JP2015152402A - 磁気軸受構造、ムーブメントおよび時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸部材の回転周期の変動を抑制できる磁気軸受構造、ムーブメントおよび時計を提供する。【解決手段】両端部にほぞ21A,21Bを有し、軸中心に回転するてん真22と、てん真22に設けられ、磁力をほぞ21A,21Bに発生させる軸部材側磁石31A,31Bと、てん真22を回転可能に支持する軸受部41を有する軸受ユニット40A,40Bと、軸受ユニット40A,40Bに設けられ、ほぞ21A,21Bに発生する磁力に対して反発する磁力を軸受部41に発生させる軸受側磁石51A,51Bと、ほぞ21A,21Bに設けられ、てん真22の軸方向に沿って突出する凸部25と、軸受部41に設けられ、凸部25を軸方向および径方向から覆う凹部45と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図4
Description
この発明は、磁気軸受構造、ムーブメントおよび時計に関するものである。
機械式時計は、表輪列を構成する香箱車、二番車、三番車および四番車の回転を制御するための脱進調速装置を備えている。一般的な脱進調速装置は、がんぎ車と、アンクルと、てんぷとにより形成されている。また、てんぷは、てん輪と、てん輪の回転中心となるてん真と、てん輪を所定の振動周期で往復回転させるひげぜんまいと、ひげぜんまいをてん真に固定するひげ玉と、により形成されている。ここで、てんぷの振り角の変動(すなわち振動周期の変動)は、時計の精度に関わるため、予め決められた規定値内に設定されていることが重要である。
ところで、てんぷの振動周期は、てん真のほぞと、てん真を回転可能に支持する軸受部との摩擦抵抗に大きく依存することが知られている。例えば、時計の姿勢が変化したり、衝撃が加わったりすると、てん真の位置が変動するとともに、てん真のほぞと軸受部との間の摩擦抵抗が大きく変化し、てんぷの振り角および振動周期に変動が生じる。とりわけ、てんぷの振り角が所定の角度よりも小さくなった場合には、計時精度の低下に加えて外乱に対するロバスト性が低下する。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1には、てん真の両端部に不均衡な磁場または静電場が発生され、てん真の一方の端部を一方の極片の接触面に押し付け、他方の端部を他方の端部から離間させる軸受構造が開示されている。
しかしながら、従来技術にあっては、一方のほぞと軸受部とが接触しているため、時計の姿勢の変化等によりてん真のほぞと軸受部との間の摩擦抵抗が変化し、てんぷの振り角および振動周期に変動が生じるという課題が根本的に解決されていない。したがって、てんぷの回転周期の変動の抑制という点で、改善の余地がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、軸部材の回転周期の変動を抑制できる磁気軸受構造、ムーブメントおよび時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の磁気軸受構造は、両端部にほぞを有し、軸中心に回転する軸部材と、前記軸部材に設けられ、磁力を前記ほぞに発生させる軸部材側磁石と、前記軸部材を回転可能に支持する軸受部を有する軸受ユニットと、前記軸受ユニットに設けられ、前記ほぞに発生する磁力に対して反発する磁力を前記軸受部に発生させる軸受側磁石と、前記ほぞおよび前記軸受部のいずれか一方に設けられ、前記軸部材の軸方向に沿って突出する凸部と、前記ほぞおよび前記軸受部のいずれか他方に設けられ、前記凸部を前記軸方向および前記軸部材の径方向から覆う凹部と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、磁力をほぞに発生させる軸部材側磁石と、ほぞに発生する磁力に対して反発する磁力を軸受部に発生させる軸受側磁石と、ほぞおよび軸受部のいずれか一方に設けられた凸部と、ほぞおよび軸受部のいずれか他方に設けられ、凸部を軸方向および軸部材の径方向から覆う凹部と、を備えているので、軸受部は、姿勢の変化にかかわらず、磁力の反発力によって凸部の外面と凹部の内面との間にエアギャップを設けた状態で、非接触により軸部材を支持できる。したがって、軸部材が回転する際のほぞと軸受部との間の抵抗が大きく変化しないので、軸部材の回転周期の変動を抑制できる。また、軸受部は、ほぞに接触することなく軸部材を支持できるので、軸部材が回転する時の損失を大幅に低減できる。
また、前記ほぞは、前記軸部材側磁石により形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、ほぞ自体が軸部材側磁石となっているので、磁気効率に優れるとともに、低コストな磁気軸受構造とすることができる。
また、前記軸部材側磁石は、一対の前記ほぞの間に設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、ほぞと軸部材側磁石との距離を変更することで、ほぞに発生する磁力を容易に調節できる。したがって、磁気バランスに優れた磁気軸受構造とすることができる。
また、前記凸部および前記凹部の少なくともいずれか一方の表面には、保護膜が設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、例えば外部からの衝撃等により、軸部材と軸受部とが接触した場合であっても、軸部材および軸受部の少なくともいずれか一方が損傷するのを防止できる。
また、前記軸受ユニットは、前記軸受部に作用する衝撃を吸収する耐震機構を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、例えば外部から衝撃が加わった場合であっても、衝撃を吸収するとともに軸部材および軸受部が損傷するのを防止できる。
また、本発明のてんぷは、上述の磁気軸受構造を備えたことを特徴としている。
