JP2019119214A - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents

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光幸 中澤
Mitsuyuki Nakazawa
光幸 中澤
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【課題】高いガスバリア性能と高い可撓性と高い耐屈曲性とを有するガスバリア性積層フィルムおよびガスバリア性積層フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】ガスバリア性積層フィルム100は、高分子樹脂組成物からなる基材110と、基材110の少なくとも片面に積層された蒸着層120と、蒸着層120に隣接して積層されたガスバリア層130と、を備え、蒸着層120は、金属、金属酸化物および無機酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含み、ガスバリア層130は、アミン変性高分子および無機層状化合物を含む樹脂組成物からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、高いガスバリア性と基材との密着性に優れたガスバリア性積層フィルムおよびガスバリア性積層フィルムの製造方法に関する。
食品や医薬品の包装材料における要求品質の一つとして、内容物を変質や劣化から守る機能が求められている。例えば、食品包装材料としては、酸化による内容物の劣化を抑制し、鮮度を保持し香りを保つ機能が求められる。また、医薬品包装材料においては、内容物の有効成分の変質を防止する機能が求められる。これらの変質および劣化を引き起こす要因としては、酸素、水分、光および熱などが挙げられるが、とりわけ大きな要因は酸素による酸化劣化である。
一方、高いガスバリア性能を持つ透明なフィルムとして、バリアコーティングフィルムおよびバリア性樹脂の共押出フィルムなどが知られているが、特に高いガスバリア性を持つフィルムとして透明蒸着フィルムが知られている。透明蒸着フィルムは温度・湿度の影響によるガスバリア性能の劣化が少なく、また、電子レンジや金属探知機の使用が可能であり、内容物の視認性も良いため、包装用のバリアフィルム資材として広く使用されている。
特許第2790054号 特開2008−200975号公報 特許第3772490号
ところが、前記の透明蒸着フィルムは蒸着層の形成過程において、蒸着薄膜中にピンホール等の欠陥が多く発生しやすく、ガスバリア性能が低下することが知られている。また、無機化合物の薄膜は可撓性が悪く折り曲げおよびこすれに弱いため、例えば、印刷、ラミネートまたは製袋などの工程、および実際の包装材料の使用時において、容易にクラックが発生しガスバリア性能が著しく低下するという問題がある。
そのため上記問題に対して、透明蒸着層の上にトップコートとして保護層を設けるなどして欠点を補っている。
例えば、特許文献1(特許第2790054号)に記載されるように、基材上に無機蒸着層を第1層とし、反応性に富む無機成分を含有した水溶性高分子を塗布した後に加熱乾燥してなるガスバリア被膜を第2層として積層する方法が報告されている。この方法では、第1層と第2層の界面に両層の反応層を生じるか、或いは第2層が第1層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥或いは微細孔を充填、補強することで、ガスバリア性能や可撓性などを補完している。
しかしながら、前記の方法では保護層が硬い有機/無機ハイブリッド材料からなり、また剛直な反応層を有することから、可撓性は未だ著しく低く、欠点を補っているとは言い難い。また、世界的なフードロス問題などから、さらなるハイガスバリア性能を有するフィルムが求められている。
また、蒸着被膜上に塩基性の液をコーティングすることで、高湿度下でのガスバリア性を改善した報告もある。特許文献2(特開2008−200975号公報)では、透明蒸着面上に樹脂と無機層状化合物を含むpH7−14の液をウェットコーティングし、バリア性被膜を形成することで、高湿度下での酸素バリア性能を高めている。しかし、製造時の工程が増えることや基材との密着性など、未だ課題は残っている。
一方、添加剤としてアミン化合物を加えることで、基材との密着性を改善した例もある。特許文献3(特許第3772490号)では、無機系層状化合物と水溶性高分子を主たる構成成分とするコーティング液にアミン化合物を別途加え、ウェットコーティング技術によりバリア性被膜を成膜することで、基材との密着性を改善している。
そこで、本発明の目的は、高いガスバリア性能と高い可撓性と高い耐屈曲性と高い密着性とを有するガスバリア性積層フィルムおよびガスバリア性積層フィルムの製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、高湿度環境においても高いガスバリア性を有するガスバリア性積層フィルムおよびガスバリア性積層フィルムの製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、透明性に優れたガスバリア性積層フィルムおよびガスバリア性積層フィルムの製造方法を提供することである。
(1)
一局面に従うガスバリア性積層フィルムは、高分子樹脂組成物からなる基材と、基材の少なくとも片面に積層された蒸着層と、蒸着層に隣接して積層されたガスバリア層と、を備えるガスバリア性積層フィルムであって、蒸着層は、金属、金属酸化物および無機酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含み、ガスバリア層は、アミン変性高分子および無機層状化合物を含む樹脂組成物からなる。
これにより、高いガスバリア性能と高い可撓性と高い耐屈曲性とを併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
本発明によれば、蒸着層の上に、アミン変性高分子ポリビニルアルコールおよび無機層状化合物からなる樹脂組成物の水/アルコール溶液をウェットコーティングすることで、高いバリア性を持つガスバリア層が、蒸着層に形成される可能性のあるピンホールやクラック、粒界などの微細孔に充填されて封鎖および補強し、また塩基性のコーティング液が蒸着層をわずかに溶解させ流動性を与え、蒸着層自身もより密な構造をとることで、ガスバリア性能を著しく高めているものと推測される。
また、無機層状化合物を含有させることにより、コーティング液中に分散された無機層状化合物により、ガス透過経路が大幅に増加するため、バリア性能が向上する。
(2)
第2の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面の発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、アミン変性高分子が、アミン変性ポリビニルアルコールであってよい。
これにより、より高いガスバリア性能と、より高い耐屈曲性を併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
また、ガスバリア層が、ポリビニルアルコール由来の柔軟な構造を有することから、高い可撓性能を発現し、また密着性にも優れているので、ゲルボフレックステストなどの屈曲試験後においても高いガスバリア性能を維持する。すなわち、実際の包装袋として使用する時も、非常に高いガスバリア性能を長期間にわたって維持することが可能であるので、保管物の酸化劣化を抑えることができる。
(3)
第3の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面または第2の発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、23℃、0%RH条件下での酸素透過度をA cc/m・day・atm、ゲルボフレックステスト10回後、23℃、0%RHで測定した酸素透過度をB cc/m・day・atmとし、ゲルボフレックステスト50回後、23℃、0%RHで測定した酸素透過度をC cc/m・day・atmとしたとき、A≦0.1、B≦15、C≦50かつC/A≦2000を満たしてもよい。
これにより、より高いガスバリア性能と、より高い耐屈曲性を併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
(4)
第4の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面または第2の発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、23℃、0%RH条件下での酸素透過度がA cc/m2・day・atmとし、ゲルボフレックステスト50回後、23℃、0%RHで測定した酸素透過度がC cc/m・day・atmとしたとき、A≦0.1、C≦15かつC/A≦300を満たしてもよい。
これにより、さらに高いガスバリア性能と、さらに高い耐屈曲性を併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
(5)
第5の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面から第4のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、無機層状化合物がモンモリロナイトを含んでもよい。
これにより、ガスが透過する経路が大幅に増加するため迷路効果によって、より高いガスバリア性能を持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
(6)
第6の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面から第5のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、高分子樹脂組成物がポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂を含み、蒸着層を形成する金属または金属酸化物がアルミニウムまたはアルミナであってもよい。
これにより、ガスバリア層と蒸着層との密着性が高いため、高いガスバリア性能と高い耐屈曲性とを併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
