JP2015149378A - ヘテロ接合バイポーラトランジスタ - Google Patents

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典秀 柏尾
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賢二 栗島
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実 井田
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Abstract

【課題】InP系材料を用いたDHBTの耐圧を低下させることなく、より高速化できるようにする。【解決手段】第1コレクタ層103は、n型の不純物が導入されたn−InPなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。また、第2コレクタ層104は、n型の不純物が導入されたn−InPなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。ここで、第1コレクタ層103は、第2コレクタ層104より高い不純物濃度とされ、第1コレクタ層103の不純物濃度は、破壊電界未満のバイアス電圧で空乏化する範囲とされていることが重要である。【選択図】 図1

Description

本発明は、InP系の化合物半導体を用いて構成したnpn形のヘテロ接合バイポーラトランジスタに関するものである。
InP系のIII−V族化合物半導体を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタ(Heterojunction bipolar transistor:HBT)は、比較的高い耐圧特性を維持しながら、優れた高周波特性が実現できるデバイスである。特に、コレクタ層にバンドギャップの高いInPを用い、コレクタ/ベースおよびベース/エミッタをヘテロ接合とするダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタ(Double heterojunction bipolar transistor:DHBT)は、高周波動作を劣化させることなく、高耐圧動作が可能となる。このような特性を備えるInP系材料を用いたDHBT(InP−DHBT)は、例えば、光通信向けの光変調器用ドライバーICなどに応用されている。
上述したInP−DHBTについて、図7を用いて簡単に説明する。このInP−DHBTは、基板401,サブコレクタ層402,コレクタ層403,組成傾斜コレクタ層404,ベース層405,エミッタ層406,エミッタコンタクト層407を備える。基板401は、例えば、半絶縁性InPから構成し、サブコレクタ層402は、InPから構成し、コレクタ層403は、InPから構成し、ベース層405は、InGaAsから構成し、エミッタ層406は、InPから構成し、エミッタコンタクト層407は、InGaAsから構成している。
また、ベース層405を構成するInGaAsと、コレクタ層403を構成するInPとは、バンド端エネルギーが異なるため、これらを直接接続した構成では、電子が円滑にベースからコレクタへと注入されない。このため、これらの間に組成傾斜コレクタ層404を設け、両者のバンド端エネルギー不連続を緩和している。組成傾斜コレクタ層404としては、アンドープのInGaAs、InGaAs/InGaAsP、InGaAs/InAlAs/InPやInGaAs/InAlAs超格子などから構成する。なお、エミッタコンタクト層407に接続するエミッタ電極411、ベース層405に接続するベース電極412、サブコレクタ層402に接続するコレクタ電極413を備える。
上述したInP−DHBTにおいて、アンドープInGaAsから構成した層厚70nmの組成傾斜コレクタ層404と、2×1016cm-3程度の均一不純物濃度としたInPからなる層厚400nmのコレクタ層403とで構成した場合、電流利得遮断周波数ftは、71GHz,耐圧BVCEOは13V以上が実現されている(非特許文献1参照)。
また、同様の構成で、組成傾斜コレクタ層をInGaAs/InGaAsPから構成して層厚70nmとし、コレクタ層をInPから構成して層厚230nmとしたInP−DHBTでは、ft=160GHz,BVCEO=〜8Vが実現されている(非特許文献2参照)。このように、上述したInP−DHBTでは、高速動作および高耐圧動作に優れた特性が報告されている。
W. E. Stanchina et al. , "PERFORMANCE OF AlInAs/GaInAs/InP MICROWAVE DHBTs", IPRM1993, pp.17-20, 1993. 栗島賢二 他、「高性能 InP/InGaAs DHBT デバイス技術」、電子情報通信学会技術研究報告、ICD、 集積回路、101(555),55−60頁,2002年。ED2001-193, pp.55-60、
