JP2015141738A - 有機elディスプレイ及びその製造方法 - Google Patents

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Hisayuki Kawamura
久幸 川村
和紀 森本
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和紀 森本
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Abstract

【課題】ディスプレイの狭額縁化を実現しつつ、基板同士の接触や、接合部の接合強度の低下を防ぐ。【解決手段】有機EL素子が配置された表示領域10と表示領域外に設けられた周辺回路を有する有機EL基板100と、封止基板200とを備え、有機EL基板と封止基板とがそれぞれの基板に配置された接合部110、210の接合面Sで表面活性化接合法により接合されており、かつ、有機EL基板上の表示領域に封止基板と接する支柱50が形成されている有機ELディスプレイ。【選択図】図2

Description

本発明は、封止性能に優れた有機ELディスプレイ及びその製造方法の技術に関する。
近年、有機EL発光素子が用いられたディスプレイが開発されている。有機ELは、水分や酸素との接触により発光寿命が短くなる等の悪影響を及ぼすことが知られている。そのため、有機EL発光素子が存在する空間を封止して、外気の影響を受けないようにするための封止が重要であり、一般的にはUV硬化樹脂を用いて、封止基板を張り合わせる手法が採られている(特許文献1)。
また、一般的にUV硬化樹脂を用いた封止方法では、酸素、及び水分の透過を十分に抑えることが不可能であり、様々な対策がなされている。その対策の一つとして、周辺回路を含めて、完全に基板が接合される領域で囲まれた範囲の内側に入れる構造を採用しているものもある(特許文献2)。
さらに、封止性能を高めるために、ガラスフリットを用いたガラス融着方式が実用化されている(特許文献3)。
特開平5−036475号公報 特開2002−93576号公報 特開平10−74583号公報
しかしながら、ガラス融着方式では、ガラス融着時に発生する熱による周辺回路がダメージを受けることや、ガラス融着時に使用するレーザー照射により周辺回路の特性が変化すること等から、表示領域の周辺に位置する周辺回路付近に接合領域を設けることが困難であった。そのため、ディスプレイ正面から見て、周辺回路とガラス融着による接合部分が重ならないように、ずらして形成する必要があった。一方、有機ELディスプレイに対しては、小型化や外観などの点から、狭額縁化が求められている。したがって、ガラス融着方式では周辺回路付近に封止領域を設けることができないため、狭額縁化の実現という点において妨げとなっていた。
高熱やレーザー照射等を要しない有機EL発光素子が用いられたディスプレイの封止方法としては、表面活性化接合法を用いた接合方法がある。しかし、表面活性化接合法では真空状態で接合を行うため、圧力差によってガラスのたわみが発生し、基板が接触することがあった。有機EL材料の表面は比較的柔らかいため、たわみによる基板の接触によって、発光にムラが生じたり、発光しない画素が生じたりする問題がある。また、ガラスのたわみによって、表面活性化接合法による接合部分がディスプレイの表示部に向かって引っ張られ、接合強度の低下や、接合部の剥離が発生するという問題もある。
よって本発明の目的の一つは、ディスプレイの狭額縁化を実現しつつ、基板同士の接触や、接合部の接合強度の低下を防ぐことにある。
本発明の一実施形態によると、有機EL素子が配置された表示領域と前記表示領域外に設けられた周辺回路を有する有機EL基板と、封止基板とを備え、前記有機EL基板と前記封止基板とがそれぞれの基板に配置された接合部の接合面で表面活性化接合法により接合されており、かつ、前記有機EL基板上の前記表示領域に前記封止基板と接する支柱が形成されていることを特徴とする有機ELディスプレイが提供される。
本発明の一実施形態によると、有機EL素子が配置された表示領域と前記表示領域外に設けられた周辺回路を少なくとも有する有機EL基板と、封止基板とを備え、前記有機EL基板と封止基板とがそれぞれの基板に配置された接合部の接合面で表面活性化接合法により接合されており、かつ、前記表示領域に対応する前記封止基板上に前記有機EL基板と接する支柱が形成されていることを特徴とする有機ELディスプレイが提供される。
