JP2015141972A - Euvマスクおよびeuvマスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明はシャドーイングの問題を解決したEUVマスクを提供することを課題とする。【解決手段】回路パターンに対応したパターンを有するパターン領域4とその周囲に形成された遮光枠領域5とからなるEUVマスクであって、前記パターン領域は、前記パターンに対応させて多層反射層2の反射率を低下させた反射率低減領域10とその逆パターンである多層反射層の領域からなり、前記反射率低減領域と前記多層反射層の高さが同一であることを特徴とするEUVマスク。【選択図】図1
Description
本発明はEUVマスクブランクス、EUVマスクおよびEUVマスクの製造方法に関し、特に極端紫外線(Extreme Ultra Violet;以下「EUV」と表記する。)を光源とするEUVリソグラフィを用いた半導体製造装置などに利用されるEUVマスクブランクス、EUVマスクおよびEUVマスクの製造方法に関する。
(EUVリソグラフィの説明)
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、波長が13.5nm近傍のEUV光を光源に用いたEUVリソグラフィが提案されている。EUVリソグラフィは光源波長が短く、光吸収性が非常に高いため、真空中で行われる必要がある。またEUV光の波長領域においては、殆どの物質の屈折率は1よりも僅かに小さい値である。このため、EUVリソグラフィにおいては従来から用いられてきた透過型の屈折光学系を使用することができず、反射光学系となる。従って、原版となるフォトマスク(以下、マスクと呼ぶ。)も、従来の透過型のマスクは使用できないため、反射型のマスクとする必要がある。
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、波長が13.5nm近傍のEUV光を光源に用いたEUVリソグラフィが提案されている。EUVリソグラフィは光源波長が短く、光吸収性が非常に高いため、真空中で行われる必要がある。またEUV光の波長領域においては、殆どの物質の屈折率は1よりも僅かに小さい値である。このため、EUVリソグラフィにおいては従来から用いられてきた透過型の屈折光学系を使用することができず、反射光学系となる。従って、原版となるフォトマスク(以下、マスクと呼ぶ。)も、従来の透過型のマスクは使用できないため、反射型のマスクとする必要がある。
(EUVマスクとブランク構造の説明)
このようなEUVリソグラフィ用の反射型マスク(以後、EUVマスクと呼ぶ。)の元となる反射型マスクブランクス(以後、EUVマスクブランクスと呼ぶ。)は、低熱膨張基板の上に、露光光源波長に対して高い反射率を示す多層反射層と、露光光源波長の吸収層とが順次形成されており、更に基板の裏面には露光機内における静電チャックのための裏面導電膜が形成されているのが通常である。
このようなEUVリソグラフィ用の反射型マスク(以後、EUVマスクと呼ぶ。)の元となる反射型マスクブランクス(以後、EUVマスクブランクスと呼ぶ。)は、低熱膨張基板の上に、露光光源波長に対して高い反射率を示す多層反射層と、露光光源波長の吸収層とが順次形成されており、更に基板の裏面には露光機内における静電チャックのための裏面導電膜が形成されているのが通常である。
図2は、従来のEUVマスクの一例を示す概略断面図であり、(a)は裏面に導電膜を形成していないEUVマスク、(b)は裏面に導電膜を形成したEUVマスクである。図2(a)は、基板1の表面に多層反射層2が形成されており、更にその表面にパターン化された吸収層6が形成されている。パターン領域7とその周囲には遮光枠領域8が形成されている。この例は、遮光枠領域8が吸収層6と多層反射層2を除去して基板1の表面まで掘り込んだ彫り込み型のEUVマスクを示している。
図2(a)、(b)の吸収層6は、13.5nm近傍のEUV光に対して吸収率の高いタンタルの窒素化合物で構成されている。他の材料としては、タンタルホウ素窒化物、タンタルシリコン、タンタルや、それらの酸化物(TaBON、TaSiO、TaO)でも良い。
吸収層6は、その表面に波長190〜260nmの紫外光に対して反射防止機能を有する低反射層を設けた構成からなる吸収層であっても良い。低反射層は、マスクの欠陥検査機の検査波長に対して、コントラストを高くし、検査性を向上させるためのものである。
