JP2015153242A - 現金収納装置及び現金取引装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機能性を高め得る。【解決手段】紙幣入出金機10は、上下方向に沿って重なって堆積するように紙幣を収納する紙幣収納部36と、紙幣収納部36の下方に設けられ紙幣を整列保持するステージ40と、ステージ40をほぼ上下方向に沿って移動させる昇降駆動部38と、不正行為が検知されると昇降駆動部38によりステージ40を上昇させるステージ上昇動作を行った後、ステージ40を下降させながら紙幣を着色するインクを蓄えるインクタンク70からインクを噴射するステージ下降インク噴射動作を行い、紙幣を汚損する紙幣汚損部69とを設ける。【選択図】図3
Description
本発明は現金収納装置及び現金取引装置に関し、例えば紙幣にインクを付着させて盗難を抑制する現金自動取引装置(ATM:Automatic Teller Machine)等に適用して好適なものである。
従来、コンビニエンスストアや金融機関には、現金自動預払機や現金自動支払機等の現金自動取引装置が配設されており、この現金自動取引装置には、顧客が入金した紙幣を収納すると共に出金する際に紙幣を繰り出す紙幣収納庫が内蔵されている。
近年、この現金を狙って、ブルドーザ、パワーショベル等の重機を使用して現金自動取引装置の紙幣収納庫を破壊して現金を盗み出したり、現金自動取引装置をそのまま持ち去ったりする盗難が増加している。そこで、この紙幣収納庫に収納された紙幣の盗難防止策として、現金自動取引装置への破壊行為を検出して紙幣収納庫内の紙幣の隙間にインクを噴射して紙幣を汚損させる防犯対策が採られている(例えば、特許文献1参照)。
このような現金自動取引装置においては、紙幣にインクを可能な限り多く付着させることが望まれている。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、機能性を高め得る現金収納装置及び現金取引装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の現金収納装置においては、上下方向に沿って重なって堆積するように紙幣を収納する紙幣収納部と、紙幣収納部の下方に設けられ紙幣を保持するステージと、ステージをほぼ上下方向に沿って移動させる駆動部と、不正行為が検知されると駆動部によりステージを上昇させるステージ上昇動作を行った後、ステージを下降させながら紙幣を着色するインクを蓄える貯蔵部からインクを噴射するステージ下降インク噴射動作を行い、紙幣を汚損する紙幣汚損部とを設けるようにした。
また本発明の現金収納装置においては、上下方向に沿って重なって堆積するように紙幣を収納する紙幣収納部と、紙幣収納部の下方に設けられ紙幣を保持するステージと、ステージの面方向を水平方向に対し傾ける駆動部と、不正行為が検知されると駆動部によりステージの一端側が上方へ持ち上がるよう傾けつつ紙幣を着色するインクを蓄える貯蔵部からインクを噴射するステージ一端側持上インク噴射動作を行った後、ステージの他端側が上方へ持ち上がるよう傾けつつインクを噴射するステージ他端側持上インク噴射動作を行い、紙幣を汚損する紙幣汚損部とを設けるようにした。
この現金収納装置は、不正行為の発生時、より一層紙幣にインクを付着させることができる。
さらに本発明の現金取引装置においては、紙幣に関する取引を受け付ける接客部と、紙幣を上下方向に沿って重なって堆積するように収納する紙幣収納部と、紙幣収納部の下方に設けられ紙幣を保持するステージと、ステージをほぼ上下方向に沿って移動させる駆動部と、不正行為が検知されると駆動部によりステージを上昇させるステージ上昇動作を行った後、ステージを下降させながら紙幣を着色するインクを蓄える貯蔵部からインクを噴射するステージ下降インク噴射動作を行い、紙幣を汚損する紙幣汚損部とを設けるようにした。
さらに本発明の現金取引装置においては、紙幣に関する取引を受け付ける接客部と、紙幣を上下方向に沿って重なって堆積するように収納する紙幣収納部と、紙幣収納部の下方に設けられ紙幣を保持するステージと、ステージの面方向を水平方向に対し傾ける駆動部と、不正行為が検知されると駆動部によりステージの一端側が上方へ持ち上がるよう傾けつつ紙幣を着色するインクを蓄える貯蔵部からインクを噴射するステージ一端側持上インク噴射動作を行った後、ステージの他端側が上方へ持ち上がるよう傾けつつインクを噴射するステージ他端側持上インク噴射動作を行い、紙幣を汚損する紙幣汚損部とを設けるようにした。
この現金取引装置は、不正行為の発生時、紙幣収納庫に収納された紙幣により一層インクを付着させることができる。
本発明によれば、不正行為の発生時、より一層紙幣にインクを付着させることができ、かくして本発明は、機能性を高め得る現金収納装置及び現金取引装置を実現できる。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動取引装置の構成]
図1に外観を示すように、現金自動取引装置1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行うようになされている。筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所、すなわち前面の上部から上面に渡る部分が斜めに切り落とされたような形状となっており、この部分に接客部3が設けられている。
[1−1.現金自動取引装置の構成]
図1に外観を示すように、現金自動取引装置1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行うようになされている。筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所、すなわち前面の上部から上面に渡る部分が斜めに切り落とされたような形状となっており、この部分に接客部3が設けられている。
