JP2015155264A - ウェビング巻取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リーク孔が開放されるまでに要する移動部材の移動ストロークの変更に際しての設計が容易で汎用性に優れたウェビング巻取装置を得る。【解決手段】車両緊急時にウェビング巻取軸を強制回転させる移動部材64のリーク孔74を閉鎖するプラグ78がシリンダ52とは別体で構成され、プラグ78の大径部86を貫通するボルト92によってプラグ78が保持される。ボルト92もまたシリンダ52とは別体で構成され、シリンダ52に貫通して配置され、取付けられる。プラグ78の長さやボルト92の取付位置を変える設計をすることで、リーク孔74が開放されるまでに要する移動部材64の移動ストロークの変更に容易に対応できる。【選択図】図3
Description
本発明は、車両緊急時にガス圧によって移動部材を移動させてスプールを巻取方向に回転させるウェビング巻取装置に関する。
シリンダの底部から突出形成されたシールピンが、ピストンのリーク孔に連通する配置孔に嵌挿されたウェビング巻取装置がある(特許文献1)。このような構成のウェビング巻取装置では、ピストンがガスの圧力によって上昇されて、シールピンが配置孔から抜けることによってリーク孔が開放されて、ガスがリーク孔を通過できる。しかしながら、このような構成のウェビング巻取装置では、リーク孔が開放されるまでに要するピストンの移動ストロークの変更にはシリンダの設計変更が必要であり、汎用性に乏しい。
本発明は、上記事実を考慮して、リーク孔が開放されるまでに要する移動部材の移動ストロークの変更に際しての設計が容易で汎用性に優れたウェビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載のウェビング巻取装置は、ウェビングが巻取られるスプールと、ガスが供給されるシリンダと、前記シリンダ内に設けられるピストンを有し、前記ガスの圧力によって移動され、前記スプールをウェビング巻取方向へ回転させる移動部材と、前記シリンダとは別体とされ、前記移動部材に形成されて前記ピストンを連通するリーク孔に挿入されて前記リーク孔を閉鎖する閉鎖部材と、前記閉鎖部材を前記シリンダ内へ取付ける取付部材と、を備えている。
請求項1に記載のウェビング巻取装置では、リーク孔を閉鎖する閉鎖部材がシリンダとは別体とされて、取付部材によってシリンダ内に取付けられる。このため、閉鎖部材や取付部材が交換されることによって、リーク孔が開放されるまでに要する移動部材の移動ストロークの変更に際しての設計が容易で、汎用性に優れる。
請求項2に記載のウェビング巻取装置は、請求項1に記載のウェビング巻取装置において、前記シリンダに対する前記取付部材の移動が制限されると共に、前記閉鎖部材が前記取付部材によって保持されて前記移動部材の移動に伴い前記リーク孔から抜ける。
請求項2に記載のウェビング巻取装置では、リーク孔が開放されるまでに要する移動部材の移動ストロークが閉鎖部材のリーク孔への挿入長さで決まる。このため、リーク孔への挿入長さが異なる閉鎖部材に交換されることによって、リーク孔が開放されるまでに要する移動部材の移動ストロークの変更に際しての設計が容易で、汎用性に優れる。
請求項3に記載のウェビング巻取装置は、請求項1又は請求項2に記載のウェビング巻取装置において、前記取付部材は、シリンダ径方向に前記シリンダを貫通配置されている。
請求項3に記載のウェビング巻取装置では、シリンダにおける取付部材の貫通位置が変更されることによって、リーク孔が開放されるまでに要する移動部材の移動ストロークの変更に際しての設計が容易で、汎用性に優れる。
請求項4に記載のウェビング巻取装置は、請求項1又は請求項2に記載のウェビング巻取装置において、前記取付部材は、前記シリンダ内に設けられて、前記ガスの圧力によって前記シリンダに圧接されて前記シリンダに保持される。
請求項4に記載のウェビング巻取装置では、取付部材がシリンダに供給されたガスの圧力によってシリンダに圧接されてシリンダに保持されるため、取付部材がガスの圧力によって移動されることを抑制又は防止できる。
請求項5に記載のウェビング巻取装置は、請求項1、請求項2、請求項4の何れか1項に記載のウェビング巻取装置において、前記取付部材は、前記シリンダ内に設けられると共に、前記シリンダの一側に設けられたガス発生手段と前記シリンダとに挟まれて保持されている。
請求項5に記載のウェビング巻取装置では、取付部材がシリンダの一側に設けられたガス発生手段とシリンダとに挟まれて保持されるため、取付部材がガスの圧力によって移動されることを抑制又は防止できる。
請求項6に記載のウェビング巻取装置は、請求項1から請求項5の何れか1項に記載のウェビング巻取装置において、前記シリンダにおけるガス供給側へ向けて先細の錐形状に形成されて前記閉鎖部材へ向かうガスが前記閉鎖部材の側方へ整流される整流手段を備えている。
請求項6に記載のウェビング巻取装置では、ガスが閉鎖部材へ向かうと、ガスが整流手段によって閉鎖部材の側方へ整流されるため、ガスの圧力を効率よく移動部材の上昇に用いることができる。
請求項7に記載のウェビング巻取装置は、請求項1に記載のウェビング巻取装置において、前記取付部材は、前記リーク孔の端部に対向配置されて前記閉鎖部材が前記リーク孔の前記端部から抜けることを阻止すると共に、前記移動部材が移動されることによって前記リーク孔の前記端部との対向が解消されて前記閉鎖部材が前記リーク孔から抜けることを可能にする請求項1に記載のウェビング巻取装置。
請求項7に記載のウェビング巻取装置では、移動部材が移動されてリーク孔の端部と取付部材との対向が解消されると、閉鎖部材がリーク孔から抜けることができる。ここで、リーク孔が開放されるまでに要する移動部材の移動ストロークは、取付部材とリーク孔の端部との移動部材の移動方向に沿った対向長さで決まる。このため、取付部材が交換されることによって、リーク孔が開放されるまでに要する移動部材の移動ストロークの変更に際しての設計が容易で、汎用性に優れる。