また、多層反射層2と吸収層6の間に緩衝層を有する構造を持つEUVマスクもある。EUVマスクブランクスからEUVマスクへ加工する際には、EBリソグラフィとエッチング技術とにより、吸収層6を部分的に除去し、緩衝層を有する構造の場合は、これも同様に除去し、EUV光の吸収部と反射部からなる回路パターンを形成する。このように作製されたEUVマスクによって反射された光像が、反射光学系を経て半導体基板上に転写される。
(EUVマスクの多層反射層の説明)
多層反射層2は、例えばMoを3nm、Siを4nmの厚さとして交互に繰り返し堆積することで構成されており、その物質内を透過するEUV光が繰り返し反射する干渉効果を利用してEUV光の反射率を高めている。
多層反射層2は、例えばMoを3nm、Siを4nmの厚さとして交互に繰り返し堆積することで構成されており、その物質内を透過するEUV光が繰り返し反射する干渉効果を利用してEUV光の反射率を高めている。
(EUVマスクの吸収層の膜厚と反射率の説明)
反射光学系を用いた露光方法では、マスク面に対して直交する方向から所定角度傾いた入射角(通常は6度)で照射されるため、吸収層6の膜厚が厚い場合、パターン自身の影が生じてしまい、この影となった部分における反射強度は、影になっていない部分よりも小さいため、コントラストが低下し、転写パターンにはエッジ部のぼやけや設計寸法からのずれが生じてしまう。これはシャドーイングと呼ばれ、EUVマスクの原理的課題の一つである。(図3(b)参照)
反射光学系を用いた露光方法では、マスク面に対して直交する方向から所定角度傾いた入射角(通常は6度)で照射されるため、吸収層6の膜厚が厚い場合、パターン自身の影が生じてしまい、この影となった部分における反射強度は、影になっていない部分よりも小さいため、コントラストが低下し、転写パターンにはエッジ部のぼやけや設計寸法からのずれが生じてしまう。これはシャドーイングと呼ばれ、EUVマスクの原理的課題の一つである。(図3(b)参照)
次に、図3に基づき、従来のEUVマスクにおけるシャドーイングについて説明する。図3(a)は入射光9が多層反射層2と吸収層6の表面で反射される状況を示している。多層反射層2の表面では反射率67%、吸収層6の表面では1〜3%の反射率である例を示している。しかしながら、実際には、図3(b)に示すように、入射光9が吸収層6に入射して吸収されたり、多層反射層2で反射された後、吸収層6にあたって吸収されたりする。
このようなシャドーイングによるパターンエッジ部のぼやけや設計寸法からのずれを防ぐためには、吸収層6の膜厚を小さくし、EUV光の吸収部のパターンの高さを低くすることが有効であるが、転写パターンの精度が低下する。つまり吸収層6を薄くしすぎると転写パターンの精度を保つために必要なコントラストが得られなくなってしまう。つまり、吸収層6の膜厚は厚過ぎても薄過ぎても問題になるため、現在は概ね50nm〜90nmの間になっており、EUV光の吸収層6における反射率は、0.5〜2.0%程度である。
このように、吸収層6を薄くすればシャドーイングは低減できるが、逆に吸収層6を厚くすればシャドーイングの影響が強くなるだけでなく、吸収層6のエッチング加工の難しさも増す。また吸収層6の成膜時の欠陥の増加も免れない。そのため、技術文献、特許文献を調査したが、このシャドーイング問題を緩和する技術は開示されているが、シャドーイング問題を解決する技術を見出すことはできなかった。例えば特許文献1には、パターン領域の重なり部分となる遮光枠領域の遮光性を高めて露光光の漏れを防ぐ技術が開示されているが、パターン領域におけるシャドーイングの問題の解決には至っていない。
上記の問題点に鑑み、本発明はシャドーイングの問題を解決したEUVマスクを提供することを課題とする。
本発明は、多層反射層に直接、反射率を低減させたパターンを形成することで、吸収層が不要となり、また吸収層と多層反射層との段差が無くなることで、シャドーイングを無くすことが可能となる。また吸収層が不要になったことで、吸収層成膜時の欠陥および吸収層のエッチングなどによる加工時の欠陥の発生についても抑制することができる。
上記の課題を解決する手段として、請求項1に記載の発明は、回路パターンに対応したパターンを有するパターン領域とその周囲に形成された遮光枠領域とからなるEUVマスクであって、
前記パターン領域は、前記パターンに対応させて多層反射層の反射率を低下させた反射率低減領域とその逆パターンである多層反射層の領域からなり、
前記反射率低減領域と前記多層反射層の高さが同一であることを特徴とするEUVマスクである。
