JP2015142494A - 車両用駆動装置及びその制御方法 - Google Patents

車両用駆動装置及びその制御方法 Download PDF

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新也 原田
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Abstract

【課題】変速の際の機械的損失を低減するとともに、コストアップや重量増を回避できる車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】車両用駆動装置のトランスミッションECUは、現在の変速段から次の変速段へのアップ変速の際に、エンジンEGの回転トルクを減少させて、当該エンジンEGの回転トルクの減少を補うようにモータジェネレータMGの回転トルクを増加させるとともに、ドグクラッチが現在の速度段の遊転ギヤから離脱するようにシフトアクチュエータを作動させ、ドグクラッチと現在の速度段の遊転ギヤとが少数の歯のみで噛み合う半係合状態となったときに、モータジェネレータMGの回転トルクを急減させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、アクチュエータを用いてシフト操作を行うことで自動変速を行う自動変速装置を備えた車両用駆動装置及びその制御方法に関するものである。
従来より、アクチュエータを用いてシフト操作を行うことで自動変速を行う自動変速装置が知られている。このような自動変速装置として、次の変速段の遊転ギヤとこれが回転連結される軸との回転を同期させるためにシンクロナイザリンクを備えたものがある(例えば、特許文献1)。
一方、モータジェネレータを備えたハイブリッド車両に用いられる自動変速装置において、変速の際に、モータジェネレータを用いて、次の変速段の遊転ギヤとこれが回転連結される軸との回転を同期させる技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2002−139146号公報 特開2009−293675号公報
しかしながら、シンクロナイザリングを備えた自動変速装置では、変速する際に、アクチュエータがシンクロナイザリングを遊転ギヤに形成されたコーンに押し付けて、シンクロナイザリングとコーンとの間の摩擦力を利用することにより、遊転ギヤとこれが回転連結する軸との回転を同期させているため、高出力なシフトアクチュエータが必要となり、コストアップや重量増となってしまう。また、車両の走行中にはシンクロナイザリングとコーンとの間に摺動抵抗が常時生じて、機械的損失が発生する。
また、モータジェネレータを用いて遊転ギヤとこれが回転連結する軸との回転を同期させる技術では、同期の際にモータジェネレータの回転トルクが駆動輪に伝達されないため、ドライバが減速感を覚え(トルク抜け)、車両のドライバビリティが低下してしまう。これに対して、駆動用のモータジェネレータとは別に、次の変速段の遊転ギヤとこれが回転連結される軸との回転を同期させるための専用のモータジェネレータを設けると、上記のようなドライバビリティの低下は回避できるが、モータジェネレータを追加した分、コストアップや重量増となってしまう。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、変速の際の機械的損失を回避すること、コストアップや重量増を回避すること、変速の際のトルク抜けを防止する車両用駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の車両用駆動装置は、回転トルクを出力するエンジンと、前記エンジンの回転トルクが伝達される駆動軸と、入力軸と、前記入力軸と平行に配設され駆動輪に回転連結された出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸の一方に遊転可能に設けられた複数の遊転ギヤと、前記入力軸及び前記出力軸の他方に相対回転不能に固定され、前記複数の遊転ギヤとそれぞれ噛合する複数の固定ギヤと、前記複数の遊転ギヤの側方に、前記遊転ギヤが設けられている軸に相対回転不能かつ前記軸の軸線方向に移動可能に設けられ、前記複数の遊転ギヤと相対回転不能に係合して前記遊転ギヤと前記軸を回転不能に回転連結する複数のドグクラッチと、前記複数のドグクラッチをそれぞれ前記軸線方向に移動させて、前記複数のドグクラッチをそれぞれ対応する遊転ギヤに相対回転不能に係合させるとともに、前記複数のドグクラッチをそれぞれ対応する遊転ギヤから相対回転可能に離脱させるシフトアクチュエータとを有するドグクラッチ式の自動変速装置と、前記駆動輪に回転連結され、前記駆動輪に回転トルクを出力するモータと、前記エンジン、前記シフトアクチュエータ、及び前記モータを制御する制御装置と、を備え、前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとは、前記ドグクラッチが前記遊転ギヤに向かって移動して前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとが係合する際に、先に少数の歯が噛み合い、その後に残りの歯が噛み合うことで前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとの相対回転不能な係合が完了する構造を有し、前記制御装置は、現在の変速段から次の変速段へのアップ変速の際に、前記エンジンの回転トルクを減少させて、当該エンジンの回転トルクの減少を補うように前記モータの回転トルクを増加させるとともに、前記ドグクラッチが現在の速度段の遊転ギヤから離脱するように前記シフトアクチュエータを作動させ、前記ドグクラッチと前記現在の速度段の遊転ギヤとが前記少数の歯のみで噛み合う半係合状態となったときに、前記モータの回転トルクを急減させる構成を有している。
この構成により、自動変速装置にシンクロメッシュ機構を用いていないため、シフトアクチュエータに高出力が要求されず、引き摺りによる動力損失がなく、それによる燃費の悪化や重量及びコストの増加を回避できる。また、アップ変速に際してエンジンの回転トルクが減少したときにモータがその減少分の回転トルクを補うので、専ら変速時の回転同期に用いるための別のモータを追加することなく変速時のトルク抜けを軽減ないし防止することができる。さらに、ドグクラッチと現在の速度段の遊転ギヤとが半係合状態となったときに回転トルクを急減させるので、ドグクラッチを遊転ギヤから容易に抜くことができ、アップ変速のためのドグクラッチと現在の変速段との間でトルクバランスの変動を利用して、ドグ抜きを簡単かつコストアップすることなく行うことができる。
上記の車両用駆動装置は、前記駆動軸と前記入力軸との間に設けられ、前記駆動軸と前記入力軸との間を断接するクラッチを備えていてよく、前記制御装置は、さらに前記クラッチを制御するとともに、前記クラッチを切断した状態で、前記モータの回転トルクを急減させてよい。
この構成により、クラッチが切断されているので、クラッチ切断によって、効率的に入力軸の回転数の急減を有効に実現できる。
上記の車両用駆動装置において、前記制御装置は、前記半係合状態となったときに、前記モータの回転トルクを変速後に要求される回転トルクにまで急減させてよい。
この構成により、次の速度段への移行をスムーズに行うことができる。