請求項8に記載のウェビング巻取装置は、請求項7に記載のウェビング巻取装置において、前記取付部材は、前記移動部材に押圧されることによって移動可能とされている。
請求項8に記載のウェビング巻取装置では、取付部材が移動部材に押圧されることによって移動可能とされているため、移動部材が移動して取付部材に当接しても、移動部材は更に移動できる。
以上説明したように、本発明に係るウェビング巻取装置では、リーク孔が開放されるまでに要する移動部材の移動ストロークの変更に際しての設計が容易で汎用性に優れている。
本発明の各実施の形態を図1から図17に基づいて説明する。なお、各図において矢印FRはウェビング巻取装置10、110、150、170の前後方向前側、矢印LHはウェビング巻取装置10、110、150、170の左右方向左側、矢印UPはウェビング巻取装置10、110、150、170の上下方向上側をそれぞれ示す。
また、以下の各実施の形態を説明するにあたり、説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
<第1の実施の形態の構成>
(ウェビング巻取装置10の全体構成の表示)
図1に示されるように、ウェビング巻取装置10はフレーム12を備えている。フレーム12は左右方向に対向する一対の脚板14、16を備えており、脚板14と脚板16との間にはスプール18が設けられている。スプール18は略円筒形状に形成されており、スプール18の中心軸線方向は左右方向に沿っている。スプール18にはウェビング20の長手方向基端側が係止されており、スプール18がウェビング巻取方向へ回転されることによってウェビング20がスプール18の外周部に層状に巻取られる。
(ウェビング巻取装置10の全体構成の表示)
図1に示されるように、ウェビング巻取装置10はフレーム12を備えている。フレーム12は左右方向に対向する一対の脚板14、16を備えており、脚板14と脚板16との間にはスプール18が設けられている。スプール18は略円筒形状に形成されており、スプール18の中心軸線方向は左右方向に沿っている。スプール18にはウェビング20の長手方向基端側が係止されており、スプール18がウェビング巻取方向へ回転されることによってウェビング20がスプール18の外周部に層状に巻取られる。
スプール18の中心軸線方向一端には軸部材22が嵌挿されている。軸部材22は、スプール18に対して同軸上に設けられていると共にスプール18に対する相対回転が阻止されている。これに対して、スプール18の中心軸線方向他端にはロック機構24のロックベース26が嵌挿されている。ロックベース26は、スプール18に対して同軸上に設けられていると共にスプール18に対して相対回転可能とされている。また、スプール18の内側にはエネルギー吸収部材としてのトーションバー28が設けられている。
トーションバー28のスプール18中心軸線方向一側には連結部30が形成されており、連結部30は軸部材22に連結されて軸部材22に対する相対回転が阻止されている。これに対して、トーションバー28のスプール18中心軸線方向他側には連結部32が形成されており、連結部32はロックベース26に連結されてロックベース26に対する相対回転が阻止されている。これによって、ロックベース26のスプール18に対する相対回転が阻止されている。但し、ロックベース26の回転が阻止された状態で、スプール18の回転力がトーションバー28の連結部30、32間の機械的強度を上回ると、トーションバー28が捻り変形されながらスプール18が回転される。
また、ロックベース26は、フレーム12の脚板16に形成されたラチェット孔38を貫通している。ラチェット孔38はスプール18に対して同軸上に形成されていると共にラチェット状の内歯が形成されている。また、ロックベース26には収容部34が形成されている。収容部34の一部はロックベース26の周面で開口されていると共にスプール18中心軸線方向他側の面で開口されている。収容部34にはロックパウル36が収容されている。ロックパウル36がスプール18径方向外側へ移動されることによって、ロックパウル36に形成された歯がラチェット孔38のラチェット状の内歯に係合できる。これによって、ロックベース26のウェビング巻取方向とは反対のウェビング引出方向への回転が阻止される。
また、脚板16の外側にはロック機構24のセンサカバー40が取付けられている。センサカバー40の内側には、トーションバー28の連結部32のスプール18中心軸線方向他端からスプール18に対して同軸上に突出形成された軸部(図示省略)が入っており、この軸部がセンサカバー40に回転自在に支持されている。また、センサカバー40の内側にはVSIR機構やWSIR機構を構成する各種部品が設けられている。車両が急減速状態になるとVSIR機構が作動される。また、ロックベース26のウェビング引出方向への回転加速度が所定の大きさを超えるとWSIR機構が作動される。このように、VSIR機構やWSIR機構が作動されることによって、ロックパウル36がスプール18径方向外側へ移動される。
一方、スプール18の中心軸線方向一端に設けられた軸部材22には軸部42が形成されている。軸部42はスプール18に対して同軸上に形成されていると共にスプール18中心軸線方向一側へ突出形成されてフレーム12の脚板14を貫通している。脚板14の外側には、スプリングケース44が設けられており、軸部42がスプリングケース44に回転自在に支持されている。スプリングケース44の内側には渦巻きばね46が設けられており、軸部42が渦巻きばね46によってウェビング巻取方向へ付勢されている。
(プリテンショナ50の構成)
