JP2015145111A - 多層構造体 - Google Patents

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JP2015145111A JP2014019159A JP2014019159A JP2015145111A JP 2015145111 A JP2015145111 A JP 2015145111A JP 2014019159 A JP2014019159 A JP 2014019159A JP 2014019159 A JP2014019159 A JP 2014019159A JP 2015145111 A JP2015145111 A JP 2015145111A
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大崎 伸浩
Nobuhiro Osaki
伸浩 大崎
博一 松井
Hiroichi Matsui
博一 松井
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【課題】無機層状化合物を含有する層および基材層を有し、無機層状化合物を含有する層と基材層との接着性に優れる多層構造体を提供すること。
【解決手段】基材層、アンカーコート層、および第1の層を含有し、
基材層とアンカーコート層が隣接し、アンカーコート層と第1の層が隣接している多層構造体であって、
第1の層が、5体積%以上90体積%以下の第1の無機層状化合物と、10体積%以上95体積%以下の第1の樹脂成分を含む層であり(ただし、第1の層の全体積を100体積%とする)、
アンカーコート層が、ある特定のアンカーコート剤群より選ばれる少なくとも1種のアンカーコート剤を含む層である多層構造体。
【選択図】なし

Description

本発明は、多層構造体に関するものである。
従来から、食品分野、化粧品分野、農薬分野、医療分野等の多くの分野の包装材料として、熱可塑性樹脂を含有する多層構造体が用いられている。近年、ガスバリア性や耐熱性の観点から、上記包装材料として、熱可塑性樹脂の他に無機層状化合物を含有する層を有した多層構造体が用いられる傾向にある。例えば、特許文献1には、基材フィルム上に、ポリビニルアルコールと無機層状化合物からなる層が形成された被覆プラスチックフィルムが開示されている。
特開平03−30944号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の被覆プラスチックフィルムは、ポリビニルアルコールと無機層状化合物からなる層と、基材フィルムとの接着性が、十分でなかった。
本発明の目的は、無機層状化合物を含有する層および基材層を有し、無機層状化合物を含有する層と基材層との接着性に優れる多層構造体を提供することである。
また本発明の目的は、無機層状化合物を含有する層、基材層、および樹脂層を有し、無機層状化合物を含有する層と基材層との接着性に優れ、無機層状化合物を含有する層と樹脂層との接着性に優れる多層構造体を提供するものである。
基材層、アンカーコート層、および第1の層を含有し、
基材層とアンカーコート層が隣接し、アンカーコート層と第1の層が隣接している多層構造体であって、
第1の層が、5体積%以上90体積%以下の第1の無機層状化合物と、10体積%以上95体積%以下の第1の樹脂成分を含む層であり(ただし、第1の層の全体積を100体積%とする)、
アンカーコート層が、下記のアンカーコート剤群より選ばれる少なくとも1種のアンカーコート剤を含む層である多層構造体に係るものである。
アンカーコート剤群:1液硬化型ウレタン系アンカーコート剤、主鎖にカーボネート骨格を有する2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤、シリコーン系アンカーコート剤、シラン系アンカーコート剤、エステル樹脂系アンカーコート剤、1液硬化型エポキシ系アンカーコート剤、アクリル系アンカーコート剤、オレフィン樹脂系アンカーコート剤、フッ素樹脂系アンカーコート剤、ゴム系アンカーコート剤、でんぷん系アンカーコート剤、ユリア樹脂系アンカーコート剤、メラミン樹脂系アンカーコート剤、フェノール樹脂系アンカーコート剤、ポリアロマティック系アンカーコート剤、ポリサルファイド系アンカーコート剤
さらに本発明の一は、基材層、アンカーコート層、第1の層、および第2の層を含有し、
基材層とアンカーコート層が隣接し、アンカーコート層と第1の層が隣接し、第1の層と第2の層が隣接している多層構造体であって、
第1の層が、5体積%以上90体積%以下の第1の無機層状化合物と、10体積%以上95体積%以下の第1の樹脂成分を含む層であり(ただし、第1の層の全体積を100体積%とする)、
第2の層が、下記の第2の樹脂成分群より選ばれる少なくとも1つの樹脂を含む層であり、
アンカーコート層が、下記のアンカーコート剤群より選ばれる少なくとも1つのアンカーコート剤を含む層である多層構造体に係るものである。
第2の樹脂成分群:1液硬化型ウレタン樹脂、主鎖にカーボネート骨格を有する2液硬化型ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、シラン樹脂、エステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、フッ素樹脂、でんぷん、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アロマティック樹脂、サルファイド樹脂
アンカーコート剤群:1液硬化型ウレタン系アンカーコート剤、主鎖にカーボネート骨格を有する2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤、シリコーン系アンカーコート剤、シラン系アンカーコート剤、エステル樹脂系アンカーコート剤、1液硬化型エポキシ系アンカーコート剤、アクリル系アンカーコート剤、ポリオレフィン系アンカーコート剤、フッ素系アンカーコート剤、ゴム系アンカーコート剤、でんぷん系アンカーコート剤、ユリア樹脂系アンカーコート剤、メラミン樹脂系アンカーコート剤、フェノール樹脂系アンカーコート剤、ポリアロマティック系アンカーコート剤、ポリサルファイド系アンカーコート剤
本発明は、無機層状化合物を含有する層および基材層を有し、無機層状化合物を含有する層と基材層との接着性に優れる多層構造体を得ることができる。
また本発明は、無機層状化合物を含有する層、基材層、および樹脂層を有し、無機層状化合物を含有する層と基材層との接着性に優れ、無機層状化合物を含有する層と樹脂層との接着性に優れる多層構造体を得ることができる。
[多層構造体]
本発明に係る多層構造体は、基材層、アンカーコート層、および第1の層を含有する構造体、または基材層、アンカーコート層、第1の層、および第2の層を含有する構造体である。
[基材層]
本発明の基材層を構成する材料としては、金属や、樹脂、木材、セラミックス、ガラスが挙げられる。基材層は単層であってもよく、多層であってもよい。
金属としては、銅、鉄、銀、アルミニウムや、これらの合金が挙げられる。
セラミックスとしては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化チタンが挙げられる。
樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、オレフィン樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、疎水化セルロース樹脂、塩素樹脂、フッ素樹脂、水素結合性樹脂、カーボネート樹脂、サルホン樹脂、エーテル樹脂、イミド樹脂が挙げられる。
オレフィン樹脂としては、ポリエチレン、エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状オレフィン樹脂が挙げられる。
エチレン共重合体としては、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはそのケン化物、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体が挙げられる。
環状オレフィン樹脂としては、環状オレフィンの単独重合体や、環状オレフィンと他のオレフィンとの共重合体等の主鎖に脂環式構造を有するものや、側鎖に脂環式構造を有するものが挙げられる。該環状オレフィンとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン等の単環状オレフィン;3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン等の置換基を有する単環状オレフィン;ノルボルネン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン(ジメタノオクタヒドロナフタレン)等の多環状オレフィン;5−メチルノルボルネン等の置換基を有する多環状オレフィンが例示できる。
エステル樹脂としては、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、液晶性ポリエステルが挙げられる。
アミド樹脂としては、ナイロン−6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重合体、ポリメチルメタクリルアミド、ポリメタキシリレンアジパミドが挙げられる。
アクリル樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレートが挙げられる。
スチレン樹脂としては、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂が挙げられる。
疎水化セルロース樹脂としては、トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロースが挙げられる。
塩素樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンが挙げられる。
フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体が挙げられる。
水素結合性樹脂としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、セルロース誘導体等が挙げられる。特に、水素結合性樹脂中の水酸基が20質量%以上60質量%以下である樹脂が好ましい。(ただし、水素結合性樹脂を100質量%とする。)
カーボネート樹脂としては、ポリカーボネート、ポリ(プロピレンカーボネート)等のカーボネート骨格を有する樹脂が挙げられる。
サルホン樹脂としては、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリフェニルサルホンが挙げられる。
エーテル樹脂としては、エーテルエーテルケトン樹脂、フェニレンオキシド樹脂、メチレンオキシド樹脂が挙げられる。
イミド樹脂としては、芳香族ポリイミド樹脂やアミドイミド樹脂等のイミド結合を含む単量体単位を有する樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エチレンイミン樹脂や、エポキシ化合物、(メタ)アクリロイル化合物、アリル化合物、ビニル化合物等の熱反応性化合物の少なくとも一種が、熱重合開始剤存在下で反応してなる樹脂等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を、光重合開始剤存在下で重合して得られるエポキシ樹脂や、1分子中に2つ以上のアクリロイル基やメタクリロイル基を有するアクリル化合物を、光重合開始剤存在下で重合して得られるアクリル樹脂等が挙げられる。
本発明の基材層は、紙、布、不織布、シート、フィルム、発泡体であってもよい。
本発明の基材層がフィルムである場合、ナイロン−6層/ポリメタキシリレンアジパミド層/ナイロン−6層や、ポリプロピレン層/エチレン−ビニルアルコール共重合体層/ポリプロピレン層のような多層フィルムであってもよく、前述の樹脂にアルミニウム、アルミナ、シリカのうちの少なくとも一種が蒸着されたフィルムであってもよい。
本発明の基材層がフィルムである場合には、基材層は無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのいずれかであってもよい。
本発明の基材層がフィルムである場合、好ましい基材層の一例として、樹脂製のヒートシール層を一方の表層として有する基材層が挙げられる。ヒートシール層を構成する樹脂としては、オレフィン樹脂、エステル樹脂、アクリロニトリル樹脂等が挙げられる。
ヒートシール層を有する基材層の製造方法としては、ヒートシール層形成用の樹脂と、ヒートシール層形成用樹脂とは異なる樹脂とを共押出しする方法、ヒートシール層形成用の樹脂を液体媒体に溶解させた溶液を、基材層に塗工した後、液体媒体を除去してヒートシール層を形成する方法、基材層の表面にヒートシール層形成用の樹脂を押出ラミネートする方法、ヒートシール性樹脂フィルムと、基材層とをドライラミネートする方法等が挙げられる。基材層におけるヒートシール層を形成する面、およびヒートシール層における基材層との積層面には、後述の表面処理を施すことが好ましい。
[表面処理]
本発明の基材層には、後述のアンカーコート層と隣接する面に、表面処理が施されていても良い。該表面処理としては、コロナ処理、オゾン処理、電子線処理、イオン処理、フレーム処理、プラズマ処理、ブラスト処理、レーザー処理が挙げられる。
コロナ処理とは、コロナ処理機から発生する高周波により、放電電極間の空気をイオン化し、電荷のある粒子を発生させ、この粒子を基材層に照射し、該基材層表面をエッチングすることで、濡れ性の向上や、官能基の導入などの効果を付与する処理である。具体的には、特開平1−123835号公報、特開平4−59039号公報等に開示されている処理である。前記コロナ処理における放電量は10W・分/m以上が好ましい。該放電量の上限は、特に限定されないが、経済性の観点から通常200W・分/m以下が好ましい。
オゾン処理とは、空気中等の酸素存在下で、エキシマーレーザー、低圧水銀灯、高圧水銀灯、アーク灯を用いて、紫外線を照射することにより、酸素ラジカルやオゾンを発生させ、基材層表面を酸化させる処理である。具体的には、特開昭57−31937号公報、特開平7−188428号公報等に開示されている処理である。前記オゾン処理には、通常180nmから400nmの紫外線が用いられるが、185nm前後及び254nm前後の紫外線を併用すると酸化処理効果が向上する。
電子線処理とは、市販の電子線照射装置を用いて、電子線加速器により発生させた電子線を照射させ、基材層表面をエッチングし、酸化させる処理である。電子線処理の処理量は、加速電圧と電子流により調整することができる。通常、加速電圧が10kV以上300kV以下、電子流が5mA以上500mA以下である処理量が好ましい。