上記の車両用駆動装置において、前記制御装置は、前記モータの回転トルクを急減させた直後に、前記モータの回転トルクを急減前の回転トルクに戻してよい。
この構成により、例えば、ドグクラッチが次の変速段の遊転ギヤと係合する直前に、モータの回転トルクを変速後に要求される回転トルクにまで落とすことができる。
本発明の制御方法は、回転トルクを出力するエンジンと、前記エンジンの回転トルクが伝達される駆動軸と、入力軸と、前記入力軸と平行に配設され駆動輪に回転連結された出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸の一方に遊転可能に設けられた複数の遊転ギヤと、前記入力軸及び前記出力軸の他方に相対回転不能に固定され、前記複数の遊転ギヤとそれぞれ噛合する複数の固定ギヤと、前記複数の遊転ギヤの側方に、前記遊転ギヤが設けられている軸に相対回転不能かつ前記軸の軸線方向に移動可能に設けられ、前記複数の遊転ギヤと相対回転不能に係合して前記遊転ギヤと前記軸を回転不能に回転連結する複数のドグクラッチと、前記複数のドグクラッチをそれぞれ前記軸線方向に移動させて、前記複数のドグクラッチをそれぞれ対応する遊転ギヤに相対回転不能に係合させるとともに、前記複数のドグクラッチをそれぞれ対応する遊転ギヤから相対回転可能に離脱させるシフトアクチュエータとを有するドグクラッチ式の自動変速装置と、前記駆動輪に回転連結され、前記駆動輪に回転トルクを出力するモータと、を備え、前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとが、前記ドグクラッチが前記遊転ギヤに向かって移動して前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとが係合する際に、先に少数の歯が噛み合い、その後に残りの歯が噛み合うことで前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとの相対回転不能な係合が完了する構造を有する車両用駆動装置の制御方法であって、現在の変速段から次の変速段へのアップ変速の際に、前記エンジンの回転トルクを減少させて、当該エンジンの回転トルクの減少を補うように前記モータの回転トルクを増加させるとともに、前記ドグクラッチが現在の速度段の遊転ギヤから離脱するように前記シフトアクチュエータを作動させ、前記ドグクラッチと前記現在の速度段の遊転ギヤとが前記少数の歯のみで噛み合う半係合状態となったときに、前記モータの回転トルクを急減させる構成を有している。
この構成によっても、シンクロメッシュ機構を用いていないため、シフトアクチュエータに高出力が要求されず、引き摺りによる動力損失がなく、それによる燃費の悪化や重量及びコストの増加を回避できる。また、アップ変速に際してエンジンの回転トルクが減少したときにモータがその減少分の回転トルクを補うので、専ら変速時の回転同期に用いるための別のモータを追加することなく変速時のトルク抜けを軽減ないし防止することができる。さらに、ドグクラッチと現在の速度段の遊転ギヤとが半係合状態となったときに回転トルクを急減させるので、ドグクラッチを遊転ギヤから容易に抜くことができ、アップ変速のためのドグ抜きを効率的に行うことができる。
本発明によれば、シンクロメッシュ機構や専ら変速時の回転同期に用いるための別のモータを必要としないため、変速の際の機械的損失を回避し、コストアップや重量増を回避し、かつトルク抜けを軽減できる車両用駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の車両用駆動装置を含むハイブリッド車両の構成を示す図 本発明の実施の形態の第一ギヤ切換機構及び第一ドリブンギヤの構成を示す分解斜視図 本発明の実施の形態のドグクラッチの作動(ニュートラル状態)を説明する図 本発明の実施の形態のドグクラッチの作動(半係合状態)を説明する図 本発明の実施の形態のドグクラッチの作動(係合状態)を説明する図 本発明の実施の形態の変速処理のフローチャート 本発明の実施の形態の変速処理のタイムチャート
以下、本発明の実施の形態の車両用駆動装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
(車両用駆動装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態の車両用駆動装置を含むハイブリッド車両の構成を示す説明図である。ハイブリッド車両は、車両用駆動装置100と駆動輪Wl、Wrを備えており、エンジンEG及びモータジェネレータMGが出力する回転トルクによって、駆動輪Wl、Wrが駆動される。
車両用駆動装置100は、エンジンEG、モータジェネレータMG、クラッチC、トランスミッションTM、インバータINV、バッテリBT、及びそれらの制御装置として、エンジンECU12、トランスミッションECU13、モータジェネレータECU14、バッテリECU15を備えている。また、車両用駆動装置100は、各ECUを制御する制御装置として、ハイブリッドECU11を備えている。車両用駆動装置100は、さらに、クラッチアクチュエータ29、デファレンシャルDF、及び減速機80を備えている。なお、ハイブリッドECU11とトランスミッションECU13は、別体として説明するが、これに限定されるものではなく、ハイブリッドECU11とトランスミッションECU13とが一体であってもよい。
エンジンEGは、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を使用するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等であり、回転トルクを出力するものである。エンジンEGから出力された回転トルクは、駆動軸EG−1に伝達される。エンジンEGは、燃料噴射装置EG−2及びスロットバルブEG−3を備えている。燃料噴射装置EG−2及びスロットバルブEG−3は、エンジンECU12に通信可能に接続されて、エンジンECU12によって制御される。駆動軸EG−1の近傍には、駆動軸EG−1の回転速度、即ち、エンジンEGの回転速度を検出するエンジン回転速度センサEG−4が設けられている。エンジン回転速度センサEG−4は、エンジンECU12に通信可能に接続され、検出したエンジン回転速度をエンジンECU12に出力する。
クラッチCは、駆動軸EG−1とトランスミッションTMの入力軸31との間に設けられ、駆動軸EG−1と入力軸31を断接する。クラッチCは、駆動軸EG−1と入力軸31との間の伝達トルクを電子制御可能な任意のタイプのクラッチであってよい。本実施の形態では、クラッチCは、乾式単板ノーマルクローズクラッチである。クラッチCは、フライホイール21、クラッチディスク22、クラッチカバー23、プレッシャプレート24、ダイヤフラムスプリング25を備えている。フライホイール21は、駆動軸EG−1が接続された円板であり、駆動軸EG−1と一体回転する。クラッチディスク22は、その外縁部に摩擦部材22aが設けられた円板であり、フライホイール21と離接可能に対向している。クラッチディスク22は、入力軸31と接続しており、入力軸31と一体回転する。
クラッチカバー23は、クラッチディスク22の外周側に設けられてフライホイール21の外縁と接続する円筒部23aと、フライホイール21との接続部と反対側の円筒部23aの端部から径方向内側に延在する円環板状の側周壁23bとから構成されている。プレッシャプレート24は、フライホイール21との対抗面と反対側のクラッチディスク22に離接可能に対向して配設された円環板である。