非特許文献1にも示されているように、これまで、InP−DHBTでは10V以上の高耐圧特性を得るために、コレクタ層厚を400nm以上に設定するとともに、コレクタ層をすべて空乏化させるために不純物濃度を比較的低くし、均一な1〜2×1016cm-3程度にする手法がとられていた。しかしながら、このようなコレクタ層構造では、高い耐圧動作は期待できるものの、低いバイアス条件でも空乏層幅が広がるため、カーク効果が大きくなり、注入できるコレクタ電流密度は1mA/μm2程度に制限される。このため、ftは100GHz程度となる。InP−DHBTを更に高速化させる手法としては、従来のコレクタ構造では、コレクタ層の薄層化しかなく、InP−DHBTの高速化と高耐圧化の間にトレードオフが生じていた。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、InP系材料を用いたDHBTの耐圧を低下させることなく、より高速化できるようにすることを目的とする。
本発明に係るヘテロ接合バイポーラトランジスタは、基板の上に形成されたn型のIII−V族化合物半導体からなる第1コレクタ層と、第1コレクタ層の上に形成されたIII−V族化合物半導体からなる第2コレクタ層と、第2コレクタ層の上に形成されたp型のIII−V族化合物半導体からなるベース層と、n型のIII−V族化合物半導体からなりベース層の上にヘテロ接合して形成されたエミッタ層とを少なくとも備え、第1コレクタ層は、第2コレクタ層より高い不純物濃度とされ、第1コレクタ層の不純物濃度は、破壊電界未満のバイアス電圧で空乏化する範囲とされている。
上記ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、第1コレクタ層は、不純物濃度が5×1016cm-3以上1×1017cm-3以下とされ、かつ層厚50nm以上250nm以下とされ、第2コレクタ層は、不純物濃度が1×1016cm-3以上3×1016cm-3以下とされていればよい。また、第1コレクタ層は、InPから構成され、第2コレクタ層は、InPから構成されていればよい。
以上説明したように、第1コレクタ層は、第2コレクタ層より高い不純物濃度とされ、第1コレクタ層の不純物濃度は、破壊電界未満のバイアス電圧で空乏化する範囲とされているようにしたので、本発明によれば、InP系材料を用いたDHBTの耐圧を低下させることなく、より高速化できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるヘテロ接合バイポーラトランジスタの構成を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態1におけるヘテロ接合バイポーラトランジスタのエネルギー・バンド図である。 図3は、本発明の実施の形態1におけるダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタのI−V特性を示す特性図である。 図4は、本発明の実施の形態1におけるダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタの高周波特性を示す特性図である。 図5は、本発明の実施の形態2におけるヘテロ接合バイポーラトランジスタの構成を示す構成図である。 図6は、本発明の実施の形態3におけるヘテロ接合バイポーラトランジスタの構成を示す構成図である。 図7は、InP系材料を用いたDHBT(InP−DHBT)の構成例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるヘテロ接合バイポーラトランジスタの構成を示す構成図である。実施の形態1では、ダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタを例に説明する。
このダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタは、基板101と、基板101の上に形成されたサブコレクタ層102と、サブコレクタ層102の上に形成された第1コレクタ層103と、第1コレクタ層103の上に形成された第2コレクタ層104とを備える。また、第2コレクタ層104の上に形成された第3コレクタ層105と、第3コレクタ層105の上に形成された組成傾斜層106と、組成傾斜層106の上に形成されたベース層107と、ベース層107の上に形成されたエミッタ層108とを備える。
また、このヘテロ接合バイポーラトランジスタは、エミッタ層108の上に形成されたエミッタコンタクト層109と、エミッタコンタクト層109に接続するエミッタ電極111と、ベース層107に接続するベース電極112と、サブコレクタ層102に接続するコレクタ電極113とを備える。
基板101は、例えば、Feをドープすることで高抵抗とされて主表面を(001)面としたInPなどの、InP系III−V族化合物半導体の基板である。また、サブコレクタ層102は、n型不純物がより高濃度に導入されたn+−InPなどの、n型のIII−V族化合物半導体から構成されている。
第1コレクタ層103は、n型の不純物が導入されたn−InPなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。また、第2コレクタ層104は、n型の不純物が導入されたn−InPなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。ここで、第1コレクタ層103は、第2コレクタ層104より高い不純物濃度とされ、第1コレクタ層103の不純物濃度は、破壊電界未満のバイアス電圧で空乏化する範囲とされていることが重要である。