また、本発明のムーブメントは上述のてんぷを備えたことを特徴としている。
また、本発明の時計は、上述のムーブメントを備えたことを特徴としている。
また、本発明のムーブメントは上述のてんぷを備えたことを特徴としている。
また、本発明の時計は、上述のムーブメントを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、軸部材の回転周期の変動を抑制できる磁気軸受構造を備えているので、姿勢の変化や衝撃等に起因する計時精度の低下を抑制できるとともに、外乱に対するロバスト性を確保できるてんぷ、ムーブメントおよび時計とすることができる。
本発明によれば、磁力をほぞに発生させる軸部材側磁石と、ほぞに発生する磁力に対して反発する磁力を軸受部に発生させる軸受側磁石と、ほぞおよび軸受部のいずれか一方に設けられた凸部と、ほぞおよび軸受部のいずれか他方に設けられ、凸部を軸方向および軸部材の径方向から覆う凹部と、を備えているので、軸受部は、姿勢の変化にかかわらず、磁力の反発力によって凸部の外面と凹部の内面との間にエアギャップを設けた状態で、非接触により軸部材を支持できる。したがって、軸部材が回転する際のほぞと軸受部との間の抵抗が大きく変化しないので、軸部材の回転周期の変動を抑制できる。また、軸受部は、ほぞに接触することなく軸部材を支持できるので、軸部材が回転する時の損失を大幅に低減できる。
(第一実施形態)
以下に、本発明の第一実施形態について、図面を用いて説明する。
以下では、機械式の腕時計(請求項の「時計」に相当、以下、単に「時計」という。)、この時計に組み込まれたムーブメントについて説明したあと、ムーブメントを構成するてんぷおよび磁気軸受構造の詳細について説明する。
以下に、本発明の第一実施形態について、図面を用いて説明する。
以下では、機械式の腕時計(請求項の「時計」に相当、以下、単に「時計」という。)、この時計に組み込まれたムーブメントについて説明したあと、ムーブメントを構成するてんぷおよび磁気軸受構造の詳細について説明する。
(時計)
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
図1は、第一実施形態に係る時計1の外観図である。
図1に示すように、本実施形態の時計1のコンプリートは、図示しないケース裏蓋、およびガラス2からなる時計ケース3内に、ムーブメント100と、時に関する情報を示す目盛り等を有する文字板11と、時を示す時針12、分を示す分針13および秒を示す秒針14を含む指針と、を備えている。文字板11には、日付を表す数字を明示させる日窓11aが開口している。これにより、時計1は、時刻に加え、日付を確認することが可能とされている。
図1に示すように、本実施形態の時計1のコンプリートは、図示しないケース裏蓋、およびガラス2からなる時計ケース3内に、ムーブメント100と、時に関する情報を示す目盛り等を有する文字板11と、時を示す時針12、分を示す分針13および秒を示す秒針14を含む指針と、を備えている。文字板11には、日付を表す数字を明示させる日窓11aが開口している。これにより、時計1は、時刻に加え、日付を確認することが可能とされている。
図2は、時計1のムーブメント100を表側からみたときの平面図である。なお、図2では、図面を見やすくするため、ムーブメント100を構成する時計部品のうち一部の図示を省略しているとともに、各時計部品を簡略化して図示している。
図2に示すように、機械式時計のムーブメント100は、基板を構成する地板144を有している。地板144の巻真案内穴102には、巻真110が回転可能に組み込まれている。この巻真110は、おしどり103、かんぬき105、かんぬきばね107および裏押さえ109等を含む切換装置によって、巻真110の軸線方向の位置が決められている。
巻真110を回転させると、つづみ車(不図示)の回転を介してきち車112が回転する。きち車112の回転により丸穴車114および角穴車116が順に回転し、香箱車120に収容されたぜんまい(不図示)が巻き上げられる。
図2に示すように、機械式時計のムーブメント100は、基板を構成する地板144を有している。地板144の巻真案内穴102には、巻真110が回転可能に組み込まれている。この巻真110は、おしどり103、かんぬき105、かんぬきばね107および裏押さえ109等を含む切換装置によって、巻真110の軸線方向の位置が決められている。
巻真110を回転させると、つづみ車(不図示)の回転を介してきち車112が回転する。きち車112の回転により丸穴車114および角穴車116が順に回転し、香箱車120に収容されたぜんまい(不図示)が巻き上げられる。
香箱車120は、軸部である香箱真の両端に突設されたほぞ(不図示)が、それぞれ地板144と香箱受134とに枢支されることにより、地板144と香箱受134との間で回転可能に支持されている。二番車124、三番車126、四番車128およびがんぎ車130は、それぞれの軸部の両端に突設されたほぞ(不図示)が、それぞれ地板144と輪列受136とに枢支されることにより、地板144と輪列受136との間で回転可能に支持されている。
ぜんまいの復元力により香箱車120が回転すると、香箱車120の回転により二番車124、三番車126、四番車128およびがんぎ車130が順に回転する。これら香箱車120、二番車124、三番車126および四番車128は、表輪列を構成する。
ぜんまいの復元力により香箱車120が回転すると、香箱車120の回転により二番車124、三番車126、四番車128およびがんぎ車130が順に回転する。これら香箱車120、二番車124、三番車126および四番車128は、表輪列を構成する。
二番車124が回転すると、その回転に基づいて筒かな(不図示)が同時に回転し、この筒かなに取り付けられた分針13(図1参照)が「分」を表示するようになっている。
また、筒かなの回転に基づいて日の裏車(不図示)の回転を介して筒車(不図示)が回転し、この筒車に取り付けられた時針12(図1参照)が「時」を表示するようになっている。
