JP2015144204A - 半導体装置 - Google Patents

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悠嗣 小嶌
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Abstract

【課題】パッケージの大型化を抑制しつつ、沿面放電による金属板の他面と締結部材との導通を防止する。【解決手段】金属板10の一面11側に半導体素子20を搭載し、金属板10の他面12を露出させるようにモールド樹脂30で封止してなるパッケージ100と、冷却部材200とを、シート部材300を介して対向させ、これらをネジ部材400で締結してなる半導体装置S1において、シート部材300は、多孔質基材310に電気絶縁性の流動物320を染み込ませてなり、モールド樹脂30の突出部31の表面31aのうち金属板10の他面12とネジ部材400とが最短の沿面距離となる最短経路Y1上では、シート部材300とネジ部材400とが離間しており、この離間した部分における突出部31の表面31aは、シート部材300から染み出した流動物320により形成された被膜340で被覆されている。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体素子が搭載された金属板の板面をモールド樹脂より露出させたパッケージを有し、金属板の板面を放熱用のシート部材を介して冷却部材に接触させ、これらパッケージ、シート部材および冷却部材を締結部材で固定してなる半導体装置に関する。
従来より、この種の半導体装置としては、一面と他面とが表裏の板面の関係にある金属板と、この金属板の一面側に搭載された半導体素子と、半導体素子とともに金属板の一面側を封止するモールド樹脂とを備え、金属板の他面をモールド樹脂より露出させてなるパッケージを有するものが提案されている。
そして、パッケージにおける金属板の他面側には、この金属板の他面に対して隙間を有して対向するように、放熱フィン等の冷却部材が配置される。また、金属板の他面全体と冷却部材との隙間には、放熱性且つ電気絶縁性を有するシート状のシート部材が介在される。
ここで、これらパッケージ、シート部材および冷却部材は、通常、ネジやバネ等の締結部材を用いて、積層方向に加圧された状態で締結されることにより固定される(たとえば、特許文献1参照)。
特開2003−243584号公報
このような半導体装置において、本発明者は、上記パッケージを、さらにモールド樹脂の周辺部が金属板の他面の外郭よりも外側に突出した突出部とされた構成を有するものとして、試作、検討を進めた。このような構成を有する本発明者の試作品について、図5(a)、(b)を参照して述べる。
図5に示されるように、この構成のパッケージ100において、金属板10の一面11に半導体素子20が搭載されている。そして、モールド樹脂30は金属板10の平面サイズよりも大きく、金属板10の外郭から外側にはみ出した突出部31を有するものである。
これにより、金属板10の他面12側の平面構成としては、モールド樹脂30より露出する金属板10の他面12の外側に、モールド樹脂30の突出部31が張り出したものとされる。そのため、冷却部材200は、パッケージ100における金属板10の他面12だけでなく、モールド樹脂30の突出部31に対しても、隙間を有して対向配置されたものとなる。
また、このとき、シート部材J3は、樹脂やグリス等よりなる一般的なもので、モールド樹脂30より露出している金属板10の他面12よりも大きな平面サイズを有するものとされる。これにより、シート部材J3は、金属板10の他面12全体を被覆した状態で、金属板10の他面12全体と冷却部材200との隙間に介在し、当該隙間を充填している。
そして、締結部材としては、ネジ部材やクリップバネ等が用いられるが、ここではネジ部材400を用いている。このネジ部材400は、モールド樹脂30の突出部31を貫通して冷却部材200に挿入されることで、突出部31と冷却部材200とをネジ結合して締結している。
つまり、ネジ部材400は、一方側がモールド樹脂30の突出部31に接触し、他方側が冷却部材200に接触した状態で、パッケージ100と冷却部材200とを積層方向に加圧して固定している。このように、本構成では、封止用のモールド樹脂30を冷却部材200との固定部として兼用することができる。
