JP2015150536A - ダイ塗工装置及びダイ塗工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
アノード:H2 → 2H+ + 2e− ・・・(1)
カソード:1/2O2 + 2H+ + 2e− → H2O ・・・(2)
具体的には、ダイヘッドを使用してダイ塗工を実施する際、塗工中及び/又は塗工停止中に、ダイヘッド内のインクを抽出する経路に設置された抽出バルブを開放し、抽出されたインクをダイヘッドに戻す経路に設置された抽入バルブを開放し、抽出バルブと抽入バルブとの間の経路に設置された送液ポンプを、抽出バルブ及び抽入バルブが開放された状態で稼動することで、循環経路を形成してダイヘッド内のインクを循環させ、インクにせん断応力を加える。更に、循環経路に設置された経路切替バルブを閉鎖し、送液ポンプを稼動することで、循環経路を閉鎖してインクをバイパス経路に供給し、バイパス経路に設置されたフィルターを使用してフィルタリングを実施し、インク内の異物を除去する。
図1は、通常のダイ塗工装置において塗工を実施している状態を示したものである。
触媒インク1は、塗液タンク2内に充填されている。塗液タンク2は、加圧タンク3に収納されている。塗液タンク2と加圧タンク3は同一でも構わないが、ここでは加圧タンク3の中に塗液タンク2を収納する事例を示した。触媒インク1の供給方法は、ポンプを使っても良いし、加圧により送液しても構わない。ここでは、加圧による供給方法を示している。加圧タンク3に対して加圧経路4から圧縮空気が供給される。圧縮空気の空気圧は圧力計5によって調整される。加圧タンク3が加圧経路4から供給された圧縮空気により加圧されると、塗液タンク2内の触媒インク1は塗液供給経路6を通ってダイヘッド7に供給される。塗液供給経路6とダイヘッド7との間には塗工バルブ8が設置されており、触媒インク1の供給量を調整する。図1の例では、バルブ8は開放されており、触媒インク1はダイヘッド7に供給されている。
バルブ8の閉鎖中に、抽出バルブ9、抽入バルブ10、及び経路切替バルブ14を開放し、送液ポンプ16を稼動することで、循環経路11を形成し、ダイヘッド7内の触媒インク1を循環させる。このように、塗工停止中であっても、定期的に触媒インク1を循環させ、触媒インク1にせん断応力を加えることによって、塗工停止中の触媒インク1の凝集を回避することができる。なお、図2の例では、塗工バルブ8は閉鎖されているため、触媒インク1はダイヘッド7に供給されず、ダイヘッド7のノズル先端から触媒インク1は吐出されない。しかし、送液ポンプ16を使うことで生じるダイヘッド7内の触媒インク1の圧力変動によって、ダイヘッド7のノズル先端から触媒インク1が微量に吐出することがある。これを回避するため、送液ポンプ16には圧電式を採用する。圧電式を採用することで送液ポンプ16の周波数を上げ、圧力変動を少なく、且つ大量のインクを循環させることができる。但し、実際には、塗工バルブ8と抽入バルブ10とを共通化しても良い。すなわち、抽入バルブ10は、塗工バルブ8でも良い。
バイパス遮断バルブ15を開放して経路切替バルブ14を閉鎖することで、送液ポンプ16はバイパス経路13に触媒インク1を供給する。これにより、バイパス経路13に設置されたフィルター12は、フィルタリングを実施して、触媒インク1内の異物を除去することができる。また、任意のタイミングでバイパス遮断バルブ15を開放して経路切替バルブ14を閉鎖することによって、任意のタイミングで循環中の触媒インク1をフィルタリングすることができるため、塗工待機時のみフィルタリングする等、タイミングを選択できる。この場合、塗工待機中は定期的にフィルタリングするようにすると好ましい。なお、循環経路11にフィルター12を設置すると、常に多量の触媒インク1をフィルタリングすることになるため、フィルター12の寿命が短くなる。本実施形態の方式を採用することで、フィルタリングの総量を減らし、フィルター12へのダメージを低減することができる。
バルブ8の開放中に、経路切替バルブ14を開放してバイパス遮断バルブ15を閉鎖することで、送液ポンプ16は触媒インク1を循環させる。このように、塗工中において、定期的に触媒インク1を循環させ、せん断応力を加えた状態で塗工することによって、塗工中の触媒インク1の凝集を回避することができる。また、膜厚を均一に保つために必要なせん断応力を加えた状態で、触媒層を形成することができる。また、触媒インク1の循環を実施することでせん断を加え、触媒インク1の凝集を回避することができるが、循環を止めることによって経時的に触媒インク1は再凝集する。塗工によって形成された触媒層中の凝集体を低減するためには、塗工中に触媒インク1の循環を実施することが望ましい。しかし、送液ポンプ16として圧電式のポンプを使用しても、これに起因した脈動を完全に取り除くことはできないため、薄膜の触媒層を形成したりする場合には、ムラ欠陥を生じる場合がある。したがって、塗工中に触媒インク1の循環を実施できるのは、厚膜塗工等、ムラ欠陥の発生しない場合に限定される。