ダイヤフラムスプリング25は、所謂皿バネの一種であり、その厚さ方向に傾斜するダイヤフラムが形成されている。ダイヤフラムスプリング25の径方向中間部分は、クラッチカバー23の側周壁23bの内縁に当接し、ダイヤフラムスプリング25の外縁は、プレッシャプレート24に当接している。ダイヤフラムスプリング25は、プレッシャプレート24を介して、クラッチディスク22をフライホイール21に押圧している。この状態ではクラッチディスク22の摩擦部材22aがフライホイール21及びプレッシャプレート24によって押圧され、摩擦部材22aとフライホイール21及びプレッシャプレート24との間の摩擦力により、クラッチディスク22とフライホイール21とが一体回転し、駆動軸EG−1と入力軸31が接続される。
クラッチアクチュエータ29は、トランスミッションECU13によって駆動制御され、ダイヤフラムスプリング25の内縁部をフライホイール21側に押圧し、又は当該押圧を解除し、クラッチCの伝達トルクを可変とするものである。クラッチアクチュエータ29は、電動式であっても油圧式であってもよい。クラッチアクチュエータ29がダイヤフラムスプリング25の内縁部をフライホイール21側に押圧すると、ダイヤフラムスプリング25の外縁がフライホイール21から離れる方向に変形する。ダイヤフラムスプリング25のこの変形によって、フライホイール21及びプレッシャプレート24がクラッチディスク22を押圧する押圧力が徐々に低下し、クラッチディスク22とフライホイール21との間の伝達トルクも徐々に低下し、駆動軸EG−1と入力軸31とが切断される。このように、トランスミッションECU13は、クラッチアクチュエータ29を駆動することにより、クラッチディスク22とフライホイール21との間の伝達トルクを可変させる。
トランスミッションTMは、エンジンEGからの回転トルクを複数の変速段の変速比で変速して、デファレンシャルDFに出力する歯車機構式の自動変速装置である。本実施の形態のトランスミッションTMは、シンクロナイザリング等のシンクロ機構を有さず、後述する第一〜第三ドグクラッチ61a〜63aを有するドグクラッチ式の自動変速装置である。トランスミッションTMは、入力軸31、出力軸32、第一ドライブギヤ41、第二ドライブギヤ42、第三ドライブギヤ43、第四ドライブギヤ44、第五ドライブギヤ45、リバースドライブギヤ46、第一ドリブンギヤ51、第二ドリブンギヤ52、第三ドリブンギヤ53、第四ドリブンギヤ54、第五ドリブンギヤ55、出力ギヤ56、第一ギヤ切換機構61、第二ギヤ切換機構62、第三ギヤ切換機構63、リバースドリブンギヤ71、リバースドライブギヤ72を備えている。
入力軸31は、エンジンEGからの回転トルクが入力される軸であり、クラッチCのクラッチディスク22と一体回転する。出力軸32は、入力軸31と平行に配設されている。入力軸31及び出力軸32は、それぞれ、トランスミッションTMの図示しないハウジングに回転可能に軸支されている。
第一ドライブギヤ41、第二ドライブギヤ42、リバースドライブギヤ46は、入力軸31に相対回転不能に固定された固定ギヤである。第三ドライブギヤ43、第四ドライブギヤ44、第五ドライブギヤ45は、入力軸31に相対回転可能(遊転可能)に設けられた遊転ギヤである。第一ドリブンギヤ51、第二ドリブンギヤ52は、出力軸32に相対回転可能(遊転可能)に取り付けられた遊転ギヤである。第三ドリブンギヤ53、第四ドリブンギヤ54、第五ドリブンギヤ55、出力ギヤ56は、出力軸32に相対回転不能に固定された固定ギヤである。
第一ドライブギヤ41と第一ドリブンギヤ51、第二ドライブギヤ42と第二ドリブンギヤ52、第三ドライブギヤ43と第三ドリブンギヤ53、第四ドライブギヤ44と第四ドリブンギヤ54、及び第五ドライブギヤ45と第五ドリブンギヤ55は、それぞれ互いに噛合して1速段、2速段、3速段、4速段、及び5速段を構成する。第一ドライブギヤ41、第二ドライブギヤ42、第三ドライブギヤ43、第四ドライブギヤ44、第五ドライブギヤ45は、この順にギヤ径が大きくなっている。第一ドリブンギヤ51、第二ドリブンギヤ52、第三ドリブンギヤ53、第四ドリブンギヤ54、第五ドリブンギヤ55は、この順にギヤ径が小さくなっている。
入力軸31の近傍には、入力軸31の回転速度を検出するための入力軸回転速度センサ91が設けられている。なお、入力軸回転センサ91は、第一ドライブギヤ41又は第二ドライブギヤ42の近傍に設けられて、入力軸31と一体回転する第一ドライブギヤ41又は第二ドライブギヤ42の回転速度を検出することで、入力軸31の回転速度を検出してもよい。
出力軸32の近傍には、出力軸32の回転速度を検出するための出力軸回転速度センサ92が設けられている。なお、出力軸回転センサ92は、第三ドリブンギヤ53、第四ドリブンギヤ54、又は第五ドリブンギヤ55の近傍に設けられて、出力軸32と一体回転する第三ドリブンギヤ53、第四ドリブンギヤ54、又は第五ドリブンギヤ55の回転速度を検出することで、出力軸32の回転速度を検出してもよい。
リバースドライブギヤ46は、リバースアイドラギヤ72と噛合したときに、リバースアイドラギヤ72を介してリバースドライブギヤ71を駆動するリバース用のギヤである。リバースドライブギヤ46は、リバースアイドラギヤ72と断接可能に噛合する。
出力軸32は、トランスミッションTMに入力された回転トルクをデファレンシャルDFに出力する軸である。出力ギヤ56は、デファレンシャルDFのリングギヤDF−1と噛合し、出力軸32に入力された回転トルクをデファレンシャルDFに出力する。
第一ギヤ切換機構61は、第一ドリブンギヤ51又は第二ドリブンギヤ52を選択して、出力軸32に相対回転不能に連結する機構である。第一ギヤ切換機構61は、第一ドグクラッチ61aと、第一ドグクラッチ61aを駆動する第一シフトアクチュエータ(不図示)を有している。第一ギヤ切換機構61は、第一ドリブンギヤ51及び第二ドリブンギヤ52の側方、即ち第一ドリブンギヤ51と第二ドリブンギヤ52との間に配設されている。第一ドグクラッチ61aは、出力軸32に対して相対回転不能、かつ、出力軸32の軸線方向に移動可能に設けられている。第一ドグクラッチ61aの内周面には、周方向に所定角度をおいて、複数の係合部(スプライン)が形成されている。この係合部は、第一ドリブンギヤ51及び第二ドリブンギヤ52の第一ドグクラッチ61aと対向する面にそれぞれ形成された被係合部と係脱する。
第一シフトアクチュエータは、トランスミッションECU13によって駆動制御され、第一ドグクラッチ61aを第一ドリブンギヤ51側又は第二ドリブンギヤ52側に移動させるとともに、第一ドリブンギヤ51と第二ドリブンギヤ52の中間の、第一ドリブンギヤ51と第二ドリブンギヤ52のいずれにも係合しない第一ニュートラル位置に移動させる。第一シフトアクチュエータが第一ドグクラッチ61aを第一ドリブンギヤ51側に移動させると、第一ドグクラッチ61aの係合部が第一ドリブンギヤ51の被係合部510と係合して、第一ドリブンギヤ51が第一ドグクラッチ61aを介して出力軸32に相対回転不能に連結され、1速段が形成される。第一シフトアクチュエータが、第一ドグクラッチ61aを第二ドリブンギヤ52側に移動させると、第一ドグクラッチ61aの係合部が第二ドリブンギヤ52の被係合部と係合して、第二ドリブンギヤ52が第一ドグクラッチ61aを介して出力軸32に相対回転不能に連結され、2速段が形成される。第一シフトアクチュエータが第一ドグクラッチ61aを第一ニュートラル位置に移動させると、第一ドリブンギヤ51及び第二ドリブンギヤ52のいずれもが、出力軸32に対して相対回転可能なニュートラル状態となる。
