JP2013159074A - ガスバリア積層体およびそれを用いた包装体 - Google Patents

ガスバリア積層体およびそれを用いた包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた酸素バリア性・ラミネート強力を有し、かつ包装体として使用する際に高齢者・子供でも容易に引き裂くことができる易開封性を兼ね備えたガスバリア積層体を提供する。
【解決手段】プラスチック基材(I)に、アンカーコート層を介して、無機層状化合物(A)と樹脂(B)を含有するガスバリア層(II)、ラミネート接着剤層(V)、およびシーラント層(W)を順に積層してなるガスバリア積層体であって、ガスバリア層(II)中における無機層状化合物(A)と樹脂(B)の体積比が3/97〜5/95の範囲であり、ラミネート強力(X)が3.5N/cm以上であることを特徴とするガスバリア積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた酸素バリア性・ラミネート強力を有し、包装体とした場合の易開封性を有するガスバリア積層体に関するものである。
食品等の包装に求められる機能は多岐にわたるが、内容物の品質を保護する観点からガスバリア性は大切な機能である。近年、流通形態、包装技術の多様化、添加物規制、嗜好の変化などにより、ガスバリア性はますます必要となっている。にもかかわらず、ガスバリア性は一般プラスチック材料の弱点でもあった。食品の変質要因としては、酸素、光、熱、水分等があげられ、とりわけ酸素はその起因物質として重要である。バリア材は酸素を有効に遮断すると同時にガス充填や真空包装などの食品の変質を制御する手段にとってもなくてはならない材料であり、酸素ガスだけでなく各種のガス、水蒸気、有機溶剤蒸気、香気などのバリア機能を有することにより、防錆、防臭、昇華防止に利用でき、菓子袋、カツオパック、レトルトパウチ、炭酸ガス飲料容器等の食品、化粧品、農薬、医療等の多くの分野で利用されている。
熱可塑性樹脂よりなるフィルムの中で、配向されたポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等のフィルムは、優れた力学的性質や、耐熱性、透明性などを有し広く包装材料として用いられている。しかし、これらのフィルムを食品包装用として用いる場合には、酸素やその他の気体の遮断性が不十分であるため、酸化劣化や好気性微生物による内容物の変質を招き易かったり、香気成分が透過してしまい、風味が失われたり、外界の水分で内容物が湿らされて口当りが悪くなったり、また逆に食品の水分を失い、食品のしなやかさを失うといった種々の問題を生じがちである。そこで通常は他のガスバリア性の良い膜層を積層するなどの方法がとられている場合が多い。従来より、ガスバリア性の高い透明プラスチック素材も種々知られており、例えば、ポリビニルアルコールやポリエチレンビニルアルコール共重合体からなるフィルム等があるものの、これらプラスチック素材は未だ無視できない程度の酸素を透過するものである。
その他のガスバリア性付与の方法として、樹脂中への偏平形態の無機物の分散があり、例えば、特許文献1には、1,6−ヘキサンポリカーボナートジオールを用いた濃度30%のポリウレタン樹脂溶液100重量部にマイカ微粉末25重量部、ジメチルホルムアミド60重量部よりなる塗工液組成物を離型性基材上に塗工、乾燥し、次いで基材上から剥離する製造方法が記載されている。また、特許文献2には、エチレン/ビニルアルコール共重合体のメタノール水溶液に、平均長さ7μmで、アスペクト比140のマイカを添加し、これを冷水中に注入して沈殿させ、濾過、乾燥し、ペレットとし、次いでフィルムを得る方法が記載されている。しかし、これらの技術において得られるフィルムは、ガスバリア性について未だ充分なものではなく、必ずしも満足できるものとは言い難い。
また、ガスバリア性以外の内容物保護性として、内容物を長期に保存するための各種機械的強度、例えば適切な引張強さ、破袋強さ、破裂強さ、衝撃強さなどの機能もさることながら、バリアフリーの観点から高齢者・子供でも容易に引き裂くことができる易開封を兼ね備えた包装体が求められていた。
特開昭62−148532号公報 特開昭64−043554号公報
前記従来技術の問題点に対して、本発明の目的は、優れた酸素バリア性・ラミネート強力を有し、かつ包装体として使用する際に高齢者・子供でも容易に引き裂くことができる易開封性を兼ね備えたガスバリア積層体を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ガスバリア性塗料を構成する無機層状化合物と樹脂との配合割合を適切にすることで、包装体フィルムを引き裂く際にストレスを感じることなく優れた易開封性を得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、プラスチック基材(I)に、アンカーコート層を介して、無機層状化合物(A)と樹脂(B)とを含有するガスバリア層(II)、ラミネート接着剤層(V)、およびシーラント層(W)を順に積層してなるガスバリア積層体であって、ガスバリア層(II)中における無機層状化合物(A)と樹脂(B)の体積比が3/97〜5/95の範囲であることを特徴とするガスバリア積層体に関するものである。
