JP7237459B2 - 情報処理システム - Google Patents
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Description
このような宅配時の非効率を解消するための手段の一つとして、特定の宅配業者のみを自宅に立入らせることができる、とされる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
建物の出入口近傍の所定の領域に立入ろうとする訪問者を監視する情報処理システムであって、
前記訪問者に対して、生体情報に関する所定の条件を満たした場合には、前記所定の領域への立入りを許可し、前記所定の条件を満たしていない場合には、前記所定の領域への立入りを禁止する管理手段を備える。
前記検出手段による検出の結果に基づいて、前記訪問者の異常行動の有無を判定する判定手段と、
前記訪問者の異常行動があったと判定された場合、その旨を報知する報知手段と、
をさらに備えることができる。
前記判定手段は、さらに、
前記検出手段による検出の結果及び前記撮像手段による撮像の結果に基づいて、前記訪問者の異常行動の有無を判定することができる。
前記振動検知手段による検知の結果に基づいて、前記訪問者の異常行動の有無を判定する判定手段と、
前記訪問者の異常行動が有ったと判定された場合、その旨を報知する報知手段と、
をさらに備えることができる。
管理装置11は、建物の出入口に設置された扉1に搭載された装置であり、建物の出入口近傍の所定の領域に立入ろうとする者(以下「訪問者」と呼ぶ)に対して、生体情報に関する所定の条件を満たした場合には、訪問者の立入りを許可し、生体情報に関する所定の条件を満たしていない場合には、訪問者の立入りを禁止する。このような処理を、以下「管理処理」と呼ぶ。管理装置11による管理処理の結果、特定の訪問者のみについて立入りを認めることができるので、特定の訪問者以外の者が立入ることを効率良く防ぐことができる。
なお、図1に示すように、ターミナル111、電気錠制御盤114、及び無停電電源(UPS)115は、交流電源から100Vの電力の供給を受けている。信号変換基板112は、ターミナル111からUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して間接的に電力の供給を受けるとともに、ターミナル111との間の通信を可能としている。
電気錠I/F(インターフェース)121は、信号変換基板112と電気錠113とを接続するためのインターフェースである。
電気錠制御盤I/F(インターフェース)122は、信号変換基板112と電気錠制御盤114とを接続するためのインターフェースである。
施開錠検知入力部123は、電気錠113の施錠状態と開錠状態とを検知し、検知した結果を入力する。
開閉検知入力部124は、管理装置11を搭載した扉1が開いている状態と、閉まっている状態とを検知し、検知した結果を入力する。
DC/DCコンバータ125は、直流の電圧値を変換する。具体的には例えば、DC/DCコンバータ125は、DC5V(ボルト)をDC24V(ボルト)に変換する。図1の例における信号変換基板112は、AC/DCコンバータを有しない構成となっている。このため、信号変換基板112は、上述したようにターミナル111からUSBケーブルを介して間接的に電力の供給を受けているが、AC/DCコンバータ126を有する構成とすることにより、100V(ボルト)の交流電源から直接電力の供給を受けることもできる。なお、信号変換基板112が、AC/DCコンバータ126を有する場合の構成例は、図20乃至図22の例を参照して後述する。
限界領域検出装置21は、建物の出入口近傍の所定の領域に設置される装置であり、訪問者が建物の出入口近傍の所定の領域に立入ったことを検出する。具体的には、限界領域検出装置21は、センサ等で構成され、建物の出入口近傍の所定の領域に立入った訪問者が、建物の出入口近傍の所定の領域のうち立入ることが禁止されていない領域(以下「立入可能領域」と呼ぶ)と、立入ることが禁止された領域(以下「立入禁止領域」と呼ぶ)との境界(以下「限界領域」)を越えて立入った場合にこれを検知する。限界領域検出装置21を構成するセンサ等は特に限定されないが、例えば、発振した赤外線レーザーを目的物に照射して目的物までの距離を測定するレーザーレンジファインダ等を用いることができる。