イオン処理とは、外部電界を用いて発生させたプラズマ中に存在するイオンを、基材層の表面部に注入すること、又は外部電界を用いることなく、基材層に印加する負の高電圧パルスによる電界のみで発生させたプラズマ中に存在するイオンを、基材層の表面部に注入することにより、基材層表面を改質する処理である。イオン処理装置としては、必要なイオンだけを取り出す質量分析器、イオンを電気的に加速する加速器、対象物であるターゲットを高真空チャンバーから成る。通常、1016ions/cm以下の処理量で処理することが好ましい。
フレーム処理とは、空気または酸素と、メタン、プロパン、ブタン等の天然ガスを完全燃焼状態で基材層に吹き付ける処理である。基材層がフィルムやシートである場合は、充分冷却したメッキ処理金属ドラム上に基材層を通過させ、基材層のドラムと接している面の反対側の面に火焔を吹き付けることで、フレーム処理を行うことができる。特開2010−005947号公報等に記載されているように、アルコキシシラン等のガス存在下で処理しても良い。
プラズマ処理とは、不活性ガス雰囲気下で放電することで生じたプラズマを、基材層上に照射し、該基材層表面をエッチングすることで、濡れ性の向上や、官能基の導入などの効果を付与する処理であり、大気圧プラズマ処理や真空プラズマ処理等が挙げられる。具体的には、特開平3−143930号公報、特開平3−219082号公報、特開2010−227919号公報或いは特開平5−23579号公報に開示されている。
ブラスト処理とは、エアコンプレッサー等で、基材層表面へ研磨剤を吹き付けることにより、基材層表面の粗面化による表面積の増大、および基材層表面の清浄化等の効果を付与する処理である。該研磨剤としては通常、アルミナ粒子、チタン粒子等の金属粒子や、フッ素樹脂粒子等の樹脂粒子を用いることができる。
レーザー処理とは、高エネルギーのレーザー光を基材層へ照射することで、基材層表面の凹凸の形成や、基材層表面の清浄化等の効果を付与する処理である。パルスが短くピークの高いレーザー光を用いることで、基材層への熱ダメージを少なくすることができる。
[アンカーコート層]
本発明のアンカーコート層は、アンカーコート剤を含む層である。
アンカーコート剤としては、ウレタン系アンカーコート剤、シリコーン系アンカーコート剤、シラン系アンカーコート剤、エステル樹脂系アンカーコート剤、1液硬化型エポキシ系アンカーコート剤、アクリル系アンカーコート剤、オレフィン樹脂系アンカーコート剤、フッ素樹脂系アンカーコート剤、ゴム系アンカーコート剤、でんぷん系アンカーコート剤、ユリア樹脂系アンカーコート剤、メラミン樹脂系アンカーコート剤、フェノール樹脂系アンカーコート剤、ポリアロマティック系アンカーコート剤、ポリサルファイド系アンカーコート剤が挙げられる。
ウレタン系アンカーコート剤とは、ウレタン結合を有するアンカーコート剤であり、1液硬化型ウレタン系アンカーコート剤と、2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤に分けられる。
1液硬化型ウレタン系アンカーコート剤とは、水分や熱等を加えることで硬化するアンカーコート剤であり、湿気硬化型アンカーコート剤、ブロック型アンカーコート剤、ラッカー型アンカーコート剤に分けられる。
湿気硬化型アンカーコート剤とは、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーであり、空気中の水分と反応して硬化する。
ブロック型アンカーコート剤とは、主成分である活性水素を有するポリオール成分と、ポリイソシアネート中のイソシアネート基がブロック剤でマスクされた成分とをあらかじめ混合して1液化されたものであり、ブロック剤が解離する温度(通常140℃〜200℃)まで加熱すると、活性イソシアネート基が再生され、これがポリオール成分と反応して強靭な塗膜を形成する。
ラッカー型アンカーコート剤とは、高分子量化されたポリウレタン溶液であり、溶剤を揮発させるだけで塗膜を得ることができる。
2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤とは、イソシアネート基を有する化合物と活性水素化合物からなるアンカーコート剤であり、イソシアネート基を有する化合物を含有する液と、活性水素化合物を含有する液とを混合することで硬化するアンカーコート剤である。
イソシアネート基を有する化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。活性水素化合物とは、一分子中に、活性水素基である水酸基を2個以上有し、カルボキシル基を有さない化合物であり、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール、ジオールと二塩基酸等の二つのモノマーの反応により生成するポリエステル、ポリ−β−メチル−δ−バレロラクトン、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオールが挙げられる。
活性水素化合物としては、数平均分子量が300以上100000以下の化合物を用いることが好ましい。
2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤中のイソシアネート化合物と活性水素化合物の混合比は、イソシアネート基と、活性水素化合物に含まれる水酸基とのモル比により決定することが好ましい。イソシアネート基のモル数をAN、活性水素化合物の活性水素基のモル数をBNとすると、該活性水素基のモル数に対するイソシアネート基のモル数の比R(R=AN/BN)は、本発明の基材層と後述の第1の層との接着性の観点から、0.001以上であることが好ましく、ブロッキング防止の観点から1000以下であることが好ましい。イソシアネート基および活性水素基の各モル数は、H−NMR、13C−NMRにより定量することができる。具体的には、イソシアネート基のモル数は、イソシアネート基のモル数が既知のサンプルを用い、検量線を求め、算出することができる。また活性水素基のモル数は、活性水素基のモル数が既知のサンプルを用い、検量線を求め、算出することができる。
2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤としては、好ましくは、主鎖にカーボネート骨格を有する2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤である。主鎖にカーボネート骨格を有する2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤とは、イソシアネート基を有する化合物と、活性水素化合物からなるアンカーコート剤であり、イソシアネート基を有する化合物を含有する液と、カーボネート骨格を有する活性水素化合物を含有する液とを混合することで硬化するアンカーコート剤である。該カーボネート骨格は、環状カーボネート骨格であっても良い。
シリコーン系アンカーコート剤とは、オルガノポリシロキサンを主成分とするアンカーコート剤であり、縮合硬化型アンカーコート剤と付加硬化型アンカーコート剤とに分けられる。
縮合硬化型アンカーコート剤とは、末端に水酸基やエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンと、架橋剤とを混合した混合物であり、空気中の水分と反応することで硬化する。前記オルガノポリシロキサンの代わりに、アルキルオキシシラン等のオキシシラン化合物を含有するものであっても良い。
付加反応型アンカーコート剤とは、末端にビニル基を有するポリオルガノシロキサンと、架橋剤とからなる2液型であり、触媒を加えて加熱することで硬化する。末端にメチルジメトキシシリル基を有するポリプロピレンオキサイド等も用いることができる。
シラン系アンカーコート剤とは、有機物反応基と、加水分解してシラノール基を生成するシランアルコキシドユニットとを有する化合物である。前記有機物反応基としては、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基、イソシアネート基等が挙げられる。前記シランアルコキシドユニットとしては、メトキシシラン、エトキシシラン等が挙げられる。
エステル樹脂系アンカーコート剤とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の主鎖にエステル結合を有する樹脂の側鎖に、水酸基および/またはカルボキシル基を有する化合物である。
1液硬化型エポキシ系アンカーコート剤とは、エポキシ化合物と、ブロック剤でマスクされたアミンと、ブロック剤でマスクされたカルボン酸とを、あらかじめ混合して1液化されたものである。ブロック剤が解離する温度(通常140℃〜200℃程度)まで加熱すると、活性アミンや活性カルボン酸が再生され、これがエポキシ化合物と反応して強靭な塗膜を形成する。
アクリル系アンカーコート剤とは、アクリル酸またはアクリル酸誘導体等のアクリルモノマーを主成分とするアンカーコート剤である。アクリルモノマーに加えて、エラストマー、触媒等を含んでいるものが多い。前記アンカーコート剤としては、化学反応が起こらずに硬化するものや、重合反応によって硬化するものが存在する。重合反応によって硬化するものは、例えば、有機過酸化物等の硬化剤と混合して用いられる。
オレフィン樹脂系アンカーコート剤とは、オレフィン樹脂を主成分とするアンカーコート剤であり、水酸化カルシウム等の金属酸化物を含んでいても良い。該オレフィン樹脂としては、オレフィン単独重合体または2種類以上のオレフィンを重合して得られるオレフィン共重合体が挙げられる。該オレフィンとしては、特に炭素数2〜20のオレフィンが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ドデカデセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
該オレフィン樹脂は、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルと、前記オレフィンとの共重合体であっても良く、前記オレフィン単独重合体または前記オレフィン共重合体を、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体で変性した樹脂であっても良い。
フッ素樹脂系アンカーコート剤とは、フッ素樹脂を主成分とするアンカーコート剤である。該フッ素樹脂としては、フッ素化エポキシ化合物やフッ素化エポキシアクリレートが挙げられる。
ゴム系アンカーコート剤とは、ゴムを主成分とするアンカーコート剤であり、クロロプレン系アンカーコート剤、スチレン−ブタジエンゴム系アンカーコート剤、ニトリルゴム系アンカーコート剤に分けられる。該ゴム系アンカーコート剤は、フェノール樹脂や塩化ビニルを配合したものであってもよい。
クロロプレン系アンカーコート剤としては、クロロプレンゴムとフェノール樹脂とを主成分とするもの、クロロプレンゴムにアルキルフェノール樹脂を添加したもの、クロロプレンゴムにメチルメタクリレートをグラフト重合したものが挙げられる。
スチレン−ブタジエンゴム系アンカーコート剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体とスチレン−イソプレン共重合体を含有するものが挙げられる。該共重合は、ランダム共重合であっても良く、ブロック共重合であって良い。
ニトリルゴム系アンカーコート剤とは、ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体からなる樹脂を主成分とするアンカーコート剤である。
でんぷん系アンカーコート剤とは、でんぷんを主成分とするアンカーコート剤である。該でんぷんは、粉体でんぷんを加熱することで得られる焙焼デキストリンや、でんぷんを酸で処理することで得られる白化デキストリンであっても良く、でんぷんを酸化剤によって酸化し、必要に応じてカルボキシル基等の官能基を導入した酸化でんぷんや、酵素変性でんぷん等の変性でんぷんであっても良い。また、該でんぷんは、アクリル樹脂等を、ポリイソシアネートを介して間接的にグラフト重合させたものでも良く、アクリル酸及び光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂をグラフト重合させたものであっても良い。前記アンカーコート剤は、でんぷんまたは変性でんぷん、およびセルロース誘導体を組合せたポリマーブレンドであっても良い。また、β−ジケトン類、アセト酢酸エステル類、マロン酸エステル類、β位に水酸基を持つケトン類、β位に水酸基を持つアルデヒド類及びβ位に水酸基を持つエステル類から選ばれる少なくとも一種のブロック剤を含有してなる硬化型でんぷん組成物であっても良い。
前記でんぷん系アンカーコート剤は、ポリイソシアネート硬化剤、でんぷんを除く植物由来の樹脂、金属錯体等を含んでいるものでも良い。
ユリア樹脂系アンカーコート剤とは、尿素樹脂を主成分とするアンカーコート剤であり、尿素とホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られるアンカーコート剤である。前記ユリア樹脂系アンカーコート剤は、少量の塩化アンモニウムを添加することで硬化する。
メラミン樹脂系アンカーコート剤とは、メラミン(シアヌリル酸アミド)を主成分とするアンカーコート剤であり、メラミンとホルムアルデヒドを重縮合させることで得られるアンカーコート剤である。メラミン樹脂系アンカーコート剤は、前記ユリア樹脂系アンカーコート剤や、後述のフェノール樹脂系アンカーコート剤と混合して用いても良い。
フェノール樹脂系アンカーコート剤とは、フェノール樹脂を主成分とするアンカーコート剤であり、フェノールとホルムアルデヒドを縮重合させることによって得られるアンカーコート剤である。前記フェノール樹脂系アンカーコート剤は、レゾール型フェノール樹脂を主成分とするものであっても良い。
ポリアロマティック系アンカーコート剤とは、芳香族ポリイミド類の低分子ポリマーを主成分とするアンカーコート剤である。
ポリサルファイド系アンカーコート剤とは、ポリサルファイドと硬化剤とからなるアンカーコート剤である。
各アンカーコート剤のより詳細な説明は、「身の回りの製品に含まれる化学物質シリーズ 接着剤」(独立行政法人 製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター発行)、接着剤読本(日本接着剤工業会発行)、「表面処理技術ハンドブック 接着・塗装から電子材料まで」(株式会社エヌ・ティー・エス発行)、「産業科学シリーズ 接着と接着剤」(大日本図書株式会社発行)に記載されている。
本発明のアンカーコート剤として、接着性の観点から、好ましくは、2液硬化型ウレタン系、アンカーコート剤オレフィン樹脂系アンカーコート剤、エステル樹脂系アンカーコート剤、シラン系アンカーコート剤である。