第二ギヤ切換機構62は、第三ドライブギヤ43又は第四ドライブギヤ44を選択して、入力軸31に相対回転不能に連結する機構である。第二ギヤ切換機構62は、第二ドグクラッチ62aと、第二ドグクラッチ62aを駆動する第二シフトアクチュエータ(不図示)を有している。第二ギヤ切換機構62は、第三ドライブギヤ43及び第四ドライブギヤ44の側方、即ち第三ドライブギヤ43と第四ドライブギヤ44との間に配設されている。第二ドグクラッチ62aは、入力軸31に対して相対回転不能、かつ、入力軸31の軸線方向に移動可能に設けられている。第二ドグクラッチ62aの内周面には、周方向に所定角度をおいて、複数の係合部(スプライン)が形成されている。この係合部は、第三ドライブギヤ43及び第四ドライブギヤ44の第二ドグクラッチ62aと対向する面にそれぞれ形成された被係合部と係脱する。
第二シフトアクチュエータは、トランスミッションECU13によって駆動制御され、第二ドグクラッチ62aを第三ドライブギヤ43側又は第四ドライブギヤ44側に移動させるとともに、第三ドライブギヤ43と第四ドライブギヤ44の中間の、第三ドライブギヤ43と第四ドライブギヤ44のいずれにも係合しない第二ニュートラル位置に移動させる。第二シフトアクチュエータが第二ドグクラッチ62aを第三ドライブギヤ43側に移動させると、第二ドグクラッチ62aの係合部が第三ドライブギヤ43の被係合部と係合して、第三ドライブギヤ43が第二ドグクラッチ62aを介して入力軸31に相対回転不能に連結され、3速段が形成される。第二シフトアクチュエータが第二ドグクラッチ62aを第四ドライブギヤ44側に移動させると、第二ドグクラッチ62aの係合部が、第四ドライブギヤ44の被係合部と係合し、第四ドライブギヤ44が第二ドグクラッチ62aを介して入力軸31に相対回転不能に連結され、4速段が形成される。第二シフトアクチュエータが第二ドグクラッチ62aを第二ニュートラル位置に移動させると、第三ドライブギヤ43及び第四ドライブギヤ44のいずれもが、入力軸31に対して相対回転可能なニュートラル状態となる。
第三ギヤ切換機構63は、第三ドグクラッチ63aと、第三ドグクラッチ63aを駆動する第三シフトアクチュエータ(不図示)を有している。第三ギヤ切換機構63は、第五ドライブギヤ45の側方に配設されている。第三ドグクラッチ63aは、入力軸31と相対回転不能、かつ、入力軸31の軸線方向に移動可能に設けられている。第三ドグクラッチ63aの内周面には、周方向に所定角度をおいて、複数の係合部(スプライン)が形成されている。当該係合部は、第五ドライブギヤ45の第三ドグクラッチ63aと対向する面に形成された被係合部と係脱する。
第三シフトアクチュエータは、トランスミッションECU13によって駆動制御され、第三ドグクラッチ63aを第五ドライブギヤ45側に移動させるとともに、第三ドグクラッチ63aを第五ドライブギヤ45から離し、第五ドライブギヤ45と係合しない第三ニュートラル位置に移動させる。第三シフトアクチュエータが、第三ドグクラッチ63aを第五ドライブギヤ45側に移動させると、第三ドグクラッチ63aの係合部が、第五ドライブギヤ45の被係合部と係合し、第五ドライブギヤ45が第三ドグクラッチ63aを介して、入力軸31に相回転不能に連結され、5速段が形成される。第三シフトアクチュエータが、第三ドグクラッチ63aを、第三ニュートラル位置に移動させると、第五ドライブギヤ45が、入力軸31に対して相対回転可能なニュートラル状態となる。
リバースアイドラギヤ72は、軸方向に移動可能、かつ、軸周りに回転可能に、ハウジングに軸支されている。リバースアイドラギヤ72は、車両後退時にはリバースドライブギヤ46及びリバースドリブンギヤ71の両方と噛合し、車両後退時以外の時にはリバースドライブギヤ46及びリバースドリブンギヤ71の両方と噛合しない。リバースアイドラギヤ72は、図示しないリバースアクチュエータによって軸方向に移動される。リバースアクチュエータは、トランスミッションECU13によって駆動制御される。
デファレンシャルDFは、トランスミッションTMの出力軸32及びモータジェネレータMGの少なくとも一方から入力された回転トルクを差動可能に駆動輪Wl、Wrに伝達する装置である。デファレンシャルDFは、出力ギヤ56及びドライブギヤ83と噛合するリングギヤDF−1を有する。このような構造により、出力軸32は、駆動輪Wl、Wrに回転連結されている。
減速機80は、モータジェネレータMGの回転速度を減速して、デファレンシャルDFに出力するものである。減速機80は、回転軸81、ドリブンギヤ82、ドライブギヤ83を有する。回転軸81には、ドリブンギヤ82、ドライブギヤ83が取り付けられている。回転軸81は、ハウジングに回転可能に軸支されている。ドリブンギヤ82は、モータジェネレータMGによって回転されるドライブギヤMG−1と噛合している。ドリブンギヤ82のギヤ径は、ドライブギヤ83のギヤ径より大きい。ドライブギヤ83は、デファレンシャルDFのリングギヤDF−1と噛合している。
モータジェネレータMGは、駆動輪Wl、Wrに回転トルクを付与するモータとして作動するとともに、車両の運動エネルギーを電力に変換する発電機としても作動するものである。モータジェネレータMGは、図示しないケースに固定されたステータ(不図示)と、このステータの内周側に回転可能に設けられたロータ(不図示)とから構成されている。
インバータINVは、モータジェネレータMGのステータ及びバッテリBTと電気的に接続されている。また、インバータINVは、モータジェネレータECU14と通信可能に接続されている。インバータINVは、モータジェネレータECU14からの制御信号に基づいて、バッテリBTから供給される直流電流を昇圧するとともに、昇圧した直流電流を交流電流に変換したうえでステータに供給し、モータジェネレータMGで回転トルク発生させ、モータジェネレータMGをモータとして機能させる。また、インバータINVは、モータジェネレータECU14からの制御信号に基づいて、モータジェネレータMGを発電機として機能させ、モータジェネレータMGで発電された交流電流を、直流電流に変換するとともに、電圧を降下させて、バッテリBTを充電する。
バッテリBTは、充電可能な二次電池である。バッテリBTは、インバータINVと接続されている。バッテリBTは、バッテリECU15と通信可能に接続されている。
エンジンECU12は、エンジンEGを制御する電子制御装置である。トランスミッションECU13は、トランスミッションTMを制御する電子制御装置である。トランスミッションECU13は、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAM、ROM及び不揮発性メモリー等の記憶部を備えている。CPUは、図4に示すフローチャートに対応したプログラムを実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、記憶部はこのプログラムを記憶している。
