《第一実施形態》
以下、本発明に係る第一実施形態について図1及び図2を参照して説明する。
料金所設備100では、走行レーンL上を通行する車両Cに搭乗している利用者に対して料金所通行に関する処理が行われる。図1に示すように、本実施形態の料金所設備100は、例えば、有料道路の出口料金所に設置されている。料金所設備100では、現金の収受等の料金収受に関する処理を収受員無しで無人で行うことが可能な料金機械である料金自動収受機10と、利用者によって料金自動収受機10が操作された操作状況を撮影する撮影部20と、料金自動収受機10から離れた遠隔地にある料金所事務所Oに設けられる監視盤30と、を備えている。
なお、料金所設備100では、監視盤30は、本実施形態のように料金所事務所Oに設置される場合だけでなく、遠隔監視をするために当該料金所事務所O以外に設置されていてもよい。
第一本実施形態の料金自動収受機10は、走行レーンLの側部に設けられたアイランドI上に配置される。ここでは、料金自動収受機10は、走行レーンLとアイランドIとの境界から建築限界として定められる所定の間隔だけ離間した位置に配置されている。そして、走行レーンL上を通行する車両Cの運転席側面が料金自動収受機10と対面する位置で境界に幅寄せして停車され、当該車両Cに搭乗した利用者によって料金自動収受機10は操作される。本実施形態における料金自動収受機10は、料金自動収受機10の外装である筐体1と、筐体1に設けられて利用者によって料金所通行の料金収受に関する操作が行われる操作部2と、利用者によって搭乗している車両Cの車種が操作されて選択される車種選択部3と、を有している。料金自動収受機10は、車種選択部3における選択結果に基づいて利用者が搭乗している車両Cの車種を判別する制御処理を実施する車種判別制御部4と、料金収受に関する情報を表示する表示部5と、表示部5に表示させる情報を制御処理する表示制御部6と、を有している。料金自動収受機10は、車種判別制御部4における判別結果を利用者に報知する報知部7と、操作部2や車種判別制御部4における処理結果に基づいて料金自動収受機10での料金収受に関する制御処理を実施する料金収受制御部8と、を有している。
筐体1は、走行レーンLの側部に設けられたアイランドI上に配置される。筐体1は、鉛直方向の上下方向に延びる直方状をなしており、走行レーンLの幅方向を向いて走行レーンLの側部と平行な面を前面1aとしている。筐体1は、その前面1aが走行レーンLとアイランドIとの境界であるアイランドIの幅方向の端部から建築限界として法律で定められた所定の間隔として、例えば、250mm以上を離して配置されている。
操作部2は、車種選択部3とは異なる料金所通行に関する通行情報が入力される。操作部2は、各処理口や各ボタンを通じて料金所を通行するための通行情報を入力するために、料金自動収受機10に対して金銭の収受、通行券・領収書のやり取りや収受員の呼び出し等を利用者が行う際に使用される。即ち、操作部2は、車種選択部3ととともに、筐体1の前面1aに設けられて、走行レーンL上を通行する車両Cに搭乗した利用者により、利用者が通行料金に精算を行うために料金自動収受機10を利用する際に操作される操作端末である。本実施形態の操作部2は、処理口に不図示のセンサが設けられており、利用者によって操作された操作結果に対応する信号を操作情報D4として料金収受制御部8に出力する。
操作部2は、通行する車両Cの運転席の高さ位置に応じて利用し易いように筐体1の前面1aの鉛直方向に並んで上段操作部2aと下段操作部2bとが設けられている。上段操作部2a及び下段操作部2bの共通の構成として、操作部2は、紙幣が挿入または返却される紙幣挿入口21と、硬貨の投入を行う硬貨投入口23と、硬貨の受け取りを行う釣銭返却口24とを有している。また、操作部2は、通行券が挿入される通行券挿入口25と、クレジットカード等を挿入するカード挿入口26と、領収書の発行指示を受け付ける領収書発行ボタン27と、領収書を外方に送り出す領収書発行口28と、異常時等に収受員を呼び出す収受員呼び出しボタン29とを有している。
なお、本実施形態における紙幣挿入口21は、紙幣を挿入する処理口と返却する処理口とが一体に設けられているが、この構造に限定されるものではない。例えば、紙幣が挿入される紙幣挿入口と紙幣が返却される紙幣返却口とのように、別々の処理口として設けられていてもよい。
車種選択部3は、筐体1に設けられ、走行レーンL上を通行する車両Cに搭乗する利用者によって車両Cの種類である車種が操作されて選択される入力装置である。本実施形態における車種選択部3は、筐体1の前面1aにおいて、上段操作部2a及び下段操作部2bのそれぞれに対応して配置されている。車種選択部3は、利用者が搭乗している車両Cの車種を利用者自身によって選択させることで、選択結果に対応する車種に応じた信号を車種判別制御部4に出力する。本実施形態の車種選択部3は、選択する車種として、五つの車種区分ごとに対応するボタンがそれぞれ設けられている。例えば、車種選択部3は、A車種区分ボタン、B車種区分ボタン、C車種区分ボタン、D車種区分ボタン、E車種区分ボタンを有している。これらのボタンは、軽自動車や二輪自動車等の小型車が属する車種区分から大型バスや大型特殊自動車のような特大車が属する車種区分までの五つの車種区分に対応して設けられている。車種選択部3は、上段操作部2aに対応して配置される上段車種選択部3aと、下段操作部2bに対応して配置される下段車種選択部3bとを有している。上段車種選択部3a及び下段車種選択部3bは同様の構成を有している。車種選択部3は、利用者によっていずれかのボタンが選択されることで、選択されたボタンに対応する信号を車種判別制御部4や表示制御部6に出力する。
車種判別制御部4は、図2に示すように、車種選択部3の選択結果に基づいて出力される信号から、利用者が搭乗している車両Cの車種を判別する。本実施形態の車種判別制御部4は、車種選択部3から出力される信号に基づいて利用者が搭乗している車両Cの車種を決定する車種決定部41と、車種決定部41の決定結果に基づいて料金収受制御部8や報知部7に信号を送る出力部42とを有している。
車種決定部41は、利用者が車種選択部3を選択することによって出力される信号に基づいて、車種を決定する。車種決定部41は、決定した車種の情報を車種情報D1として出力部42に出力する。具体的には、本実施形態の車種決定部41は、車種選択部3のいずれかの車種区分に対応するボタンが利用者によって押されることで、利用者が搭乗している車両Cの車種を決定し、出力部42に車種情報D1として信号を出力する。
出力部42は、車種決定部41から入力された車種情報D1を料金収受制御部8や報知部7に信号として出力する。また、出力部42は、筐体1から遠く離れ得た料金所事務所Oに配置された監視盤30にも車種情報D1を出力する。
表示部5は、走行レーンL上を通行する車両Cに搭乗した利用者に対して、表示制御部6を介して料金収受に関する情報や撮影部20で撮影した撮影情報D2を表示して通知する。表示部5は、筐体1の前面1aにおいて、上段操作部2a及び下段操作部2bのそれぞれ鉛直方向の上方に並んで配置されている。
表示制御部6は、表示部5に表示させる情報を制御処理する。表示制御部6は、車種選択部3や撮影部20や料金収受制御部8から入力される情報を選択して表示部5に送る。本実施形態における表示制御部6は、車種選択部3が利用者によって操作されると、撮影部20によって撮影されている撮影情報D2に基づく映像を表示部5に表示させる。具体的には、車種選択部3であるいずれかのボタンが利用者によって押されて信号が入力されると、表示制御部6は、撮影部20から入力される撮影情報D2のうち、車種選択部3が操作される前の数秒程度の所定の時間にわたる撮影情報D2から映像データを生成する。そして、表示制御部6は、生成した映像データを表示部5に送る。これにより、撮影情報D2は利用者が車種選択部3を操作した時の操作状況の映像として表示部5に表示される。また、表示制御部6は、料金収受制御部8に対応しており、料金収受制御部8から出力される料金収受に関する情報に基づいて、表示部5に表示させる料金収受に関する情報を送る。