本発明のアンカーコート剤は1種類のみを使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
2種類以上のアンカーコート剤を組み合わせて使用する場合、2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤とシラン系アンカーコート剤との組み合わせ、オレフィン樹脂系アンカーコート剤とシラン系アンカーコート剤との組み合わせ、またはゴム系アンカーコート剤とシラン系アンカーコート剤との組み合わせが好ましい。
本発明のアンカーコート剤は、無溶剤であっても良く、各種溶剤にて希釈して用いてもよい。また光硬化型、熱硬化型、常温硬化型のいずれであってもよく、光、熱、温度の組み合わせにより硬化するものであってもよい。また粘着付与剤、可塑剤、充填剤、増粘剤、顔料、酸化防止剤、消泡剤、難燃剤、防腐剤等の添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤、溶剤については、「身の回りの製品に含まれる化学物質シリーズ 接着剤」(独立行政法人 製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター発行)、接着剤読本(日本接着剤工業会発行)、「表面処理技術ハンドブック 接着・塗装から電子材料まで」(株式会社エヌ・ティー・エス発行)、「産業科学シリーズ 接着と接着剤」(大日本図書株式会社発行)に記載されている。
[第1の層]
本発明の第1の層は、第1の無機層状化合物と、第1の樹脂成分とを含む層である。
第1の無機層状化合物とは、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を形成している化合物である。層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス力等の弱い結合力によってほぼ平行に積み重なった構造である。無機層状化合物として、液体媒体への膨潤性、劈開性を有する粘土鉱物が好ましく用いられる。
粘土鉱物は、一般に(i)シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属とした八面体層を有する2層構造を有するタイプと、(ii)シリカの四面体層が、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属とした八面体層を両側から挟んでなる3層構造を有するタイプに分類される。(i)の2層構造タイプの粘土鉱物としては、カオリナイト−蛇紋石族の粘土鉱物が挙げられる。(ii)の3層構造タイプの粘土鉱物としては、層間カチオンの数によって、タルク−パイロフィライト族、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族、脆雲母族、緑泥石族の粘土鉱物が挙げられる。
本発明の粘土鉱物は、単独で用いても良く、2種類以上用いても良い。
カオリナイト−蛇紋石族としては、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、リザーダイト、アメサイト、バーチェリン、クロンステダイト、ネポーアイト、ケリアイト、フレイポナイト、ブリンドリアイト等が挙げられる。
タルク−パイロフィライト族としては、タルク、ウィレムサイト、ケロライト、ピメライト、パイロフィライト、フェリパイロフィライトが挙げられる。
スメクタイト族としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライト、ボルコンスコアイト、スインホルダイトが挙げられる。
バーミキュライト族としては、3八面体型バーミキュライト、2八面体型バーミキュライトが挙げられる。
マイカ族としては、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、金雲母、黒雲母、鉄雲母、イーストナイト、シデロフィライトテトラフェリ鉄雲母、鱗雲母、ポリリシオナイト、セラドン石、鉄セラドン石、鉄アルミノセラドン石、アルミノセラドン石、砥部雲母、パラゴナイト、レピドライトが挙げられる。
脆雲母族としては、ザンソフィライト、クリントナイト、ビテ雲母、アナンダ石、真珠雲母、マーガイラトが挙げられる。
緑泥石族としては、クリノクロア、シャモサイト、ペナンタイト、ニマイト、ベイリクロア、ドンバサイト、クッケアイト、スドーアイトが挙げられる。
また、前記粘土鉱物を有機物でイオン交換等の処理し、分散性等を改良したもの(朝倉書店、「粘土の事典」参照;以下、有機修飾粘土鉱物と称する場合もある)も無機層状化合物として用いることができる。該有機物としては、公知のジメチルジステアリルアンモニウム塩やトリメチルステアリルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩やホスホニウム塩、イミダゾリウム塩を用いることができる。
前記粘土鉱物の中でも、(ii)の3層構造タイプの粘土鉱物であるスメクタイト族、バーミキュライト族およびマイカ族の粘土鉱物が好ましい。スメクタイト族としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライトが好ましい。
本発明の第1の無機層状化合物のアスペクト比は、多層構造体のガスバリア性の観点から、20以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましく、200以上であることがさらに好ましい。また、膨潤し劈開させやすく、製膜性の観点から、本発明の第1の無機層状化合物のアスペクト比は、10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましく、3000以下であることがさらに好ましい。
本発明の第1の無機層状化合物は、透明性、製膜性の観点から、平均粒径が5μm以下であることが好ましい。特に、本発明の多層構造体を透明性が求められる製品に用いる場合は、無機層状化合物の平均粒径は1μm以下であることが好ましい。なお、該無機層状化合物のアスペクト比および平均粒径とは、無機層状化合物を膨潤かつ劈開させる液体媒体と、無機層状化合物とを含む無機層状化合物分散液中での値である。
本発明において、無機層状化合物のアスペクト比(Z)は、式:Z=L/aで定義される。式中、Lは無機層状化合物の平均粒径を、aは無機層状化合物の単位厚さ、即ち、無機層状化合物の単位結晶層の厚みを示し、Lおよびaはそれぞれ粉末X線回析法(「機器分析の手引き(a)」(1985年、化学同人社発行、塩川二朗監修)69頁参照)により求められる。
無機層状化合物の平均粒径Lとは、液体媒体中の回折/散乱法により求めた粒径(体積基準のメジアン径)である。すなわち、無機層状化合物の分散液に光を通過させたときに得られる回折/散乱パターンから、ミー散乱理論等により、上記回折/散乱パターンに妥当な粒度分布を計算することにより求めることができる。具体的には、粒度分布の測定範囲を適当な区間に分け、それぞれの区間について、代表粒子径を決定し、本来連続的な量である粒度分布を離散的な量に変換させて計算する方法が挙げられる。
本発明の第1の無機層状化合物の膨潤値は、多層構造体のガスバリア性の観点から、5以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。また、本発明の第1の無機層状化合物の多層構造体の劈開値は、ガスバリア性の観点から、5以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。
〔膨潤性試験〕
前記膨潤値とは、以下の手順により求められる値である。
100mlメスシリンダーに液体媒体100mlを入れ、これに無機層状化合物2gを徐々に加える。23℃にて24時間静置後、上記メスシリンダー内における無機層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から無機層状化合物分散層の体積(ml)を読む。この値が膨潤値であり、膨潤値が大きい程、膨潤性が高いことを示す。
〔劈開性試験〕
前記劈開値とは、以下の手順により求められる値である。
無機層状化合物30gを液体媒体1500ml中に徐々に加え、分散機にて、周速8.5m/分、23℃で90分間分散させた後、この分散液100mlをメスシリンダーに採取する。60分静置後、上記メスシリンダー内における層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から無機層状化合物分散層の体積(ml)を読む。この値が劈開値であり、劈開値が大きい程、劈開性が高いことを示す。
本発明の第1の無機層状化合物が,親水性の膨潤性無機層状化合物の場合、第1の無機層状化合物を膨潤し劈開させる溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトンが挙げられる。特に、水、アルコール類、水−アルコール類混合物が好ましい。
また、第1の無機層状化合物が有機修飾無機層状化合物の場合、第1の無機層状化合物を膨潤し劈開させる溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素類、クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、メタクリル酸メチル、フタル酸ジオクチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、シリコンオイルが挙げられる。
本発明の第1の層に含まれる第1の樹脂成分としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、多糖類、ポリアクリル酸およびそのエステル類、ウレタン系樹脂が挙げられる。該第1の樹脂成分は、水溶性の樹脂成分であり、かつ2種類以上の官能基を含む樹脂成分であることが好ましい。水溶性の樹脂成分とは、第1の樹脂成分1gを前述の水系媒体1000gに加え、分散機にて、周速8.5m/分、95℃で90分間攪拌させた後、目視にて溶け残りが無い樹脂成分を指す。
前記2種類以上の官能基を含む樹脂成分は、一分子中に2種類以上の官能基を含む樹脂成分であっても良いし、第1の官能基を含む樹脂成分と第2の官能基を含む樹脂成分との混合物であっても良い。
前記官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、カルボキシレート基、アンモニウム基等の極性基であることが好ましく、また該官能基同士が共有結合、またはイオン結合することが好ましい。
本発明の第1の樹脂成分が、一分子中に2種類以上の官能基を含む樹脂成分である場合、前記第1の樹脂成分としては、ビニルアルコール−アクリル酸共重合体、ビニルアルコール−メタアクリル酸共重合体、ビニルアルコール−ビニルアミン共重合体、アクリル酸−ビニルアミン共重合体、メタアクリル酸−ビニルアミン共重合体が挙げられる。
本発明の第1の樹脂成分が、第1の官能基を含む樹脂成分と第2の官能基を含む樹脂成分との混合物である場合、前記第1の樹脂成分としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、およびポリビニルアミンからなる群より選ばれる2種類以上の化合物の組み合わせが挙げられる。
本発明の第1の樹脂成分としては、水系の液体媒体に対する溶解しやすさ、取り扱いの容易さ、多層構造体の耐水性、ガスバリア性、耐傷付性の観点から、水酸基とカルボキシル基を含む樹脂成分であることが好ましい。ただし、「水酸基」に、カルボキシル基中の「−OH」は含まない。
前記水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分は、一分子中に水酸基とカルボキシル基とを含む樹脂成分であっても良い。一分子中に水酸基とカルボキシル基とを含む樹脂成分としては、ビニルアルコール−アクリル酸共重合体や、ビニルアルコール−メタアクリル酸共重合体が挙げられる。
前記水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分としては、水酸基を含む樹脂成分とカルボキシル基を含む樹脂成分とを含有する樹脂成分であっても良い。
水酸基を含む樹脂成分としては、ポリビニルアルコール、多糖類が挙げられる。
ポリビニルアルコールとは、ビニルアルコールに由来する単量体単位を主成分として有するポリマーである。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニル、ポリトリフルオロ酢酸ビニル、ポリギ酸ビニル、ポリピバリン酸ビニル等のポリカルボン酸ビニルを加水分解することで、またはポリtert−ブチルビニルエーテル、ポリトリメチルシリルビニルエーテル等のポリビニルエーテルを加水分解することで得られる(ポリビニルアルコールの詳細については、例えば、ポバール会編、「PVAの世界」、1992年、(株)高分子刊行会;長野ら、「ポバール」、1981年、(株)高分子刊行会を参照することができる)。
ポリビニルアルコールのケン化度は、多層構造体のガスバリア性の観点から、70モル%以上が好ましく、85モル%以上のものがより好ましく、98%モル以上がさらに好ましい。該ケン化度は、以下の式で求めることができる。
ケン化度(モル%)={(ポリビニルアルコール中の水酸基の数)/(ポリビニルアルコール中に残存しているエステル結合を有する部位またはエーテル結合を有する部位の数と、水酸基との合計数)}×100・・・(式)
また、ポリビニルアルコールの重合度は、第1の塗工液を用いて第1の層を形成する際の造膜性の観点から、100以上5000以下、200以上3000以下であることが好ましい。
また、水酸基やカルボキシル基以外に、さらに官能基を有するポリビニルアルコール誘導体を用いても良い。水酸基やカルボキシル基以外の官能基として、例えば、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシレート基、スルホン酸イオン基、リン酸イオン基、アンモニウム基、ホスホニウム基、シリル基、シロキシ基、アリル基、フルオロアルキル基、アルコシキ基、カルボニル基、ハロゲン等が挙げられる。ポリビニルアルコール中の水酸基の一部が、1種または2種以上の前記官能基に置き換わっていても良い。
多糖類とは、種々の単糖類の縮重合によって生体系で合成される生体高分子であり、それらをもとに化学修飾したものも含まれる。たとえば、セルロースおよびヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、アミロース、アミロペクチン、プルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサン等が挙げられる。