前記パターン領域は、前記パターンに対応させて多層反射層の反射率を低下させた反射率低減領域とその逆パターンである多層反射層の領域からなり、
前記反射率低減領域と前記多層反射層の高さが同一であることを特徴とするEUVマスクである。
また請求項2に記載の発明は、回路パターンに対応したパターンを有するパターン領域とその周囲に形成された遮光枠領域とからなるEUVマスクであって、
前記パターン領域は、前記パターンに対応させて多層反射層の反射率を低下させた反射率低減領域とその逆パターンである多層反射層の領域からなり、前記反射率低減領域は、前記多層反射層を掘り下げた部位の深さと同等の厚さでEUV光の吸収層を形成した構成であることを特徴とするEUVマスクである。
前記パターン領域は、前記パターンに対応させて多層反射層の反射率を低下させた反射率低減領域とその逆パターンである多層反射層の領域からなり、前記反射率低減領域は、前記多層反射層を掘り下げた部位の深さと同等の厚さでEUV光の吸収層を形成した構成であることを特徴とするEUVマスクである。
低熱膨張率基板に多層反射層を形成する工程と、
前記多層反射層の表面にレジストパターンを形成する工程と、
前記多層反射層を回路パターンに対応した部位のみを変質して反射率低減領域を形成する工程と、を備えてなることを特徴とするEUVマスクの製造方法である。
前記多層反射層の表面にレジストパターンを形成する工程と、
前記多層反射層を回路パターンに対応した部位のみを変質して反射率低減領域を形成する工程と、を備えてなることを特徴とするEUVマスクの製造方法である。
また請求項4に記載の発明は、前記変質の方法が、イオン注入であることを特徴とする請求項3に記載のEUVマスクの製造方法である。
また請求項5に記載の発明は、前記イオン注入に使用する元素が、窒素または酸素であることを特徴とする請求項4に記載のEUVマスクの製造方法である。
また請求項6に記載の発明は、前記変質の方法が、イオンビームミキシング法であることを特徴とする請求項3に記載のEUVマスクの製造方法である。
また請求項7に記載の発明は、前記変質の方法が、レーザービームの照射であることを特徴とする請求項3に記載のEUVマスクの製造方法である。
また請求項8に記載の発明は、低熱膨張率基板に多層反射層を形成する工程と、
前記多層反射層の表面にレジストパターンを形成する工程と、
前記多層反射層を回路パターンに対応した部位を掘り下げた後、その部位に、EUV光を吸収する物質を、掘り下げた深さと同等の厚さで成膜する工程と、
前記レジストパターンを剥離し洗浄する工程と、を備えてなることを特徴とするEUVマスクの製造方法である。
前記多層反射層の表面にレジストパターンを形成する工程と、
前記多層反射層を回路パターンに対応した部位を掘り下げた後、その部位に、EUV光を吸収する物質を、掘り下げた深さと同等の厚さで成膜する工程と、
前記レジストパターンを剥離し洗浄する工程と、を備えてなることを特徴とするEUVマスクの製造方法である。
本発明のEUVマスクによれば、EUVリソグラフィを用いた半導体装置の製造において、シャドーイングの問題が発生しないため、転写コントラストが低下せず、高精度な転写パターン精度を得ることが可能となる。また、吸収層の成膜およびエッチング加工などが不要になったため、欠陥品質面においても改善する効果も併せ持つ。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
まず本発明のEUVマスクの構成について説明する。図1は、本発明のEUVマスクの一例を示す概略断面図である。基板1の表面に多層反射層2が形成されており、それに反射率低減領域である遮光枠領域5とパターン領域4が形成されている。遮光枠領域5はパターン領域4を取り囲む形で形成される。パターン領域4は、形成する回路パターンに対応してパターン化された反射率低減領域10とその逆パターンとして形成された多層反射層2の領域からなっている。本発明のEUVマスクにおいては、反射率低減領域が多層反射層2の高さと同一であることが特徴である。図1(b)は、図1(a)の低熱膨張率物質で形成された基板1の裏面に導電膜3が形成されている例を示している。
まず本発明のEUVマスクの構成について説明する。図1は、本発明のEUVマスクの一例を示す概略断面図である。基板1の表面に多層反射層2が形成されており、それに反射率低減領域である遮光枠領域5とパターン領域4が形成されている。遮光枠領域5はパターン領域4を取り囲む形で形成される。パターン領域4は、形成する回路パターンに対応してパターン化された反射率低減領域10とその逆パターンとして形成された多層反射層2の領域からなっている。本発明のEUVマスクにおいては、反射率低減領域が多層反射層2の高さと同一であることが特徴である。図1(b)は、図1(a)の低熱膨張率物質で形成された基板1の裏面に導電膜3が形成されている例を示している。