監視装置22は、建物の出入口近傍の所定の領域に設置される装置であり、建物の出入口近傍の所定の領域に立入った訪問者の行動を監視する。具体的には例えば、監視装置22は、赤外線監視カメラ等の撮像手段や、振動センサ等の検知手段等を用いて、建物の出入口近傍の所定の領域に立入った訪問者の行動を監視する。
開扉維持機構23は、必要に応じて設けられる機構であり、扉1が開いた状態を維持させるための機構である。開扉維持機構23を備えることにより、例えば宅配業者は、扉1を開いた状態で効率良く配達作業を行うことができる。
また、判定部132は、限界領域検出装置21による検出の結果と、監視装置22による監視の結果とのうち少なくとも一方の結果に基づいて、建物の出入口近傍の所定の領域に立入った訪問者の異常行動の有無を判定する。
また、錠管理部133は、電気錠113の施錠及び開錠についてのログを管理する。具体的には例えば、錠管理部133は、電気錠113が開錠された時刻、電気錠113が施錠された時刻、電気錠113が開錠の状態を継続している時間(以下「開錠継続時間」と呼ぶ)、電気錠113が施錠の状態を継続している時間(以下「施錠継続時間」と呼ぶ)等を管理する。
具体的には例えば、報知制御部135は、予め設定された施錠継続時間よりも短い施錠継続時間が錠管理部133によって検知された場合には、ユーザや警備会社等にその旨を報知する制御を実行することができる。
また例えば、報知制御部135は、予め設定された開錠継続時間よりも長い開錠継続時間が錠管理部133によって検知された場合には、ユーザや警備会社等にその旨を報知する制御を実行することができる。これにより、宅配業者は、予め設定された開錠継続時間より短い時間であれば、ユーザや警備会社等への報知が行われることなく、建物の出入口近傍の所定の領域において宅配作業を行うことができる。
また例えば、限界領域検出装置21による検知の結果や、監視装置22による監視の結果に基づいて電気錠113が施錠されたときに、扉1の内側に人物等の存在が確認され、これにより、判定部132の判定において訪問者の異常行動の存在が認められた場合には、報知制御部135は、ユーザや警備会社等にその旨を報知する制御を実行することができる。
なお、ユーザや警備会社等に対する報知の具体的手法は特に限定されない。例えばアラートメール、警告音、監視カメラによる撮像画像の出力(ストリーミング)、等の手法を用いて報知してもよい。また例えば、玄関の領域にスピーカ(図示せず)を設置し、報知後に通話等を行えるようにしてもよい。また、報知と同時に扉1を施錠するようにしてもよい。これにより、異常行動を行った訪問者の逃走を防ぐことができる。
立入の認証を受けようとする訪問者は、管理装置11の入力部102から生体情報を入力する。
生体情報が入力されると、ステップS1において、管理部101の入力受付部131は、入力部102に入力された訪問者の生体情報を受付ける。
ステップS2において、判定部132は、入力受付部131により受付けられた、認証を受けようとする訪問者の生体情報と、ユーザDB401に記憶され管理されている生体情報とが照合するか否かを判定する。
立入の認証を受けようとする訪問者の生体情報と、ユーザDB401に記憶され管理されている生体情報とが照合された場合には、ステップS2においてYESであると判定されて、処理はステップS3に進む。
これに対して、立入の認証を受けようとする訪問者の生体情報と、ユーザDB401に記憶され管理されている生体情報とが照合されない場合には、ステップS2においてNOであると判定されて、処理はステップS1に戻される。即ち、ステップS2においてYESであると判定されるまで、ステップS1の処理とステップS2の判定処理とが繰り返し実行される。
ステップS3において、錠管理部133は、電気錠113の開錠する制御を実行する。ステップS3における処理の結果、電気錠113が開錠されると、訪問者は建物内に立入ることができる。
限界領域検出装置21のセンサ部211が、建物内に立入った訪問者が建物内の所定の領域に立入ったことを検出していない場合には、ステップS4においてNOであると判定されて、処理はステップS5に進む。