前記カルボキシル基を含む樹脂成分としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、ポリメタアクリル酸部分中和物、アクリル酸−メタアクリル酸共重合体が挙げられる。これらは、単独でも良く、2種類以上用いても良い。カルボキシル基を含む樹脂成分の重量平均分子量は、後述の第1の塗工液を用いて第1の層を形成する際の造膜性や、多層構造体の耐傷付性の観点から、2000以上10000000以下が好ましく、5000以上10000000以下がより好ましい。
ポリアクリル酸部分中和物またはポリメタアクリル酸部分中和物は、ポリアクリル酸またはポリメタアクリル酸の水溶液に後述のアルカリ金属イオン供与化合物を添加して中和し、カルボキシル基の一部をアルカリ金属塩とすることにより得ることができる。これらは、ポリアクリル酸またはポリメタアクリル酸と、アルカリ金属イオン供与化合物の物質量比を調節することにより、所望の中和度とすることができる。該中和度は以下の式により算出される。
中和度=(A/B)×100
A:ポリアクリル酸部分中和物またはポリメタアクリル酸部分中和物1g中の、中和されて金属塩となったカルボキシル基のモル数
B:ポリアクリル酸部分中和物またはポリメタアクリル酸部分中和物1g中の、カルボキシル基と、中和されて金属塩となったカルボキシル基との合計モル数
またポリアクリル酸部分中和物またはポリメタアクリル酸部分中和物は、ポリアクリル酸完全中和物またはポリメタアクリル酸完全中和物の水溶液と、水素イオン型イオン交換樹脂とを接触させることによっても得ることができる。接触させる方法としては、ポリアクリル酸完全中和物またはポリメタアクリル酸完全中和物の水溶液と、水素イオン型イオン交換樹脂と混合し、攪拌した後に、該水素イオン型イオン交換樹脂の残渣を取り除く方法が挙げられ、該方法ではポリアクリル酸完全中和物またはポリメタアクリル酸完全中和物と水素イオン型イオン交換樹脂との量比、水溶液温度、攪拌時間を調製することにより、所望の中和度とすることができる。またポリアクリル酸完全中和物またはポリメタアクリル酸完全中和物の水溶液を、水素イオン型イオン交換樹脂が充填されたカラム中に通液する方法も挙げられ、該方法ではカラム長、通液速度、水溶液温度を調整することにより、所望の中和度とすることができる。また中和度は以下の式により算出される。
中和度=(C/D)×100
C:ポリアクリル酸部分中和物またはポリメタアクリル酸部分中和物1g中の、金属塩として存在するカルボキシル基のモル数
D:ポリアクリル酸部分中和物またはポリメタアクリル酸部分中和物1g中の、イオン交換により生成したカルボキシル基と、金属塩として存在するカルボキシル基との合計モル数
ポリアクリル酸部分中和物およびポリメタアクリル酸部分中和物の中和度は、本発明の多層構造体の耐水性、透明性の点から、0.1%以上20%以下であることが好ましい。
水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分における水酸基の物質量は、30モル%以上95モル%以下であり、好ましくは、70モル%以上95モル%以下である。水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分におけるカルボキシル基の物質量は、5モル%以上70モル%以下であり、好ましくは、5モル%以上30モル%以下である。ただし、水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量との合計を100モル%とする。
水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分における水酸基の物質量およびカルボキシル基の物質量は、公知のNMR法、IR法等により求めることができる。例えば、IR法であれば、水酸基とカルボキシル基のモル比が既知のサンプルを用い、検量線を求め、算出することができる。水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分が、ケン化度が98モル%以上のビニルアルコール単独重合体と、アクリル酸単独重合体および/またはメタアクリル酸単独重合体を用いる場合は、それぞれの質量から、水酸基の物質量およびカルボキシル基の物質量を算出することができる。
水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分における水酸基の質量とカルボキシル基の質量の合計は、本発明の多層構造体の耐水性、ガスバリア性、耐傷付性の観点から、30質量%以上60質量%以下であることが好ましく、35質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。ただし、該水酸基とカルボキシル基とを含む樹脂成分の質量を100質量%とする。該カルボキシル基とは、中和されて金属塩となった前述のカルボキシル基も含む。
水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分に含まれる水酸基の質量とカルボキシル基の質量の合計は、公知のNMR法、IR法等により求めることができる。例えば、IR法であれば、ポリオールユニット数が既知であるポリオール重合体および、ポリカルボン酸ユニット数が既知であるポリカルボン酸重合体を用いて検量線を求め、算出することができる。ケン化度が98モル%以上のビニルアルコール単独重合体と、アクリル酸単独重合体および/またはメタアクリル酸単独重合体を用いる場合は、それぞれの質量から、水酸基の質量およびカルボキシル基の質量を求め、その合計量を用いることができる。
本発明の第1の層における第1の無機層状化合物の体積は、5体積%以上90体積%以下であり、後述の第1の塗工液を用いて第1の層を形成する際の造膜性や、第1の層の柔軟性の観点から、好ましくは、5体積%以上50体積%以下であり、より好ましくは、10体積%以上30体積%以下である(ただし、第1の層の体積を100体積%とする)。
本発明の第1の層における第1の樹脂成分の体積は、10体積%以上95体積%以下であり、後述の第1の塗工液を用いて第1の層を形成する際の造膜性や、第1の層の柔軟性の観点から、好ましくは、50体積%以上95体積%以下であり、より好ましくは、30体積%以上90体積%以下である(ただし、第1の層の体積を100体積%とする)。
本発明の第1の樹脂成分が、水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分である場合、本発明の多層構造体の耐水性、ガスバリア性、耐傷付性の点から、第1の層は、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンを含むことが好ましい。
アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。
アルカリ土類金属イオンとしては、カルシウムイオンやマグネシウムイオンが挙げられる。
第1の層が、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンを含む場合、その含有量は、0.2質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.2質量部以上2質量部以下であることがより好ましい。ただし、該第1の層に含まれる樹脂の質量を100質量部とする。
前記アルカリ金属イオンは、アルカリ金属イオン供与化合物に由来し、前記アルカリ土類金属イオンは、アルカリ土類金属イオン供与化合物に由来する。本発明の第1の樹脂成分が水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分である場合、第1の層はアルカリ金属イオン供与化合物またはアルカリ土類金属イオン供与化合物を含むことが好ましい。
アルカリ金属イオン供与化合物としては、水酸化ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムが挙げられる。
アルカリ土類金属イオン供与化合物としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウムが挙げられる。
これらは単独で用いても良く、2種類以上用いても良い。
無機層状化合物として用いられるモンモリロナイトは、その層間にナトリウムイオンが含まれているため、アルカリ金属イオン供与化合物としても作用する。したがって、本発明の第1の樹脂成分が、水酸基およびカルボキシル基を含む樹脂成分である場合、本発明の無機層状化合物として、モンモリロナイトを用いることが好ましい。
第1の層は、さらに可塑剤を添加しても良い。該可塑剤を添加することで、熱成形時の延伸性に優れる多層構造体を得ることができる。該可塑剤とは、ヒドロキシ酸、または分子内の連続する2個以上の炭素原子のそれぞれに水酸基が少なくとも1個ずつ結合している化合物(以下、化合物Iとする)である。
ヒドロキシ酸としては、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸等の脂肪族ヒドロキシ酸、サリチル酸、クマル酸等の芳香族ヒドロキシ酸が挙げられる。
前記化合物Iとしては、ポリソルビトール、ポリマンニトール、ポリズルシトール、ポリキシリトール、ポリエリトリトール、ポリグリセリン等の多価アルコールの多量体が挙げられる。前記化合物Iの分子量は、200以上4000以下であり、水への溶解性の点や、熱成形時の延伸性の点から、350以上3000以下であることが好ましく、500以上2500以下であることがより好ましい。
これらの可塑剤は一部がエステル化されているものでも良く、2種類以上を併用しても良い。
水への溶解性の点や、熱成形時の延伸性の点から、前記可塑剤として、ポリグリセリン、乳酸が好ましい。
第1の層は、目的や用途に応じて、公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、アンチブロッキング剤、着色剤などの添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特にシリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機酸化物の微粒子を含むことで、本発明のアンカーコート層と第1の層との接着性や、本発明の第1の層と後述の第2の層との接着性が良好となる。該微粒子の粒径は、接着性の観点から、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上5μm以下であることがより好ましい。該微粒子の含有量は、第1の層の体積を100体積%としたとき、接着性の観点から、10体積%以下であることが好ましく、7体積%以下であることが好ましい。
[第2の層]
本発明の第2の層は、第2の樹脂成分を含む層である。
第2の樹脂成分としては、1液硬化型ウレタン樹脂、主鎖にカーボネート骨格を有する2液硬化型ウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、シラン樹脂、エステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、フッ素樹脂、でんぷん、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アロマティック樹脂、サルファイド樹脂が挙げられる。これらの樹脂の詳細は、前述のアンカーコート剤に用いられる樹脂と同様である。アンカーコート層と第2の層は同じ樹脂成分であってもよく、異なる樹脂成分であってもよい。また、第2の樹脂成分は、前述の第1の層に用いられる第1の樹脂成分と同じ樹脂成分であっても良い。
本発明の第2の樹脂成分として、接着性の観点から、好ましくは、2液硬化型ウレタン系樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂、第1の樹脂成分である。
第2の樹脂成分は、1種類のみを使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
2種類以上の樹脂成分を使用する場合、2液硬化型ウレタン系樹脂とシラン樹脂との組み合わせ、フッ素樹脂とシラン樹脂との組み合わせ、エポキシ樹脂とシラン樹脂との組み合わせ、オレフィン樹脂とシラン樹脂との組み合わせ、第1の樹脂成分とシラン樹脂との組み合わせが好ましい。
第2の層は、前記第1の無機層状化合物、可塑剤、アルカリ金属イオン等を添加しても良い。可塑剤、アルカリ金属イオンの詳細は、前述の可塑剤およびアルカリ金属イオンと同様である。
第2の層が可塑剤を含有する場合、熱成形時の延伸性の点から、第2の層に含まれる可塑剤の含有量は、第2の樹脂成分100質量部に対して20質量部以上150質量部以下であることが好ましく、25質量部以上120質量部以下であることがより好ましく、40質量部以上120質量部以下であることがさらに好ましく、60質量部以上110質量部以下であることが最も好ましい。
[多層構造体]
本発明の多層構造体は、基材層とアンカーコート層と第1の層が、この順に配置され、基材層とアンカーコート層が隣接し、アンカーコート層と第1の層が隣接している構造体、または基材層とアンカーコート層と第1の層と第2の層が、この順に配置され、基材層とアンカーコート層が隣接し、アンカーコート層と第1の層が隣接し、第1の層と第2の層が隣接している構造体である。
本発明に係る多層構造体におけるアンカーコート層、第1の層の厚みはいずれも、0.05μm以上20μm以下の範囲であり、0.1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましい。また本発明に係る多層構造体が第2の層を有する場合、アンカーコート層、第1の層、第2の層の厚みはいずれも、通常0.05μm以上10μm以下の範囲であり、第1の層の厚みが、該第2の層の厚みよりも薄いことが好ましい。
本発明の多層構造体は、前記アンカーコート層、第1の層や第2の層に加えて、無機層状化合物を含む追加層をそれぞれ複数層有していてもよい。該追加層は、樹脂成分を含んでいても良い。その構成としては、例えば、
(1)基材層/アンカーコート層/第1の層/第2の層/追加層A
(2)基材層/アンカーコート層/第1の層/第2の層/追加層B/追加層C
(3)基材層/アンカーコート層/第1の層/第2の層/追加層D/追加層E/追加層F、
等が挙げられる。
ここで追加層A、B、C、D、E、Fは、それぞれアンカーコート層、第1の層または第2の層と同じ組成であってもよい。また上記アンカーコート層、第1の層、第2の層、追加層は基材層の片面のみに設けられていても良く、両面に設けられていても良い。
[乾熱処理体]