本発明の一実施形態によると、有機EL層が配置された表示領域と前記表示領域に形成された支柱を少なくとも有する有機EL基板と、封止基板とを備え、前記有機EL基板上の第1接合部と前記封止基板上の第2接合部のを活性化成分により活性化する工程と、前記活性化された前記第1接合部及び前記第2接合部のそれぞれの接合面を接触させて、前記有機EL基板と前記封止基板とを加圧し接合し、有機ELディスプレイを得る工程とを備えることを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法が提供される。
また、別の好ましい態様において、前記第1接合部及び前記第2接合部を活性化成分により活性化する工程と、前記有機EL基板と前記封止基板とを加圧し接合する間に、前記それぞれの接合面を金属粒子を含む放射粒子で照射して表面処理する第2の工程を有することを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法が提供される。
また、別の好ましい態様において、前記活性化の工程が、前記それぞれの接合面を、エネルギー粒子を含む放射粒子を照射して表面処理を行う工程であることを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法が提供される。
本発明によれば、ディスプレイの狭額縁化を実現しつつ、基板同士の接触や、接合部の接合強度の低下を防ぐことができる。
本発明の第1実施形態における有機ELディスプレイの全体構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態における有機ELディスプレイの断面模式図である。 本発明の第1実施形態における有機ELディスプレイの画素と支柱の配置を示した概略図である。 本発明の第3実施形態における有機ELディスプレイの画素と格子状支柱の配置を示した概略図である。
以下、本発明の実施形態における有機ELディスプレイ及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、種々の変形を行ない実施することが可能である。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。さらに、本明細書において「接する」とは接触することを意味し、化学的又は物理的に接合することは含まない。
[本発明の概要]
本発明は、基板上に有機EL素子が形成された表示領域と表示領域外(額縁領域)に設けられた周辺回路を少なくとも有する有機EL基板(第1基板100)と、封止基板(第2基板200)とを接合することによって、有機EL発光素子が設けられた空間を封止した有機ELディスプレイが提供される。第1基板と第2基板とは、額縁領域に形成された接合部を介して接合される。この接合は、接合部の表面が活性化されることによる表面活性化接合方法によって実現される。表示部の画素間に支柱を形成することによって、有機EL基板と封止基板とが表示領域で接触することを防止し、また、接合部が表示領域の方向に引っ張られることを防ぐ。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態における有機ELディスプレイ300の全体構成を示す概略図である。有機ELディスプレイ300は、有機EL基板と封止基板が接合されたものである。なお、以下に説明する本発明の実施形態は、TFT(薄膜トランジスタ)が形成された基板上に形成された有機EL素子からの発光をTFT基板と逆側から取り出すトップエミッション型の有機ELディスプレイについてであるが、TFTを形成された基板上に形成された有機EL素子からの発光をTFT側から取り出すボトムエミッション型の有機ELディスプレイでもよい。
有機ELディスプレイ300は、表示領域10を有する。図1では図示しないが、TFTで構成された画素ごとの駆動回路と、有機EL発光素子とを含む画素が、行方向と列方向に二次元マトリクス状に配置されて、矩形状の表示領域10が画定される。なお、画素の構成としては、RGBの3色のサブピクセルを並べて1つのピクセルを構成する方式でも、ペンタイル方式でもよい。表示領域10には、図1の縦方向にデータ線が延び、横方向に走査線が延びており、データ線は列方向の画素に共通に接続され、走査線は行方向の画素を共通に接続される。端子部22には、有機ELディスプレイと外部回路とを接続し、映像信号、制御信号及び電源を有機ELディスプレイに供給するための端子が複数個配列され設置される。表示領域10の外側から有機ELディスプレイ300の外縁までの領域が、額縁領域12となる。額縁領域12には、データ線にデータ信号を供給するデータ線駆動回路や、走査線に制御信号を供給する走査線駆動回路などの周辺回路が形成される。額縁領域12には、表示領域10の外側に沿って電源配線も配置される。。
図2は、本発明の第1実施形態における有機ELディスプレイの断面模式図であり、図1におけるA−A’方向に見た断面を模式的に表した図である。