このとき、ネジ部材400は、金属等よりなる導電性を有するものであるため、モールド樹脂30より露出する金属板10の他面12とネジ部材400との導通を回避する必要がある。また、金属板10とネジ部材400とが導通すると、ネジ部材400を介して、パッケージ100と冷却部材200とが導通してしまうおそれもある。
そのため、図5に示されるように、モールド樹脂30の突出部31と冷却部材200との隙間において、ネジ部材400は、金属板10の他面12に接触するシート部材J3とは離間して設けられる必要がある。
しかし、ネジ部材400を、シート部材J3と離間して配置したとしても、図5(b)の矢印Y1に示されるように、モールド樹脂30の突出部31の表面31aを介して、金属板10の他面12からネジ部材400への沿面放電が発生する可能性がある。
この沿面放電は、突出部31の表面31aのうち金属板10の他面12とネジ部材400とが最短の沿面距離となる経路、すなわち上記矢印Y1で示される最短経路Y1の部位にて通常、発生する。つまり、この最短経路Y1は、突出部31の表面31aにおける沿面放電による導通経路となる。
そこで、この沿面放電を防止するには、突出部31の表面31aのうちネジ部材400とシート部材300との間の沿面距離を大きくしないといけない。しかし、このことは、モールド樹脂30の突出部31の大型化、ひいてはパッケージ100の大型化という問題につながってしまう。
そして、このような問題は、ネジ部材400だけでなく、クリップバネ等、一方側が突出部に接触し他方側が冷却部材に接触した状態でパッケージと冷却部材とを締結する締結部材に対しても、同様に発生すると考えられる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、パッケージの大型化を抑制しつつ、沿面放電による金属板の他面と締結部材との導通を防止できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一面(11)と他面(12)とが表裏の板面の関係にある金属板(10)において当該金属板の一面側に半導体素子(20)を搭載し、半導体素子とともに金属板の一面側をモールド樹脂(30)で封止しつつ、金属板の他面をモールド樹脂より露出させており、モールド樹脂の周辺部は当該他面の外郭よりも外側に突出した突出部(31)とされているパッケージ(100)と、
パッケージにおける金属板の他面およびモールド樹脂の突出部に対し、隙間を有して対向するように配置された冷却部材(200)と、
モールド樹脂より露出する金属板の他面よりも平面サイズが大きく、当該金属板の他面全体を被覆した状態で、当該金属板の他面全体と冷却部材との隙間に介在する放熱性且つ電気絶縁性を有するシート状のシート部材(300)と、
一方側が突出部に接触し、他方側が冷却部材に接触した状態でパッケージと冷却部材とを積層方向に加圧して締結する締結部材(400、430)と、を備える半導体装置であって、さらに、次のような特徴を有する。
すなわち、請求項1の半導体装置においては、シート部材は、電気絶縁性且つ熱伝導性を有するシート状の多孔質基材(310)に電気絶縁性の流動物(320)を染み込ませてなるものであり、
突出部の表面(31a)のうち金属板の他面と締結部材とが最短の沿面距離となる最短経路(Y1)上では、シート部材と締結部材とが離間しており、
突出部の表面における最短経路の部位であってシート部材と締結部材との間に位置する部位は、締結部材によって加圧されて圧縮されたシート部材から染み出した流動物により形成された被膜(340)で被覆されており、
この被膜によって、金属板の他面と締結部材とが、突出部の表面を介した沿面放電により導通することが防止されていることを特徴とする。
それによれば、突出部の表面のうち金属板の他面と締結部材とが最短の沿面距離となる最短経路の部位では、シート部材と締結部材とが離間しているので、当該離間している部位では、突出部の表面がシート部材より露出する。しかし、本発明では、この露出している突出部の表面の部位が、電気絶縁性の流流体により形成された被膜にて被覆されているから、この被膜によって、金属板の他面と締結部材とが突出部の表面を介して導通する導通経路が絶縁される。
