JP2015154171A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数色の光を読取対象物に照射してその画像を読み取る場合において、上記複数色のうち所定の1色の光を基準部材に照射して読み取った第1ラインデータを記憶し(S101)、その第1基準画像データに基づき、上記1色の光を用いた読み取りにおける主走査方向の感度ムラの発生位置を特定し(S104,S105)、上記複数色の光を原稿に照射して読み取った原稿画像データのうちその特定した感度ムラ発生位置のデータを、上記第1基準画像データを用いて補正する(S108,S109)ようにした。
【選択図】 図4
Description
しかし、単色Gでは、画像の緑色が抜けてしまう。このため、モノクロ読取では、3色を使用したほうが、読み取れない色がないため、画質面で有利である。
しかしながら、この3色のLED光源を用いて原稿を読み取るとき、LED光源の波長と受光センサの保護膜厚さとの関係によって干渉が発生し、読み取った原稿の色が異なってしまうという問題がある。
しかし、特許文献1に記載の発明は、光源側の波長バラツキを抑えることはできるが、受光センサ感度の影響を抑えることはできず、画像にムラが発生するという問題があった。
まず、本発明の第1実施形態である画像読取装置について説明する。
図1は、その画像読取装置の構造及び基本的な動作について説明するための図である。
図1に示すように、画像読取装置100は、原稿101を載置して読み取るための原稿台ガラス102と、原稿台ガラスの下方に配設され、原稿に照射する光を発する光源103と、原稿からの反射光を集束させる集光レンズ(以下「レンズ」という。)104と、レンズ104を通過した光をライン画像データ(以下「ラインデータ」という。)として受信するイメージセンサ(受光センサ)105とを備える。
また、画像読取装置100は、原稿台ガラス102と同じ平面内に、シェーディング補正に使用する白色データを取得するための基準白板(基準部材の実施形態)107とコンタクトガラス108を備える。
まず、原稿台ガラス102上の原稿101を読み取るブックスキャン型について説明する。
不図示の駆動系は、ホームポジションから画像読取ユニット106を矢印A方向に加速移動させ、画像読取ユニット106が原稿台ガラス102上の原稿101の先端部に達するまでに画像読取ユニット106が等速駆動されるように制御される。画像読取ユニット106が原稿101の先端部に達すると、イメージセンサ105は原稿101の画像読み取り処理を開始し、原稿101のラインデータである原稿画像データを取得する。
基準白板107の読み取り処理終了後、画像読取ユニット106は、不図示の駆動系により矢印B方向に移動し、ホームポジションに停止する。
図2に示すように、画像読取装置100は、CPU201、ROM202、RAM203、通信I/F204、HDD205、エンジンI/F(インタフェース)206、UI(ユーザインタフェース)部I/F207をシステムバス208により接続した構成である。また、エンジンI/F206にはエンジン部209を、UI部I/F207にはUI部210をそれぞれ接続する。
エンジンI/F206は、エンジン部209とCPU201とを接続してエンジン部209をCPU201から制御可能とするためのインタフェースである。
UI部I/F207は、UI部210とCPU201とを接続してUI部210をCPU201から制御可能とするためのインタフェースである。
なお、ユーザの操作は、パーソナルコンピュータ等の外部装置から操作内容を示すデータを受信することにより受け付けてもよい。また、ユーザへの情報の提示は、画面の表示内容を示すデータや画面に表示させるべきデータを外部装置へ送信することによって行ってもよい。
図3に示すように、画像読取エンジンは、画像読取ユニット106、制御部301、ムラ発生位置特定部302、画像補正部303、記憶部304及び駆動部305を備える。
なお、ムラ発生位置特定部302及び画像補正部303は、制御部301が備える機能である。
このうち、画像読取ユニット106は、図1に示したものであり、光源103R、103G及び103Bから光を原稿や基準白板などの読取対象物に照射し、反射光をイメージセンサ105でラインデータとして取得する機能を備え、複数色の光を読取対象物に照射してその画像を読み取る画像読取手段として機能する。
駆動部305は、画像読取ユニット106を駆動して主走査方向及び副走査方向に移動させたり、原稿を搬送するADFを駆動したりする機能を備える。
図4は、画像読取装置100における感度ムラの補正処理の流れを示すフローチャートである。各ステップにおける処理は、図3に示した制御部301が行うものである。この処理は、ソフトウェアによるものであっても、ハードウェアロジックによるものであってもよい。
なお、保護膜の膜厚、屈折率及び各照明光の波長等から、どの色の光について保護膜の干渉の影響が大きいかは、装置の設計時あるいは製造時に特定することができる。以下の処理においては、その干渉の影響が大きい色を「所定の1色」とし、ここではその色はRであるとする。
次に、制御部301は、ステップS101で読み取った第1ラインデータに感度ムラが発生しているか否かを調べる(S104)。感度ムラの発生有無を調べる方法については、図5に基づいて説明する。
図5において、(a)は基準白板読取時のラインデータを示しており、第1ラインデータをfwr(x)、第2ラインデータをfw(x)とする。xは主走査方向の画素の位置を表す。