モータジェネレータECU14は、インバータINVを制御する電子制御装置である。バッテリECU15は、バッテリBTの充放電状態、温度状態等のバッテリBTの状態を管理する電子制御装置である。ハイブリッドECU11は、車両の走行を統括制御する上位電子制御装置である。ハイブリッドECU11、エンジンECU12、トランスミッションECU13、モータジェネレータECU14、バッテリECU15は、CAN(Controller Area Network)によって相互に通信可能となっている。
(ドグクラッチの構成)
図2は、第一ギヤ切換機構61及び第一ドリブンギヤ51の構成を示す分解斜視図である。第一ギヤ切換機構61と第二ドリブンギヤ52の構成、第二ギヤ切換機構62と第三ドライブギヤ43の構成、第二ギヤ切換機構62と第四ドライブギヤ44の構成、及び第三ギヤ切換機構63と第五ドライブギヤ45の構成は、いずれも図2に示す第一ギヤ切換機構61と第一ドリブンギヤ51の構成と同様であるので、以下では、代表して第一ギヤ切換機構61と第一ドリブンギヤ51の構成のみを説明し、他の組み合わせの構成の説明は省略する。
第一ギヤ切換機構61は、第一ドグクラッチ61aと第一クラッチハブ61bを備えている。第一クラッチハブ61bは、第一ドリブンギヤ51と第二ドリブンギヤ52との間にこれらと隣接してスプライン嵌合等で出力軸32に固定されている。第一ドリブンギヤ51の第一クラッチハブ61b側の側面には、第一ドグクラッチ61aに形成されているスプライン610に係合する被係合部510が形成されている。同様に、第二ドリブンギヤ52の第一クラッチハブ61b側の側面には、第一ドグクラッチ61aのスプライン610に係合する第二被係合部(不図示)が形成されている。
被係合部510には、リング状の凸部521と、凸部521の外周において180度隔てて配置された2枚の前歯531と、凸部521の外周において2枚の前歯531の間に5枚ずつ等角度間隔で配置された後歯541とが形成されている。前歯531および後歯541は、凸部521の外周に一定幅の歯溝551を空けて形成されている。
凸部521は、外径が第一ドグクラッチ61aに形成されているスプライン610の高歯611の内径より小さくなるように形成されている。前歯531は、外径がスプライン610の高歯611の内径より大きく、スプライン610の低歯621の内径より小さくなるように形成されている。後歯541は、スプライン610のスプライン歯溝631と噛合可能に形成されている。すなわち、前歯531は、低歯621とは噛み合わず、高歯611と噛み合い可能に形成されている。後歯541は、高歯611および低歯621と噛み合い可能に形成されている。
前歯531は、高歯611と同数枚(本例では、2枚)形成されている。第一ドグクラッチ61aの回転速度と第一ドリブンギヤ51の回転速度に大きな差が生じていても、2枚の高歯611が2枚の前歯531間に容易に入り込めるように、前歯531は少歯とされている。そして、前歯531は、高歯611と対応する位置で凸部521の前端面522から第二被係合部510の後端位置まで延在して形成されている。後歯541は、凸部521の前端面522から第一所定量だけ後退した位置から被係合部510の後端位置まで延在して形成されている。
前歯531の高歯611と対向する前端部には、高歯611と当接可能な接触面534が形成され、さらに当該接触面534の円周方向両側から被係合部510の後端位置側に向かって傾斜する傾斜面532が形成されている。前歯531の接触面534は、凸部521の前端面522と面一もしくは平行な平面状に形成されている。
後歯541には、高歯611および低歯621と当接可能な接触面542、並びに接触面542の円周方向両側から両側面543まで延びる側方傾斜面544が形成されている。前歯531の傾斜面532は、それが前歯531の側面533と交差する位置が、後歯541の接触面542より凸部521の前端面522側となるように形成されている。なお、前歯531の前端部の接触面534と両傾斜面532の交差部は、一般的な丸み面取り(R形状)に形成されている。
第一クラッチハブ61bの外周面には、第一ドグクラッチ61aの内周面に形成されているスプライン610に出力軸32の軸線方向に摺動可能に係合するスプライン640が形成されている。スプライン640は、複数(例えば2つ)の溝641が残りの溝より深く形成されている。複数の溝641は、第一ドグクラッチ61aの複数の高歯611に対応するものである。
第一ドグクラッチ61aは、第一クラッチハブ61bと一体回転するとともに第一クラッチハブ61bに対して軸線方向に摺動可能であり、リング状に形成されたものである。第一ドグクラッチ61aの内周面には、係合部として、第一クラッチハブ61bの外周面に形成されているスプライン640に軸線方向に摺動可能に係合するスプライン610が形成されている。
スプライン610は、複数(例えば2つ)の高歯611が残りの低歯621より歯丈が高く形成されている。高歯611および低歯621における第一ドリブンギヤ51側の前端面の両端角部は、前歯531や後歯541と当接したときに衝撃で破損しないように、一般的な45度面取り(c形状)に形成されている。また、第一ドグクラッチ61aの外周面には、周方向に沿って外周溝614が形成されている。外周溝614には、第一アクチュエータによって出力軸32の軸線方向に駆動されるフォークの先端円弧部が周方向に沿って摺動可能に係合する。第一アクチュエータは、フォークを出力軸32の軸線方向に駆動することで、第一ドグクラッチ61aを出力軸32の軸線方向に移動させる。
(ドグクラッチの作動)
次に、第一ギヤ切換機構61における第一ドグクラッチ61aの高歯611および低歯621、並びに第一ドリブンギヤ51の前歯531および後歯541の作動について、図3A〜Cを参照して説明する。
図3Aに示すように、ニュートラル状態では、第一ドグクラッチ61aは、第一ドリブンギヤ51から離間している。そして、第一アクチュエータが、第一ドグクラッチ61aを軸線方向に沿って第一ドリブンギヤ51側に移動させると、図3Bに示すように、高歯611の前端面612及び低歯621の前端面622が、前歯531の前端面534よりも第一ドリブンギヤ51側に入り込む。あるいは、高歯611の前端面612が、前歯531の接触面534と接触して、第一ドグクラッチ61aと第一ドリブンギヤ51との回転速度差による相対回転によって、高歯611の前端面612が、前歯531の接触面534を摺動して、図3Bの状態となる。
この図3Bの状態では、高歯611の前端面612及び低歯621の前端面622は、まだ後歯541の前端面542には接触していない。この状態で第一ドグクラッチ61aと第一ドリブンギヤ51との間に回転速度差があると、第一ドグクラッチ61aと第一ドリブンギヤ51とが相対的に回転し、第一ドグクラッチ61aの高歯611の側面と、第一ドリブンギヤ51の前歯531の側面533とが当接して、相対的な回転がなくなり、第一ドグクラッチ61aの回転と第一ドリブンギヤ51の回転とが完全に同期する。このように、第一ドグクラッチ61aの高歯611と第一ドリブンギヤ51の前歯531のみが係合し、第一ドグクラッチ61aの低歯621と第一ドリブンギヤ51の後歯541とが係合していない状態を半係合状態という。
第一ドグクラッチ61aが、さらに軸線方向に沿って移動されると、図3Cに示すように、第一ドグクラッチ61aの高歯611が第一ドリブンギヤ51の前歯531とその隣の後歯541との間の歯溝551に嵌り込み、かつ、第一ドグクラッチ61aの低歯621も対応する歯溝551に嵌り込むことで、第一ドグクラッチ61aと第一ドリブンギヤ51とが完全に噛み合う。この状態を係合状態という。