そのため、突出部の表面における締結部材と、シート部材との間の沿面距離を大きくすることなく、当該間の沿面放電による導通を防止できる。よって、本発明によれば、パッケージの大型化を抑制しつつ、沿面放電による金属板の他面と締結部材との導通を防止することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1実施形態にかかる半導体装置の概略平面図である。 図1に示される半導体装置の概略断面図である。 図2中の丸で囲まれたA部を拡大して示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる半導体装置の概略断面図である。 本発明者の試作品としての半導体装置を示す図であり、(a)は全体概略断面図、(b)は(a)中の丸で囲まれたB部分を拡大して示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる半導体装置について、図1〜図3を参照して述べる。この半導体装置は、たとえば自動車などの車両に搭載され、車両用の各種電子装置を駆動するための装置として適用されるものである。
なお、図2は図1中の矢印Y1で示される最短経路Y1に沿った方向の概略断面を示す図である。また、図1では図2中の半導体素子20は省略してある。また、図3では、締結部材であるネジ部材400の表面に設けられた被膜340についても、当該被膜340の断面部分と同様の点ハッチングを施すことで示してある。
本実施形態の半導体装置S1は、大きくは、ハーフモールドタイプのパッケージ100と、パッケージ100に対向して配置された冷却部材200と、パッケージ100と冷却部材200との隙間に介在し当該隙間を充填するシート部材300と、パッケージ100と冷却部材200とを締結して固定するネジ部材400と、を備える。そして、パッケージ100に発生する熱を、シート部材300を介して冷却部材200に放熱するようにしたものである。
パッケージ100は、一面11と他面12とが表裏の板面の関係にある金属板10と、金属板10の一面11に搭載された半導体素子20と、半導体素子20とともに金属板の一面11側を封止するモールド樹脂30と、を備える。ここで、金属板10の他面12は、モールド樹脂30より露出している。このように、パッケージ100は、いわゆるハーフモールドタイプのものとして構成されたものである。
金属板10は、CuやFe等の放熱性に優れた金属よりなり、いわゆるヒートシンクあるいはヒートスプレッダと言われるものである。典型的には、金属板10は矩形板状をなすものである。
また、半導体素子20は駆動時に発熱し、放熱を必要とするものであればよい。このような半導体素子20としては、たとえば、MOSトランジスタやIGBT等のパワー素子等が挙げられる。この半導体素子20は、はんだやAgペースト等の図示しないダイボンド材を介して金属板10の一面11に搭載され、固定されている。
また、この半導体素子20は、たとえば図示しないリード端子等に対して、ワイヤボンディング等により接続されてパッケージ外部と電気的接続が行われるようになっている。たとえば、このようなリード端子は、モールド樹脂30によって一部封止された形で設けられた、インナーリードとアウターリードとを有する典型的なものである。
モールド樹脂30は、パッケージ本体を区画するものであり、たとえば金属板10の板厚方向と同一方向を板厚方向とする板状のものである。典型的には、モールド樹脂30は矩形板状である。このようなモールド樹脂30は、たとえばエポキシ樹脂等の通常のモールド材料よりなり、トランスファー成形やコンプレッション成形等により形成されたものである。
このモールド樹脂30は、金属板10の他面12を露出させつつ、金属板10における一面11、および、一面11と他面12とを連結する側面を、半導体素子20とともに封止している。また、パッケージ100において、モールド樹脂30の周辺部は金属板10の他面12の外郭よりも外側に突出した突出部31とされている。
ここでは、モールド樹脂30の突出部31は、金属板10の側面に回り込むことで、金属板10の他面12の全周にて突出している。ここで、モールド樹脂30より露出する金属板10の他面12は、突出部31の表面(ここでは、冷却部材200と対向する表面)31aよりも突出している。
なお、この金属板10の他面12と突出部31の表面31aとは、同一平面でもよいし、凹んだものであってもよい。限定するものではないが、たとえば、モールド樹脂30より露出する金属板10の他面12の面積は、1200mm程度であり、当該金属板10の他面12と突出部31の表面31aとの高低差は、±50μm程度以内である。