本発明によれば、高い酸素バリア性・ラミネート強力を有し、かつ包装体として使用する際に高齢者・子供でも容易に引き裂くことができる易開封性を兼ね備えたガスバリア積層体が提供される。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明のガスバリア積層体は、プラスチック基材(I)に、アンカーコート層を介して、無機層状化合物(A)と樹脂(B)とを含有するガスバリア層(II)が積層されたものである。
[プラスチック基材(I)]
プラスチック基材(I)として用いられる樹脂は、ポリエチレン(低密度、高密度)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン一6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重合体、ポリメチルメタクリルイミド等のアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル等のスチレンないしアクリロニトリル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))等のハロゲン含有樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース誘導体等の水素結合性樹脂;プルラン、カードラン、キチン、キトサン、等の生分解性樹脂;トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース等の疎水化セルロース系樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、液晶樹脂等のエンジニアリングプラスチック系樹脂等が挙げられる。
これらの中で2軸延伸されたポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリ塩化ビニリデンをコートした2軸延伸されたポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンおよびアルミ、シリカ、アルミナなどを蒸着した無延伸ポリプロピレン(CPP)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(ONy) 等が、プラスチック基材(I)を構成する樹脂として好ましく用いられる。
前記の熱可塑性樹脂には、所望に応じて顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、防腐剤などの添加剤の1種或いは2種類以上を樹脂100重量部当りに合計量として0.001〜5.0重量部の範囲内で添加してもよい。
プラスチック基材(I)の厚さは、とくに限定されないが、包装材料としての適性、他の層を積層する場合もあることを考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲で、用途によって6〜30μmとすることが好ましい。
[アンカーコート層]
本発明におけるアンカーコート層は、プラスチック基材(I)とガスバリア層(II)との間に位置し、ガスバリア層(II)の密着性向上の役割を主として担う。
アンカーコート層に使用されるコート剤としては、公知のものが特に制限されず使用できる。例えばイソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系、アルキルチタネート系等のアンカーコート剤が挙げられる。これらの中で本発明の効果を勘案すると、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエステル系のアンカーコート剤が好ましく、イソシアネート化合物、ポリウレタンおよびウレタンプレポリマーの1種または2種以上の混合物および反応生成物、ポリエステル、ポリオールおよびポリエーテルの1種または2種以上とイソシアネートとの混合物および反応生成物、またはこれらの溶液または分散液であることが好ましい。
アンカー層を基材へ積層する方法としては、特に限定されないが、アンカー層を形成する材を溶媒に分散または溶解させた液であるアンカーコート剤を用いたコーティング法が好ましい。ダイレクトグラビア法やリバースグラビア法及びマイクログラビア法、2本ロールビートコート法、ボトムフィード3本リバースコート法等のロールコーティング法、及びドクターナイフ法やダイコート法、ディップコート法、バーコーティング法やこれらを組み合わせたコーティング法などの方法が挙げられる。溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、トルエン、MEK、シクロヘキサノン、ソルベッソ、イソホロン、キシレン、MIBK、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどの有機溶剤などが挙げられる。
