JP2013509576A - 腕時計のための調速部材およびこのような調速部材を備えた計時器具 - Google Patents

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    • G04C5/005Magnetic or electromagnetic means

Abstract

腕時計の機構のための調速部材であって、
少なくとも一つの可動磁石(10)を有するテンプ(1)と、
少なくとも一つの残った位置に向かって前記テンプを動かすための機械的な復帰トルクを発生させるように、テンプの前記可動磁石(10)と係合している少なくとも一つの固定永久磁石(2)を備えた磁性の復帰部材と、
前記残った位置から離間するように前記テンプ(1)を動かすために、テンプに対してパルスを伝送するための脱進機(5,6)と、
少なくとも一つの前記永久磁石の磁束を集めるための強磁性体材料の少なくとも一つのヨーク(3)を備えている。

Description

本発明は、腕時計のための調速部材およびこのような機構を備えた腕時計のための計時器具に関する。
通常の機械式腕時計は、ゼンマイケース、仕掛け(kinematic chain)、あるいは歯車列、駆動針、腕時計の機能を特定している調速部材により構成されたエネルギー蓄積部に加えて、調速部材の振動数を歯車列に伝えるための脱進機を備えている。
従来の機械式腕時計の調速部材は、回転軸に取付けられたテンプと静止位置に戻すために添付にトルクをかける戻し部材を備えていることが最も多い。脱進機は静止位置の周囲でテンプの振動を維持する。戻し部材は一般的にバネ、すなわち渦巻バネあるいはヒゲゼンマイを備えており、このバネはひげ玉を介してテンプに復帰トルクを伝える。
テンプとヒゲゼンマイの対により形成された振動子は、時間を測定するための際立った特性を示す。しかしながら、振動子は重力の影響を受けやすいという短所を有しており、重力により腕時計の傾きに左右されて異なってヒゲゼンマイは変形する傾向がある。さらに、ヒゲゼンマイの製造には細心の注意が必要であり、その要素は昔から調達が難しい。
さらに、その機能がコイルと磁石を備えた電気機械式の振動子により調節されている電気時計が知られている。例えば特許文献1には、永久磁石を基にしており、かつパルス電流でステータを励磁するための電源を必要とする時計製造の分野のための振動機構が記載されている。特許文献2にはコイルあるいは静電要素により生じた磁場内に
振動磁石を備えた、部材がH字型の共振子が記載されている。振動の周波数は共振子の形状により決定される。
これらの文書を比較することにより、本発明の一つ目的は、特にほぼ機械式の計時器具の中で、かつバッテリあるいは他の電源を使用せずに機能することができる調速部材を提案することである。
他方において、特許文献3には従来のテンプとヒゲゼンマイを備えた調速部材が記載されており、振動の規則正しさは、振動タブに取付けられ、かつ固定磁石の磁場の中で振動している磁石を用いて改善されている。類似の様式において、特許文献4にはテンプの位置を検出しかつ補正するための磁石を備えた機械式腕時計が記載されている。しかしながら、テンプの振動の周波数は普通のヒゲゼンマイにより決定される。特許文献5には機械式腕時計の異なる実施例が記載されており、この機械式腕時計のテンプは腕時計の機構に接続した固定の誘導コイル内で磁場を発生する磁石を備えている。コイル内での電流の強さにより、振動の振幅、従って腕時計のタイミングを制御することができる。さらに振動が不規則な場合に、この機能を補正することが提案されている。しかしながら、テンプの機構は磁石によってではなく、ヒゲゼンマイによって一定に保たれる。
さらに様々な文書に従来の調速部材に関連した磁気脱進機が記載されている。例えば、特許文献6には腕時計の機構のための磁気脱進機が記載されている。この装置はテンプに配置された磁石を使用する。しかしながら、ヒゲゼンマイを無くすか、あるいはすげ替えることは提案されていない。
同様に、特許文献7には従来のヒゲゼンマイを備えた調速部材に関連した、機械式脱進機の様々な実施例が記載されている。
従ってこれらの解決手段には螺旋状のヒゲゼンマイの他に、更に他の磁気システムが必要である。従って前記解決手段は螺旋状のヒゲゼンマイに関係した短所を全て有しているが、更に複雑であることも付加えておく。従ってこれらの様々な解決手段に対する本発明の目的の一つは、螺旋状のヒゲゼンマイを無くすことである。
特許文献8には振動が磁気連結器を通ってテンプに伝えられる音叉を備えた部材が記載されている。特許文献9には音叉を備えた他の磁気機械式振動子が記載されている。特許文献10には可撓な振動ロッドを備えた腕時計のための調速部材が記載されており、この振動ロッドの先端部は固定磁石の極の磁場内で振動している磁石を備えている。