報知部7は、出力部42から出力された車種情報D1を利用者に対して報知する。報知部7は、筐体1の前面1aにおける操作部2の上段操作部2aに対応して配置されている。本実施形態の報知部7は、表示部5に隣接して設けられているスピーカーである。報知部7は、出力部42から出力された車種情報D1に基づいて、車種選択部3で選択されたボタンに対応する車種区分が入力されて受け付けられたことを利用者に対して報知する。即ち、報知部7は、利用者が押した車種選択部3のボタンに基づいて、選択された車種を利用者に対して音声によって報知する。
また、報知部7は、報知した音声を監視員が任意のタイミングで消音させることが可能とする不図示のスイッチを有している。このスイッチは、例えば本実施形態においては、監視盤30に配置されて遠隔地から監視員によって操作されたりする。
料金収受制御部8は、料金自動収受機10において操作部2や車種判別制御部4からの信号に基づいて、料金所通行の料金収受に関する制御処理を実施する。ここでいう料金所通行の料金収受に関する制御処理とは、料金自動収受機10において実施される紙幣や硬貨の収受、釣銭の払出、通行券の読み取り、領収書の発行、収受員の呼び出し等である。また、料金収受制御部8は、出力部42から入力される車種情報D1が入力され、この車種情報D1に基づいて料金収受に関する制御処理を実施する。料金収受制御部8は、料金収受に関する制御処理の結果を、表示制御部6に対して料金収受情報D3として出力する
本実施形態の料金収受制御部8は、例えば、利用者によって操作された操作部2の操作結果である操作情報D4と、出力部42からの車種情報D1とに基づいて、料金所の通行料金の算出等の精算処理や現金の収受等の課金処理を実施している。具体的には、料金収受制御部8は、車両Cの利用者によって通行券挿入口25に挿入される通行券に磁気記録された情報を取り込み、この通行券に記録された入場情報を取得する。料金収受制御部8は、この入場情報と出力部42から入力される車種情報D1とに基づいて、利用者が料金所を通行するための通行料金を算出する。そして、料金収受制御部8は、算出された通行料金を料金収受情報D3の一つとして表示制御部6に出力する。料金収受制御部8は、通行料金に応じて利用者より徴収処理を行う。この徴収処理は、例えば、硬貨投入口23に投入される硬貨や紙幣挿入口21に挿入される紙幣によって料金を徴収する方法と、カード挿入口26に挿入されるクレジットカード等によって料金を徴収する方法とがある。料金収受制御部8は、算出された通行料金も料金収受情報D3の一つとして表示制御部6に出力する。
撮影部20は、操作状況を外部から撮影する。本実施形態の撮影部20は、走行レーンLを挟んで筐体1と対向する位置に配置されている監視カメラである。撮影部20は、操作状況として、筐体1の前に停車した利用者の車両Cを前方から撮影している。撮影部20は、撮影している利用者が搭乗している車両の映像を撮影情報D2として表示制御部6に出力している。また、撮影部20は、この撮影情報D2を監視盤30にも出力している。
監視盤30は、料金所に設けられる料金自動収受機10等の各種機器から出力される情報を受信し、料金所から離れた場所である料金所事務所Oにおいて監視員が料金自動収受機10での処理内容を監視可能としている。本実施形態における監視盤30は、利用者が選択した車種選択部3の選択結果を遠隔地の監視員に報知する遠隔報知部301と、利用者が車種選択部3で選択した選択結果を記憶する記憶部302と、記憶部302で記憶した情報を表示させて遠隔地の監視員に報知する遠隔表示部303とを有している。
遠隔報知部301は、車種選択部3によって選択された車種の情報である車種情報D1を料金所事務所Oの監視員に対して利用者の選択結果として報知する。本実施形態の遠隔報知部301は、監視盤30に設けられたスピーカーである。遠隔報知部301は、車種判別制御部4の出力部42が出力した車種情報D1を、音声で利用者が車種選択部3で選択した車種として監視員に報知する。即ち、遠隔報知部301は、利用者が押した車種選択部3のボタンに基づいて、選択された車種を音声によって監視員に報知する。
記憶部302は、車種選択部3によって選択された車種の情報である車種情報D1を記憶する。また、記憶部302は、撮影部20から入力される撮影情報D2を記憶する。本実施形態の記憶部302は、車種判別制御部4の出力部42が出力した車種情報D1が入力され、入力された車種情報D1を入力された日時等の時間情報、及び撮影部20から入力される撮影情報D2とともに記憶情報として記憶する。記憶部302は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶媒体を有する。
遠隔表示部303は、監視員に対して記憶部302に記憶された記憶情報を表示する。本実施形態の遠隔表示部303は、監視員によって操作される不図示の操作端末を有している。遠隔表示部303は。この操作端末が監視員によって操作されることで、任意の記憶情報を呼び出して表示可能となっている。また、遠隔表示部303は、撮影部20から入力される撮影情報D2を表示可能となっている。
次に、上記構成の第一実施形態の料金所設備100の作用について説明する。
上記のような第一実施形態の料金所設備100は、筐体1の前方に幅寄せして停車した車両Cの利用者により、料金自動収受機10に設けられた車種選択部3である五つのボタンのいずれかが選択される。例えば、利用者が普通自動車に搭乗している場合、利用者は下段操作部2bの上方に配置された車種選択部3において普通自動車の属する車種区分に対応するボタン(本実施形態では仮にB車種区分ボタンとする)を押す。B車種区分ボタンが押されると、車種選択部3は、B車種区分ボタンに対応する信号を車種決定部41や表示制御部6に出力する。車種決定部41は、車種選択部3からB車種区分ボタンに対応する信号が入力されると、利用者が搭乗している車両Cの車種が普通自動車の属する車種区分であるとの車種情報D1を出力部42に信号として出力する。
表示制御部6には、撮影部20によって筐体1の前に停車した利用者の車両Cを前方から映した映像が撮影部20から撮影情報D2として入力されている。車種選択部3からの信号が入力された表示制御部6は、下段操作部2bの上方に配置された表示部5に対して撮影情報D2を送って撮影情報D2に基づく映像を表示させる。表示部5は、利用者に対して撮影情報D2に基づく映像を表示させて通知する。この撮影情報D2に基づく映像は利用者の車両Cを前方から映しているため、車種選択部3が操作された場合には、車両Cとともに車種選択部3を操作する利用者が映っている。即ち、表示部5は、車両C及び車種選択部3を操作した利用者自身の様子を表示させて、監視されていることを利用者に対して通知している。
また、車種決定部41からの信号が入力された出力部42は、入力された車種情報D1を料金収受制御部8と報知部7とに出力する。併せて、出力部42は、この車種情報D1を監視盤30の遠隔報知部301と記憶部302とにも出力する。
車種情報D1が入力された報知部7は、利用者に対してB車種区分ボタンが押されて普通自動車の属する車種区分が選択されたことを音声で報知する。なお、監視員は、音声を確認して不要と判断した場合、遠隔地から監視盤30に配置されたスイッチを操作することで、音声を消すことが可能となっている。
車種情報D1が入力された遠隔報知部301は、料金所事務所Oに待機する監視員に対して、B車種区分ボタンが押されて普通自動車の属する車種区分が選択されたことを音声で報知する。監視員は、報知された音声と遠隔表示部303に表示される撮影情報D2に基づいて、利用者が誤って実際に搭乗している車種と異なる車種を選択していないか確認を行う。