これに対して、限界領域検出装置21のセンサ部211が、建物内に立入った訪問者が建物内の所定の領域に立入ったことを検出した場合には、ステップS4においてYESであると判定されて、処理はステップS5をスキップしてステップS7に進む。
建物内に立入った訪問者の異常行動が認めらた場合には、ステップS5においてYESであると判定されて、処理はステップS7に進む。
これに対して、建物内に立入った訪問者の異常行動が認めらない場合には、ステップS5においてNOであると判定されて、処理はステップ6に進む。
ステップS6において、入力受付部131は、入力部102に入力された訪問者の生体情報を受付ける。
ステップS7において、判定部132は、入力受付部131により受付けられた、退出の認証を受けようとする訪問者の生体情報と、ユーザDB401に記憶され管理されている生体情報とが照合するか否かを判定する。
退出の認証を受けようとする訪問者の生体情報と、ユーザDB401に記憶され管理されている生体情報とが照合された場合には、ステップS7においてYESであると判定されて、訪問者は問題なく退出することができる。これにより管理処理は終了する。
これに対して、退出の認証を受けようとする訪問者の生体情報と、ユーザDB401に記憶され管理されている生体情報とが照合されない場合には、ステップS7においてNOであると判定されて、処理はステップS8に進む。
ステップS8において、報知制御部135は、ユーザに対する報知と、警備会社等に対する報知とを行う制御を実行する。これにより管理処理は終了する。
以上のステップを経て管理処理が実行されることにより、ユーザが所在する建物への訪問者のうち、特定の訪問者のみについて建物内への立入りを認めるとともに、建物内への立入りが認められた訪問者の行動に一定の制限を課して、建物内の所定の領域のみを立入可能領域とし、それ以外の領域を立入禁止領域として管理することが可能となる。
図4は、図2の限界領域検出装置21及び監視装置22による処理の具体例を示す図である。なお、図4には、宅配業者Tが、ユーザ宛の荷物を配達するために、留守中のユーザ宅に立入った場合の例が示されている。
図4(A)は、限界領域検出装置21により形成される立入可能領域A1及び立入禁止領域A2のイメージを示す側面図である。
図4(B)は、限界領域検出装置21により形成される立入可能領域A1及び立入禁止領域A2のイメージを示す斜視図である。
これにより、24時間365日の撮像画像を記録することが可能となるので、犯罪等を抑止することができるとともに、有事の際の証拠を確保することができる。
また、監視カメラにより撮像された画像に基づく画像情報から宅配業者Tを抽出することにより、宅配業者Tがユーザ宅内に滞在している時間を計測したり、立入った者の人数を検出することもできる。宅配業者Tがユーザ宅内に滞在している時間を計測することにより、例えば宅配業者Tがユーザ宅内に滞在している時間が、上述の開錠継続時間を超過した場合に、ユーザ及び警備会社等に報知するようにすることもできる。また、立入った宅配業者Tの人数を検出することにより、例えば建物内に残留した宅配業者Tの異常行動を監視することができる。
即ち、ユーザは、立入可能距離D1を設定する。これにより、扉1内(即ち建物内)に立入可能領域A1と立入禁止領域A2とを形成させることができる。ユーザが設定した立入可能距離D1を越えて訪問者(例えば宅配業者T)が建物内に立入った場合には、その旨がユーザ及び警備会社等に報知される。
また、ユーザは、開錠継続時間を設定する。これにより、ユーザが設定した開錠継続時間を越えて訪問者(例えば宅配業者T)が建物内に滞在している場合には、その旨がユーザ及び警備会社等に報知される。
ここで、建物内の物品31がどのようなものであるかは特に限定されない。例えば、暖簾、看板、台座等、建物内に設置可能なあらゆる物品を「建物内の所定の物品」とすることができる。図6に示すように、扉1の内側(即ち建物内)の玄関の領域と廊下の領域との境界部付近に、センサ部221としての振動センサが取り付けられた物品31を設置することで、玄関の領域と廊下の領域とを分断する仕組みを設けることができる。これにより、扉1の内側(即ち建物内)に監視カメラ等の撮像部222を設置することなく訪問者が廊下の領域(即ち立入禁止領域A2)に立入ったことを検出することができる。