アンカーコート剤の塗布厚みは、特に限定されないが、乾燥厚みが0.02μm〜0.2μmの範囲が好ましく、0.04μm〜0.1μmの範囲がより好ましい。
[ガスバリア層(II)]
本発明におけるガスバリア層(II)は、無機層状化合物(A)と樹脂(B)とを含有し、(A)と(B)を含む塗料をプラスチック基材(I)の表面にアンカー層を介して基材上に塗布し、熱処理することによって形成される。上記無機層状化合物(A)と樹脂(B)の体積比(無機層状化合物/樹脂)は3/97〜5/95になるように含有することが必要であり、より好ましくは4/96〜5/95である。ガスバリア層(II)の無機層状化合物の体積比が上記より多ければ多いほど酸素バリア性は優れるものの、ガスバリア層が硬く脆くなることでフィルムの耐屈曲性が悪くなる。その結果、ガスバリア積層体を用いて包装体を作成しても、引き裂く時にカット不良(デラミネーション)が発生するために容易に引き裂くことができない。ガスバリア層(II)の無機層状化合物の体積比が上記より少ないと、コート層の厚塗りを施してもガスバリア層(II)の換算厚み1μm当たりにおいて、20℃・65%RH下で酸素透過度が2ml/m・day・MPa以下にならないため本発明の特徴である高い酸素バリア性を得ることができない。
ガスバリア層(II)を形成するための塗料は、塗工性の観点からザーンカップ粘度[(株)離合社:ザーンカップ粘度:No.3で測定]が20〜50Sの範囲になるよう調整することが好ましく、25〜45Sの範囲になるよう調整することがより好ましい。20S以下であると、乾燥炉の長さによってはコート液の未乾燥が発生する懸念があり、好ましくない。50S以上になると、塗工時において液のレベリング性が悪化などの塗工性に問題が生じやすいため好ましくない。
また、ガスバリア層(II)を形成するための塗料の濃度(=固形分)は、塗装装置や乾燥・加熱装置の仕様によって適宜変更され得るものであるが、あまりに希薄な溶液ではガスバリア性を発現するのに充分な厚みの層をコートすることが困難となり、また、その後の乾燥工程において長時間を要するという問題を生じやすい。他方、塗料の濃度が高すぎると、均一な塗料を得にくく、塗装性に問題を生じ易い。この様な観点から、塗料の濃度(=固形分)は、4〜8質量%の範囲にすることが好ましく、5〜7質量%の範囲にすることがより好ましい。
ガスバリア層(II)における無機層状化合物(A)と樹脂(B)の配合量を適切にすることで、ガスバリア積層体を用いて包装体を作成した時に優れた易開封性を得ることができるため、ガスバリア層(II)の厚みは特に限定されないが、ガスバリア性の観点から0.1μm〜1μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.15μm〜0.7μm、さらに好ましくは0.2μm〜0.5μmの範囲が好ましい。ガスバリア層(II)の厚みが0.1μm以下であると、ガスバリア性の発現が不十分となるため好ましくない。ガスバリア層(II)の厚みが1μm以上となると、用途によっては必要な透明性を得ることができず、かつ製造コストの増大から好ましくない。
ガスバリア層(II)としては、単層であっても、必要に応じて複数の層数を有していてもよい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、ガスバリア層(II)には、紫外線吸収剤、着色剤、酸化防止剤等のさまざまな添加剤を混合してもよい。
<無機層状化合物(A)>
本発明において、無機層状化合物(A)とは、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を形成している無機化合物をいう。換言すれば、「層状化合物」とは、層状構造を有する化合物ないし物質であり、「層状構造」とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス力等の弱い結合力によって平行に積み重なった構造をいう。
無機層状化合物としては、溶媒への膨潤性および劈開性を有する粘土鉱物を特に好ましく用いることができる。そのような粘土鉱物としては、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、ベントナイト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等が挙げられる。なかでも、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族の粘土系鉱物が好ましく、スメクタイト族が特に好ましい。スメクタイト族としては、例えばモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライトが挙げられる。しかし、特に限定されるものではない。また、これら粘土鉱物に有機物でイオン交換等の処理を施して分散性等を改良したものも、無機層状化合物として用いることができる。
