前記課題を解決するためになされた第1の発明は、店舗内を撮影した映像に基づいて、店員による作業の実施状況を管理する店員作業管理装置であって、店員に実施させる各作業の作業内容の種別ごとに当該作業内容が実施される作業エリアを設定し、前記作業エリアが前記映像に映る場合に、その作業エリアを監視エリアとして設定する作業内容設定部と、前記監視エリアの映像から、店員が前記監視エリアに進入した時間から前記監視エリアを退出した時間までの滞在時間を計測し、計測された前記滞在時間と、前記監視エリアに設定される作業内容ごとの想定作業時間との比較結果により、店員が前記監視エリアに設定された作業内容を行ったことを検知する作業検知部と、を備えた構成とする。
これによると、店員が作業を行う作業エリアは作業項目ごとに異なる場合が多いため、作業エリアに対応する監視エリアを作業項目ごとに設定して、その監視エリアにおける店員の滞在時間と作業内容ごとの想定作業時間とを比較することで、店員の行動を詳しく解析することなく、店員が所定の作業を行ったことを簡単にかつ十分な精度で検知することができる。
また、第2の発明は、前記作業内容設定部は、予め設定された前記監視エリアの候補の中から、ユーザの入力操作に応じて、前記作業内容の種別ごとに前記監視エリアを設定する構成とする。
これによると、作業項目ごとに監視エリアを設定する際のユーザの操作が容易になり、ユーザの利便性を高めることができる。
また、第3の発明は、前記作業内容設定部は、前記作業エリアが前記映像に映らない場合に、その作業エリアで作業を行う際に店員が必ず通過するアクセスエリアに前記監視エリアを設定し、前記作業検知部は、前記監視エリアの映像から、前記アクセスエリアにおいて店員が消失した時間から復帰した時間までを前記監視エリアの滞在時間とし、この滞在時間と、前記監視エリアに設定される作業内容ごとの想定作業時間との比較結果により、店員が前記監視エリアに設定された作業内容を行ったことを検知する構成とする。
これによると、店員が作業を行う作業エリアが売り場以外の場所でカメラを設置せずに済ませたいという理由や、作業エリアにカメラを設置することが難しいという理由により、作業エリアの映像を取得することができない場合でも、作業エリアで作業を行う際に店員が必ず通過するエリア(アクセスエリア)の映像によって店員が作業を行ったことを検知することができる。
また、第4の発明は、前記作業検知部は、前記監視エリアの映像から、前記監視エリア内で検出された各時刻における店員の検出位置の離間距離から店員の移動量を算出し、算出された前記移動量と、前記監視エリアに設定される作業内容ごとの想定移動量との比較結果により、店員が前記監視エリアに設定された作業内容を行ったことを検知する構成とする。
これによると、店員が作業を行う作業エリアは作業項目ごとに異なる場合が多いため、作業エリアに対応する監視エリアを作業項目ごとに設定して、その監視エリアにおける店員の移動量と作業内容ごとの想定移動量とを比較することで、店員の行動を詳しく解析することなく、店員が所定の作業を行ったことを簡単にかつ十分な精度で検知することができる。
また、第5の発明は、前記作業検知部は、前記監視エリアの映像から、前記監視エリア内で検出された各時刻における店員の検出位置の間の移動速度を算出し、算出された前記移動速度の平均値と、前記監視エリアに設定される移動速度との比較結果により、店員が前記監視エリアに設定された作業内容を行ったことを検知する構成とする。
これによると、店員が作業を行う作業エリアは作業項目ごとに異なる場合が多いため、作業エリアに対応する監視エリアを作業項目ごとに設定して、その監視エリアにおける店員の移動速度の平均値と作業内容ごとの移動速度とを比較することで、店員の行動を詳しく解析することなく、店員が所定の作業を行ったことを簡単にかつ十分な精度で検知することができる。
また、第6の発明は、前記作業内容設定部で設定された各作業に関する作業スケジュールを設定する作業スケジュール設定部と、前記作業検知部の検知結果に基づいて、前記作業スケジュールに設定された作業案件ごとの実施状況に関する情報を生成する実施情報生成部と、この実施情報生成部で生成した前記作業案件ごとの実施状況に関する情報を前記作業スケジュールと対比可能に表した表示情報を生成して出力する表示情報生成部と、を備えた構成とする。