第1ラインデータをfwr(x)の平均値をAr、平均値からの差の絶対値の最大値(変動幅)をBrとする。第2ラインデータfw(x)の平均値をA、平均値からの差の絶対値の最大値をBとする。
|A − Ar|の比が所定値以下であるか否かにより判定する。
すなわち、次の式1及び式2を同時に満たすxが存在するか否かで感度ムラの発生有無を判定する。
|fwr(x)/Ar − 1|≧ 0.1…(式1)
|(fw(x) − fwr(x))/(A − Ar)−1 |≦ 0.1…(式2)
式1及び式2を同時に満たすxが存在すれば、その範囲(P1≦x≦P2)がR色光源で感度ムラが発生している箇所と特定する。一方、そのようなxが存在しなければ、感度ムラは発生していないと判定する。
すなわち、次の式3において、Dif(B)が0以上であれば主走査画素P1からP2までの範囲において画像データの感度ムラの補正を行い、0未満であれば画像データの補正は不要と判定する。
Dif(B)が0以上とは、BrがBdに比べて大きい場合であり、この場合には画像データfd(x,y)中の画素値の変動には、Rの光の干渉の影響が大きいと考えられるため、補正を行う。逆に、Dif(B)が負とは、BrがBdに比べて小さい場合であり、この場合には画像データfd(x,y)中の画素値の変動には、Rの光の干渉の影響が小さく、画素値の変動は画像自体の濃淡によるものであると考えられる。従って、補正は行わない。なお、ここではDif(B)=0を閾値としたが、読み取り画像のシャープさや発生する感度ムラの大きさに応じて閾値を変えてもよい。
f'd(x,y) = fd(x,y) − {fwr(x) − Ar}・Bd/Br … (式4)
これは、Rの感度ムラが反映されている第1ラインデータを用い、その平均値からのずれを、画像データにおける画素値変動のスケールに換算して、読み取りで得られた画像データの画素値から減算するものである。このことにより、画像データからRの感度ムラの影響による画素値の変動を取り除くことができる。
感度ムラが複数の箇所で発生している場合には、その各範囲毎に、Ad及びBdの算出、Dif(B)の算出及び必要な場合の画像データの補正を行う。
一方、上記式1及び式2を同時に満たすxが存在する場合(S104のY)、制御部301は、そのようなxの範囲(P1≦x≦P2)を、感度ムラが発生している主走査位置と特定する(S105)。
ステップS108において、Dif(B)≧0の場合(S108のY)、制御部301は、画像データを式4に基づいて補正する(S109)。なお、式4において、xはP1≦x≦P2の範囲の各値であり、yはcomp_lineによって決まる値である。図示は省略したが、ステップS105で感度ムラの発生領域を複数特定した場合には、その各領域についてステップS108及びS109の処理を行う。
これに対して、ステップS108において、Dif(B)<0の場合(S108のN)、制御部301は、ステップS110に移行し、ライン数レジスタ(comp_line)をインクリメントしてからステップS107に戻り、ステップS108〜S110の処理を繰り返す。
f'w(x) = (fw(x) − fwr(x))・A/(A - Ar) …(式5)
そして、制御部301は、最後に(必要に応じてステップS109の補正を行った後の)画像データを、ステップS111の補正を行った後の第2ラインデータを用いてシェーディング補正して(S112)、処理を終了する。
この第1実施形態による処理により、所定の1色の光を基準白板に照射して読み取った第1ラインデータを用いて、その1色についての感度ムラの発生箇所を特定することができる。
また、受光センサにおける受光感度の影響による原稿画像データの感度ムラの補正を、副走査方向のすべてのラインについて行うので、感度ムラの除去効果が高くなる。
次に、本発明の第2実施形態の画像読取装置について説明する。この第2実施形態の画像読取装置は、感度ムラの補正処理が第1実施形態と異なるのみである。そこで、この点を中心に説明し、第1実施形態の画像読取装置100と対応する箇所には同じ符号を用いる。
すなわち、第2実施形態では、ステップS108における「Dif(B)≧0?」の判定が、副走査方向に所定ライン数(ここでは5とする。)連続して発生している場合にのみ、ステップS109で画像データの補正を行う。
図6は、この第2実施形態の画像読取装置における感度ムラの補正処理の流れを示す、図4と対応するフローチャートである。各ステップにおける処理は、図3に示した制御部301が行うものである。
一方、ステップS107〜S110の処理を繰り返す途中で、ステップS108において一度でもDif(B)<0と判定すると(S108のN)、制御部301は、補正レジスタhosei_regの値をゼロにリセットする(S204)。そして、ステップS110に移行し、次のラインに移って、ライン数がimg_lineに達するまでステップS107〜S110の処理を繰り返す。
次に、本発明の第3実施形態の画像読取装置について説明する。この第3実施形態の画像読取装置も、感度ムラの補正処理が第1実施形態と異なるのみである。そこで、この点を中心に説明し、第1実施形態の画像読取装置100と対応する箇所には同じ符号を用いる。
図7は、第3実施形態の画像読取装置における感度ムラの補正処理の流れを示す、図4と対応するフローチャートである。各ステップにおける処理は、図3に示した制御部301が行うものである。
これは、あるラインにおいて感度ムラが発生していなければ、その近辺では感度ムラが発生している可能性は低いと考えられるので、所定のライン数は補正要否の判定及び補正自体をスキップしてからその後のラインについて再度補正要否の判定(S108の判定)をすればよいという考え方に基づいている。
