JP2015148020A - 靴下 - Google Patents

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Abstract

【課題】靴下の踵部分でのゴアラインの存在を考慮しながら踵部で充分なホールド効果を得て、靴下の着用時に、着用者の踵からの靴下の踵部の脱げや、ずれを確実に防止する。【解決手段】非弾性の表糸6と弾性の裏糸7とを添え編み組織として編成する脱げ止め機能付きの靴下1であって、踵部3における左右のゴアライン5の間で、1または数コース毎に、非弾性の表糸6を弾性の表糸61に切り替え、弾性の表糸61と弾性の裏糸7との編成部分の弾力を非弾性の表糸6と弾性の裏糸7との編成部分の弾力よりも強くし、弾性の表糸61と弾性の裏糸7との編成部分を強い弾力により内側に縮ませて、脱げ止め用の内向き凸部8および脱げ止め用の外向き凸部9をコース方向に並べて形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、踵部で脱げ止め機能を有する靴下の改良に関する。
靴下、特にインホールタイプの靴下では、踵部が浅く、着用時に、着用者の足の踵が靴下の踵部によって充分に包みこまれず、踵部のホールド効果が低いため、着用者の踵から靴下が脱げたり、ずれたりする。この脱げや、ずれ対策として、靴下の踵部の上内面にシリコンゴムなどの摩擦テープが張り付けられるが、編成工程とは別に、摩擦テープの張り付け工程が必要となり、加工工数が増加する。このことから、その解決手段は、靴下の製作上、有効とは言えない。
また、例えば特許文献1や特許文献2は、靴下の履き口などの締め付け部に、添え糸編み組織の編成過程で、表糸、裏糸に弾性糸ないし伸縮糸を選択的に使用する、ことを開示している。それらの技術は、靴下の履き口などの環状の締め付け部に適用するものであるから、靴下の踵部にそのまま応用できない。
特開2003−64501号公報 特開2011−74524号公報
したがって、本発明の解決課題は、靴下の踵部でのゴアラインの存在を考慮しながら、靴下の踵部で充分なホールド効果を得て、靴下の着用時に、着用者の踵からの靴下の踵部の脱げや、ずれを確実に防止することである。
上記課題のもとに、本発明は、非弾性の表糸と弾性の裏糸とを添え編み組織として編成する靴下において、踵部の左右のゴアラインに着目し、左右のゴアラインの間に他の編成部分よりも弾性的に強い編成部分をコース方向に形成し、その強い編成部分を内側に縮ませて、脱げ止め機能を付与している。
詳細に記載すると、本発明は、非弾性の表糸と弾性の裏糸とを添え編み組織として編成する靴下において、踵部における左右のゴアラインの間で、1または数コース毎に、非弾性の表糸を弾性の表糸に切り替え、弾性の表糸と弾性の裏糸との編成部分の弾力を非弾性の表糸と弾性の裏糸との編成部分の弾力よりも強くし、弾性の表糸と弾性の裏糸との編成部分を強い弾力によって内側に縮ませて、脱げ止め用の内向き凸部をコース方向に形成するとともに、内向き凸部の上下に内向き凸部に沿って脱げ止め用の外向き凸部をコース方向に並べて形成して、脱げ止め機能付きの靴下を構成している(請求項1)。
また、本発明は、上記脱げ止め機能付きの靴下において、左右のゴアラインの位置を起点として、脱げ止め用の内向き凸部および脱げ止め用の外向き凸部を形成している(請求項2)。
さらに、本発明は、上記脱げ止め機能付きの靴下において、左右のゴアラインの上側および下側の双方に、脱げ止め用の内向き凸部および脱げ止め用の外向き凸部を形成している(請求項3)。
本発明の脱げ止め機能付きの靴下によると、踵部の後ろ側の裏面および表面に凹凸がコース方向に形成されるから、着用者の踵に踵部の内向き凸部が相対的に強く当たり、踵部が踵の上部から下降して踵の後ろの足裏へ摩擦的に移動しにくくなり、この結果、踵部のホールド効果が高まり、着用時の靴下のずれ、脱げが確実に防止でき、また、靴を履いたときに、靴下の踵部の表面と靴の踵の後ろ側の内面との間にも、外向き凸部が介在するため、靴下と靴との間でも、同様の脱げ止め機能が得られる(請求項1)。