(本発明のEUVマスクの構成の詳細:吸収層)
本発明のEUVマスクで吸収層を使用する場合は、従来技術で使用する吸収層6と同じ材料を使用することが可能である。
本発明のEUVマスクで吸収層を使用する場合は、従来技術で使用する吸収層6と同じ材料を使用することが可能である。
(本発明のEUVマスクの構成の詳細:多層反射層)
多層反射層2は、13.5nm近傍のEUV光に対して60%程度の反射率を達成できるように設計されており、モリブデン層とシリコン層が交互に40〜50ペア積層した多層膜であり、更に最上層はルテニウム層が形成されている。ルテニウム層の下に隣接する層はシリコン層である。モリブデンとシリコンが使用されている理由は、EUV光に対する吸収(消衰係数)が小さく、且つモリブデンとシリコンのEUV光の波長域における屈折率差が大きいために、シリコン層とモリブデン層の界面における反射率を大きくできるためである。多層反射層2の最上層にあるルテニウム層は、吸収層6の加工時におけるエッチングストッパーとしての役割やマスク洗浄時の薬液に対する保護層としての役割を果たしている。このルテニウム層はシリコン層で構成されている場合もある。役割については、ルテニウムもシリコンも同様である。
多層反射層2は、13.5nm近傍のEUV光に対して60%程度の反射率を達成できるように設計されており、モリブデン層とシリコン層が交互に40〜50ペア積層した多層膜であり、更に最上層はルテニウム層が形成されている。ルテニウム層の下に隣接する層はシリコン層である。モリブデンとシリコンが使用されている理由は、EUV光に対する吸収(消衰係数)が小さく、且つモリブデンとシリコンのEUV光の波長域における屈折率差が大きいために、シリコン層とモリブデン層の界面における反射率を大きくできるためである。多層反射層2の最上層にあるルテニウム層は、吸収層6の加工時におけるエッチングストッパーとしての役割やマスク洗浄時の薬液に対する保護層としての役割を果たしている。このルテニウム層はシリコン層で構成されている場合もある。役割については、ルテニウムもシリコンも同様である。
(本発明のEUVマスクの構成の詳細:裏面導電膜)
図1(b)と図2(b)の導電膜3は、一般的には窒化クロムで形成されるが、導電性が窒化クロムと同等以上であれば良いため、金属およびその窒化物、酸化物および窒化酸化物からなる材料であっても良い。
図1(b)と図2(b)の導電膜3は、一般的には窒化クロムで形成されるが、導電性が窒化クロムと同等以上であれば良いため、金属およびその窒化物、酸化物および窒化酸化物からなる材料であっても良い。
次に、図4に基づき、本発明のEUVマスクにおける入射光9の状況について説明する。本発明のEUVマスクにおいては、多層反射層2と反射率低減領域10の高低差は原理的に無い。これは、吸収層6を多層反射層2の上に形成する代わりに、多層反射層2を変質し、多層反射層としての機能を失わせたことによって反射率が低い反射率低減領域10を形成するためである。多層反射層2と反射率低減領域10の高低差が無くなったことにより、シャドーイングを無くすことが可能となる。ここで変質とは、多層反射層2を構成する層構成と物質のうちどちらか一方か両方が変化することである。例えば、異なる2種類の物質が交互に積層された形で形成された層構成の境界が不明確になる場合が該当する。それはイオン注入により多層反射層2の内部で物質移動が起こることで多層反射層2を構成している元素が混合することによって起こる。またイオン注入された元素と多層反射層2を構成している元素の一部または大部分が化合物を形成し、屈折率や吸収係数が変化する場合が該当する。これらを含めて変質と呼ぶ。
また、EUVマスクブランクスの製造工程において、吸収層6の成膜工程を除くことができるため、欠陥低減効果ももたらされる。
また、EUVマスク製造工程においては、吸収層6の表面へのレジストパターニング工程、吸収層6のエッチング工程、レジストパターンの剥離工程などが不要になるため、製造工程の短縮と歩留まりの向上がもたらされる。
また、EUVマスク製造工程においては、吸収層6の表面へのレジストパターニング工程、吸収層6のエッチング工程、レジストパターンの剥離工程などが不要になるため、製造工程の短縮と歩留まりの向上がもたらされる。