(7)
他の局面に従うガスバリア性積層フィルムの製造方法は、アミン変性高分子、無機層状化合物及び溶媒を混合し、pHが7を超え14以下のコーティング液を調製する工程と、金属、金属酸化物および無機酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む蒸着層が表面に形成された基材の蒸着層の表面にコーティング液を塗布する工程と、コーティング液の溶媒を除去し、ガスバリア層を作製する工程と、を含むものである。
これにより、高いガスバリア性能と高い可撓性と高い耐屈曲性とを併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。また、コーティング液のpHを変更するだけで、高いガスバリア性能と高い可撓性と高い耐屈曲性とを併せ持つガスバリア性積層フィルムを製造することができる。
(8)
第8の発明に係るガスバリア性積層フィルムの製造方法は、第7の発明に係るガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、コーティング液のpHが7.3より大きく13より小さくてもよい。
これにより、より高いガスバリア性能と高い可撓性と高い耐屈曲性とを併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。また、コーティング液のpHを変更するだけで、高いガスバリア性能と高い可撓性と高い耐屈曲性とを併せ持つガスバリア性積層フィルムを製造することができる。
(9)
第9の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、第7または第8の発明に係るガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、コーティング液中の前記無機層状化合物の含有量が、0.1重量%以上4.0重量%以下であってもよい。
これにより、ガスバリア層においてガスが透過する経路が大幅に増加するため(迷路効果)、より高いガスバリア性能を持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
第10の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面の発明から上記のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、アミン変性ポリビニルアルコールが、ポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーを含むものであってよい。
これにより、より高いガスバリア性能と、より高い耐屈曲性を併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
第11の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面の発明から上記のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、ポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーが、ビニルアミンおよびビニルアルコールの残基を含み、ポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーの総量に対して0.5モル%以上99モル%以下のビニルアミンを含むことが好ましい。
これにより、より高いガスバリア性能と、より高い耐屈曲性を併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
第12の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面の発明から上記のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、ガスバリア層の表面にイソシアネート化合物を含有する接着剤層が積層されていることが好ましい。
これにより、接着剤層に含まれるイソシアネート化合物のイソシアネート基がガスバリア層に含まれるアミノ基、水酸基と反応してウレア結合、ウレタン結合を形成することで、ガスバリア層のバリア性および耐久性がさらに向上する。
第13の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面の発明から上記のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、ガスバリア層の表面に接着剤層を介して樹脂層が積層されていることが好ましい。
これにより、樹脂層としてヒートシール性の有する樹脂で構成されるシーラントフィルムなどを用いることができ、積層フィルムを使用して袋状包装体などを形成する際のシール部(接着部)に利用することができる。
第14の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面から上記のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、0%RHの条件下で酸素透過度が、0.05cc/m・day・atm以下であってよい。
これにより、より高いガスバリア性能を持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
第15の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面の発明から上記のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、ゲルボフレックステスト50回後の酸素透過度が、15cc/m・day・atm以下であってよい。
これにより、ガスバリア層と蒸着層との密着性が高いため、高いガスバリア性能と高い耐屈曲性とを併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
第16の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面から上記のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、80%RHの条件下での酸素透過度が、0.5cc/m・day・atm以下であってよい。
これにより、高湿度下においても高いガスバリア性能を持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
特に、分散された無機層状化合物による拘束効果で、高湿度条件下でもフリーボリュームの増加抑制により、酸素透過度を低下させることができる。
第17の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面から上記のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、および酸化珪素からなる群から選択される少なくとも一種からなってもよい。
これにより、より高いガスバリア性能を持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
また、これにより、透明性に優れたガスバリア性積層フィルムが得られる。
第18の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面から上記のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、高分子樹脂組成物がポリエチレンテレフタレート樹脂を含み、蒸着層を形成する金属酸化物がアルミナであってもよい。
これにより、ガスバリア層と蒸着層との密着性が高いため、高いガスバリア性能と高い耐屈曲性とを併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
第19の発明に係るガスバリア性積層フィルムは、一局面から上記のいずれかの発明に係るガスバリア性積層フィルムであって、食品用または医療用の軟包装材であってよい。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、高いガスバリア性能と高い耐屈曲性と高い可撓性とを併せ持つため、食品用または医療用の軟包装材として用いることができる。
他の局面に従うガスバリア性積層フィルムの製造方法は、アミン変性高分子、無機層状化合物及び溶媒を混合し、pHが7を超え14以下のコーティング液を調製する工程と、金属酸化物および/または無機酸化物からなる蒸着層が表面に形成された基材の蒸着層の表面にコーティング液を塗布する工程と、コーティング液の溶媒を除去し、ガスバリア層を作製する工程を含む。
第20の発明に係るガスバリア性積層フィルムの製造方法は、上記の発明に係るガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、アミン変性高分子がアミン変性ポリビニルアルコールであってよい。
これにより、より高いガスバリア性能と、より高い耐屈曲性を併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
第21の発明に係るガスバリア性積層フィルムの製造方法は、上記の発明に係るガスバリア性積層フィルムの製造方法であって、アミン変性ポリビニルアルコールが、ポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーを含んでもよい。
これにより、より高いガスバリア性能と、より高い耐屈曲性を併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、高分子樹脂組成物からなる基材と、基材の表面に形成された、金属酸化物および/または無機酸化物からなる蒸着層と、蒸着層上に積層されており、アミン変性高分子および無機層状化合物を含む樹脂組成物からなるガスバリア層と、を含むので、高いガスバリア性能と高い可撓性と高い耐屈曲性と高い密着性とを併せ持つガスバリア性積層フィルムが得られる。
図1は本発明の一実施形態のガスバリア性積層フィルムの一例を示す模式的断面図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施形態に係るガスバリア性積層フィルムの模式的断面図を示す。図中、100はガスバリア性積層フィルム(以下、積層フィルムともいう。)であり、積層フィルム100は、基材110、蒸着層120、およびガスバリア層130を少なくとも有する。
