒中から分離する恐れ、分散剤である樹脂に対してアタックする恐れがあるため、少ないほうが好ましい。
樹脂分散型カーボンブラックの含有量は、樹脂分散型ブラックインクの総量に対して、3.0質量%以下であり、好ましくは2.75質量%以下である。また、樹脂分散型カーボンブラックの含有量の下限は特に限定されないが0.50質量%以上が好ましい。樹脂分散型カーボンブラックの含有量が3.0質量%以下であることにより、放置信頼性がより向上する傾向にある。
〔記録装置〕
本発明の一実施形態に係る記録装置は、上述したインク組成物又はインクセットを用いて画像を記録するものである。また、本実施形態に係る記録装置は、吸引キャップを備え、当該キャップで上述したインク組成物又はクリーニングするものであると好ましい。
記録装置の印刷方式は、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷等様々なものが挙げられる。中でもインクジェット印刷方式を利用したインクジェット記録装置が好ましい。インクジェットインクの吐出方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方式(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方式)においては優れた画像記録を行うことが可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔顔料〕
自己分散カーボンブラック
樹脂分散カーボンブラック
樹脂分散PB15:3
樹脂分散PY74
樹脂分散PV19
〔溶媒〕
グリセリン
2−ピロリドン
1,2−ヘキサンジオール
ジプロピレングリコール
〔アセチレンジオール誘導体〕
オルフィンE1010 (HLB=13、日信化学工業社製)
〔アセチレンジオール〕
化合物A (2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、HLB=3)
〔シリコーン系界面活性剤〕
BYK348(BASF社製)
〔アニオン系界面活性剤〕
ポリオキシエチレン オレイルエーテル硫酸ナトリウム(花王ケミカル社製、製品名ラテムルWX)
ラウリル硫酸ナトリウム(花王ケミカル社製、製品名エマール10G)
ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸塩(ミヨシ油脂社製、製品名MP-2H)
〔樹脂〕
ウレタン樹脂エマルジョン
[インク組成物の調製]
各材料を下記の表1及び2に示す組成を混合し、十分に撹拌し、各インク組成物を得た。なお、下記の表1及び2中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
〔溶存窒素量の測定方法〕
各インクの溶存窒素量は、ガスクロマトグラフ6890N(Agilent社製商品名)を用い、質量換算で測定した。
〔表面張力〕
インク組成物の表面張力を表面張力計(協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定した。なお、単位は「mN/m」である。
〔クリーニング誘発性吐出不良評価試験〕
PX−G930(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製)に各インク組成物を充填し、吸引ポンプを用いてクリーニングを実行した。その後、被記録媒体(セイコーエプソン社製、製品名スーパーファイン)上にインク組成物を吐出し、ノズルチェックパターンを形成した。得られたノズルチェックパターンを目視にて観察し、ノズル抜け、ノズル曲がり等の正しく着弾していないノズルの本数を確認した。全ノズル本数に対する、ノズル抜け、ノズル曲がり等の正しく着弾していないノズルの本数の割合(誘発率)により、下記評価基準に基づいてクリーニング誘発性吐出不良の評価を行った。
(評価基準)
A:誘発率が20%未満であった。
B:誘発率が20%以上、40%未満であった。
C:誘発率が40%以上であった。
誘発率:クリーニング後のノズルチェックパターンにおいて、ノズル抜け、、ノズル曲がりが観察された割合(クリーニングの失敗)
〔間欠特性評価試験〕
得られたインク組成物を、インクジェットプリンターPX−H6000のヘッド内に充填した。充填後、ノズルチェックパターンを印刷して充填不良・ノズル詰まりのないことを確認した。確認後、被記録媒体(セイコーエプソン社製、製品名スーパーファイン)上にインク組成物を吐出し、罫線パターンを形成した。その後、4秒間吐出動作を止め、再度、被記録媒体(セイコーエプソン社製、製品名スーパーファイン)上にインク組成物を吐出し、罫線パターンを形成した。吐出動作を止めた前後における、インク組成物の着弾位置を比較して、下記評価基準に基づいて間欠特性の評価を行った。
(評価基準)
A:インク着弾位置ズレが10μm以内であった。
B:インク着弾位置ズレが10μm超過、40μm以下であった。
C:インク着弾位置ズレが40μm超過、150μm以下であった。
D:インク着弾位置ズレが150μm超過、またはインクが吐出されない。
Figure 2015155494
Figure 2015155494