第一ドグクラッチ61aと第一ドリブンギヤ51との係合を解除するためには、第一アクチュエータを用いて第一ドグクラッチ61aを第一ドリブンギヤ51から遠ざける方向に移動させる。これにより、第1ドグクラッチ61aは、図3Cに示す係合状態から図3Bに示す半係合状態を経て、図3Aに示すように第一ドリブンギヤ51から離間して、第一ギヤ切換機構61はニュートラル状態となる。
(変速処理)
次に、図4のフローチャート、及び図5のタイムチャートを用いて、トランスミッションECU13が実行するアップ変速処理について説明する。なお、ダウン変速処理については説明を省略する。また、以下では、1速段から2速段へのアップ変速処理について説明する。
トランスミッションECU13は、ハイブリッドECU11から変速要求を受けると、その変速要求にて要求されている変速段(要求変速段)が現在の変速段(実変速段)より大きいか否か、即ちアップ変速が要求されたか否かを判断する(ステップS41)。トランスミッションECU13は、アップ変速の要求がされるまでステップS41を繰り返す(ステップS41にてNO)。なお、ハイブリッドECU11は、スロットル開度と車両の速度からなる車両の走行状態が、スロットル開度と速度との関係を表した変速線を越えたと判断した場合に、或いは、運転者が図示しないシフトレバーを操作した場合に、変速要求をトランスミッションECU13に出力する。
トランスミッションECU13がアップ変速の要求を受信すると(ステップS41にてYES、時刻T1)、制御権限を有するトランスミッションECU13は、クラッチCの係合を解除するクラッチ断処理を行う(ステップS42)。
クラッチ断処理(ステップS42)において、トランスミッションECU13は、要求クラッチトルクを実クラッチトルクから第一レートで減衰させていき、要求エンジントルクを実エンジントルクから第二レートで減衰させていく。これとともに、トランスミッションECU13は、要求モータジェネレータトルクを実速度段相当のドライバ要求トルクから実エンジントルクを引いた値に制御し、即ち、要求モータジェネレータトルクと減衰していく実エンジントルクとの合計が実速度段相当のドライバ要求トルクを維持するように、要求モータジェネレータトルクを上昇させていく。
トランスミッションECU13は、上記のクラッチ断処理(ステップS42)を行いながら、実エンジントルクが第一エンジントルク閾値を下回ったか否かを判断する(ステップS43)。トランスミッションECU13は、実エンジントルクが第一エンジントルク閾値を下回っていない場合には(ステップS43にてNO)、クラッチ断処理(ステップS42)を継続し、実エンジントルクが第一エンジントルク閾値を下回ると(ステップS43にてYES、時刻T2)、第一ドグ抜き処理を行う(ステップS44)。
第一ドグ抜き処理(ステップS44)において、トランスミッションECU13は、要求クラッチトルク及び要求エンジントルクを引き続き減衰させていく。ただし、このとき、トランスミッションECU13は、要求クラッチトルクを第三レート(<第一レート)で減衰させていき、要求エンジントルクを第四レート(<第二レート)で減衰させていく。また、トランスミッションECU13は、引き続き、要求モータジェネレータトルクと減衰していく実エンジントルクとの合計が実速度段相当のドライバ要求トルクを維持するように要求モータジェネレータトルクを上昇させていく。
そして、トランスミッションECU13は、第一ドリブンギヤ51から第一ドグクラッチ61aを離脱させるドグ抜きを開始するために、第一アクチュエータに通電を開始する。このとき、トランスミッションECU13は、第一アクチュエータに要求するアクチュエータ電流を第一電流値とする。この第一アクチュエータへの通電を開始することで、第一ドグクラッチ61aは第一ドリブンギヤ51から離脱する方向に徐々に移動し始める。
トランスミッションECU13は、上記の第一ドグ抜き処理(ステップS44)を行いながら、実クラッチトルクが第一クラッチトルク閾値を下回ったか否かを判断する(ステップS45)。トランスミッションECU13は、実クラッチトルクが第一クラッチトルク閾値を下回っていない場合には(ステップS45にてNO)、第一ドグ抜き処理(ステップS44)を継続し、実クラッチトルクが第一クラッチトルク閾値を下回ると(ステップS45にてYES、時刻T3)、第二ドグ抜き処理を行う(ステップS46)。
第二ドグ抜き処理(ステップS46)において、トランスミッションECU13は、クラッチCを完全に切断して、要求クラッチトルクを第二クラッチトルク閾値(=0)とし、エンジンEGの燃料を完全に断って、要求エンジントルクを第二エンジントルク閾値(=0)とし、要求モータジェネレータトルクを実速度段相当のドライバ要求トルクとする。
そして、トランスミッションECU13は、第一ドグ抜き処理(ステップS44)でドグ抜きを短時間に行うために十分に高いアクチュエータ電流をかけたことによる第一ドグクラッチ61aの過移動を防止してニュートラル位置に移動させるために、位置フィードバック制御を行うことにより、第一ドグクラッチ61aが第一ドリブンギヤ51から完全に抜ける前のこのタイミングで、第一ドグクラッチ61aを抜く方向のアクチュエータ電流を弱める。
トランスミッションECU13は、上記の第二ドグ抜き処理(ステップS46)を行いながら、ドグクラッチストロークが、第一ストローク閾値を下回ったか否かを判断する(ステップS47)。第一ストローク閾値は、ドグクラッチ61aが半係合状態となる位置(半係合位置)である。トランスミッションECU13は、ドグクラッチストロークが半係合位置になっていない場合には(ステップS47にてNO)、第二ドグ抜き処理(ステップS46)を継続し、ドグクラッチストロークが半係合位置になると(ステップS47にてYES、時刻T4)、第三ドグ抜き処理を行う(ステップS48)。
第三ドグ抜き処理(ステップS48)において、トランスミッションECU13は、引き続きクラッチCを完全に切って、エンジンEGの燃料をカットしたまま、全出力トルクを担っている要求モータジェネレータトルクを急激に要求速度段(本例の場合は、2速段)相当のドライバ要求トルクに落とす。なお、トランスミッションECU13は、アクチュエータ電流については、引き続き位置フィードバック制御によって求める。
このように、実変速段のドグ抜き処理において、第一ドグクラッチ61aが半係合位置になったタイミング(T4)で要求モータジェネレータトルクを急落させるので、ドグ抜きがスムーズに行われ、その結果、入力軸31の回転数を急速に落として、同期をとることができる。即ち、ドグ抜きに対して負荷を与えているのは、第一ドグクラッチ61aのスプライン610と第一ドリブンギヤ51の被係合部510との間の摩擦力であるが、モータジェネレータMGの回転数の急落によって、第一ドグクラッチ61aのスプライン610と第一ドリブンギヤ51の被係合部510とが押し合う力が急激に小さくなり、それらの間の摩擦力が急激に小さくなるので、ドグ抜きが容易に行われる。しかも、第一ドグクラッチ61aの低歯621が被係合部510の歯溝551に嵌合していると、第一ドグクラッチ61aと第一ドリブンギヤ51との周方向のずれが制限されるが、第三ドグ抜き処理(ステップS48)では、第一ドグクラッチ61aのスプライン610が半係合位置にある状態、即ち、スプライン610の高歯611及び被係合部510の前歯531のみが噛み合った半係合状態で、高歯611と前歯531とが押し合う力を急減させるので、高歯611と前歯531は周方向に離れることができ、容易に摩擦力を急減させることができる。