積層フィルム100は、高分子樹脂組成物からなる基材110と、基材110の表面に形成された、金属、金属酸化物および無機酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む蒸着層120と、蒸着層120上に積層されており、アミン変性高分子および無機層状化合物を含む樹脂組成物からなるガスバリア層130と、を含む。
このように、積層フィルムは、高分子樹脂組成物からなる基材110を第1層とし、その上に金属、金属酸化物および無機酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む蒸着層120が第2層として積層され、蒸着層120の上にアミン変性高分子および無機層状化合物を含む樹脂組成物のガスバリア層130が第3層として積層され、少なくともこの3層がこの順序で積層されてなる積層フィルムである。なお、積層フィルムは、目的に応じて、ガスバリア層の上にさらに第4の層または第5以上の層が積層されていてもよく、基材の蒸着層と対向する側に他の層が積層されていてもよく、積層数は限らない。
以下に、積層フィルムの各層の構成を説明する。
(基材110)
本発明において用いられる基材110は高分子樹脂組成物からなり、シート状またはフィルム状のものである。基材110は主として機械的性質やフィルムの加工性等を付与するためのもので、一般に市販されている各種の熱可塑性樹脂フィルムが含まれる。
特に限定されないが代表的なものとして、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン12などのポリアミド、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体またはそのけん化物、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、セルロース、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコールなど、およびこれらの共重合体が挙げられる。
コストパフォーマンス、透明性、ガスバリア性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましく、2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムとポリアミドフィルムがより好ましい。
高分子樹脂組成物から基材110を製造する方法は、共押出法、キャスト法など、既存の方法を使用することができる。また、基材110は積層されてなるものでもよい。その場合、各層の種類、積層数や積層方法は特に限定されず、目的に応じて公知の方法から任意に選択することができる。
基材110は、未延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれでもよいが、寸法安定性および機械特性の観点から、二軸延伸されたものが特に好ましい。
また、基材110には、各種の添加剤が含まれていても良い。例えば、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤等がある。また、透明性を損なわない程度であれば、無機または有機の粒子を含んでいても良い。
例えば、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、アルミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、マイカ、リン酸カルシウム、架橋ポリスチレン系粒子などがある。無機粒子、有機粒子の平均粒子径としては、好ましくは0.001〜10μm、さらに好ましくは0.003〜5μmである。なお、平均粒子径は透過型顕微鏡などを用いて10000〜100000倍の写真を撮影し、数平均により求めた粒子径である。
さらに、基材110は透明であることが好ましい。全光線透過率が、40%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましく、さらに好ましくは80%以上である。また基材110は、平滑であることが好ましい。
基材110の厚さは、特に限定されないが2〜1000μmが好ましく、5〜500μmの範囲がさらに好ましく、最も好ましくは8〜200μmの範囲である。
成膜時の密着性をさらに改善するため、基材110の表面をコロナ放電処理、グロー放電処理、化学修飾その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されていてもよい。
(蒸着層120)
蒸着層120は、金属、金属酸化物および/または無機酸化物を基材の表面に蒸着処理することにより、基材表面に形成される層である。
蒸着層120における、金属、金属酸化物および/または無機酸化物としては特に限定されるものではないが、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、マグネシウムなどの酸化物もしくは単体、或いはそれらの複合物が用いられる。
基材表面に蒸着層120を形成する方法は、金属、金属酸化物および/または無機酸化物を蒸着処理する方法であり、具体的には真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法などが挙げられる。蒸着層120を形成する方法は、真空蒸着法またはCVD法が好ましい。
蒸着層120の膜厚は、用途などによって異なるが、数十Åから5000Åの範囲が望ましい。蒸着層120の膜厚が薄すぎると蒸着層120の連続性に問題があり、また蒸着層120の膜厚が厚すぎるとクラックが発生しやすく、可撓性が低下するため、好ましくは50〜3000Åである。
また、本発明では、蒸着層120に代わり、金属酸化物層および無機酸化物層からなる群から選択された酸化物層を基材110に積層してもよい。
酸化物層を積層する方法としては、スパッタリング、ウェットコーティングなど公知の方法を用いることができる。ウェットコーティングとしては、ディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの方法が用いられる。
(ガスバリア層130)
ガスバリア層130は、上記の蒸着層120上に形成されており、アミン変性高分子および無機層状化合物を含む樹脂組成物からなる。
ガスバリア層130は、アミン変性高分子、無機層状化合物、および水溶液もしくは水/アルコール溶液などの溶媒を少なくとも含み、無機層状化合物を分散させて得られたpHが7を超え14以下のコーティング液を、基材110の蒸着層120上に塗布、乾燥させて溶媒を除去することにより形成される。
次に、コーティング液に含まれる各成分について、以下に詳述する。
(アミン変性高分子)
アミン変性高分子としては、ヒドロキシ基の少なくとも一部がアミノ基に置換されたポリビニルアルコール(アミン変性ポリビニルアルコールともいう。)が好ましく使用される。アミン変性ポリビニルアルコールは、ビニルアミン−ビニルアルコールコポリマーを含むことが好ましい。つまり、上記ガスバリア層130はビニルアルコールおよびビニルアミンを含むコポリマー(以下、ポリビニルアミンコポリマーまたはPVAmと記載する場合がある。)を含むことができる。
上記ポリビニルアミンコポリマーは、ビニルアミン残基およびビニルアルコール残基をブロックコポリマー、ランダムコポリマー、またはそれらの組み合わせとして含むことができる。
上記ビニルアルコールおよびビニルアミンのランダムコポリマーは米国特許第6,559,227号において開示されている方法で製造されてよく、それを本明細書に援用する。米国特許第6,559,227号において開示されている製造方法により製造された製品は、本発明に従う樹脂組成物に十分に適している。
米国特許第6,559,227号において開示されているように、その製造方法は概してN−ビニルアミド単位およびビニルアセテート単位を含むコポリマーを加水分解し、塩基性条件下で水中に分散させる工程を含む。そのN−ビニルアミド単位は例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、および/または官能基を含むいずれかの適切なアミドから与えられる。ポリビニルアミンコポリマーの製造は加水分解工程を含み、ここでビニルアセテートおよびN−ビニルアミドのコポリマーは少なくとも約70%以上、好ましくは少なくとも約80%以上、好ましくは少なくとも約90%以上、好ましくは少なくとも約95%以上の程度まで加水分解され、本質的に100%の加水分解を有するコポリマーが好ましい。
上記加水分解は塩基性条件下で実行されてもよい。その塩基性条件は強いアルカリ、例えば苛性アルカリを添加することにより作り出すことができる。苛性アルカリの例には苛性ソーダまたは苛性カリが含まれる。そのアルカリはモノマー全体の当量あたり通常0.1から10当量まで、例えば0.5から5当量まで添加される。
加水分解の後、得られたスラリーを冷却し、その固体を液体からあらゆる適切な手段により分離することができる。その製造方法には洗浄工程も含まれてよく、ここで集められたポリマーは洗浄されてあらゆる不純物が除去される。洗浄は、ポリマー中の不純物をポリマーの喪失を最小限にして除去するために、1)アルコール、2)20℃以下の冷水、または3)塩水から選択される少なくとも1つを含む洗浄液を用いて達成することができる。
適切なポリビニルアミンコポリマーを製造するための他の方法が、米国特許第5,300,566号、米国特許第5,194,492号、および米国特許第5,491,199号において開示されており、それらを全て本明細書に援用する。
ガスバリア層130において好ましく使用されるポリビニルアミンコポリマー(水溶性コポリマーともいう。)は、好ましくは次の構造を有する:
ここで、mは0〜15モル%であり;nは50〜99モル%であり;xは0〜30モル%であり;およびyは1〜50モル%である。
上記コポリマーは米国特許第5,300,566号に記載のアルコール、例えばメタノール中での二相加水分解により製造される。