例えば、2mA/μm2以上のコレクタ電流密度で動作が可能となるように、第2コレクタ層104の不純物濃度は2×1016cm-3とし、VCE=10V程度でコレクタ(第1コレクタ層103まで)がすべて空乏化するように、第1コレクタ層103の不純物濃度は、5×1016cm-3と設計している。
第3コレクタ層105は、n型の不純物が導入されたn−InPなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。組成傾斜層106は、InGaAs/InAlGaAsから構成され、下層のコレクタと上層のベースとの間のバンド端エネルギー不連続を緩和する構成とされている。
第3コレクタ層105は、ベース層107と第2コレクタ層104とにおけるヘテロ障壁を緩和するために、不純物濃度を1×1017cm-3以上3×1017cm-3以下とする。例えば、第3コレクタ層105は、不純物濃度を1.5×1017cm-3とすればよい。また、組成傾斜層106は、アンドープとする。
例えば、第1コレクタ層103は、層厚150nmとされ、第2コレクタ層104は、層厚160nmとされ、第3コレクタ層105は、層厚20nmとされ、組成傾斜層106は、層厚70nmとされている。
次に、ベース層107は、p型の不純物がより高濃度に導入されたp+−InGaAsなどのp型のIII−V族化合物半導体から構成され、層厚は25nm程度とされている。また、エミッタ層108は、アンドープInPなどのIII−V族化合物半導体から構成され、層厚は20nm程度とされている。エミッタコンタクト層109は、n型の不純物がより高濃度に導入されたn+−InGaAsなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成され、層厚は100nm程度とされている。
なお、第1コレクタ層103,第2コレクタ層104,第3コレクタ層105,組成傾斜層106,およびベース層107は、例えば、平面視で矩形のメサ形状に形成され(コレクタメサ)、エミッタ層108は、上述したメサよりも小さい面積のメサ形状とされている。また、コレクタメサの周囲のサブコレクタ層102の上にコレクタ電極113が形成され、エミッタ層108の周囲のベース層107の上にベース電極112が形成されている。また、エミッタコンタクト層109の上には、エミッタ電極111が形成されている。また、実施の形態1では、エミッタ層108をエミッタコンタクト層109より広い面積としたレッジ構造としている。
上述した化合物半導体による各層は、よく知られた有機金属化学気相成長法(MOVPE)または分子線エピタキシャル成長法(MBE)などの堆積法で、エピタキシャル成長させることで形成できる。また、コレクタメサおよびエミッタメサは、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで形成すればよい。また、各電極は、例えば、公知の蒸着法および2層レジストを用いたリフトオフ法などにより形成することができる。
また、エミッタコンタクト層109の側部に形成した絶縁材料によるサイドウォール(不図示)を利用して電極材料を堆積することで、ベース電極112をレッジ構造に対して所定距離離間させた状態に自己整合的に形成することができる。この場合、ベース電極112が形成されるとともに、エミッタ電極111の上に第2のエミッタ電極(不図示)が接続して形成されるものとなる。なお、上述した実施の形態1におけるヘテロ接合バイポーラトランジスタの詳細については、説明に支障のない範囲で省略している。
次に、実施の形態1におけるヘテロ接合バイポーラトランジスタについて、図2のエネルギー・バンド図を用いて説明する。まず、図2の(a)に示すように、VCEが1V程度と低い場合は、組成傾斜層106、第3コレクタ層105および第2コレクタ層104が空乏化する。組成傾斜層106は層厚70nm、第3コレクタ層105は層厚20nm、第2コレクタ層104は層厚160nmとしているので、上述の場合、実効的な空乏層の厚さは250nm程度となる。
これらに対し、第1コレクタ層103は、不純物濃度が十分高いため、VCEが1V程度ではほとんど空乏化されない。このため、上記動作条件では、コレクタ層厚が250nm相当のコレクタ電流密度で動作(この場合2mA/μm2以上の注入動作)させることが可能となる。
一方、図2の(b)に示すように、VCE=10V程度と高い印加電圧の場合、組成傾斜層106、第3コレクタ層105、第2コレクタ層104,第1コレクタ層103がすべて空乏化される。組成傾斜層106は層厚70nm、第3コレクタ層105は層厚20nm、第2コレクタ層104は層厚160nm,第1コレクタ層103は層厚150nmとしているので、実効的な空乏層厚は400nmとなり、耐圧動作が向上する。
上述したように、第2コレクタ層104に対し、破壊電界未満のバイアス電圧で空乏化する範囲で高い不純物濃度とした第1コレクタ層103を用いるようにしたので、印加電圧により、実効的な空乏層厚を変化させることが可能となる。
図3は、実施の形態1におけるダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタのI−V特性を示す特性図である。図3において、点線は、第1コレクタ層103の層厚を150nmとした場合を示し、実線は、第1コレクタ層103の層厚を250nmとした場合を示している。なお、第1コレクタ層103の層厚を150nmした条件では、コレクタの総厚を400nmとしている。また、第1コレクタ層103の層厚を250nmした条件では、コレクタの総厚を500nmとしている。なお、エミッタメサの平面視の寸法は、0.5μm×4μmとしている