接客部3は、カード入出口4、入出金口5、操作表示部6、テンキー7及びレシート発行口8が設けられており、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになされている。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入又は排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。入出金口5は、顧客が入金する紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣が排出される部分である。また入出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉鎖するようになされている。操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチパネルとが一体化されている。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。因みにレシート発行口8の奥側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部(図示せず)が設けられている。
筐体2内には、現金自動取引装置1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。以下では、現金自動取引装置1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2は、前面を覆う前扉2A及び後面を覆う後扉(図示せず)がそれぞれ開閉可能に構成されている。すなわち筐体2は、顧客との間で現金に関する取引を行う取引動作時には、前扉2A等を閉塞することにより、内部に保有している紙幣や硬貨等を保護する。一方筐体2は、金融機関の職員等の保守作業者が紙幣の補充・回収等を行う保守作業時には、必要に応じて前扉2A等を開放することにより、内部の各部に対する作業を容易に行わせ得るようになされている。
[1−2.紙幣入出金機の内部構成]
図2に示すように紙幣入出金機10は、制御部12(図1)が各部(紙幣入出金部16、搬送部24、鑑別部18、一時保留部20、紙幣収納庫26(26a、26b、26c及び26d)、リジェクト庫28、取忘れ回収庫22及び損券収納庫30)を統括制御する。制御部12は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部14(図1)から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して入金取引や出金取引等の種々の処理を行う。
図2に示すように紙幣入出金機10は、制御部12(図1)が各部(紙幣入出金部16、搬送部24、鑑別部18、一時保留部20、紙幣収納庫26(26a、26b、26c及び26d)、リジェクト庫28、取忘れ回収庫22及び損券収納庫30)を統括制御する。制御部12は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部14(図1)から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して入金取引や出金取引等の種々の処理を行う。
紙幣入出金機10の内部には、上側に紙幣入出金部16と、紙幣の金種や真偽を判定する鑑別部18と、入金紙幣等を一時的に保留する一時保留部20とが設けられている。
紙幣入出金部16は、紙幣を集積して収納する収納空間を有しており、紙幣が投入されると、入出金口5(図1)のシャッタを閉じてから紙幣を1枚ずつ取り出し、搬送部24へ受け渡す。
搬送部24は、図示しないローラやベルト等により、図中太線で示す搬送路に沿って長方形の紙幣を短手方向に搬送する。搬送部24は、鑑別部18を前後方向に挿通させるように紙幣を搬送し、当該鑑別部18の後側と一時保留部20、紙幣入出金部16、紙幣収納庫26、損券収納庫30、取忘れ回収庫22及びリジェクト庫28とをそれぞれ接続している。また搬送部24は、鑑別部18の前側と一時保留部20、紙幣入出金部16、紙幣収納庫26、損券収納庫30、取忘れ回収庫22及びリジェクト庫28とをそれぞれ接続している。
鑑別部18は、その内部で紙幣を搬送しながら、光学素子や磁気検出素子等を用いて当該紙幣の金種及び真偽、並びに損傷の程度等(正損)を鑑別し、その鑑別結果を制御部12へ通知する。これに応じて制御部12は、取得した鑑別結果に基づいて当該紙幣の搬送先を決定する。
一時保留部20は、入金時に顧客が紙幣入出金部16へ投入した紙幣を一時的に保留し、鑑別部18で入金可能と鑑別された正常紙幣を入金が確定するまで一時的に保留する一方、入金不可と鑑別されたリジェクト紙幣を、紙幣入出金部16へ排出する。
また紙幣入出金機10の内部には、下側に金種別の紙幣収納庫26と、鑑別部18においてリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を格納する損券収納庫30と、取引時に顧客が紙幣入出金部16から取り忘れた紙幣を回収して格納する取忘れ回収庫22と、5千券や2千券等の還流されない金種の紙幣を格納するリジェクト庫28とが設けられている。
紙幣収納庫26は、複数の紙幣収納庫26a〜26dが前後方向に並んで配置されており、上方向に引き抜かれることによりそれぞれ筐体2から着脱可能な着脱式となっている。また紙幣収納庫26は、収納排出機構により、搬送部24から搬送されてきた紙幣を取り込んで収納すると共に、収納されている紙幣を排出して搬送部24へ供給するようになされている。
[1−3.紙幣収納庫の構成]
図3に示すように紙幣収納庫26は、例えば、6枚の金属板を組み合わせるようにして上下に長い箱型に形成された収納庫ケース32を有し、当該収納庫ケース32の天板32Uの前寄りに、左右方向と平行にスリット状の紙幣入出金口34が形成されている。
図3に示すように紙幣収納庫26は、例えば、6枚の金属板を組み合わせるようにして上下に長い箱型に形成された収納庫ケース32を有し、当該収納庫ケース32の天板32Uの前寄りに、左右方向と平行にスリット状の紙幣入出金口34が形成されている。
紙幣収納庫26の各部分は、収納庫制御部35により制御される。収納庫制御部35は、制御部12と同様に、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行し、また制御部12などの他の制御部と連携することにより、紙幣汚損動作等の種々の処理を制御する。この紙幣収納庫26は、外部から不正なアクセスがあった場合であっても通電状態を保つか、又は無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)等の電源機能により電源が供給されることにより、後述するステージモータ58等が動作可能となっている。
また紙幣収納庫26には、図示しない破壊検知センサが設けられており、外部から所定の振動が加わったことを破壊行為として検知し、検知結果を収納庫制御部35へ通知する。