無機層状化合物のアスペクト比は、50以上5000以下であることが好ましく、さらに好ましくは200〜3000の範囲であることが更に好ましい。上記アスペクト比が50未満では、ガスバリア性の発現が不十分となる。一方、アスペクト比が5000を越える無機層状化合物を得ることは技術的に難しく、またコストないし経済的にも高価なものとなる。そのため、製造容易性の点からは、このアスペクト比は3000以下であることが好ましい。また無機層状化合物は、ガスバリア性、透明性、製膜性の点から、平均粒径が5μm以下であることが好ましい。特に透明性が求められる用途では、平均粒径が1μm以下であることがより好ましい。
無機層状化合物を膨潤かつ劈開させる分散媒としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン等が挙げられる。とりわけ、水、アルコール、水−アルコール混合物が好ましい。
無機層状化合物および樹脂を含むガスバリア層形成用の塗料は、ホモジナイザー等の公知の装置を用いて得ることができる。しかし、高圧分散装置を用いて高圧分散処理することが、無機層状化合物の分散性の観点から好ましい。
<樹脂(B)>
本発明において用いられる樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、多糖類、ポリアクリル酸およびそのエステル類などが挙げられる。
樹脂の好ましい例としては、樹脂単位重量当りの水素結合性基またはイオン性基の重量百分率が20%〜60%の割合を満足する高水素結合性樹脂があげられる。 さらに好ましい例としては、高水素結合性樹脂の樹脂単位重量当りの水素結合性基またはイオン性基の重量百分率が30%〜50%の割合を満足するものがあげられる。「水素結合性基」とは、炭素以外の原子(ヘテロ原子)に直接結合した水素を少なくとも1個有する基をいう。「イオン性基」とは、水中において水分子の水和が可能な程度に局在化した「正または負」の少なくとも一方の電荷を有する基をいう。高水素結合性樹脂の水素結合性基としては水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、などが挙げられ、イオン性基としてはカルボキシレート基、スルホン酸イオン基、燐酸イオン基、アンモニウム基、ホスホニウム基などが挙げられる。高水素結合性樹脂の水素結合性基またはイオン性基のうち、さらに好ましいものとしては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキシレート基、スルホン酸イオン基、アンモニウム基、などが挙げられる。
高水素結合性樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコールおよびその類縁体、ビニルアルコール分率が41モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系樹脂;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミロース、アミロペクチン、プルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサン、セルロース等の多糖類;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ−2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、エチレン−アクリル酸共重合体およびその塩などのアクリル系樹脂;ジエチレントリアミン−アジピン酸重縮合体などポリアミノアミド系樹脂、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルピリジンおよびその塩、ポリエチレンイミンおよびその塩、ポリアリルアミンおよびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルスルホン酸およびその塩、ポリビニルチオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン等の水素結合性基やイオン性基を分子中に有する樹脂があげられる。
