以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る配達ボックスシステムの構成の一例を示す正面図である。図1に示す配達ボックスシステム1は、例えばメールボックスや宅配ボックス等の配達ボックスを備えている。配達ボックスシステム1は、例えばマンションなどの集合住宅に設けられたメールコーナーやエントランスホール等に設けられている。
配達ボックスシステム1は、集合住宅の各住戸に対応して設けられた複数のメールボックス2(配達ボックス)と、複数の宅配ボックス3(配達ボックス)と、認証用操作盤4とを備えている。例えば集合住宅に101〜105号室、201〜205号室、及び301〜305号室の合計15の住戸がある場合、これら15の住戸に対応する15個のメールボックス2が設けられている。
メールボックス2は、ハガキや封書等の郵便物(配達物)を受け入れる。メールボックス2は、後述するメールボックス本体22(本体部)と、開閉可能な扉21とを備えている。扉21には、配達されてきた郵便物を受け入れるための投入口211と、部屋番号タグ213とが取り付けられている。部屋番号タグ213には、各メールボックス2と対応する部屋番号が記載されている。
図2は、図1に示すメールボックス2の1つを、扉21が開いた状態で示す斜視図である。図2に示すメールボックス2は、正面側が開放された略箱状のメールボックス本体22に対して、水平方向に長尺の扉21が開閉可能に取り付けられて構成されている。扉21の一方の短辺216aの上側辺縁部付近にはヒンジ214a、短辺216aの下側辺縁部付近にはヒンジ214bが設けられている。扉21は、ヒンジ214a,214bによって、短辺216aを中心に揺動することによりメールボックス本体22に対して開閉可能にされている。
ヒンジ214a,214bには、ねじりコイルばね23(扉駆動部)が取り付けられている。ねじりコイルばね23は、扉21が閉じられたときに弾性反発力を蓄積し、扉21に開方向の駆動力を付与する。扉21の上端付近には、水平方向に長尺の長方形状の投入口211が形成されている。扉21の内側には、投入口211を塞ぐ開閉可能な蓋体215が、投入口211の上方からつり下げられている。
図3は、図1に示す蓋体215の開閉動作を説明するための説明図である。蓋体215は、例えば水平方向に長尺の板状の部材である。蓋体215の上端部には、長手方向に突出する支持軸215aが取り付けられている。
図3(a)は、閉じた状態の蓋体215を示している。蓋体215は、支持軸215aを中心に揺動可能にされている。蓋体215は、投入口211に配達物が投入(挿入)されない状態では、自重により支持軸215aから略鉛直方向に垂下し、投入口111を内側から覆う閉蓋姿勢となっている。なお、付勢部材の付勢力により、蓋体215を閉蓋させる構成であってもよい。
扉21の内側であって、投入口111の短辺の縁部付近には、蓋体姿勢検知スイッチ218(蓋体姿勢検知部)が配設されている。蓋体姿勢検知スイッチ218は、例えばマイクロスイッチ等の検知スイッチであり、扉21の内側方向に向かって弾性的に突出する突出片218aを備えている。なお、蓋体姿勢検知部は検知スイッチに限らない。例えば光センサや磁気センサ等の検知手段により蓋体215の姿勢を検知するものであってもよい。
蓋体215には、閉蓋姿勢において、突出片218aと干渉し、突出片218aを押圧する干渉片215bが形成されている。蓋体215が閉蓋姿勢になると、干渉片215bによって突出片218aが押圧され、蓋体姿勢検知スイッチ218がオンする。これにより、蓋体姿勢検知スイッチ218によって、蓋体215が閉蓋姿勢になったことが検知される。
図3(b)は、開いた状態の蓋体215を示している。投入口211に、例えば手紙、ハガキ、新聞、雑誌等の配達物Aが投入(挿入)されると、配達物Aと蓋体215とが干渉し、配達物Aの投入に応じて蓋体215が揺動変位することにより投入口211が開口され、蓋体215が開蓋姿勢となる。閉蓋姿勢では、干渉片215bが突出片218aから離間し、蓋体姿勢検知スイッチ218がオフする。これにより、蓋体姿勢検知スイッチ218によって、蓋体215が開蓋姿勢になったことが検知される。このように、蓋体姿勢検知スイッチ218のオン、オフは、蓋体215の姿勢を表している。
扉21の内側であって、短辺216aと対向する短辺216bの近傍には、ロック機構24が取り付けられている。ロック機構24は、閂棒241と、閂棒241を扉21の長尺方向に沿ってスライド可能に保持する保持部242と、閂棒241を短辺216bに向かう方向に駆動するコイルばね243と、ソレノイド244と、閂棒241とソレノイド244とを連動させるリンク245とを含む。ソレノイド244は、リンク245を介して閂棒241をスライドさせる。
メールボックス本体22には、閂棒241と係合可能に構成された係合部221が設けられている。これにより、扉21が閉じられた状態(閉姿勢)で、ソレノイド244がオフするとコイルばね243の弾性反発力により閂棒241が突出して係合部221と係合し、扉21がロックされる。扉21が閉じられた状態で、ソレノイド244がオンするとソレノイド244の駆動力がリンク245を介して閂棒241へ伝達され、閂棒241が退避して係合部221との係合が解除され、扉21のロックが解除される。扉21のロックが解除されると、ねじりコイルばね23の弾性反発力により、扉21が開方向に駆動されて開かれ、開姿勢となる。