フレーム12の脚板14とスプリングケース44との間には、プリテンショナ50のシリンダ52が設けられている。図2及び図3に示されるように、シリンダ52は、上下方向に貫通した筒形状に形成されており、シリンダ52の下端からはガス発生手段としてのガスジェネレータ54の上側部分が挿入されている。また、ガスジェネレータ54のシリンダ52への挿入部分よりも下側には大径部56が形成されており、大径部56はシリンダ52の下端に当接している。さらに、シリンダ52には下側からキャップ58が装着され、ガスジェネレータ54がキャップ58とシリンダ52とによって保持される。ガスジェネレータ54は、制御装置(図示省略)に電気的に接続されており、車両衝突時等の車両緊急時には、ガスジェネレータ54が制御装置によって作動されて、ガスジェネレータ54内でガスが生成される。
フレーム12の脚板14とスプリングケース44との間には、プリテンショナ50のシリンダ52が設けられている。図2及び図3に示されるように、シリンダ52は、上下方向に貫通した筒形状に形成されており、シリンダ52の下端からはガス発生手段としてのガスジェネレータ54の上側部分が挿入されている。また、ガスジェネレータ54のシリンダ52への挿入部分よりも下側には大径部56が形成されており、大径部56はシリンダ52の下端に当接している。さらに、シリンダ52には下側からキャップ58が装着され、ガスジェネレータ54がキャップ58とシリンダ52とによって保持される。ガスジェネレータ54は、制御装置(図示省略)に電気的に接続されており、車両衝突時等の車両緊急時には、ガスジェネレータ54が制御装置によって作動されて、ガスジェネレータ54内でガスが生成される。
一方、シリンダ52の内側には移動部材64が設けられている。移動部材64はピストン66を備えており、シリンダ52の内側はピストン66によって上下に仕切られている。ピストン66はシリンダ52内で上下方向に摺動可能とされており、ピストン66はガスジェネレータ54からシリンダ52の内側へ噴出されて供給されたガスの圧力によって上昇される。ピストン66の上端にはラックバー68が形成されている。ラックバー68の前側面にはラック歯が形成されている。また、ラックバー68の上端側はシリンダ52の上端から突出しており、ラックバー68の上端の側方には、図1に示されるピニオン70が設けられている。ピニオン70は軸部材22の軸部42に回転自在に支持されており、移動部材64が上昇されてラックバー68のラック歯がピニオン70へ噛合うことよってピニオン70がウェビング巻取方向へ回転される。
また、軸部材22の軸部42にはクラッチ72が設けられており、ピニオン70がウェビング巻取方向へ回転されると、ピニオン70がクラッチ72によって軸部材22に連結される。これによって、ピニオン70の回転が軸部材22に伝達され、スプール18がウェビング巻取方向へ回転される。なお、移動部材64が上昇前の状態において、ラックバー68のラック歯がピニオン70に噛合っていない構成であれば、クラッチ72を設ける必要はない。
一方、図2及び図3に示されるように、移動部材64の内部にはリーク孔74が移動部材64の長手方向に沿って形成されている。図3に示されるように、リーク孔74は、両端間の中間にて軸心が略直角に屈曲されており、一端はラックバー68の左側面で開口されている。リーク孔74の中間部よりも他端は拡径されて挿入孔76とされており、挿入孔76はピストン66の下面で開口されている。これによって、シリンダ52内のピストン66の両側が連通されて、ガスジェネレータ54にて発生されたガスは、リーク孔74を通過することによってピストン66よりも上側へ抜けることができ、シリンダ52の内圧上昇を抑制できる。また、移動部材64には、ゴム等の弾性体で形成された閉鎖部材としてのプラグ78が設けられている。図5に示されるように、プラグ78は挿入部80を備えている。挿入部80はピストン66の下側から挿入孔76へ圧入により挿入されている(図2及び図3参照)。また、挿入部80の周面には環状の溝82が形成されており、Oリング84が取付けられている。
挿入部80の下側には挿入部80よりも外形が大きくされた大径部86が形成されている。大径部86には左右方向に貫通した貫通孔96が形成されている。また、大径部86の下側には整流手段としての整流部88が形成されている。整流部88は下側へ向けて先細の円錐形状に形成されている。このため、シリンダ52内に噴出されたガスは、プラグ78の整流部88の周面に案内されて整流部88の側方へ円滑に流されてピストン66の下面へ向かう。また、図4に示されるように、整流部88の形状は、ガスジェネレータ54の先端の展開部62がガス圧によって展開された際の展開部62の展開軌跡に重ならないように設定されている。
一方、図3に示されるように、シリンダ52には一対の孔部90が形成されている。これらの孔部90は、シリンダ52内における移動部材64の初期位置(図2、図3図示状態)よりも下側に形成されており、シリンダ52の中心軸線を介してシリンダ52径方向に対向している。一方の孔部90からは取付部材としてのボルト92が貫通されている。ボルト92は、移動部材64の下側を通過しており、他方の孔部90を貫通してシリンダ52の外側へ突出している。ボルト92の先端にはナット94が螺合しており、これによってボルト92がシリンダ52に取付けられている。ボルト92は、プラグ78の大径部86の貫通孔96を貫通しており、これによって、プラグ78がガスジェネレータ54よりも上側で保持される。