これによると、作業の実施状況に関する情報を作業スケジュールと対比可能に表した表示情報が出力されるため、作業スケジュールにしたがって店員が作業を適切に実施しているかどうかをユーザが簡単に把握することができる。
また、第7の発明は、前記表示情報生成部は、対象期間における作業案件ごとの実施状況を一覧表示する一覧表示情報を生成して出力するとともに、その一覧表示情報内の注目する作業案件を選択するユーザの操作に応じて、選択された作業案件に対応する店員の作業状況を映した映像を出力する構成とする。
これによると、一覧表示情報で作業の実施状況を大まかに把握することができる。そして、注目する作業案件については店員の実際の作業状況を映像で確認することができる。このため、作業検知部で行われる作業検知処理の精度が低く、誤検知が発生する場合でも、実際の作業状況を正確に把握することができる。
また、第8の発明は、前記表示情報生成部は、対象期間における作業案件ごとの実施状況を時間帯別に一覧表示する第1の一覧表示情報を出力するとともに、前記第1の一覧表示情報より短い時間帯別に作業案件ごとの実施状況を一覧表示する第2の一覧表示情報を出力し、その第2の一覧表示情報内の注目する作業案件を選択するユーザの操作に応じて、選択された作業案件に対応する前記映像を出力する構成とする。
これによると、短い時間帯に絞り込んで映像を表示させることができるため、店員の実際の作業状況を映した映像を手際よく見つけ出すことができる。
また、第9の発明は、前記表示情報生成部は、表示装置に表示させる実施状況確認画面に関する前記表示情報を生成して出力し、前記実施状況確認画面には、ユーザがコメントを入力するコメント入力部が設けられ、このコメント入力部に入力された前記コメントが他のユーザに通知されるようにした構成とする。
これによると、複数の店舗を総括的に管理する本部側のユーザ(スーパーバイザーなど)から店舗側のユーザ(店長や店員など)にコメントを送って改善事項の指摘および指導を行うことができる。そして、本部側のユーザは、作業の実施状況を確認しながらコメントを入力することができるため、適切なコメントを手際よく作成することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
また、第10の発明は、前記実施情報生成部は、前記作業検知部の検知結果と前記作業スケジュールとを比較して、作業案件ごとに、作業の実施の有無および実施のタイミングの良否に関する評価を行う実施状況評価部を備えた構成とする。
これによると、実施状況評価部での評価結果で、作業の実施の有無および実施のタイミングの良否をユーザが簡単に把握することができる。
また、第11の発明は、店舗内を撮影した映像に基づいて、店員による作業の実施状況を管理する店員作業管理システムであって、店舗内を撮影するカメラと、情報処理装置と、を有し、前記情報処理装置は、店員に実施させる各作業の作業内容の種別ごとに当該作業内容が実施される作業エリアを設定し、前記作業エリアが前記映像に映る場合に、その作業エリアを監視エリアとして設定する作業内容設定部と、前記監視エリアの映像から、店員が前記監視エリアに進入した時間から前記監視エリアを退出した時間までの滞在時間を計測し、計測された前記滞在時間と、前記監視エリアに設定される作業内容ごとの想定作業時間との比較結果により、店員が前記監視エリアに設定された作業内容を行ったことを検知する作業検知部と、を備えた構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、作業内容の種別ごとに設定される監視エリアにおける店員の滞在時間と作業内容ごとの想定作業時間とを比較することで、店員の行動を詳しく解析することなく、店員が所定の作業を行ったことを簡単にかつ十分な精度で検知することができる。
また、第12の発明は、店舗内を撮影した映像に基づいて、店員による作業の実施状況を管理する処理を情報処理装置に行わせる店員作業管理方法であって、店員に実施させる各作業の作業内容の種別ごとに当該作業内容が実施される作業エリアを設定し、前記作業エリアが前記映像に映る場合に、その作業エリアを監視エリアとして設定するステップと、前記監視エリアの映像から、店員が前記監視エリアに進入した時間から前記監視エリアを退出した時間までの滞在時間を計測し、計測された前記滞在時間と、前記監視エリアに設定される作業内容ごとの想定作業時間との比較結果により、店員が前記監視エリアに設定された作業内容を行ったことを検知するステップと、を有する構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、作業内容の種別ごとに設定される監視エリアにおける店員の滞在時間と作業内容ごとの想定作業時間とを比較することで、店員の行動を詳しく解析することなく、店員が所定の作業を行ったことを簡単にかつ十分な精度で検知することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る店員作業管理システムの全体構成図である。