記憶部302は、入力された車種情報D1、及び車種情報D1が入力された日時の時間情報とともに、撮影部20から入力される撮影情報D2を記憶情報として記憶する。記憶部302に記憶された記憶情報は、監視員が確認したいときに、監視盤30の遠隔表示部303の操作端末を操作することで、呼び出して遠隔表示部303に表示される。
また、利用者は、車種選択部3を操作した後に、料金所通行の料金収受に関する操作を料金自動収受機10に対して行う。具体的には、利用者は通行券を操作部2の通行券挿入口25に挿入する。通行券が挿入されると、通行券挿入口25の不図示のセンサから料金収受制御部8に信号が出力される。料金収受制御部8では、この通行券を取り込み、この通行券の磁気情報に基づき入場情報を取得する。料金収受制御部8は、この入場情報と出力部42から入力される車種情報D1とに基づいて、利用者が料金所を通行するための車種や通行距離に応じた通行料金を算出する。そして、料金収受制御部8は、算出された通行料金を料金収受情報D3の一つとして表示制御部6に出力する。表示制御部6は、表示部5に対して料金収受に関する情報として算出した通行料金を表示するよう表示部5に指示を送る。指示を受けた表示部5は、撮影情報D2に基づく映像を表示したまま、通行料金を表示して、利用者に対して、料金所通行のために支払うべき料金を通知する。
表示部5に通行料金が表示されると、利用者は現金やクレジットカード等によって料金の支払いを行う。本実施形態では、利用者が現金によって支払う場合を例示して説明する。利用者は、通行料金に応じて支払うべき料金を硬貨投入口23に硬貨を投入したり、紙幣挿入口21に紙幣を挿入したりして支払いを行う。料金収受制御部8は、これらの硬貨や紙幣を処理して計数し、利用者によって投入された現金の金額を金額情報として算出する。そして、料金収受制御部8は、算出された金額情報を料金収受情報D3の一つとして表示制御部6に出力する。表示制御部6は、表示部5に対して料金収受に関する情報として算出した金額情報を表示するよう表示部5に指示を送る。指示を受けた表示部5は、金額情報を表示して、利用者が支払った金額を通知する。また、釣銭が発生する場合には、釣銭金額も料金収受制御部8で算出し、表示制御部6を介して表示部5に表示することで、釣銭が払い出されることを利用者に対して通知する。釣銭は、釣銭返却口24及び紙幣挿入口21から利用者に返却される。
なお、撮影部20は、本実施形態のように、操作状況として、筐体1の前に停車した利用者の車両Cを前方から撮影して、利用者が搭乗している車両Cを直接撮影することに限定されるものでなく、利用者に対して監視されていることを意識させるような状況を撮影できればよい。例えば、撮影部20は、利用者が操作している様子を撮影するため車種選択部3付近を撮影してもよい。
上記のような料金所設備100によれば、筐体1に設けられる車種選択部3である五つのボタンを操作させることで、利用者が搭乗している車両Cの車種を利用者に選択させることで、車種を確定することができる。そのため、高価な車種判別装置等を走行レーンLに設置したり、収受員を配置したりしなくとも、利用者が搭乗している車両Cの車種を、容易に確定することができる。これにより、設置コストを抑えて管理者の負担を軽減し、簡易な方式にて利用者の車両Cの車種を確定することができる。
また、監視カメラである撮影部20によって撮影された撮影情報D2を利用者が車種選択部3を操作した場合に表示部5に表示させることで、利用者が車種選択部3を操作している操作状況を搭乗している車両Cとともに表示部5に表示させることができる。したがって、表示部5を介して利用者に対して車両Cとともに監視されていることを通知することができる。そのため、利用者が料金所を通行するための費用を安くするために実際に搭乗している車両Cよりも小さい車種を選択するような不正を働こうとした場合に、実際には遠隔地で監視されていなくても、自らの行為が監視されている可能性を利用者に意識させて、利用者が実際に搭乗している車両Cの車種と異なる車種が故意に選択することを、心理的に抑制することができる。これにより、利用者によって車種選択部3が不正に操作されることを抑制することができる。
さらに、車種選択部3が利用者によって操作されて選択された車種を車種情報D1として報知部7から音声として利用者に通知することで、利用者自身が選択した車種を容易に確認させることができる。これにより、車種選択部3の操作を誤って実際に搭乗している車両Cの車種と異なる車種を利用者が選択してしまうことを効果的に抑制することができる。これにより、利用者の誤操作を容易に防止することができる。
加えて、音声によって利用者に対して監視されていることを意識させて、不正が行われることを心理的に抑制することができる。これにより、利用者によって車種選択部3が不正に操作されることを効果的に抑制することができる。
また、監視盤30として遠隔報知部301とともに、利用者が車種選択部3を操作している操作状況として、撮影部20からの撮影情報D2を遠隔表示部303に表示させることで、利用者が実際に搭乗している車両Cよりも小さい車種を選択するような不正を働こうとすることを遠隔地の監視員によって検出することができる。即ち、遠隔報知部301によって報知された利用者が選択した車種と、撮影部20が映している実際に利用者が搭乗している車両Cの映像とが異なっているか否かを監視員が確認することで不正を検出することができる。これにより、利用者によって車種選択部3が不正に操作されることをより効果的に抑制することができる。
さらに、記憶部302によって、利用者が車種選択部3で選択した結果である出力部42から出力された車種情報D1を記憶情報として記憶することで、遠隔表示部303を介して過去の利用者の車種情報D1を確認することができる。そのため、過去に料金所を通行した利用者が不正を働いていた場合に、該当する日時の過去の車種情報D1である記憶情報を呼び出して確認することができる。これにより、利用者が過去に行った不正を容易に検出することができる。
《第二実施形態》
次に、図3及び図4を参照して第二実施形態の料金所設備200について説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態の料金所設備200は、操作部2の操作情報D4に基づいて車種選択部3の選択結果が不正であるか否かを判定する点について第一実施形態と相違する。
即ち、第二実施形態の料金所設備200は、利用者によって操作された操作部2の操作情報D4に基づいて、車種選択部3において利用者が選択した選択結果に不正があると判定した場合に警報を発する判定警報部9を備えている。
また、料金所設備200の車種選択部3は、第一実施形態と異なり、上段車種選択部3a及び下段車種選択部3bは異なる構成となっている。具体的には、第二実施形態の上段車種選択部3aは、選択する車種として、三つの車種区分に対応するボタンしか設けられていない。より具体的には、第二実施形態の上段車種選択部3aは、例えば、車種選択部3は、中型車以上の車種区分に対応するC車種区分ボタン、D車種区分ボタン、E車種区分ボタンを有している。逆に、第二実施形態の下段車種選択部3bは、選択する車種として、上段車種選択部3aとは異なる三つの車種区分に対応するボタンが設けられている。より具体的には、第二実施形態の下段車種選択部3bは、例えば、車種選択部3は、中型車以下の車種区分に対応するA車種区分ボタン、B車種区分ボタン、C車種区分ボタンを有している
判定警報部9は、操作部2が操作されることにより入力される操作情報D4に基づいて、利用者が車種選択部3を操作して選択した結果が不正であるか否かを判定する判定部91と、判定部91の判定結果に基づいて警報を発する判定警報部本体92とを有している。