本実施形態においては、このモールド樹脂30より露出する金属板10の他面12が、パッケージ100における放熱の用をなす放熱面として構成されている。そして、この金属板10の他面12が、シート部材300に正対しシート部材300に荷重を加えた状態で直接接触している。
冷却部材200は、パッケージ100における金属板10の他面12およびモールド樹脂30の突出部31に対し、隙間を有して対向するように配置されている。そして、冷却部材200とパッケージ100とは、シート部材300を介して熱伝導可能に接続されている。
この冷却部材200は、パッケージ100の放熱面である金属板10の他面12から受けた熱を冷却するものであり、たとえば内部に冷却水が流れる通路を有する水冷式のものや、フィンを有する空冷式のもの、あるいはヒートシンク等が採用される。また、冷却部材200におけるシート部材300の設置面は、典型的には平坦面である。このような冷却部材200は、典型的には熱伝導性に優れたAl等の金属等よりなる。
シート部材300は、放熱性且つ電気絶縁性を有するシート状をなす。このシート部材300は、モールド樹脂30より露出する金属板10の他面12よりも平面サイズが大きく、金属板10の他面12全体を被覆した状態で、金属板10の他面12全体と冷却部材200との隙間に介在している。
つまり、シート部材300は、金属板10の他面12およびこれに対向する冷却部材200の面に直接接触した状態で、当該両者間に介在している。ここでは、シート部材300は、金属板10の他面12よりも一回り大きい矩形板状をなしている。
本実施形態のシート部材300は、図3に示されるように、シート部材300の本体を構成するシート状の多孔質基材310と、この多孔質基材310に含浸された流動物320と、よりなるものである。
多孔質基材310は、シート状に形成され電気絶縁性且つ熱伝導性を有する固体状態のものである。この多孔質基材310は、いわゆるスポンジのような柔軟性を有するものであり、特に限定するものではないが、たとえばポリウレタン等の多孔質樹脂等よりなるものである。
ここで、多孔質基材310には、熱伝導性を向上させる等の目的で、図示しない熱伝導性フィラーが含有されていてもよい。この熱伝導性フィラーは、電気絶縁性且つ熱伝導性を有するもので、たとえばアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素等よりなる。もちろん、多孔質基材310は、この熱伝導性フィラーを含まないものであってもよい。
流動物320は、多孔質基材310の内孔に含浸されたもので、電気絶縁性且つ熱伝導性を有する流動状態のものである。ここで、流動状態であるならば、液状でもよいしゲル状でもよい。この流動物320は、特に限定するものではないが、典型的には、シリコーンオイル、シリコーンゲル等よりなる。
このようなシート部材300は、シート状に形成された多孔質基材310を、流動物320に浸漬して、流動物320を多孔質基材310に含浸させることにより、形成される。こうして、シート部材300として、多孔質基材310に流動物320が染み込んだものができあがる。
ネジ部材400は、締結部材に相当するものである。このネジ部材400は、頭部410側である一方側が突出部31に接触し、先端部420側である他方側が冷却部材200に接触した状態とされている。
具体的には、ネジ部材400は、突出部31から突出部31を貫通して冷却部材200に挿入されている。これにより、本実施形態のネジ部材400は、突出部31と冷却部材200との隙間に位置して、突出部31および冷却部材200の両者に接触した状態とされている。
そして、この状態で、パッケージ100と冷却部材200とが、ネジ部材400を介したネジ結合によって、積層方向に加圧して締結されている。このネジ部材400は、たとえばステンレス等の金属よりなる。
ここで、図1に示されるように、シート部材300の外郭端部には、略半円状の切り欠き330が設けられており、ネジ部材400は、切り欠き330に位置している。ここで、突出部31の表面31aのうち金属板10の他面12とネジ部材400とが最短の沿面距離となる最短経路Y1上では、シート部材300とネジ部材400とが離間している。