メールボックス本体22の扉21側周縁部には、扉開閉検知スイッチ222(扉姿勢検知部)が取り付けられている。扉開閉検知スイッチ222としては、例えばマイクロスイッチ等の検知スイッチが用いられる。
また、扉21の、扉21が閉じられたときに扉開閉検知スイッチ222と対応する位置には、干渉片217が取り付けられている。これにより、扉21が閉じられたとき、扉開閉検知スイッチ222と干渉片217とが干渉して扉開閉検知スイッチ222がオンする。一方、扉21が開かれたとき、扉開閉検知スイッチ222と干渉片217とが干渉しなくなり、扉開閉検知スイッチ222がオフする。これにより、扉開閉検知スイッチ222は、扉21が開姿勢であるか閉姿勢であるかを検知する扉姿勢検知部として機能する。
なお、扉21が、メールボックス2の前面に取り付けられている例を示したが、例えば図4に示すように、メールボックス2が集合住宅の壁面Bを貫通するように配設され、扉21は、メールボックス2の背面に取り付けられ、壁面Bの向こう側(図4では手前側)で扉21が開閉する構成としてもよい。この場合、扉21に対応して、ロック機構24、干渉片217、ヒンジ214a,214b、ねじりコイルばね23、係合部221、及び扉開閉検知スイッチ222も背面側に設けられ、蓋体215及び蓋体姿勢検知スイッチ218が前面側に設けられる。扉21がメールボックス2の背面側に設けられる場合、認証用操作盤4もメールボックス2の背面側、すなわち壁面Bの向こう側(図4では手前側)に設けられる。
図1を参照して、15個のメールボックス2の下方には、複数、例えば3個の宅配ボックス3が配設されている。各宅配ボックス3には、開閉可能な荷物扉31(開閉扉)が設けられている。荷物扉31の外側には、各宅配ボックス3に付与されたボックス番号が記載されたナンバープレート32と、取っ手33とが取り付けられている。
宅配ボックス3の内部の構成は、投入口211、蓋体215及び蓋体姿勢検知スイッチ218を備えない他、図2に示すメールボックス2と略同様に構成され、図5の壁面Bより手前側に示すように、メールボックス2におけるメールボックス本体22、ロック機構24、ねじりコイルばね23、ヒンジ214a,214b、干渉片217、係合部221、扉開閉検知スイッチ222、底面223、閂棒241、保持部242、コイルばね243、及びソレノイド244に対応する宅配ボックス本体30(本体部)、ロック機構34、ねじりコイルばね35(荷物扉駆動部)、ヒンジ314a,314b、干渉片317、係合部321、開閉検知スイッチ322、底面323、閂棒341、保持部342、コイルばね343、及びソレノイド344等を備えている。その他の構成は図2に示すメールボックス2と同様であるのでその説明を省略する。
なお、扉駆動部及び荷物扉駆動部の一例として、ねじりコイルばねを示したが、扉駆動部及び荷物扉駆動部はねじりコイルばねに限られず、例えばソレノイドやモータであってもよい。
また、例えば図5に示すように、宅配ボックス3の荷物扉31及び荷物扉31に対応する各部材は、宅配ボックス3の前面側に加えて、宅配ボックス3の背面側にも設けられる構成であってもよい。この場合、宅配ボックス3の前面側の荷物扉31及び開閉検知スイッチ322が、それぞれ受入用開閉扉及び受入用扉姿勢検知部に相当し、宅配ボックス3の背面側の荷物扉31及び開閉検知スイッチ322が、それぞれ取出用開閉扉及び取出用扉姿勢検知部に相当する。そして、壁面Bを貫通するように宅配ボックス本体30を配設し、壁面Bの一方の側に受入用の荷物扉31が配置され、壁面Bの他方の側に取出用の荷物扉31が配置される。
認証用操作盤4は、例えばメールコーナーやエントランスホールの入口付近に設けられている。認証用操作盤4は、カード読取部41と、操作部42と、表示部43とを備えている。認証用操作盤4は、認証カードを用いて認証を行う。
集合住宅の居住者は、自分がその集合住宅の居住者であることを示す認証用の認証カードを所持している。居住者が、自分の認証カードをカード読取部41にタッチすることにより、認証カードに記憶された情報がカード読取部41に読み取られる。カード読取部41で読み取られた情報に基づき認証が行われる。認証カードには、その居住者の住戸を示す情報、例えば部屋番号が記憶されている。なお、認証カードには部屋番号を記憶せず、居住者とその居住者の部屋番号とを対応付けるデータテーブルを例えば認証情報記憶部65に記憶しておき、認証カードで認証された居住者の部屋番号を、データテーブルを参照して取得する構成であってもよい。
カード読取部41及び認証カードの通信方式としては、例えばNFC(Near Field Communication)を用いることができる。なお、認証方式としては、種々の方式を採用することができる。認証方式は、NFCを用いた認証方式でなくてもよく、認証カードでカード読取部41をタッチしなくてもよい。例えば、認証用操作盤4の認証手段として、3〜5m程度の距離で通信可能なRFID(Radio Frequency IDentification)を用い、認証カードを所持した居住者が認証用操作盤4の近傍を通過するだけで認証及び認証カードの情報の読み取りが行われるようにしてもよい。
あるいは、認証方式として、認証カードを用いない方式を用いてもよい。例えば、認証方式として、指紋認証、静脈パターン認証、顔認証、虹彩認証等、集合住宅の居住者の生体の特徴に基づき認証を行う生体認証方式を採用してもよい。そして、特定された居住者の部屋番号を、予め記憶装置に記憶しておくことで、認証された居住者の部屋番号を特定可能としてもよい。