判定部91は、操作部2において行われた操作結果を操作情報D4が入力されることで取得する。本実施形態の判定部91は、上段操作部2a及び下段操作部2bのどちらが操作されたかが操作情報D4として入力される。判定部91は、上段操作部2a及び下段操作部2bが利用者によって操作されることで、各処理口の不図示のセンサから検出される信号が操作情報D4として入力される。また、判定部91は、車種選択部3の選択結果も入力される。本実施形態の判定部91は、上段車種選択部3a及び下段車種選択部3bが利用者によって操作されることで、どちらが操作されたかが信号として入力される。判定部91は、これらの上段操作部2a、下段操作部2b、上段車種選択部3a、及び下段車種選択部3bから入力された信号に基づいて、所定の条件を満たしているかを判定する。判定部91は、所定の条件を満たしていると判定すると、判定警報部本体92に警報を発するよう指示を信号として出力する。
本実施形態における所定の条件とは、利用者によって上段車種選択部3aが操作され、かつ下段操作部2bが操作された場合と、利用者によって下段車種選択部3bが操作され、かつ上段操作部2aが操作された場合とである。即ち、本実施形態の所定の条件とは、上段車種選択部3aが操作されたとの信号を受けた後に下段操作部2bが操作されたとの信号を判定部91が受けた場合と、下段車種選択部3bが操作されて選択されたとの信号を受けた後に上段操作部2aが操作されたとの信号を判定部91が受けた場合である。
判定警報部本体92は、判定部91からの信号が入力されると利用者に対して警報を発する。本実施形態の判定警報部本体92は、不正操作である旨の警報が音声によって利用者に通知される。判定警報部本体92は、報知部7と一体に設けられるスピーカーである。
次に、上記構成の第二実施形態の料金所設備200の作用について説明する。
上記のような第二実施形態の料金所設備200は、利用者が搭乗する車両Cは、筐体1の前方に幅寄せして停車する。そして、停車した車両Cの利用者により、料金自動収受機10に設けられた車種選択部3の上段車種選択部3aまたは下段車種選択部3bのうち、利用者が搭乗している車両Cから利用しやすい方の車種選択部3が選ばれて操作される。例えば、利用者が大型トラックに搭乗している場合、下段車種選択部3bよりも上段車種選択部3aの方が運転席に近く利用者が車両Cに搭乗したまま利用し易くなっている。そのため、通常の利用者であるならば、上段車種選択部3aを操作して、そのまま上段操作部2aを操作する。ところが、不正を働こうとしている利用者の場合、上段車種選択部3aには無い小型車を選択するために、あえて車両Cから手を伸ばして下段車種選択部3bを操作して搭乗している車両Cが軽自動車であると見せかける。その後、利用者は、操作部2において行う必要のある料金収受に係る操作を上段操作部2aによって行う。
このような操作が利用者によって行われると、判定警報部9の判定部91には下段車種選択部3bが利用者によって操作されて選択されたとの信号が入力される。その後、上段操作部2aが利用者に操作されることで、上段操作部2aの処理口に設けられたセンサから信号が入力される。判定部91は、下段車種選択部3bが操作されて選択されたとの信号を受けた後に上段操作部2aが操作されたとの信号を受けているため、所定の条件を満たしているとして、利用者の車種選択部3における選択結果には不正があると判定する。判定部91は、不正があると判定すると、判定警報部本体92に信号が送られる。信号を受けた判定警報部本体92は、不正操作である旨の警告を音声によって利用者に対して通知する。
上記のような料金所設備200によれば、判定警報部9の判定部91によって利用者が操作する操作部2の操作情報D4と、車種選択部3の選択結果を比較することで、車種選択部3の選択結果が正しいか否かを容易に判定することができる。そのため、利用者によって実際に搭乗している車両Cの車種と異なる車種が故意に選択されることを検出することができる。これにより、利用者によって車種選択部3が不正に操作されることをより効果的に抑制することができる。
なお、判定部91は、本実施形態にように判定警報部9として筐体1に設けられて利用者に対して警報を発することに限定されるものではない。例えば、判定部91は、第一実施形態の監視盤30に設けられて、監視員に対して判定結果を報知してもよい。このように判定部91の判定結果を外部の監視員に報知することで、第三者によって車種選択部3における操作に不正や間違いがないか容易に監視することができる。
また、上段車種選択部3aと下段車種選択部3bとが本実施形態のように同じ車種を選択できるようにしていることに限定されるものではない、即ち、下段車種選択部3bにおいて選択される確率が極めて低い特大車に対応するボタンを廃止したり、上段車種選択部3aにおいて選択される確率が極めて低い軽自動車に対応するボタンを廃止したりして上段車種選択部3aと下段車種選択部3bとを予め異なるように構成してもよい。
さらに、車種選択部3のボタンの種類と操作部2の操作情報D4とを比較して不正であるか否かを判定して警報を発してもよい。即ち、車種選択部において利用者が選択した選択結果として車種情報D1が判定部91に入力され、車種ごとに上段操作部2aまたは下段操作部2bのどちらが操作されたかの操作情報D4との比較により判定してもよい。
《第三実施形態》
次に、図5及び図6を参照して第三実施形態の料金所設備300について説明する。
第三実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第三実施形態の料金所設備300は、車種選択部3において選択可能な車種をあらかじめ限定する点について、第一実施形態と相違する。
即ち、第三実施形態の料金所設備300は、走行レーンLの料金所に進入する車両Cの情報を検出車両情報D5として検出する車両進入検出部310と、車両進入検出部310によって検出した検出車両情報D5から車両情報を取得して車種選択部3において選択できる車種を予め限定して利用者が搭乗している車両Cの車種を判別する制御処理を実施する第一限定車種判別制御部320と、車種選択部3において予め限定された以外の車種を選択できないようにする操作規制部90とを有している。
車両進入検出部310は、走行レーンLの所定のエリアXとして料金所に進入する車両Cを検出して、その車両Cの情報を検出車両情報D5として取得する。本実施形態の車両進入検出部310は、所定のエリアXに進入する車両Cを検出するために、料金所への進入口側に配置されている。車両進入検出部310は、車両検知器として、料金所に進入する車両Cの台数を検知する車両分離器311と、料金所に進入する車両Cのタイヤから車軸数等を検知する車種判別用踏板312と、を有している。
車両分離器311は、光センサにより車両Cの一台ごとを分離して検知する装置である。本実施形態における車両分離器311は、料金所の走行レーンLにおける料金自動収受機10よりも入口側(図5における車両Cの進行方向の手前側)の側部に設けられている。そして、車両分離器311は、料金所の走行レーンLに進入した車両Cが光センサを遮ることで何台の車両Cが通過したかを検知し、料金所に車両Cが進入してことを検知する。車両分離器311は、検知結果の情報を第一限定車種判別制御部320へ出力する。
車種判別用踏板312は、料金所の走行レーンLに進入してきた車両Cの車軸数、タイヤ幅、トレッドを検出する装置である。本実施形態における車種判別用踏板312は、料金所の走行レーンLにおける進入口側の車両分離器311が設置されている位置の路面に設けられている。そして、車種判別用踏板312は、進入してきた車両Cに踏まれることで車両Cの車軸数、タイヤ幅、及びトレッドを検知する。そして、車種判別用踏板312は、これらの情報を第一限定車種判別制御部320へ出力する。