また、筒かなの回転に基づいて日の裏車(不図示)の回転を介して筒車(不図示)が回転し、この筒車に取り付けられた時針12(図1参照)が「時」を表示するようになっている。
表輪列の回転を制御するための脱進調速装置140は、がんぎ車130、アンクル142およびてんぷ10により構成されている。
がんぎ車130の外周には歯132が形成されている。アンクル142は、地板144とアンクル受138との間で回転可能に支持されており、一対のつめ石142a,142bを備えている。アンクル142の一方のつめ石142aが、がんぎ車130の歯132に係合した状態で、がんぎ車130は一時的に停止している。
てんぷ10は、てんぷ受104と地板144との間において、本実施形態に係る磁気軸受構造5により回転可能に支持されている。てんぷ10は、一定周期で往復回転することにより、アンクル142の一方のつめ石142aおよび他方のつめ石142bを、がんぎ車130の歯132に交互に係合および解除させ、がんぎ車130を一定速度で脱進させている。
がんぎ車130の外周には歯132が形成されている。アンクル142は、地板144とアンクル受138との間で回転可能に支持されており、一対のつめ石142a,142bを備えている。アンクル142の一方のつめ石142aが、がんぎ車130の歯132に係合した状態で、がんぎ車130は一時的に停止している。
てんぷ10は、てんぷ受104と地板144との間において、本実施形態に係る磁気軸受構造5により回転可能に支持されている。てんぷ10は、一定周期で往復回転することにより、アンクル142の一方のつめ石142aおよび他方のつめ石142bを、がんぎ車130の歯132に交互に係合および解除させ、がんぎ車130を一定速度で脱進させている。
このような構成のもと、巻真110を用いて香箱車120に収容された不図示のぜんまいを巻き上げた後、このぜんまいが巻き戻される際の回転力により、香箱車120が回転する。香箱車120が回転することにより、これと噛合う二番車124が回転する。二番車124が回転すると、これに噛合う三番車126が回転する。三番車126が回転すると、これに噛合う四番車128が回転する。四番車128が回転すると、脱進調速装置140が駆動する。脱進調速装置140が駆動することにより、四番車128が一分間に一回転するように制御されるとともに、二番車124が一時間に一回転するように制御される。
(てんぷ)
図3は、図2のA−A線に沿った概略断面図である。なお、図3においては、図面を見やすくするため、てんぷ10および磁気軸受構造5の各構成部品を簡略化して図示している。
図3に示すように、てんぷ10は、主にてん輪20と、てん真22(請求項の「軸部材」に相当。)と、ひげぜんまい16とを備えている。なお、以下のてんぷ10の説明では、てんぷ10が往復回転する際の回転中心を中心軸Oとし、中心軸Oに沿う方向を軸方向といい、中心軸Oと直交する方向を径方向といい、中心軸O周りに周回する方向を周方向という。また、図3において、地板144を挟んで紙面上側がムーブメント100の表側となっており、地板144を挟んで紙面下側がムーブメント100の裏側となっている。
図3は、図2のA−A線に沿った概略断面図である。なお、図3においては、図面を見やすくするため、てんぷ10および磁気軸受構造5の各構成部品を簡略化して図示している。
図3に示すように、てんぷ10は、主にてん輪20と、てん真22(請求項の「軸部材」に相当。)と、ひげぜんまい16とを備えている。なお、以下のてんぷ10の説明では、てんぷ10が往復回転する際の回転中心を中心軸Oとし、中心軸Oに沿う方向を軸方向といい、中心軸Oと直交する方向を径方向といい、中心軸O周りに周回する方向を周方向という。また、図3において、地板144を挟んで紙面上側がムーブメント100の表側となっており、地板144を挟んで紙面下側がムーブメント100の裏側となっている。
てん輪20は、例えば鉄やステンレス、真鍮等の金属材料により略円環状に形成された部材であり、てん真本体22aに対して外嵌固定されている。
てん真22は、例えば鉄やステンレス、真鍮等の金属材料により形成された円柱状の軸部材である。てん真22は、両端部にほぞ21(21A,21B)を有している。てん真22のほぞ21A,21Bの詳細については、後述する。てん真22の中心軸は、てんぷ10の回転中心である中心軸Oと一致している。
ひげぜんまい16は、例えば鉄やニッケル等の金属材料、またはシリコーン樹脂やカーボン等を主成分とする樹脂材料等からなる複数の巻き数をもったうずまき状の薄板ばねである。ひげぜんまい16の内端部は、てん真22に固定されたひげ玉18に固定されている。ひげぜんまい16の外端部は、てんぷ受104に取り付けたひげ持106に固定されている。
てん真22は、例えば鉄やステンレス、真鍮等の金属材料により形成された円柱状の軸部材である。てん真22は、両端部にほぞ21(21A,21B)を有している。てん真22のほぞ21A,21Bの詳細については、後述する。てん真22の中心軸は、てんぷ10の回転中心である中心軸Oと一致している。
ひげぜんまい16は、例えば鉄やニッケル等の金属材料、またはシリコーン樹脂やカーボン等を主成分とする樹脂材料等からなる複数の巻き数をもったうずまき状の薄板ばねである。ひげぜんまい16の内端部は、てん真22に固定されたひげ玉18に固定されている。ひげぜんまい16の外端部は、てんぷ受104に取り付けたひげ持106に固定されている。
(磁気軸受構造)
上述したてんぷ10は、一対の磁気軸受構造5によって中心軸O周りに回転可能に支持されている。
本実施形態の磁気軸受構造5は、主にほぞ21A,21Bを有するてん真22と、軸部材側磁石31(31A,31B)と、軸受ユニット40と、軸受側磁石51と、ほぞ21A,21Bに設けられた凸部25と、により構成されている。以下に、各構成部品の詳細について説明する。
上述したてんぷ10は、一対の磁気軸受構造5によって中心軸O周りに回転可能に支持されている。
