JP2015154877A - 椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】着座により座体が回動可能となり、着座状態から立ち上がると回動不能となるように自動的に切替わる椅子を提供する。
【解決手段】座体4を上下方向の枢軸回りに回動可能に支持する支持構造体2と、座体4の回動を停止するための回動停止手段9とを備える椅子において、
座体4は、支持構造体2に対して上下方向に移動可能に支持されるとともに、回動停止手段9は、座体4と支持構造体2間に設けられ、座体4と支持構造体2とが上下方向の所定距離に離間した状態において互いに係合することにより、座体4の回動を停止させる係合部27および被係合部19と、上下方向に伸縮することによって、座体4を支持構造体2から離間する方向に弾性付勢する付勢手段24とを有している椅子とする。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、例えば診療施設等にて患者が着座する椅子や、児童用の学習椅子として使用され、支持構造体と、この支持構造体に、上下方向の枢軸回りに回動可能に支持される座体と、この座体の回動を停止させるための回動停止手段とを備える椅子に関する。
座体の回動を停止させるための回動停止手段を備える椅子としては、例えば、特許文献1に開示される椅子がある。このような椅子は、着座者が着座状態から立ち上がったときや、歩行中の人が背凭れに手をかけたときに、座体が回動することによって転倒することを防止する効果がある。
しかしながら、座体の回動を停止するときと、それを解除するときの両者において、操作部材を操作する必要があり、その操作をその都度行うことが面倒であるとともに、特に着座状態から立ち上がるときに、座体の回動を停止する操作を行うことは、多くの場合、行われていない。
しかし、診療施設で患者が使用する椅子は、着座状態においては医師による触診等の診察を円滑に実施するために、座体の回動が自在であることが求められる一方、起立するときには、座体が回動可能状態にある場合には、前記の転倒事故が発生する虞があり、回動することが望ましい状態と回動することが望ましくない状態とが頻繁に入れ替わる。
このような椅子において、その都度、操作部材を操作することを要求することは、使用者に面倒な作業を強いることになる。
特開2005−211248号公報
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、操作部材を操作することを必要とせず、人が着座すると同時に、座体が回動可能となるとともに、着座状態から立ち上がると座体が回動停止となり、座体の回動の可能と停止の状態の切替えが自動的に行われる椅子を提供することを目的とする。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)座体を上下方向の枢軸回りに回動可能に支持する支持構造体と、前記座体の回動を停止するための回動停止手段とを備える椅子において、前記座体は、前記支持構造体に対して上下方向に移動可能に支持されるとともに、前記回動停止手段は、前記座体と前記支持構造体間に設けられ、前記座体と前記支持構造体とが上下方向の所定距離に離間した状態において互いに係合することにより、前記座体の回動を停止させる係合部および被係合部と、上下方向に伸縮することによって、前記座体を前記支持構造体から離間する方向に弾性付勢する付勢手段とを有していることを特徴とする椅子とする。
このような構成とすることにより、人が着座していない状態においては、付勢手段により、座体と支持構造体が離間しており、この離間状態において係合部と被係合部とが互いに係合して座体が回動停止状態となり、一方、人が着座すると同時に、人の体重により、付勢手段の弾性付勢が抑止されて係合部と被係合部との係合が解除され、座体が自動的に回動可能となる。
(2)上記(1)項において、座体と支持構造体のいずれか一方が取付孔を、他方が前記取付孔に回動可能に嵌合する柱状部を備え、回動停止手段における係合部と被係合部は、そのいずれか一方が前記取付孔に、他方が前記柱状部にそれぞれ一体的に、前記係合部と被係合部との係合のための凹凸の方向が、前記取付孔と前記柱状部の円周と交差するように形成され、かつ前記座体と前記支持構造体とが上下方向に相対移動することによって係脱するようにする。