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本ウェビング巻取装置10では、車両衝突時等の車両緊急時に、乗員の身体に装着されたウェビング20が引張られて、スプール18が所定の大きさ以上の回転加速度でウェビング引出方向へ回転されると、ロック機構24のWSIR機構が作動される。また、車両衝突による車両の急減速状態では、ロック機構24のVSIR機構が作動される。このように、WSIR機構やVSIR機構が作動されることによって、ロックベース26に設けられたロックパウル36がスプール18径方向外側へ移動される。これによって、ロックパウル36の歯が脚板16のラチェット孔の内歯に係合されると、ロックベース26のウェビング引出方向への回転が阻止される。ロックベース26は、トーションバー28によってスプール18に対する相対回転が阻止されているため、ロックベース26のウェビング引出方向への回転が阻止されることによってスプール18のウェビング引出方向への回転が阻止されて、ウェビング20のスプール18からの引出しが阻止される。
また、ロックベース26のウェビング引出方向への回転が阻止された状態で、スプール18のウェビング引出方向への回転力がトーションバー28の連結部30、32間の機械的強度を上回ると、トーションバー28が捻り変形されながら、スプール18がウェビング引出方向へ回転される。これによって、スプール18の回転量分だけウェビング20がスプール18から引出されると共に、スプール18の回転力のエネルギーの一部がトーションバー28の捻り変形に供されて吸収される。
一方、車両衝突時等の車両緊急時には、プリテンショナ50のガスジェネレータ54が作動される。ガスジェネレータ54が作動されて、ガスジェネレータ54内でガスが生成されると、図4及び図6に示されるように、ガスジェネレータ54の展開部62がガスの圧力によって展開される。これによって、ガスジェネレータ54内のガスが、この開口からシリンダ52内へ噴出される。
このガスの圧力によって移動部材64のピストン66が上昇されると、移動部材64のラックバー68によってピニオン70がウェビング巻取方向に回転される。ピニオン70がウェビング巻取方向に回転されることによってピニオン70がクラッチ72を介して軸部材22に連結されると、ピニオン70のウェビング巻取方向の回転力が軸部材22を介してスプール18に伝達されて、スプール18がウェビング巻取方向へ回転される。これによって、ウェビング20がスプール18に巻取られて、ウェビング20による乗員の拘束力が増加される。
ここで、移動部材64に形成されたリーク孔74の挿入孔76にはプラグ78が挿入されており、これによってリーク孔74が閉鎖されている。このため、ガスジェネレータ54からシリンダ52内に噴出されたガスはリーク孔74を通過できない。これによって、ガスの圧力を移動部材64の上昇に効率よく用いることができる。
また、プラグ78がシリンダ52に取付けられたボルト92によって保持されるため、移動部材64がガスの圧力によって上昇されてもプラグ78は上昇されない。図6に示されるように、移動部材64が、プラグ78の挿入部80の挿入孔76への挿入長さよりも上昇されると、プラグ78の挿入部80が挿入孔76から抜ける。これによって、リーク孔74が開放されて、ガスがリーク孔74を通過して移動部材64のピストン66よりも上側へ抜ける。これによって、シリンダ52内でのガスの圧力の上昇を抑制できる。
ここで、リーク孔74の開放に必要な移動部材64の上昇ストロークは、挿入孔76へのプラグ78の挿入部80の挿入長さによって設定される。したがって、本実施の形態では、挿入部80の長さが異なるプラグ78への交換や、ボルト92が貫通する孔部90の形成位置等の変更によって、リーク孔74の開放に必要な移動部材64の上昇ストロークを容易に変更できる。このため、リーク孔74の開放に必要な移動部材64の上昇ストロークの変更に際しての設計が容易で、汎用性に優れる。
また、リーク孔74の挿入孔76を閉鎖するプラグ78がシリンダ52とは別体で構成され、プラグ78の大径部86の貫通孔96を貫通するボルト92によってプラグ78が保持される。ボルト92もまたシリンダ52とは別体で構成され、ボルト92がシリンダ52の両孔部90に貫通配置されることによってボルト92がシリンダ52に取付けられる。このため、シリンダ52の形状等のシリンダ52の仕様が変更されても、ボルト92やプラグ78を共用でき、汎用性に優れる。
さらに、プラグ78がボルト92によってシリンダ52の下端よりも上側で保持される。このため、ガスジェネレータ54とプラグ78やピストン66とが上下方向に対向するようにガスジェネレータ54を設けることができる。これによって、シリンダ52を上下方向に貫通した単純な筒形状にでき、ガスジェネレータ54とピストン66との間隔を狭くできる。このため、ガスジェネレータ54にて発生したガスを効率よくピストン66の上昇に用いることができる。
また、プラグ78の整流部88が下側へ向けて先細の円錐形状に形成されている。このため、ガスジェネレータ54からプラグ78へ向かったガスが整流部88によってプラグ78の側方へ円滑に流されて移動部材64のピストン66の下面へ向かう。これによって、ガスジェネレータ54と移動部材64との間にプラグ78が設けられても、ガスの圧力を効率よく移動部材64の上昇に用いることができる。
さらに、プラグ78の整流部88が下側へ向けて先細の円錐形状に形成されることによって、ガスジェネレータ54の上端の展開部62が展開された際に、展開部62がプラグ78に当接しない。これによって、プラグ78をシリンダ52中心軸線方向(上下方向)にガスジェネレータ54の近くに配置でき、移動部材64のピストン66とガスジェネレータ54の上端との間隔を狭くできる。このため、ピストン66とガスジェネレータ54の上端との間で効率よくガスの圧力を上昇させることができる。
なお、本実施の形態では、取付部材がボルト92とされたが、例えば、取付部材には棒やワイヤ等の適用も可能であり、取付部材がボルト92に限定されるものではない。
<第2の実施の形態の構成>
(プリテンショナ112の構成)