図3において注目する点は、点線に示すように、第1コレクタ層103の層厚を150nmとした場合、VCEが1V程度の領域で、2mA/μm2以上のコレクタ電流密度動作が実現されている点である。更に、BVCEOが10V以上となっており、高い耐圧特性が得られている。
また、図3の実線に示すように、第1コレクタ層103の総厚を250nmとすると、第1コレクタ層103の層厚を150nmとした条件に比較して、最大コレクタ電流密度は減少しているものの、2mA/μm2以上の高いコレクタ電流密度における動作は可能である。また、BVCEOは、向上して14V以上となっている。
次に、実施の形態1におけるダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタの高周波特性について説明する。図4は、実施の形態1におけるダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタの高周波特性を示す特性図である。ここでも、エミッタメサの平面視の寸法は、0.5μm×4μmとし、また、VCEは、1.2Vとしている。
第1コレクタ層103の層厚を150nmとした条件では、図4の点線で示すように、コレクタ電流密度2mA/μm2において、170GHzのピークftが得られている。また、第1コレクタ層103の層厚を250nmと増加させても、図4の実線で示すように、ピークftの大きな劣化なく、150GHz以上である。更に、両者共に最大発振周波数fmaxは250GHz以上を示しており、高周波特性としては全く問題ないことがわかる。
以上のように、第1コレクタ層103を設ければ、高耐圧特性を維持しながらも、優れた高周波動作が可能となる。なお、第1コレクタ層103は、不純物濃度が5×1016以上1×1017cm-3以下、層厚は50nm以上250nm以下が望ましい。第1コレクタ層103が50nmより薄い場合は耐圧向上の効果が小さく、250nmよりも厚くするすると高周波特性の劣化が大きくなってしまう。
なお、上述した実施の形態1では、組成傾斜層をInGaAs/InAlGaAsとしているが、これに限らず、InGaAs/InGaAsP、InGaAs/InAlAs超格子としても同様の効果が得られる。
また、実施の形態1では、第2コレクタ層の不純物濃度を2×1016cm-3としたが、1×1016cm-3以上3×1016cm-3以下であれば、同様の効果が得られる。例えば、第2コレクタ層の不純物濃度が1×1016cm-3以下では、カーク効果が強く、注入できるコレクタ電流密度が1mA/μm2以下となり、高周波特性を劣化させてしまう。
また、第2コレクタ層の不純物濃度が3×1016cm-3を超える不純物濃度では、注入できるコレクタ電流密度は増加するが、組成傾斜層における電界強度が強くなり、ナローバンドギャップであるInGaAsにおいてバンド間のトンネル電流が発生し、耐圧特性が劣化してしまう。この場合、耐圧は組成傾斜層におけるトンネル電流に律則されるため、第1コレクタ層を設けてもほとんど向上しないことを付け加えておく。また、第3コレクタ層は、1V程度で空乏化することが望ましいので、厚さは100nm以上210nm以下にするのがよい。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態2におけるヘテロ接合バイポーラトランジスタの構成を示す構成図である。実施の形態2でも、ダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタを例に説明する。
このダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタは、基板201と、基板201の上に形成されたサブコレクタ層202と、サブコレクタ層202の上に形成された第1コレクタ層203と、第1コレクタ層203の上に形成された第2コレクタ層204と、第2コレクタ層204の上に形成されたベース層205と、ベース層205の上に形成されたエミッタ層206とを備える。
また、このヘテロ接合バイポーラトランジスタは、エミッタ層206の上に形成されたエミッタコンタクト層207と、エミッタコンタクト層207に接続するエミッタ電極211と、ベース層205に接続するベース電極212と、サブコレクタ層202に接続するコレクタ電極213とを備える。
基板201は、例えば、Feをドープすることで高抵抗とされて主表面を(001)面としたInPなどの、InP系III−V族化合物半導体の基板である。また、サブコレクタ層202は、n型不純物がより高濃度に導入されたn+−InPなどの、n型のIII−V族化合物半導体から構成されている。
第1コレクタ層203は、n型の不純物が導入されたn−InPなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。また、第2コレクタ層204は、n型の不純物が導入されたn−InPなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。ここで、第1コレクタ層203は、第2コレクタ層204より高い不純物濃度とされ、第1コレクタ層203の不純物濃度は、破壊電界未満のバイアス電圧で空乏化する範囲とされていることが重要である。