本発明の多層構造体中の第1の樹脂成分が、2種類以上の官能基を有する樹脂成分を含む場合、耐水性、ガスバリア性、耐傷つき性を向上するために、該多層構造体を乾熱処理して、乾熱処理体とすることが好ましい。乾熱処理とは、80℃以上300℃以下、水蒸気濃度が50g/m未満の雰囲気下で保持する処理である。乾熱処理温度は、好ましくは120℃以上、200℃以下であり、さらに好ましくは130℃以上、180℃以下である。乾熱処理する時間は通常1秒間〜1時間である。乾熱処理時の水蒸気濃度は、好ましくは0g/m以上40g/m以下である。乾熱処理する方法としては、例えば熱ロールと接触する方法、空気等の熱媒と接触する方法、赤外線により加熱する方法、マイクロ波により加熱する方法等が挙げられる。また本発明に係る多層構造体を後述の熱成形する際は、熱成形時の加熱処理を該乾熱処理とすることができる。
[湿熱処理体]
本発明の多層構造体中の第1の樹脂成分が、2種類以上の官能基を有する樹脂成分を含む場合、耐水性、ガスバリア性、耐傷つき性を向上するために、前記乾熱処理体を湿熱処理して、湿熱処理体とすることが好ましい。湿熱処理とは、80℃以上の水中で保持する処理、または100℃以上の温度で水蒸気濃度が290g/m3超の雰囲気下で保持する処理である。湿熱処理する時間は、通常1秒間以上1時間以下である。100℃以上の温度で水蒸気濃度が290g/m3超の雰囲気下で処理する場合、温度は120℃以上200℃以下が好ましく、水蒸気濃度は500g/m以上20000g/m以下が好ましい。80℃以上の水中で処理する場合、温度は100℃以上140℃以下が好ましい。前記湿熱処理を施す前に、前記乾熱処理体を、例えば、23℃、湿度50%RH条件下でエージングしてもよい。
湿熱処理体に含まれる水分を除去するために、湿熱処理後に乾燥処理を施してもよい。乾燥処理は、通常、湿度50%RH以下、温度20℃以上100℃以下で、1秒以上24時間以下で行う。
[多層構造体の製造方法]
本発明の多層構造体の製造方法としては、多層構造体そのものを共押出しにより製造する方法や、予め押出し法や射出成形法等の公知の方法で成形した基材層とアンカーコート層とからなる積層体と、第1の層とを接着する方法や、予め押出し法や射出成形法等の公知の方法で成形した基材層と、予めアンカーコート層と第1の層とを積層した積層体とを接着する方法等が挙げられるが、溶媒とアンカーコート剤とを含むアンカーコート塗工液を基材層上に塗工し、アンカーコート塗工膜を形成し、次いでアンカーコート塗工膜から前記溶媒を除去してアンカーコート層を前記基材層上に形成する工程、次いで第1の液体媒体とそれに含まれた前記第1の無機層状化合物、第1の樹脂成分からなる第1の塗工液を前記アンカーコート層上に塗工し、第1の塗工膜を形成し、次いで第1の塗工膜から第1の液体媒体を除去して、第1の層を前記基材層上に形成する工程を含むことが好ましい。
また本発明の多層構造体が、さらに第2の層を有する場合は、上記方法で成形した基材層と、アンカーコート層と第1の層と第2の層とを積層した積層体とを接着する方法、上記方法で成形した基材層とアンカーコート層とからなる積層体と、予め第1の層と第2の層とを積層した積層体とを接着する方法、上記方法で成形した基材層とアンカーコート層と第1の層とからなる積層体と、第2の層とを接着する方法等が挙げられるが、溶媒とアンカーコート剤とを含むアンカーコート塗工液を基材層上に塗工し、アンカーコート塗工膜を形成し、次いで前記溶媒を除去してアンカーコート層を前記基材層上に形成する工程、次いで第1の液体媒体とそれに含まれた前記第1の無機層状化合物、第1の樹脂成分からなる第1の塗工液を前記アンカーコート層上に塗工し、第1の塗工膜を形成し、次いで第1の塗工膜から前記第1の液体媒体を除去して、第1の層を前記基材層上に形成する工程、さらに第2の液体媒体と第2の樹脂成分とを含む第2の塗工液を第1の層上に塗工し、第2の塗工膜を形成し、次いで第2の塗工膜から前記第2の液体媒体を除去して第2の層を前記第1の層上に形成する工程、を含むことが好ましい。
前記アンカーコート塗工液が、溶媒を含む塗工液である場合の調整方法としては、アンカーコート剤および硬化剤等のそれぞれを、溶媒に溶解または分散させて2つの液を作り、これらを混合する方法や、アンカーコート剤および硬化剤等を1つの溶媒に溶解または分散させる方法等が挙げられる。前記アンカーコート塗工液が、溶媒を含まない塗工液である場合の調整方法としては、アンカーコート剤と硬化剤等を混合する方法が挙げられる。
第1の液体媒体、第1の無機層状化合物および第1の樹脂成分を含む第1の塗工液の調製方法としては、第1の無機層状化合物、第1の樹脂成分のそれぞれを、第1の液体媒体に溶解あるいは分散させて2つの液を作り、これらを混合する方法や、第1の無機層状化合物および第1の樹脂成分を1つの第1の液体媒体に溶解または分散させる方法等が挙げられる。
本発明の第1の層が可塑剤を含む場合は、第1の無機層状化合物、第1の樹脂成分、可塑剤のそれぞれを、第1の液体媒体に溶解あるいは分散させて2つの液を作り、これらを混合する方法や、第1の無機層状化合物、第1の樹脂成分、可塑剤を1つの第1の液体媒体に溶解または分散させる方法等が挙げられる。
前記第1の塗工液を製造する場合には、該塗工液中の無機層状化合物を液体媒体に十分に膨潤し劈開させるために、高圧分散処理により無機層状化合物を液体溶媒に分散させることが好ましい。高圧分散処理とは、無機層状化合物を液体媒体に混合した混合液を複数本の細管中に高速通過させた後に合流させて、前記混合液同士あるいは該混合液と細管内壁とを衝突させることにより、混合液に高剪断および/または高圧を付加する処理方法である。高圧分散処理において、混合液を管径1μm以上1000μm以下の細管中に通過させる際、100kgf/cm2以上の最大圧力が印加されるように処理することが好ましい。最大圧力は500kgf/cm2以上であることがより好ましく、1000kgf/cm2以上であることが特に好ましい。また、混合液が前記細管内を通過する際、該分散液の最高到達速度は100m/s以上であることが好ましく、圧力損失による伝熱速度は100kcal/時間以上であることが好ましい。前記高圧分散処理には、Microfluidics Corporation 社製超高圧ホモジナイザー(商品名:マイクロフルイダイザー)、ナノマイザー社製ナノマイザー、マントンゴーリン型高圧分散装置、イズミフードマシナリ製ホモゲナイザー等の高圧分散装置を用いることができる。高圧分散処理する混合液には、第1の樹脂成分が含有されていてもよい。
前記第1の塗工液には、界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤を含有する第1の塗工液をアンカーコート層の表面に塗工して、第1の層を形成することにより、該第1の層と、アンカーコート層との接着性を向上させることができる。界面活性剤の含有量は、通常、0.001質量%以上5質量%以下である(ただし、第1の塗工液を100質量%とする)。
界面活性剤としては、接着性の観点から、炭素原子数6以上24以下のアルキル鎖を有するカルボン酸のアルカリ金属塩、ポリジメチルシロキサン−ポリオキシエチレン共重合体等のエーテル型の非イオン性界面活性剤(シリコーン系非イオン性界面活性剤)や、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド化合物等のフッ素型非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
第2の液体媒体と第2の樹脂成分とを含む第2の塗工液の調整方法は、第1の塗工液の調整方法と同様である。第2の塗工液として、前述のアンカーコート塗工液を用いても良い。
前記アンカーコート塗工液、第1の塗工液、第2の塗工液を塗工する方法としては、ダイレクトグラビア法、リバースグラビア法などのグラビア法、2本ロールビートコート法、ボトムフィード3本リバースコート法などのロールコーティング法、ドクターナイフ法、ダイコート法、バーコーティング法、ディッピング法、スプレーコート法、カーテンコート法、スピンコート法、フレキソコート法、スクリーンコート法、刷毛や筆を用いて塗布する方法などを適用することができる。容易に層を製造できることからディッピング法、スプレーコート法、グラビア法を採用することが好ましい。なお、第1の塗工膜は、基材表面の一部に形成してもよく、全面に形成してもよい。
ディッピング法とは、基材層を治具で保持し、前記アンカーコート塗工液、第1の塗工液、第2の塗工液中に浸漬し、放置後、引き上げることにより塗工膜を形成する方法である。具体的には、特開2006−239561号公報に記載されている。
前記塗工液中に浸漬する際は、平板状の基材層であれば、液面に対して垂直に浸漬することが好ましく、容器やボトル等の立体形状の基材層であれば、空気だまりの発生を抑えるため、適宜基材層を傾けながら浸漬することが好ましい。浸漬する際の基材層の速度は、通常1nm/sec以上1m/sec以下であり、生産性の点から1μm/sec以上1m/sec以下であることが好ましい。
浸漬後に引き上げる際は、平板状の基材層であれば液面に対して垂直方向に引き上げることが好ましく、容器やボトル等の立体形状の基材層であれば、塗工膜の厚みにムラが生じないよう、適宜基材層の傾けながら引き上げることが好ましい。引き上げる際の基材層の速度は、通常1nm/sec以上1m/sec以下であり、生産性の点から1μm/sec以上1m/sec以下であることが好ましい。引き上げ速度や、塗工液の比重、濃度、粘性によって、塗工膜の厚みが変化する。
前記アンカーコート塗工膜、第1の塗工膜、第2の塗工膜から、溶媒、第1の液体媒体、第2の液体媒体を除去する温度は、20℃以上150℃以下であり、該塗工膜の造膜性の観点から、好ましくは30℃以上140℃以下であり、より好ましくは40℃以上130℃以下、さらに好ましくは50℃以上120℃以下である。該溶媒または第2の液体媒体が水を含まない場合、該第1の液体媒体を除去する温度は、該溶媒を除去する温度よりも高いことが好ましい。溶媒または第1の液体媒体を除去する時間は、通常1秒間以上24時間以下である。溶媒または第1の液体媒体の除去に用いる熱源として、熱ロール接触、空気等の熱媒接触、赤外線加熱、マイクロ波加熱等を適用することができる。
本発明に係る多層構造体は、耐水性、ガスバリア性に優れるため、包装材料や容器として好適であり、また耐傷付き性、耐熱性、光学特性にも優れることから、基板、真空断熱パネル用外装袋、タイヤ、ネジ等の金属部品、木材等の腐食防止や吸湿防止、テープ類、加飾製品として使用することができる。
包装材料としては、フィルム、袋、パウチ、シュリンクラベルが挙げられる。容器としては、ボトル、ボトルキャップ、カートン容器、カップ、皿、トレー、PTP、タンク、チューブ、シリンジが挙げられる。内容物としては、菓子類、加工食品、飲料品等の食品類や、トイレタリー製品、燃料、医薬品、電子部品および電子機器等の非食品類が挙げられる。
基板としては、ディスプレイ用基板、太陽電池用基板が挙げられる。ディスプレイ用基板としては、液晶ディスプレイ用基板、有機EL用などフレキシブルディスプレイ用基板等の前面板および後面板などが挙げられる。太陽電池用基板としては、シリコン型太陽電池用基板あるいは色素増感型太陽電池用基板などの前面板および後面板が挙げられる。
加飾製品としては、住宅外装部品、住宅内装部品、家具用部材、自動車外装部品、自動車内装部品、二輪車外装部品、家電部品、雑貨部品、看板などが挙げられる。住宅外装部品としては、雨樋、玄関化粧カバー、床下換気口などが挙げられる。住宅内装部品としては、インテリアドアユニット、クロゼット折戸ユニット、幅木、畳寄せ、回り縁、造作材、敷居すべり、窓額縁、手すり、床材、壁板、天井板などが挙げられる。家具用部材としては化粧板、引き出し、流し台回りの前面扉、ベットバンパー、テーブル、椅子、各種ケース、照明器具パーツ、額縁が挙げられる。自動車外装部品としては、バンパー、ドアミラー、フェンダーボディが挙げられる。自動車内装部品としては、インスツルメントパネル、ダッシュボード、ドアトリム、ボディーサイドトリムが挙げられる。二輪車外装部品としては、フード、カウリングなどが挙げられる。家電部品としては、冷蔵庫の扉、洗濯機防水バン等が挙げられる。
本発明に係る多層構造体を容器やボトル、加飾製品等の成形体として用いる場合、耐水性、ガスバリア性、耐傷つき性の点から、第2の層を有することが好ましい。同様に、本発明に係る乾熱処理体および湿熱処理体を容器やボトル等の成形体、あるいは加飾製品として用いる場合、耐水性、ガスバリア性、耐傷つき性の点から、第2の層を有する多層構造体の乾熱処理体、湿熱処理体であることが好ましい。
本発明に係る多層構造体の成形方法としては、予め熱成形により、所定の形状に賦形した基材層の少なくとも一方の表面に、アンカーコート層や第1の層を形成し、その後、必要に応じて第2の層を形成する方法や、シートあるいはパリソン等の予備成形した基材層の少なくとも一方の表面にアンカーコート層および第1の層を形成し、必要に応じて第2の層を形成して多層構造体とした後、熱成形により所定の形状に賦形する方法等が挙げられる。該熱成形としては、ブロー成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等が挙げられる。該ブロー成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形としては、例えば、特開平8−238667号公報、特開平5−220913号公報、特開昭54−90265、特開昭61−108542号公報、特開2006−137058号公報、特開2003−53823号公報、特開平2−69213号公報、特開平3−176128号公報、特開平5−104572号公報、特開昭61−249750号公報、特開昭61−244737号公報に記載の方法が挙げられる。
結晶性熱可塑性樹脂を含有する基材層を賦形する場合、多層構造体の温度を100℃以上250℃以下で1〜60秒間保持した後に、基材層または多層構造体の温度が、該結晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度より30℃低い温度以上、該結晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度より30℃高い温度以下である時に、基材層や多層構造体を熱成形することが好ましい。該結晶性熱可塑性樹脂とは、ガラス転移温度および融点が存在する熱可塑性樹脂である。該ガラス転移温度は、示差走査熱量計等を用いて測定することができる。
非晶性熱可塑性樹脂を含有する基材層を賦形する場合、多層構造体の温度を100℃以上250℃以下で1〜60秒間保持した後に、基材層または多層構造体の温度が、該非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度より30℃低い温度以上、該非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度より30℃高い温度以下の範囲内にある時に、基材層や多層構造体を熱成形することが好ましい。該非晶性熱可塑性樹脂とは、ガラス転移温度のみ存在し、融点が存在しない熱可塑性樹脂である。該ガラス転移温度および融点の存在については、示差走査熱量計等を用いて測定することができる。