図7に示されるように、第2の実施の形態に係るウェビング巻取装置110のプリテンショナ112のシリンダ114は、基本的に前記第1の実施の形態におけるシリンダ52と同じ構成であるが、シリンダ114には前記第1の実施の形態の孔部90が形成されておらず、また、ボルト92も設けられていない。また、移動部材116に形成されたリーク孔118の他端には挿入孔76が形成されておらず、リーク孔118の中間部よりも他側は拡径されずにピストン66に代わる移動部材116のピストン120の下面で開口している。さらに、閉鎖部材としてのプラグ122は、挿入部124の下端には整流手段としての整流部126が形成されている。整流部126の上端の外周形状は挿入部124の外周形状よりも大きい。
(プリテンショナ112の構成)
図7に示されるように、第2の実施の形態に係るウェビング巻取装置110のプリテンショナ112のシリンダ114は、基本的に前記第1の実施の形態におけるシリンダ52と同じ構成であるが、シリンダ114には前記第1の実施の形態の孔部90が形成されておらず、また、ボルト92も設けられていない。また、移動部材116に形成されたリーク孔118の他端には挿入孔76が形成されておらず、リーク孔118の中間部よりも他側は拡径されずにピストン66に代わる移動部材116のピストン120の下面で開口している。さらに、閉鎖部材としてのプラグ122は、挿入部124の下端には整流手段としての整流部126が形成されている。整流部126の上端の外周形状は挿入部124の外周形状よりも大きい。
また、シリンダ114の内側には取付部材128が設けられている。図8に示されるように、取付部材128は円板状の保持部130を備えている。保持部130の略中央には上下方向に貫通された取付孔132が形成されており、取付孔132にはプラグ122の挿入部124が下側から貫通している。取付孔132はプラグ122の整流部126よりも小さく形成されているため、プラグ122の整流部126が保持部130の取付孔132を貫通することはない。さらに、保持部130には複数の通気孔134が形成されている。各通気孔134は取付孔132を周囲に形成されており、ガスジェネレータ54にて発生されたガスは通気孔134を通過して移動部材116のピストン120へ向かう。
また、取付部材128は圧接部としての一対の脚片136を備えている。一対の脚片136は保持部130の外周部から下側へ向けて延出された半割筒形状とされており、保持部130径方向に互いに対向している。脚片136の下端側は、シリンダ114とガスジェネレータ54との間の隙間に入っており、脚片136の下端側における保持部130径方向内側面は、ガスジェネレータ54の外面に圧接されている。また、脚片136の下端側には保持部130径方向外側へ膨らんだ曲げ部138が形成されている。曲げ部138の保持部130径方向外部分はシリンダ114の内面に圧接されている。これによって、取付部材128の上下方向の移動が制限される。さらに、脚片136の下端側が脚片136の上端側を中心に弾性的に広がることによって、曲げ部138がシリンダ52の内面に付勢圧接される。これによって、取付部材128の上下方向の移動が阻止される。
<第2の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本ウェビング巻取装置110のプリテンショナ112では、移動部材116のリーク孔118の他端にプラグ122の挿入部124が挿入される。ガスジェネレータ54が作動されてガスジェネレータ54内でガスが発生されると、ガスジェネレータ54がガスの圧力によって膨らむ。これによって、取付部材128の脚片136がガスジェネレータ54の外面とシリンダ114の内面とに挟持される。また、ガスジェネレータ54からシリンダ114内へガスが噴出されると、取付部材128の脚片136の下端側が上端側を中心にガスの圧力によって保持部130径方向外側へ弾性的に広がる。これによって、脚片136の曲げ部138がシリンダ114の内面に付勢圧接される。
このようなガスジェネレータ54の外面とシリンダ114の内面とによる脚片136の挟持と、曲げ部138のシリンダ114の内面への付勢圧接による曲げ部138とシリンダ114の内面との間の摩擦と、によって取付部材128の上昇が阻止される。これによって、移動部材116がガスの圧力によって上昇されても、プラグ122は上昇されない。図9に示されるように、移動部材116が、プラグ122の挿入部124のリーク孔118への挿入長さよりも上昇されると、プラグ122の挿入部124がリーク孔118から抜ける。これによって、リーク孔118が開放されて、ガスがリーク孔118を通過して移動部材116のピストン120よりも上側へ抜ける。これによって、シリンダ114内でのガスの圧力の上昇を抑制できる。
ここで、リーク孔118の開放に必要な移動部材116の上昇ストロークは、リーク孔118へのプラグ122の挿入部124の挿入長さによって設定される。したがって、本実施の形態では、挿入部124の長さが異なるプラグ122への交換や、脚片136の長さが異なる取付部材128への交換によって、リーク孔118の開放に必要な移動部材116の上昇ストロークを容易に変更できる。このため、リーク孔118の開放に必要な移動部材116の上昇ストロークの変更に際しての設計が容易で、汎用性に優れる。
また、リーク孔118を閉鎖するプラグ122がシリンダ114とは別体で構成されて取付部材128によって保持される。取付部材128もまたシリンダ114とは別体で構成されてシリンダ114内に配置される。このため、シリンダ114の形状等のシリンダ114の仕様が変更されても、取付部材128やプラグ122を共用でき、汎用性に優れる。