建物内に立入った宅配業者Tは、この台座(物品31)に荷物を置く。すると、振動センサ(センサ部221)は、宅配業者Tが、荷物の配達のために建物内に立入って台座(物品31)に荷物を置いたこと検知する。
これにより、扉1の内側(即ち建物内)に監視カメラ等の撮像部222を設置することなく、宅配業者Tが荷物の配達のために建物内に立入ったことを検知することができる。
また、扉1の内側(即ち建物内)に立入る権限を有する者(例えば宅配業者T)による不正行為(建物内への盗聴器や盗撮カメラの設置等のストーキング行為、窃盗等)を検知することができる。さらに、扉1の内側(即ち建物内)に立入る権限を、ネットワークを介して乗っ取るようなハッカー行為等への対応も可能となる。
即ち、物品31を利用しつつ、限界領域検出装置21のセンサ部211と、監視装置22の撮像部222とを協働させることで訪問者の異常行動を監視する。
限界領域検出装置21のセンサ部211、及び監視装置22の撮像部222は、協働して建物内の物品31の変化を捉える。これにより、建物内に立入った訪問者が、建物内の物品31よりも扉1側の立入可能領域A1を越えて、建物内の物品31よりも奥の廊下側の立入禁止領域A2に立入ったことを検知することができる。この場合、監視装置22の振動センサ(センサ部221)は不要となる。
図9(A)は、限界領域検出装置21と物品31とにより形成される立入可能領域A1及び立入禁止領域A2のイメージを示す側面図である。
図9(B)は、限界領域検出装置21と物品31とにより形成される立入可能領域A1及び立入禁止領域A2のイメージを示す斜視図である。
また、管理装置11が、監視装置22の監視カメラ(撮像部222)による撮像の結果に基づいて、建物内に立入った宅配業者Tの異常行動の有無を判定する。これにより、24時間365日の撮像画像を記録することができるので、犯罪等を抑止することができるとともに、有事の際の証拠を確保することができる。
また、監視カメラ(撮像部222)により撮像された画像に基づく画像情報から宅配業者Tを抽出することにより、宅配業者Tがユーザ宅内に滞在している時間を計測したり、立入った者の人数を検出することもできる。宅配業者Tがユーザ宅内に滞在している時間を計測することにより、例えば宅配業者Tがユーザ宅内に滞在している時間が、上述の開錠継続時間を超過した場合に、ユーザ及び警備会社等に報知するようにすることもできる。また、立入った宅配業者Tの人数を検出することにより、例えば建物内に残留した宅配業者Tの異常行動を監視することができる。
また、振動センサ(センサ部221)が取り付けられた物品31のみによる監視では対応しきれない問題(例えば物品31のサイズと玄関の領域とのサイズの不一致、あるいは玄関の領域での不正行為)に対応することができる。
このように、振動センサ(センサ部221)が取り付けられているか否かを問わず、建物内の物品31を利用することにより、建物内に立入った訪問者を監視することができる。
なお、図10では、物品31としての暖簾が、人間の大人の腰の高さ程度の高さで固定される構成となっているが、これは例示に過ぎず、図10の例と異なる構成であってもよい。例えば、人間の大人が潜ることができる高さの暖簾であってもよい。この場合、ユーザが在宅中であるか外出中であるかを問わず、ユーザ宅の出入口近傍の所定の領域に物品31を常設しておくことができる。
なお、図11には、扉1を開錠する権限を有する宅配業者Tが、ユーザA宛の荷物を配達するために、留守中のユーザA宅に訪問した場合の例が示されている。
ユーザA宅の扉1を開錠する権限は、ユーザA宅の家主や、これからユーザA宅への宅配を行おうとする宅配業者T等にのみ付与され、それ以外の無権限者Fには付与されない。また、ユーザA宅の扉1を開錠する権限は、ユーザA宅への宅配を行おうとする宅配業者Tに付与された後、宅配が完了することにより剥奪される。即ち、宅配のためにユーザA宅の扉1を開錠する権限を有する宅配業者Tは、宅配完了後に無権限者Fとなる。また、複数の宅配業者Tに対して、ユーザA宅の扉1を開錠する権限を同時に付与しないようにしてもよい。これにより、ユーザA宅の扉1を開錠する権限の付与を必要最小限にすることができるので、セキュリティの強化を図ることができる。