第1基板100上に、上述の画素ごとの駆動回路によって構成される画素回路群30と周辺回路(図示せず)が配置される。第1基板100は、例えば、ガラス基板等である。画素回路群30は表示領域10と額縁領域12の一部にかけて形成される。画素回路群30上に、平坦化膜32が形成され、さらに画素電極34、コンタクト配線42が形成される。画素電極34上に有機EL層36が形成され、それぞれが一つの画素を構成する。バンク角を有するエッジカバー38は、それぞれの画素を区切るように形成される。対向電極44は連続した一枚の透明電極で構成され、有機EL層36及びエッジカバー38を覆い、表示領域10の外側まで延長して設けられ、平坦化膜32上を通ってコンタクト配線42に接続されるよう形成される。画素電極34は画素回路群30の画素回路を介して電源に接続され、電源から供給される電流が有機EL層36に流れて発光し、対向電極44に流れ出る。
画素間のエッジカバー38上に、支柱50が配置されている。支柱50は、第1基板100と第2基板200とを接合したときに、第2基板に接する高さを有するよう形成される。支柱50が表示領域に形成されることによって、封止基板と有機EL基板との接触を防止することができる。さらに、第1基板100あるいは第2基板200のたわみによって接合領域20が表示領域10に向かって引っ張られることを防ぐので、第1基板100及び第2基板200の接合力の低下あるいは剥離を防ぐことができる。
支柱50は、感光性レジストを用いて、フォトリソグラフィー法によって形成される。感光性レジスト及びフォトリソグラフィー法は、従来用いられている技術を用いてもよい。支柱50の材料は、有機材料であっても無機材料であってもよい。例えば、後述するように第1接合部110の第1基板側をポリイミドで形成する場合には、その形成と同時に支柱50をポリイミドで形成してもよい。
以上に加え、額縁領域に第1接合部110、周辺回路、電源供給線等が配置され、有機EL基板が形成される。なお、画素回路群30、周辺回路、平坦化膜32、画素電極34、コンタクト配線42、エッジカバー38、対向電極44、有機EL層36及びコンタクト配線42等は、既存の材料及びプロセスにより形成することが可能であり、本発明において特に限定されるものではない。
第2基板200上に第2接合部210が配置され、封止基板が形成される。第2基板200は、例えば、ガラス基板等である。
第1基板100と第2基板200とは、第1接合部110と第2接合部220を介し、接合面Sで接合される。なお、図2では図示しないが、第1接合部110は周辺回路上に形成されてもよい。接合面Sを有機ELディスプレイの表示パネル正面から見たときに形成される領域が、接合領域20となる。この接合は、接合部の表面が活性化されることによる表面活性化接合によって実現される。具体的な接合方法については、後述する。
[支柱の配置]
図3は、本発明の第1実施形態における有機ELディスプレイの、画素と支柱51の配置を示した概略図であり、表示部10の一部を拡大した図である。図3をみると、矩形状の赤色画素61、緑色画素62、青色画素63が格子状に配置されている。水平方向には、赤色画素61、緑色画素62、青色画素63、赤色画素61、緑色画素62、青色画素63、…と規則的に配置され、垂直方向は同一色の画素が配置されている。
支柱51は、上下に配置された2つの赤色画素61と、それらの右隣に配置された2つの緑色画素62で形成される画素間の、交点部分に形成されている。支柱51の幅は、有機ELディスプレイの画素ピッチによって、適宜選択される。また、図3を参照すると、支柱51の幅は、下及び左右の画素の間隔と同じ幅を有しているが、必ずしもこれに限られない。例えば、画素の間隔よりも幅を狭くしてもよい。また、図3では支柱51は矩形状に形成されているが、円形その他の形状であってもよい。
本発明では、外圧(大気圧)と基板間に生じる真空との間に発生する圧力差により、基板の変形(撓み、歪み)が発生し、接合部分の剥がれ、基板の接触による有機EL部分の不良が発生するため、支柱を形成する必要がある。支柱としては、少なくとも2cmに1本形成することが好ましい。これ以下であると、上記圧力差による基板の変形により、接合部分の剥がれ、基板の接触による有機EL部分の不良が発生する。
[接合部の構成]