このような構成とすることにより、座体と支持構造体のいずれか一方が取付孔を、他方が前記取付孔に回動可能に嵌合する柱状部を備えているため、座体が柱状部の中心軸を枢軸として、支持構造体に対して回動可能であるとともに、回動停止手段における係合部と被係合部とが、座体と支持構造体とが上下方向に相対移動することによって係脱する構造のため、前記係合部と被係合部の上下方向の厚みを必要に応じて適宜定めることにより、所望の係脱設計が容易にできる。
また、係合部と被係合部との係合のための凹凸の方向が、取付孔と柱状部の円周と交差するように形成されているため、係合が確実に行われる。
(3)上記(2)項において、座体と支持構造体のいずれか一方に備えられた柱状部に、この柱状部の外径よりも大径の鍔部が設けられ、回動停止手段における付勢手段が、前記鍔部と、これに対向して取付孔に設けられた拡径孔部の天板との間に、直接または間接に設けられるようにする。
このような構成とすることにより、回動停止手段における付勢手段が、柱状部の外径よりも大径の鍔部と、これに対向して取付孔に設けられた拡径孔部の天板との間に設けられているため、付勢手段を確実に作用させることができる。
(4)上記(2)項または(3)項において、座体が、支基と、この支基に支持される座とを有し、回動停止手段における係合部を有する部材が、柱状部の上端に配設されて、前記支基の内部空間に露呈しているようにする。
このような構成とすることにより、回動停止手段における係合部を有する部材が、支基の内部空間に露呈しているため、上下方向に相対移動することによって係脱する部材間に手指や衣服を挟むことが防止される。
(5)上記(1)項〜(4)項のいずれかにおいて、支持構造体は、ピストンロッドを押圧することによって上下方向に伸縮可能であるガススプリングを備える上下方向の脚支柱を有するとともに、座体が、前記ピストンロッドを押圧して座体の高さを調整する高さ操作手段を備えるものとする。
このような構成とすることにより、座体の高さ調節ができるとともに、回動停止手段における係合部と被係合部との係脱は、座体と支持構造体のいずれか一方に設けられた柱状部の外周外側で行われるため、高さ調節機構と前記係脱機構の両者が離間しており、互いの干渉を防止することができる。
本発明は、操作部材を操作することを必要とせず、人が着座すると同時に、座体が回動可能となるとともに、着座状態から立ち上がると座体が回動停止となり、座体の回動の可能と停止の状態の切替えが自動的に行われるため、操作部材を操作する面倒が省けるとともに、着座者が着座状態から立ち上がったときや、歩行中の人が背凭れに手をかけたときに、座体が回動することによって転倒することを確実に防止することができる。
本発明の椅子における支基を支持構造体の一部とともに示す上方斜視図である。 図1の分解上方斜視図である。 同じく、図1の分解下方斜視図である。 図2の要部拡大図である。 座体の回動が解除状態にあるときの図1におけるA−A線拡大縦断面図である。 同じく、座体の回動が停止状態にあるときの拡大縦断面図である。
図1は、本発明の椅子における支基1を、支持構造体2の一部とともに示す上方斜視図である。図1において、左下が支基1の前方であり、支基1の上部に座3が一体的に配設されて支基1により支持され、これら支基1と座3の両者を有した座体4が構成されている。
支持構造体2は、ピストンロッド5aを押圧することによって上下方向に伸縮可能であるガススプリング5と、このガススプリング5を回動不能に内嵌する脚管6とからなる上下方向の脚支柱7を有し、座体4は、この脚支柱7を枢軸として回動可能に支持されている。
座体4の高さは、高さ操作手段としてのレバー8によりピストンロッド5aを押圧して調節される。
座体4の回動を停止するための回動停止手段9は、座体4と支持構造体2間に設けられる。
図2は、図1の分解上方斜視図、図3は、同じく、図1の分解下方斜視図、図4は、図2の要部拡大図である。また、図5は、座体4が回動可能状態にあるときの図1におけるA−A線拡大縦断面図である。
図2に示すように、支基1は、ガススプリング5の上端に固着された支持部材10に、下部ブッシュ11、上部ブッシュ12、環状押板13を介して、回動可能に支持されている。
支基1は、上方が開口する箱型をなし、前後方向に長いほぼ長方形状を有する。支基1の内部中央には、取付孔14を備える取付筒部15が設けられている。
図5に示すように、取付孔14は、段部16を介して縮径されて縮径孔部17が形成されるとともに、下半部において拡径され拡径孔部18が形成されている。