高水素結合性樹脂のさらに好ましいものとしては、ポリビニルアルコール、多糖類、ビニルアルコール分率が40モル%以上80モル%以下のエチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ここでポリビニルアルコールとは、ビニルアルコールのモノマー単位を主成分として有するポリマーである。このような「ポリビニルアルコール」としては、例えば、酢酸ビニル重合体の酢酸エステル部分を加水分解ないしエステル交換(けん化)して得られるポリマー(正確にはビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合体となったもの)や、トリフルオロ酢酸ビニル重合体、ギ酸ビニル重合体、ピバリン酸ビニル重合体、t−ブチルビニルエーテル重合体、トリメチルシリルビニルエーテル重合体等をけん化して得られるポリマーが挙げられる(「ポリビニルアルコール」の詳細については、例えば、ポバール会編、「PVAの世界」、1992年、(株)高分子刊行会;長野ら、「ポバール」、1981年、(株)高分子刊行会を参照することができる)。 ポリビニルアルコールにおける「けん化」の程度は、モル百分率で70%以上が好ましく、85%以上のものがより好ましく、98%以上のいわゆる完全けん化品がさらに好ましい。また、重合度は、100以上5000以下、200以上3000以下がより好ましい。
ここでいう多糖類とは、種々の単糖類の縮重合によって生体系で合成される生体高分子であり、ここではそれらをもとに化学修飾したものも含まれる。たとえば、セルロースおよびヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、アミロース、アミロペクチン、プルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサン、などが挙げられる。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下:EVOHと記載) とは、ビニルアルコール分率が40モル%以上80モル%以下であり、より好ましくは、45モル%〜75モル%であるEVOHを意味する。また、EVOHのメルトインデックス(温度190℃、荷重2160gの条件で測定した値;以下MIと記す)は、特に限定されないが、0. 1〜50g/10分である。さらに、本発明にいうEVOHは、本発明の目的が阻害されない限り、少量の共重合モノマーで変性されていてもよい。
本発明で用いられる樹脂が、高水素結合性樹脂であるときには、その耐水性(耐水環境テスト後のバリア性の意味)を改良する目的で水素結合性基用架橋剤を用いることができる。架橋剤の好適な例としては、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、メラミン系カップリング剤、エポキシ系カップリング剤、イソシアネート系カップリング剤、銅化合物、ジルコニウム化合物等が挙げられる。耐水性向上の点からは、ジルコニウム化合物が特に好ましく用いられる。ジルコニウム化合物の具体例としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム等のハロゲン化ジルコニウム;硫酸ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等の鉱酸のジルコニウム塩;蟻酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、カプリル酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム等の有機酸のジルコニウム塩;炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム、蓚酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウム等のジルコニウム錯塩;等があげられる。 架橋剤の添加量は特に限定されないが、架橋剤の架橋生成基のモル数(CN)と樹脂の水素結合性基のモル数(HN)との比(K=CN/HN)が、0.001以上10以下の範囲になるように用いることが好ましい。このモル数の比Kは、0.01以上1以下の範囲であることが更に好ましい。
無機層状化合物(A)と樹脂(B)を含む塗料の配合ないし製造方法は、特に限定されない。配合時の均一性ないし操作容易性の点からは、例えば、樹脂を溶解させた液と、無機層状化合物を予め膨潤・へき開させた分散液とを混合後、溶媒を除く方法(方法1)、無機層状化合物を膨潤・へき開させた分散液を樹脂に添加し、溶媒を除く方法(方法2)、樹脂を溶解させた液に無機層状化合物を加え膨潤・へき開させた分散液とし溶媒を除く方法(方法3)、また樹脂と無機層状化合物を熱混練する方法(方法4)などが使用可能である。無機層状化合物の大きなアスペクト比が容易に得られる点からは、前3者が好ましく用いられる。
上記の前3者の方法において、溶媒を系から除去した後、110℃以上220℃以下で熱エージングすることにより、とりわけフィルムの耐水性(耐水環境テスト後のバリア性の意味)を向上させることができ好ましい。エージング時間に限定はないが、フィルムが少なくとも設定温度に到達する必要があり、例えば熱風乾燥機のような熱媒接触による方法の場合、1秒以上10分以下が好ましい。熱源についても特に限定はなく、熱ロール接触、熱媒接触(空気、オイル等)、赤外線加熱、マイクロ波加熱、など種々の方法が適用できる。また、ここでいう耐水性は、樹脂が高水素結合性樹脂のとき、また無機層状化合物が膨潤性を有する粘土鉱物である場合に優れている。