表2に記載のBk1とBk2、Bk1とC、Bk1とY、Bk1とMをそれぞれ含むインクセットを作製した。得られたインクセットを、インクジェットプリンターPX−H6000にセットした。セット後、ノズルチェックパターンを印刷して充填不良・ノズル詰まりのないことを確認した。確認後、被記録媒体上にインク組成物を吐出した。なお、Bk1とBk2を含むブラックインクセットの場合は、被記録媒体として、マット紙(セイコーエプソン社製、製品名スーパーファイン)、光沢紙(セイコーエプソン社製、製品名写真用紙<光沢>)を用いた。また、Bk1とC、Bk1とY、Bk1とMをそれぞれ含むインクセットの場合は、被記録媒体として、マット紙(セイコーエプソン社製、製品名スーパーファイン)を用いた。さらに、Bk1とC、Bk1とY、Bk1とMをそれぞれ含むインクセットの場合は、Bk1のベタパターンと、C、Y、又はMのベタパターンの境界線が接するように記録を行なった。
Bk1とBk2を含むブラックインクセットを用いることにより、被記録媒体をマット紙とした場合に、より高い黒濃度を有する記録物を得ることができ、かつ、被記録媒体を光沢紙とした場合に、より高い黒濃度と光沢性を有する記録物を得ることができた。
また、Bk1とC、Bk1とY、Bk1とMをそれぞれ含むインクセットを用いることにより、クリーニング誘発性吐出不良を抑制しかつ間欠特性を向上させつつ、記録物上でブラックインクがカラーインクにブリードすることを抑制することができた。
16…ガイド軸、17…キャリッジ、18…プラテン、19…記録ヘッド、19a…ノズル形成面、25…クリーニング機構、26…キャップ、26a…吸引孔、26b…吐出インク吸収体、26c…外枠、27…排出チューブ、28…吸引ポンプ、30…インク回収ユニット、P…記録用紙

Claims (15)

  1. 顔料と、HLB4未満のアセチレンジオールと、アニオン系界面活性剤と、を含み、
    前記アニオン系界面活性剤に対する前記アセチレンジオールの質量比が、0.30〜4.0である、インク組成物。
  2. 炭素数4〜6の1,2−アルカンジオールをさらに含み、
    前記1,2−アルカンジオールに対する前記アセチレンジオールの質量比が、0.0010〜0.100である、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記アセチレンジオールが、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールを含む、請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記アニオン系界面活性剤の含有量が、0.025〜0.25質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記アセチレンジオールの含有量が、0.010〜0.40質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記アニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレン系化合物及び硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 前記顔料の含有量が、5.0質量%以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 吸引キャップを有する記録装置用の、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
  9. HLB7以上のアセチレンジオール誘導体をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物。
  10. ピロリドン誘導体をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインク組成物。
  11. 溶存窒素量が、10ppm以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインク組成物。
  12. 前記顔料が、自己分散型カーボンブラックを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインク組成物。
  13. 請求項12に記載のインク組成物である自己分散型ブラックインクと、カラーインクとを備える、インクセット。
  14. 請求項12に記載のインク組成物である自己分散型ブラックインクと、
    樹脂分散型カーボンブラック及びHLB4未満のアセチレンジオールを含む樹脂分散型ブラックインクと、を含み、
    前記樹脂分散型ブラックインクに含まれる前記アセチレンジオールの含有量が、前記自己分散型ブラックインクに含まれるアセチレンジオールの含有量よりも少なく、前記樹脂分散型カーボンブラックの含有量が、3.0質量%以下である、ブラックインクセット。
  15. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のインク組成物、請求項13に記載のインクセット、又は請求項14に記載のブラックインクセットを備えた、記録装置。
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