これらの解決手段により、螺旋状のヒゲゼンマイを無くすことはできないが、螺旋状のヒゲゼンマイを、その弾性変形が腕時計のタイミング決定する音叉により取って代えることができる。精密な音叉の製造には、高精度のヒゲゼンマイに類似のあるいは前記ヒゲゼンマイに比べてさらにもっと複雑な問題がある。
特許文献11には脱進機に接続した単一磁石により生じる磁場の中で振動している振り子が記載されている。従って磁石は脱進機のために、および振り子をその平衡の位置へ戻すために使用される。しかしながら平衡は重力を受けるはずであり、かつ鉛直方向の位置で、すなわち時計の中でしか機能することができない。
特許文献12には垂直軸方向テンプ(vertical-axis balance)を備えた計時器のための調速部材が記載されている。二つの軸受に関する圧力差を相殺し、かつそれ自身の重量によるテンプ輪の芯棒の彎曲を制限するために、磁石によって重力を相殺することができる。従来のヒゲゼンマイは振動を制御する。
特許文献13は磁場の中で浮かされている振動する振り子を備えた卓上時計に関し、前記振り子は別の実施例では腕時計のタイミングを決定する。従って振動部材は手回しの動的チェーンから完全に分離される。しかしながら、この装置には浮遊磁場を作るための、および振り子位置をサーボ制御している光電センサのための電気エネルギー源が必要である。機構は腕時計に合うようになっていない。
特許文献14は鉛直方向の重力式振り子を備えた時計に良く似ている。振り子の先端部は磁石により制御される円形の軌道に沿って振動し、このようにして腕時計の機構を駆動する。
これら前記四つの文書と比較することにより、本発明の一つの課題は、特に腕時計に合っていて、かつその機能とタイミングが重力および垂直線に対する調速部材の向きに実質的に依存しない調速部材を提案することである。
特許文献15には二つの可動磁石を備えた慣性質量を有するガルバノモータが記載されている。固定された永久磁石は、テンプをその平衡の位置に戻すことができる磁場を発生させる。従来のアンカー脱進機(anchor escapement)は振動を保持する。この解決手段は図表方式で概略的に述べられている。しかしながら相対的に大きなサイズを有する複数の磁石が必要である。これらの磁石は調速部材の周囲全体に磁場を発生させ、この磁場により装置の機能は乱れやすく、かつ近くにある部品あるいは部材は引付けられ易い。
特許文献16は従来技術の螺旋状のヒゲゼンマイを少なくとも一つの永久磁石で差し替えること提案しており、前記永久磁石は脱進機のパルスに抗してテンプの静止位置に向かってテンプを押し戻す。磁石の磁力は空間内での向きに関係なく、従って螺旋状のヒゲゼンマイが重力の作用により変形した場合には、特徴として見られる等時性の乱れを回避することができる。
特許文献16に記載された解決手段は、離れた静止位置に向かってこれらの可動磁石を押すために、テンプ上の可動磁石から相対的に遠い固定磁石を使用する。従って、十分な反発力を生じさせるために、強力でかつ大きな磁石を使う必要がある。しかしながら、これらの磁石により生じた磁束の大部分が、テンプの機能には機能せず、腕時計機構の他の構成部材の方へ逃げることが発明の範囲内のテストとシミュレーションを通じて認められた。
米国特許第4266291号明細書 英国特許第1175550号明細書 スイス国特許第615314号明細書 米国特許出願公表第2003/0137901号明細書 欧州特許第1122619号明細書 米国特許第3183426号明細書 スイス国特許第274901号明細書 米国特許第6877215号明細書 英国特許第1142676号明細書 スイス国特許第235718号明細書 米国特許第3621424号明細書 米国特許第4308605号明細書 米国特許第5638340号明細書 英国特許第615139号明細書 英国特許第644948号明細書 国際特許出願公開第2006/045824号明細書
従って、本発明の一課題は、運動停止の際に磁石の磁場により生じる乱れを緩和することである。
別の課題は、より非力でかつ要求されるスペースが小さい永久磁石を用いて機能できる調速部材を作ることである。
特に本発明の他の課題は、採寸され、もし必要であれば小型の機械式腕時計の機構内、あるいは現行の基本機構に重ね合されたその他のモジュール内に組込むこともできる磁気調速部材を提供することである。
別の課題は、その等時性が従来技術の調速部材を凌駕して改善された調速部材を提供することである。
他の課題は、従来技術の調速部材、特に公知の調速部材に比べてその周期が外部衝撃により乱されない調速部材と比較して、衝撃および加速に対して影響を受けない調速部材を提供することである。
さらに、本発明の別の課題は、磁気調速部材に基づいており、かつらせん状のヒゲゼンマイを有していない機械式計時器具を提供することでもある。
他の課題は、例えば1/10秒、1/100秒あるいは更に1/1000秒まで機械式クロノグラフを適用させるために、高周波数で振動でき、従って極めて高い精度でもっておよび/または極めて高分解能で、時間を測定するのに最適である磁気調速部材を提供することである。