本発明の多層構造体を加飾製品として使用する場合、シート状の多層構造体を熱成形し、予備賦形品を製造した後、該予備賦形品の基材層側に、可塑化した熱可塑性樹脂を供給し、賦形することにより、成形品を得ることができる。具体的には、第1の層や第2の層を表層として有する多層構造体のいずれかの層が成形用金型のキャビティ内面と接するように密着させてセットした金型キャビティ内に、射出成形法や、射出圧縮成形法、射出プレス成形法等により、可塑化した熱可塑性樹脂を供給し、供給した該熱可塑性樹脂と予備賦形品とが貼合された成形品を得る方法が挙げられる。前記予備賦形品は、熱成形時の加熱処理により、本発明の乾熱処理体となる。
本発明の多層構造体における第1の層が、2種類以上の官能基を有する樹脂成分を含む場合、前記乾熱処理あるいは熱成形の際に加熱処理することにより、該官能基の反応がより進行して耐水性、ガスバリア性、耐傷つき性がより高くなる。第1の層が可塑剤を含む場合、延伸性に優れるため、上記熱成形時に、第1の層の割れを抑えることができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。はじめに、以下の実施例における物性値の測定方法を説明する。
〔厚み測定〕
基材層の厚みは、デジタル厚み計(接触式厚み計、商品名:超高精度デシマイクロヘッド MH−15M、日本光学社製)を用いて測定した。後述の第1の層および無機層状化合物を含む層の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)の断面観察より求めた。
〔粒径測定〕
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LA910、堀場製作所(株)製)を用いて測定した。後述する第1の塗工液中の粘土鉱物の平均粒径をペーストセルにて光路長50μmで測定した。さらに該塗工液を200倍程度に希釈した液中の粘土鉱物の平均粒径をフローセル法にて光路長4mmで測定した。いずれの場合も平均粒径の値は変わらず、塗工液中で粘土鉱物が充分に膨潤し劈開していることを確認した。塗工液の測定値を、第1の層中の粘土鉱物の平均粒径Lとみなした。
〔アスペクト比計算〕
X線回折装置(XD−5A、(株)島津製作所製)を用い、粘土鉱物の回折測定を粉末法により行い、粘土鉱物の単位厚さaを求めた。上述の方法で求めた平均粒径Lを用いて、該粘土鉱物のアスペクト比Zを、Z=L/aの式により算出した。なお第1の塗工液を乾燥したものについてもX線回折測定を行ない、原料の粘土鉱物に比べて、塗工液の乾燥物中の粘土鉱物の面間隔が広がっていたため、樹脂中に粘土鉱物が分散していることを確認した。
〔第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量〕
第1の塗工液において、水酸基を含む樹脂(A1)としてポリビニルアルコール(完全ケン化物)を用い、カルボキシル基を含む樹脂(A2)としてポリアクリル酸を用いた。以下の式(I)および式(II)により、ポリビニルアルコール中の水酸基の物質量(モル)およびポリアクリル酸中のカルボキシル基の物質量(モル)をそれぞれ算出し、それぞれの値を両者の和で除し、モル%単位でそれぞれの物質量を求めた(ただし、水酸基とカルボキシル基との合計物質量を100モル%とする)。
水酸基の物質量(モル)=(樹脂(A1)の質量(g))/(樹脂(A1)を構成するモノマー単位1単位あたりの分子量)・・・式(I)
カルボキシル基の物質量(モル)=(樹脂(A2)の質量(g))/(樹脂(A2)を構成するモノマー単位1単位あたりの分子量)・・・式(II)
上記第1の塗工液中の第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量のそれぞれの値を、該第1の塗工液を用いて形成した層中の第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量の値とした。
〔第1の樹脂成分に含まれる水酸基およびカルボキシル基の合計質量〕
以下の式(III)および式(IV)より水酸基の質量およびカルボキシル基の質量(ただし、第1の樹脂成分の質量を100質量%とする)を算出し、合計した。
水酸基の質量(質量%)=(17/(樹脂(A1)を構成するモノマー単位1単位あたりの分子量))×(樹脂(A1)の質量(g)/第1の樹脂成分の質量(g))×100・・・式(III)
カルボキシル基の質量(質量%)=(45/(樹脂(A2)を構成するモノマー単位1単位あたりの分子量))×(樹脂(A2)の質量(g)/第1の樹脂成分の質量(g))×100・・・式(IV)
第1の塗工液においては、第1の樹脂成分の質量は、樹脂(A1)の質量と樹脂(A2)の質量の和である。
第1の塗工液中の第1の樹脂成分に含まれる水酸基およびカルボキシル基の合計質量の値を、該第1の塗工液を用いて形成した層中の第1の樹脂成分に含まれる水酸基およびカルボキシル基の合計質量の値とした。
〔アルカリ金属イオン濃度測定〕
誘導結合プラズマ発光分析装置(Optima 3000、パーキンエルマー社製)を用いて、塗工液の乾燥物について、ナトリウムイオン濃度を測定し、それぞれ第1の層中のナトリウムイオン濃度を求めた。試料の調整方法は以下のとおりである。第1の塗工液の乾燥物1gずつ採取し、96%硫酸1ml添加した後、電気炉で灰化し、残った残渣物を5%塩酸に溶解させた。該溶液を誘導結合プラズマ発光分析装置に供試し、それぞれナトリウムイオン濃度を測定した。さらに第1の層中のポリビニルアルコールとポリアクリル酸と粘土鉱物との質量比と、上記ナトリウムイオン濃度から、ポリビニルアルコールの質量とポリアクリル酸の質量の合計を100質量部としたときの、アルカリ金属イオンの質量を求めた。
〔接着性試験〕
23℃、90%RHの条件下にて、乾熱処理体中の、第1の層あるいは第2の層の表面に2mm角で10×10個の切れ目を入れ、四隅よりセロファンテープによる剥離試験を行い、残存する目数を評価した。残存する目数が多いほど、第1の層と基材層の接着性や、第1の層と第2の層の接着性が優れていることを示す。
○・・・100個、△・・・99〜50個、×・・・49個以下
〔塗工液の作製〕
(1)第1の塗工液の作製
分散釜(商品名:デスパMH−L、浅田鉄工(株)製)に、イオン交換水(比電気伝導率0.7μs/cm以下)1300gと、ポリビニルアルコール(AQ2117;(株)クラレ製,ケン化度;99.6%、重合度1700)130gとを混合し、低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)で95℃に昇温した。該混合系を同温度で30分間攪拌してポリビニルアルコールを溶解させたのち、60℃に冷却し、ポリビニルアルコール水溶液を得た。該ポリビニルアルコール水溶液(60℃)を前記同様の条件で攪拌しながら、1−ブタノール122g、イソプロピルアルコール122gおよびイオン交換水520gを混合してなるアルコール水溶液を5分間かけて滴下した。滴下終了後、高速攪拌(3000rpm、周速度=8.2m/分)に切り替え、該攪拌系に高純度モンモリロナイト(商品名:クニピアG;クニミネ工業(株)製)82gを徐々に加え、添加終了後、60℃で60分間攪拌を続けた。その後、さらにイソプロパノール243gを15分間かけて加え、次いで該混合系を室温まで冷却し、粘土鉱物含有液を得た。この粘土鉱物含有液に対し、非イオン性界面活性剤(ポリジメチルシロキサン−ポリオキシエチレン共重合体、商品名:SH3746、東レ・ダウコーニング(株)製)0.06質量部(後記塗工液中の液体媒体の質量を100質量部とする)を低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)において添加し、pHが6となるようにイオン交換樹脂で調整し、粘土鉱物分散液を調製した。
またさらに別の分散釜(商品名:デスパMH−L、浅田鉄工(株)製)に、イオン交換水(比電気伝導率0.7μs/cm以下)1067gと、ポリアクリル酸(和光純薬工業(株)製、平均分子量1000000)33gとを混合し、常温にて低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)で樹脂(A3)溶液を作製した。
粘土鉱物分散液2519gと樹脂(A3)溶液1100gを、低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)において徐々に混合して混合液とし、さらに該混合液を高圧分散装置(商品名:超高圧ホモジナイザーM110−E/H、Microfluidics Corporation 製)を用いて、1100kgf/cm2の圧力条件で処理することにより、第1の塗工液を得た。
該第1の塗工液中の劈開したモンモリロナイト平均粒径Lは560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.2156nmであり、アスペクト比Zは460であった。
(2)第2の塗工液の作製
分散釜(商品名:デスパMH−L、浅田鉄工(株)製)に、イオン交換水(比電気伝導率0.7μs/cm以下)1235gと、ポリビニルアルコール(AQ2117;(株)クラレ製,ケン化度;99.6%、重合度1,700)65gとを混合し、低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)で95℃に昇温した。該混合系を同温度で30分間攪拌してポリビニルアルコールを溶解させたのち、60℃に冷却し、ポリビニルアルコール水溶液を得た。ポリビニルアルコール水溶液を攪拌しながら、ポリアクリル酸(和光純薬工業(株)製、平均分子量1000000)16.3gを混合し、常温にて低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)で水溶性樹脂水溶液を作製した。さらに該水溶性樹脂水溶液をpHが6となるようにイオン交換樹脂で調整し、第2の塗工液を調製した。
〔実施例1〕
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:エンブレットPTM;ユニチカ(株)製)を用い、アンカーコート塗工液として、シラン系アンカーコート剤(KBP‐40:信越化学工業(株)製)をエタノールにて固形分濃度を4重量%に調整したものを用いた。該基材層上に、該アンカーコート剤を、バーコータ(♯8)を用いて塗工し、80℃で20分間乾燥することで、アンカーコート層を形成した。次いで、該アンカーコート層上に、前述の第1の塗工液を、バーコータ(♯8)を用いて塗工し、80℃で20分間乾燥することで、第1の層を形成し、基材層、アンカーコート層、第1の層からなる多層構造体を得た。該アンカーコート層の厚みは0.1μm、第1の層の厚みは0.2μmであった。第1の層中のNa濃度は0.7質量部であった。第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量はそれぞれ86モル%と14モル%であり、水酸基およびカルボキシル基の合計質量は43.4%であった。また第1の樹脂成分の比重が1.2、高純度モンモリロナイトの比重が2.4であることから、第1の層の体積を100体積%としたとき、該モンモリロナイトの体積分率は20体積%、第1の樹脂成分の体積は80体積%であった。得られた多層構造体から、210mm×300mmの多層構造体を作製し、150℃、水蒸気濃度5g/m3のオーブン中で60分間、熱処理した後、23℃、50%RH雰囲気下で24時間エージングして、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例2]
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムON−U;ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例1と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例1と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例3]
基材層として、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンフィルム−CT P1146;東洋紡績(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例1と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例1と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例4]
基材層として、厚さ1.5mmの無延伸高密度ポリエチレンシート(商品名:高密度PE EH;積水成形工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例1と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例1と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
〔実施例5〕
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:エンブレットPTM;ユニチカ(株)製)を用い、アンカーコート塗工液として、エステル樹脂系アンカーコート剤(Z‐561:互応化学工業(株)製)と水性イソシアネート(IS−100N:日華化学工業(株))とを重量比で8/0.25で混合し、水/イソプロパノール混合溶媒(重量比1/1)にて固形分濃度を4重量%に調整したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、基材層、アンカーコート層、第1の層からなる多層構造体を得た。該アンカーコート層の厚みは0.1μm、第1の層の厚みは0.2μmであった。第1の層中のNa濃度は0.7質量部であった。第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量はそれぞれ86モル%と14モル%であり、水酸基およびカルボキシル基の合計質量は43.4%であった。また第1の樹脂成分の比重が1.2、高純度モンモリロナイトの比重が2.4であることから、第1の層の体積を100体積%としたとき、該モンモリロナイトの体積分率は20体積%、第1の樹脂成分の体積は80体積%であった。得られた多層構造体から、210mm×300mmの多層構造体を作製し、150℃、水蒸気濃度5g/m3のオーブン中で60分間、熱処理した後、、23℃、50%RH雰囲気下で24時間エージングして、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例6]