図12は、管理装置11による認証の流れ示す図である。
なお、図12には、宅配業者Tが、ユーザ宛の荷物を配達するために、留守中のユーザ宅に訪問した場合の例が示されている。
ステップS22において、宅配業者Tは、留守中のユーザ宅に到着する。ここで、図12に示すように、ユーザ宅の出入口には扉1が設けられており、扉1の近傍にはターミナル111としての指紋認証器が設置されている。
ステップS23において、宅配業者Tは、自身が所持するスマートフォン等の携帯端末を使用して、指紋認証を実行可能にする。ここで、指紋認証を実行できる時間に制限を設けてもよい。具体的には例えば、宅配業者Tが所持するスマートフォン等の携帯端末に表示された所定のボタンが押下されると、ボタンの押下から所定の時間(例えば1分間)だけ指紋認証を行うことができるようにしたり、インターフォンを押してから所定の時間(例えば20秒)が経過しない限り指紋認証を行うことができないようにてもよい。また例えば、別途設けられた宅配業者Tの配送ステータス管理システム(図示せず)と連携することにより、宅配業者Tが営業所を出発してからユーザ宅への配達が完了するまでの間だけ指紋認証を行うことができるようにしてもよい。このように、指紋認証を実行できる時間に制限を設けることにより、指紋認証に必要となる最小限の時間についてのみ指紋認証を行うことができる。その結果、セキュリティを強化することができる。
ステップS24において、宅配業者Tは、指紋認証器(ターミナル111)に指をかざす。これにより、管理装置11による指紋認証が開始される。管理装置11による指紋認証は、宅配業者Tの指紋と、ユーザDB401に記憶されたn人のユーザ(nは1以上の整数値)の指紋との間で照合が行われる。即ち、1:n認証による指紋認証が行われる。これにより、例えばICカード(Integrated Circuit Card)の運用では実現不可能な個人の特定を、生体認証によって実現することが可能となる。なお、図12には、一部のユーザの指紋のイメージが例として示されている。
ステップS24における指紋認証の結果、指紋が照合されると、ステップS25において扉1が開錠される。これにより、宅配業者Tは、ユーザ宅内に立入ることができる。
図13は、管理装置11を備える扉1の設置例を示す図である。
これにより、訪問者の種類に合わせて、訪問者に扉1を開錠する権限を付与したり剥奪したりすることができる。その結果、単にセキュリティを強化するのではなく、訪問者の種類に対応させた柔軟なセキュリティ設定が可能となる。
訪問者の種類の具体例としては、宅配、家事代行、ベビーシッター、家主、親族、友人等を挙げることができる。例えば宅配の場合には、玄関の領域まで立入ることができれば業務を行うことができるので、扉1Aを開錠する権限のみが付与され、扉1Bを開錠する権限、及び扉1Cを開錠する権限については付与されないこととしてもよい。また、扉1Aの外側(即ち建物の外)に宅配物を置くことができるようになっている場合(図19に例示する場合)には、扉1Aを開錠する権限さえも付与しないことができる。これに対して、家事代行やベビーシッターの場合には、リビングの領域まで立入らなければ業務を行うことができないので、扉1A、扉1B、及び扉1Cの全てついて開錠する権限が付与されることとしてもよい。
図14の例では、別途設けられた宅配業者Tの配送ステータス管理システム(図示せず)に、本発明の一実施形態に係る訪問者監視システムが連携しており、宅配業者Tに対しユーザA宅の扉1を開錠する権限が付与されている。また、宅配業者Tは、ユーザB宛の荷物を配達するために、留守中のユーザB宅に訪問している。なお、ユーザB宅の扉61は、管理装置11を備えるユーザA宅の扉1と異なり、従来から存在する一般的な扉であるとする。
しかしながら、ユーザBに対し、ユーザA宅の扉1を開錠する権限を付与されれば、宅配業者TがユーザB宛の荷物を宅配する際、ユーザA宅の扉1の内側の立入可能領域A1を、ユーザB宛の宅配物を一時的に置くための代理宅配ボックスとして利用することができる。