次に、本発明の第4実施形態の画像読取装置について説明する。この第4実施形態の画像読取装置も、感度ムラの補正処理が第1実施形態と異なるのみである。そこで、この点を中心に説明し、第1実施形態の画像読取装置100と対応する箇所には同じ符号を用いる。
第1実施形態が、各ラインの主走査方向の全域に亘って感度ムラの発生位置の特定及びその位置における画像データの補正を行うのに対し、第4実施形態では、各ラインの読み取り領域を予め主走査方向に所定画素数で複数のエリアに分割し、感度ムラの発生位置の特定及び画像データの補正をそのエリア毎に行う点が異なる。
図8に示すように、画像読取装置は、主走査方向の読取有効範囲を、所定の画素数ごとに所定の数に複数のエリアに分割する。図8では、P1〜P4が読取有効範囲であるとし、これを第1〜第3エリアに分割している。そして、そのエリアごとに、エリア内で|fwr(x) − Ar|が最大となるような主走査方向位置xについてのみ、上述の式1及び式2を適用して感度ムラの発生有無を判定する。例えば、第1エリアであればfwr(x)=B1となるxについてであり、第2エリアであればfwr(x)=B2となるxについてである。
図9の処理は、ステップS101〜S103までは、図4と同じである。その後、制御部301はエリアレジスタareaに「0」をセットし(S401)、次に、エリアレジスタareaをインクリメントし(S402)、area番目のエリアについて、ステップS403以降の処理を開始する。
例えば、上記の実施形態では、3色(RGB)のLED光源を用いて原稿を読み取るとき、LED光源の波長と受光センサの保護膜厚さとの関係によって干渉が発生する色を赤(R)として説明したが、これに限られないことは言うまでもない。他の色で干渉が発生する場合、その色を「所定の1色」とすればよい。
特定の色の光源で干渉が起こり易いことは分かっている場合が多いが、分からない場合は、事前にテストを行って決めることもできるので、予め特定の色に限定する必要もない。
さらに、主走査方向の感度ムラの発生位置の特定に使用する式1及び式2は、上記実施形態では、両方の式を同時に満たす場合について説明したが、式1のみで判定してもよい。式2の方はR色以外の色(G+B)でムラが発生していない(若しくは少ない)ことの確認のための式であり、ムラ発生の可能性が低いと考えられるからである。
さらに、以上説明した各実施形態、動作の構成は、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施可能であることはもちろんである。
Claims (7)
- 複数色の光を読取対象物に照射してその画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段が前記複数色のうち所定の1色の光を基準部材に照射して読み取った第1基準画像データを記憶する記憶手段と、
前記第1基準画像データに基づき、前記画像読取手段による前記1色の光を用いた読み取りにおける主走査方向の感度ムラの発生位置を特定する特定手段と、
前記画像読取手段が前記複数色の光を原稿に照射して読み取った原稿画像データのうち前記特定手段が特定した感度ムラ発生位置のデータを、前記第1基準画像データを用いて補正する補正手段とを備えたことを特徴とする画像読取装置。 - 請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記特定手段は、前記第1基準画像データの値が所定の範囲内にない位置を、前記感度ムラの発生位置として特定することを特徴とする画像読取装置。 - 請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記記憶手段は、前記画像読取手段が複数色の光を前記基準部材に照射して読み取った第2基準画像データも記憶し、
前記特定手段は、前記第1基準画像データと前記第2基準画像データとに基づき、前記感度ムラの発生位置を特定することを特徴とする画像読取装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像読取装置であって、
前記補正手段は、前記感度ムラ発生位置について前記第1基準画像データの変動幅と前記原稿画像データの変動幅との差が所定閾値以上である場合に、前記感度ムラ発生位置における前記原稿画像データの補正を行うことを特徴とする画像読取装置。 - 請求項4に記載の画像読取装置であって、
前記補正手段は、前記原稿画像データのうち副走査方向に連続する複数の読み取りラインについて連続して、前記第1基準画像データの変動幅と前記原稿画像データの変動幅との前記差が前記所定閾値以上である場合に、前記感度ムラ発生位置における前記原稿画像データの補正を行うことを特徴とする画像読取装置。 - 請求項3又は4に記載の画像読取装置であって、
前記補正手段は、前記第1基準画像データの変動幅と前記原稿画像データの変動幅との前記差が前記所定閾値未満である場合、その後の所定数の読み取りラインについて前記原稿画像データの補正を行わないことを特徴とする画像読取装置。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像読取装置であって、
前記特定手段は、前記画像読取手段による読み取り領域を主走査方向に分割した複数のエリアごとに、該エリアで感度ムラが発生しているか否かを判定する手段であり、
前記補正手段は、前記特定手段が感度ムラ発生ありと判断したエリアが前記感度ムラ発生位置であるとして、前記補正を行うことを特徴とする画像読取装置。
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