次に、第1接合部110及び第2接合部210の構成について説明する。第1接合部110と第2接合部210の構成としては、第1接合部110の第1基板100側及び第2接合部210の第2基板200側を樹脂層で形成し、それぞれの接合面S側に接合膜を形成してもよい。樹脂層の材料としては、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン及およびフェノール樹脂等を用いても良い。例えばポリイミドを用いた場合、ポリイミド膜の膜厚としては0.2〜100μmが好ましく、より1〜5μmが好ましく、更に1〜2μmが好ましい。接合膜としては、樹脂層を形成した後に、SiOやSiなどの無機膜が形成される。例えばスパッタでSiOなどの酸化膜を形成してもよい。ここで、SiOの膜厚としては、10〜1000nmが好ましく、更に50〜300nmが好ましい。あるいは、接合膜として、樹脂層を形成した後に、例えばスパッタでAuなどの金属膜を形成してもよい。ここで、Auの膜厚としては、1〜1000nmが好ましく、更に10〜100nmが好ましい。
なお、接合領域20の幅dを広くしすぎると、接合力が落ちることがある。これは、接合領域20の幅dが広くなると、第1基板100または第2基板200のうねりの影響が出ることが原因と考えられる。このようなうねりの影響を抑え、かつ、接合力を保つために、接合領域20の幅dの長さは1〜0.2mmが好ましいと考えられる。ただし、本発明の実施形態における接合領域20の幅dの長さは、上記範囲の長さに限定されるものではない。
次に、本発明の実施形態における第1基板100と第2基板200との接合方法について説明する。
[第1の接合方法]
以下、本発明の第1の接合方法について説明する。まず、接合する第1基板100と第2基板200を、真空チャンバー内に設置し、一対の基板保持部材に取り付ける。次に、真空チャンバー内を減圧する。減圧の程度は、10−2Pa以上である。後述する表面活性処理をした接合面の再汚染を防止するために、高真空下で行うことが望ましい。
真空チャンバー内を減圧した後に、第1基板100及び第2基板200の接合面を、室温で、不活性ガスイオンビームまたは不活性ガス高速原子ビーム(エネルギー粒子)で10秒から1800秒、特に好ましくは10秒から30秒照射して、スパッタエッチングし、表面活性化を行う。表面活性化を行うことによって、元素イオンあるいは元素の中性原子で接合面に照射して衝突させて接合面の表面皮膜を取り除き、接合面が清浄化され、化学結合が形成されやすい状態となる。ここで、表面活性処理時に第1基板100をシャドーマスクにより保護することで、表面活性化処理時における有機EL素子へのダメージを、防止することが好ましい。この不活性ガスイオンビームまたは不活性ガス高速原子ビームのビームソースの印加電圧とプラズマ電流はビーム源に大きく依存するが、例えば0.1〜3.0kV及び1〜50mAである。
照射した後に、第1基板100及び第2基板200の接合面を重ね合わせる。ここで、重ね合わせた第1基板100及び第2基板200を加圧することが好ましい。加圧条件としては、1〜100kNが好ましく、更には5〜20kNがより好ましい。これによって第1基板100と第2基板200との接合は完了する。
このように、有機ELディスプレイ300は減圧された真空チャンバー内で第1基板100と第2基板200とを接合して形成される。高真空下で封止された有機ELディスプレイ300を真空チャンバーから大気圧下に取り出すと、大気圧と封止された有機ELディスプレイ内部との圧力差が生じ、第1基板100と第2基板200が接触しようとする力が加わる。しかし、第1実施形態では、第1基板100の表示領域に支柱50が配置されているので、第1基板100と第2基板200とが接触し、擦れ合い、画素が非発光になることや特性が変化することを防ぐことができる。
また、有機ELディスプレイ300を大気圧下に戻したときに、第1基板100と第2基板200は接合領域20で囲まれる領域で接触しようとする。そうすると、第1基板100と第2基板200の接合面Sは、横方向(表示領域の方向)に引っ張られる方向に力が加わるので、接合面Sの接合力の低下あるいは接合面Sの剥離が生じる場合がある。しかし、第1実施形態では、第1基板100の表示領域に支柱50が配置されているので、第1基板100と第2基板200の接触を防ぎ、これによって接合面Sの接合力の低下や接合面Sの剥離を防ぐことができる。
[第2の接合方法]
以下、本発明の第2の接合方法について説明する。第1基板100及び第2基板200の接合面の活性化までは第1の接合方法と同様である。
第1基板100及び第2基板200の接合面を活性化処理した後、不活性ガスイオンビームまたは不活性ガス高速原子ビームがエネルギー粒子や金属粒子を含む放射粒子を、第1基板100及び第2基板200上に照射する。この金属粒子は、好ましくは遷移金属であり、さらに好ましくは鉄である。エネルギー粒子および金属粒子の両方を放射する粒子源(エネルギー粒子源兼金属粒子源)は、いくつかの構成を取り得る。例えば、エネルギー粒子および金属粒子の両方を放出する、この種の粒子源は、不活性粒子(アルゴン)のプラズマを発生し、このプラズマに電界Eを掛けることで、プラズマ不活性粒子を電界方向へ加速し、不活性粒子を含むエネルギー粒子の放射を生成する。粒子源内において、不活性粒子(アルゴン)のプラズマが発生する領域に、所望の金属を含む、出没自在な金属体を配置することで、当該プラズマ由来のエネルギー粒子により金属体から金属粒子が放出され、放射粒子の一部となる。この構成の粒子源は、動作モードの選択により、金属体が退却位置にあるときは、主としてエネルギー粒子を放射する粒子源として機能し、金属体が進出位置(プラズマ空間内の位置)にあるときは、エネルギー粒子とともに金属粒子を放射する粒子源として機能する。