この場合、帰宅したユーザBは、ユーザA宅の扉1を開錠する権限を有する宅配業者TがユーザB宅に荷物を宅配する際の手順と同様の手順で、ユーザA宅の扉1を開錠して荷物を回収することができる。また、ユーザBが直接ユーザA宅の扉1を開錠して荷物を回収することなく、宅配業者Tに荷物の再送を依頼することもできる。この場合、荷物の再送の依頼を受けた宅配業者Tは、ユーザA宅に一時的に置いてあるユーザB宛の荷物を回収して、ユーザB宅に再配達する。これにより、荷物が大きかったり重かったりする場合におけるユーザBの負担を軽減させることができる。
なお、ユーザBが立入可能領域A1を越えてA宅内に立入った場合には、宅配業者Tの場合と同様に、異常行動として検知されてユーザAや警備会社等にその旨が報知される。
また、扉1の外側(即ち建物外)に監視装置22を設置することにより、扉1の外側の領域を、ユーザB宛の宅配物を一時的に置くための代理宅配エリアとして利用することもできる。
図14の例におけるユーザAのように、自身の玄関の領域を代理宅配ボックス又は代理宅配エリアとして提供するユーザに対しては、システムの利用料を割引たり、代理宅配ボックス又は代理宅配エリアの提供料を支払う等のメリットを享受させてもよい。これにより、ユーザAのように自身の玄関の領域を代理宅配ボックスとして提供しようとするユーザや、ユーザBのように他ユーザ宅の玄関の領域を代理宅配ボックス又は代理宅配エリアとして利用しようとするユーザの数の増加が期待できる。その結果、サービスを利用するユーザの増加を図ることができる。
図15は、管理装置11が備える学習機能の活用例を示す図である。
これにより、管理装置11の扉管理部134は、配達履歴情報に基づいて、ユーザが留守である可能性が高い曜日や時間帯等を演算して、扉1を自動で在宅モードから、不在時の宅配を可能とする不在宅配モードに切り替えることもできる。なお、扉管理部134による演算には、AI(人工知能)による学習等を利用することができる。
具体的には例えば、図15に示すように、AI(人工知能)が、過去3週間の配達履歴のうち、ユーザが不在につき宅配ボックスに配達された履歴についての情報に基づいた学習を行い、ユーザが留守である可能性が高い曜日(図15の例では木曜日)や時間帯等を演算して、扉1を自動で在宅モードから不在宅配モードに切り替えることができる。
図16は、管理装置11を備える扉1を設置することなく訪問者の行動を監視可能とする限界領域検出装置21としてのセンサポールを示す図である。
図17は、図16のセンサポールの設置例を示す図である。
図17(A)は、センサポールにより形成される立入可能領域A1及び立入禁止領域A2のイメージを示す側面図である。
図17(B)は、センサポールにより形成される立入可能領域A1及び立入禁止領域A2のイメージを示す斜視図である。
これにより、管理装置11を備える扉1を設置することなく、距離センサ(センサ部211)によって訪問者の行動を監視することができるので、例えばホテルや民泊において、セキュリティを確保しながら、宿泊客に対する部屋の鍵の受け渡し業務を無人化させることもできる。
具体的には例えば、センサポール(限界領域検出装置21)は、図16に示すように、赤外線レーザーを目的物に照射する複数の距離センサ(センサ部211)が所定間隔で縦一列に配置された棒状の装置で構成させることができる。センサポール(限界領域検出装置21)は、自立可能であるため、図17(A)及び(B)に示すように、管理装置11を備えない一般的な扉61の内側(即ち建物内)の近傍に簡単に設置することができる。これにより、扉61の内側(即ち建物内)に立入可能領域A1と立入禁止領域A2とを形成させることができる。センサポール(限界領域検出装置21)を設置する場合には、扉61を施錠せずに訪問者が出入り自由な状態で、センサポール(限界領域検出装置21)のみでセキュリティを担保することができる。
宿泊客は、扉61から建物内に立入り、チェックイン端末24を操作することでチェックインを行う。このとき、センサポール(限界領域検出装置21)は、宿泊客が立入禁止領域A2に立入った場合にこれを検知して報知を行うので、セキュリティは担保される。