反射率低減領域10を作製する方法としては、多層反射層2を多層干渉条件から外す方法がある。また別の方法として多層反射層2の表面にEUV光を吸収する吸収層を、多層反射層と同じ高さで形成する方法が挙げられる。
多層反射層2を多層干渉条件から外す方法としては、多層反射層2を構成している材料を変質させることが挙げられる。材料を変質させる方法としては、イオン注入によって多層反射層2を構成している材料と化合物を形成し易い物質のイオンを多層反射層2にイオン注入することによって、多層干渉条件から外すことができる。イオン注入によって多層反射層2の中に入り込んだ原子によって、多層反射層2を構成していた原子が動き、混合することによって多層構造が崩れること、およびイオン注入された原子と多層反射層2を構成していた原子による化合物が形成されることなどによって、元の多層反射層2の層構成が乱されて多層反射層としての機能を失う。前者の様に、多層構造を構成する元素が混合するだけの場合は、希ガス元素を使用することが可能である。後者の場合の様に、異なる元素が混合するのと同時に、イオン注入した元素と多層構造を構成する元素を化合させる場合は、窒素ガスまたは酸素ガスまたはそれら両方を含むガス、またガスに限らずイオン注入装置で使用し易く、多層構造を構成するシリコンやモリブデンなどと化合する元素を使用すれば良い。この場合、多層反射層2を構成していた物質が化合物に変化し変質するため、屈折率や吸収係数などが変化し、多層反射層としての機能を失う。
また、イオン注入の代わりに、レーザービームをスキャン照射することにより、回路パターンに応じたパターンに従って局所的な加熱を行うことにより、多層反射層2の機能を失わせることが可能であり、これによって反射率低減領域10を形成することが可能である。
また、多層反射層2を構成していた原子が動き混合する現象を起こす方法としては、イオンビームミキシング法を使用することも可能である。これは、例えば、図5(b)の後、多層反射層2の表面に多層反射層2に混合させたい元素からなる薄膜を堆積させておき、図5(c)で、イオン注入を行う代わりに、希ガスなどの原子やイオンを照射することによって実施することが可能である。その後、多層反射層2の表面に残留している前記薄膜を除去し、最後に図5(d)の様にレジストパターンを剥離してEUVマスクが作製できる。
また、多層反射層2の表面にEUV光を吸収する吸収層を、多層反射膜2と略同じ高さで形成する方法は、まず多層反射層2の反射率低減領域10になる部位を、ドライエッチ
ングによって、多層反射層2の膜厚以内の範囲で掘り下げ、次にその掘り下げた部位に、EUV光を吸収する物質を、掘り下げたのと同じだけの厚さで形成することによって、多層反射層2と同じ高さを持つ反射率低減領域10を形成して、段差の無いEUVマスクを作製することができる(図6参照)。ここで、略同じ高さとした理由は、膜厚や段差の計測装置の測定精度やドライエッチングや成膜装置の加工精度や制御精度の限界から、全く同じ値に揃えることが困難であるためである。
ングによって、多層反射層2の膜厚以内の範囲で掘り下げ、次にその掘り下げた部位に、EUV光を吸収する物質を、掘り下げたのと同じだけの厚さで形成することによって、多層反射層2と同じ高さを持つ反射率低減領域10を形成して、段差の無いEUVマスクを作製することができる(図6参照)。ここで、略同じ高さとした理由は、膜厚や段差の計測装置の測定精度やドライエッチングや成膜装置の加工精度や制御精度の限界から、全く同じ値に揃えることが困難であるためである。
このようにして形成した反射率低減領域10のEUV光に対する反射率は、多層反射層2が薄くなって反射率が低下したところに、その薄くなったのと同じ厚さの吸収層6が形成されるため、元の厚さの多層反射層2の上に吸収層6を形成するより薄い厚さの吸収層で十分な反射率低減を行うことが可能となる。
ただし、多層反射層2を掘り込む深さは、使用する吸収層単独で十分低い反射率を保有する最低限の膜厚が望ましい。例えば、吸収層6にタンタルナイトライド(TaN)を用いた場合は60nm以上が望ましい。60nm以下では、吸収層の反射率が0.5%未満にすることは困難である。使用する材料によってこの膜厚と反射率の関係は異なる。また吸収層の下地である多層反射層2を掘り込むと、多層反射層の反射率が低下するため、吸収層が薄くなっても、掘り込んで薄くなっていない多層反射層の上に形成する場合よりも薄くて良い。
<実施例1>
次に、本発明のEUVマスクの製造方法の実施例について説明する。