さらに、プラグ122が取付部材128によってシリンダ114の下端よりも上側で保持されるため、前記第1の実施の形態と同様に、ガスジェネレータ54にて発生したガスを効率よくピストン120の上昇に用いることができる。また、プラグ122の整流部126が下側へ向けて先細の円錐形状に形成される。このため、前記第1の実施の形態と同様に、ピストン120とガスジェネレータ54の上端との間で効率よくガスの圧力を上昇させることができると共に、ガスの圧力を効率よく移動部材116の上昇に用いることができる。
なお、本実施の形態では、取付部材128の一対の脚片136の曲げ部138は、保持部130径方向外側へ膨らんだ形状とされた。しかしながら、曲げ部138を保持部130径方向内側へ膨らんだ形状として、曲げ部138がガスジェネレータ54の外周面に圧接される構成としてもよく、また、一対の脚片136に曲げ部138を形成しない構成としてもよい。
また、本実施の形態では、ガスジェネレータ54がガス圧によって膨らんで取付部材128の脚片136がガスジェネレータ54の外面とシリンダ114の内面とによる脚片136の挟持される構成であった。しかしながら、膨らむ前のガスジェネレータ54の外面や、ガス圧が作用しても膨らまないガスジェネレータ54の外面と、シリンダ114の内面とによって脚片136が挟持されてガス圧による取付部材128の上昇が防止又は抑制される構成としてもよい。
さらに、本実施の形態では、取付部材128の脚片136がガスの圧力によって保持部130径方向外側へ弾性的に広がって曲げ部138がシリンダ114の内面に付勢圧接される構成であった。しかしながら、取付部材128がシリンダ114内に配置された状態で脚片136がその弾性(ばね性)によってシリンダ114の内面に付勢圧接され、これによって、ガス圧による取付部材128の上昇が防止又は抑制される構成としてもよい。
また、本実施の形態は、膨らんだガスジェネレータ54の外面とシリンダ114の内面とによる脚片136の挟持と、脚片136の曲げ部138がシリンダ114の内面へ付勢圧接されることによる曲げ部138とシリンダ114の内面との間の摩擦と、によって取付部材128の上昇を阻止する構成であった。しかしながら、ガスジェネレータ54の外面とシリンダ114の内面とによる脚片136の挟持だけで取付部材128の上昇を阻止する構成としてもよく、また、曲げ部138とシリンダ114の内面との間の摩擦だけで取付部材128の上昇を阻止する構成としてもよい。
さらに、曲げ部138とシリンダ114の内面との間の摩擦だけで取付部材128の上昇を阻止する構成とする場合には、脚片136がシリンダ114とガスジェネレータ54との間に挿入されずに、脚片136が全てガスジェネレータ54の上側に配置される構成であってもよい。また、本実施の形態では、ガス圧によって脚片136が弾性変形される構成であったが、ガス圧による脚片136の変形の態様は塑性変形であってもよい。
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。
次に、第3の実施の形態について説明する。
(プリテンショナ152の構成)
図10及び図11に示されるように、第3の実施の形態に係るウェビング巻取装置150のプリテンショナ152では、取付部材154の保持部156に被挟持部としての一対の脚片158が形成されている。
図10及び図11に示されるように、第3の実施の形態に係るウェビング巻取装置150のプリテンショナ152では、取付部材154の保持部156に被挟持部としての一対の脚片158が形成されている。
一対の脚片158は保持部156の外周部から下側へ向けて延出された半割筒形状とされており、保持部156径方向に互いに対向している。脚片158はシリンダ114とガスジェネレータ54との間の隙間を通過してシリンダ114の下端から下側へ突出し、下端からはフランジ160が保持部156径方向外側へ延出されている。図10に示されるように、フランジ160は、シリンダ114の下端とガスジェネレータ54の大径部56とに挟まれており、これによって、取付部材154がシリンダ114とガスジェネレータ54とによって保持されている。
このため、移動部材116がガスの圧力によって上昇されても、プラグ122は上昇されない。図12に示されるように、移動部材116が、プラグ122の挿入部124のリーク孔118への挿入長さよりも上昇されると、プラグ122の挿入部124がリーク孔118から抜ける。これによって、リーク孔118が開放されて、ガスがリーク孔118を通過して移動部材116のピストン120よりも上側へ抜ける。これによって、シリンダ114でのガスの圧力の上昇を抑制できる。
また、本実施の形態は、取付部材154の一対の脚片158以外は、前記第2の実施の形態と同じ構成であるため、本実施の形態も前記第2の実施の形態と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。
なお、上記の第1〜第3の実施の形態では、整流部88、126が円錐形状とされたが、整流部88、126は下側へ向けて先細の錐形状でれば、その断面形状は多角形等の円以外の形状であってもよい。
また、上記第2、第3の実施の形態では、取付部材128、154の保持部130、156を円板状としたが、保持部130、156の外周形状は、多角形や楕円形状等の円形以外の他の形状であってもよい。さらに、上記第2、第3の実施の形態では、取付部材128、154の脚片136、158を半割筒形状としたが、例えば、脚片136、158は湾曲していない平板状であってもよく、脚片136、158の形状は特に限定されるものではない。
<第4の実施の形態の構成>
次に、第4の実施の形態について説明する。
次に、第4の実施の形態について説明する。
(プリテンショナ172の構成)
図13及び図14に示されるように、第4の実施の形態に係るウェビング巻取装置170のプリテンショナ172では、移動部材174に形成されたリーク孔118の他端にプラグ122が挿入されておらず、代わりにリーク孔118の一端に閉鎖部材としての球形状のパッキン176が圧入されており、これによってリーク孔118が閉止されている。