また、集合住宅に荷物を配送する宅配業者もまた、認証カードを所持してもよい。この場合、認証カードに宅配業者を識別する情報を記憶しておき、認証を行った宅配業者を特定可能とする。
操作部42は、例えばテンキー等のキーボードである。集合住宅に荷物を配達しにきた宅配業者が、操作部42を用いて荷物の配達先の部屋番号を入力可能にされている。表示部43は、例えば液晶表示装置等の表示装置である。表示部43には、操作部42で入力された内容や、認証カードの認証結果等が表示される。
図6は、図1に示す配達ボックスシステム1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図6に示す配達ボックスシステム1は、ネットワーク7を介して管理サーバ8、及び複数の宅配サーバ9とデータ送受信可能に接続されている。
ネットワーク7は、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークである。管理サーバ8は、例えば集合住宅の管理者が運用しているサーバ装置である。各宅配サーバ9は、予め登録された各宅配業者が運用しているサーバ装置である。
認証用操作盤4は、制御部6を含む。制御部6は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、所定のプログラムやデータ等を記憶するROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、ネットワーク7を介して通信を実行する通信インターフェイス回路、タイマ回路、現在の日時を計時するRTC(Real Time Clock)等の時計回路、及びこれらの周辺回路等を備えて構成されている。
制御部6は、例えばROM等に記憶された制御プログラムを実行することにより、認証部60、扉制御部61、投入検知部62、滞留情報取得部63、受領通知部64、及び警報部68(第1滞留警報部、開蓋警報部)として機能する。滞留情報取得部63は、第1滞留時間計時部631、開蓋時間計時部632、第2滞留時間計時部633を含む。また、上記記憶部やRAMは、認証情報記憶部65、履歴記憶部66、及び荷物情報記憶部67として用いられる。なお、認証情報記憶部65、履歴記憶部66、及び荷物情報記憶部67は、制御部6に設けられる例に限られず、例えば管理サーバ8に設けられていてもよい。
制御部6は、カード読取部41、操作部42、表示部43、各メールボックス2、各宅配ボックス3、及びネットワーク7と接続され、これらとの間でデータや信号の送信又は受信が可能にされている。
なお、制御部6は、必ずしも認証用操作盤4に設けられる例に限られず、認証用操作盤4の外に設けられていてもよい。例えば、制御部6は、パーソナルコンピュータやサーバ装置により構成されていてもよく、例えば管理サーバ8が制御部6としても機能する構成であってもよい。また、制御部6は、各メールボックス2、及び各宅配ボックス3に設けられていてもよい。
認証情報記憶部65には、各住戸の部屋番号や、各住戸の居住者を認証するための情報が居住者認証情報として予め記憶されている。また、認証情報記憶部65には、予め登録された宅配業者を示す宅配業者識別情報や、各宅配業者を認証するための情報が宅配業者認証情報として予め記憶されている。
また、認証情報記憶部65には、各宅配業者識別情報と対応付けて、各宅配業者に連絡するための通知先情報が予め記憶されている。通知先情報としては、例えば各宅配業者が運用している宅配サーバ9の電子メールアドレスを用いることができる。なお、通知先情報は、電子メールアドレスに限られず、例えば電話番号やファクシミリ番号等であってもよい。
認証部60は、カード読取部41によって居住者の認証カードから読み取られた情報と認証情報記憶部65に記憶された居住者認証情報とを照合し、照合結果が一致した場合に居住者について認証成功と判定すると共にその居住者の部屋番号を取得する。
また、認証部60は、カード読取部41によって宅配業者の認証カードから読み取られた情報と認証情報記憶部65に記憶された宅配業者認証情報とを照合し、照合結果が一致した場合に宅配業者について認証成功と判定し、その宅配業者を識別する宅配業者識別情報を認証カードから取得する。宅配業者について認証が成功すると、認証部60は、表示部43に、例えば「配達先の部屋番号を入力して下さい」といった部屋番号の入力を促すメッセージを表示させる。そして、宅配業者が部屋番号を入力すると、その部屋番号を配達先の部屋番号として取得する。
なお、認証部60による認証は、メールボックス2を開けるため、又は、メールボックス2及び宅配ボックス3を開けるためのみの認証であってもよく、例えば集合住宅への入館のための認証を兼ねた認証であってもよい。また、認証は、居住者の住戸を特定可能な情報を取得できればよく、暗号化技術やパスワード等によって確実に本人確認できるものでなくてもよい。
扉制御部61は、認証部60によって、宅配業者について認証成功と判定されると、荷物情報記憶部67に記憶されている荷物情報に基づき、三つの宅配ボックス3のうち荷物が収納されていない宅配ボックス3を一つ選択し、その宅配ボックス3のソレノイド344を駆動させることにより閂棒341を退避させて、その宅配ボックス3のロックを解除する。そうすると、ねじりコイルばね35の弾性復元力により荷物扉31が駆動され、その宅配ボックス3の荷物扉31が開かれて開姿勢となる。