図5(a)は、本実施例で用意したEUVマスクブランクスを示す。これは基板1の表面に、波長13.5nmのEUV光に対して反射率が64%程度となるように設計されたモリブデン層とシリコン層の40ペアからなる多層反射層2が形成されたものである。
次に、本発明のEUVマスクの製造方法の実施例について説明する。
図5(a)は、本実施例で用意したEUVマスクブランクスを示す。これは基板1の表面に、波長13.5nmのEUV光に対して反射率が64%程度となるように設計されたモリブデン層とシリコン層の40ペアからなる多層反射層2が形成されたものである。
このEUVマスクブランクスの多層反射層2の表面に、ポジ型化学増幅レジスト(FEP171:富士フィルムエレクトロマテリアルズ社製)を500nmの乾燥膜厚で塗布し、電子線描画機(JBX9000:日本電子社製)によって描画後、110℃、10分間のPEB(Post Exposure Bake)およびスプレー現像装置(SFG3000:シグマメルテック社製)を用いた現像により、レジストパターン11を形成した。(図5(b)参照)
次に、半導体製造用のイオン注入装置(SOPHI―200:ULVAC社製)を用いてレジストパターンで覆われていない多層反射層2にイオン注入することによって変質し(図5(c)参照)、反射率低減領域10を形成した。注入したイオンはN+で、加速電圧は10KV、注入量は1×1013cm−2とした。またイオン注入は、23℃に制御されたホールダ上にイオン注入中の基板1を保持し実施した。
次に、レジストを剥離するため、まず酸素プラズマによるプラズマアッシング後、残留している灰分を除去するためのウェット洗浄を実施することで、図5(d)に示す本発明のEUVマスクを作製した。このようにして作製したEUVマスクは、シャドーイングの問題を解決したEUVマスクとして使用することが可能であった。
次に、レジストを剥離するため、まず酸素プラズマによるプラズマアッシング後、残留している灰分を除去するためのウェット洗浄を実施することで、図5(d)に示す本発明のEUVマスクを作製した。このようにして作製したEUVマスクは、シャドーイングの問題を解決したEUVマスクとして使用することが可能であった。
<実施例2>
実施例1におけるレジストパターン11形成まで同じ工程を使用してEUVマスクの作製を進めた。
次に、ドライエッチング装置を用いて、レジストパターン11から露出している多層反射層2を40nmの深さまで掘り込んだ。次いで、その表面にマグネトロンスパッタ装置を用いてタンタル薄膜を40nmの厚さで成膜した。
次に、レジストパターンを剥離することによって、多層反射層2からなるパターンと多層反射層2を40nm掘り込んだ部位にタンタル薄膜が40nmだけ成膜され、掘り込まれた部位が丁度埋められた形のEUVマスクを作製した。このようにして作製したEUVマスクは、シャドーイングの問題を解決したEUVマスクとして使用することが可能であった。なお、ここで多層反射層2の掘り込みの深さとタンタル薄膜の膜厚を40nmとしたが、これに限定する必要はなく、多層反射層2の掘り込み深さが40nmより浅い場合であっても、下地に残された多層反射層からの反射が元の厚さの時より小さくなるため、その上に形成された吸収層が薄くなっても、トータルとして十分低い反射率になることがある。
実施例1におけるレジストパターン11形成まで同じ工程を使用してEUVマスクの作製を進めた。
次に、ドライエッチング装置を用いて、レジストパターン11から露出している多層反射層2を40nmの深さまで掘り込んだ。次いで、その表面にマグネトロンスパッタ装置を用いてタンタル薄膜を40nmの厚さで成膜した。
次に、レジストパターンを剥離することによって、多層反射層2からなるパターンと多層反射層2を40nm掘り込んだ部位にタンタル薄膜が40nmだけ成膜され、掘り込まれた部位が丁度埋められた形のEUVマスクを作製した。このようにして作製したEUVマスクは、シャドーイングの問題を解決したEUVマスクとして使用することが可能であった。なお、ここで多層反射層2の掘り込みの深さとタンタル薄膜の膜厚を40nmとしたが、これに限定する必要はなく、多層反射層2の掘り込み深さが40nmより浅い場合であっても、下地に残された多層反射層からの反射が元の厚さの時より小さくなるため、その上に形成された吸収層が薄くなっても、トータルとして十分低い反射率になることがある。
1・・・基板
2・・・多層反射層
3・・・導電膜
4・・・パターン領域
5・・・遮光枠領域