本実施形態の磁気軸受構造5は、主にほぞ21A,21Bを有するてん真22と、軸部材側磁石31(31A,31B)と、軸受ユニット40と、軸受側磁石51と、ほぞ21A,21Bに設けられた凸部25と、により構成されている。以下に、各構成部品の詳細について説明する。
図4は、第一実施形態に係る磁気軸受構造5の断面拡大図である。なお、図4以降の図面については、見やすくするために、ひげぜんまい16やひげ玉18等(図3参照)の部品を適宜省略して図示している。
図4に示すように、てん真22は、両端部にほぞ21A,21Bを有している。ほぞ21A,21Bは、それぞれてん輪20が外嵌されたてん真本体22aよりも小径に形成されており、例えば先細りとなるように縮径された円錐状に形成されている。ほぞ21A,21Bの先端部は、それぞれ軸方向に沿って突出する凸部25となっている。
図4に示すように、てん真22は、両端部にほぞ21A,21Bを有している。ほぞ21A,21Bは、それぞれてん輪20が外嵌されたてん真本体22aよりも小径に形成されており、例えば先細りとなるように縮径された円錐状に形成されている。ほぞ21A,21Bの先端部は、それぞれ軸方向に沿って突出する凸部25となっている。
てん真22には、磁力をほぞ21A,21Bに発生させるための軸部材側磁石31(31A,31B)が設けられている。軸部材側磁石31A,31Bの種類は特に限定されないが、例えばフェライト磁石やネオジム磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石等が好適である。
本実施形態では、ほぞ21A,21Bがそれぞれ軸部材側磁石31A,31Bによって形成されることにより、ほぞ21A,21Bに磁力を発生させている。
てんぷ受104側のほぞ21Aを形成する軸部材側磁石31Aは、例えば軸方向の外側にN極が配置され、軸方向の内側にS極が配置されるように着磁されている。
地板144側のほぞ21Bを形成する軸部材側磁石31Bは、例えば軸方向の外側にS極が配置され、軸方向の内側にN極が配置されるように着磁されている。
本実施形態では、ほぞ21A,21Bがそれぞれ軸部材側磁石31A,31Bによって形成されることにより、ほぞ21A,21Bに磁力を発生させている。
てんぷ受104側のほぞ21Aを形成する軸部材側磁石31Aは、例えば軸方向の外側にN極が配置され、軸方向の内側にS極が配置されるように着磁されている。
地板144側のほぞ21Bを形成する軸部材側磁石31Bは、例えば軸方向の外側にS極が配置され、軸方向の内側にN極が配置されるように着磁されている。
軸受ユニット40は、軸受部41と、軸受側磁石51(51A,51B)と、ガイドブシュ43と、耐震ブシュ46と、耐震バネ49と、を有している。軸受ユニット40(40A,40B)は、てん真22の両端部に設けられたほぞ21A,21Bに対応して、てんぷ受104と地板144とにそれぞれ設けられている。なお、てんぷ受104側の軸受ユニット40Aと地板144側の軸受ユニット40Bとは、後述する軸受側磁石51(51A,51B)の磁極の極性を除いて同一の構造となっている。したがって、以下では、てんぷ受104側の軸受ユニット40Aについて詳細に説明をし、地板144側の軸受ユニット40Bについては詳細な説明を省略している。
軸受部41は、ほぞ21Aよりも大径に形成された円柱状の部材であり、中心軸Oと同軸に配置されている。
軸受ユニット40Aには、ほぞ21Aに発生する磁力に対して反発する磁力を軸受部41に発生させる軸受側磁石51Aが設けられている。軸受側磁石51Aの種類は、軸部材側磁石31A,31Bと同様に特に限定されないが、例えばフェライト磁石やネオジム磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石等が好適である。
本実施形態では、軸受部41が軸受側磁石51Aによって形成されることにより、ほぞ21Aに発生する磁力に対して反発する磁力を軸受部41に発生させている。本実施形態の軸受側磁石51Aは、軸方向の内側にほぞ21Aの軸方向の外側と同極のN極が配置され、軸方向の外側にS極が配置されるように着磁されている。
軸受ユニット40Aには、ほぞ21Aに発生する磁力に対して反発する磁力を軸受部41に発生させる軸受側磁石51Aが設けられている。軸受側磁石51Aの種類は、軸部材側磁石31A,31Bと同様に特に限定されないが、例えばフェライト磁石やネオジム磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石等が好適である。
本実施形態では、軸受部41が軸受側磁石51Aによって形成されることにより、ほぞ21Aに発生する磁力に対して反発する磁力を軸受部41に発生させている。本実施形態の軸受側磁石51Aは、軸方向の内側にほぞ21Aの軸方向の外側と同極のN極が配置され、軸方向の外側にS極が配置されるように着磁されている。
軸受部41には、軸方向においてほぞ21Aと対向する位置に凹部45が形成されている。凹部45は、ほぞ21Aの凸部25よりも大径のすり鉢状となるように凹み形成されている。軸受部41は、磁力の反発力によってほぞ21Aの凸部25の外面と、軸受部41の凹部45の内面との間にエアギャップを設けた状態で、凸部25を軸方向および径方向から覆っている。これにより、てん真22は、軸方向の両端部に設けられたほぞ21A,21Bの軸部材側磁石31A,31Bと、軸受ユニット40A,40Bの軸受側磁石51A,51Bとの反発力によって、エアギャップが設けられた状態で支持される。
ガイドブシュ43は、例えば鉄やニッケル等の金属材料、またはシリコーン樹脂やカーボン等を主成分とする樹脂材料等により形成された有底筒状の部材であり、軸方向の外側に開口部を有するとともに軸部材側磁石31Aを収容している。
ガイドブシュ43の筒部43aの内径は、軸受側磁石51Aの外径よりもわずかに大きくなっている。これにより、軸部材側磁石31Aは、ガイドブシュ43の筒部43a内を軸方向に沿ってスライド移動可能となっている。