ほとんどの腕時計ブランドにとって技術的に新しいものを定期的に提案することは大事である。機械式腕時計に関連して刊行される文書類の数からして、それはまさに難題である。従って本発明の一課題は、新しく、かつ従来技術の調速部材とは異なる腕時計用の調速部材を提供することでもある。
本発明によればこの課題は、請求項1の特徴を有する調速部材を備えることにより達せられ、好ましい実施例は従属請求項に示してある。
これらの課題は、特に腕時計用の調節部材を用いて達せられ、この調節部材は以下のもの、すなわち
少なくとも一つの可動な磁石を有するテンプと、
少なくとも一つの残った位置に向かって前記テンプを動かすための機械的な復帰トルクを発生させるように、テンプの前記可動な磁石と係合している少なくとも一つの固定永久磁石を備えた磁性の復帰部材と、
前記残った位置から離間するように前記テンプを動かすために、テンプに対してパルスを伝送するための脱進機と、
少なくとも一つの前記永久磁石の磁束を集めるための強磁性体材料の少なくとも一つのヨークを備えている。
好ましくは(必ずしもではないが)強磁性体材料であるヨークを使用することによって、固定永久磁石により生じる、および/または可動の永久磁石により生じる磁場を集中させること、および磁場が腕時計の他の部材を乱すのを特に避けることが可能になる。簡易なシールドと比べてヨークは有利である。その理由は、この磁場の大部分がテンプ戻りに貢献し、かつ空間内の磁力線の値と方向を制御するために、さらにヨークによりこの磁場を使用される場所に案内することができるからである。
有利な実施例において、固定磁石は、プレートあるいは架橋部に接続しており、かつテンプの可動磁石を平衡状態の位置の方へ引寄せるように極性を与えられる。従って、固定磁石と可動磁石の反対の極間の間隔は静止位置で最小であり、したがってこの静止位置に向かう引寄せトルク(attraction torque)は重要である。
この重要なトルクにより、テンプは高周波で振動させられ、従って時間計測の改善された解決手段を達することができる。極めて高い周波数が不可欠ではないのであれば、大きさの小さい永久磁石を使用してこのトルクを低減することもでき、これにより腕時計の機構を小さくすることができる。
有利な実施例において、テンプの復帰トルクCはテンプの角度位置Θに比例するか、あるいはほぼ比例して変化する。
Figure 2013509576
ここでkは一定であり、Θは静止位置に対するテンプの変位角を示す。この関係はその正常振動時のテンプにより移動される少なくとも角度セグメントの部分について、好ましくはこの角度セグメントの大部分について当てはまるのが好ましい。この直線的関係のおかげで、調速部材はほぼ等時性の様式で機能する。すなわち振動の周期はその振幅とは無関係である。
トルクと角度位置の間のこの直線的関係は、以下の手段の一つあるいは幾つかにより達せられ、組み合わせてもよい。
・固定永久磁石の形状の特別な選定。例えば、その振動時にテンプにより移動される空間で発生される磁場を正確に制御するために、独特の形状(すなわち非平行六面体状、非環状および非円筒状)の固定永久磁石を使用することが可能である。(テンプの軸を備える平面における)固定永久磁石の半径方向の断面は、少なくとも固定永久磁石の実質的部分に関して、角度Θでもって連続した様式で変化する。さらに電力供給の強度は固定磁石の体積の内部で連続的に変化してもよい。
・同様に、可動磁石(永久あるいは非永久磁石)の形状もこの非直線的関係を保証するように選定することができる。例えば、これら可動磁石と固定磁石の間の間隔に依存した磁気復帰トルク正確に制御するために、非平行六面体状、非環状および非円筒状の形状の永久あるいは非永久磁石、例えば半月形状の磁石を使用することが可能である。ここでも、永久磁化の強度は可動磁石の体積の面で連続的に変化する。
・さらにヨークはテンプの磁場の発生に関係する。ヨークの形状と共にヨークとテンプの間の空隙も、復帰トルクと角度変位の間の直線的関係を保証するように選定せれるのが有利である。
一実施例において、テンプの振動の大きさは、従来技術における代表的な調速部材のテンプの振動の通常の大きさに比べると小さい。例えば振動の振幅は180°未満であり、好ましくは60°未満であり、好ましくは30°未満であり、あるいは更に好ましくは20°未満である。この低減されたテンプの振幅は幾つかの長所を有する。一方において、テンプの機械的復帰トルクとテンプの角度位置Θの間の関係の線形性が改善できる。大きい角度セグメントよりも小さい角度セグメントに関して線形関係を保証することが容易である。従って等時性が改善される。他方において、この制限された振幅により、高周波振動子の製造が容易になり、従って調速部材の分解能を改善することができる。
一実施例において、温度に依存する磁石により発生される磁場の変化を補償するために、ヨークはヨークを計算されかつ最適な方法で変形させることができる。例えばヨークを通る磁路は、その幅が温度に依存して変化する一つあるいは幾つかの空隙を備えることができ、その際、磁場を温度変化に対して影響を受けづらくするために、温度変化は例えば有限要素解析を用いて計算されるかあるいは最適化されている。