この店員作業管理システムは、コンビニエンスストアなどの小売チェーン店などを対象にして構築されるものであり、複数の店舗ごとに設けられたカメラ(撮像装置)1、レコーダ(画像記録装置)2、PC(店員作業管理装置)3、およびモニタ(表示装置)4と、複数の店舗を総括する本部に設けられたPC11、およびモニタ12と、を備えている。
カメラ1は店舗内の適所に設置され、カメラ1により店舗内が撮像され、これにより得られた映像がレコーダ2に録画される。店舗に設置されたPC3や本部に設置されたPC11では、カメラ1で撮像された店舗内の映像をリアルタイムで閲覧することができ、また、レコーダ2に録画された過去の店舗内の映像を閲覧することができ、これにより店舗や本部で店舗内の状況を確認することができる。
本部に設置されたPC11は、店員による作業の実施状況を管理する店員作業管理装置として構成される。また、このPC11で生成した情報は、PC11自身で閲覧することができ、さらに、店舗に設置されたPC3に送信されて、このPC3でも閲覧することができ、PC3,11が閲覧装置として構成される。
次に、コンビニエンスストアを例にして店舗のレイアウトおよびカメラ1の設置状況について説明する。図2は、店舗のレイアウトおよびカメラ1の設置状況を説明する店舗の平面図である。
店舗には、出入口と、陳列棚と、レジカウンタと、調理器具と、が設けられている。陳列棚は、弁当、加工食品、菓子、カップラーメン、生活雑貨などの商品の種類に分けて設置されている。調理器具は、ハンバーガーなどのファーストフードを店内で調理するものであり、レジカウンタの隣には、調理品の陳列棚が設置されている。顧客は、出入口から入店し、陳列棚の間の通路を通って店舗内を移動し、所望の商品が見つかると、その商品を持ってレジカウンタに向かい、レジカウンタで会計(代金の支払い)を済ませた後に出入口から退店する。
また、店舗には、陳列棚やレジカウンタが設けられた売り場とは壁を隔てた状態で、バックヤードと、トイレと、が設けられている。このバックヤードおよびトイレには、売り場に面した位置に出入口が設けられており、この出入口からバックヤードやトイレに出入りすることができるようになっている。
また、店舗には、店舗内を撮像する複数のカメラ1が設置されている。特に、図2(A)に示す例では、カメラ1に、魚眼レンズを用いて360度の撮影範囲を有する全方位カメラが採用されており、図2(B)に示す例では、カメラ1に、所定の画角を有するカメラ、いわゆるボックスカメラが採用されており、これらのカメラ1は、陳列棚やレジカウンタが設けられた売り場の天井に設置され、売り場の全体を撮像することができる。
次に、図1に示した本部に設置されたPC11で行われる店員作業管理処理の概要について説明する。図3は、本部に設置されたPC11の概略構成を示す機能ブロック図である。
PC11は、監視部31と、店員作業管理部32と、を備えている。監視部31は、PC11を、店舗内を監視する監視システムとして機能させるものであり、この監視部31により、カメラ1およびレコーダ2の動作が制御され、また、カメラ1で撮像された店舗内の画像をリアルタイムで閲覧し、また、レコーダ2に録画された店舗内の画像を閲覧することができる。
店員作業管理部32は、カメラ1により店舗内を撮影した映像に基づいて、店員による作業の実施状況を管理するものであり、作業検知部33と、実施情報生成部34と、作業内容設定部35と、作業スケジュール設定部36と、GUI制御部37と、を備えている。
作業内容設定部35では、店員に実施させる各作業の内容、すなわちどこでどのような作業を行うかを設定する処理が行われる。この作業内容設定処理は、ユーザの入力操作に応じて行われ、ユーザが必要とする作業について自由に設定することができる。