また収納庫ケース32には、上下に長く延在し紙幣を収納する空間である紙幣収納部36が設けられていると共に、収納庫制御部35の制御に基づきステージ40を昇降動作させる昇降駆動部38が設けられている。昇降駆動部38は、収納庫制御部35、ステージモータ58、ステージモータギア60、ステージ駆動ギア56、プーリ駆動軸52、プーリ48、ステージベルト54、プーリ支持軸50及びステージガイド46により構成されている。
さらに収納庫ケース32内には、複数の紙幣を積層するように載置させる長方形で平板状のステージ40が設けられている。ステージ40は、左右に沿う長手方向(以下、これをステージ長手方向とも呼ぶ)の両端における短手方向(前後方向)のほぼ中央部に設けられたステージ支持部42により、ステージベルト54と固定されている。またステージ40におけるステージ支持部42の後方にはステージ摺動部44が設けられており、当該ステージ摺動部44には、図示しないガイドローラがガイド軸を中心にして左右方向の外側へ突出するよう回動可能に取り付けられている。
一方、ステージ40の左側及び右側には、ステージ摺動部44と対向する位置において収納庫ケース32の上端近傍から下端近傍に亘る上下方向に沿って細長い溝であるステージガイド46が設けられている。このステージガイド46の前後方向の幅は、ステージ摺動部44のガイドローラの直径よりも僅かに大きくなっている。ステージ40は、ステージ長手方向を左右方向と平行にした姿勢で、ステージ摺動部44がステージガイド46に係合されている。これにより紙幣収納庫26は、ステージガイド46を介して内部にステージ40を上方向及び下方向に移動可能(すなわち昇降可能)に支持している。
このステージ40は、紙幣を繰出ローラ68に押し付けてそれ以上上方へ移動しない位置である図4に示すステージ上端位置と、最も下方へ移動した位置である図5に示すステージ下端位置との間を移動可能に構成されている。このためステージ上端位置は、ステージ40に載置された紙幣の枚数に応じて変化する。収納庫制御部35は、例えばフォトインタラプタで構成された図示しないステージ位置検出センサにより、ステージ上端位置又はステージ下端位置にあるステージ40を検出する。
また昇降駆動部38は、等しい直径及び幅を有する4つのプーリ48(48UL、48UR、48DL及び48DR)と、当該プーリ48の幅よりも僅かに長い2本のプーリ支持軸50と、紙幣収納部36の左右の幅よりも長い1本のプーリ駆動軸52とを有している。
プーリ支持軸50は、左右方向に沿って、収納庫ケース32の左側壁32L及び右側壁32Rの内面においてステージガイド46の上端部の前側に植設されている。プーリ支持軸50は、左側壁32L及び右側壁32Rの内面からそれぞれ右側及び左側に突出している先端部をプーリ48UL及び48URの中心に穿設された孔部に挿入するようにして、当該プーリ48UL及び48URを図3(B)中時計回り及び反時計回りへ回動可能に支持している。
収納庫ケース32の左側壁32L及び右側壁32Rは、一対のプーリ支持軸50の真下となるステージガイド46の下端部の前側に軸支持孔部が対向させて穿設されている。プーリ駆動軸52は、左右方向に沿って、左側壁32L及び右側壁32Rの軸支持孔部に挿通し、それぞれプーリ48UL及び48URの真下に設けられたプーリ48DL及び48DRの中心に穿設された孔部に挿入するようにして、当該プーリ48DL及び48DRを図3(B)中時計回り及び反時計回りへ回動可能に支持することにより、ステージベルト54R及び54Lの動作を同期させる。
昇降駆動部38は、プーリ48ULからプーリ48DLに亘り無端状のステージベルト54Lが上下方向に沿って張架されている。また昇降駆動部38は、プーリ48URからプーリ48DRに亘り無端状のステージベルト54Rが上下方向に沿って張架されている。以下ではステージベルト54L及び54Rをまとめてステージベルト54とも呼ぶ。
さらに昇降駆動部38は、プーリ駆動軸52における左右方向のほぼ中央部にステージ駆動ギア56が取り付けられている。また昇降駆動部38は、紙幣収納部36の下方に配置されたステージモータ58を有し、当該ステージモータ58の出力軸に取り付けられたステージモータギア60をステージ駆動ギア56に歯合させている。このステージモータ58は、高速でも発生するトルクが比較的に大きく高速回転可能なモータであり、例えばステッピングモータ(パルスモータ)やホールセンサ内蔵のDCブラシレスモータ等である。
これにより昇降駆動部38は、収納庫制御部35の制御に基づきステージモータ58を図3(B)中時計回り(以下では上昇回転方向とも呼ぶ)へ回転させ、ステージモータギア60及びプーリ駆動軸52に回転力を伝達させ、これに連動させてプーリ48DL及びDRと共にステージベルト54L及び54Rを回転させる。これにより昇降駆動部38は、ステージベルト54を介してステージ40を水平にしたまま上昇させる(すなわち、上方向へ移動させる)。一方昇降駆動部38は、収納庫制御部35の制御に基づきステージモータ58を図3(B)中反時計回り(以下では下降回転方向とも呼ぶ)へ回転させ、ステージモータギア60及びプーリ駆動軸52に回転力を伝達させ、これに連動させてプーリ48DL及びDRと共にステージベルト54L及び54Rを回転させる。これにより昇降駆動部38は、ステージベルト54を介してステージ40を水平にしたまま下降させる(すなわち、下方向へ移動させる)。
また紙幣収納庫26は、紙幣収納部36と収納庫ケース32の紙幣入出金口34とを繋いで紙幣BLを収納用及び繰出用に通す紙幣取込繰出路62が設けられている。また紙幣収納部36の上端には、入金時に紙幣取込繰出路62から紙幣収納部36へ紙幣BLが放出される際に当該紙幣BLの上面をガイドする板状の上面ガイド64が設けられている。紙幣収納庫26は、この上面ガイド64とステージ40との間で、紙幣収納部36を形成している。さらに紙幣収納庫26は、左側壁32L及び右側壁32Rにおいて上面ガイド64の下側にローラ回動軸66を左右方向と平行にして図3(B)中時計回り及び反時計回りに回動可能に支持している。ローラ回動軸66には、複数(例えば3つ)の円筒形状の繰出ローラ68が、それぞれ中心に穿設された孔部を介して所定の間隔で取り付けられている。繰出ローラ68は、紙幣繰出時に図3(B)中時計回りに回転することにより、ステージ40に載置されている紙幣BLを図示しない紙幣取込繰出路62へ送り出す。
また、紙幣収納部36の後方には、収納庫制御部35、インクタンク70、インクノズル72及びインク噴射口74により構成される紙幣汚損部が69設けられている。