また、図2に示すように、取付孔14の上端内周には、内向突歯19aが所定間隔で配列されて被係合部19が形成されている。
図4に示すように、支持部材10は、円筒状の基体(柱状部)20と、この基体20の下部より外方に突出する支持鍔21とよりなっている。基体20の上面には、3個のねじ孔20aが設けられている。支持鍔21は、有底浅筒状をなし、この底部21aと筒壁21bとの間、および基体20の下部外周辺に、同芯の2条の輪状溝22a、22bが形成されている。これら2条の輪状溝22a、22b間の底部21aには、複数の有底孔部23が円周状に配列されている。この有底孔部23には、上下方向に弾性的に伸縮する付勢手段としての圧縮ばね24の下半部が嵌入されている。
図5に示すように、圧縮ばね24は、図4におけるB−B断面が下向きコ字状を有する環状の下部ブッシュ11によって、上方から被冠されている。
この下部ブッシュ11は、下向コ字状を形成する内外周壁11a、11bが、支持部材10の支持鍔21における輪状溝22a、22bに嵌合され、圧縮ばね24の伸縮に応じて上下動するようになっている。
図2、図3に示すように、下部ブッシュ11の上方には、上部ブッシュ12が配設され、この上部ブッシュ12は、支基1の取付孔14内に取付けられる。上部ブッシュ12は、円筒部25の下部に外方を向く受鍔26を備え、受鍔26の上面には、上向きに突出する4個の係止突起26aが設けられている。
一方、支基1の拡径孔部18の天板18aには、前記係止突起26aに対応する位置に4個の係止孔18bが設けられている。
また、上部ブッシュ12の上方に配設される環状押板13は、外周に外向突歯27aが所定間隔で配列されて係合部27が形成されている。
環状押板13には3個の通孔13aが設けられている。係合部27を有する部材である環状押板13は、支基1の内部空間に露呈している。
支基1を、ガススプリング5の上端に固着された支持部材10に、回動可能に支持させるには、次の手順による。
図5に示すように、まず、ガススプリング5の上端に固着された支持部材10の支持鍔21におけるすべての有底孔部23内に圧縮ばね24の下半部を嵌入させる。次いで、下部ブッシュ11の内周壁11a、外周壁11bの下端部を、それぞれ前記支持鍔21における内周側の輪状溝22a、外周側の輪状溝22bに嵌入させることにより、下部ブッシュ11を、圧縮ばね24に被冠する。次いで、上部ブッシュ12の受鍔26における係止突起26aを、支基1の取付筒部15の取付孔14における拡径孔部18の天板18aの係止孔18bに係止させた状態で、支基1を、縮径孔部17内に支持部材10の基体20を嵌合させて、上方から、支持部材10上に支持させる。次いで、環状押板13を、環状押板13の外周に設けられた係合部27が、取付孔14における被係合部19に係合するようにして、支基1の取付孔14における段部16上に載置し、上方より止めねじ28を環状押板13の通孔13aを挿通させて、支持部材10の基体20上面のねじ孔20aに螺合させることにより、支基1を支持部材10上に支持させる。
ガススプリング5の上端に固着された支持部材10に固定された環状押板13における係合部27が、支基1の取付孔14における被係合部19と係合しているため、支基1に支持された座3は、支持部材10が固着された脚支柱7に対して回動不可となり固定される。
一方、座3上に人が着座すると、図6に示すように、圧縮ばね24は人の体重により圧縮されるため、支基1は支持部材10に対して相対的に下方に移動し、環状押板13の係合部27と、支基1の取付孔14における被係合部17との係合が解除されるため、座3は脚支柱7に対して回動可能となる。すなわち、支基1と座3とからなる座体4と、上端に支持部材10が固着されたガススプリング5を備える脚支柱7を有する支持構造体2とが、上下方向に伸縮する付勢手段としての圧縮ばね24の弾性付勢により、上下方向に離間した状態において、係合部27と被係合部19とが係合して、座体4の回動が停止されるとともに、人の着座により、座体4が支持構造体2に対して、相対的に下方に移動し、前記係合が解除されて、座体4の回動が可能となる。この回動可能状態における滑り面は、支基1と一体に回動する上部ブッシュ12と、下部ブッシュ11および支持部材10間の当接面である。
また、座体4の回動を停止する回動停止手段は、支基1を有する座体4と、支持部材10、環状押板13等を有する支持構造体2間に設けられている。