より詳細には、その製造方法は、ビニルアセテートモノマーおよびN−ビニルホルムアミドモノマーを反応容器中の反応混合物の中に連続的に供給する工程を含む。ビニルアセテートおよびN−ビニルホルムアミドは共重合してポリビニルアセテート−コ−ポリ(N−ビニルホルムアミド)を生じる。次いで上記のコポリマーを反応容器から取り出し、そのコポリマーのアセテート官能性をメタノール性の媒体中で加水分解すると、ビニルアルコールコポリマーがメタノールおよび酢酸メチルで膨潤されたゲルとして生じる。次いでそのゲルを細かく砕くと微粒子状のコポリマー生成物が得られる。
場合によりその微粒子状のコポリマー生成物をメタノールですすぎ、次いでメタノール中のスラリーとして酸または塩基を用いて加水分解してポリビニルアルコール(PVOH)/ポリビニルアミンコポリマー(PVAm)粒子を生成することができる。
そのPVOH/PVAm粒子をメタノールで洗浄して可溶性の塩類および副産物を除去する。次いで得られたコポリマーを乾燥させて用いることができる。得られたコポリマーは、適切な分子量、例えば約10,000から約200,000までの範囲の平均分子量を有する。重合反応のための適切なフリーラジカル開始剤には有機ペルオキシド類が含まれる。その開始剤は反応混合物中に約2重量%までの量で存在することができる。
ポリビニルアミンコポリマーは米国特許第5,491,199号に記載の方法に従って製造されてもよい。ここで、本質的に塩を含まないビニルアミンコポリマー、例えばビニルアルコールおよびN−ビニルホルムアミドのコポリマーが、出発物質を水性溶媒媒体中で、第1遷移系列またはVIII族のどちらかのメンバーである遷移金属を含む触媒の存在下で加熱することにより生成される。このクラスの範囲内で、その触媒はあらゆる金属または酸化された金属を含む金属錯体を含むことができる。
VIII族のメンバーを含む触媒には、パラジウム、プラチナまたはロジウムを含む触媒が含まれる。第1遷移系列の金属にはバナジウム、クロム、マンガン、銅および亜鉛が含まれる。その反応を約0.25〜12時間進行させる。
その水性媒体は、少なくとも約50モル%の水であることができるが、他の溶媒、例えばアルコール類が存在していてもよい。その触媒は出発するポリマーの濃度に基づいて約5から約70モル%までの濃度で存在することができる。その反応は、バッチまたは連続的製造方法のどちらかで実行されてもよい。
米国特許第5,491,199号に従って、上記の製造方法はN−ビニルホルムアミドポリマー類を対応する塩を含まないビニルアミンポリマー類に、連産品である塩類の除去を必要とすることなく1工程で変換する。
上記ポリビニルアミンコポリマー(水溶性コポリマー)の製造方法には、次の工程が含まれてもよい:
a)N−ビニルホルムアミドの総量の第1部分を反応器の中に装填する工程;
b)少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの総量の第1部分を反応器の中に装填する工程;
c)フリーラジカル重合触媒の総量の第1部分を第1触媒流速で反応器の中に連続的に供給する工程;
d)N−ビニルホルムアミドの第1部分、少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの第1部分を、フリーラジカル重合触媒の存在下で、重合条件下で、第1期間の間接触させる工程;
e)第1期間の後、N−ビニルホルムアミドの総量、ビニルC−C10アルキルエステルの総量、およびフリーラジカル重合触媒の総量が反応器の中に供給されるまで、重合条件下で、第2期間の間n−ビニルホルムアミドの第2部分をn−ビニルホルムアミド流速で反応器の中に連続的に供給し、一方で同時に少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルの第2部分を反応器の中にエステル流速で供給し、一方で同時にフリーラジカル重合触媒の第2部分を反応器の中に第2触媒流速で供給する工程;続いて
f)第3期間の間、n−ビニルホルムアミドおよび少なくとも1種類のビニルC−C10アルキルエステルをフリーラジカル重合触媒の存在下で反応器中において重合条件下で接触させて、ポリビニルホルムアミドおよび1種類以上のポリビニルC−C10アルキルエステル類を含む中間体コポリマーを生成し、ここで、第3期間は反応器中の中間体コポリマーの固体含有量が約20重量%以上約70重量%以下である時に終了する工程;続いて
g)コポリマーを、酸性または塩基性条件のどちらかの下で鹸化して中間体ポリビニルアミド−ポリビニルアルコールコポリマーを生成する工程;続いて
h)その中間体ポリビニルアミド−ポリビニルアルコールコポリマーを、酸性または塩基性条件のどちらかの下で加水分解して水溶性コポリマーを生成する工程。
ポリビニルアミンコポリマーは、ビニルアミンおよびビニルアルコールの残基を含む。そのポリビニルアミンコポリマーは存在するポリビニルアミンコポリマーの総量に基づいて約0.5モル%以上のビニルアミン、および99モル%以下のビニルアミンを含むことができる。
上記ポリビニルアミンコポリマーの重量平均分子量は約5,000g/モル以上、および約2,000,000g/モル以下であってもよい。
上記ポリビニルアミンコポリマーは単峰性分布を有するコポリマーを含んでいてもよい。別の態様において、そのポリビニルアミンコポリマーは二峰性分布または多峰性分布を有するコポリマーを含んでいてもよい。
上記ポリビニルアミンコポリマーは、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)により割ったものとして決定される、1から約200までの多分散指数を有していてもよい。
本発明の別の観点において、ポリビニルアミンコポリマー(水溶性コポリマー)は:
(a)99から1モル%までのN−ビニルホルムアミドおよび(b)1から99モル%までの1種類以上のビニルC−C10アルキルエステル類を共重合させ、次いで共重合した単位(a)からのホルミル基の30から100モル%までを加水分解してアミノ基を形成し、共重合した単位(b)からのC−C10アルキルエステル基の30から100モル%までを加水分解してヒドロキシル基を形成することにより形成されるコポリマーを含む。ここでそのコポリマーは、4重量%の水溶液が約100濁度単位未満の濁度を有することにより証明される単峰性分子量分布を有する。
さらに別の水溶性コポリマーは:
(a)99から1モル%までのN−ビニルホルムアミドおよび
(b)1から99モル%までの1種類以上のビニルC−C10アルキルエステル類を共重合させ、次いで共重合した単位(a)からのホルミル基の30から100モル%までを加水分解してアミノ基を形成し、共重合した単位(b)からのC−C10アルキルエステル基の30から100モル%までを加水分解してヒドロキシル基を形成することにより形成されるコポリマーを含む。ここで、そのコポリマーは本質的にアミジン環を含まず、これはそのコポリマーの13C NMRスペクトル中にアミジンの炭素原子の吸収と一致する吸収が無いことにより証明される。
(ポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーの他の構成)
ポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーは、以下の構成を有することができる。
(a)99から1モル%までのN−ビニルホルムアミドおよび
(b)1から99モル%までの1種類以上のビニルC−C10アルキルエステル類を共重合させ、次いで共重合した単位(a)からのホルミル基の30から100モル%までを加水分解してアミノ基を形成し、共重合した単位(b)からのC−C10アルキルエステル基の30から100モル%までを加水分解してヒドロキシル基を形成することにより形成され、そのコポリマーがゲル浸透勾配溶離クロマトグラフィー分析における本質的に1個のピークにより証明される単峰性組成分布を有することができる。
上記ビニルC−C10アルキルエステル類は、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、またはそれらの組み合わせであり得る。
上記ポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーは、約0.5モル%から約20モル%までのアミン官能基を含むことができる。
上記ポリビニルアミン−ポリビニルアルコールコポリマーは、約5モル%から約15モル%までのアミン官能基を含むことができる。
(無機層状化合物)
本発明で用いる無機層状化合物とは、コーティング液へ分散させる以前の状態として、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を形成している物をいう。層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス等の弱い結合力によってほぼ平行に積み重なった構造をいう。
無機層状化合物の中でも特に溶媒への膨潤性を持つ粘土鉱物が好ましく用いられる。
粘土鉱物は、一般に(i)シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属とした八面体層を有する2層構造を有するタイプと、(ii)シリカの四面体層が、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属とした八面体層を両側から挟んでなる3層構造を有するタイプに分類される。(i)の2層構造タイプの粘土鉱物としては、カオリナイト族およびアンチゴライト族等の粘土鉱物が挙げられる。(ii)の3層構造タイプの粘土鉱物としては、層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、およびマイカ族等の粘土鉱物が挙げられる。
これらの粘土鉱物としては、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等が挙げられる。また、これら粘土鉱物を有機化剤でイオン交換等の処理し、分散性等を改良した有機修飾粘土鉱物も、アルカリ金属イオン供与化合物として用いることができる(有機修飾粘土鉱物の種類、製造方法については、例えば前野昌弘、「粘土の科学」、174−181、1993年、日刊工業新聞社を参照)。有機化剤の例としては、ジメチルジステアリルアンモニウム塩やトリメチルステアリルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩やフォスフォニウム塩、イミダゾリウム塩等を挙げることができる。