ドグ抜きによって、入力軸31の回転数が急減速する。即ち、モータジェネレータMGによる上記のような変速感の演出によって、ドライバにはあたかも素早く変速が完了したような感覚を与えることができる。また、このモータジェネレータMGのトルク変動の急落による機敏な変速感の演出によって、ユーザはあたかも一瞬で変速したような感覚を覚えることになる。
なお、この第三ドグ抜き処理(ステップS48)のタイミング(T4)では、第一アクチュエータは第一ドグクラッチ61aに対して、第一ドリブンギヤ51に向かう方向へのアクチュエータ電流をかけることになる。これによって、第一ドグクラッチ61aが完全に第一ドリブンギヤ51から抜けた後にその勢いでニュートラル位置を大きく超えて反対側の第二ドリブンギヤ52に衝突すること回避できる。
トランスミッションECU13は、上記のような第三ドグ抜き処理(ステップS48)を行って実入力軸回転数が第一回転数閾値を下回ったか否かを判断する(ステップS49)。トランスミッションECU13は、実入力軸回転数が第一回転数閾値を下回っていない場合には(ステップS49にてNO)、第三ドグ抜き処理(ステップS48)を継続し、実入力軸回転数が第一回転数閾値を下回ると(ステップS49にてYES、時刻T5)、第四ドグ抜き処理を行う(ステップS50)。
この第四ドグ抜き処理(ステップS50)において、トランスミッションECU13は、引き続きクラッチCを完全に切って、エンジンEGの燃料をカットしたままとし、要求モータジェネレータトルクを要求速度段(本例の場合は、2速段)相当のドライバ要求トルクで維持する。このとき、トランスミッションECU13は、第一アクチュエータに要求するアクチュエータ電流をゼロとする。これによって、第一ドグクラッチ61aは完全に第一ドリブンギヤ51から離脱してニュートラル位置に移動し、エンジンEGの回転数は引き続き減少していく。
トランスミッションECU13は、上記のような第四ドグ抜き処理(ステップS50)を行って、実入力軸回転数が第二回転数閾値を下回ったか否かを判断する(ステップS51)。この第二回転数閾値は、第一ギヤ切換機構61にて2速段にシフトしたときの入力軸の回転数+αに相当する。このように実入力軸回転数を第二回転数閾値まで減少させることで、第一ギヤ切換機構61において、入力軸31によって回転させられる第二ドリブンギヤ52の回転数を、入力軸31によって回転させられるドグクラッチ61aの回転数と同期させることができる。トランスミッションECU13は、実入力回転数が第二回転数閾値を下回っていない場合には(ステップS51にてNO)、第四ドグ抜き処理(ステップS50)を継続し、実入力回転数が第二回転数閾値を下回ると(ステップS51にてYES、時刻T6)、ドグ入れ処理を行う(ステップS52)。
ドグ入れ処理(ステップS52)において、トランスミッションECU13は、引き続きクラッチCを完全に切って、エンジンEGの燃料をカットし、要求モータジェネレータトルクを要求速度段(本例の場合は、2速段)相当のドライバ要求トルクに維持する。
トランスミッションECU13は、上記のドグ入れ処理(ステップS52)を行いながら、ドグクラッチストロークが係合位置に達したか否かを判断する(ステップS53)。この係合位置は、ドグクラッチ61aが要求速度段である2速段の第二ドリブンギヤ52の被係合部に係合する位置である。トランスミッションECU13は、ドグクラッチストロークが係合位置に達していない場合には(ステップS53にてNO)、ドグ入れ処理を継続し、ドグクラッチストロークが係合位置に達すると(ステップS53にてYES、時刻T7)、クラッチ接続前処理を行う(ステップS54)。
このクラッチ接続前処理(ステップS54)において、トランスミッションECU13は、アクチュエータ電流をゼロにして、引き続きクラッチCを完全に切ったまま、エンジンの回転数を制御(一例としては、フィードバック制御)することで、要求エンジントルクを上昇させていく。これとともに、トランスミッションECU13は、要求モータジェネレータトルクを要求速度段相当のドライバ要求トルクから実エンジントルクを引いた値に制御し、即ち、要求モータジェネレータトルクと上昇していく実エンジントルクとの合計が要求速度段相当のドライバ要求トルクを維持するように、要求モータジェネレータトルクを減少させていく。
トランスミッションECU113は、上記のクラッチ接続前処理(ステップS54)を行いながら、エンジンEGの回転数がトランスミッションTMの入力軸31の回転数と一致したかを判断する(ステップS55)。トランスミッションECU13は、エンジンEGの回転数がトランスミッションTMの入力軸31の回転数と一致していない場合には(ステップS55にてNO)、クラッチ接続前処理(ステップS54)を継続し、エンジンEGの回転数がトランスミッションTMの入力軸31の回転数と一致すると(ステップS55にてYES、時刻T8)、クラッチ接続処理を行う(ステップS56)。
クラッチ接続処理(ステップS56)において、トランスミッションECU13は、クラッチトルクを上昇させるとともに、それによって実エンジントルクが上昇するのに従って要求モータジェネレータトルクを減少させる。トランスミッションECU13は、このときも、実エンジントルクと要求モータジェネレータトルクとの合計が、要求速度段相当のドライバ要求トルクを維持するように、要求モータジェネレータトルクを減少させていく。そして、実エンジントルクが要求速度段相当のドライバ要求トルクに達すると、クラッチトルクを最大にして(クラッチCを完全に接続して)、クラッチ接続処理を終了する。
以上のように、本実施の形態の車両用駆動装置100によれば、アップ変速においてクラッチ断後に要求速度段相当に入力軸の回転数を同期させる際に、ドグ抜きが完了する直前に、出力軸のトルクを急減させると同時にドグ抜きを完了させるので、入力軸回転数を急激に低下させることができ、アップ変速に要する時間を短縮できる。
なお、上記の実施の形態では、ドグクラッチストロークが半係合位置になったタイミングで全出力トルクを担っている要求モータジェネレータトルクを急減させて、その後クラッチトルクが上昇して実エンジントルクが上昇してくるまで、その急減させた値を維持したが、本発明はこのような制御に限られない。トランスミッションECU13は、ドグクラッチストロークが半係合位置になったタイミングで要求モータジェネレータトルクを急減させた後に、直ちに元の実速度段相当のドライバ要求トルクに戻るように要求モータジェネレータトルクを再び急増させて、その後のドグクラッチが次の速度段のギヤに係合するまでの任意のタイミングで要求モータジェネレータトルクを落とすことによる回転同期を行ってよい。
また、上記の実施の形態では、図1に示す構造のギヤトレインを有する車両用駆動装置を説明したが、本発明の車両用駆動装置のギヤトレインはこれに限られず、エンジンのトルクとモータジェネレータのトルクとをいずれも駆動輪に出力できるギヤトレインであればよい。すなわち、図1に示すギヤトレインでは、デファレンシャルDFのリングギヤDF−1において、モータジェネレータMGのトルクとエンジンEGのトルクが別のトルク伝達経路を経て融合する構成としたが、入力軸、出力軸、あるいはそれらと回転連結される他の軸において、モータジェネレータMGのトルクとエンジンEGのトルクが融合する構成としてよく、さらに、モータジェネレータMGのトルク伝達経路を可変とする構成であってよい。