インクタンク70は、ステージ下端位置におけるステージ40の下側に設けられ、その内部に例えばカーボン粒子を混入したインクを貯留しており、収納庫制御部35の制御に基づき、内蔵されたガス発生部からガスを発生させて押出板を移動させ、当該インクをインクノズル72へ移動させる。
インクノズル72は、中空のパイプであり、下端がインクノズル72と接続され、紙幣収納部36の後方において当該紙幣収納部36の上端から下端に亘って配設されている。またインクノズル72は、紙幣BLの長手方向のほぼ中央部において上下方向に沿って配設されている共に、紙幣BLの長手方向の左右両側の外側において上下方向に沿って配設されている。このインクノズル72には、インクを噴射するインク噴射口74が上下方向に所定間隔を空けて形成されている。
かかる構成において、入金取引時、収納庫制御部35は、ステージモータ58を上昇回転方向へ回転させてステージガイド46に沿ってステージ40を上昇させ、紙幣入出金口34から紙幣BLを紙幣収納部36へ取り込みステージ40上に重ねて整列させる。ステージ40上に載置された紙幣BLの枚数が増えると、収納庫制御部35は、紙幣BLの枚数に応じてステージ40を下降させる。収納庫制御部35は、かかる動作を繰り返すことにより、ステージ40上へ紙幣BLを縦方向に重ねて堆積させていく。一方出金取引時、収納庫制御部35は、ステージ40を上昇させて紙幣BLを繰出ローラ68に押し付けて図示しないモータで繰出ローラ68を駆動し紙幣入出金口34から紙幣BLを繰り出す。
[1−4.紙幣汚損動作]
破壊検知センサが、例えば現金自動取引装置1の前扉2Aのこじ開け等の現金盗難目的の不正なアクセスがあったことを検出すると、収納庫制御部35は、ステージモータ58を上昇回転方向へ回転させて図4に示すようにステージ上端位置までステージ40を上昇させ、紙幣BLを繰出ローラ68に押し付け、その後紙幣BLが落下する空間を可能な限り広げる。以下ではこの動作をステージ上昇動作とも呼ぶ。
破壊検知センサが、例えば現金自動取引装置1の前扉2Aのこじ開け等の現金盗難目的の不正なアクセスがあったことを検出すると、収納庫制御部35は、ステージモータ58を上昇回転方向へ回転させて図4に示すようにステージ上端位置までステージ40を上昇させ、紙幣BLを繰出ローラ68に押し付け、その後紙幣BLが落下する空間を可能な限り広げる。以下ではこの動作をステージ上昇動作とも呼ぶ。
続いて収納庫制御部35は、ステージモータ58を下降回転方向へ回転させて図5に示すようにステージ40を高速でステージ下端位置まで下降させつつ、インクタンク70からインクを送り出しインクノズル72を経由してインク噴射口74から当該インクを噴射させる。以下ではこの動作をステージ下降インク噴射動作とも呼ぶ。このとき収納庫制御部35は、紙幣BLの自重による下降の速さよりも速いスピードでステージ40を下降させることにより、落下中の隣り合う紙幣BL同士の間に隙間を形成させる。
ステージ40がステージ下端位置まで移動すると、収納庫制御部35は、再びステージ40をステージ上端位置まで移動させて紙幣BLを繰出ローラ68に押し付けた後、ステージ40をステージ下端位置まで高速で下降させつつインク噴射口74からインクを噴射させる。その後収納庫制御部35は、ステージ上昇動作及びステージ下降インク噴射動作を所定回数繰り返す。
[1−5.効果]
以上の構成において紙幣入出金機10は、ステージ40をステージ上端位置まで移動させて紙幣BLを繰出ローラ68に押し付けた後、ステージ40をステージ下端位置まで高速で下降させつつインク噴射口74からインクを噴射するようにした。
以上の構成において紙幣入出金機10は、ステージ40をステージ上端位置まで移動させて紙幣BLを繰出ローラ68に押し付けた後、ステージ40をステージ下端位置まで高速で下降させつつインク噴射口74からインクを噴射するようにした。
従来の紙幣収納庫においては、紙幣及びステージが自重で下降する際に紙幣にインクを噴射していたため、紙幣同士の隙間が小さく、紙幣の側面に多くのインクが付着してしまい、紙幣の上面及び下面にまでインクが入り込みにくかった。これに対し紙幣収納庫26は、重なった紙幣を繰出ローラ68に押し付けてからステージ40を高速に、紙幣の自重による落下のスピードよりも速く下降させる。このとき、紙幣は軽いために、紙幣が自重で落下する間、重なった紙幣間に隙間が空くため、紙幣収納庫26は、紙幣の上面及び下面の表面に多くのインクを入り込ませることができる。
また従来の紙幣収納庫においては、インクの液圧でステージの保持を解放するため、ステージが1回下降する動作でインクを付着させる必要があり、往復移動しながら繰り返しインク付着動作を行うことはできず、インクの付着面積が小さい紙幣が存在する可能性があった。これに対し紙幣収納庫26は、ステージ40をステージモータ58で駆動するようにしたため、ステージ上昇動作及びステージ下降インク噴射動作を任意の回数だけ繰り返し行うことができ、ステージ40を1回上昇させるだけや1回下降させるだけの場合と比べて、インクの付着面積をさらに増加させることができる。
このように現金自動取引装置1は、従来の現金自動取引装置と比べてインクの付着面積を増加させることができるため、より一層、紙幣を盗難しても使用できないことを知らしめることで犯罪を抑止したり、盗難した紙幣を持ち出されたとしても現金自動取引装置で取引できないようにしたり、紙幣の流通経路を辿ることで盗難した人間の特定に繋げたりすることができる。
また、特開2012−252479号公報に記載されているように、さばき板等で紙幣間に隙間を発生させながらインクを噴射することによりインク付着面積を大きくすることも考えられる。しかしながらこの場合、さばき板等の部材が必要となり構成が複雑化してしまうと共に、インクの勢いでステージが上方へ一方向に移動するのみであるため、往復移動しながらのインク付着動作はできない。これに対し紙幣収納庫26は、ステージモータ58によりステージ40を上昇させてから高速に下降させるという動作を行うだけで良いため、構成を簡略化させ使用する部材を削減することにより部材コストを低下させることができると共に、ステージ上昇動作及びステージ下降インク噴射動作を繰り返し行いインク付着面積をより増加させることができる。