上記粘土鉱物の中でもスメクタイト族、バーミキュライト族およびマイカ族の粘土鉱物が好ましく、スメクタイト族が特に好ましい。スメクタイト族としては、例えばモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライトが挙げられる。本発明における無機層状化合物は、モンモリロナイトであることが最も好ましい。また無機層状化合物として、2種類以上を用いてもよい。
無機層状化合物のアスペクト比は、200〜10000の範囲であることが好ましく、200〜5000の範囲であることがより好ましい。このようなアスペクト比の無機層状化合物を用いることにより、よりガスバリア性に優れる積層フィルムとなる。
無機層状化合物の平均粒径は、30μm以下であることが好ましい。このような平均粒径の無機層状化合物を含む樹脂組成物からなる積層フィルムは、ガスバリア性により優れるものとなる。またこのような平均粒径の無機層状化合物を用いることにより、製膜性にも優れる。本発明で得られる積層フィルムを特に透明性が求められる用途に用いる場合には、蒸着層120に含まれる無機層状化合物の平均粒径は1μm以下であることが好ましい。
前記した無機層状化合物のアスペクト比(Z)とは、Z=L/aで定義される値である。ここで、Lは無機層状化合物の平均粒径であり、aは、無機層状化合物の単位厚さ、即ち、無機層状化合物の単位結晶層の厚みを示し、粉末X線回析法(「機器分析の手引き(a)」(1985年、化学同人社発行、塩川二朗監修)69頁参照)により求められる。
本発明における無機層状化合物の平均粒径とは、コーティング液に含まれるコーティング液と同じコーティング液に無機層状化合物を分散させて、回折/散乱法により求めた粒径(体積基準のメジアン径)である。
コーティング液を蒸着層120の表面に塗布する方法としては、ウェットコーティングとして通常用いられる、ディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの公知の方法が用いられる。ウェット時の厚みは各種コーティング方法により異なるが、溶媒除去後の厚みは、0.01〜20μmの範囲であればよい。好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.1〜1.0μmである。
(コーティング液)
ガスバリア層を形成するために用いられるコーティング液に含まれる溶媒は、使用する無機層状化合物を膨潤し劈開させる溶媒であることが好ましい。
無機層状化合物が親水性の膨潤性粘土鉱物の場合には、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン等が挙げられる。特に、水、アルコール、水とアルコールの混合物が好ましい。
また、無機層状化合物が有機修飾粘土鉱物の場合には、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素類、クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、パークロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、メタクリル酸メチル、フタル酸ジオクチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、シリコンオイルなどをコーティング液の溶媒として用いることができる。
(コーティング液の製造方法)
ガスバリア層を形成するために用いられるコーティング液は、アミン変性高分子、無機層状化合物および溶媒を含む。
該コーティング液は、以下の方法で調製することができる。
例えば、アミン変性高分子(以下、樹脂)を溶媒に溶解させてなる樹脂溶液と、無機層状化合物を予め溶媒に膨潤し劈開させた無機層状化合物の分散液とを混合する方法;無機層状化合物を予め溶媒に膨潤し劈開させた無機層状化合物の分散液に樹脂を直接混合する方法;樹脂溶液と無機層状化合物とを混合する方法があげられる。
コーティング液を調製する際には、樹脂と無機層状化合物とを含む液に高圧分散処理してもよいし、予め高圧分散処理した無機層状化合物の分散液と、樹脂とを前記した方法で混合してもよい。ガスバリア層を形成するコーティング液を調製する際には、その分散性の観点から、高圧分散装置を用いて高圧分散処理することが好ましい。
(コーティング液のpH調製)
ガスバリア層を形成するために用いられるコーティング液のpHは7を超え14以下である。
そしてコーティング液のpHは、13以下が好ましく、12以下がより好ましく、11以下がさらに好ましく、9.6以下が最も好ましい。また、コーティング液のpHは7.5以上が好ましく、7.9以上がより好ましく、8.3以上がさらに好ましく、8.5以上が最も好ましい。また、コーティング液のpHは、7.9以上9.6以下とすることがより好ましく、8.5以上9.5以下とすることがさらに好ましい。
コーティング液のpHを下限値以上にすることで、蒸着層120をわずかに溶解して蒸着層120にあった微細孔を塞ぎ蒸着層120が密で平坦な構造となることで、積層フィルム100のガスバリア性能を高めることができる。一方で、コーティング液のpHを上限値以下とすることで、高い塩基性の影響で蒸着層120が劣化浸食されることを防ぎ、積層フィルム100のガスバリア性能が低下することを防ぐことができる。したがって、コーティング液のpHをこの範囲とすることで、ガスバリア性に顕著に優れる積層フィルム100を得ることができる。
すなわち、塩基性のコーティング液が蒸着層120の界面に作用して反応層を生じるか、あるいは蒸着層120に生じ得るピンホール、クラック、粒界などの欠陥或いは微細孔を封鎖し補強することで緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐水性、耐湿性を向上させるとともに、変形に耐えられる可撓性を向上させることができるものと推測される。
コーティング液のpHを調製する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、水酸化ナトリウム等の塩基性添加剤をコーティング液に添加する方法、イオン交換樹脂を用いる方法が好ましい。
コーティング液に含まれる無機層状化合物とアミン変性高分子(樹脂)の割合は、無機層状化合物と樹脂の体積の合計を100%とするとき、無機層状化合物の割合が5〜95%であることが好ましく、5〜50%であることがさらに好ましく、10〜50%であることがより好ましく、20〜50%であることが最も好ましい。樹脂の割合は、5〜95%であることが好ましく、50〜95%であることがさらに好ましく、50〜90%であることがより好ましく、50〜80%であることが最も好ましい。
また、コーティング液に含まれる無機層状化合物の割合は、無機層状化合物とアミン変性高分子(樹脂)の重量の合計を100重量%とするとき、10〜50重量%であることが好ましく、20〜40重量%であることがさらに好ましく、25〜35重量%であることがより好ましい。
本発明でコーティング液にアミン変性高分子以外の水溶性高分子を含有させることもできる。そのような水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。特に、ポリビニルアルコール(以下、PVAとする)をコーティング液に含有させるのが好ましい。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全けん化PVAまでを含み、とくに限定されるものではない。ガスバリア層は、さらにエチレン−ビニルアルコールコポリマーを含むことができる。
コーティング液には、界面活性剤を添加することもできる。
界面活性剤を含有するコーティング液を塗工してガスバリア層を形成することにより、該ガスバリア層と蒸着層との密着性を向上させることができる。界面活性剤の含有量は、通常、コーティング液100重量%中0.001〜5重量%である。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤など、公知の界面活性剤を用いることができる。
(架橋剤)
なお、コーティング液は以下の架橋剤を含めることもできる。
コーティング液に含まれる樹脂が、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アンモニウム基などの架橋性反応基を有する場合には、用いられる架橋剤として、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、メラミン系カップリング剤、エポキシ系カップリング剤、イソシアネート系カップリング剤、カルボジイミド系カップリング剤、銅化合物、ジルコニウム化合物、上記架橋性反応基と反応し得る官能基を有するホモポリマーまたはコポリマー類等が挙げられる。これら架橋剤は、一種類のみを用いてもよく、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
架橋剤をコーティング液に添加する場合には、通常架橋剤を予めアルコール類等の溶媒に10〜90重量%溶解させた架橋剤溶液を、コーティング液に添加する方法によって実施される。
また、架橋剤をコーティング液に添加する方法の他に、ガスバリア層130の表面および/またはガスバリア層130の裏面(ガスバリア層と蒸着層との間)に、架橋剤を含む層を形成してもよい。すなわち、ガスバリア層130の表面に架橋剤を含むトップコート液を塗布することによりトップコート層を形成し、蒸着層120の表面に架橋剤を含むアンダーコート液を塗布することによりアンダーコート層を形成してもよい。このような方法によれば、以下の利点がある。
コーティング液に含まれるアミン変性化合物の反応性が高いために、架橋剤をコーティング液に添加した場合にはコーティング液がゲル化する場合がある。しかし、上記のようにトップコート液、アンダーコート液に架橋剤を添加する場合には、これらの液がゲル化することなくガスバリア層との界面のみで架橋することになる。
なお、架橋剤を使用する場合は、架橋剤が添加されたコーティング液、オーバーコート液、アンダーコート液を塗布し、室温などで溶媒を除去することによって層を形成するようにしてもよいが、適宜、加熱、紫外線(UV)照射、電子線(EB)照射などによってコーティング液、オーバーコート液、アンダーコート液に含まれる架橋剤を活性化させて反応させ、あるいは反応を促進させるようにしてもよい。
架橋剤として具体的には、以下が挙げられる。