図で示した様々な実施例の説明を読むことにより、本発明はよりよく理解することができる。
第一の実施例による調速部材の平面図である。 第二の実施例による調速部材の斜視面である。 第三の実施例による調速部材の斜視面である。 第三の実施例による調速部材の横断面図である。 複数層かつ複数材料の横断面図である。
図1は本発明の第一の実施例による調速部材の平面図を示す。調速部材は主としてテンプ1を備えた振動子を備えており、この振動子の部品は磁石の平面においてだけ表した
。全部揃った完全な形のテンプは、図示されていない輪縁を備えており、この輪縁は同じ軸11に取付けられているが他の平面にある。
さらに振動子は固定永久磁石2に加えて、脱進機も備えており、脱進機輪6とアンカー5だけが示してある。脱進機5,6はこの実施例ではほぼ従来的であり、公知のアンカー脱進機により構成されていてもよい。しかしながら、例えば複数の磁気脱進機を備えた他のタイプの脱進機は、この変形に加えて、本発明に記載された他の実施例で使用されてもよい。
振動子のテンプ1は図示していない軸受、例えばインカブロック軸受あるいは磁気軸受
を用いて架橋部とメインプレートに接続された軸11の周囲を回る。図示した実施例において、テンプ1の周辺にある環状部分10は、テンプの全周にわたり永久的にかつ連続的に磁化されている。この環状部分10は二つの対向した極を有する双極子を構成しており、この二つの極はこの実施例では180°だけ間隔をおいて配置され、かつ記号+と−で表してある。
図1の変形において、テンプ1の永久磁石10は永久的に磁化されたリングにより構成されている。従ってこの配設は静止位置に対して相対的なバランスの角変位Θでもって直線的にかつ連続的に変化する復元トルクを達するのは容易なので有利である。しかしながら、さらに幾つかの別個の接着されているかあるいは一体化された磁石を備えたテンプ1を設けるかあるいはテンプの周りの角度位置に依存して変化する磁化領域あるいは磁化強度を使用することも可能である。別の変形において、リング10は連続しておらず、例えば一つあるいは幾つかの空隙を備えているか、あるいは磁化されている。磁気空隙/不連続性(magnetization gaps/discontinuity)を伴って磁化されている。テンプ1の周辺部10の磁化は、例えば録音ヘッドを用いて周辺部を磁化することにより達せられる。
この実施例の調速部材はテンプ各側で180°で配置された二つの固定永久磁石2を備えている。各磁石の両極の一方は調速部材の内側の方に向いており、反対の極は外側を向いている。さらに二つの固定永久磁石2の極性は記号+と−で示したように互いに逆である。符号7はステータの固定永久磁石2とロータの可動な磁石10の間のエアギャップ(空隙あるいは隙間)に相当する。
図において、テンプ1は静止位置で示してあり、テンプ1の二つの極は各々反対の極性の固定磁石2の中央に互いに向い合せで配置されている。テンプ1がこの静止位置から離間するように運動すると、例えば脱進機あるいはショックの効果の下で、二つの固定永久磁石2の一方はテンプを再度引き寄せる一方で、他の反対側の磁石はこの静止位置の方に向かってテンプを押し出す。
この実施例の固定永久磁石10は中央部分21と中央部分21の各側で周辺部分20を有する形状を備えているのが有利である。頁に対して半径方向で垂直な平面における二つの周辺部分20の横断面は、中央部分21からさらに離間するように移動すると徐々に大きくなる。その結果として磁場が生じ、従って機械的復帰トルクが生じ、この磁場と復帰トルクは、テンプ1がその静止位置から離れていくと、区間20全体に沿って直線的に大きくなる。
しかしながら、固定永久磁石2の中央位置21は、突起部を形成し、従ってかなりの半径方向横断面を有する。これらの突起部21は幾つかの重要な効果を備えている。
−一方では、これらの突起部により磁場線の方向を制御でき、かつこれらの磁場線がロータの対称軸線に沿ってできる限り直線的であることが保証できるが、磁場がこの位置21において弱すぎると、いつも決まって両極端に現れる変形を避けている。
−他方では、これらの突起部により、局所的な磁気吸引力領域が所望の静止領域に対して極めて近くに生じ、従ってテンプが(例えば磁石2とヨーク3の間の結合部での切れ目(the discontinuities)に向いた)一つあるいは幾つかの他の可能な平衡領域で停止するのを避けることができる。
これらの突起部が角度変位と機械的復帰トルクの間の関係における不連続性を導入するという短所を有しているのは確かに認めざるを得ない。テンプ1の磁極がこれらの突起部21に対してすぐ近くに設けられていて、かつテンプが静止位置に対して近くに移動すると、トルクは減少するどころか増大する。しかしながら、この乱れは局所的であり、まだ