次に、第1基板100及び第2基板200上の接合面の金属表面を、室温で不活性ガスイオンビームまたは不活性ガス高速原子ビーム(エネルギー粒子)でスパッタエッチングし、表面活性化を行う。照射した後、第1基板100及び第2基板200の接合面を重ね合わせる。ここで、重ね合わせた第1基板100及び第2基板200を加圧することが好ましい。これによって第1基板100と第2基板200との接合は完了する。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態では、支柱50が第2基板200に形成されていることを特徴とする。ここで、支柱50が第2基板200に設置される位置は、第1基板100に形成される画素間の領域に対応している。第1実施形態と同様に、支柱50はフォトリソグラフィー法によって、第1基板100と第2基板200が接合されたときに第1基板100に接する高さに形成される。材料等についても同様である。
<第3実施形態>
図4は、本発明の第3実施形態における有機ELディスプレイの、画素と格子状支柱52の配置を示した概略図であり、表示部10の一部を拡大した図である。格子状支柱52は、矩形状に配置された赤色画素61、緑色画素62、青色画素63の、各画素間に形成される。格子状支柱52は、第1実施形態と同様に、第1基板100上にフォトリソグラフィー法によって形成される。格子状支柱52の材料や、第1基板100と第2基板200が接合されたときに第2基板200と接する高さに形成されることについても同様である。第3実施形態における格子状支柱52を形成することによって、第1実施形態で述べた第1基板100と第2基板200が接触することを防止する効果が得られるだけでなく、ブラックマトリックスの代わりとして利用することも可能である。
図4では、各画素間に全て格子状支柱62が形成されているが、これに限定されるものではない。第3実施形態の変形例として、横方向だけ、あるいは、縦方向だけに支柱を形成してもよい。また、縦方向あるいは横方向に形成された支柱は、必ずしも連続していなくてもよい。
以下に、本発明の具体的な実施例と比較例を挙げる。
(比較例1)
厚み0.7mm、2cm×2cmのガラス基板を用い、接合を行った。基板にはそれぞれ、外周部分に、接合部として、ポリイミド2μm、SiO100nmの積層構造を有するバンクを形成した。この時、バンクの幅は、1mmとした。接合には、イオンビームを使用し、出力(1.5kV/100mA)、真空度 1×10-5で表面活性化処理を行い、その後、それぞれの基板を5.0kNでプレスし、接合した。
(実施例1)
表示領域中央に高さ4μmの支柱1本を形成したこと以外は比較例1と同様にして接合を行った
(比較例2)
4cm×4cmのガラス基板を用い、表示領域中央に高さ4μmの支柱1本を形成したこと以外は比較例1と同様にして接合を行った。
(実施例2)
4cm×4cmのガラス基板を用い、高さ4μmの支柱2本を2cmの面積に1本の割合になるように形成したこと以外は比較例1と同様にして接合を行った。
(実施例3)
接合部のポリイミドを0.2μmにしたこと以外は実施例1と同様にし、接合を行った。
(比較例3)
接合部のポリイミドを0.1μmにしたこと以外は実施例1と同様にし、接合を行った。
次の(表1)は、比較例及び実施例にて形成した有機ELディスプレイの外観を検査し、接合状態の評価結果を示したものである。
Figure 2015141738
比較例1は、本発明の実施形態と異なり、表示領域に支柱を形成していない。真空状態で有機EL基板と封止基板とを接合し、その後大気圧下に戻した場合、大気圧と封止領域との気圧差により、有機EL基板と封止基板とが接着しようとする。このため、接合領域が封止領域(表示領域)の方向に引っ張られる力が発生し、接合状態に剥がれが生じる。これに対し、実施例1では表示部に支柱を形成したため、有機EL基板と封止基板が接着しようとすることを防ぎ、これによって接合領域を表示領域の方向に引っ張る力の発生を抑え、接合状態は良好に保たれている。