さらに、上記の実施の形態では、図2に示す構造のギヤ切換機構を有する車両用駆動装置を説明したが、本発明の車両用駆動装置に採用されるギヤ切換機構はこれに限られず、軸方向に移動可能な固定ギヤが軸周りに遊転する遊転ギヤに向かって移動して両者が噛合する際に、先に少数の歯が噛み合い、その後に残りの歯が見合うことで両ギヤの噛合が完了する構造を有するギヤ切換機構であればよい。
また、上記の実施の形態では、変速時のトルク抜けを防止するために、エンジンのトルクの減少分を補うためのモータとして、発電機能を有するモータジェネレータを用いたが、本発明の車両用駆動装置はこれに限らず、発電機能を有しないモータを用いてもよい。
本発明は、シンクロメッシュ機構や専ら変速時の回転同期に用いるための別のモータを必要としないため、変速の際の機械的損失を低減するとともに、コストアップや重量増を回避できるという効果を有し、アクチュエータを用いてシフト操作を行うことで自動変速を行う自動変速装置を備えた車両用駆動装置等として有用である。
100…車両用駆動装置
13…トランスミッションECU
EG…エンジン、EG−1…駆動軸
C…クラッチ、29…クラッチアクチュエータ
TM…トランスミッション、31…入力軸、32…出力軸
41…第一ドライブギヤ(固定ギヤ)、42…第二ドライブギヤ(固定ギヤ)、43…第三ドライブギヤ(遊転ギヤ)、44…第四ドライブギヤ(遊転ギヤ)、45…第五ドライブギヤ(遊転ギヤ)
51…第一ドリブンギヤ(遊転ギヤ)、52…第二ドリブンギヤ(遊転ギヤ)、53…第三ドリブンギヤ(固定ギヤ)、54…第四ドリブンギヤ(固定ギヤ)、55…第五ドリブンギヤ(固定ギヤ)
510…被係合部、531…前歯、541…後歯
61a…第一ドグクラッチ、62a…第二ドグクラッチ、63a…第三ドグクラッチ
610…スプライン(係合部)、611…高歯、621…低歯
MG…モータジェネレータ
DF デファレンシャル
Wl、Wr…駆動輪

Claims (5)

  1. 回転トルクを出力するエンジンと、
    前記エンジンの回転トルクが伝達される駆動軸と、
    入力軸と、前記入力軸と平行に配設され駆動輪に回転連結された出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸の一方に遊転可能に設けられた複数の遊転ギヤと、前記入力軸及び前記出力軸の他方に相対回転不能に固定され、前記複数の遊転ギヤとそれぞれ噛合する複数の固定ギヤと、前記複数の遊転ギヤの側方に、前記遊転ギヤが設けられている軸に相対回転不能かつ前記軸の軸線方向に移動可能に設けられ、前記複数の遊転ギヤと相対回転不能に係合して前記遊転ギヤと前記軸を回転不能に回転連結する複数のドグクラッチと、前記複数のドグクラッチをそれぞれ前記軸線方向に移動させて、前記複数のドグクラッチをそれぞれ対応する遊転ギヤに相対回転不能に係合させるとともに、前記複数のドグクラッチをそれぞれ対応する遊転ギヤから相対回転可能に離脱させるシフトアクチュエータとを有するドグクラッチ式の自動変速装置と、
    前記駆動輪に回転連結され、前記駆動輪に回転トルクを出力するモータと、
    前記エンジン、前記シフトアクチュエータ、及び前記モータを制御する制御装置と、を備え、
    前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとは、前記ドグクラッチが前記遊転ギヤに向かって移動して前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとが係合する際に、先に少数の歯が噛み合い、その後に残りの歯が噛み合うことで前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとの相対回転不能な係合が完了する構造を有し、
    前記制御装置は、現在の変速段から次の変速段へのアップ変速の際に、前記エンジンの回転トルクを減少させて、当該エンジンの回転トルクの減少を補うように前記モータの回転トルクを増加させるとともに、前記ドグクラッチが現在の速度段の遊転ギヤから離脱するように前記シフトアクチュエータを作動させ、前記ドグクラッチと前記現在の速度段の遊転ギヤとが前記少数の歯のみで噛み合う半係合状態となったときに、前記モータの回転トルクを急減させる車両用駆動装置。
  2. 前記駆動軸と前記入力軸との間に設けられ、前記駆動軸と前記入力軸との間を断接するクラッチを備え、
    前記制御装置は、さらに前記クラッチを制御するとともに、前記クラッチを切断した状態で、前記モータの回転トルクを急減させる請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記制御装置は、前記半係合状態となったときに、前記モータの回転トルクを変速後に要求される回転トルクにまで急減させる請求項2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記制御装置は、前記モータの回転トルクを急減させた直後に、前記モータの回転トルクを急減前の回転トルクに戻す請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  5. 回転トルクを出力するエンジンと、
    前記エンジンの回転トルクが伝達される駆動軸と、
    入力軸と、前記入力軸と平行に配設され駆動輪に回転連結された出力軸と、前記入力軸及び前記出力軸の一方に遊転可能に設けられた複数の遊転ギヤと、前記入力軸及び前記出力軸の他方に相対回転不能に固定され、前記複数の遊転ギヤとそれぞれ噛合する複数の固定ギヤと、前記複数の遊転ギヤの側方に、前記遊転ギヤが設けられている軸に相対回転不能かつ前記軸の軸線方向に移動可能に設けられ、前記複数の遊転ギヤと相対回転不能に係合して前記遊転ギヤと前記軸を回転不能に回転連結する複数のドグクラッチと、前記複数のドグクラッチをそれぞれ前記軸線方向に移動させて、前記複数のドグクラッチをそれぞれ対応する遊転ギヤに相対回転不能に係合させるとともに、前記複数のドグクラッチをそれぞれ対応する遊転ギヤから相対回転可能に離脱させるシフトアクチュエータとを有するドグクラッチ式の自動変速装置と、
    前記駆動輪に回転連結され、前記駆動輪に回転トルクを出力するモータと、を備え、
    前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとが、前記ドグクラッチが前記遊転ギヤに向かって移動して前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとが係合する際に、先に少数の歯が噛み合い、その後に残りの歯が噛み合うことで前記ドグクラッチと前記遊転ギヤとの相対回転不能な係合が完了する構造を有する車両用駆動装置の制御方法であって、
    現在の変速段から次の変速段へのアップ変速の際に、前記エンジンの回転トルクを減少させて、当該エンジンの回転トルクの減少を補うように前記モータの回転トルクを増加させるとともに、前記ドグクラッチが現在の速度段の遊転ギヤから離脱するように前記シフトアクチュエータを作動させ、前記ドグクラッチと前記現在の速度段の遊転ギヤとが前記少数の歯のみで噛み合う半係合状態となったときに、前記モータの回転トルクを急減させる制御方法。
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