N−ビニルピリジン、エチレン的に不飽和なモノ、ジ、またはトリアルキルアンモニウム塩類、N−メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル−N−アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル−N−アクリルアミドのコポリマー類、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリウレタン、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリビニルピリジン、アクリル酸ポリマー類、無水マレイン酸コポリマー類、ポリアルキレンオキシド、メタクリルアミドコポリマー類、ポリビニルオキサゾリジノン類、マレイン酸コポリマー類、ビニルアミンコポリマー類、メタクリル酸コポリマー類、アクリロイルオキシスルホン酸コポリマー類、ビニルイミダソールコポリマー類、ビニルスルフィドコポリマー類、スチレンスルホン酸を含むホモポリマーまたはコポリマー類、アルファ−オレフィン−ビニルアセテートコポリマー類、アルファ−オレフィン−ビニルアルコールコポリマー類、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種類の追加のポリマー。
(ガスバリア層130にラミネートされる樹脂層)
ガスバリア層130上に反応性化合物を含む接着層を介して樹脂層を積層することもできる。接着層に含まれる反応性化合物がガスバリア層130を形成するアミン変性高分子に含まれるヒドロキシ基、アミノ基と反応し、両層の界面で架橋層を形成することで、ガスバリア性能をさらに向上させることができる。
樹脂層を形成する材料は、所望とする機能、特性などに応じて公知の材料から選択することができる。例えば、樹脂層として、ヒートシール性の有する樹脂で構成されるシーラントフィルムを用いることにより、積層フィルムを使用して袋状包装体などを形成する際のシール部(接着部)に利用することができる。
シーラントフィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等が挙げられる。シーラントフィルムの厚さは、一般的には15μm以上200μm以下の範囲であるのが好ましい。
樹脂層の形成は、選択した樹脂層の材料に応じて公知の接着方法を用いて実施することができる。例えば、接着剤を用いたドライラミネート、熱接着性樹脂を用いた押出成形などのラミネート方法を用いてもよい。接着剤を用いたドライラミネートの場合、接着剤が接着剤層を形成する構成となる。また、熱接着性樹脂を用いた押出成形の場合、熱接着性樹脂が接着剤層を形成する構成となる。
接着剤としては、例えば、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いることができる。当該接着剤は分子内にイソシアネート基を少なくとも2個以上有するイソシアネート化合物を含有することが好ましい。このようなポリウレタン系接着剤を使用することにより、上記したようにイソシアネート基がガスバリア層に含まれるアミノ基、水酸基と反応してウレア結合、ウレタン結合を形成する。これによりガスバリア層のバリア性および耐久性がさらに向上する。
本発明の積層フィルム100は、ガスバリア層130または樹脂層の表面に、さらに印刷層など他の層が積層されていてもよい。
本発明で得られる積層フィルム100を構成する各層は、本発明の効果を損なわない程度に必要に応じて、紫外線吸収剤、着色剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
このようにして得られた積層フィルム100は、後述する酸素透過度(23℃・0%RH)の値は、0.1未満であり、0.05未満が好ましく、0.01未満がより好ましく、0.005以下がさらに好ましい。また、後述する酸素透過度(23℃・80%RH)の値は、5.0未満であり、1.0以下が好ましく、0.5未満がより好ましく、0.15以下がさらに好ましい。また、後述するゲルボフレックステスト10回後の酸素透過度(23℃・0%RH)の値は、20以下であり、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましい。また、後述するゲルボフレックステスト50回後の酸素透過度(23℃・0%RH)の値は、100以下であり、50以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。後述する水蒸気透過度試験の値は、2.0未満であり、1.0以下が好ましく、0.9以下がより好ましく、0.6以下がさらに好ましい。
以下に、実施例および比較例で得られた積層フィルム100の酸素透過度の測定方法及び耐屈曲性テスト(ゲルボフレックステスト)方法を示す。
A.<酸素透過度>
積層フィルム100の酸素透過度(以下、OTRと記載する。)は、JIS−K7126に基づき、酸素透過度測定装置(MOCON酸素透過率測定装置OX−TRAN2/22 10x)を用いて、23℃・0%RHまたは23℃・80%RHの条件下で酸素透過度を測定した。酸素透過度試験は、食品用または医療用軟包装材として用いる場合を想定し、基材側から酸素ガスを透過して試験を行った。
B.<ゲルボフレックステスト>
耐屈曲性のテスト方法は、いわゆるASTMF392に準拠したゲルボフレックステスター(テスター産業社製)を用いて評価した。
条件としては(MIL−B131H)で112inch×8inchの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状とし、両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、ストロークの3(1/2)inchで、400度のひねりを加えるものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/minの速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行った。
表1に示すように、ゲルボフレックステスト(20℃・65%RH)を10回または50回行った後に、酸素透過度の測定(23℃・0%RH)を行った。
C.<水蒸気透過度>
積層フィルム100の水蒸気透過度(以下、WVTRと記載する。)は、JIS−K7129に基づき、水蒸気透過度測定装置(MOCON水蒸気透過率想定装置PERMATRAN−W 3/33)を用いて、40℃・90%RHの条件下で、水蒸気透過度を測定した。水蒸気透過度試験も酸素透過度試験と同様に、基材110側から水蒸気を透過して試験を行った。
<実施例1>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)の水/アルコール溶液に無機層状化合物を分散させてイオン交換を行い、pH10のコーティング液を調製した。このコーティング液を、アルミナ蒸着PETフィルム(12μm)の蒸着面上にウェットコーティング技術を用いて塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.1−0.4μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層)が形成された積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRとWVTRを測定した。その結果を表1に記載した。
続いて、積層フィルム100にゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
なお、上記のアルミナ蒸着PETフィルムは東レフィルム加工社製バリアロックス1011HG品番、厚み12μmを使用した。
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)は、Selvol Ultiloc 5003(Sekisui Specialty Chemicals America社製)を使用した。
無機層状化合物は、高純度モンモリロナイト(クニミネ工業社製クニピアG)を使用した。
溶媒は、水/エタノール溶液(重量比2:1)を使用した。
コーティング液を次のようにして調製した。
アミン変性高分子を水に溶解し、水溶液を得た。続いて、水/エタノール溶液を滴下し、撹拌しながら無機層状化合物を徐々に加えた。このとき、アミン変性高分子は2.7重量部であり、無機層状化合物は1.3重量部であり、加えた溶媒(水およびエタノール:濃度33重量%)は96重量部であった。その後、エタノールを加え高圧分散してコーティング液を得た。得られたコーティング液のpHは10であった。
<実施例2>
実施例1で調製した分散液に水酸化ナトリウム水溶液(1N)を滴下し、pH14に調製したコーティング液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRを測定した。その結果を表1に記載した。続いて、積層フィルム100にゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<実施例3>
蒸着層120を有する基材110として、シリカ蒸着のPETフィルム(12μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRを測定した結果を表1に記載した。
続いて、積層フィルム100にゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<実施例4>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)と水/アルコール溶液と無機層状化合物とを混ぜ、pH12.4のコーティング液を調製した。このコーティング液を、アルミナ蒸着PETフィルム(12μm)の蒸着面上にウェットコーティングによって塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.1−0.2μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層130)を形成した。その他は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRを測定した。その結果を表1に記載した。