このようにして扉が開いた宅配ボックス3に宅配業者が荷物を収納し、荷物扉31を閉じると、その宅配ボックス3の開閉検知スイッチ322がオンする。扉制御部61は、開閉検知スイッチ322がオンすると、宅配ボックス3に荷物が受け入れられたと判断し、第2滞留時間計時部633によって滞留時間ts2の計時を開始させると共に、荷物情報記憶部67に、その宅配ボックス3のボックス番号と対応づけて、荷物が収納されていることを示す情報と、配達先の部屋番号である目的部屋番号と、宅配業者識別情報とを荷物情報として記憶する。また、開閉検知スイッチ322がオンすると、扉制御部61は、その宅配ボックス3のソレノイド344をオフさせる。そうすると、その宅配ボックス3の閂棒341がコイルばねによって突出され、係合部321と係合してその宅配ボックス3がロックされる。
扉制御部61は、認証部60によって、居住者について認証成功と判定されると、そのメールボックス2のソレノイド244を駆動させ、閂棒241を退避させて、そのメールボックス2のロックを解除する。そうすると、ねじりコイルばね23の弾性復元力により扉21が駆動され、そのメールボックス2の扉が開かれる(図7)。このとき、その配達先の部屋番号と対応する荷物情報が荷物情報記憶部67に記憶されていた場合、扉制御部61は、その部屋番号と対応する荷物が収納されている宅配ボックス3の荷物扉31を開ける制御を実行する(図7)。
投入検知部62は、蓋体姿勢検知スイッチ218のオン、オフ状態の変化、すなわち蓋体215の姿勢変化に基づき、投入口211への配達物Aの投入を検知する。例えば、投入検知部62は、蓋体姿勢検知スイッチ218がオンからオフに変化したとき配達物Aが投入口211へ投入されたことを検知する。なお、投入検知部62は、蓋体姿勢検知スイッチ218がオフからオンへ変化したとき配達物Aが投入口211へ投入されたことを検知してもよく、蓋体姿勢検知スイッチ218がオン→オフ→オンと変化したとき配達物Aが投入口211へ投入されたことを検知してもよい。
なお、投入検知部62は、必ずしも蓋体姿勢検知スイッチ218のオン、オフ状態の変化、すなわち蓋体215の姿勢変化に基づき、投入口211への配達物Aの投入を検知するものに限らない。投入検知部62は、例えば投入口211付近に設けられ、投入口211を通過する配達物Aを検知する光センサや配達物Aと干渉して配達物Aの投入を検知するスイッチなどの検出手段によって、投入口211への配達物Aの投入を検知するものであってもよい。
第1滞留時間計時部631は、例えば図略のタイマ回路を用いて、各メールボックス2に対応して、メールボックス2により配達物が受け入れられてから、メールボックス2から配達物が取り出されるまでの滞留時間ts1を滞留情報として計時する。
具体的には、第1滞留時間計時部631は、各メールボックス2の蓋体姿勢検知スイッチ218がオンからオフに変化し、すなわち蓋体215が閉蓋姿勢から開蓋姿勢に変化したときから、そのメールボックス2に対応する滞留時間ts1の計時を開始する。蓋体215が閉蓋姿勢から開蓋姿勢に変化した場合、配達物Aが投入口211に投入されて、蓋体215が姿勢変更したと考えられる。従って、蓋体215が閉蓋姿勢から開蓋姿勢に変化したときは、メールボックス2によって、配達物Aが受け入れられたときに相当する。
その後、居住者がそのメールボックス2から配達物Aを取り出すために扉21を開くと、扉開閉検知スイッチ222がオンからオフへ変化する。第1滞留時間計時部631は、扉開閉検知スイッチ222がオンからオフへ変化した場合、滞留時間ts1の計時を停止する。滞留時間ts1は、郵便物がメールボックス2内に滞留している時間を意味している。
開蓋時間計時部632は、各メールボックス2の蓋体姿勢検知スイッチ218が連続してオフ、すなわち投入口211が開蓋している時間である開蓋時間toを滞留情報として計時する。
第2滞留時間計時部633は、例えば図略のタイマ回路を用いて、各宅配ボックス3に対応して、宅配ボックス3により配達物が受け入れられてから、宅配ボックス3から配達物が取り出されるまでの滞留時間ts2を滞留情報として計時する。
具体的には、例えば、認証部60によって宅配業者について認証成功と判定されたことにより扉制御部61が宅配ボックス3の荷物扉31を開かせてその宅配ボックス3の開閉検知スイッチ322がオフした後に宅配業者が荷物扉31を閉じて、その宅配ボックス3の開閉検知スイッチ322がオンした場合、宅配ボックス3により配達物が受け入れられたと考えられるから、第2滞留時間計時部633は、扉制御部61からの指示信号に応じて滞留時間ts2の計時を開始する。
また、認証部60によって居住者について認証成功と判定されたことにより扉制御部61が宅配ボックス3の荷物扉31を開かせてその宅配ボックス3の開閉検知スイッチ322がオフした場合、居住者がその宅配ボックス3から配達物を取り出したと考えられるから、第2滞留時間計時部633は、扉制御部61からの指示信号に応じて滞留時間ts2の計時を停止する。