例えば、2mA/μm2以上のコレクタ電流密度で動作が可能となるように、第2コレクタ層204の不純物濃度は2×1016cm-3とし、VCE=10V程度でコレクタ(第1コレクタ層203まで)がすべて空乏化するように、第1コレクタ層203の不純物濃度は、5×1016cm-3と設計している。例えば、第1コレクタ層203は、層厚150nmとされ、第2コレクタ層204は、層厚160nmとされている。
次に、ベース層205は、p型の不純物がより高濃度に導入されたp+−GaAsSbなどのp型のIII−V族化合物半導体から構成されている。ベース層205をGaAsSbから構成することで、InPとの接合はいわゆる「Type II」というバンドラインナップとなる。このため、第2コレクタ層204の上に、ベース層205を接して形成することができる。
また、エミッタ層206は、アンドープInPなどのIII−V族化合物半導体から構成され、層厚は20nm程度とされている。エミッタコンタクト層207は、n型の不純物がより高濃度に導入されたn+−InGaAsなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成され、層厚は100nm程度とされている。
なお、第1コレクタ層203,第2コレクタ層204,およびベース層205は、例えば、平面視で矩形のメサ形状に形成され(コレクタメサ)、エミッタ層206は、上述したメサよりも小さい面積のメサ形状とされている。また、コレクタメサの周囲のサブコレクタ層202の上にコレクタ電極213が形成され、エミッタ層206の周囲のベース層205の上にベース電極212が形成されている。また、エミッタコンタクト層207の上には、エミッタ電極211が形成されている。また、実施の形態2でも、エミッタ層206をエミッタコンタクト層207より広い面積としたレッジ構造としている。
上述した化合物半導体による各層は、よく知られた有機金属化学気相成長法(MOVPE)または分子線エピタキシャル成長法(MBE)などの堆積法で、エピタキシャル成長させることで形成できる。また、コレクタメサおよびエミッタメサは、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで形成すればよい。また、各電極は、例えば、公知の蒸着法および2層レジストを用いたリフトオフ法などにより形成することができる。
また、エミッタコンタクト層207の側部に形成した絶縁材料によるサイドウォール(不図示)を利用して電極材料を堆積することで、ベース電極212をレッジ構造に対して所定距離離間させた状態に自己整合的に形成することができる。この場合、ベース電極212が形成されるとともに、エミッタ電極211の上に第2のエミッタ電極(不図示)が接続して形成されるものとなる。なお、上述した実施の形態2におけるヘテロ接合バイポーラトランジスタの詳細については、説明に支障のない範囲で省略している。
実施の形態2においても、第1コレクタ層203の不純物濃度を5×1016cm-3、層厚を150nmとし、第2コレクタ層204の不純物濃度を2×1016cm-3、層厚を250nmとした場合、ft>130GHzかつBVCEOは10V以上の、高速かつ高耐圧動作に優れた特性が実現できる。このように、GaAsSbからベース層205を構成しても、前述した実施の形態1と同等の効果が得られる。なお、実施の形態2では、ベース層をGaAsSbから構成したが、これに限るものではなく、InGaAsSbあるいはAlGaAsSbからベース層を構成してもよい。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態3におけるヘテロ接合バイポーラトランジスタの構成を示す構成図である。
このヘテロ接合バイポーラトランジスタは、基板301と、基板301の上に形成されたサブコレクタ層302と、サブコレクタ層302の上に形成された第1コレクタ層303と、第1コレクタ層303の上に形成された第2コレクタ層304と、第2コレクタ層304の上に形成されたベース層305と、ベース層305の上に形成されたエミッタ層306とを備える。実施の形態3では、ベース層305を、第1コレクタ層303および第2コレクタ層304と同じIII−V族化合物半導体から構成し、ベース層305と第2コレクタ層304とが、ヘテロ接合を構成していない。
また、このヘテロ接合バイポーラトランジスタは、エミッタ層306の上に形成されたエミッタコンタクト層307と、エミッタコンタクト層307に接続するエミッタ電極311と、ベース層305に接続するベース電極312と、サブコレクタ層302に接続するコレクタ電極313とを備える。
基板301は、例えば、Feをドープすることで高抵抗とされて主表面を(001)面としたInPなどの、InP系III−V族化合物半導体の基板である。また、サブコレクタ層302は、n型不純物がより高濃度に導入されたn+−InPなどの、n型のIII−V族化合物半導体から構成されている。
第1コレクタ層303は、n型の不純物が導入されたn−InGaAsなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。また、第2コレクタ層304は、n型の不純物が導入されたn−InGaAsなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。ここで、第1コレクタ層303は、第2コレクタ層304より高い不純物濃度とされ、第1コレクタ層303の不純物濃度は、破壊電界未満のバイアス電圧で空乏化する範囲とされていることが重要である。