また、本発明の脱げ止め機能付きの靴下によると、左のゴアラインまたは右のゴアラインの位置において、表糸の切り替えが行われるため、切り替えにともなう糸のつなぎ部分がゴアラインの裏側の減らし目の編成部分に重なるか、または減らし目の編成部分内に収まり、着用時のごろつき感がなくなって、体裁も良くなるほか、ゴアラインの方向での弾力が強化され、踵部のホールド効果が一層高められる(請求項2)。
さらに、本発明の脱げ止め機能付きの靴下によると、左右のゴアラインの間で、ゴアラインの上側および下側の双方に、脱げ止め用の内向き凸部および外向き凸部が形成されていると、上下の方向からホールド効果が得られるため、脱げ止め機能がさらに確実に高められる(請求項3)。
本発明の脱げ止め機能付きの靴下の側面図である。 本発明の脱げ止め機能付きの靴下の添え編み組織の説明図である。 本発明の脱げ止め機能付きの靴下の踵部の拡大断面である。
図1は、本発明に係る脱げ止め機能付きの靴下1を示している。図1において、靴下1は、一例としてインホールタイプの靴下であり、丸編み機によって従来通り、履き口部2を形成しながら踵部3、甲・足裏部4および爪先部10の順に編成される。
編成工程において、踵部3の両側面に、ウエール方向を踵にそって変更するために、ゴアライン5が形成される。図示のゴアライン5は、一例として逆Y字状であり、上部からくるぶしの位置へ向かう第1のゴアライン51と、第1のゴアライン51の下端から踵後ろ方向に向かう第2のゴアライン52と、第1のゴアライン51の下端から足裏の方向に向かう第3のゴアライン53とで形成されている。したがって、編み組織のウエール方向は、踵部3において、それぞれの第1のゴアライン51、第2のゴアライン52および第3のゴアライン53の位置で減らし目によって方向を変え、第1のゴアライン51、第2のゴアライン52および第3のゴアライン53に対してほぼ直交方向となる。
次に、図2は、本発明の靴下1の平編みによる編み組織を示している。靴下1は、非弾性の表糸6とスパンデックス糸などの弾性の裏糸7とを添え編み組織として編成される。ここで非弾性の表糸6は、綿糸、綿アクリル混紡糸、毛糸、毛アクリル混紡糸、絹糸、絹アクリル混紡糸などの靴下用の糸であり、全く弾性のない糸のほか、弾性の裏糸7に対して相対的に弱い弾性(伸縮性)糸も含まれる。添え編み組織によると、通常、弾性の裏糸7は、非弾性の表糸6の内側に位置し、靴下1に伸縮性を付与している。
特に、本発明は、踵部3における左右のゴアライン5の間で、非弾性の表糸6と弾性の裏糸7との1または数コース毎に、例えば4コース毎に、非弾性の表糸6をスパンデックス糸などの弾性の表糸61に切り替え、弾性の表糸61と弾性の裏糸7との編成部分を例えば3コースに渡って編成し、この3コースの編成部分を非弾性の表糸6と弾性の裏糸7との4コースの編成部分の弾力よりも強くしている。
図3は、踵部3の一部の断面を示している。前記のように、踵部3において、非弾性の表糸6と弾性の裏糸7との4コースの編成部分と、弾性の表糸61と弾性の裏糸7との3コースの編成部分がウエール方向で交互に繰り返される。このように編成すると、図3のように、弾性の表糸61と弾性の裏糸7との編成部分は、強い弾力によって靴下1の内側に縮み、脱げ止め用の内向き凸部8をコース方向に形成し、同時に、内向き凸部8の形成結果として、靴下1の外側において、内向き凸部8の上下の位置に、非弾性の表糸6と弾性の裏糸7と編成部分で、内向き凸部8に沿って脱げ止め用の外向き凸部9を形成する。ここでの外向き凸部9は、積極的に形成したものではなく、内向き凸部8の形成にともなって、結果的に形成されるものであり、非弾性の表糸6と弾性の裏糸7との添え編み組織の外側の輪郭に相当している。