第一限定車種判別制御部320は、車両分離器311及び車種判別用踏板312からの情報に基づいて利用者が搭乗している車両Cの車種を予め限定する車種候補限定部321と、車種候補限定部321の限定結果に基づいて車種選択部3で選択可能な車種を限定する選択車種限定部322とを有している。加えて、第一限定車種判別制御部320は、第一実施形態と同様の車種決定部41と出力部42とを有する。
車種候補限定部321は、車両分離器311及び車種判別用踏板312から利用者が搭乗している車両Cに関する情報を車両情報である検出車両情報D5として取得する。車種候補限定部321は、取得した車両情報と、予め定められて車両情報によって限定される車種を特定するための車種限定情報とに基づいて、利用者の搭乗している車種の候補を限定する。
ここでいう車種限定情報とは、車両情報として取得する情報と同じ種類の情報であり、監視員や収受員によって予め入力されている車種を特定するための車両Cの特徴を示す情報である。第三実施形態の車種限定情報とは、車種区分ごとの車両Cの車軸数、タイヤ幅、トレッド、及びタイヤの幅方向の位置に関する情報が含まれる。このような車種限定情報としては、例えば、車軸数が二軸であれば軽自動車または普通自動車等であるとの情報や、タイヤ幅が所定の大きさ以上あれば中型車以上であるとの情報が挙げられる。
本実施形態における車種候補限定部321は、取得した車両情報と上述したような車種限定情報とを比較し、明らかに一致せず除外可能な車種を候補から外すことで限定する。例えば、車種候補限定部321は、検出車両情報D5から車両情報として車軸数が四軸であるとの情報を取得した場合、明らかに二輪自動車や軽自動車や普通自動車ではないとして車種の候補から外して、中型車以上の車種であると車種の候補を限定する。車種候補限定部321は、限定結果の情報を信号として選択車種限定部322に出力する。
選択車種限定部322は、車種候補限定部321から入力された限定結果の情報に基づいて、車種選択部3によって利用者が選択可能な車種を限定する。本実施形態の選択車種限定部322は、車種候補限定部321によって限定された車種の候補に該当するボタンを点灯させるよう車種選択部3に信号を送る。
操作規制部90は、選択車種限定部322によって選択可能な車種が限定された車種選択部3において、選択可能な車種以外を操作できないよう規制して、利用者に選択させないようにする。本実施形態の操作規制部90は、車種候補限定部321によって限定されて点灯しているボタン以外の点灯していないボタンを押せないように固定して、利用者によって操作できないよう規制する。
次に、上記構成の第三実施形態の料金所設備300の作用について説明する。
上記のような第三実施形態の料金所設備300は、車両Cが走行レーンLの所定のエリアXである料金所に進入すると、車両進入検出部310である車両分離器311及び車種判別用踏板312によって利用者が搭乗している車両Cの情報が検出車両情報D5として検出される。具体的には、車両Cが車両分離器311及び車種判別用踏板312を通過した際に、一台ごとの車両Cの車軸数、タイヤ幅、トレッド、及びタイヤの幅方向の位置の情報等が検出車両情報D5として検出される。検出された検出車両情報D5は第一限定車種判別制御部320の車種候補限定部321に入力される。車種候補限定部321は、検出車両情報D5に基づいて車両情報を取得する。車種候補限定部321は、車両情報と予め入力されている車種限定情報とに基づいて、利用者が搭乗している車両Cの車種の候補を限定する。
ここで、一例として、本実施形態で利用者が搭乗している車両Cが車種区分として大型車に分類され、車軸数が四軸である大型トラックとして説明する。
このような車両Cが料金所に進入すると車両分離器311及び車種判別用踏板312では、車軸数が四軸であるとの検出車両情報D5が検出され、車種候補限定部321に入力される。車種候補限定部321は、検出車両情報D5に基づいて取得した車軸数が三軸であるとの車両情報と、車軸数が四軸である場合には中型車以上であるとの車種限定情報とを比較し、明らかに除外可能な車種として軽自動車や普通乗用動車を候補から外すことで車種の候補を限定する。車種候補限定部321は、限定結果の情報を信号として選択車種限定部322に出力する。
選択車種限定部322は、車種候補限定部321から入力された軽自動車や普通自動車を候補から外すとの限定結果の情報に基づいて、車種選択部3で利用者が選択可能な車種を中型車以上に限定するよう車種選択部3に信号を送る。具体的には、選択車種限定部322は、中型車以上に対応する車種選択部3として、例えばC車種区分ボタンとD車種区分ボタンとE車種区分ボタンとを点灯させる。一方、普通自動車以下であるA車種区分ボタンやB車種区分ボタンは点灯させない。このように車種選択部3は、利用者に対して選択可能なボタンを点灯させることで提示する。
この状態で、利用者が搭乗する車両Cは、筐体1の前方に幅寄せして停車する。停車した車両Cの利用者により、料金自動収受機10に設けられた車種選択部3のうち点灯している三つのボタンのいずれかが選択される。本実施形態の場合、利用者が大型トラックに搭乗しているため、利用者は上段操作部2aの上方に配置された車種選択部3において、三つの点灯しているボタンのうち、大型トラックの属する大型車の車種区分に対応するD車種区分ボタンを押す。車種選択部3は、押されたボタンに対応する信号を車種決定部41に出力する。車種決定部41は車種選択部3から大型車の属する車種区分に対応する信号が入力されると、利用者が搭乗している車両Cの車種が大型車であるとの車種情報D1を出力部42に信号として出力する。
出力部42は、入力された車種情報D1を料金収受制御部8と報知部7とに出力する。併せて、出力部42は、この車種情報D1を監視盤30の遠隔報知部301と記憶部302とにも出力する。
車種情報D1が入力された報知部7は、利用者に対して大型トラックの属する車種区分が選択されたことを音声で報知する。なお、監視員は、音声を確認して不要と判断した場合、遠隔地から監視盤30に配置されたスイッチを操作することで、音声を消すことが可能となっている。
その後、利用者によって操作部2が操作されて、入力された車種情報D1を利用して、料金所通行の料金収受に関する処理が料金収受制御部8において実施される。
一方、選択車種限定部322によって選択可能な車種が点灯された車種選択部3において、点灯していないボタンであるA車種区分ボタンやB車種区分ボタンは、操作規制部90に対して信号が入力されることで、押すことができないように固定される。
上記のような料金所設備300によれば、利用者が搭乗している車両Cに関する車両情報を取得して車種候補限定部321において利用者の車両の車種の候補を限定し、選択車種限定部322において車種選択部3で利用者が選択可能な車種を限定することで、明らかに利用者の車両Cと異なる車種が選択されることを抑制することができる。即ち、車両進入検出部310の車両分離器311及び車種判別用踏板312によって利用者の搭乗している車両の車種を示す特徴の一部を車両情報として取得することができるため、高い精度で車種の候補を限定することができる。そのため、利用者によって実際に搭乗している車両Cの車種と異なる車種が故意に選択されることをより効果的に抑制することができる。これにより、利用者によって車種選択部3が不正に操作されることをより一層効果的に抑制することができる。
また、車両進入検出部310の車両分離器311及び車種判別用踏板312によって利用者が搭乗している車両Cの検出車両情報D5を検出することで、利用者が搭乗している車両Cの車軸数、タイヤ幅、トレッド、及びタイヤの幅方向の位置等の特徴的な車両情報を容易に取得することができる。そのため、車種候補限定部によって明らかに利用者が搭乗している車両Cとは異なる車種を高い精度で除外することが容易にできる。これにより、利用者によって実際に搭乗している車両Cの車種と異なる車種が故意に選択されることを効果的に抑制することができる。