<実施例5>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)と水/アルコール溶液と無機層状化合物を混ぜ、イオン交換を実施しpH9.6のコーティング液を調製した。このコーティング液を、蒸着層とPET基材との密着強度の弱いアルミナ蒸着PETフィルム(12μm)の蒸着面上にウェットコーティング技術を用いて塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.1−0.2μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層130)を形成した。その他は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRおよびWVTRを測定した。その結果を表1に記載した。続いて、積層フィルム100にゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを任意の回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボの列に記載した。
<実施例6>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)と水/アルコール溶液と無機層状化合物を混ぜ、イオン交換を実施しpH9.6のコーティング液を調製した。このコーティング液を、基材であるアルミ蒸着PETフィルム(12μm)の蒸着面上にウェットコーティング技術を用いて塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.1−0.2μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層130)を形成した。その他は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRを測定した。その結果を表1に記載した。続いて、積層フィルム100にゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを任意の回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<実施例7>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)と水/アルコール溶液と無機層状化合物を混ぜ、イオン交換を実施しpH9.6のコーティング液を調製した。このコーティング液を、アルミ蒸着ONYフィルム(15μm)の蒸着面上にウェットコーティング技術を用いて塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.1−0.2μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層130)を形成した。その他は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRを測定した。その結果を表1に記載した。
<実施例8>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)と水/アルコール溶液と無機層状化合物を混ぜ、イオン交換を実施しpH9.6の分散液を調製した。この分散液に塩酸(1N)を滴下しpH7.3に調製した。このコーティング液を、アルミナ蒸着PETフィルム(12μm)の蒸着面上にウェットコーティング技術を用いて塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.4μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層130)を形成した。その他は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルムについて、OTRを測定した。その結果を表1のOTRの列に記載した。
<実施例9>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)と水/アルコール溶液と無機層状化合物を混ぜ、イオン交換を実施しpH9.6の分散液を調製した。この分散液に塩酸(1N)を滴下しpH7.9に調製した。このコーティング液を、アルミナ蒸着PETフィルム(12μm)の蒸着面上にウェットコーティング技術を用いて塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.4μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層130)を形成した。その他は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRを測定した。その結果を表1のOTRの列に記載した。
<実施例10>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)と水/アルコール溶液と無機層状化合物を混ぜ、イオン交換を実施しpH9.6の分散液を調製した。この分散液に塩酸(1N)を滴下しpH8.8に調製した。このコーティング液を、アルミナ蒸着PETフィルム(12μm)の蒸着面上にウェットコーティング技術を用いて塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.4μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層130)を形成した。その他は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRを測定した。その結果を表1のOTRの列に記載した。
<実施例11>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)と水/アルコール溶液と無機層状化合物を混ぜ、イオン交換を実施しpH9.6の分散液を調製した。この分散液に水酸化ナトリウム水溶液(1N)を滴下しpH11に調製した。このコーティング液を、アルミナ蒸着PETフィルム(12μm)の蒸着面上にウェットコーティング技術を用いて塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.4μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層130)を形成した。その他は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRを測定した。その結果を表1のOTRの列に記載した。
<実施例12>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)と水/アルコール溶液と無機層状化合物を混ぜ、イオン交換を実施しpH9.6の分散液を調製した。この分散液に水酸化ナトリウム水溶液(1N)を滴下しpH12に調製した。このコーティング液を、アルミナ蒸着PETフィルム(12μm)の蒸着面上にウェットコーティング技術を用いて塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.4μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層130)を形成した。その他は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRを測定した。その結果を表1のOTRの列に記載した。
<実施例13>
アミン変性ポリビニルアルコール(NVF)と水/アルコール溶液と無機層状化合物を混ぜ、イオン交換を実施しpH9.6の分散液を調製した。この分散液に水酸化ナトリウム水溶液(1N)を滴下しpH13に調製した。このコーティング液を、アルミナ蒸着PETフィルム(12μm)の蒸着面上にウェットコーティング技術を用いて塗布した。次に、コーティング液が塗布された基材フィルムを加熱乾燥し溶媒を除去することにより、0.4μm程度の樹脂被膜(ガスバリア層130)を形成した。その他は、実施例1と同様にして積層フィルム100を得た。
得られた積層フィルム100について、OTRを測定した。その結果を表1のOTRの列に記載した。
<比較例1>
実施例1で調製した分散液に塩酸(1N)を滴下しpH7に調製したコーティング液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムについて、OTRを測定した結果を表1に記載した。
続いて、積層フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<比較例2>
実施例1で調製した分散液に塩酸(1N)を滴下しpH2に調製したコーティング液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、OTRを測定した結果を表1に記載した。
続いて、積層フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<比較例3>
蒸着層120が形成されていないPETフィルム(12μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムについて、OTRおよびWVTRを測定した結果を表1に記載した。続いて、積層フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<比較例4>
コーティング液として、ポリビニルアルコールの水/アルコール溶液に無機層状化合物を分散させてpH7のコーティング液を調製した(ポリビニルアルコール2.7重量部、無機層状化合物1.3重量部、水およびエタノール(濃度33重量%)96重量部、固形分濃度4重量%)こと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムについて、OTRを測定した結果を表1に記載した。続いて、積層フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<比較例5>
コーティング液として、ポリビニルアルコールの水/アルコール溶液(ポリビニルアルコール濃度4重量%、pH7)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムについて、OTRを測定した結果を表1に記載した。
続いて、積層フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<比較例6>
コーティング液として、アミン変性ポリビニルアルコールの水/アルコール溶液(pH10)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、OTRを測定した結果を表1に記載した。