受領通知部64は、宅配ボックス3から荷物が引き取られた場合、例えば、認証部60によって居住者について認証成功と判定された後に荷物扉31が開閉されて、開閉検知スイッチ322がオン→オフ→オンのように変化した場合、荷物情報記憶部67の荷物情報を参照し、その宅配ボックス3のボックス番号と対応付けられている宅配業者識別情報を取得する。受領通知部64は、さらに認証情報記憶部65の通知先情報を参照し、その宅配業者識別情報と対応付けられている電子メールアドレスを取得する。そして、受領通知部64は、その電子メールアドレスにより宛先を指定して、ネットワーク7を介して宅配業者の宅配サーバ9へ、荷物が引き取られた旨の電子メールを送信する。
警報部68は、第1滞留時間計時部631により計時された滞留時間ts1が、予め設定された滞留判定時間tjs1を超えた場合、及び開蓋時間計時部632により計時された開蓋時間toが、予め設定された開蓋判定時間tjoを超えた場合のうち少なくとも一方の場合に警報を報知する。
次に、上述のように構成された配達ボックスシステム1の動作について説明する。まず、メールボックス2に関する動作について説明する。図8、図9は、本発明の第1実施形態に係る配達ボックスシステム1のメールボックス2に関する動作の一例について示すフローチャートである。
まず、第1滞留時間計時部631は滞留時間ts1をゼロに初期化し、開蓋時間計時部632は開蓋時間toをゼロに初期化する(ステップS1)。
次に、投入検知部62及び開蓋時間計時部632は、各メールボックス2の蓋体姿勢検知スイッチ218の状態を監視し、蓋体姿勢検知スイッチ218がオンからオフに変化した場合(ステップS2でYES)、すなわち投入口211に配達物Aが投入されて蓋体215が開姿勢になる姿勢変更が検出された場合、投入検知部62によって投入口211に配達物Aが投入されたと判断され、第1滞留時間計時部631及び開蓋時間計時部632によってその蓋体姿勢検知スイッチ218に対応するメールボックス2の部屋番号が目的部屋番号として取得される(ステップS3)。
次に、第1滞留時間計時部631は、目的部屋番号と対応付けて滞留時間ts1の計時を開始し、開蓋時間計時部632は、目的部屋番号と対応付けて開蓋時間toの計時を開始する(ステップS4)。
次に、警報部68は、滞留時間ts1と滞留判定時間tjs1とを比較し(ステップS5)、滞留時間ts1が滞留判定時間tjs1を超えていれば(ステップS5でYES)、警報を報知するべくステップS7へ移行し、滞留時間ts1が滞留判定時間tjs1を超えていなければ(ステップS5でNO)、開蓋時間toを判定するべくステップS6へ移行する。
ステップS6において、警報部68は、開蓋時間toと開蓋判定時間tjoとを比較し(ステップS6)、開蓋時間toが開蓋判定時間tjoを超えていれば(ステップS6でYES)、警報を報知するべくステップS7へ移行し、開蓋時間toが開蓋判定時間tjoを超えていなければ(ステップS6でNO)、蓋体215が閉じたか否かを確認するべくステップS11へ移行する。
ステップS7において、警報部68は、警報を報知する(ステップS7)。具体的には、警報部68は、例えばネットワーク7を介して管理サーバ8へ、目的部屋番号及び警報を示す情報を送信することにより警報を報知する。あるいは、警報部68は、目的部屋番号及び警報を示す情報を、例えば家族や親戚などの予め設定された連絡先や、警備会社等へ、電話回線やネットワーク7を介して通報してもよい。
居住者は、通常、1日に一回程度はメールボックス2から郵便物を取り出すのが一般的である。従って、長期間、例えば2日を超えてメールボックス2から郵便物が取り出されなかった場合、そのメールボックス2の住戸の居住者が、健康を害していたり、怪我をしていたりする等で活動量が減少し、あるいは動けなくなっているおそれがある。
そこで、滞留判定時間tjs1として例えば2日を設定しておくことにより、滞留時間ts1が滞留判定時間tjs1を超えると(ステップS5でYES)、居住者の活動量が減少して滞留判定時間tjs1を超えてメールボックス2に郵便物を取りに来なかったこと考えられるから、そのメールボックス2に対応する目的部屋番号及び警報を示す情報を、管理サーバ8や、予め設定された連絡先、警備会社等に送信して警報を報知することによって、居住者の異常を報知することができる。これにより、単身者や独居高齢者に何らかの異常が生じた場合であっても、警報部68が警報を報知することによって、異常を適切な人に知らせることが可能となる。
同様に、開蓋時間toが開蓋判定時間tjoを超えた場合も(ステップS6でYES)、居住者の活動量が減少して開蓋判定時間tjoを超えてメールボックス2に郵便物を取りに来なかったこと考えられるから、そのメールボックス2に対応する目的部屋番号及び警報を示す情報を、管理サーバ8や、予め設定された連絡先、警備会社等に送信して警報を報知することによって、居住者の異常を報知することができる。
このように、滞留情報取得部63(第1滞留時間計時部631、開蓋時間計時部632)を備えることにより、高価な焦電素子を用いることなく人の活動を検知することができるので、背景技術に記載の技術よりも人の活動を検知するためのコストを低減することができる。
また、居住者が旅行に行っている場合など、住戸を留守にしている場合にも、メールボックス2に投入された配達物Aがメールボックス2に滞留したままになる。このような場合に、メールボックス2の投入口211に配達物Aが挟まったまま蓋体215が開蓋姿勢になっている(ステップS6でYES)と、第三者からみて、そのメールボックス2に対応する住戸が留守であることが、非常に目立つ状態で判ってしまう。このような状態は、防犯上問題があり、メールボックス2内に外から見えない状態で郵便物が滞留している状態(ステップS5でYES)よりも重要度が高い。