なお、操作規制部90の代わりに警報部を設けて、利用者や監視員に対して警報を発してもよい。このように警報部を監視盤30に設けることで、車種候補限定部321や選択車種限定部322において選択可能とされていないような車種が、利用者が搭乗している車両Cの車種として選択された場合に、明らかに有り得ない選択として監視員が不正を検出することができる。これにより、利用者によって実際に搭乗している車両Cの車種と異なる車両Cの車種が故意に選択されることをより一層抑制することができる。
また、車両進入検出部310は本実施形態の車種判別用踏板312に限定されるものではない。例えば、車高を検出できる車高検知器や車長をできる車長検知器であってもよい。
さらに、車種を細かく判定できるように車種判別装置としては車種判別用踏板312と車高検知器と車長検知器とのように複数有しており、いずれかの機器が故障して、車種を細かく判定できなくなった場合に、故障していない機器からの検出車両情報D5に基づいて選択範囲を限定した車種選択部3を用いるような構成であってもよい。
また、第三実施形態の料金所設備300は、第一実施形態と同様に撮影部20を有していてもよい。
《第四実施形態》
次に、図7及び図8を参照して第四実施形態の料金所設備400について説明する。
第四実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第四実施形態の料金所設備400は、撮影した車両Cの映像に基づいて車種の候補を限定する点について第一実施形態と相違する。
即ち、第四実施形態の料金所設備400は、筐体1の前方に停車する車両Cを撮影する車両撮影部410と、車両撮影部410によって撮影された車両Cの車両撮影情報D6に基づいて車種選択部3において選択できる車種を予め限定して利用者が搭乗している車両Cの車種を判別する制御処理を実施する第二限定車種判別制御部420とを有している。
車両撮影部410は、筐体1に設けられ、筐体1の前方に停車する車両Cの様子を撮影する。本実施形態における車両撮影部410は、身体障害者に対する割引が適用される資格を有することを示す証明書を遠隔地の監視員や収受員に提示するための証明書カメラである。車両撮影部410は、操作部2の上段操作部2aに対応する第一車両撮影部410aと、下段操作部2bに対応する第二車両撮影部410bとを有している。
なお、本実施形態の操作部2は、下段操作部2bに利用者が特定の利用者である上肢の不自由な身体障害者である場合に、監視員等に支援を求めるための入力動作が可能な身障者レバーを有している。
第一車両撮影部410aは、上段操作部2aの鉛直方向の上方であって表示部5と報知部7とには挟まれて筐体1に設けられている。第一車両撮影部410aは、上段操作部2aを利用する利用者が収受員等を呼び出しインターホン用のカメラとなっている。また、第一車両撮影部410aは、走行レーンLの筐体1の前方を撮影している。そのため、第一車両撮影部410aは筐体1の前方に車両Cが停車した場合には、車両Cまたは車両Cの一部を撮影可能となっている。第一車両撮影部410aは、撮影した映像の情報である車両撮影情報D6を第二限定車種判別制御部420及び監視盤30の遠隔表示部303に継続的に出力している。
第二車両撮影部410bは、下段操作部2bの鉛直方向の上方であって表示部5の横に設けられている。即ち、第二車両撮影部410bは、第一車両撮影部410aよりも鉛直方向の下方に配置されている。第二車両撮影部410bは、下段操作部2bを利用する利用者が上肢の不自由な身体障害者である場合に利用者から証明書が提示され、提示された証明書を撮影可能となっている。また、第二車両撮影部410bは、走行レーンLの筐体1の前方を撮影している。そのため、第二車両撮影部410bは筐体1の前方に車両Cが停車した場合には、車両Cを撮影可能となっている。具体的には、第二車両撮影部410bは、第一車両撮影部410aが撮影するよりも鉛直方向の下方から車両Cまたは車両Cの一部を撮影している。第二車両撮影部410bは、撮影した映像の情報である車両撮影情報D6を第二限定車種判別制御部420及び監視盤30の遠隔表示部303に継続的に出力している。
第二限定車種判別制御部420は、第一車両撮影部410a及び第二車両撮影部410bからの車両撮影情報D6に基づいて車両情報を取得し、この車両情報に基づいて利用者が搭乗している車両Cの車種を予め限定する車種候補限定部421と、車種候補限定部421の限定結果に基づいて車種選択部3で選択可能な車両Cの車種を限定する選択車種限定部422とを有している。加えて、第二限定車種判別制御部420は、第一実施形態と同様の車種決定部41と出力部42とを有する。
車種候補限定部421は、利用者が搭乗している車両Cに関する車両情報を第一車両撮影部410a及び第二車両撮影部410bから取得する。本実施形態の車種候補限定部421は、第一車両撮影部410aからの画像の情報である車両撮影情報D6と第二車両撮影部410bからの画像の情報である車両撮影情報D6とを解析し、筐体1の前方に停車している車両Cの車高を車両情報として取得する。例えば、車種候補限定部421は、第一車両撮影部410a及び第二車両撮影部410bから継続して出力される車両撮影情報D6の画像の差をとることで、画像に差が生じたことを検出することで、車両Cの車両情報を取得する。より具体的には、第二車両撮影部410bから出力される車両撮影情報D6に差が生じることで、車両Cが筐体1の前方に停車したことを検出する。そして、この状態で、第一車両撮影部410aから出力される車両撮影情報D6に差が生じた場合には、例えば、車高が2m以上の特大車や大型車や一部の中型車であるとの車両情報を取得する。一方、第一車両撮影部410aから出力される車両撮影情報D6に差が生じていない場合には、そこまで車高が高くないとの車両情報を取得する。車種候補限定部421は、取得した車両情報と予め定められた車種を限定する車種限定情報とに基づいて、利用者の搭乗している車種の候補を限定する。
第四実施形態の車種限定情報とは、例えば、車種区分ごとのおおよその車両Cの車高の情報が含まれる。このような車種限定情報としては、例えば、車高が2m以上であれば中型車以上であるとの情報が含まれる。
本実施形態における車種候補限定部421は、取得した車両情報と上述したような車種限定情報とを比較し、明らかに一致せず除外可能な車種を候補から外すことで限定する。例えば、車種候補限定部421は、車両情報として車高が2m以上であるとの情報を取得した場合、明らかに二輪自動車や軽自動車や普通自動車ではないとして車種の候補から外して、中型車以上の車種であると車種の候補を限定する。車種候補限定部421は、限定結果の情報を信号として選択車種限定部422に出力する。
選択車種限定部422は、車種候補限定部421から入力された限定結果の情報に基づいて、車種選択部3によって利用者が選択可能な車種を限定する。本実施形態の選択車種限定部422は、車種候補限定部421によって限定された車種の候補に該当するボタンを点灯させるよう車種選択部3に信号を送る。
次に、上記構成の第四実施形態の料金所設備400の作用について説明する。
上記のような第四実施形態の料金所設備400では、利用者が搭乗する車両Cは、筐体1の前方に幅寄せして停車する。筐体1の前方に車両Cが停車すると、車両撮影部410である第一車両撮影部410a及び第二車両撮影部410bが撮影している範囲に車両Cが入り込む。ここで、一例として、本実施形態で利用者が搭乗している車両Cが車種区分として大型車に分類され、車高が3.8mである大型トラックとして説明する。