以上の構成によれば紙幣入出金機10は、上下方向に沿って重なって堆積するように紙幣を収納する紙幣収納部36と、紙幣収納部36の下方に設けられ紙幣を整列保持するステージ40と、ステージ40をほぼ上下方向に沿って移動させる昇降駆動部38と、不正行為としての破壊行為が検知されると昇降駆動部38によりステージ40を上昇させるステージ上昇動作を行った後、ステージ40を下降させながら紙幣を着色するインクを蓄える貯蔵部としてのインクタンク70からインクを噴射するステージ下降インク噴射動作を行い、紙幣を汚損する紙幣汚損部69とを設けるようにした。これにより紙幣入出金機10は、不正行為の発生時、より一層紙幣にインクを付着させることができる。
[2.第2の実施の形態]
[2−1.紙幣入出金機の構成]
図1及び図2に示すように、第2の実施の形態による現金自動取引装置101の紙幣入出金機110は、第1の実施の形態による現金自動取引装置1の紙幣入出金機10と比べて、紙幣収納庫126(126a、126b、126c及び126d)が紙幣収納庫26(26a、26b、26c及び26d)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[2−1.紙幣入出金機の構成]
図1及び図2に示すように、第2の実施の形態による現金自動取引装置101の紙幣入出金機110は、第1の実施の形態による現金自動取引装置1の紙幣入出金機10と比べて、紙幣収納庫126(126a、126b、126c及び126d)が紙幣収納庫26(26a、26b、26c及び26d)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[2−2.紙幣収納庫の構成]
図6に示すように、紙幣収納庫126は紙幣収納庫26(図3)と比べて、収納庫制御部135が収納庫制御部35と、ステージ140がステージ40と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。ステージ140は、繰出ローラ68と上下方向に対向する位置に長方形状のステージ孔部80が穿設されている。ステージ孔部80の大きさは、繰出ローラ68の直径よりも大きく形成されている。この繰出ローラ68及びステージ孔部80が、窪み形成部として機能する。
図6に示すように、紙幣収納庫126は紙幣収納庫26(図3)と比べて、収納庫制御部135が収納庫制御部35と、ステージ140がステージ40と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。ステージ140は、繰出ローラ68と上下方向に対向する位置に長方形状のステージ孔部80が穿設されている。ステージ孔部80の大きさは、繰出ローラ68の直径よりも大きく形成されている。この繰出ローラ68及びステージ孔部80が、窪み形成部として機能する。
かかる構成において破壊検知センサが、現金自動取引装置101に対する現金盗難目的の不正なアクセスがあったことを検出すると、収納庫制御部135は、ステージモータ58を上昇回転方向へ回転させて図7に示すようにステージ140を上昇させてステージ上端位置まで移動させ、紙幣BLを繰出ローラ68に押し付ける。このとき紙幣BLは、繰出ローラ68に押し付けられている部分がステージ孔部80に向かって下方へ窪んだ状態に変形し、窪み部81が形成される。
続いて収納庫制御部135は、ステージモータ58を下降回転方向へ回転させて図8に示すようにステージ140を高速で下降させつつ、インク噴射口74からインクを噴射させる。このとき収納庫制御部135は、紙幣BLの自重による下降の速さよりも速いスピードでステージ140を下降させ、落下中の隣り合う紙幣BL同士の間に隙間を形成させる。その後収納庫制御部135は、ステージ上昇動作及びステージ下降インク噴射動作を所定回数繰り返す。
このとき紙幣BL同士の隙間から紙幣BL間に入り込んだインクが下に垂れ流れずに窪み部81に流れ込むことにより、側面から溢れることが抑制されるため、紙幣収納庫126は、紙幣収納庫26と比べてインクの付着面積をさらに増加させることができる。
その他第2の実施の形態による紙幣収納庫126は、第1の実施の形態による紙幣収納庫26とほぼ同様の作用効果を奏する。
[3.第3の実施の形態]
[3−1.紙幣入出金機の構成]
図1及び図2に示すように、第3の実施の形態による現金自動取引装置201の紙幣入出金機210は、第1の実施の形態による現金自動取引装置1の紙幣入出金機10と比べて、紙幣収納庫226(226a、226b、226c及び226d)が紙幣収納庫26(26a、26b、26c及び26d)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[3−1.紙幣入出金機の構成]
図1及び図2に示すように、第3の実施の形態による現金自動取引装置201の紙幣入出金機210は、第1の実施の形態による現金自動取引装置1の紙幣入出金機10と比べて、紙幣収納庫226(226a、226b、226c及び226d)が紙幣収納庫26(26a、26b、26c及び26d)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[3−2.紙幣収納庫の構成]
図9に示すように、紙幣収納庫226は紙幣収納庫26(図3)と比べて、収納庫制御部235が収納庫制御部35と、昇降駆動部238が昇降駆動部38と、ステージ240がステージ40と、紙幣汚損部269が紙幣汚損部69と異なっており、傾き駆動部82が追加されているものの、それ以外は同様に構成されている。
図9に示すように、紙幣収納庫226は紙幣収納庫26(図3)と比べて、収納庫制御部235が収納庫制御部35と、昇降駆動部238が昇降駆動部38と、ステージ240がステージ40と、紙幣汚損部269が紙幣汚損部69と異なっており、傾き駆動部82が追加されているものの、それ以外は同様に構成されている。
傾き駆動部82は、ステージモータ58、ステージ傾き駆動ソレノイド84、クラッチ86、ステージ傾き駆動ギア88及びステージ傾きギア90により構成されている。
傾き駆動部82は、ステージモータ58の上方にステージ傾き駆動ソレノイド84を有し、当該ステージ傾き駆動ソレノイド84の出力軸に取り付けられたクラッチ86を駆動し、ステージ傾き駆動ギア88を左右方向に沿って移動させる。実際上ステージ傾き駆動ソレノイド84は、図9に示すようにクラッチ86を結合させたクラッチ結合状態においては、ステージ傾き駆動ギア88をステージモータギア60及びステージ傾きギア90に歯合させることにより、ステージモータギア60の回転力をステージ傾きギア90に伝達させる。一方ステージ傾き駆動ソレノイド84は、図10に示すようにクラッチ86を分離させたクラッチ分離状態においては、ステージ傾き駆動ギア88をステージモータギア60及びステージ傾きギア90に歯合させないことにより、ステージモータギア60の回転力をステージ傾きギア90に伝達させない。