続いて、積層フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<比較例7>
アルミナ蒸着PETフィルム(12μm)のOTRを測定し、表1に記載した。
続いて、フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<比較例8>
シリカ蒸着PETフィルム(12μm)のOTRおよびWVTRを測定し、表1に記載した。
続いて、フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<比較例9>
蒸着層120が形成されていないPETフィルム(12μm)のOTRを測定し、表1に記載した。
続いて、フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のOTR、ゲルボ後の列に記載した。
<比較例10>
蒸着層120が形成されていないOPPフィルム(20μm)を用いたこと以外は、実施例5と同様にして積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムについて、OTRを測定した。その結果を表1のOTRの列に記載した。
<比較例11>
蒸着層120が形成されていないLLDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム70μm)を用いたこと以外は、実施例5と同様にして積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムについて、OTRを測定した。その結果を表1のOTRの列に記載した。
<比較例12>
蒸着層120が形成されていないLDPEフィルム(低密度ポリエチレンフィルム70μm)を用いて、コーティング液のpHを10.3に調整したこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムについて、OTRを測定した。その結果を表1のOTRの列に記載した。
<比較例13>
蒸着層120とPET基材110との密着強度の弱いアルミナ蒸着PETフィルム(12μm)を用いて、OTRおよびWVTRを測定し、表1に記載した。続いて、積層フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のゲルボ後の列に記載した。
<比較例14>
蒸着層120上にコーティング層を有するアルミナ蒸着PETフィルム(12μm)を用いて、OTRおよびWVTRを測定し、表1に記載した。続いて、積層フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のゲルボ後の列に記載した。
<比較例15>
アルミ蒸着PETフィルム(12μm)のOTRを測定し、表1に記載した。続いて、積層フィルムにゲルボテスターを用いて屈曲ストレスを一定回数与え、OTRを測定した。結果を表1のゲルボ後の列に記載した。
表1中の略号は以下の通りである。
NVFはアミン変性ポリビニルアルコールとしてSelvol Ultiloc 5003(Sekisui Specialty Chemicals America社製)を示し、fillerは無機層状化合物として高純度モンモリロナイト(クニミネ工業社製クニピアG)を示し、PVAはポリビニルアルコールを示す。
PETはポリエチレンテレフタレート、ONYは延伸ナイロン、OPPは延伸ポリプロピレン、LLDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレンを示す。
表1中のOTRの単位はcc/m・day・atmであり、WVTRの単位はg/m・dayである。
表1に示す結果から、以下のことがわかる。
実施例1から3のように、蒸着基材上にアミン変性高分子と無機層状化合物とを含む塩基性のコーティング液を塗布、乾燥して樹脂組成物からなるガスバリア層130を形成した積層フィルム100では、ゲルボ前およびゲルボ後の酸素透過度がともに低い。一般には、ゲルボテスト前での酸素透過度が0.1cc/m・day・atm以下の場合を「良」とされ、ゲルボテスト50回後での酸素透過度が15cc/m・day・atm以下である場合を「良」とされている。
しかし、比較例1のように中性のコーティング液を用い、または比較例2のように酸性のコーティング液を用い、その他は実施例1と同様にして蒸着基材上にコーティング液を塗布、乾燥して積層フィルムを作製した場合には、ゲルボテストの前後において、ともに酸素透過度が高く、酸素バリア性に劣った。
比較例3のように、蒸着フィルム基材を用いない場合は、ゲルボテスト前において酸素透過度が低かった。比較例5および6のように、コーティング液が無機層状化合物を含まない場合は、特にゲルボテスト50回後において酸素透過度が著しく高かった。
実施例1および2は、比較例1〜8に比べてゲルボ後のOTRが非常に低い。このことから、実施例1および2のガスバリア層130の密着性が高いことがわかる。
この理由は、ガスバリア層130を構成するコーティング液が基材110まで浸透したため密着性が高まったものと推測される。したがって、本発明の積層フィルム100は密着性(ガスバリア層130と蒸着層120および蒸着層120と基材110の密着性)が高いため、屈曲ストレスを与えた後もガスバリア性能を良好に維持することができる。
実施例8は比較例1に比べるとOTR値が大幅に減少していることがわかる。これは、コーティング液のpHを塩基性にすることで、コーティング液が蒸着層をわずかに溶解させて、蒸着層にあった微細孔を塞ぎ蒸着層が密で平坦な構造となることで、ガスバリア性能を著しく高めたものと推測される。
また、実施例8−13では、コーティング液のpHを7.3−13に変化させている。その結果、コーティング液のpHは高い方がOTR値は低くなるが、pHが高くなりすぎるとOTR値が高くなる。すなわち、pHが高いコーティング液で蒸着層をわずかに溶解させることでガスバリア性能を高められる一方で、pHが高すぎると蒸着層を劣化させてガスバリア性能が低下するものと推測される。したがって、コーティング液のpHは7.3より大きく13より小さくすることがより好ましい。
さらに、実施例5および比較例13は、他の実施例と比べて蒸着層と基材との密着強度の弱いアルミナ蒸着PETフィルムを使用した。その結果、ゲルボフレックステスト後の結果は悪くなるが(比較例7および比較例13)、本発明の構成としてコーティング液を使用することにより、OTR値、ゲルボ後OTR値、WVTR値ともに高い性能となる(実施例5)。
したがって、蒸着層と基材との密着強度が弱い場合であっても、本発明の構成とすることにより高いガスバリア性能と高い耐屈曲性とを併せ持つガスバリア性積層フィルムを得ることができる。
[実施形態における各部と請求項の各構成要素との対応関係]
本明細書における積層フィルム100が「ガスバリア性積層フィルム」に相当し、基材110が「基材」に相当し、蒸着層120が「蒸着層」に相当し、ガスバリア層130が「ガスバリア層」に相当する。
100 ガスバリア性積層フィルム
110 基材
120 蒸着層
130 ガスバリア層

Claims (9)

  1. 高分子樹脂組成物からなる基材と、前記基材の少なくとも片面に積層された蒸着層と、前記蒸着層に隣接して積層されたガスバリア層と、を備えるガスバリア性積層フィルムであって、
    前記蒸着層は、金属、金属酸化物および無機酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記ガスバリア層は、アミン変性高分子および無機層状化合物を含む樹脂組成物からなる、ガスバリア性積層フィルム。
  2. 前記アミン変性高分子が、アミン変性ポリビニルアルコールである請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  3. 23℃、0%RH条件下での酸素透過度をA cc/m・day・atm、
    ゲルボフレックステスト10回後、23℃、0%RHで測定した酸素透過度をB cc/m・day・atmとし、
    ゲルボフレックステスト50回後、23℃、0%RHで測定した酸素透過度をC cc/m・day・atmとしたとき、
    A≦0.1、B≦15、C≦50、かつC/A≦2000を満たす、請求項1または2に記載のガスバリア性積層フィルム。
  4. 23℃、0%RH条件下での酸素透過度がA cc/m・day・atmとし、
    ゲルボフレックステスト50回後、23℃、0%RHで測定した酸素透過度がC cc/m・day・atmとしたとき、
    A≦0.1、C≦15、かつC/A≦300を満たす、請求項1または2に記載のガスバリア性積層フィルム。
  5. 前記無機層状化合物がモンモリロナイトを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のガスバリア性積層フィルム。
  6. 前記高分子樹脂組成物がポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂を含み、前記蒸着層を形成する前記金属または前記金属酸化物がアルミニウムまたはアルミナである、請求項1から5のいずれか1項に記載のガスバリア性積層フィルム。
  7. アミン変性高分子、無機層状化合物及び溶媒を混合し、pHが7を超え14以下のコーティング液を調製する工程と、
    金属、金属酸化物および無機酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む蒸着層が表面に形成された基材の前記蒸着層の表面に前記コーティング液を塗布する工程と、
    前記コーティング液の溶媒を除去し、ガスバリア層を作製する工程と、を含むガスバリア性積層フィルムの製造方法。
  8. 前記コーティング液のpHが7.3より大きく13より小さい請求項7に記載のガスバリア性積層フィルムの製造方法。
  9. 前記コーティング液中の前記無機層状化合物の含有量が、0.1重量%以上4.0重量%以下である請求項7または8に記載のガスバリア性積層フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2021095755A1 (ja) * 2019-11-13 2021-11-25 住友化学株式会社 塗工液
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