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムON−U;ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例5と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例5と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例5と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例7]
基材層として、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンフィルム−CT P1146;東洋紡績(株)製)を用いた以外は、実施例5と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例5と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例5と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例8]
基材層として、厚さ1.5mmの無延伸高密度ポリエチレンシート(商品名:高密度PE EH;積水成形工業(株)製)を用いた以外は、実施例5と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例5と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例5と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
〔実施例9〕
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:エンブレットPTM;ユニチカ(株)製)を用い、アンカーコート塗工液として、主鎖にカーボネート骨格を有する1液硬化型ウレタン系アンカーコート剤(UW‐1005:宇部興産(株)製)とカルボジイミド(V−02:日清紡ホールディングス(株)製)とを重量比で6.7/0.25で混合し、水/イソプロパノール混合溶媒(重量比1/1)にて固形分濃度を4重量%に調整したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、基材層、アンカーコート層、第1の層からなる多層構造体を得た。該アンカーコート層の厚みは0.1μm、第1の層の厚みは0.2μmであった。第1の層中のNa濃度は0.7質量部であった。第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量はそれぞれ86モル%と14モル%であり、水酸基およびカルボキシル基の合計質量は43.4%であった。また第1の樹脂成分の比重が1.2、高純度モンモリロナイトの比重が2.4であることから、第1の層の体積を100体積%としたとき、該モンモリロナイトの体積分率は20体積%、第1の樹脂成分の体積は80体積%であった。得られた多層構造体から、210mm×300mmの多層構造体を作製し、150℃、水蒸気濃度5g/m3のオーブン中で60分間、熱処理した後、23℃、50%RH雰囲気下で24時間エージングして、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例10]
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムON−U;ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例9と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例9と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例9と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例11]
基材層として、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンフィルム−CT P1146;東洋紡績(株)製)を用いた以外は、実施例9と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例9と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例9と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例12]
基材層として、厚さ1.5mmの無延伸高密度ポリエチレンシート(商品名:高密度PE EH;積水成形工業(株)製)を用いた以外は、実施例9と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例9と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例9と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
〔実施例13〕
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:エンブレットPTM;ユニチカ(株)製)を用い、アンカーコート塗工液として、オレフィン樹脂系アンカーコート剤(H1301−S03:日本シーマ(株)製)を用い、トルエンにて固形分濃度を4重量%に調整したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、基材層、アンカーコート層、第1の層からなる多層構造体を得た。該アンカーコート層の厚みは0.1μm、第1の層の厚みは0.2μmであった。第1の層中のNa濃度は0.7質量部であった。第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量はそれぞれ86モル%と14モル%であり、水酸基およびカルボキシル基の合計質量は43.4%であった。また第1の樹脂成分の比重が1.2、高純度モンモリロナイトの比重が2.4であることから、第1の層の体積を100体積%としたとき、該モンモリロナイトの体積分率は20体積%、第1の樹脂成分の体積は80体積%であった。得られた多層構造体から、210mm×300mmの多層構造体を作製し、150℃、水蒸気濃度5g/m3のオーブン中で60分間、熱処理した後、23℃、50%RH雰囲気下で24時間エージングして、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例14]
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムON−U;ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例13と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例13と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例13と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例15]
基材層として、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンフィルム−CT P1146;東洋紡績(株)製)を用いた以外は、実施例13と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例13と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例13と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例16]
基材層として、厚さ1.5mmの無延伸高密度ポリエチレンシート(商品名:高密度PE EH;積水成形工業(株)製)を用いた以外は、実施例13と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例13と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例13と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
〔実施例17〕
第1の層上に、シラン系アンカーコート剤を含有する実施例1と同様のアンカーコート塗工液を、バーコータ(♯8)を用いて塗工し、80℃で20分間乾燥することで、第2の層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、基材層、アンカーコート層、第1の層、第2の層からなる多層構造体を得た。該アンカーコート層の厚みは0.1μm、第1の層の厚みは0.2μmであった。第1の層中のNa濃度は0.7質量部であった。第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量はそれぞれ86モル%と14モル%であり、水酸基およびカルボキシル基の合計質量は43.4%であった。また第1の樹脂成分の比重が1.2、高純度モンモリロナイトの比重が2.4であることから、第1の層の体積を100体積%としたとき、該モンモリロナイトの体積分率は20体積%、第1の樹脂成分の体積は80体積%であった。得られた多層構造体から、210mm×300mmの多層構造体を作製し、150℃、水蒸気濃度5g/m3のオーブン中で60分間、熱処理した後、23℃、50%RH雰囲気下で24時間エージングして、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例18]
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムON−U;ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例17と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例17と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例17と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例19]
基材層として、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンフィルム−CT P1146;東洋紡績(株)製)を用いた以外は、実施例17と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例17と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例17と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例20]
基材層として、厚さ1.5mmの無延伸高密度ポリエチレンシート(商品名:高密度PE EH;積水成形工業(株)製)を用いた以外は、実施例17と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例17と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例17と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例21〕
第1の層上に、エステル樹脂系アンカーコート剤含有する実施例5と同様のアンカーコート塗工液を、バーコータ(♯8)を用いて塗工し、80℃で20分間乾燥することで、第2の層を形成したこと以外は実施例5と同様にして、基材層、アンカーコート層、第1の層、第2の層からなる多層構造体を得た。該アンカーコート層の厚みは0.1μm、第1の層の厚みは0.2μmであった。第1の層中のNa濃度は0.7質量部であった。第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量はそれぞれ86モル%と14モル%であり、水酸基およびカルボキシル基の合計質量は43.4%であった。また第1の樹脂成分の比重が1.2、高純度モンモリロナイトの比重が2.4であることから、第1の層の体積を100体積%としたとき、該モンモリロナイトの体積分率は20体積%、第1の樹脂成分の体積は80体積%であった。得られた多層構造体から、210mm×300mmの多層構造体を作製し、150℃、水蒸気濃度5g/m3のオーブン中で60分間、熱処理した後、23℃、50%RH雰囲気下で24時間エージングして、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例22]
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムON−U;ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例21と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例21と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例21と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例23]
基材層として、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンフィルム−CT P1146;東洋紡績(株)製)を用いた以外は、実施例21と同様にして、多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例21と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例21と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例24]
基材層として、厚さ1.5mmの無延伸高密度ポリエチレンシート(商品名:高密度PE EH;積水成形工業(株)製)を用いた以外は、実施例21と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例21と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例21と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例25〕