等時性に関する逆効果をほとんど有していない。その理由は、テンプ1が脱進機からパルスを受ける時にだけ乱れが生じることにある。このパルスは突起部21により引起されるよりもかなり大きな乱れを伝え、等時性に関する突起部の効果は無視できる。
突起部と違う他の手段は、複数の静止位置に近い磁場を極めて局所的に強化するために
考え出すことができる。例えば、磁石2をさらに磁化したり、磁石の厚さを増やすことも可能である。
軟質の磁性材料のヨーク3は二つの固定磁石2を互いに保持しかつ結合する。さらにこのヨークにより、磁束は磁石の間を案内され、かつ腕時計の他の構成部材に逃げる磁束の部分を抑えることができる。他方においてはさらにこのヨーク3により再度生じた(re-issued)磁場は、テンプの復帰トルクを発生させるのに加担し、かつ空間内におけるこの磁場の方向と振幅を制御するために使用されている。ヨーク3とテンプ1の間の空隙7の概略非円形で楕円の形態の形状が認められる。計算と数値シミュレーションにより決定されたこの形状は、変位角とトルクの間の直線性を保証し、かつテンプ1が静止位置から離間するように移動し、かつ二つの永久磁石20により規定される約60°の角度セグメントを通り越す場合に、復帰力が十分大きいことを特に保証するために最適化されている。“概略楕円の形態の”とは、ここでは楕円形が突起部21により長手方向の両先端部において半径していることを意味する。すなわち、厳密には楕円ではない卵型形状が意図される。
テンプ1の振動の最大振幅を制限するために、機械式あるいは磁気式のストッパを設けてもよい。磁気ストッパ、例えばヨーク3により一体化された高磁化の領域により、テンプのアイソクロナス機能を乱しやすいショックを生じさせる機械式ストッパの短所を有することなく、その静止位置へ戻すテンプを押すことができる。
図2は本発明による磁気調速部材の他の変形を示す。テンプ1は図1の実施例と同じ方法で作ってあり、かつ磁化された周囲の環状部分10を備えている。しかしながら、固定永久磁石2は単純な形状を有しており、かつテンプの周囲で一つの磁化された環状リングを備えている。ここでは二つの部品から成るヨーク3はこの環状リング2を囲んでおり、従って磁場外に出るのを防いでいる磁気シールドを構成する。
この配設において、復帰トルクはテンプの角変位Θにただまさにおおよそ比例しているにすぎない。それでもやはり、等時性を保証するために、テンプ1はここでは非直線性が実質的に無視できるように、十分減った角度セグメント上での小さい振幅の振動を行うようにされている。
この効果に関して、調速部材はテンプの軸11上にホイール30を備えた(周波数)逓降器と、脱進機5のフォーク状部により駆動されるピニオン21とを備えている。この逓降のおかげで、脱進機5,6により与えられたパルスによりテンプは制限された振幅でもって回転するので、復帰トルクはこの制限された領域内ではほぼ直線状である。
類似の逓降器が図1のものに似た調速部材、あるいは例えば図3のものに似た調節部材と一緒に使用されていてもよい。さらに実施例では作業下流側ではなく脱進機ホイール6の作業上流側で逓降器を導入することが可能である。この変形により、調速部材内の摩擦は減るが、完全な再デザインをしない現行の腕時計の機構には一体化できないという短所を備えている。
しかしながら逓降器20,21は摩擦を介して付加的な損失を導入するという短所を備えている。
図3および4は、永久磁石2がテンプ1の上方および下方で二つの平面に置かれている。この実施例において、上側の永久磁石2の負極がテンプの方を向いているが、下側の永久磁石の正極がテンプの方を向いている。ヨーク3は二つの永久磁石を接続し、かつ保持しており、従って二つの永久磁石とテンプの間の空隙7内の磁場を補強する。
テンプ1は単独の磁石10を備えており、ここでは強磁性材料で構成された非永久磁石を備えている。この磁石はテンプの周囲をその軸11に接続しているスポークの一つを形成する。このスポークの外側端部は半月の形状に広がっている。従ってこの磁石の磁化は二つの固定永久磁石2により生じた磁場により決定される。磁化された領域10の半月状の形状により、(図示されていない)静止位置に対する変位角と共に線形に変化する復帰トルクが保証される。
その他の異なる実施例は、本発明の範囲内で想到することができる。例えば、一つあるいは幾つかの磁石を備えたテンプ1と、これらの磁石の間で磁場に向けるための強磁性材料(あるいはそうでない材料)の可動なヨークを備えることが可能である。固定ヨークあるいは可動なヨークは、強磁性材料の飽和状態の危険を避けるために空隙を備えていてもよい。さらにその中で循環する誘導電流を制御するために、強磁性材料でできた強磁性のシートあるいは粒子の形成されたヨークを使用することも可能である。しかしながら好ましい実施例では、鉄とニッケルの半々の合金からできかつ低磁気ヒシテリシスを備えたヨークが使用される。
さらに角度変位に依存する磁場と磁気トルクの変形も厚さを変えることにより制御することができ、半径方向平面の横断面および/または固定されているかあるいは可動の磁石の磁化は角度位置に依存している。