ステージ240は、ステージモータギア60と上下方向に対向する位置において側面視半円形状のステージ傾きギア90が下方に突設している。またステージ傾きギア90を仮想的に側面視円形状としたときの中心に相当する位置に穿設された孔部には、収納庫ケース32の左側壁32L及び右側壁32Rの内面に植設された傾きギア軸92が挿入され、当該傾きギア軸92を中心としてステージ240を図9(B)中時計回り及び反時計回りへ回動可能に支持している。
また昇降駆動部238におけるステージガイド246は、昇降駆動部38(図3)におけるステージガイド46と比べて、下端部において前後方向に拡張された拡張部94が形成されている。
これにより昇降駆動部238は、収納庫制御部235の制御に基づきステージモータ58を上昇回転方向(以下では前側持上回転方向とも呼ぶ)へ回転させ、ステージモータギア60及びプーリ駆動軸52に回転力を伝達させ、これに連動させてプーリ48DL及びDRと共にステージベルト54L及び54Rを回転させる。これにより昇降駆動部238は、ステージベルト54を介してステージ240を上昇させる。
このとき傾き駆動部82は、クラッチ結合状態とし、ステージモータ58からの前側持上回転方向への回転力を、ステージモータギア60からステージ傾き駆動ギア88を介しステージ傾きギア90に伝達させ、ステージ240を図9(B)中時計回りに回動させる。これにより傾き駆動部82は、図11(A)に示すように前側が上方へ持ち上げるようにステージ240を回動させ前側持上状態とする。このときステージ摺動部44は、ステージ240の回動に伴い第1の実施の形態の場合と比べて前方へ移動するが、ステージガイド246には拡張部94が形成されているため、当該ステージガイド246がステージ240の回動を妨げることはない。
一方昇降駆動部238は、収納庫制御部235の制御に基づきステージモータ58を下降回転方向(以下では後側持上回転方向とも呼ぶ)へ回転させ、ステージモータギア60及びプーリ駆動軸52に回転力を伝達させ、これに連動させてプーリ48DL及びDRと共にステージベルト54L及び54Rを回転させる。これにより昇降駆動部238は、ステージベルト54を介してステージ240を下降させる。
このとき傾き駆動部82は、クラッチ結合状態とし、ステージモータ58からの後側持上回転方向への回転力を、ステージモータギア60からステージ傾き駆動ギア88を介しステージ傾きギア90に伝達させ、ステージ240を図9(B)中反時計回りに回動させる。これにより傾き駆動部82は、図11(B)に示すように後側が上方へ持ち上げるようにステージ240を回動させ後側持上状態とする。このときステージ摺動部44は、ステージ240の回動に伴い第1の実施の形態の場合と比べてより前方へ移動するが、ステージガイド246には拡張部94が形成されているため、当該ステージガイド246がステージ240の回動を妨げることはない。
紙幣汚損部269のインクノズル272は、紙幣収納部36の後方及び前方において当該紙幣収納部36の上端から下端に亘って配設されている。またインクノズル272は、紙幣BLの前側及び後側の長手方向のほぼ中央部において上下方向に沿って配設されている共に、紙幣BLの前側及び後側の長手方向の左右両側の外側において上下方向に沿って配設されている。
[3−3.紙幣汚損動作]
破壊検知センサが、現金自動取引装置201に対し現金盗難目的の不正なアクセスがあったことを検出すると、収納庫制御部235は、ステージモータ58を下降回転方向へ回転させて図9に示すようにステージ下端位置までステージ240を下降させる。続いて収納庫制御部235は、ステージ傾き駆動ソレノイド84を駆動しクラッチ結合状態とする。
破壊検知センサが、現金自動取引装置201に対し現金盗難目的の不正なアクセスがあったことを検出すると、収納庫制御部235は、ステージモータ58を下降回転方向へ回転させて図9に示すようにステージ下端位置までステージ240を下降させる。続いて収納庫制御部235は、ステージ傾き駆動ソレノイド84を駆動しクラッチ結合状態とする。
続いて収納庫制御部235は、ステージモータ58を上昇回転方向(すなわち前側持上回転方向)へ回転させて図11(A)に示すようにステージ240を上昇させつつ前側が上方へ持ち上げるようにステージ240を傾ける。このとき収納庫制御部235は、インク噴射口74からインクを噴射させる。以下ではこの動作をステージ前側持上インク噴射動作とも呼ぶ。
続いて収納庫制御部235は、ステージモータ58を下降回転方向(すなわち後側持上回転方向)へ回転させて図11(B)に示すようにステージ240を下降させつつ後側が上方へ持ち上げるようにステージ240を傾ける。このとき収納庫制御部235は、インク噴射口74からインクを噴射させる。以下ではこの動作をステージ後側持上インク噴射動作とも呼ぶ。
収納庫制御部235は、ステージ前側持上インク噴射動作及びステージ後側持上インク噴射動作を交互に高速に所定回数繰り返す。
このように紙幣収納庫226は、ステージ240の前側と後側とが交互に上方へ持ち上がるようにステージ240を面方向が水平方向に対し傾くよう高速に繰り返し傾けつつインク噴射口74からインクを噴射するようにした。これにより紙幣収納庫226は、ステージ240上で紙幣を飛び跳ねさせて着地させる挙動を繰り返させ、重なった紙幣をバラけさせて紙幣表面を露出させ、インクの付着面積を増加させることができる。
また紙幣収納庫226は、紙幣の面に沿う面方向を水平方向にせず、傾けるようにした。これによりインクが紙幣表面の高い側から低い側へ向かって流れ、紙幣収納庫226は、インクの付着面積をより増加させることができる。
さらに紙幣収納庫226は、ステージ240をステージモータ58で駆動するようにしたため、ステージ前側持上インク噴射動作及びステージ後側持上インク噴射動作を任意の回数だけ繰り返し行うことができ、インクの付着面積をより増加させることができる。
その他第3の実施の形態による紙幣収納庫226は、第1の実施の形態による紙幣収納庫26とほぼ同様の作用効果を奏する。
[4.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、ステージ40を上昇させ紙幣BLを繰出ローラ68に押し付ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、入金専用の紙幣収納庫であり繰出ローラ68が存在しない場合、ステージ40を上昇させ紙幣BLを上面ガイド64に押し付けても良い。