本実施形態では、図1に示されるように、突出部31の表面31aに位置するネジ部材400の全体が、シート部材300とは離間している。つまり、突出部31の表面31aのうち最短経路Y1上だけでなく、最短経路ではない経路Y2上においても、ネジ部材400がシート部材300の外郭から所定距離離れた位置にあり、シート部材300とネジ部材400とは非接触の状態にある。
なお、少なくとも突出部31の表面31aのうち最短経路Y1上にて、シート部材300とネジ部材400とが離間していればよく、突出部31の表面31aのうち最短経路ではない経路Y2上においては、シート部材300とネジ部材400とが接触していてもよい。上記沿面放電は、当該最短経路Y1にて発生するものであり、当該最短経路ではない経路Y2では発生する確率は低いためである。
そして、突出部31と冷却部材200との隙間において、突出部31の表面31aにおける最短経路Y1の部位であって且つシート部材300とネジ部材400との間に位置する部位は、被膜340により被覆されている。ここでは、当該部位においてシート部材300とネジ部材400との間の全域に被膜340が設けられている。
この被膜340は、ネジ部材400によって加圧されて圧縮されたシート部材300から染み出した流動物320により形成されたものであり、流動物320と同じく電気絶縁性の膜である。
そして、この被膜34によって、金属板10の他面12とネジ部材400とが、突出部31の表面31aを介した沿面放電により導通することが防止されている。なぜならば、突出部31の表面31aにおける最短経路Y1は、金属板10の他面12から突出部31の表面31aを通ってネジ部材400に向かう沿面放電が発生する導通経路であり、この最短経路Y1の部位が被膜340で被覆されているためである。
また、上述したが、ネジ部材400は、突出部31と冷却部材200との隙間に位置して突出部31と冷却部材200に接触しつつ、当該隙間における突出部31の表面31aのうち最短経路Y1上にて、シート部材300と離間している。
ここにおいて、図3に示されるように、被膜340は、突出部31と冷却部材200との隙間に位置する突出部31の表面31aのうち最短経路Y1の部位に設けられるとともに、当該部位から連続してネジ部材400の表面にも設けられている。
さらに、図2、図3に示されるように、被膜340は、冷却部材200の表面(つまりパッケージ100との対向面)のうちネジ部材400とシート部材300との間に位置する部位にも、設けられている。
このような本実施形態の半導体装置S1の製造方法は次の通りである。まず、パッケージ100と冷却部材200とを、シート部材300を介して積層する。ここで、パッケージ100の突出部31には、ネジ部材400が貫通する貫通孔を設け、冷却部材200には、ネジ部材400が挿入されるネジ穴を設けておく。
そして、パッケージ100の突出部31の上記貫通孔にネジ部材400を挿入し、冷却部材200までネジ部材400を挿入することで、パッケージ100と冷却部材200とをネジ締めする。これにより、パッケージ100と冷却部材200とが積層方向に加圧された状態で固定される。
また、このネジ締めのとき、シート部材300は加圧されて、上記積層方向すなわちシート部材300の厚さ方向に圧縮される。このとき、多孔質基材310の内孔も圧縮される。これにより、当該内孔に染み込んでいた流動物320を、多孔質基材310の外郭から上記被膜340の形成箇所まで染み出させる。
これにより被膜340が形成されるが、このように染み出しによる形成のため、被膜340は、通常、シート部材300から連続して拡がる膜とされる。また、被膜340は、流動物320の材質にもよるが、最終的に流動状態であってもよいし、加熱等により最終的に硬化されたものであってもよい。
なお、図2、図3では、突出部31と冷却部材200との隙間において、突出部31側の被膜340と冷却部材200側の被膜340との間には、空間が存在するが、流動物320の染み出しの程度により、この空間が無くなるものでもよい。つまり、当該両側の被膜340が一体となったものでもよい。
また、図示しないが、この染み出す流動物320により、シート部材300と金属板10の他面12との界面、および、シート部材300と冷却部材200との界面において、当該界面に存在する微小な凹凸が埋められる。これにより、シート部材300と金属板10および冷却部材200との密着面積が確保されている。