上記の変形の全てにおいて、等時性の精度の大部分は永久磁石の形状に依存する。しかしながら、ネオジウムタイプの最新の磁石あるいは他の最新の永久磁石を用いた初期の製造テストからは逆に結論が出ないことがわかった。その理由は必要とされる寸法精度、これらの通常の材料を構成する焼結材料に関して、機械加工を行うのが難しいか、あるいは機械加工にコストがかさむからである。
本発明の独立した特徴によれば、調速部材は材料に、ネオジウムあるいは他の一般的に使用される近頃の材料に比べて確かに強力ではない永久磁石を組込んでいるが、これらの材料は非焼成であり(un-sintered)かつ結晶形態が使用できるという長所を有する。従ってこれらの材料はより容易に機械加工ができ、その結果必要とされる高い精度が得られる。一つの有利な実施例において、磁石は焼成されないコバルトプラチナをベースにしており、この焼成されないコバルトプラチナはその残留磁気が温度変化によりほとんど影響を受けない材料に属している。さらにこの材料は酸化しづらいという長所を有しており、従って保護すべきニッケルプレートにされる必要はない。人を納得させるテストは、75〜78%(例えば76.85%)のプラチナと24%未満のコバルトで構成された磁石を使って実現した。
磁石を磁化させ易くするために、熱処理は機械加工後に磁石に加えられるのが好ましい。
これらの材料で作られる永久磁石は好ましくは腕時計の機構内で機械式に簡単に保持されるような精度でもって機械加工できる。従って、磁力線の方向を妨害する接着剤の使用を避けることが可能である。
その他の非焼成である磁性材料が、微粒子ベースの磁石、プラスチック磁石、あるいは他の延性の磁気合金(Fe−Cr−Co合金、Fe−Co−W合金、Cu−Ni−Fe合金、Cu−Ni−Co合金、Fe−Co−V−Cr合金等)を含む永久磁石のために使用できる。しかしながら、これらの他の材料の弱い保磁場により、これらの材料の使用は腕時計製造の目的に対しては不適切になる。必要な磁場を発生させるためには相当な量を使う必要がある。さらに発生される磁場は温度変化にもかなり依存する。
腕時計の機能の少なくとも一部は、異なる永久磁石により製造される磁場とテンプに作用する磁気吸引力により決定される。しかしながら、この磁場と吸引力は各個別の磁石によって変化し、大量生産時の完全な再現精度を保証するのは難しい。このばらつきを補うために、調速部材は少なくとも一つの単一の磁石の位置を調節するための手段を備えるのが好ましく、それにより腕時計の機能を調節するために組立時に調節することができる。有利な実施例において、この磁石により作用する磁場の影響をテンプの磁化された部分に及ぼすために、これらの手段は例えば少なくとも一つの微動ネジ、もしくは少なくとも一つの相応する固定テンプの永久磁石をより近くにあるいはさらに離れるように動かすことができる別のネジが切ってある部材により構成されている。さらに二つの永久磁石の間の角度間隔を調整することも可能である。
例えばヨーク内の空隙の大きさに遊びを付けるか、あるいはテンプ上に補償おもりを加えるかまたはテンプ上で補償おもりを動かすことにより、他の調節手段を設けることができる。
さらに例えば温度の影響下で変形する、標準的な二つの金属から成るテンプを使用することにより温度補償手段を実現することもできる。一変形においては、温度が変化する際に磁石の効率の変化を補償するために、高い熱膨張係数を有する構成部品あるいは二つの金属から成る構成部品が、温度に依存する固定もしくは可動の永久磁石を移動させるために使用される。
一実施例において、温度変化に依存した磁石により発生される磁場の変化をずらすために、ヨークを計算されかつ最適な方法で変形させることができる。例えばヨークを通る磁路は、その幅が温度に依存して変化する一つあるいは幾つかの空隙を備えることができ、その際、磁場を温度変化に対して影響を受けづらくするために、温度変化は例えば有限要素解析を用いて計算されるかあるいは最適化されている。
図5は有効な温度範囲内で温度にはほとんど依存しない磁場を発生する多層磁石の横断面を示す。この実施例において、磁石は同じ方向に極性を与えられ、かつ両方共に温度に対してほとんど変化しない層25ともう一つの層27を備えている。中間にある層26は反対の方向に極性を与えられ、かつ前記二つの層25および27により発生した磁場の総和よりも小さい磁場を発生する別の材料で作られている。しかしながら、層25の残留磁気は、温度にかなり依存して変化する。層25および27に起因する積重ねは、層25と27と同じ方向に極性を与えられた磁石に相当しており、結果として得られる磁場の振幅は層26により低減される。層25と27の材料と厚さを慎重に選定することにより、層25および27内のその残留磁気の変化が、反対方向に極性を与えられた層26内の変化により殆ど全面的に相殺される磁石を製造することが可能である。