本発明においては、ガスバリア層(II)の上にさらに、ラミネート接着剤層(V)およびシーラント層(W)を順に積層して、例えば(I)(II)(V)(W)、(I)(II)(II)(V)(W)の順に積層されたガスバリア積層体としたものである。ガスバリア層(II)とラミネート接着剤層(V)との間にプライマー層、帯電防止層などの機能性層が形成されていてもよい。またガスバリア層(II)とラミネート接着剤層(V)との間の密着性を向上させるために、コロナ処理、オゾン処理などの表面処理が施されてもよい。
また、ガスバリア層(II)上、あるいは基材におけるガスバリア層等を設けていない非塗布面上に、必要に応じて公知の方法で印刷を施すことができる。
[ラミネート接着剤層(V)]
ラミネート接着剤層(V)を形成する際に使用されるコート剤としては、公知のものが使用される。例えば、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系、アルキルチタネート系等のコート剤が挙げられる。これらの中で密着性、耐熱性、耐水性などの効果を勘案すると、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエステル系のコート剤が好ましく、イソシアネート化合物、ポリウレタンおよびウレタンプレポリマーの1種または2種以上の混合物および反応生成物、ポリエステル、ポリオールおよびポリエーテルの1種または2種以上とイソシアネートとの混合物および反応生成物、またはこれらの溶液または分散液であることが好ましい。
ラミネート接着剤層(V)の厚みは、シーラント層(W)との密着性を充分高めるためには、少なくとも乾燥厚みで0.1g/m〜3g/mが好ましく、より好ましくは0.5g/m〜2.5g/mの範囲が好ましい。乾燥厚みが3g/m以上であると、高い密着性を得ることができず好ましくない。
ラミネート接着剤層(V)をガスバリア積層体に塗布する方法は特に限定されないが、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、エアーナイフコーティング等の通常の方法を用いることができる。
[シーラント層(W)]
シーラント層(W)としては、熱シール、高周波シールなどが可能な材料が使用される。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸塩共重合体、エチレン−アクリレート共重合体などが挙げられる。厚みは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmである。
ラミネート接着剤層(V)とシーラント層(W)の形成法としては、公知の方法が用いられる。例えば、ドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、無溶剤ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法などのラミネーション法や、二つ以上の樹脂層を同時に押出し積層する共押し出し法、コーターなどで膜を生成するコーティング法などが挙げられるが、密着性、耐熱性、耐水性などを勘案するとドライラミネーション法が好ましい。
[ラミネート強力(X)]
本発明のガスバリア積層体のラミネート強力(X)は3.5N/cm以上が必要であり、好ましくは4.0N/cm以上である。ラミネート強力が小さいと、包装袋を形成し内容物を充填、密封した際に破袋や開封不良などが起こりやすいため好ましくない。
本発明によるガスバリア積層体は、酸素バリア性やラミネート強力を必要とする様々な分野に適用することができる。また、上記ガスバリア積層体を用いてなる包装体にすることで、優れた易開封を得ることができるため、特に食品分野に好適である。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
物性の測定方法を以下に記す。
[厚み測定]
0.5μm以上の厚みは、市販のデジタル厚み計(接触式厚み計、商品名:超高精度デシマイクロヘッド MH−15M、日本光学社製)により測定した。一方、0.5μm未満の厚みは、重量分析法(一定面積のフィルムの重量測定値をその面積で除し、更に組成物の比重で除した)または、本発明の組成物と基材の積層体の場合などは、元素分析法(積層体の特定無機元素分析値( 組成物層由来) と無機層状化合物単独の特定元素分率の比から本発明の樹脂組成物層と基材との比を求める方法)によった。
[無機層状化合の粒径]
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA910)を使用し、ポリビニルアルコール中に存在する無機層状化合物とみられる粒子の体積基準のメジアン径を粒径として測定した。なお、ポリビニルアルコールと無機層状化合物とを含む分散液原液の場合は、ペーストセルにて、光路長50μmで測定した。この分散液の希釈液の場合は、フローセル法にて光路長4mmで測定した。