また、ガイドブシュ43の筒部43aには、外側の角部に第一テーパ面44aが形成されている。第一テーパ面44aは、例えば筒部43aの全周に亘って形成されており、径方向の内側から外側に向かって、軸方向の外側に漸次傾斜している。
ガイドブシュ43の筒部43aの内径は、軸受側磁石51Aの外径よりもわずかに大きくなっている。これにより、軸部材側磁石31Aは、ガイドブシュ43の筒部43a内を軸方向に沿ってスライド移動可能となっている。
また、ガイドブシュ43の筒部43aには、外側の角部に第一テーパ面44aが形成されている。第一テーパ面44aは、例えば筒部43aの全周に亘って形成されており、径方向の内側から外側に向かって、軸方向の外側に漸次傾斜している。
ガイドブシュ43の底部43bには、中心軸Oに沿って貫通孔43cが形成されている。ガイドブシュ43の貫通孔43cには、てん真22のほぞ21Aが挿通される。ほぞ21Aの凸部25は、貫通孔43cを通じて軸受部41の凹部45内に配置される。
また、ガイドブシュ43の底部43bには、第二テーパ面44bが形成されている。第二テーパ面44bは、底部43bの外側であって、貫通孔43cの開口縁部の径方向における外側に形成されている。第二テーパ面44bは、例えば貫通孔43cの開口縁部の径方向における外側において全周に亘って形成されており、径方向の内側から外側に向かって、軸方向の外側に漸次傾斜している。
また、ガイドブシュ43の底部43bには、第二テーパ面44bが形成されている。第二テーパ面44bは、底部43bの外側であって、貫通孔43cの開口縁部の径方向における外側に形成されている。第二テーパ面44bは、例えば貫通孔43cの開口縁部の径方向における外側において全周に亘って形成されており、径方向の内側から外側に向かって、軸方向の外側に漸次傾斜している。
ガイドブシュ43は、耐震ブシュ46に収容されている。耐震ブシュ46は、例えば鉄やニッケル等の金属材料、またはシリコーン樹脂やカーボン等を主成分とする樹脂材料等により形成され、軸方向の外側に開口部48を有する有底筒状の部材であり、ガイドブシュ43の筒部43aを囲繞する第一筒部46aと、第一筒部46aよりも小径に形成されてガイドブシュ43の底部43bを囲繞する第二筒部46bと、ガイドブシュ43を支持する底部46cと、を有している。
耐震ブシュ46は、例えばてんぷ受104の取付孔に嵌め込まれた後、接着剤等により固定されている。
耐震ブシュ46は、例えばてんぷ受104の取付孔に嵌め込まれた後、接着剤等により固定されている。
第一筒部46aの内径は、ガイドブシュ43の筒部43aよりも大径となっている。第一筒部46aの内面とガイドブシュ43の筒部43aの外面との間には、隙間が設けられている。また、第二筒部46bの内径は、ガイドブシュ43の底部43bよりも大径となっている。第二筒部46bの内面とガイドブシュ43の底部43bの外面との間には、隙間が設けられている。これにより、ガイドブシュ43は、耐震ブシュ46の内側において径方向に移動可能となっている。
耐震ブシュ46の底部46cには、貫通孔46dが形成されている。貫通孔46dには、てん真22のほぞ21Aが挿通される。ほぞ21Aの凸部25は、耐震ブシュ46の貫通孔46dおよびガイドブシュ43の貫通孔43cを通じて、軸受部41の凹部45内に配置される。
耐震ブシュ46の底部46cには、貫通孔46dが形成されている。貫通孔46dには、てん真22のほぞ21Aが挿通される。ほぞ21Aの凸部25は、耐震ブシュ46の貫通孔46dおよびガイドブシュ43の貫通孔43cを通じて、軸受部41の凹部45内に配置される。
耐震ブシュ46の内側における第一筒部46aと第二筒部46bとの接続部分の角部には、第一テーパ面47aが全周に亘って形成されている。耐震ブシュ46の第一テーパ面47aは、径方向の内側から外側に向かって軸方向の外側に漸次傾斜するとともに、ガイドブシュ43の第一テーパ面44aと面接触している。
また、耐震ブシュ46の底部46cには、第二テーパ面47bが形成されている。第二テーパ面47bは、底部46cの内側であって、貫通孔46dの開口縁部に形成されている。第二テーパ面47bは、例えば貫通孔46dの開口縁部の全周に亘って形成されており、径方向の内側から外側に向かって軸方向の外側に漸次傾斜するとともに、ガイドブシュ43の第二テーパ面44bと面接触している。
また、耐震ブシュ46の底部46cには、第二テーパ面47bが形成されている。第二テーパ面47bは、底部46cの内側であって、貫通孔46dの開口縁部に形成されている。第二テーパ面47bは、例えば貫通孔46dの開口縁部の全周に亘って形成されており、径方向の内側から外側に向かって軸方向の外側に漸次傾斜するとともに、ガイドブシュ43の第二テーパ面44bと面接触している。
耐震ブシュ46の開口部48には、耐震バネ49が設けられている。耐震バネ49は、例えば鉄やニッケル等の金属材料、またはシリコーン樹脂やカーボン等を主成分とする樹脂材料等により形成された可撓性を有する弾性部材であり、耐震ブシュ46の開口部48を閉塞するとともに、ガイドブシュ43およびガイドブシュ43内の軸受側磁石51Aを軸方向の内側に向かって付勢している。
ところで、外部から衝撃荷重が印加された場合、てん真22の位置が軸方向および径方向に変位するおそれがある。
例えば、てん真22に対して、軸方向に沿って衝撃荷重が印加された場合、てん真22が軸方向に沿って変位するとともに、てん真22を磁気的に支持する軸受側磁石51A,51Bも軸方向に沿って変位する。これに対して、軸受側磁石51A,51Bの軸方向の外側には、それぞれ軸受側磁石51A,51Bを軸方向の内側に向かって付勢する耐震バネ49が設けられているので、軸受側磁石51A,51Bが軸方向に沿って変位した場合であっても、軸受側磁石51A,51Bを弾性的に支持するとともに衝撃荷重を吸収する。