上記の本実施形態に係るダイ塗工装置を使ってダイ塗工を実施した。本実施例では、ダイ塗工装置の配管系統は、基本的に、図1〜4に示す配管系統と同一である。但し、循環経路11にフィルター12は設置せず、代わりに送液経路6の塗工バルブ8の手前(前段)にフィルター12を設置した。すなわち、本実施例では、触媒インク1の循環時ではなく供給時にフィルタリングを実施する。ダイヘッド7は塗工幅300mmのものを使用した。送液経路6の吐出口はダイヘッド7の中央(センター)付近に設置した。すなわち、触媒インク1はダイヘッド7の中央付近に供給される。触媒インク1は、白金の担持されたカーボン触媒を使い、固形分濃度10%にて調液した。溶媒には水とアルコール(2−プロパノール)を使用した。また、触媒インク1の循環経路11の流入口及び吐出口はダイヘッド7の左右に設置した。ダイヘッド7の左右とは、ダイヘッド7の中央よりも左寄り、右寄りの位置のことである。すなわち、ダイヘッド7の面上において、触媒インク1の循環経路11の流入口及び吐出口は、中央付近の送液経路6の吐出口を挟んで設置されている。触媒インク1の循環用の送液ポンプ16には、圧電式で、最大400cc/minまで送液可能のものを選定した。ダイヘッド7内の触媒インク1の循環は塗工中、塗工停止中ともに常時実施し、循環量は最大の400cc/minにて実施した。また、フィルターにはディスク型のものを使い、150μmの異物をトラップできるものを選定した。塗工膜厚は乾燥後15μm狙いで作製し、塗工エリアは300×300mmとした。塗工フィルムは厚み50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを使い、乾燥は100℃にて20min実施した。以上に述べた装置、条件にて触媒インク1の塗工を実施した結果、以下に述べる効果が得られた。
以上に述べた通り、本願におけるダイ塗工装置及びダイ塗工方法を採用することによって、触媒層の膜厚均一性が向上し、凝集体の発生を回避することができた。したがって、本願の実用化による効果は大きいと結論付けた。
本実施形態は、以下のような効果を奏する。
(1)本実施形態に係るダイ塗工装置は、ダイ塗工を実施するためのダイヘッドと、ダイヘッド内のインクを循環させ、インクにせん断応力を加える循環機構と、を備える。触媒インクにせん断応力を加えることによって、膜厚均一性が高く、凝集体の無い/極めて少ない触媒層を形成することができる。
Claims (6)
- ダイ塗工を実施するためのダイヘッドと、
前記ダイヘッド内のインクを循環させ、インクにせん断応力を加える循環機構と、を備えることを特徴とするダイ塗工装置。 - 前記循環機構は、前記ダイヘッド内のインクの循環を、塗工中に実施して、インクの凝集を回避することを特徴とする請求項1に記載のダイ塗工装置。
- 前記循環機構は、前記ダイヘッド内のインクの循環を、塗工停止中に実施して、塗工に影響を与えることなく、インクにせん断応力を加えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイ塗工装置。
- 前記循環機構は、
前記ダイヘッド内のインクを循環させるための循環経路と、
前記循環経路に設置された圧電式の送液ポンプと、
を備え、
前記送液ポンプは、圧電素子の高周波でインクを給送液し、圧力変動を低減してインクを循環させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のダイ塗工装置。 - 前記循環機構は、
前記循環経路から分岐して前記循環経路に合流するバイパス経路と、
前記循環経路を閉鎖してインクを前記バイパス経路に供給するための経路切替バルブと、
前記バイパス経路を閉鎖して前記バイパス経路内のインクの流れを止めるためのバイパス遮断バルブと、
前記バイパス経路に設置されたフィルターと、
を更に備え、
前記送液ポンプは、前記バイパス遮断バルブが開放され、前記経路切替バルブが閉鎖されたとき、前記バイパス経路にインクを供給し、
前記フィルターは、フィルタリングを実施し、インク内の異物を除去することを特徴とする請求項4に記載のダイ塗工装置。 - ダイヘッドを使用してダイ塗工を実施する工程と、
前記ダイヘッド内のインクを循環させ、インクにせん断応力を加える工程と、を備えることを特徴とするダイ塗工方法。
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JP2018017758A (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-01 | レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド | マルチモニタ表示制御機能付き電子機器及びマルチモニタ表示制御方法 |
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