[無機層状化合のアスペクト比]
X線回折装置(島津製作所社製、XD−5A)を用い、無機層状化合物単独と、ポリビニルアルコールおよび無機層状化合物を含む塗工液を乾燥したものとについて、粉末法による回折測定により求めた。これにより無機層状化合物の単位厚さaを求めた。さらに、ガスバリア層を形成する塗工液を乾燥したものについての回折測定から、無機層状化合物の面間隔が広がっている部分があることを確認した。上述の方法で求めた粒径Lを用いて、アスペクト比Zを、Z=L/aの式により算出した。
[酸素ガスバリア性]
モコン社製酸素バリア測定器(OX−TRAN 2/20)を用いて、温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下におけるガスバリア積層体の酸素バリアを測定した。
[ラミネート強力]
得られたガスバリア積層体から、長さ100mm×幅15mmの大きさの試験片を作成し、T型剥離試験法により、温度23℃、相対湿度50%において、剥離速度300mm/minで、プラスチック基材(I)上に積層したガスバリア層(II)とシーラント層(W)との間のラミネート強力を測定した。
[易開封性]
本発明のガスバリア積層体を用いて包装体を作成した後、包装体に5mmほど切込みを入れて、親指と人差指で、左右の親指と左右の人差指同士が接するようにして持ち、その後、フィルムを横手方向に力を加え手切れ性を評価した。このテストでカット不良(デラミネーション)が生じることなく易開封性が得られたものを○とし、カット不良が生じたものを×とした。
[塗工液]
[アンカーコート]
東洋モートン(株)(EL―510−1−17K/CAT−87RT=5/1(重量比)をトルエン/MEK/MIBK=5/4/1の溶剤で4wt%となるよう調整した。これをアンカー剤Aとした。
[ガスバリア層形成用塗料]
[塗工液A]
[工程1]
分散釜に、イオン交換水(0.7μS/cm以下)とポリビニルアルコール(PVA−117H;(株) クラレ製,ケン化度:99.6%,重合度1700)とを混合し、低速攪拌(800rpm、周速度2m/分)下で95℃に昇温した。その混合液を同温度で30分間攪拌してポリビニルアルコールを溶解させたのち、60℃に冷却し、ポリビニルアルコール水溶液を得た。このポリビニルアルコール水溶液に、イオン交換水および2−プロパノールを混合したアルコール水溶液(イオン交換水/2−プロパノール=を10分間かけて添加し、高速攪拌(1600rpm,周速度4m/分)に切り替え20分間攪拌し、6質量%ポリビニルアルコール水溶液を得た。
[工程2]
工程1で得たポリビニルアルコール水溶液に、無機層状化合物(クニミネ工業社製:商品名:クニピアRG)を徐々に加え、添加終了後、60℃で60分間高速攪拌(1600rpm、周速度4m/分)を続けた。その後、さらに2−プロパノールを10分間かけて添加し、その混合液を室温まで冷却し、ガスバリア層形成用塗料準備液(III)を得た。この(III)に対して、非イオン性界面活性剤(東レ・ダウコーニング社製:SH3746)0.1質量部(準備液(III)100質量を基準として)を添加し、さらにこれを高圧分散装置(マイクロフルイダイザー社製:超高圧ホモジナイザー)を用いて、1000kgf/cmの条件で処理した後に、最終固形分濃度が5.8質量%になるように希釈液としてイオン交換水と2−プロパノールを混合したアルコール水溶液を10分かけて添加し、高速攪拌(1600rpm、周速度4m/分)を20分間した後に、塗工液Aを得た。また、この時の塗工液A中の体積比(無機層状化合物/樹脂)は5/95である。このとき劈開したモンモリロナイトの平均粒径は560nm、粉末X線回折から得られる単位長さすなわちa値は1.2156nmであり、アスペクト比は460であった。
[塗工液B]
工程2の無機層状化合物の添加量を調整して、塗工液中の体積比(無機層状化合物/樹脂)を3/97になるよう配合比を調整し、最終固形分濃を6質量%になるよう希釈液の添加量を調整した以外は、塗工液Aの作液方法と同様にして塗工液Bを作成した。
[塗工液C]
工程2の無機層状化合物の添加量を調整して、塗工液中の体積比(無機層状化合物/樹脂)を10/90になるよう配合比を変更し、最終固形分濃度を5.4質量%になるよう希釈液の添加量を調整した以外は、塗工液Aの作液方法と同様にして塗工液Cを作成した。
[塗工液D]
工程2の無機層状化合物の添加量を調整して、塗工液中の体積比(無機層状化合物/樹脂)を20/80になるよう配合比を変更し、最終固形分濃度が5質量%になるよう希釈液の添加量を調整した以外は、塗工液Aの作液方法と同様にして塗工液Dを作成した。
[実施例1]
プラスチック基材(I)として厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ社製、エンブレムON―U)を両面コロナ処理したものを用い、この一方の面上に、上記アンカーコート剤AをバーコーターNo3を用いて塗布し、熱風乾燥機で80℃、30秒間の乾燥を行い、アンカーコート層を形成した。このアンカーコート層の乾燥厚みは0.07μmであった。