例えば、てん真22に対して、軸方向に沿って衝撃荷重が印加された場合、てん真22が軸方向に沿って変位するとともに、てん真22を磁気的に支持する軸受側磁石51A,51Bも軸方向に沿って変位する。これに対して、軸受側磁石51A,51Bの軸方向の外側には、それぞれ軸受側磁石51A,51Bを軸方向の内側に向かって付勢する耐震バネ49が設けられているので、軸受側磁石51A,51Bが軸方向に沿って変位した場合であっても、軸受側磁石51A,51Bを弾性的に支持するとともに衝撃荷重を吸収する。
また、例えば、てん真22に対して、径方向に沿って衝撃荷重が印加された場合、てん真22が径方向に沿って変位するとともに、てん真22を磁気的に支持する軸受側磁石51A,51Bおよび軸受側磁石51A,51Bを収容するガイドブシュ43が径方向に沿って変位する。ここで、ガイドブシュ43の第一テーパ面44aおよび第二テーパ面44bは、それぞれ耐震ブシュ46の第一テーパ面47aおよび第二テーパ面47bと面接触しているので、ガイドブシュ43は、耐震ブシュ46の第一テーパ面47aおよび第二テーパ面47bに沿うように、軸方向および径方向の外側に向かって斜めに変位する。これに対して、ガイドブシュ43の軸方向の外側には、ガイドブシュ43を軸方向の内側に付勢する耐震バネ49が設けられているので、ガイドブシュ43が軸方向および径方向の外側に向かって斜めに変位した場合であっても、ガイドブシュ43を弾性的に支持するとともに衝撃荷重を吸収する。
このように、軸受ユニット40A,40Bの耐震ブシュ46、ガイドブシュ43、軸受側磁石51A,51Bおよび耐震バネ49は、てん真22に印加された衝撃荷重を吸収する耐震機構7を構成している。すなわち、本実施形態の軸受ユニット40A,40Bは、てん真22に作用する衝撃を吸収する耐震機構7を備えている。
このように、軸受ユニット40A,40Bの耐震ブシュ46、ガイドブシュ43、軸受側磁石51A,51Bおよび耐震バネ49は、てん真22に印加された衝撃荷重を吸収する耐震機構7を構成している。すなわち、本実施形態の軸受ユニット40A,40Bは、てん真22に作用する衝撃を吸収する耐震機構7を備えている。
(効果)
本実施形態によれば、磁力をほぞ21A,21Bに発生させる軸部材側磁石31A,31Bと、ほぞ21A,21Bに発生する磁力に対して反発する磁力を軸受部41に発生させる軸受側磁石51A,51Bと、ほぞ21A,21Bに設けられた凸部25と、軸受部41に設けられ、凸部25を軸方向および軸部材の径方向から覆う凹部45と、を備えているので、軸受部41は、姿勢の変化にかかわらず、磁力の反発力によって凸部25の外面と凹部45の内面との間にエアギャップを設けた状態で、非接触によりてん真22を支持できる。したがって、てん真22が回転する際のほぞ21A,21Bと軸受部41との間の抵抗が大きく変化しないので、てん真22の回転周期の変動を抑制できる。また、軸受部41は、ほぞ21A,21Bに接触することなくてん真22を支持できるので、てん真22が回転する時の損失を大幅に低減できる。
本実施形態によれば、磁力をほぞ21A,21Bに発生させる軸部材側磁石31A,31Bと、ほぞ21A,21Bに発生する磁力に対して反発する磁力を軸受部41に発生させる軸受側磁石51A,51Bと、ほぞ21A,21Bに設けられた凸部25と、軸受部41に設けられ、凸部25を軸方向および軸部材の径方向から覆う凹部45と、を備えているので、軸受部41は、姿勢の変化にかかわらず、磁力の反発力によって凸部25の外面と凹部45の内面との間にエアギャップを設けた状態で、非接触によりてん真22を支持できる。したがって、てん真22が回転する際のほぞ21A,21Bと軸受部41との間の抵抗が大きく変化しないので、てん真22の回転周期の変動を抑制できる。また、軸受部41は、ほぞ21A,21Bに接触することなくてん真22を支持できるので、てん真22が回転する時の損失を大幅に低減できる。
また、ほぞ21A,21Bは、軸部材側磁石31A,31Bによって形成されており、ほぞ21A,21B自体が軸部材側磁石31A,31Bとなっているので、磁気効率に優れるとともに、低コストな磁気軸受構造5とすることができる。
また、軸受ユニット40A,40Bは、軸受部41に作用する衝撃を吸収する耐震機構7を備えているので、例えば外部から衝撃が加わった場合であっても、衝撃を吸収するとともにてん真22および軸受部41が損傷するのを防止できる。
また、てん真22の回転周期の変動を抑制できる磁気軸受構造5を備えているので、姿勢の変化や衝撃等に起因する計時精度の低下を抑制できるとともに、外乱に対するロバスト性を確保できるてんぷ10、ムーブメント100および時計1とすることができる。
(第一実施形態の各変形例)
続いて、第一実施形態の各変形例に係る磁気軸受構造5について説明する。
図5は、第一実施形態の第一変形例に係る磁気軸受構造5の断面拡大図である。
図6は、第一実施形態の第二変形例に係る磁気軸受構造5の断面拡大図である。
第一実施形態に係る磁気軸受構造5は、軸受部41を形成する軸受側磁石51A,51Bにすり鉢状の凹部45が形成されており、ほぞ21A,21Bを形成する軸部材側磁石31A,31Bに円錐状の凸部25が形成されていた(図4参照)。これに対して、凹部45および凸部25の形状や形成位置等は、第一実施形態に限定されない。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する。
続いて、第一実施形態の各変形例に係る磁気軸受構造5について説明する。
図5は、第一実施形態の第一変形例に係る磁気軸受構造5の断面拡大図である。
図6は、第一実施形態の第二変形例に係る磁気軸受構造5の断面拡大図である。
第一実施形態に係る磁気軸受構造5は、軸受部41を形成する軸受側磁石51A,51Bにすり鉢状の凹部45が形成されており、ほぞ21A,21Bを形成する軸部材側磁石31A,31Bに円錐状の凸部25が形成されていた(図4参照)。これに対して、凹部45および凸部25の形状や形成位置等は、第一実施形態に限定されない。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図5に示す第一実施形態の第一変形例に係る磁気軸受構造5のように、例えば、軸受部41を形成する軸受側磁石51A,51Bに軸方向視で真円形状の凹部45が形成されており、ほぞ21A,21Bを形成する軸部材側磁石31A,31Bに円柱状の凸部25が形成されていてもよい。