図13及び図14に示されるように、第4の実施の形態に係るウェビング巻取装置170のプリテンショナ172では、移動部材174に形成されたリーク孔118の他端にプラグ122が挿入されておらず、代わりにリーク孔118の一端に閉鎖部材としての球形状のパッキン176が圧入されており、これによってリーク孔118が閉止されている。
プリテンショナ172のシリンダ178の内側には保持部材及び対向部材としてのスライダ180が設けられている。スライダ180は移動部材174のラックバー68の側方で且つピストン120の初期位置よりも上側に設けられている。スライダ180は上下方向にピストン120の一部と対向しており、移動部材174が上昇されると、図16に示されるように、ピストン120がスライダ180に当接される。また、移動部材174の上昇が開始されてからピストン120がスライダ180に当接されるまでの間に、図15に示されるように、移動部材174のリーク孔118の一端がスライダ180よりも上側へ移動される。
一方、シリンダ178には挿通孔182が形成されている。挿通孔182は、シリンダ178内における移動部材174のピストン120の初期位置よりも上側に形成されており、挿通孔182にはシリンダ178の外側から保持ピン184が挿通されている。保持ピン184の先端側はシリンダ178の内側に突出されており、スライダ180に形成された孔部186に挿入されている。これによって、スライダ180がシリンダ52内におけるピストン120よりも上側で保持される。
<第4の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本実施の形態では、スライダ180とリーク孔118の一端とが対向しているため、パッキン176がリーク孔118の一端から抜けることができない。これによって、リーク孔118が閉鎖状態で維持される。これによって、ガスの圧力を移動部材174の上昇に効率よく用いることができる。
移動部材174のピストン120がガスの圧力を受けることによって移動部材174が上昇されて、これによって、図15に示されるように、リーク孔118の一端がスライダ180よりも上側へ移動されると、リーク孔118に流入されたガスの圧力によってパッキン176がリーク孔118の一端から抜ける。これによって、リーク孔118が開放されて、ガスがリーク孔118を通過して移動部材174のピストン120よりも上側へ抜ける。これによって、シリンダ178内でのガスの圧力の上昇を抑制できる。
さらに、ガスの圧力によって移動部材174が上昇され、図16に示されるように、ピストン120がスライダ180に当接されて、スライダ180がピストン120によって下側から押圧される。スライダ180の孔部186には、保持ピン184の先端側が挿入されている。このため、スライダ180がピストン120によって押圧されて、上側へスライドされることにより、保持ピン184が破断され(図17参照)、スライダ180が移動部材174のピストン120に伴われて更に上側へ移動される。
ここで、リーク孔118の開放に必要な移動部材174の上昇ストロークは、スライダ180におけるリーク孔118の一端と対向する面の上下方向長さによって設定される。したがって、本実施の形態では、リーク孔118の一端と対向する面の上下方向長さが異なるスライダ180への交換によって、リーク孔118の開放に必要な移動部材174の上昇ストロークを容易に変更できる。このため、リーク孔118の開放に必要な移動部材174の上昇ストロークの変更に際しての設計が容易で、汎用性に優れる。
また、リーク孔118を閉鎖するパッキン176がシリンダ178とは別体で構成されて、パッキン176がスライダ180によってリーク孔118から抜けることが阻止される。スライダ180もまたシリンダ178とは別体で構成されてシリンダ178内に配置される。このため、シリンダ178の形状等のシリンダ178の仕様が変更されても、パッキン176やスライダ180を共用でき、汎用性に優れる。
さらに、リーク孔118を閉鎖するパッキン176がリーク孔118の一端側に設けられ、パッキン176がリーク孔118の一端から抜けることを阻止するスライダ180が移動部材174のピストン120よりも上側に設けられる。すなわち、本実施の形態では、リーク孔118を閉鎖するための構成やリーク孔118の閉鎖を維持するための構成が移動部材174よりも下側に設けられることがない。このため、ガスジェネレータ54とピストン120とが上下方向に対向するようにガスジェネレータ54を設けることができる。これによって、シリンダ178を上下方向に貫通した単純な筒形状にでき、ガスジェネレータ54とピストン120との間隔を狭くできる。このため、ガスジェネレータ54にて発生したガスを効率よくピストン120の上昇に用いることができる。
なお、本実施の形態では、スライダ180がピストン120によって下側から押圧されることによって保持ピン184が破断されて、スライダ180がピストン120に伴われて上側へ移動される構成であった。しかしながら、例えば、移動部材の上昇終了状態で、ピストンが取付部材としての対向部材に当接しない構成にすれば、対向部材がピストンに押圧されて上昇されることがない。このように、対向部材が移動不能にシリンダ等に設けられる構成としてもよい。
また、上記の各実施の形態は、シリンダ52、114、178の下端にガスジェネレータ54が設けられて、移動部材64、116、174がガスの圧力によって上昇する構成であった。しかしながら、シリンダの上端にガス発生手段としてのガスジェネレータが設けられて、移動部材がガスの圧力によって下降する構成であってもよい。このように、ガス発生手段はシリンダの端部に取付けられる構成であればよく、また、ガスの圧力による移動部材の移動方向は特に限定されるものではない。