第1の層上に、主鎖にカーボネート骨格を有する2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤を含有する実施例9と同様のアンカーコート塗工液を、バーコータ(♯8)を用いて塗工し、80℃で20分間乾燥することで、第2の層を形成したこと以外は実施例9と同様にして、基材層、アンカーコート層、第1の層、第2の層からなる多層構造体を得た。該アンカーコート層の厚みは0.1μm、第1の層の厚みは0.2μmであった。第1の層中のNa濃度は0.7質量部であった。第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量はそれぞれ86モル%と14モル%であり、水酸基およびカルボキシル基の合計質量は43.4%であった。また第1の樹脂成分の比重が1.2、高純度モンモリロナイトの比重が2.4であることから、第1の層の体積を100体積%としたとき、該モンモリロナイトの体積分率は20体積%、第1の樹脂成分の体積は80体積%であった。得られた多層構造体から、210mm×300mmの多層構造体を作製し、150℃、水蒸気濃度5g/m3のオーブン中で60分間、熱処理した後、23℃、50%RH雰囲気下で24時間エージングして、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例26]
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムON−U;ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例25と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例25と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例25と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例27]
基材層として、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンフィルム−CT P1146;東洋紡績(株)製)を用いた以外は、実施例25と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例25と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例25と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例28]
基材層として、厚さ1.5mmの無延伸高密度ポリエチレンシート(商品名:高密度PE EH;積水成形工業(株)製)を用いた以外は、実施例25と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例25と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例25と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例29〕
第1の層上に、オレフィン樹脂系アンカーコート剤を含有する実施例13と同様のアンカーコート塗工液を、バーコータ(♯8)を用いて塗工し、80℃で20分間乾燥することで、第2の層を形成したこと以外は実施例13と同様にして、基材層、アンカーコート層、第1の層、第2の層からなる多層構造体を得た。該アンカーコート層の厚みは0.1μm、第1の層の厚みは0.2μmであった。第1の層中のNa濃度は0.7質量部であった。第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量はそれぞれ86モル%と14モル%であり、水酸基およびカルボキシル基の合計質量は43.4%であった。また第1の樹脂成分の比重が1.2、高純度モンモリロナイトの比重が2.4であることから、第1の層の体積を100体積%としたとき、該モンモリロナイトの体積分率は20体積%、第1の樹脂成分の体積は80体積%であった。得られた多層構造体から、210mm×300mmの多層構造体を作製し、150℃、水蒸気濃度5g/m3のオーブン中で60分間、熱処理した後、23℃、50%RH雰囲気下で24時間エージングして、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例30]
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムON−U;ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例29と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例29と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例29と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例31]
基材層として、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンフィルム−CT P1146;東洋紡績(株)製)を用いた以外は、実施例29と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例29と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例29と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例32]
基材層として、厚さ1.5mmの無延伸高密度ポリエチレンシート(商品名:高密度PE EH;積水成形工業(株)製)を用いた以外は、実施例29と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例29と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例29と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例33]
第1の層上に、前述の第2の塗工液を、バーコータ(♯8)を用いて、塗工して、80℃で20分間乾燥することで、第2の層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、基材層、アンカーコート層、第1の層、第2の層からなる多層構造体を得た。該アンカーコート層の厚みは0.1μm、第1の層の厚みは0.2μmであった。第1の層中のNa濃度は0.7質量部であった。第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量はそれぞれ86モル%と14モル%であり、水酸基およびカルボキシル基の合計質量は43.4%であった。また第1の樹脂成分の比重が1.2、高純度モンモリロナイトの比重が2.4であることから、第1の層の体積を100体積%としたとき、該モンモリロナイトの体積分率は20体積%、第1の樹脂成分の体積は80体積%であった。得られた多層構造体から、210mm×300mmの多層構造体を作製し、150℃、水蒸気濃度5g/m3のオーブン中で60分間、熱処理した後、23℃、50%RH雰囲気下で24時間エージングして、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例34]
基材層として、厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムON−U;ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例33と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例33と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例33と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例35]
基材層として、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンフィルム−CT P1146;東洋紡績(株)製)を用いた以外は、実施例33と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例33と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例33と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例36]
基材層として、厚さ1.5mmの無延伸高密度ポリエチレンシート(商品名:高密度PE EH;積水成形工業(株)製)を用いた以外は、実施例33と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の各層の厚み、第1の層の物性値は、いずれも実施例33と同じ値であった。得られた多層構造体を実施例33と同様に処理し、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
[実施例37]
基材層として、厚さ3mmの鉄板を用い、アンカーコート塗工液として、主鎖にカーボネート骨格を有する1液硬化型ウレタン系アンカーコート剤(UW‐1005:宇部興産(株)製)とカルボジイミド(V−02:日清紡ホールディングス(株)製)とを重量比で6.7/0.25で混合し、水/イソプロパノール混合溶媒(重量比1/1)にて固形分濃度を4重量%に調整したものを用いた。該基材層上に、該アンカーコート剤を、バーコータ(♯8)を用いて塗工し、80℃で20分間乾燥することで、アンカーコート層を形成した。次いで、該アンカーコート層上に、前述の第1の塗工液を、バーコータ(♯8)を用いて塗工し、80℃で20分間乾燥することで、第1の層を形成した。その後、該第1の層上に、フッ素系アンカーコート剤(ゼッフルGK−570:ダイキン工業(株)製)と架橋剤(デュラネートTPA−100:旭化成ケミカルズ(株)製)とを重量比で5/0.68で混合し、酢酸ブチルにて固形分濃度を4重量%に調整したもの用いて、バーコータ(♯8)を用いて塗工し、80℃で20分間乾燥することで、第2の層を形成し、基材層、アンカーコート層、第1の層、第2の層からなる多層構造体を得た。該アンカーコート層の厚みは0.1μm、第1の層の厚みは0.2μmであった。第1の層中のNa濃度は0.7質量部であった。第1の樹脂成分に含まれる水酸基の物質量とカルボキシル基の物質量はそれぞれ86モル%と14モル%であり、水酸基およびカルボキシル基の合計質量は43.4%であった。また第1の樹脂成分の比重が1.2、高純度モンモリロナイトの比重が2.4であることから、第1の層の体積を100体積%としたとき、該モンモリロナイトの体積分率は20体積%、第1の樹脂成分の体積は80体積%であった。得られた多層構造体から、210mm×300mmの多層構造体を作製し、150℃、水蒸気濃度5g/m3のオーブン中で60分間、熱処理した後、23℃、50%RH雰囲気下で24時間エージングして、乾熱処理体を得た。該乾熱処理体の接着性を評価し、その結果を表2に示した。
Figure 2015145111
Figure 2015145111

Claims (3)

  1. 基材層、アンカーコート層、および第1の層を含有し、
    基材層とアンカーコート層が隣接し、アンカーコート層と第1の層が隣接している多層構造体であって、
    第1の層が、5体積%以上90体積%以下の第1の無機層状化合物と、10体積%以上95体積%以下の第1の樹脂成分を含む層であり(ただし、第1の層の全体積を100体積%とする)、
    アンカーコート層が、下記のアンカーコート剤群より選ばれる少なくとも1種のアンカーコート剤を含む層である多層構造体。
    アンカーコート剤群:1液硬化型ウレタン系アンカーコート剤、主鎖にカーボネート骨格を有する2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤、シリコーン系アンカーコート剤、シラン系アンカーコート剤、エステル樹脂系アンカーコート剤、1液硬化型エポキシ系アンカーコート剤、アクリル系アンカーコート剤、オレフィン樹脂系アンカーコート剤、フッ素樹脂系アンカーコート剤、ゴム系アンカーコート剤、でんぷん系アンカーコート剤、ユリア樹脂系アンカーコート剤、メラミン樹脂系アンカーコート剤、フェノール樹脂系アンカーコート剤、ポリアロマティック系アンカーコート剤、ポリサルファイド系アンカーコート剤
  2. 基材層、アンカーコート層、第1の層、および第2の層を含有し、
    基材層とアンカーコート層が隣接し、アンカーコート層と第1の層が隣接し、第1の層と第2の層が隣接している多層構造体であって、
    第1の層が、5体積%以上90体積%以下の第1の無機層状化合物と、10体積%以上95体積%以下の第1の樹脂成分を含む層であり(ただし、第1の層の全体積を100体積%とする)、
    第2の層が、下記の第2の樹脂成分群より選ばれる少なくとも1つの樹脂を含む層であり、
    アンカーコート層が、下記のアンカーコート剤群より選ばれる少なくとも1つのアンカーコート剤を含む層である多層構造体。
    第2の樹脂成分群:1液硬化型ウレタン樹脂、主鎖にカーボネート骨格を有する2液硬化型ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、シラン樹脂、エステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、フッ素樹脂、でんぷん、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アロマティック樹脂、サルファイド樹脂
    アンカーコート剤群:1液硬化型ウレタン系アンカーコート剤、主鎖にカーボネート骨格を有する2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤、シリコーン系アンカーコート剤、シラン系アンカーコート剤、エステル樹脂系アンカーコート剤、1液硬化型エポキシ系アンカーコート剤、アクリル系アンカーコート剤、ポリオレフィン系アンカーコート剤、フッ素系アンカーコート剤、ゴム系アンカーコート剤、でんぷん系アンカーコート剤、ユリア樹脂系アンカーコート剤、メラミン樹脂系アンカーコート剤、フェノール樹脂系アンカーコート剤、ポリアロマティック系アンカーコート剤、ポリサルファイド系アンカーコート剤
  3. 前記基材層に、ブラスト処理、フレーム処理、レーザー処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの表面処理が施されており、
    該表面処理が施されている面と、前記アンカーコート層が隣接している請求項1または2に記載の多層構造体。
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