また、図6に示す第一実施形態の第二変形例に係る磁気軸受構造5のように、例えば軸受部41を形成する軸受側磁石51A,51Bに円錐状の凸部25が形成されており、ほぞ21A,21Bを形成する軸部材側磁石31A,31Bにすり鉢状の凹部45が形成されていてもよい。
また、図6に示す第一実施形態の第二変形例に係る磁気軸受構造5のように、例えば軸受部41を形成する軸受側磁石51A,51Bに円錐状の凸部25が形成されており、ほぞ21A,21Bを形成する軸部材側磁石31A,31Bにすり鉢状の凹部45が形成されていてもよい。
(第二実施形態)
図7は、第二実施形態に係る磁気軸受構造5の断面拡大図である。
続いて、第二実施形態に係る磁気軸受構造5について説明する。
第一実施形態に係る磁気軸受構造5は、ほぞ21A,21B自体が軸部材側磁石31A,31Bにより形成されていた(図4参照)。
これに対して、図7に示すように、第二実施形態に係る磁気軸受構造5は、ほぞ21A,21B自体が軸部材側磁石31A,31Bにより形成されることなく、軸部材側磁石31がほぞ21Aとほぞ21Bとの間に配置されている点で、第一実施形態とは異なっている。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図7は、第二実施形態に係る磁気軸受構造5の断面拡大図である。
続いて、第二実施形態に係る磁気軸受構造5について説明する。
第一実施形態に係る磁気軸受構造5は、ほぞ21A,21B自体が軸部材側磁石31A,31Bにより形成されていた(図4参照)。
これに対して、図7に示すように、第二実施形態に係る磁気軸受構造5は、ほぞ21A,21B自体が軸部材側磁石31A,31Bにより形成されることなく、軸部材側磁石31がほぞ21Aとほぞ21Bとの間に配置されている点で、第一実施形態とは異なっている。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する。
てん真22は、両端部にほぞ21A,21Bを有しており、例えば鉄等の磁性材料により形成されている。てん真22の軸方向における中間部であって、てん輪20に対応した位置には、リング状の軸部材側磁石31がてん真22に対して例えば外嵌固定されている。
軸部材側磁石31は、軸方向の一方側(本実施形態では、てんぷ受104側)がN極に磁化されており、軸方向の他方側(本実施形態では、地板144側)がS極に磁化されている。
軸部材側磁石31は、軸方向の一方側(本実施形態では、てんぷ受104側)がN極に磁化されており、軸方向の他方側(本実施形態では、地板144側)がS極に磁化されている。
ここで、てん真22のほぞ21A,21Bは、磁性材料により形成されているので、軸部材側磁石31によって磁化される。具体的には、てんぷ受104側のほぞ21Aは、軸部材側磁石31によりN極に磁化され、地板144側のほぞ21Bは、軸部材側磁石31によりS極に磁化される。これにより、てん真22は、軸部材側磁石31によって磁化されたほぞ21A,21Bと、軸受ユニット40A,40Bの軸受側磁石51A,51Bとの反発力によって、エアギャップが設けられた状態で支持される。
第二実施形態によれば、ほぞ21A,21Bと軸部材側磁石31との距離を変更することで、ほぞ21A,21Bに発生する磁力を容易に調節できる。したがって、磁気バランスに優れた磁気軸受構造5とすることができる。
第二実施形態によれば、ほぞ21A,21Bと軸部材側磁石31との距離を変更することで、ほぞ21A,21Bに発生する磁力を容易に調節できる。したがって、磁気バランスに優れた磁気軸受構造5とすることができる。
(第三実施形態)
図8は、第三実施形態に係る磁気軸受構造5の断面拡大図である。
続いて、第三実施形態に係る磁気軸受構造5について説明する。
第一実施形態に係る磁気軸受構造5は、ほぞ21A,21B自体が軸部材側磁石31A,31Bにより形成されており、軸部材側磁石31A,31Bが露出していた(図4参照)。
これに対して、図8に示すように、第三実施形態に係る磁気軸受構造5は、ほぞ21A,21Bが保護膜35により覆われている点で、第一実施形態とは異なっている。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図8は、第三実施形態に係る磁気軸受構造5の断面拡大図である。
続いて、第三実施形態に係る磁気軸受構造5について説明する。
第一実施形態に係る磁気軸受構造5は、ほぞ21A,21B自体が軸部材側磁石31A,31Bにより形成されており、軸部材側磁石31A,31Bが露出していた(図4参照)。
これに対して、図8に示すように、第三実施形態に係る磁気軸受構造5は、ほぞ21A,21Bが保護膜35により覆われている点で、第一実施形態とは異なっている。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第三実施形態に係る磁気軸受構造5は、ほぞ21A,21B自体が軸部材側磁石31A,31Bにより形成されている。また、軸部材側磁石31A,31Bの表面には、保護膜35が全面に亘ってコーティングされている。
保護膜35は、耐摩耗性に優れるとともに潤滑性を有する材料により形成されている。具体的に保護膜35を形成する材料としては、モリブデンやフッ素樹脂、DLC(Diamond‐Like Carbon)等が好適である。本実施形態では、保護膜35は、軸部材側磁石31A,31Bの表面に加えて、てん真本体22aの表面にもコーティングされている。また、図示は省略するが、例えば、軸受側磁石51A,51Bの凹部45の内面にも、保護膜35をコーティングしてもよい。