また、本発明は基板の面積と支柱の本数を調整することによって、より効果を発揮することが可能となる。比較例2は、実施例1と同様に4μmの支柱を1本だけ形成しているが、ガラス基板の面積は実施例1の2倍の4cmと広くなっており、剥がれが発生した。しかし、実施例2では支柱の本数を増やした結果、接合状態は良好となった。
また、接合状態は、接合部を構成するポリイミドの厚さにも依存する。実施例3は、実施例1においてポリイミドを0.2μmに変更したものだが、接合状態は良好であった。一方、ポリイミドを0.1μmにした比較例3では、剥がれが発生した。
10…表示領域、12…額縁領域、20…接合領域、22…端子部、50、51…支柱、52…格子状支柱、110…第1接合部、100…第1基板、200…第2基板、300…有機ELディスプレイ

Claims (11)

  1. 有機EL素子が配置された表示領域と前記表示領域外に設けられた周辺回路を有する有機EL基板と、
    封止基板と、
    を備えた有機ELディスプレイであって、
    前記有機EL基板と前記封止基板とがそれぞれの基板に配置された接合部の接合面で表面活性化接合法により接合された部分を含み、かつ、
    前記有機EL基板上の前記表示領域に前記封止基板と接する支柱が形成されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  2. 前記支柱は、前記有機EL基板の面積の2平方センチメートルあたり1本以上形成されることを特徴とする、請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
  3. 前記接合部の樹脂層はポリイミドで構成され、前記ポリイミドの厚さは0.2μm以上有することを特徴とする、請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
  4. 有機EL素子が配置された表示領域と前記表示領域外に設けられた周辺回路を少なくとも有する有機EL基板と、
    封止基板と、
    を備えた有機ELディスプレイであって、
    前記有機EL基板と封止基板とがそれぞれの基板に配置された接合部の接合面で表面活性化接合法により接合されており、かつ、
    前記表示領域に対応する前記封止基板上に前記有機EL基板と接する支柱が形成されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  5. 前記支柱は、前記封止基板の面積の2平方センチメートルあたり1本以上形成されることを特徴とする、請求項4に記載の有機ELディスプレイ。
  6. 前記接合部の樹脂層はポリイミドで構成され、前記ポリイミドの厚さは0.2μm以上有することを特徴とする、請求項4に記載の有機ELディスプレイ。
  7. 有機EL層が配置された表示領域と前記表示領域に形成された支柱を少なくとも有する有機EL基板と、
    封止基板と、
    を備えた有機ELディスプレイの製造方法であって、
    前記有機EL基板上の第1接合部と前記封止基板上の第2接合部を活性化成分により活性化する工程と、
    前記活性化された前記第1接合部及び前記第2接合部のそれぞれの接合面を接触させて、前記有機EL基板と前記封止基板とを加圧し接合し、有機ELディスプレイを得る工程と、
    を備えることを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法。
  8. 前記第1接合部及び前記第2接合部を活性化成分により活性化する工程と、
    前記有機EL基板と前記封止基板とを加圧し接合する間に、
    前記それぞれの接合面を金属粒子を含む放射粒子で照射して表面処理する第2の工程を有することを特徴とする請求項7に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  9. 前記活性化の工程が、前記それぞれの接合面を、エネルギー粒子を含む放射粒子を照射して表面処理を行う工程であることを特徴とする請求項7又は8のいずれか一項に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  10. 前記支柱は、前記有機EL基板の面積の2平方センチメートルあたり1本以上形成されることを特徴とする、請求項7に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  11. 前記接合部の樹脂層はポリイミドで構成され、前記ポリイミドの厚さは0.2μm以上有することを特徴とする、請求項7に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
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