宿泊客がチェックインを済ませると、これをトリガとして、センサポール(限界領域検出装置21)による報知機能が解除される。これにより、チェックインを済ませた宿泊客は、セキュリティボックス(図示せず)に保管された部屋の鍵を受け取ることができる。なお、セキュリティボックスに保管された部屋の鍵を受け取る際に必要となるセキュリティボックスの開錠キーは、チェックイン完了時にチェックイン端末24に表示される。
このように、扉61が常時開錠された状態であっても、センサポール(限界領域検出装置21)とチェックイン端末24とを設置することにより、ホテルや民泊におけるチェックイン業務や部屋の鍵の受け渡し業務を無人化させることが可能となる。
図19は、扉1の外側(即ち建物外)に監視装置22を設置した場合の例を示す図である。
監視装置22によって監視された状態にある荷物が移動すると、ユーザや警備会社等にその旨が報知される。扉1を開錠する権限が付与されている者(例えば宅配業者T)は、監視装置22による荷物の監視を解除することができる。これにより、宅配業者Tは扉1に立入ることなくユーザ宛の荷物の宅配を完了させることができる。
監視装置22により監視される荷物は、宅配業者Tが扉1の外側の領域に置いたユーザ宛の宅配物に限定されず、ユーザが他者宛で発送したい荷物であってもよい。この場合、宅配業者Tは、ユーザが不在の状態であっても、ユーザが発送する荷物の集荷を行うことができる。
また、上述したように、扉1の外側(即ち建物外)に監視装置22を設置することにより、図14に示す例と同様に、扉1の外側の領域を、異なるユーザ宛の宅配物を一時的に留置するための代理宅配エリアとして利用することもできる。
例えば、上述のように、図1、図20乃至図22に記載されている開扉維持機構23は必須の機構ではなく、訪問者監視システムの機能を発揮させるために必要に応じて設けることができる。
また例えば、図20乃至図22は、本発明の情報処理システムの一実施形態に係る訪問者監視システムのハードウェア構成例のうち、図1とは異なる例を示すブロック図である。
また、図1に示す例では、管理装置11は、電気錠制御盤114を備え、信号変換基板112が電気錠制御盤I/F122を有する構成となっている。これに対して、図20に示す例では、管理装置11は、電気錠制御盤114を備えておらず、信号変換基板112も電気錠制御盤I/F122を有しない構成となっている。
なお、図21に示す例は、図1に示す例と同様に、管理装置11は、電気錠制御盤114を備え、信号変換基板112が電気錠制御盤I/F122を有する。
また、信号変換基板112に電力を供給する手法が異なる。図1に示す例では、信号変換基板112は、無停電電源(UPS)115から電力の供給を受けることはなく、ターミナル111に接続されたUSBケーブルを介して間接的に電力の供給を受ける。これに対して、図22に示す例では、信号変換基板112は、無停電電源(UPS)115から電力の供給を受ける。また、図22に示す例では、信号変換基板112は、AC/DCコンバータ126と、レギュレータ24V-5V(/3.3V)128とを有し、100V(ボルト)の交流電源から直接的に電力の供給を受ける。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
さらに言えば、ハードウェア又はソフトウェアにより実行される一連の処理のうち、一部の処理について、ユーザによりデータ入力を行う等、ユーザのマニュアル操作により実行することもできる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的なシステムを意味するものとする。
即ち、本発明が適用される情報処理システムは、
建物(例えばユーザ宅)の出入口近傍の所定の領域(例えば玄関の領域)に立入ろうとする訪問者(例えば宅配業者T)を監視する情報処理システム(例えば図1の訪問者管理システム)であって、
前記訪問者に対して、生体情報に関する所定の条件を満たした場合(例えば指紋認証における照合)には、前記所定の領域への立入りを許可し、前記所定の条件を満たしていない場合には、前記所定の領域への立入りを禁止する管理手段(例えば図2の管理装置11)
を備える情報処理システム。