温度に影響されにくい磁石を作るために使用される層および/または材料の数は、図4の図解により示された実施例とは異なっていてもよい。一実施例において、磁石はその残留磁気変化が互いに、しかし層内の材料を整列せずに相殺する幾つかの材料で形成されている。多層あるいは複数材料磁石は、固定永久磁石にも、可動の永久磁石にもどちらにも使用できる。
一実施例において、磁気テンプの回転により生じる磁場を回転させることにより誘導される複数の電流は、腕時計の機能を調節するために使用される。これらの電流は例えば腕時計の機構に接続されたコイルにより測定されてもよく、前記電流の相は(それ自体その電流により電力を供給できる)電子回路により使用することができ、腕時計の機能を決定し、かつその機能をできる限り修正する。
架橋部、プレート、歯車列および調速部材に近い他の可動な部材は、ヨークを除く部材から逃げる寄生磁束により生じる乱れ制限するためにa−磁性材料(a-magnetic material)からできているのが好ましい。磁気シールドは少なくとも幾つかの方向で影響を受けやすい部材から調速部材を磁気的に分離するために設けることができる。さらに、電流が誘導されうる近くの部材の(言い換えればプレートでの)接地は、これらの部材を保護するために行われるのが有利である。
説明した調速部材はかなりの復帰トルクを、従って高い紙移動周波数を活性させるのに特に能率的であることがわかる。適した使用先は例えばクロノグラフの部材のための調速部材に関する。振動周波数が高いことにより、分解能がかなり改善でき、かつ1/10秒、1/100秒あるいは更に1/1000秒の分解能で時間の長さを機械式に計測することができる。例えば本発明の範囲内においては、一時間当たり72000回を超える振動、例えば360000回、720000回あるいはそれ以上の振動を有する調速部材を作ることが可能である。このような周波数での脱進機と歯車により浪費されるエネルギーが多大であっても、制限された期間中に使用されるように設計されたクロノメータで使用することはマイナス要因ではない。さらに付加されたゼンマイケース、例えば時間を表示するために使用される主ゼンマイケースとは独立したゼンマイケースを備えたこの高周波数調速部材を駆動することが可能である。
しかしながら、高周波数には強力なあるいは極めて厚い磁石が必要であり、このことは
小型化のための要望に反している。
このような調速部材は例えば時間を表示するための腕時計の機構に使用される主調速部材に追加することができる。この場合の腕時計は、クロノメータの時間を測定するために専用化された、極めて高分解能でかつ極めて高精度の調速部材を備えている。
さらに、この磁気調速部材は主調速部材と同じ機構内に、あるいはベースモジュールの上方に載せられた補助のモジュール、例えば追加のクロノグラフモジュール内に取付けることができる。
さらに、請求された解決手段は螺旋状のヒゲゼンマイ無しで済ませるという長所を有している。さらに上記で述べた長所(供給、重力による乱れ等)に加えて、この部材を無しで済ませることにより、背景構成部品に対してバリアを構成しているヒゲゼンマイを使用せずに、テンプのスポーク間で調速部材を見通すことが可能になる。従って本発明の調速部材は、迅速に振動するテンプとこのテンプの裏側にある部品がはっきりと見えるように、ダイアルの開口部の裏側、あるいは腕時計の底部内に配置されるのが有利である。
本発明の調速部材は、少なくともテンプの部分が見える腕時計の機構あるいは腕時計ケースの中に実装されるのが好ましく、それによりユーザーはいつでもテンプの運動を制御することが可能になる。

Claims (22)

  1. 腕時計の機構のための調速部材であって、
    少なくとも一つの可動磁石(10)を有するテンプ(1)と、
    少なくとも一つの残った位置に向かって前記テンプを動かすための機械的な復帰トルクを発生させるように、テンプの前記可動磁石(10)と係合している少なくとも一つの固定永久磁石(2)を備えた磁性の復帰部材と、
    前記残った位置から離間するように前記テンプ(1)を動かすために、テンプに対してパルスを伝送するための脱進機(5,6)を備えた調速部材において、
    少なくとも一つの前記永久磁石の磁束を集めるための強磁性体材料の少なくとも一つのヨーク(3)があることを特徴とする調速部材。
  2. 前記機械的な復帰トルクが静止位置に対するテンプ(1)の角度変位に依存してほぼ連続的かつ直線的に変化することを特徴とする請求項1記載の調速部材。
  3. 機械的な復帰トルクと静止位置に対するテンプ(1)の角度変位の間の比例関係を保証するために、磁石(2,10)の内の少なくとも一つが、非平行六面体状、非環状および非円筒状の形状を有している
    ことを特徴とする請求項2に記載の調速部材。
  4. 少なくとも一つの固定永久磁石(2)の形状が、機械的復帰トルクと静止位置に対するテンプ(1)の角度変位との間の比例関係を改善するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の調速部材。