そこで、開蓋判定時間tjoは、滞留判定時間tjs1よりも短い時間、例えば1日程度の時間に設定されている。これにより、郵便物がメールボックス2の外から見える状態で滞留している場合は(ステップS6でYES)、郵便物がメールボックス2の外から見えない状態で滞留している場合(ステップS5でYES)よりも早く警報が報知されるので、防犯上の重要度の高い異常の発生を早く報知することが可能となる。
次に、警報部68は、警報を報知した旨の情報を、例えばその報知日時や目的部屋番号と対応づけて警報履歴として履歴記憶部66に記憶させる(ステップS8)。以後、ステップS1以降の処理が繰り返される。
ステップS8で警報履歴を履歴記憶部66に記憶しておくことにより、例えば後日、履歴記憶部66に記憶されている警報履歴を参照することにより、その目的部屋番号の居住者の健康状態を推定することが可能となる。例えば、警報の報知頻度が高まる傾向にあれば、その居住者の健康状態が悪化して活動量が減少しつつあると推定することができ、警報の報知頻度が低下する傾向にあれば、その居住者の健康状態が改善して活動量が増加しつつあると推定することができる。
ステップS11において、開蓋時間計時部632は、蓋体姿勢検知スイッチ218の状態をチェックする(ステップS11)。蓋体姿勢検知スイッチ218がオンしていれば(ステップS11でYES)、投入口211には配達物Aは挟まっておらず、蓋体215は閉蓋姿勢になっているから、開蓋時間計時部632は、開蓋時間toの計時を停止し(ステップS12)、計時された開蓋時間toを例えばその計時終了日時や目的部屋番号と対応づけて開蓋時間履歴として履歴記憶部66に記憶させ(ステップS13)、ステップS14へ移行する。
ステップS13で開蓋時間履歴を履歴記憶部66に記憶しておくことにより、例えば後日、履歴記憶部66に記憶されている開蓋時間履歴を参照することにより、その目的部屋番号の居住者の健康状態を推定することが可能となる。例えば、開蓋時間toが長くなる傾向にあれば、その健康状態が悪化して居住者の活動量が減少しつつあると推定することができ、開蓋時間toが短縮される傾向にあれば、その居住者の健康状態が改善し、活動量が増加しつつあると推定することができる。
一方、蓋体姿勢検知スイッチ218がオフしていれば(ステップS11でNO)、投入口211に配達物Aが挟まって、蓋体215は開蓋姿勢になっているから、開蓋時間計時部632は、開蓋時間toの計時を継続し、ステップS14へ移行する。
ステップS14において、第1滞留時間計時部631は、扉開閉検知スイッチ222の状態をチェックする(ステップS14)。扉開閉検知スイッチ222がオンからオフに変化すれば(ステップS14でYES)、扉21が開いて居住者がメールボックス2から配達物Aを取り出したと考えられるから、第1滞留時間計時部631は、滞留時間ts1の計時を停止し(ステップS15)、計時された滞留時間ts1を例えばその計時終了日時や目的部屋番号と対応づけて滞留時間履歴として履歴記憶部66に記憶させる(ステップS16)。以後、ステップS1以降の処理が繰り返される。
ステップS16で滞留時間履歴を履歴記憶部66に記憶しておくことにより、例えば後日、履歴記憶部66に記憶されている滞留時間履歴を参照することにより、その目的部屋番号の居住者の健康状態を推定することが可能となる。例えば、滞留時間ts1が長くなる傾向にあれば、その健康状態が悪化して居住者の活動量が減少しつつあると推定することができ、滞留時間ts1が短縮される傾向にあれば、その居住者の健康状態が改善し、活動量が増加しつつあると推定することができる。
一方、扉開閉検知スイッチ222がオンからオフに変化しなければ(ステップS14でNO)、配達物Aはメールボックス2内に収納されたままであると考えられるから、第1滞留時間計時部631は、滞留時間ts1の計時を継続しつつステップS5へ移行する。以後、ステップS5以降の処理が繰り返される。
図10は、配達ボックスシステム1の宅配ボックス3に関する動作の一例について示すフローチャートである。認証部60によって宅配業者について認証成功と判定され、三つの宅配ボックス3から選択された宅配ボックス3の荷物扉31が開閉されて姿勢変更が生じ、開閉検知スイッチ322が例えばオン→オフ→オンと変化した場合(ステップS21でYES)、宅配業者がその宅配ボックス3に配達物を収納したと考えられるので、第2滞留時間計時部633は、荷物情報記憶部67を参照してその宅配ボックス3に対応する部屋番号を目的部屋番号として取得し(ステップS22)、滞留時間ts2をゼロに初期化する(ステップS23)。
次に、第2滞留時間計時部633は、目的部屋番号と対応付けて滞留時間ts2の計時を開始する(ステップS24)。次に、警報部68は、滞留時間ts2と滞留判定時間tjs2とを比較し(ステップS25)、滞留時間ts2が滞留判定時間tjs2を超えていれば(ステップS25でYES)、警報を報知するべくステップS26へ移行する。
ステップS26において、警報部68は、ステップS7と同様に警報を報知する(ステップS26)。居住者は、通常、1日に一回程度は宅配ボックス3から配達物を取り出すのが一般的である。従って、長期間、例えば2日を超えて宅配ボックス3から配達物が取り出されなかった場合、その宅配ボックス3に対応する目的部屋番号の居住者が、健康を害していたり、怪我をしていたりする等で活動量が減少し、あるいは動けなくなっているおそれがある。