作業スケジュール設定部36では、作業内容設定部35で設定された各作業に関する作業スケジュール、すなわち各作業をいつ行うかを設定する処理が行われる。作業スケジュール設定処理は、ユーザの入力操作に応じて行われ、ユーザが自由に設定することができる。作業スケジュールは、作業項目(種別)ごとに作業を実施するタイミング(時間帯)を定めたものであり、この作業スケジュールで実施するタイミングが定められた各作業を、本実施形態では適宜に「作業案件」と呼称する。
作業検知部33では、カメラ1の映像に基づいて、作業内容設定部35で設定された各作業を店員が行ったことを検知する処理が行われる。この作業検知処理については、後に詳しく説明する。
実施情報生成部34は、作業検知部33の検知結果に基づいて、作業の実施状況に関する情報を生成するものであり、実施状況評価部41と、集計部42と、を備えている。
実施状況評価部41では、作業検知部33の検知結果と作業スケジュールとを比較して、作業案件ごとに、作業の実施状況を評価する処理が行われる。この実施状況評価処理では、作業の実施の有無ならびに実施のタイミングの良否を判定し、作業スケジュールに設定された時間帯に作業が実施された場合には適正実施(作業OK)と評価し、作業スケジュールに設定された時間帯より前に作業が実施された場合には前倒しと評価し、作業スケジュールに設定された時間帯より後に作業が実施された場合には遅延と評価し、作業が全く実施されなかった場合には未実施と評価とする。
特に、本実施形態では、作業スケジュールで設定された作業を実施する時間帯と実際に作業が行われた時間帯とを比較して、そのずれが許容範囲(許容時間)に収まるか否かに応じて、作業の実施状況を評価する。すなわち、許容範囲に収まる場合には適正実施(作業OK)と評価し、許容範囲から外れる場合には、時間的な前後関係に応じて遅延または前倒しと評価する。
集計部42では、実施状況評価部41で取得した作業案件ごとの評価結果を所定の集計単位期間(例えば日、週および月)ごとに集計して、その集計単位期間ごとの評価結果を取得する処理が行われる。
ここで、評価結果(作業OK、前倒し、遅延および未実施)には、不適切である度合いが高い順、すなわち未実施、遅延、前倒し、作業OKの順に優先順位が付与されており、集計部42では、集計単位期間内に複数の作業案件がある場合に、優先順位にしたがって、作業案件ごとの評価結果から集計単位期間ごとの評価結果を生成する処理が行われる。すなわち、集計期間内の複数の作業案件ごとの評価結果のうち、優先順位が最も高い評価結果を集計単位期間の評価結果とする。
例えば、未実施の作業案件があると、この他に遅延や前倒しの作業案件があっても、集計単位期間の評価結果は未実施となり、また、未実施の作業案件がなく、遅延および前倒しの作業案件があれば、集計単位期間の評価結果は遅延となる。
GUI制御部37は、モニタ12およびマウスなどの入力デバイス(入力部)13を用いたGUI(Graphical User Interface)により、ユーザの入力操作による入力情報を取得する処理、および実施情報生成部34で生成した情報を出力する処理を行うものであり、入力情報取得部43と、画面情報生成部(表示情報生成部)44と、を備えている。
画面情報生成部44では、作業項目ごとの作業内容などに関する設定事項をユーザに入力させる設定事項入力画面(図7参照)、作業項目ごとの監視エリアをユーザに選択させる監視エリア選択画面(図8参照)、作業の実施状況をユーザが確認するための実施状況確認画面、すなわち対象期間における作業の実施状況を一覧表示する総覧表示画面(図9,12参照)、および作業の実施状況を詳細に表示する詳細表示画面(図10,11,13参照)に関する表示情報を生成する処理が行われ、各画面がモニタ12に表示される。
入力情報取得部43では、モニタ12に表示させた各画面上で入力デバイス13を用いてユーザが行った入力操作に応じて入力情報を取得する処理が行われる。この入力情報取得部43で取得した入力情報に基づいて、作業内容設定部35において各作業の作業内容を設定する処理が行われ、また、作業スケジュール設定部36において作業スケジュールを設定する処理が行われる。
また、各店舗に設置されたPC3は、本部に設置されたPC11と同様に、監視部31と、店員作業管理部32と、を備えている。このPC3の監視部31および店員作業管理部32は、PC11の監視部31および店員作業管理部32と同一の機能を備えたものとすればよいが、特に、PC3の店員作業管理部32は、PC11の店員作業管理部32で生成した情報を受信してモニタ4に表示させる機能を有する。