なお上述した第1の実施の形態においては、ステージ40を上昇させ紙幣BLを繰出ローラ68に押し付ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、入金専用の紙幣収納庫であり繰出ローラ68が存在しない場合、ステージ40を上昇させ紙幣BLを上面ガイド64に押し付けても良い。
また上述した第2の実施の形態においては、ステージ140において繰出ローラ68と対向する位置にステージ孔部80を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、入金専用の紙幣収納庫であり繰出ローラ68が存在しない場合、図12に示す紙幣収納庫326のように、下方へ突出する側面視台形状である突出部としての押付突起96を上面ガイド364に設け、ステージ140において押付突起96と対向する位置にステージ孔部80を設けても良い。この場合、紙幣BLが押付突起96に押し付けられることにより、紙幣に窪み部が形成される。また押付突起96は下端部が繰出ローラのように湾曲形状でも良く、種々の形状であって良い。さらに押付突起96は3個に限らず、任意の個数設けても良い。要は紙幣に窪み部を形成できれば良い。また、押付突起96を、繰出ローラ68に接触しない位置に設け、押付突起96と繰出ローラ68とを併用し、ステージにおいて押付突起96及び繰出ローラ68と対向する位置にステージ孔部を設けても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、ステージ上昇動作とステージ下降インク噴射動作とを繰り返す場合について述べた。本発明はこれに限らず、ステージ上昇動作とステージ下降インク噴射動作とを一度のみ行うようにしても良い。
さらに上述した第3の実施の形態においては、ステージ前側持上インク噴射動作及びステージ後側持上インク噴射動作を繰り返す場合について述べた。本発明はこれに限らず、ステージ前側持上インク噴射動作及びステージ後側持上インク噴射動作を一度のみ行うようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、ステージ上端位置からステージ下端位置までステージ40又は140を往復移動させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、ステージ上端位置からステージ下端位置までの間の種々の位置をステージ40又は140を往復移動させても良い。また、ステージ40又は140の上下移動を繰り返す間に、ステージ40又は140を移動させる上端の位置と下端の位置とを変化させても良い。さらに、ステージ40又は140を上下移動させる距離を極短くしてステージ40又は140を振動させるように動作させても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、ステージ上昇動作中はインクを噴射しない場合について述べた。本発明はこれに限らず、ステージ上昇動作中にインクを噴射するようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、紙幣BLの自重による下降の速さよりも速いスピードでステージ40又は140を下降させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、紙幣BLの自重による下降の速さと同等か、紙幣BLの自重による下降の速さよりも遅いスピードでステージ40又は140を下降させても良い。
さらに、第1及び第2の実施の形態によるステージ40又は140を上下移動させる機構は、上述した昇降駆動部38に限らず、種々の機構で良い。さらに、第3の実施の形態によるステージ240を傾ける機構は、上述した昇降駆動部238に限らず、種々の機構で良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態による紙幣収納庫26及び126においても、第3の実施の形態による紙幣収納庫226のように、紙幣収納部36の前後両側にインクノズル272及びインク噴射口74を設けても良い。
さらに上述した実施の形態においては、3個の繰出ローラ68を設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、任意の個数の繰出ローラを設けて良い。
さらに上述した実施の形態においては、繰出ローラ68の下方にプーリ支持軸50を設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、繰出ローラ68の上方において収納庫ケース32の左側壁32Lから右側壁32Rまで亘るプーリ支持軸を設けても良い。
さらに上述した実施の形態においては、紙幣を取引する現金自動取引装置1、101及び201において本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば債権、証書、商品券、金券や入場券等のような薄い紙状の媒体を取り扱う種々の装置に適用しても良い。また、例えば紙幣を入出する紙幣入出金機や紙幣を所定枚数毎に施封する施封小束支払機等、紙幣や硬貨の取引に関する種々の処理を行う複数種類の装置の組み合わせにより構成された現金処理装置に本発明を適用してもよい。
さらに上述した実施の形態においては、入金取引及び出金取引を行う現金自動取引装置に本発明を適用する場合について述べたが、入金取引又は出金取引の何れか一方のみを行う装置に本発明を適用しても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、紙幣収納部としての紙幣収納部36と、ステージとしてのステージ40又は140と、駆動部としての昇降駆動部38と、紙幣汚損部としての紙幣汚損部69とによって、現金収納装置としての紙幣収納庫26又は126を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる紙幣収納部と、ステージと、駆動部と、紙幣汚損部によって、現金収納装置を構成しても良い。