これにより、ユーザが所在する建物への訪問者のうち、特定の訪問者のみについて、建物の出入口近傍の所定の領域への立入りを認めるとともに、所定の領域への立入りが認められた訪問者の行動に一定の制限を課して、効率良く訪問者を監視することができる。
前記検出手段による検出の結果に基づいて、前記訪問者の異常行動の有無を判定する判定手段(例えば図2の管理装置11の判定部132)と、
前記訪問者の異常行動(例えば立入禁止領域A2への立入り)があったと判定された場合、その旨を報知する報知手段(例えば図2の管理装置11の報知制御部135)と、
をさらに備えることができる。
これにより、ユーザ及び警備会社等に対し、訪問者の異常行動の事実を迅速に知らせることができる。
前記判定手段は、さらに、
前記検出手段による検出の結果及び前記撮像手段による撮像の結果に基づいて、前記訪問者の異常行動の有無を判定することができる。
これにより、訪問者の異常行動を精度良く監視することができる。
前記振動検知手段による検知の結果に基づいて、前記訪問者の異常行動の有無を判定する判定手段(例えば図2の管理装置11の判定部132)と、
前記訪問者の異常行動が有ったと判定された場合、その旨を報知する報知手段(例えば図2の管理装置11の報知制御部135)と、
をさらに備えることができる。
これにより、訪問者の異常行動を精度良く監視することができるとともに、ユーザ及び警備会社等に対し、訪問者の異常行動の事実を迅速に知らせることができる。
これにより、例えば宅配の開始から宅配の完了までの間に生じた事象についての責任を宅配業者Tが負うこととなるので責任の所在が明らかになる。その結果、ユーザ宅の扉1を開錠する権限を有しないにもかかわらず、ユーザ宅の扉1を開錠する権限を有する宅配業者に同行することでユーザ宅の扉1の内側に立入った無権限者Fが、宅配の完了後もユーザ宅の扉1の内側に残留するような問題が生じることを防ぐことができる。
Claims (5)
- 所定団体に属していないユーザにより管理されている建物の出入口近傍の所定の領域に立入ろうとする訪問者であって、当該所定団体に属している訪問者を監視する情報処理システムであって、
前記訪問者に対して、生体情報に関する所定の条件を満たした場合には、前記所定の領域への立入りを許可し、前記所定の条件を満たしていない場合には、前記所定の領域への立入りを禁止する管理手段と、
前記立入りが許可された前記訪問者が前記所定の領域に立入ったことをその時刻と共に検出し、当該訪問者が前記所定の領域から立去ったことをその時刻と共に検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果を前記所定団体に報知する報知手段と、
を備える情報処理システム。 - 前記検出手段により前記訪問者が前記所定の領域に立入ったことが検出された場合、前記訪問者の異常行動の有無を判定する判定手段をさらに備え、
前記報知手段は、前記訪問者の異常行動があったと前記判定手段により判定された場合、さらに、その旨を報知する、
請求項1に記載の情報処理システム。 - 前記所定の領域を撮像する撮像手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記撮像手段による撮像の結果に基づいて、前記訪問者の異常行動の有無を判定する、
請求項2に記載の情報処理システム。 - 前記所定の領域に配置された所定の物品の振動を検知する振動検知手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記振動検知手段による検知の結果に基づいて、前記訪問者の異常行動の有無を判定する、
請求項2に記載の情報処理システム。 - 前記管理手段は、
前記訪問者が前記所定の領域に立入る際に、当該訪問者に対して、前記生体情報に関する前記所定の条件を満たしているかについての認証を行うと共に、
前記訪問者が前記所定の領域から立去る際に、当該訪問者に対して、前記生体情報に関する前記所定の条件を満たしているかについての前記認証を行う、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
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