特に、本実施形態では、後に詳しく説明するが、本部のモニタ12に表示させた画面で、スーパーバイザーなどの本部側のユーザが改善事項の指摘および指導を行うコメントを入力することができるようになっており、この画面で入力されたコメントが店舗のPC3に送信されてモニタ4に表示され、これにより、店長や店員などの店舗側のユーザがコメントを閲覧することができる。
なお、図3に示したPC11の監視部31および店員作業管理部32は、PC11のCPUで監視用および店員作業管理用のプログラムを実行させることで実現される。これらのプログラムは、情報処理装置としてのPC11に予め導入して専用の装置として構成する他、汎用OS上で動作するアプリケーションプログラムとして適宜なプログラム記録媒体に記録して、またネットワークを介して、ユーザに提供されるようにしてもよい。また、PC3の監視部31および店員作業管理部32もPC11と同様である。
次に、作業検知部33で店員が所定の作業を行ったことを検知するために作業内容設定部35で設定される監視エリアについて説明する。図4は、店舗内に設定される監視エリアを示す説明図である。
本実施形態では、作業内容設定部35において、作業項目ごとに店舗内に監視エリアを設定する処理が行われ、作業検知部33において、監視エリアが映った映像に基づいて、店員が作業を行ったか否かを判定する処理が行われる。
ここで、本実施形態では、図2に示したように、カメラ1が売り場にのみ設置されているため、売り場内で店員が作業を行う場合、すなわち店員が作業を行う作業エリアがカメラ1の映像に映る場合には、作業エリアを監視エリアとして、その監視エリアを撮影した映像に基づいて、店員が作業を行ったか否かを判定する。
具体的には、レジカウンタでの接客(会計など)の作業は、レジカウンタに面した作業エリアで行われ、また、調理の作業は、調理器具に面した作業エリアで行われ、これらの作業状況は、売り場に設置されたカメラ1で撮影することができる。そこで、このレジカウンタに面した作業エリアに、レジカウンタでの接客の作業に関する監視エリアA1が設定され、調理器具に面した作業エリアに、調理の作業に関する監視エリアA2が設定される。
また、店内での品出し(商品の補充)および陳列整理の作業は、陳列棚に面した通路(作業エリア)で行われ、これらの作業状況は、売り場に設置されたカメラ1で撮影することができる。そこで、陳列棚に面した通路に、店内での品出しおよび陳列整理の作業に関する監視エリアA3−1〜A3−4が設定される。ここで、通路を挟んで向かい合う陳列棚を1つのグループとして、陳列棚がグループ1〜4にグループ分けされており、監視エリアをグループ単位で選択する。
一方、売り場外に作業エリアがある場合には、店員の作業状況を撮影することができない。すなわち、バックヤードでの品出しの作業では、作業エリアであるバックヤードにカメラがないため、店員の作業状況を撮影することができない。また、トイレ掃除の作業でも、作業エリアであるトイレにカメラがないため、店員の作業状況を撮影することができない。また、ゴミ捨ての作業は、店舗外で行われるが、店舗外にカメラがないため、店員の作業状況を撮影することができない。
一方、バックヤードの出入口の売り場側や、トイレの出入口の売り場側や、店舗の出入口の売り場側は、売り場に設置されたカメラ1により撮像することができ、これらのエリアの映像には、作業を行うために出入口から出入りする店員が映っている。
そこで、本実施形態では、カメラ1の映像に映らない作業エリアで店員が作業を行う場合には、その作業エリアに対するアクセスエリア、すなわち、作業エリアで作業を行う際に店員が必ず通過するエリアを監視エリアに設定する。具体的には、バックヤードの出入口の売り場側に、バックヤードでの品出しの作業に関する監視エリアA4が設定され、トイレの出入口の売り場側に、トイレ掃除の作業に関する監視エリアA5が設定され、店舗の出入口の売り場側に、ゴミ捨ての作業に関する監視エリアA6が設定される。
次に、図3に示した作業検知部33で行われる作業検知処理について説明する。図5は、作業検知部33で行われる作業検知処理の手順を示すフロー図である。
作業検知処理では、まず、監視エリアを撮影したカメラ1の映像から人物を検出する人物検出が行われ(ST101)、次に、この人物検出処理で検出された人物が店員か否かを判定する店員判定が行われ(ST102)、次に、検出された人物が店員である場合には、その人物が作業を行ったか否かを判定する作業判定が行われる(ST103)。そして、店員判定(ST102)および作業判定(ST103)が、映像内で検出された人物が全て終了するまで繰り返される(ST104)。