さらに、上記の各実施の形態では、シリンダ52、114、178が上下方向に貫通した筒形状とされた。しかしながら、シリンダの貫通方向が前後方向等の上下方向以外の方向であってもよいし、シリンダが両端間で適宜に屈曲又は湾曲されてもよく、シリンダの形状は限定されるものではない。
また、上記の各実施の形態では、シリンダ52、114、178のガスジェネレータ54の挿入部分の内径寸法が、ガスジェネレータ54の挿入部分よりも上側でのシリンダ52、114、178の内径寸法よりも小さく、シリンダ52、114、178の内面に段差がある構成であった。しかしながら、シリンダの肉厚が一定で、シリンダの両端間で内径寸法が一定のパイプ状であってもよい。
また、上記の各実施の形態では、ガスジェネレータ54の大径部56がシリンダ52、114、178の下端と、キャップ58とに挟まれることによってガスジェネレータ54がキャップ58とシリンダ52とによって保持される構成であった。しかしながら、シリンダ及びガスジェネレータの一方の一部をかしめることによってガスジェネレータをシリンダに取付ける等、ガスジェネレータのシリンダへの取付構造に関しては特に限定されるものではなく、様々な態様を広く適用できる。
また、上記の各実施の形態は、移動部材64、116、174にラックバー68が形成され、上昇されたラックバー68によってピニオン70が回転されてスプール18がウェビング巻取方向へ回転される構成であった。しかしながら、例えば、ピストンのガスジェネレータとは反対側に複数のボールをシリンダの中心軸線方向に並べて配置し、これらのボールがピストンに押圧されて移動されることによって回転体がウェビング巻取方向に回転されてスプールがウェビング巻取方向に回転される構成であってもよい。すなわち、移動部材の移動をスプールのウェビング巻取方向への回転力に変換する構成に関して特に限定されるものではない。
10 ウェビング巻取装置
18 スプール
20 ウェビング
52 シリンダ
54 ガスジェネレータ(ガス発生手段)
64 移動部材
66 ピストン
74 リーク孔
78 プラグ(閉鎖部材)
88 整流部(整流手段)
92 ボルト(取付部材)
110 ウェビング巻取装置
114 シリンダ
116 移動部材
118 リーク孔
120 ピストン
122 プラグ(閉鎖部材)
126 整流部(整流手段)
128 取付部材
150 ウェビング巻取装置
154 取付部材
170 ウェビング巻取装置
174 移動部材
176 パッキン(閉鎖部材)
178 シリンダ
180 スライダ(取付部材)
18 スプール
20 ウェビング
52 シリンダ
54 ガスジェネレータ(ガス発生手段)
64 移動部材
66 ピストン
74 リーク孔
78 プラグ(閉鎖部材)
88 整流部(整流手段)
92 ボルト(取付部材)
110 ウェビング巻取装置
114 シリンダ
116 移動部材
118 リーク孔
120 ピストン
122 プラグ(閉鎖部材)
126 整流部(整流手段)
128 取付部材
150 ウェビング巻取装置
154 取付部材
170 ウェビング巻取装置
174 移動部材
176 パッキン(閉鎖部材)
178 シリンダ
180 スライダ(取付部材)
Claims (8)
- ウェビングが巻取られるスプールと、
ガスが供給されるシリンダと、
前記シリンダ内に設けられるピストンを有し、前記ガスの圧力によって移動され、前記スプールをウェビング巻取方向へ回転させる移動部材と、
前記シリンダとは別体とされ、前記移動部材に形成されて前記ピストンを連通するリーク孔に挿入されて前記リーク孔を閉鎖する閉鎖部材と、
前記閉鎖部材を前記シリンダ内へ取付ける取付部材と、
を備えるウェビング巻取装置。 - 前記シリンダに対する前記取付部材の移動が制限されると共に、前記閉鎖部材が前記取付部材によって保持されて前記移動部材の移動に伴い前記リーク孔から抜ける請求項1に記載のウェビング巻取装置。
- 前記取付部材は、シリンダ径方向に前記シリンダを貫通配置された請求項1又は請求項2に記載のウェビング巻取装置。
- 前記取付部材は、前記シリンダ内に設けられて、前記ガスの圧力によって前記シリンダに圧接されて前記シリンダに保持される請求項1又は請求項2に記載のウェビング巻取装置。
- 前記取付部材は、前記シリンダ内に設けられると共に、前記シリンダの一側に設けられたガス発生手段と前記シリンダとに挟まれて保持される請求項1、請求項2、請求項4の何れか1項に記載のウェビング巻取装置。
- 前記シリンダにおけるガス供給側へ向けて先細の錐形状に形成されて前記閉鎖部材へ向かうガスが前記閉鎖部材の側方へ整流される整流手段を備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載のウェビング巻取装置。
- 前記取付部材は、前記リーク孔の端部に対向配置されて前記閉鎖部材が前記リーク孔の前記端部から抜けることを阻止すると共に、前記移動部材が移動されることによって前記リーク孔の前記端部との対向が解消されて前記閉鎖部材が前記リーク孔から抜けることを可能にする請求項1に記載のウェビング巻取装置。
- 前記取付部材は、前記移動部材に押圧されることによって移動可能とされた請求項7に記載のウェビング巻取装置。
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JP2009262867A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Tokai Rika Co Ltd | ウェビング巻取装置 |
-
2014
- 2014-02-20 JP JP2014031080A patent/JP2015155264A/ja active Pending
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