ところで、本実施形態によれば、モールド樹脂30の突出部31の表面31aのうち最短経路Y1上では、シート部材300とネジ部材400とが離間している。そのため、当該離間している部位では、突出部31の表面31aは、シート部材300に対して露出するものとされる。
しかし、本実施形態では、この露出している突出部31の表面31aの部位が、電気絶縁性の流動物320により形成された被膜340によって被覆されているから、この被膜340によって、金属板10の他面12とネジ部材400とが突出部31の表面31aを介して導通する導通経路が絶縁される。
そのため、突出部31の表面31aにおけるネジ部材400とシート部材300との間の沿面距離を大きくすることなく、当該間の沿面放電による導通を防止できる。よって、本実施形態によれば、パッケージ100の大型化を抑制しつつ、沿面放電による金属板10の他面12と締結部材であるネジ部材400との導通を防止することができる。
また、上述したが、図3に示されるように、被膜340は、突出部31と冷却部材200との隙間に位置する突出部31の表面31aのうち最短経路Y1の部位に設けられるとともに、当該部位から連続してネジ部材400の表面にも設けられている。これによれば、ネジ部材400の表面も被膜340で被覆されるから、金属板10の他面12とネジ部材400との沿面放電による導通を防止する点で、より望ましい構成となる。
さらに、上述したが、図2、図3に示されるように、被膜340は、冷却部材200の表面(つまりパッケージ100との対向面)のうちネジ部材400とシート部材300との間に位置する部位にも、設けられている。
それによれば、金属板10の他面12からシート部材300の表面を介して冷却部材200に至る沿面放電の導通経路に対しても、被膜340による絶縁がなされ、当該沿面放電についても防止できるため、好ましい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態にかかる半導体装置S2について、図4を参照して、上記第1実施形態にかかる半導体装置S1との相違点を中心に述べる。上記第1実施形態では、締結部材はネジ部材400であったが、本実施形態では、締結部材として板バネよりなるクリップバネ430を用いている。
上記第1実施形態のネジ部材400の場合、モールド樹脂30の突出部31と冷却部材200との隙間に位置して、これら突出部31および冷却部材200に接触した状態とされていた。これに対して、図4に示されるように、本実施形態では、クリップバネ430は、バネ力によってパッケージ100と冷却部材200とを挟み付けるように締結するものである。
そのため、図4に示されるように、クリップバネ430の一方側は、突出部31における冷却部材200とは反対側の表面に接触し、クリップバネ430の他方側は、冷却部材200におけるパッケージ100とは反対側の面に接触したものとされている。つまり、クリップバネ430は、突出部31と冷却部材200との隙間の外側に位置して、これら突出部31および冷却部材200に接触している。
この場合、突出部31の表面のうち金属板10の他面12とクリップバネ430との最短の沿面距離となる最短経路Y1は、突出部31と冷却部材200との隙間における突出部の表面31aから当該隙間の外側に位置する突出部31の表面を介した経路となる。
ここで、上記第1実施形態では、被膜340は、突出部31の表面31aにおける最短経路Y1の部位であって且つシート部材300とネジ部材400との間に位置する部位の全域に設けられていた。
これに対して、本実施形態では、被膜340は、突出部31の表面のうち最短経路Y1の部位の一部、すなわち、突出部31と冷却部材200との隙間における突出部の表面31aの一部に設けられている。また、本実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、締結部材であるクリップバネ430の表面には被膜340は設けられていない。
しかし、この場合でも、上記最短経路Y1においてシート部材300とクリップバネ430との間に露出する突出部31の表面が、電気絶縁性の被膜340で被覆されて絶縁されているので、当該間の沿面放電による導通を防止できる。