6・・・吸収層
7・・・パターン領域
8・・・遮光枠領域
9・・・入射光
10・・・反射率低減領域
11・・・レジストパターン
2・・・多層反射層
3・・・導電膜
4・・・パターン領域
5・・・遮光枠領域
6・・・吸収層
7・・・パターン領域
8・・・遮光枠領域
9・・・入射光
10・・・反射率低減領域
11・・・レジストパターン
Claims (8)
- 回路パターンに対応したパターンを有するパターン領域とその周囲に形成された遮光枠領域とからなるEUVマスクであって、
前記パターン領域は、前記パターンに対応させて多層反射層の反射率を低下させた反射率低減領域とその逆パターンである多層反射層の領域からなり、
前記反射率低減領域と前記多層反射層の高さが同一であることを特徴とするEUVマスク。 - 回路パターンに対応したパターンを有するパターン領域とその周囲に形成された遮光枠領域とからなるEUVマスクであって、
前記パターン領域は、前記パターンに対応させて多層反射層の反射率を低下させた反射率低減領域とその逆パターンである多層反射層の領域からなり、前記反射率低減領域は、前記多層反射層を掘り下げた部位の深さと同等の厚さでEUV光の吸収層を形成した構成であることを特徴とするEUVマスク。 - 低熱膨張率基板に多層反射層を形成する工程と、
前記多層反射層の表面にレジストパターンを形成する工程と、
前記多層反射層を回路パターンに対応した部位のみを変質して反射率低減領域を形成する工程と、を備えてなることを特徴とするEUVマスクの製造方法。 - 前記変質の方法が、イオン注入であることを特徴とする請求項3に記載のEUVマスクの製造方法。
- 前記イオン注入に使用する元素が、窒素または酸素であることを特徴とする請求項4に記載のEUVマスクの製造方法。
- 前記変質の方法が、イオンビームミキシング法であることを特徴とする請求項3に記載のEUVマスクの製造方法。
- 前記変質の方法が、レーザービームの照射であることを特徴とする請求項3に記載のEUVマスクの製造方法。
- 低熱膨張率基板に多層反射層を形成する工程と、
前記多層反射層の表面にレジストパターンを形成する工程と、
前記多層反射層を回路パターンに対応した部位を掘り下げた後、その部位に、EUV光を吸収する物質を、掘り下げた深さと同等の厚さで成膜する工程と、
前記レジストパターンを剥離し洗浄する工程と、を備えてなることを特徴とするEUVマスクの製造方法。
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JP2014013242A JP2015141972A (ja) | 2014-01-28 | 2014-01-28 | Euvマスクおよびeuvマスクの製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2016122751A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-07 | Hoya株式会社 | 多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク及び反射型マスク、並びに多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク及び半導体装置の製造方法 |
US20180275506A1 (en) * | 2017-03-22 | 2018-09-27 | Toshiba Memory Corporation | Reflection-type exposure mask |
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2014
- 2014-01-28 JP JP2014013242A patent/JP2015141972A/ja active Pending
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JP2018159782A (ja) * | 2017-03-22 | 2018-10-11 | 東芝メモリ株式会社 | 反射型露光マスク |
US10698311B2 (en) | 2017-03-22 | 2020-06-30 | Toshiba Memory Corporation | Reflection-type exposure mask |
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