  5. 少なくとも一つの可動磁石(10)が、機械的復帰トルクと静止位置に対するテンプ(1)の角度変位との間の比例関係を保証するようになっていることを特徴とする請求項3または4に記載の調速部材。
  6. 少なくとも一つの前記永久磁石(2)とヨーク(3)により発生した磁場が、調速部材の周囲に沿って連続的に変化することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の調速部材。
  7. 磁場がテンプを静止位置に戻すことに寄与していること、
    空隙(7)を備えた調速部材がヨーク(3)をテンプ(1)から分離していること、
    空隙の形状が、機械的復帰トルクと静止位置に対するテンプ(1)の角度変位の間の比例関係を保証するように決定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の調速部材。
  8. ほぼ長円形状の空隙(7)を備えていることを特徴とする請求項7に記載の調速部材。
  9. 前記空隙の幅が静止位置に近い磁場を局所的に強化するために突起部(21)により局所的に低減されることを特徴とする請求項7または8に記載の調速部材。
  10. 前記ヨークが空隙を備えており、この空隙の大きさが、磁石により発生する磁場内の変化の少なくとも一部を補償するように、温度に従って変化することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の調速部材。
  11. テンプの平衡角度が60°未満であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の調速部材。
  12. 前記脱進機がアンカー脱進機(5,6)であり、調速部材が前記アンカー(5)とテンプ(1)の間に逓降器を備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の調速部材。
  13. 静止位置(21)の両側の二つの磁石の各々の少なくとも一方の部分(20)上で、その横断面が静止位置に対して角度間隔と共に増加する固定永久磁石(2)と、
    二つの永久磁石に接続したヨーク(3)と、
    永久的に磁化された周囲の環状領域(10)を備えたテンプ(1)を備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の調速部材。
  14. テンプの周囲にあるリング状の一つあるいは幾つかの永久磁石(2)と、
    前記永久磁石(2)を取り囲んでいるヨーク(3)と、
    永久的に磁化された周囲の環状領域(10)を備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の調速部材。
  15. 永久的に磁化された部分を備えたテンプ(1)と、
    テンプの上方の平面にある第一の永久磁石(2)と、
    テンプの下方の平面にある第二の永久磁石(2)と、
    前記永久磁石(2)の間に磁路を生じさせるヨーク(3)を備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の調速部材。
  16. テンプ(1)の前記磁化した部分の横断面が、静止位置に対する角度間隔に対して連続した様式で変化することを特徴とする請求項15に記載の調速部材。
  17. 前記永久磁石が焼結されない結晶性材料からできていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の調速部材。
  18. 前記永久磁石がプラチナとコバルトをベースにした合金からできていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の調速部材。
  19. 温度に依存している残留磁気の変化が互いに相殺し合うように、前記永久磁石が配列される幾つかの材料(25,26,27)を備えていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の調速部材。
  20. 固定永久磁石の近くに移動させるかあるいは固定永久磁石からさらに離すために、従って腕時計の機能を調節するために、少なくとも一つの固定永久磁石(2)の位置を調節するための手段を備えていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一つに記載の調速部材。
  21. 機械式腕時計の機構が、その機能が請求項1〜20のいずれか一つに記載の調速部材により決定されるクロノグラフを備えていることを特徴とする機械式腕時計の機構。
  22. 腕時計の機能を決定するための第一の調速部材と、
    前記クロノグラフの運転を決定するための前記磁気調速部材を備え、
    腕時計の機能を決定するために使用される磁気調速部材の周波数が、第一の調速部材の周波数よりも高いことを特徴とする請求項21に記載の調速部材。
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