そのため、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様、パッケージ100の大型化を抑制しつつ、沿面放電による金属板10の他面12と締結部材であるクリップバネ430との導通を防止することができる。
また、本実施形態では、上記したようにクリップバネ430の表面までは、被膜340は設けられていないが、上記第1実施形態と同様、冷却部材200の表面にも、被膜340が設けられている。このため、上記第1実施形態と同様、金属板10の他面12からシート部材300の表面を介して冷却部材200に至る沿面放電についても防止することができる。
(他の実施形態)
なお、パッケージ100としては、半導体素子20とともに金属板10の一面11側をモールド樹脂30で封止しつつ、金属板10の他面12を露出させており、モールド樹脂30の周辺部を上記突出部31としたものであればよく、上記ハーフモールドタイプのものに限定されるものではない。
たとえば、半導体素子20の両面にそれぞれ金属板10の一面11を対向させたものをモールド樹脂30で封止し、半導体素子20の各側の金属板10の他面12をモールド樹脂30より露出させてなる両面放熱構造のモールドパッケージであってもよい。この場合も、モールド樹脂30より露出する各金属板10の他面12について、上記シート部材300を介して冷却部材200を締結した構成において、上記実施形態の構成を採用してやればよい。
また、上記した締結部材としてのネジ部材400やクリップバネ430は、金属製のものであったが、樹脂よりなるものであってもよい。この場合も、上記したような金属板10の他面12とこれら締結部材との間で、突出部31の表面を介した沿面放電が発生する可能性があるためである。
また、締結部材としては、一方側がモールド樹脂30の突出部31に接触し、他方側が冷却部材200に接触した状態でパッケージ100と冷却部材200とを締結するものであれば、上記のネジ部材400やクリップバネ430のような単一の部品よりなるものに限定されるものではない。たとえば、締結部材としては、ネジとバネとを組み合わせた複数の部品よりなるものであってもよい。
また、上記図3では、モールド樹脂30の突出部31の表面31aにおける最短経路Y1の部位であって且つシート部材300とネジ部材400との間に位置する部位の全域が、被膜340で被覆されていた。さらに、上記図3では、この最短経路Y1の部位に連続するネジ部材400の表面、および、冷却部材200の表面のうちネジ部材400とシート部材300との間に位置する部位も、被膜340で被覆されていた。
ここで、上記図3において、被膜340は、突出部31の表面31aのうち最短経路Y1の部位であって且つシート部材300とネジ部材400との間に位置する部位の全域ではなく、上記図4に示される第2実施形態と同様に、当該部位の一部のみに設けられていてもよい。
このような当該部位の一部のみに被膜340を設けた場合でも、突出部31の表面31aを介した沿面放電による金属板10の他面12とネジ部材400との導通を防止するという目的は達成される。なお、被膜340が、当該部位の全域に設けられていれば、上記目的のために、より好ましいことは言うまでもない。このように、被膜340は、当該部位のうちの少なくとも一部に設けられていれば、突出部31の表面31aを介した沿面放電による導通防止という上記目的を達成できるものである。
さらに言えば、締結部であるネジ部材400およびクリップバネ430の表面や、冷却部材200の表面にも被膜340を設けることで、上記突出部31の表面31aを介した沿面放電、あるいは、シート部材300を介した沿面放電を防止するという点で、好ましい構成となることは言うまでもない。
また、上記図1では、被膜340は、モールド樹脂30の平面サイズの範囲内に位置していた。しかし、シート部材300からの流動物320の染み出し度合を多くすることにより、被膜340は、モールド樹脂30の平面サイズよりも外側まで拡がるものであってもよい。
また、上記各実施形態では、上記図1に示したように、モールド樹脂30の突出部31は、金属板10の他面12の全周にて突出していた。しかし、この突出部31は締結部材であるネジ部材400やクリップバネ430による固定を行うために設けられるものであればよく、金属板10の他面12の外周の一部のみにて突出して設けられたものであってもよい。たとえば、上記図1の左右方向における金属板10の他面12の外側にのみ、突出部31が設けられたものでもよい。