例えば、2mA/μm2以上のコレクタ電流密度で動作が可能となるように、第2コレクタ層304の不純物濃度は2×1016cm-3とし、VCE=7V程度でコレクタ(第1コレクタ層303まで)がすべて空乏化するように、第1コレクタ層303の不純物濃度は、5×1016cm-3と設計している。例えば、第1コレクタ層303は、層厚150nmとされ、第2コレクタ層304は、層厚250nmとされている。これら構成とすることで、前述した実施の形態1,2と同様の効果が得られる。
次に、ベース層305は、p型の不純物がより高濃度に導入されたp+−InGaAsなどのp型のIII−V族化合物半導体から構成されている。ベース層305をInGaAsから構成することで、前述したように、第2コレクタ層304との接合は、ホモ接合となり、ヘテロ障壁がなく、コレクタ設計が容易となる。
また、エミッタ層306は、アンドープInPなどのIII−V族化合物半導体から構成され、層厚は20nm程度とされている。エミッタコンタクト層307は、n型の不純物がより高濃度に導入されたn+−InGaAsなどのn型のIII−V族化合物半導体から構成され、層厚は100nm程度とされている。
なお、第1コレクタ層303,第2コレクタ層304,およびベース層305は、例えば、平面視で矩形のメサ形状に形成され(コレクタメサ)、エミッタ層306は、上述したメサよりも小さい面積のメサ形状とされている。また、コレクタメサの周囲のサブコレクタ層302の上にコレクタ電極313が形成され、エミッタ層306の周囲のベース層305の上にベース電極312が形成されている。また、エミッタコンタクト層307の上には、エミッタ電極311が形成されている。また、実施の形態3でも、エミッタ層306をエミッタコンタクト層307より広い面積としたレッジ構造としている。
上述した化合物半導体による各層は、よく知られた有機金属化学気相成長法(MOVPE)または分子線エピタキシャル成長法(MBE)などの堆積法で、エピタキシャル成長させることで形成できる。また、コレクタメサおよびエミッタメサは、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで形成すればよい。また、各電極は、例えば、公知の蒸着法および2層レジストを用いたリフトオフ法などにより形成することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、第1コレクタ層は、第2コレクタ層より高い不純物濃度とし、第1コレクタ層の不純物濃度は、破壊電界未満のバイアス電圧で空乏化する範囲としたので、InP系材料を用いたDHBTの耐圧を低下させることなく、より高速化できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述では、いわゆるレッジ構造を用いる場合を例にしたが、これに限るものではなく、レッジ構造としていないヘテロ接合バイポーラトランジスタにも適用可能である。
101…基板、102…サブコレクタ層、103…第1コレクタ層、104…第2コレクタ層、105…第3コレクタ層、106…組成傾斜層、107…ベース層、108…エミッタ層、109…エミッタコンタクト層、111…エミッタ電極、112…ベース電極、113…コレクタ電極。

Claims (3)

  1. 基板の上に形成されたn型のIII−V族化合物半導体からなる第1コレクタ層と、
    前記第1コレクタ層の上に形成されたIII−V族化合物半導体からなる第2コレクタ層と、
    前記第2コレクタ層の上に形成されたp型のIII−V族化合物半導体からなるベース層と、
    n型のIII−V族化合物半導体からなり前記ベース層の上にヘテロ接合して形成されたエミッタ層と
    を少なくとも備え、
    前記第1コレクタ層は、前記第2コレクタ層より高い不純物濃度とされ、
    前記第1コレクタ層の不純物濃度は、破壊電界未満のバイアス電圧で空乏化する範囲とされている
    ことを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
  2. 請求項1記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、
    前記第1コレクタ層は、不純物濃度が5×1016cm-3以上1×1017cm-3以下とされ、かつ層厚50nm以上250nm以下とされ、
    前記第2コレクタ層は、不純物濃度が1×1016cm-3以上3×1016cm-3以下とされている
    ことを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
  3. 請求項1または2記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、
    前記第1コレクタ層は、InPから構成され、前記第2コレクタ層は、InPから構成されていることを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
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