上記アンカーコート層を積層したナイロンフィルムの上に、ガスバリア層形成用塗料(塗工液A)をグラビア塗工(テストコーター:(株)ヒラノテクシード 製:マイクログラビア塗工法、塗工速度5m/分、乾燥温度80℃)し、ガスバリア層を形成した。ガスバリア層の膜厚(乾燥厚み)は0.3μmであった。上記ガスバリア層(II)の上にラミネート接着剤層(V)を、乾燥膜厚2g/mになるようにドライラミネーターにより塗布して形成した後、ヒートシール層(W)(東セロ社製LLDPE−40μm:TUX−FCS)を貼り合わせ、40℃2日間養生しラミネート接着剤層(V)を硬化させ、(I)(II)(V)(W)の順に積層されたガスバリア積層体を得た。このガスバリア積層体の酸素バリア値・ラミネート強力の測定結果を表1に示す。
次に、上記ガスバリア積層体をヒートシーラー(FUJI IMPULSE T230:FUJI IMPULSE CO.LTD)(シール条件:温度205℃、時間1秒、ヒートシール幅10mm)を用いて、縦150mm×横200mmの包装体を作成した。この包装体の易開封性の評価結果を表1に示す。
実施例2
実施例1のガスバリア層の塗布厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして、ガスバリア積層体や包装体を得た。ガスバリア積層体の酸素バリア値・ラミネート強力と、包装体の易開封性の評価結果を表1に示す。
実施例3
塗工液をBに変更し、ガスバリア層の塗布厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして、ガスバリア積層体や包装体を得た。ガスバリア積層体の酸素バリア値・ラミネート強力と、包装体の易開封性の評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1の接着剤層の乾燥塗布厚みを3.5g/mになるよう調整した以外は、実施例1と同様にして、ガスバリア積層体や包装体を得た。ガスバリア積層体の酸素バリア値・ラミネート強力と、包装体の易開封性の評価結果を表1に示す。
比較例2
塗工液をCに変更し、ガスバリア層の塗布厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして、ガスバリア積層体や包装体を得た。ガスバリア積層体の酸素バリア値・ラミネート強力と、包装体の易開封性の評価結果を表1に示す。
比較例3
塗工液をDに変更し、ガスバリア層の塗布厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして、ガスバリア積層体や包装体を得た。ガスバリア積層体の酸素バリア値・ラミネート強力と、包装体の易開封性の評価結果を表1に示す。
実施例1〜3は、優れたラミネート強力・酸素バリア性を有し、かつ優れた易開封性を得ることができた。
比較例1は、優れた易開封性は得られたもののラミネート強力が低下し、本発明の課題である優れたラミネート強力を得ることができなかった。
比較例2〜3は、ラミネート強力の低下に加え、かつ包装体においても本発明の課題である易開封性を得ることができなかった。

Claims (7)

  1. プラスチック基材(I)に、アンカーコート層を介して、無機層状化合物(A)と樹脂(B)を含有するガスバリア層(II)、ラミネート接着剤層(V)、およびシーラント層(W)を順に積層してなるガスバリア積層体であって、ガスバリア層(II)中における無機層状化合物(A)と樹脂(B)の体積比が3/97〜5/95の範囲であり、ラミネート強力(X)が3.5N/cm以上であることを特徴とするガスバリア積層体。
  2. ガスバリア層(II)の換算厚み1μm当たりにおける、20℃・65%RH下で酸素透過度が2ml/m・day・MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層体。
  3. ガスバリア層(II)の厚みが0.1μm〜1μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア積層体。
  4. 無機層状化合物(A)が、粒径5μm以下、アスペクト比50以上5000以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載のガスバリア積層体。
  5. 樹脂(B)が、高水素結合性樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリア積層体。
  6. 高水素結合性樹脂が、ポリビニルアルコールまたは多糖類であることを特徴とする請求項5に記載のガスバリア積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア積層体を用いてなる包装体。
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