また、上記第1実施形態では、上記図1に示したように、シート部材300の切り欠き340にネジ部材400を通していた。しかし、締結部材がネジ部材400である場合には、切り欠き340に代えて、ネジ部材400が通るようなシート部材300に設けられた貫通孔であってもよい。この場合、たとえば上記図1において、シート部材300は、ネジ部材400の位置の外側まで拡がる、より大きな矩形状のものにできる。
また、パッケージ100としては、金属板10が複数個、平面的に設けられたものであってもよい。この場合、それぞれの金属板10の他面12には、1個の共通の大きなシート部材300を対応させた構成でもよいし、それぞれの金属板10の他面12に対して独立したシート部材300を設けたものであってもよい。
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能であり、また、上記各実施形態は、上記の図示例に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
10 金属板
11 金属板の一面
12 金属板の他面
20 半導体素子
30 モールド樹脂
31 モールド樹脂の突出部
31a 突出部の表面
100 パッケージ
200 冷却部材
300 シート部材
310 多孔質基材
320 流動物
340 被膜
400 締結部材としてのネジ部材
430 締結部材としてのクリップバネ
Y1 最短経路

Claims (3)

  1. 一面(11)と他面(12)とが表裏の板面の関係にある金属板(10)において当該金属板の一面側に半導体素子(20)を搭載し、前記半導体素子とともに前記金属板の一面側をモールド樹脂(30)で封止しつつ、前記金属板の他面を前記モールド樹脂より露出させており、前記モールド樹脂の周辺部は当該他面の外郭よりも外側に突出した突出部(31)とされているパッケージ(100)と、
    前記パッケージにおける前記金属板の他面および前記モールド樹脂の前記突出部に対し、隙間を有して対向するように配置された冷却部材(200)と、
    前記モールド樹脂より露出する前記金属板の他面よりも平面サイズが大きく、当該金属板の他面全体を被覆した状態で、当該金属板の他面全体と前記冷却部材との隙間に介在する放熱性且つ電気絶縁性を有するシート状のシート部材(300)と、
    一方側が前記突出部に接触し、他方側が前記冷却部材に接触した状態で前記パッケージと前記冷却部材とを積層方向に加圧して締結する締結部材(400、430)と、を備え、
    前記シート部材は、電気絶縁性且つ熱伝導性を有するシート状の多孔質基材(310)に電気絶縁性の流動物(320)を染み込ませてなるものであり、
    前記突出部の表面(31a)のうち前記金属板の他面と前記締結部材とが最短の沿面距離となる最短経路(Y1)上では、前記シート部材と前記締結部材とが離間しており、
    前記突出部の表面における前記最短経路の部位であって前記シート部材と前記締結部材との間に位置する部位は、前記締結部材によって加圧されて圧縮された前記シート部材から染み出した前記流動物により形成された被膜(340)で被覆されており、
    この被膜によって、前記金属板の他面と前記締結部材とが、前記突出部の表面を介した沿面放電により導通することが防止されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記締結部材(400)は、前記突出部と前記冷却部材との隙間に位置して前記突出部と前記冷却部材とに接触しているとともに、当該隙間における前記突出部の表面のうち前記最短経路上にて、前記シート部材とは離間しているものであり、
    前記被膜は、前記隙間に位置する前記突出部の表面のうち前記最短経路の部位に設けられるとともに、さらに連続して前記締結部材の表面にも設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. さらに、前記被膜は、前記冷却部材の表面のうち前記締結部材と前記シート部材との間に位置する部位にも、設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
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