さらに上述した第3の実施の形態においては、紙幣収納部としての紙幣収納部36と、ステージとしてのステージ240と、駆動部としての傾き駆動部82と、紙幣汚損部としての紙幣汚損部269とによって、現金収納装置としての紙幣収納庫226を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる紙幣収納部と、ステージと、駆動部と、紙幣汚損部とによって、現金収納装置を構成しても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、接客部としての接客部3と、紙幣収納部としての紙幣収納部36と、ステージとしてのステージ40又は140と、駆動部としての昇降駆動部38と、紙幣汚損部としての紙幣汚損部69とによって、現金取引装置としての現金自動取引装置1又は101を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる接客部と、紙幣収納部と、ステージと、駆動部と、紙幣汚損部とによって、現金取引装置を構成しても良い。
さらに上述した第3の実施の形態においては、接客部としての接客部3と、紙幣収納部としての紙幣収納部36と、ステージとしてのステージ240と、駆動部としての傾き駆動部82と、紙幣汚損部としての紙幣汚損部69とによって、現金取引装置としての現金自動取引装置201を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる接客部と、紙幣収納部と、ステージと、駆動部と、紙幣汚損部とによって、現金取引装置を構成しても良い。
本発明は、防盗性を要する現金を取扱う種々の装置でも利用できる。
1、101、201……現金自動取引装置、2……筐体、3……接客部、4……カード入出口、5……入出金口、6……操作表示部、7……テンキー、8……レシート発行口、9……主制御部、10、110、210……紙幣入出金機、12……制御部、14……記憶部、16……紙幣入出金部、18……鑑別部、20……一時保留部、22……取忘れ回収庫、24……搬送部、26、126、226、326……紙幣収納庫、28……リジェクト庫、30……損券収納庫、32……収納庫ケース、32U……天板、36L……左側壁、36R……右側壁、34……紙幣入出金口、35、235……収納庫制御部、36……紙幣収納部、38、238……昇降駆動部、40、140、240……ステージ、42……ステージ支持部、44……ステージ摺動部、46、246……ステージガイド、48……プーリ、50……プーリ支持軸、52……プーリ駆動軸、54……ステージベルト、56……ステージ駆動ギア、58……ステージモータ、60……ステージモータギア、62……紙幣取込繰出路、64、364……上面ガイド、66……ローラ回動軸、68……繰出ローラ、69、269……紙幣汚損部、70……インクタンク、72、272……インクノズル、74……インク噴射口、80……ステージ孔部、81……窪み部、82……傾き駆動部、84……ステージ傾き駆動ソレノイド、86……クラッチ、88……ステージ傾き駆動ギア、90……ステージ傾きギア、92……傾きギア軸、94……拡張部、96……押付突起、BL……紙幣。
Claims (10)
- 上下方向に沿って重なって堆積するように紙幣を収納する紙幣収納部と、
前記紙幣収納部の下方に設けられ前記紙幣を保持するステージと、
前記ステージをほぼ上下方向に沿って移動させる駆動部と、
不正行為が検知されると前記駆動部により前記ステージを上昇させるステージ上昇動作を行った後、前記ステージを下降させながら前記紙幣を着色するインクを蓄える貯蔵部から前記インクを噴射するステージ下降インク噴射動作を行い、前記紙幣を汚損する紙幣汚損部と
を有する現金収納装置。 - 前記駆動部は、前記紙幣が自重で落下する速さよりも速く前記ステージを下降させる
請求項1に記載の現金収納装置。 - 前記紙幣の少なくとも一部を下方に窪ませる窪み形成部
をさらに有する
請求項1に記載の現金収納装置。 - 前記窪み形成部は、前記紙幣収納部の上方に設けられ前記紙幣収納部から前記紙幣を外部へ排出する繰出ローラと、前記繰出ローラに対向する位置に孔部が形成された前記ステージとを有し、
前記駆動部は、前記紙幣を前記繰出ローラに押し付け、前記紙幣に窪みを形成する
請求項3に記載の現金収納装置。 - 前記窪み形成部は、前記紙幣収納部の上方に配され前記紙幣の上面をガイドし、前記紙幣を挟んで前記ステージと対向し前記紙幣に向かって突出する突出部が形成された上面ガイドと、前記突出部に対向する位置に孔部が形成された前記ステージとを有し、
前記駆動部は、前記紙幣を前記突出部に押し付け、前記紙幣に窪みを形成する
請求項3に記載の現金収納装置。 - 前記駆動部は、前記ステージ上昇動作及び前記ステージ下降インク噴射動作を繰り返す
請求項1に記載の現金収納装置。 - 上下方向に沿って重なって堆積するように紙幣を収納する紙幣収納部と、
前記紙幣収納部の下方に設けられ前記紙幣を保持するステージと、
前記ステージの面方向を水平方向に対し傾ける駆動部と、
不正行為が検知されると前記駆動部により前記ステージの一端側が上方へ持ち上がるよう傾けつつ前記紙幣を着色するインクを蓄える貯蔵部から前記インクを噴射するステージ一端側持上インク噴射動作を行った後、前記ステージの他端側が上方へ持ち上がるよう傾けつつ前記インクを噴射するステージ他端側持上インク噴射動作を行い、前記紙幣を汚損する紙幣汚損部と
を有する現金収納装置。 - 前記駆動部は、前記ステージ一端側持上インク噴射動作及び前記ステージ他端側持上インク噴射動作を繰り返す
請求項7に記載の現金収納装置。 - 紙幣に関する取引を受け付ける接客部と、
前記紙幣を上下方向に沿って重なって堆積するように収納する紙幣収納部と、
前記紙幣収納部の下方に設けられ前記紙幣を保持するステージと、
前記ステージをほぼ上下方向に沿って移動させる駆動部と、
不正行為が検知されると前記駆動部により前記ステージを上昇させるステージ上昇動作を行った後、前記ステージを下降させながら前記紙幣を着色するインクを蓄える貯蔵部から前記インクを噴射するステージ下降インク噴射動作を行い、前記紙幣を汚損する紙幣汚損部と
を有する現金取引装置。 - 紙幣に関する取引を受け付ける接客部と、
前記紙幣を上下方向に沿って重なって堆積するように収納する紙幣収納部と、
前記紙幣収納部の下方に設けられ前記紙幣を保持するステージと、
前記ステージの面方向を水平方向に対し傾ける駆動部と、
不正行為が検知されると前記駆動部により前記ステージの一端側が上方へ持ち上がるよう傾けつつ前記紙幣を着色するインクを蓄える貯蔵部から前記インクを噴射するステージ一端側持上インク噴射動作を行った後、前記ステージの他端側が上方へ持ち上がるよう傾けつつ前記インクを噴射するステージ他端側持上インク噴射動作を行い、前記紙幣を汚損する紙幣汚損部と
を有する現金取引装置。
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