このような車両Cが筐体1の前方に停車して車両撮影部410によって撮影されると、第一車両撮影部410a及び第二車両撮影部410bのどちらにも車両Cが映り込んで撮影される。具体的には、第一車両撮影部410aからは運転席等の車両Cの上部が映った車両撮影情報D6が出力され、第二車両撮影部410bからはタイヤ等の車両Cの下部が映った車両撮影情報D6が出力される。これらの車両撮影情報D6が車種候補限定部421に入力される。車種候補限定部421は、取得した第一車両撮影部410aからの車両撮影情報D6と第二車両撮影部410bからの車両撮影情報D6がともに車両Cが筐体1の前方に停車する前の画像から変化していることを検出し、車高が2m以上あるとの車両情報を取得する。車種候補限定部421は、取得した車両情報と、車高が2m以上であれば中型車以上であるとの車種限定情報とを比較し、明らかに除外可能な車種として軽自動車や普通乗用動車を候補から外すことで車種の候補を限定する。車種候補限定部421は、限定結果の情報を信号として選択車種限定部422に出力する。
選択車種限定部422は、車種候補限定部421から入力された軽自動車や普通自動車を候補から外すとの限定結果の情報に基づいて、車種選択部3で利用者が選択可能な車種を中型車以上に限定するよう車種選択部3に信号を送る。具体的には、選択車種限定部422は、中型車以上に対応する車種選択部3として、例えばC車種区分ボタンとD車種区分ボタンとE車種区分ボタンとを点灯させる。一方、普通自動車以下であるA車種区分ボタンやB車種区分ボタンは点灯させない。車種選択部3は、利用者に対して選択可能なボタンを点灯させて提示する。
この状態で、停車した車両Cの利用者により、料金自動収受機11に設けられた車種選択部3のうち点灯している三つのボタンのいずれかが選択される。本実施形態の場合、利用者が大型トラック搭乗しているため、利用者は上段操作部2aの上方に配置された車種選択部3において、三つの点灯しているボタンのうち、大型トラックの属する車種区分に対応するボタンを押す。車種選択部3は、押されたボタンに対応する信号を車種決定部41に出力する。車種決定部41は、車種選択部3から大型トラックの属する車種区分に対応する信号が入力されると、利用者が搭乗している車両C車種が大型車であるとの車種情報D1を出力部42に信号として出力する。
出力部42は、入力された車種情報D1を料金収受制御部8と報知部7とに出力する。併せて、出力部42は、この車種情報D1を監視盤30の遠隔報知部301と記憶部302とにも出力する。
車種情報D1が入力された報知部7は、利用者に対して大型車の属する車種区分が選択されたことを音声で報知する。なお、監視員は、音声を確認して不要と判断した場合、遠隔地から監視盤30に配置されたスイッチを操作することで、音声を消すことが可能となっている。
その後、利用者によって操作部2が操作されて、入力された車種情報D1を利用して、料金所通行の料金収受に関する処理が料金収受制御部8において実施される。
一方、選択車種限定部422によって選択可能な車種が点灯された車種選択部3において、点灯していないボタンであるA車種区分ボタンやB車種区分ボタンが利用者によって押されると、操作規制部90に対して信号が入力される。操作規制部90は、信号が入力されると点灯していないボタンを押すことができないように規制する。
上記のような料金所設備400によれば、筐体1の前方に停車する車両Cを撮影した車両撮影情報D6に基づいて、利用者が搭乗している車両Cの車両情報を取得することで、利用者が搭乗している車両Cの車両情報を容易に取得することができる。即ち、車両Cを撮影した画像から車両情報を取得することができるため、走行レーンL上に車種判別装置を設ける必要がなくなり、管理者の費用負担を軽減できる。即ち、設置コストを抑えて、明らかに利用者が搭乗している車両Cとは異なる車種を除外することが容易にできる。これにより、利用者によって実際に搭乗している車両Cの車種と異なる車種が故意に選択されることを容易かつ効果的に抑制することができる。
なお、車両撮影部410は、本実施形態のように筐体1に設けられて、筐体1側から車両Cを撮影するものに限定されるものではない。例えば、車両撮影部410は、筐体1とともに車両Cを撮影してもよく、筐体1の前方に停車した車両Cの様子を捉えて撮影することができればよい。車両撮影部410として、第一実施形態の撮影部20を用いる場合、車両Cを撮影する倍率や方向を予め定めておき、画像上の車両Cの大きさから、大まかな車種区分を限定すればよい。
また、車両撮影部410によって撮影された車両撮影情報D6を、監視盤30の遠隔表示部303に出力して監視員に表示させ、監視員によって車種を判別させて車両情報として車種候補限定部421に出力してもよい。このようにすることで、監視員によって利用者が搭乗している車種を一度確認して限定できるため、利用者によって実際に搭乗している車両Cの車種と異なる車種が故意に選択されることを高い精度で抑制することができる。
《第五実施形態》
次に、図9及び図10を参照して第五実施形態の料金所設備500について説明する。
第五実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第五実施形態の料金所設備500は、無線通信装置502を備える料金収受システム50に用いられる点について第一実施形態と相違する。
即ち、第五実施形態の料金所設備500は、走行レーンL上の所定位置Yに向けて情報を無線通信する無線通信装置502を備える料金収受システム50において用いられる。本実施形態の料金収受システム50は、無線通信によって自動的に料金の支払を行う電子式の料金所通行のシステムである。
料金収受システム50は、料金所の走行レーンL上を通行する車両Cが対応する車載装置504を有している場合に、無線通信によって自動的に課金することで、車両Cを料金所で停止させることなく通行させる。具体的には、料金収受システム50は、走行レーンLを跨るように配置されるガントリ部501と、ガントリ部501に設けられて車両Cに搭載された車載装置504に対して無線通信を行う無線通信装置502と、料金所設備500とを有している。
ガントリ部501は、料金自動収受機10よりも走行レーンLの前後方向の手前側(図9紙面左右方向右側)に、走行レーンLを跨ぐように配置されている。
無線通信装置502は、ガントリ部501に設けられており、走行レーンL上の所定位置Yに向けてデータを無線通信するアンテナである。具体的には、無線通信装置502は、走行レーンL上を通行する車両Cに搭載された車載装置504に対して情報を無線通信する。無線通信装置502は、車載装置504との無線通信により取得した情報のうち、車載装置504に予め登録されている車両Cの登録車両情報D7を後述する第三限定車種判別制御部520に出力する。
ここでいう所定位置Yとは、ガントリ部501よりも走行レーンLの前後方向の手前側であって、車両Cがガントリ部501を通過する前のエリアである。
無線通信装置502と無線通信する車載装置504は、搭載されている車両Cの予め登録されている車両情報である登録車両情報D7を有しており、この登録車両情報D7を無線通信装置502に対して通信している。登録車両情報D7は、車載装置504を車両Cに搭載する場合に、予め設定される車両Cの車種やナンバープレート等の情報である。また、車載装置504は、専用のICカードが挿入されている場合には、登録車両情報D7を含む課金処理に関する情報の通信を実施している。
第五実施形態の料金所設備500は、利用者が車載装置504に専用のICカードを挿入し忘れた場合に、料金収受に関する処理を行うために使用される。料金所設備500は、無線通信装置502を介して車載装置504に予め登録されている登録車両情報D7を取得し、この登録車両情報D7を利用して車種選択部3に選択できる車種を予め限定して利用者が搭乗している車両Cの車種を判別する制御処理を実施する第三限定車種判別制御部520を有している。