保護膜35は、耐摩耗性に優れるとともに潤滑性を有する材料により形成されている。具体的に保護膜35を形成する材料としては、モリブデンやフッ素樹脂、DLC(Diamond‐Like Carbon)等が好適である。本実施形態では、保護膜35は、軸部材側磁石31A,31Bの表面に加えて、てん真本体22aの表面にもコーティングされている。また、図示は省略するが、例えば、軸受側磁石51A,51Bの凹部45の内面にも、保護膜35をコーティングしてもよい。
第三実施形態によれば、少なくとも凸部25の表面には、保護膜35が設けられているので、例えば外部からの衝撃等により、てん真22のほぞ21A,21Bを形成する軸部材側磁石31A,31Bと、軸受部41の軸受側磁石51A,51Bとが接触した場合であっても、軸部材側磁石31A,31Bおよび軸受側磁石51A,51Bが損傷するのを防止できる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
各実施形態および第一実施形態の各変形例では、てんぷ10を構成するてん真22を回転自在に支持する磁気軸受構造5を例に説明をしたが、磁気軸受構造5の適用は、各実施形態および第一実施形態の各変形例に限定されない。したがって、例えば、がんぎ車130の軸受に本発明に係る磁気軸受構造5を適用してもよいし、アンクル142を回転自在に支持するアンクル真に本発明に係る磁気軸受構造5を適用してもよい。
磁気軸受構造5を構成する各構成部品の形状や材料等は、上述の各実施形態および第一実施形態の各変形例に限定されない。
また、上述の各実施形態および第一実施形態の各変形例では、ひげぜんまい16の材料は特に限定していないが、例えばシリコーン樹脂やカーボン等を主成分とする樹脂材料等の非磁性材料により形成するのが好ましい。これにより、ひげぜんまい16は、磁気軸受構造5の磁力の影響を受けることなく拡縮することができるので、てん輪20を所定の振動周期で往復回転させることができる。
また、上述の各実施形態および第一実施形態の各変形例では、ひげぜんまい16の材料は特に限定していないが、例えばシリコーン樹脂やカーボン等を主成分とする樹脂材料等の非磁性材料により形成するのが好ましい。これにより、ひげぜんまい16は、磁気軸受構造5の磁力の影響を受けることなく拡縮することができるので、てん輪20を所定の振動周期で往復回転させることができる。
上述の各実施形態および第一実施形態の各変形例を組み合わせてもよい。したがって、例えば、第二実施形態と第三実施形態とを組み合わせて、てん真22のほぞ21A,21Bの凸部25およびほぞ21A,21Bの間に設けられた軸部材側磁石31を保護膜35によりコーティングしてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1・・・時計 5・・・磁気軸受構造 7・・・耐震機構 10・・・てんぷ 21,21A,21B・・・ほぞ 22・・・てん真(軸部材) 25・・・凸部 31,31A,31B・・・軸部材側磁石 35・・・保護膜 40,40A,40B・・・軸受ユニット 41,41A,41B・・・軸受部 45・・・凹部 51,51A,51B・・・軸受側磁石 100・・・ムーブメント
Claims (8)
- 両端部にほぞを有し、軸中心に回転する軸部材と、
前記軸部材に設けられ、磁力を前記ほぞに発生させる軸部材側磁石と、
前記軸部材を回転可能に支持する軸受部を有する軸受ユニットと、
前記軸受ユニットに設けられ、前記ほぞに発生する磁力に対して反発する磁力を前記軸受部に発生させる軸受側磁石と、
前記ほぞおよび前記軸受部のいずれか一方に設けられ、前記軸部材の軸方向に沿って突出する凸部と、
前記ほぞおよび前記軸受部のいずれか他方に設けられ、前記凸部を前記軸方向および前記軸部材の径方向から覆う凹部と、
を備えたことを特徴とする磁気軸受構造。 - 請求項1に記載の磁気軸受構造であって、
前記ほぞは、前記軸部材側磁石により形成されていることを特徴とする磁気軸受構造。 - 請求項1に記載の磁気軸受構造であって、
前記軸部材側磁石は、一対の前記ほぞの間に設けられていることを特徴とする磁気軸受構造。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気軸受構造であって、
前記凸部および前記凹部の少なくともいずれか一方の表面には、保護膜が設けられていることを特徴とする磁気軸受構造。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気軸受構造であって、
前記軸受ユニットは、前記軸受部に作用する衝撃を吸収する耐震機構を備えたことを特徴とする磁気軸受構造。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気軸受構造を備えたことを特徴とするてんぷ。
- 請求項6に記載のてんぷを備えたことを特徴とするムーブメント。
- 請求項7に記載のムーブメントを備えたことを特徴とする時計。
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Cited By (2)
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JP2017207485A (ja) * | 2016-05-18 | 2017-11-24 | モントレー ブレゲ・エス アー | 計時器用ムーブメント用の耐衝撃デバイス |
JP2018081087A (ja) * | 2016-11-16 | 2018-05-24 | ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド | 軸方向の衝撃に対するブレード式共振機構の保護 |
-
2014
- 2014-02-13 JP JP2014025803A patent/JP2015152402A/ja active Pending
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