そこで、滞留判定時間tjs2として例えば2日を設定しておくことにより、滞留時間ts2が滞留判定時間tjs2を超えると(ステップS25でYES)、居住者の活動量が減少して滞留判定時間tjs2を超えて宅配ボックス3に配達物を取りに来なかったこと考えられるから、その宅配ボックス3に対応する目的部屋番号及び警報を示す情報を、管理サーバ8や、予め設定された連絡先、警備会社等に送信して警報を報知することによって、居住者の異常を報知することができる。これにより、単身者や独居高齢者に何らかの異常が生じた場合であっても、警報部68が警報を報知することによって、異常を適切な人に知らせることが可能となる。
次に、警報部68は、警報を報知した旨の情報を、例えばその報知日時や目的部屋番号と対応づけて警報履歴として履歴記憶部66に記憶させ(ステップS27)、処理を終了する。これにより、ステップS8と同様の効果が得られる。
一方、滞留時間ts2が滞留判定時間tjs2を超えていなければ(ステップS25でNO)、第2滞留時間計時部633は、例えば居住者の認証成功に伴いその宅配ボックス3の荷物扉31が開閉されたか否かを確認することにより、その宅配ボックス3から配達物が取り出されたか否かを確認する(ステップS28)。具体的には、認証部60によって居住者について認証成功と判定され、その宅配ボックス3の荷物扉31が開閉されて、開閉検知スイッチ322により荷物扉31の姿勢変更が検出された場合(ステップS28でYES)、居住者がその宅配ボックス3から配達物を取り出したと考えられるので、第2滞留時間計時部633は、その宅配ボックス3に対応する目的部屋番号の滞留時間ts2の計時を停止する(ステップS29)。そして、第2滞留時間計時部633は、計時された滞留時間ts2を例えばその計時終了日時や目的部屋番号と対応づけて滞留時間履歴として履歴記憶部66に記憶させる(ステップS30)。これにより、ステップS16と同様の効果が得られる。以後、ステップS21以降の処理が繰り返される。
一方、その宅配ボックス3の荷物扉31が開閉されなければ(ステップS28でNO)、滞留時間ts2の計時を継続するべく再びステップS25以降の処理が繰り返される。
なお、図5に示すように、宅配ボックス3の前面側と背面側に、それぞれ荷物扉31が設けられている場合、ステップS21において前面側の荷物扉31(受入用開閉扉)が開いて第1閉姿勢から第1開姿勢に変化し、前面側の受け入れ用の開閉検知スイッチ322により荷物扉31の姿勢変更が検出されたときに、ステップS3へ移行するようにしてもよい。また、ステップS28において背面側の荷物扉31(取出用開閉扉)が開いて第2閉姿勢から第2開姿勢に変化し、背面側の取り出し用の開閉検知スイッチ322が荷物扉31の姿勢変更を検出したときに、ステップS29へ移行するようにしてもよい。
ステップS21,S28において、開閉検知スイッチ322のオン→オフ→オンとの変化、オンからオフへの変化、及びオフからオンへの変化のうち、いずれを姿勢変更の検出を示すものとして用いてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る配達ボックスシステム1aについて説明する。配達ボックスシステム1aは、配達ボックスシステム1とは、滞留情報取得部63が、第1滞留時間計時部631の代わりに投入回数計数部634を含む点、及び警報部68a(第2滞留警報部、開蓋警報部)が滞留判定時間tjs1の代わりに投入回数ctに基づき警報の有無を判定する点が異なる。
その他の構成は配達ボックスシステム1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な点について説明する。
投入回数計数部634は、メールボックス2に配達物Aが収容されている滞留期間中に、投入検知部62によって配達物Aの投入が検知された回数を投入回数ctとして計数する。
図11、図12は、配達ボックスシステム1aのメールボックス2に関する動作の一例について示すフローチャートである。なお、図8、図9と同一の処理には同一のステップ番号を付してその説明を省略する。また、宅配ボックス3に対する処理は図10と同様であるのでその説明を省略する。
まず、投入回数計数部634は、投入回数ctをゼロに初期化し、開蓋時間計時部632は開蓋時間toをゼロに初期化する(ステップS41)。以下、ステップS2,S3を実行後、ステップS42において、開蓋時間計時部632は、目的部屋番号と対応付けて開蓋時間toの計時を開始する(ステップS42)。
次に、警報部68aは、投入回数ctと予め設定された投入判定回数jctとを比較し(ステップS43)、投入回数ctが投入判定回数jctを超えていれば(ステップS43でYES)、警報を報知するべくステップS7へ移行し、投入回数ctが投入判定回数jctを超えていなければ(ステップS43でNO)、開蓋時間toを判定するべくステップS6へ移行する。
ステップS6〜S8、S11〜S13についてはその説明を省略する。開蓋時間計時部632は、ステップS13の後、開蓋時間toをゼロに初期化し(ステップS44)、図12のステップS14へ移行する。