第三限定車種判別制御部520は、車載装置504に予め登録されている登録車両情報D7に基づいて車両情報を取得し、この車両情報に基づいて利用者が搭乗している車両Cの車種を予め限定する車種候補限定部521と、車種候補限定部521の限定結果に基づいて車種選択部3で選択可能な車両Cの車種を限定する選択車種限定部522とを有している。第三限定車種判別制御部520は、第一実施形態と同様の車種決定部41と出力部42とを有する。
車種候補限定部521は、無線通信装置502が車載装置504と無線通信を実施して取得した利用者が搭乗している車両Cの登録車両情報D7を、無線通信装置502から取得する。車種候補限定部521は、車種を限定する際の車両情報として登録車両情報D7を取得している。車種候補限定部521は、予め定めておいた車両Cの車種を限定する車種限定情報と取得した登録車両情報D7とを比較して、利用者の搭乗している車種の候補を限定する。
第五実施形態の車種限定情報とは、各車種区分に属する車種の情報が含まれる。このような車種限定情報としては、例えば、車両Cが大型特殊自動車である場合に、その利用者の車両Cの車種が特大車の車種区分に属すると決定可能な軸数等の車両の特徴が含まれる。
本実施形態における車種候補限定部521は、取得した登録車両情報D7と上述したような車種限定情報とを比較し、一致する車種を候補として限定する。例えば、車種候補限定部521は、登録車両情報D7として大型特殊自動車であるとの情報を取得した場合、特大車として車種の候補を一つに限定する。車種候補限定部521は、限定結果の情報を信号として選択車種限定部522に出力する。
選択車種限定部522は、車種候補限定部521から入力された限定結果の情報に基づいて、車種選択部3で利用者が選択可能な車種を限定する。本実施形態の選択車種限定部522は、車種候補限定部521によって限定された車種の候補に該当する一つのボタンを点灯させるよう車種選択部3に信号を送る。
次に、上記構成の第五実施形態の料金所設備500の作用について説明する。
上記のような第五実施形態の料金所設備500では、車両Cが料金所に進入し、走行レーンLの所定位置Yを通行すると、無線通信装置502によって車載装置504に対して無線通信が開始される。車載装置504に専用のICカードが挿入されている場合は、無線通信装置502は、車載装置504に対して課金処理に関する情報を無線通信して自動的に料金の支払を完了させる。車載装置504に専用のICカードが挿入されていない場合には、無線通信装置502は、車載装置504から登録車両情報D7を無線通信によって取得する。無線通信装置502は、料金自動収受機10の第三限定車種判別制御部520である車種候補限定部521に取得した登録車両情報D7を信号として送信する。車種候補限定部521は、登録車両情報D7と予め入力されている車種限定情報とに基づいて、利用者が搭乗している車両Cの車種の候補を限定する。
ここで、一例として、本実施形態で利用者が搭乗している車両Cが車種区分として特大車に分類される大型特殊自動車として説明する。
このような車両Cは、搭載されている車載装置504にこの車両Cは大型特殊自動車であるとの車種の情報が登録車両情報D7として予め登録されている。そして、この車両Cが料金所に進入すると無線通信装置502は、大型特殊自動車であるとの登録車両情報D7を取得し、車種候補限定部521に入力する。車種候補限定部521は、取得した大型特殊自動車であるとの登録車両情報D7と、大型特殊自動車は特大車の車種区分に属するとの車種限定情報とに基づいて、車種の候補を特大車に限定する。車種候補限定部521は、限定結果の情報を信号として選択車種限定部522に出力する。
選択車種限定部522は、車種候補限定部521から入力された限定結果の情報に基づいて、車種選択部3で利用者が選択可能な車種を特大車として限定するよう車種選択部3に信号を送る。具体的には、選択車種限定部522は、特大車に対応する車種選択部3として、例えばE車種区分ボタンを点灯させる。一方、その他の車種区分ボタンは点灯させない。このように車種選択部3は、利用者に対して選択可能なボタンとして点灯しているボタンを提示する。
この状態で、利用者が搭乗する車両Cは、筐体1の前方に幅寄せして停車する。停車した車両Cの利用者により、料金自動収受機10に設けられた車種選択部3のうち点灯している一つのボタンが選択される。本実施形態の場合、利用者が大型特殊自動車に搭乗しているため、利用者は上段操作部2aの上方に配置された車種選択部3において、大型特殊自動車の属する特大車の車種区分に対応するボタンを押す。車種選択部3は、押されたボタンに対応する信号を車種決定部41に出力する。車種決定部41は車種選択部3から特大車の属する車種区分に対応する信号が入力されると、利用者が搭乗している車両Cの車種である車種が大型車であるとの車種情報D1を出力部42に信号として出力する。
出力部42は、入力された車種情報D1を料金収受制御部8と報知部7とに出力する。併せて、出力部42は、この車種情報D1を監視盤30の遠隔報知部301と記憶部302とにも出力する。
車種情報D1が入力された報知部7は、利用者に対して特大車の属する車種区分が選択されたことを音声で報知する。
その後、利用者によって操作部2が操作されて、入力された車種情報D1を利用して、料金所通行の料金収受に関する処理が料金収受制御部8において実施される。
上記のような料金所設備500によれば、車載装置504に予め登録されている登録車両情報D7を用いることで、利用者が搭乗している車両Cの精度の高い車両情報を容易に取得することができる。そのため、利用者が搭乗している車両Cの車種を高い精度で容易に限定することができる。これにより、利用者によって実際に搭乗している車両Cの車種と異なる車種が故意に選択されることをより一層効果的に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
なお、記憶部302に記憶される情報は本実施形態に限定されるものではない。例えば、料金収受制御部8において制御処理した情報を記憶させてもよい。このようにすることで、料金自動収受機10によって実施された料金収受に関する処理内容を車種選択部3において利用者によって選択された車両Cの情報とともに記憶させておくことができる。これにより、より詳細な情報を記憶しておくことができる。
なお、車種選択部3は、本実施形態のようにボタンに限定されるものではない。即ち、タッチパネル等の他の入力装置であってよい。例えば、タッチパネルを用いた場合、利用者に対して車両Cの絵を表示して、選択させてもよい。このようにすることで、利用者が容易に操作することができる。特に、利用者に対して絵を表示して選択させることで、利用者は牽引指定が容易になる。即ち、利用者の車両Cが一軸のボートトレーラ等を牽引している場合に、車両C及び牽引車の絵を表示するなどして、車両C自体が普通車であっても牽引していることで中型車に車種がランクアップされることを利用者に認識させて、間違いなく牽引の有無を選択させることができる。
また、選択車種限定部522によって車種選択部3において選択可能な車種を限定する場合、選択可能なボタンを光らせることに限定されるものではない。
さらに、料金機械として本実施形態では料金自動収受機10としたが、これに限定されるものではない。例えば、有料道路の入口料金所や駐車場に設けられる発券機であってもよい。
さらに、本発明の料金自動収受機10,11である料金機械や料金所設備100、200、300、400、500は、本実施形態のように、通行券を用いて利用区間等に応じて通行料金が決定される有料道路に用いられることに限定されるものではない。即ち、利用区間に関わらず均一の通行料金が適用されて通行券を用いない有料道路に用いられてもよい。