1または複数の内向き凸部8は、着用者の踵の脱げ方向に対して直交方向に存在して、着用者の踵に摩擦的に係り止めし、踵に対するホールド効果を高め、着用時の靴下1のずれ、脱げを確実に防止する。また、着用者が靴を履いたときには、靴下1の踵部3の表面と靴の踵の後ろ側の内面との間にも、外向き凸部9が介在するため、靴下1と靴との間でも脱げ止め機能が得られる。
特に、本発明は、靴下1において、左右のゴアライン5(第1のゴアライン51・第3のゴアライン51)の位置を起点として、脱げ止め用の内向き凸部8および外向き凸部9を形成している。このため、左または右のゴアライン5の位置において、表糸6から弾性の表糸61への切り替えが行われるから、切り替えにともなう糸のつなぎ部分は、ゴアライン5の裏側の減らし目の編成部分に重なるか、または減らし目の編成部分の編み組織内に納まる。したがって、ゴアライン5の部分で、着用時のごろつき感がなくなり、その部分の体裁も良くなる。また、ゴアライン5の方向での弾力が強化され、踵部3のホールド効果が一層高められる
さらに、本発明は、図1に見られるように、左右のゴアライン5のうち第2のゴアライン52の上側および下側の双方に、脱げ止め用の内向き凸部8および外向き凸部9を形成している。このため、脱げ止め用の内向き凸部8および外向き凸部9は、異なる方向から着用者の踵を包み込むことになり、踵部3で上下の方向からホールド効果が得られるために、脱げ止め機能がさらに一層高められる。
なお、図1の脱げ止め機能付きの靴下1では、脱げ止め用の内向き凸部8および外向き凸部9が左右のゴアライン5のうち第1のゴアライン51、第2のゴアライン52および第3のゴアライン53の間に形成されているが、脱げ止め用の内向き凸部8および外向き凸部9は、第1のゴアライン51の間のみ、第2のゴアライン52の間のみ、あるいは第3のゴアライン53のみに形成されていてもよく、さらにまた、例えば第2のゴアライン52の上側および下側の双方に形成されていてもよい。
本発明は、インホールタイプの靴下に限らず、スニーカソックス、普通ソックス、ハイソックス、その他のすべての種類の靴下に利用できる。また、編み組織は、平編みに限らず、ゴム編み、パール編、両面編みなど靴下用の各種の編み組織にも応用できる。
1 脱げ止め機能付きの靴下
2 履き口
3 踵部
4 甲・足裏部
5 ゴアライン
51 第1のゴアライン
52 第2のゴアライン
53 第3のゴアライン
6 非弾性の表糸
61 弾性の表糸
7 弾性の裏糸
8 内向き凸部
9 外向き凸部
10 爪先部

Claims (3)

  1. 非弾性の表糸と弾性の裏糸とを添え編み組織として編成する靴下において、踵部における左右のゴアラインの間で、1または数コース毎に、非弾性の表糸を弾性の表糸に切り替え、弾性の表糸と弾性の裏糸との編成部分の弾力を非弾性の表糸と弾性の裏糸との編成部分の弾力よりも強くし、弾性の表糸と弾性の裏糸との編成部分を強い弾力によって内側に縮ませて、脱げ止め用の内向き凸部をコース方向に形成するとともに、内向き凸部の上下に内向き凸部に沿って脱げ止め用の外向き凸部をコース方向に並べて形成する、ことを特徴とする脱げ止め機能付きの靴下。
  2. 上記靴下において、左右のゴアラインの位置を起点として、脱げ止め用の内向き凸部および脱げ止め用の外向き凸部を形成している形成する、ことを特徴とする請求項1記載の脱げ止め機能付きの靴下。
  3. 上記靴下において、左右のゴアラインの上側および下側の双方に、脱げ止め用の内向き凸部および脱げ止め用の外向き凸部を形成する、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の脱げ止め機能付きの靴下。
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