ステップS14において、扉開閉検知スイッチ222がオンからオフに変化しなければ(ステップS14でNO)、配達物Aはメールボックス2内に収納されたままであると考えられるから、投入回数計数部634は、蓋体215の開閉回数を計数するべくステップS45へ移行する。
ステップS45において、投入回数計数部634は、投入検知部62により配達物Aの投入が検知されたか否かを確認し(ステップS45)、例えば蓋体姿勢検知スイッチ218がオンからオフへ変化して投入検知部62により配達物Aの投入が検知された場合(ステップS45でYES)、すなわち投入口211に配達物Aが投入されて蓋体215が開姿勢になった場合、目的部屋番号と対応付けて投入回数ctに1を加算して配達物Aの投入回数を計数する(ステップS46)。このとき、蓋体215が開姿勢になっているから、開蓋時間計時部632は、再び目的部屋番号と対応付けて開蓋時間toの計時を開始し、ステップS43へ移行する(ステップS47)。
一方、投入検知部62により配達物Aの投入が検知されない場合(ステップS45でNO)、投入回数ctの計数及び開蓋時間toの計時を行うことなくステップS43へ移行する。
他方、図12のステップS14において、扉開閉検知スイッチ222がオンからオフに変化すれば(ステップS14でYES)、扉21が開いて居住者がメールボックス2から配達物Aを取り出したと考えられるから、投入回数計数部634は、それまでに計数された投入回数ctを例えばその計数終了日時や目的部屋番号と対応づけて投入回数履歴として履歴記憶部66に記憶させる(ステップS48)。以後、再びステップS41以降の処理を繰り返す。
以上、ステップS14、S45、S46によれば、郵便物がメールボックス2に収容され、取り出されずに滞留している滞留期間中に、蓋体215が姿勢変更した回数、すなわち郵便物が投入口211に投入された回数が投入回数ctとして計数される。一般に、郵便物は、一日の間に数回配達されるから、滞留期間が長いほど投入回数ctは増加する。従って、投入回数ctは、滞留期間を示すことになる。
そこで、配達ボックスシステム1aは、第1滞留時間計時部631及び滞留時間ts1の代わりに、投入回数計数部634及び投入回数ctを用いることにより、配達ボックスシステム1と同様の効果が得られる。また、第1滞留時間計時部631のように時間を計時するためには、時間を計測するためのタイマ回路が必要となる。これに対し、投入回数計数部634による投入回数ctの計数にはタイマ回路を必要としないので、配達ボックスシステム1aは、配達ボックスシステム1よりもコストを低減することが可能となる。
なお、配達ボックスシステム1aでは、滞留情報取得部63が、第1滞留時間計時部631の代わりに投入回数計数部634を含み、警報部68aが滞留判定時間tjs1の代わりに投入回数ctに基づき警報の有無を判定する例を示したが、滞留情報取得部63は、第1滞留時間計時部631に加えて投入回数計数部634を含み、警報部68aが滞留判定時間tjs1に基づく警報の判定に加えて、投入回数ctに基づく警報の判定を行うようにしてもよい。
また、配達ボックスシステム1,1aは、開蓋時間計時部632を備えない構成であってもよい。配達ボックスシステム1は、第1滞留時間計時部631を備えない構成であってもよい。また、配達ボックスシステム1,1aは、メールボックス2を備えていなくてもよく、宅配ボックス3を備えていなくてもよい。また、メールボックス2、宅配ボックス3は、複数設けられていなくてもよく、戸建て住宅のメールボックス等であってもよい。
また、配達ボックスシステム1,1aは、メールボックス2及び宅配ボックス3内に配達物が収容されているか否かを、蓋体215、扉21、及び荷物扉31の開閉動作に基づき間接的に検知する例を示したが、メールボックス2及び宅配ボックス3内に配達物が収容されているか否かを直接的に検出する配達物検知部を備えてもよい。そして、第1滞留時間計時部631及び第2滞留時間計時部633は、配達物検知部により連続して配達物が収容されていることが検知されている時間を滞留時間ts1,ts2として計時する構成としてもよい。
配達物検知部としては、例えばメールボックス2及び宅配ボックス3の底面で配達物に接触してオンする検知スイッチや、重量センサ、光センサ等、種々の検知手段を用いることができる。
また、配達ボックスシステム1,1aによれば、扉21及び荷物扉31は、扉制御部61からの制御信号に応じて開姿勢に姿勢変更するから、扉姿勢検知部は、ステップS14,S21,S28において、扉制御部61による扉21及び荷物扉31を開けるための制御動作を検出することにより、間接的に扉21及び荷物扉31の姿勢変更を検出する構成であってもよい。
また、配達ボックスシステム1,1aは、認証部60を備えていなくてもよく、扉21及び荷物扉31は、手動で開閉される扉であってもよい。また、警報部を備えない構成であってもよく、履歴記憶部66を備えず、警報履歴、開蓋時間履歴、滞留時間履歴、及び投入回数履歴を記憶しなくてもよい。
また、ステップS14において、扉開閉検知スイッチ222のオフからオンへの変化、又はオン→オフ→オンとなる変化を扉21の姿勢変更を表すものとしてもよい。
また、蓋体姿勢検知スイッチ218、扉開閉検知スイッチ222、開閉検知スイッチ322は、蓋体215、扉21、荷物扉31が閉じたときオン、開いたときオフする例を示したが、閉じたときオフ、開いたときオンしてもよく、そのオン、オフ動作に応じてステップS2,S11,S14,S21,S28,S45が適宜変更される。