なお、実施形態においては、座体4側に取付孔14、支持構造体2側に前記取付孔14に回動可能に嵌合する柱状部20を設けたが、逆に座体側に柱状部、支持構造体側に取付孔を設けてもよい。
また、回動停止手段9における係合部27と被係合部19は、実施形態においては、柱状部20に一体的に固定した環状押板13に係合部27、取付孔14に被係合部19を設けたが、逆に柱状部20側に一体的に被係合部、取付孔14側に一体的に係合部を設けてもよい。
ここで一体的にとは、一体成形または固定による一体のいずれでもよい。
係合部27と被係合部19との係合のための凹凸の方向(外向突歯27a、内向突歯19aの突設する方向)は、実施形態では、柱状部20の半径方向としたが、これに限定されず、柱状部20の円周と交差し、係合部27と被係合部19とが係合機能を有する態様であればよい。
また、係合部27と被係合部19は座体4と支持構造体2とが上下方向に相対移動することによって係脱するようになっていればよい。
本発明は、診療施設等において患者が着座する椅子ばかりでなく、老人ホームにおける老人用椅子や児童用の学習椅子等にも有用に適用することができる。特に、児童用の学習椅子は、頻繁に着座と離席が繰り返される傾向があるともに、児童の場合、座体の回動の可能と停止の状態の切替え操作を行うことが少なく、本発明の椅子のように、自動的に座体の回動の可能と停止の状態の切替えが行われる椅子は有用である。
また、児童用の学習椅子のように、座体の下方の指挾みの虞がある場合には、例えば、脚支柱に上方が開口する椀状部材を取付けるなど適宜の安全対策を施すことができる。
1 支基
2 支持構造体
3 座
4 座体
5 ガススプリング
5a ピストンロッド
6 脚管
7 脚支柱
8 レバー
9 回動停止手段
10 支持部材
11 下部ブッシュ
11a 内周壁
11b 外周壁
12 上部ブッシュ
13 環状押板
13a 通孔
14 取付孔
15 取付筒部
16 段部
17 縮径孔部(取付孔)
18 拡径孔部(取付孔)
18a 天板
18b 係止孔
19 被係合部
19a 内向突歯
20 基体(柱状部)
20a ねじ孔
21 支持鍔
21a 座部
21b 筒壁
22a、22b 輪状溝
23 有底孔部
24 圧縮ばね(付勢手段)
25 円筒部
26 受鍔
26a 係止突起
27 係合部
27a 外向突歯
28 止めねじ

Claims (5)

  1. 座体を上下方向の枢軸回りに回動可能に支持する支持構造体と、前記座体の回動を停止するための回動停止手段とを備える椅子において、
    前記座体は、前記支持構造体に対して上下方向に移動可能に支持されるとともに、前記回動停止手段は、前記座体と前記支持構造体間に設けられ、前記座体と前記支持構造体とが上下方向の所定距離に離間した状態において互いに係合することにより、前記座体の回動を停止させる係合部および被係合部と、上下方向に伸縮することによって、前記座体を前記支持構造体から離間する方向に弾性付勢する付勢手段とを有していることを特徴とする椅子。
  2. 座体と支持構造体のいずれか一方が取付孔を、他方が前記取付孔に回動可能に嵌合する柱状部を備え、回動停止手段における係合部と被係合部は、そのいずれか一方が前記取付孔に、他方が前記柱状部にそれぞれ一体的に、前記係合部と被係合部との係合のための凹凸の方向が、前記取付孔と前記柱状部の円周と交差するように形成され、かつ前記座体と前記支持構造体とが上下方向に相対移動することによって係脱するようになっている請求項1に記載の椅子。
  3. 座体と支持構造体のいずれか一方に備えられた柱状部に、この柱状部の外径よりも大径の鍔部が設けられ、回動停止手段における付勢手段が、前記鍔部と、これに対向して取付孔に設けられた拡径孔部の天板との間に、直接または間接に設けられている請求項2記載の椅子。
  4. 座体が、支基と、この支基に支持される座とを有し、回動停止手段における係合部を有する部材が、柱状部の上端に配設されて、前記支基の内部空間に露呈している請求項2または3に記載の椅子。
  5. 支持構造体は、ピストンロッドを押圧することによって上下方向に伸縮可能であるガススプリングを備える上下方向の脚支柱を有するとともに、座体が、前記ピストンロッドを押圧して座体の高さを調整する高さ操作手段を備える請求項1〜4のいずれかに記載の椅子。
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