なお、店員判定(ST102)では、カメラ1が全方位カメラである場合、店員の顔を正面から撮影することが難しいため、着衣の特徴に基づいて店員判定を行えばよい。一方、カメラ1がボックスカメラである場合には、店員の顔を正面から撮影することができるため、顔照合で店員判定を行うことができ、さらに、顔照合と着衣判定との双方を行うようにしてもよい。
図6は、作業検知部33で行われる作業判定処理(図5のST103)の要領を説明する説明図である。
本実施形態では、作業内容設定部35において、作業項目ごとに店舗内に監視エリアを設定し、作業検知部33において、監視エリアの映像から店員を検出して、監視エリアにおける店員の滞在状況に基づいて、店員が作業を行ったか否かを判定する。このとき、カメラ1の映像に映る作業エリアで店員が作業を行う場合と、カメラ1の映像に映らない作業エリアで店員が作業を行う場合とで、以下に説明するように、店員が作業を行ったか否かの判定方法が異なる。
図6(A)は、カメラ1の映像に映る作業エリアで店員が作業を行う場合である。前記のように、レジカウンタでの接客(会計など)、調理、店内での品出しおよび陳列整理の各作業では、店員の作業状況をカメラ1で撮影することができるため、図4に示したように、店員が作業を行う作業エリアを監視エリアとして、この監視エリアを撮影した映像に基づいて店員が作業を行ったか否かを判定する。図6(A)に示す例は、店内での品出しの作業の場合であり、陳列棚に面した通路に監視エリアが設定される。
この場合、本実施形態では、監視エリアにおける店員の滞在時間に基づいて、店員が作業を行ったか否かを判定する。すなわち、店員が監視エリアに進入した場合、店員が作業を開始したものと判断することができ、店員が監視エリアから退出した場合、店員が作業を終了したものと判断することができ、店員が監視エリアに進入した進入時刻(作業開始時刻)から、店員が監視エリアから退出した退出時刻(作業終了時刻)までの経過時間、すなわち作業エリアでの滞在時間(作業時間)を計測し、その滞在時間を想定作業時間と比較して、店員が作業を行ったか否かを判定する。
図6(A)に示す例は、店内での品出しの作業の場合であり、店内での品出しの作業の想定作業時間を20分間とすると、この例では、滞在時間が5分間(1:01:00から1:06:00)となっているため、店員が店内での品出しの作業を行わなかったものと判定する。
また、本実施形態では、監視エリアにおける店員の移動量(動線量)に基づいて、店員が作業を行ったか否かを判定する。この場合、人物検出処理において監視エリア内で検出された各時刻における店員の検出位置の離間距離を積算することで店員の移動量を求め、この移動量を想定移動量と比較して、店員が作業を行ったか否かを判定する。
なお、監視エリアにおける店員の滞在時間および移動量の双方に基づいて、店員が作業を行ったか否かを判定すればよいが、滞在時間および移動量の一方のみで判定を行うようにしてもよい。
また、監視エリアにおける店員の移動速度に基づいて、店員が作業を行ったか否かを判定することもできる。この場合、人物検出処理において監視エリア内で検出された各時刻における店員の検出位置の間での移動速度を求め、この移動速度の平均値を監視エリアにおける移動速度とすればよい。なお、移動速度のみで判定を行うことも可能であるが、滞在時間や移動量と組み合わせて判定を行うようにしてもよい。
図6(B)は、カメラ1の映像に映らない作業エリアで店員が作業を行う場合である。前記のように、バックヤードでの品出し、トイレ掃除およびゴミ捨ての各作業では、店員の作業状況をカメラ1で撮影することができないため、図4に示したように、店員が作業を行う作業エリアに対するアクセスエリアを監視エリアとして、この監視エリアを撮影した映像に基づいて店員が作業を行ったか否かを判定する。図6(B)に示す例は、トイレ掃除の作業の場合であり、トイレの出入口の売り場側に監視エリアが設定される。
この場合、本実施形態では、監視エリアを撮影した映像において店員が消失した事象および復帰した事象をもって、店員が作業を行ったか否かを判定する。すなわち、監視エリアの映像において店員が消失する、すなわち人物検出で店員である人物の検出が途中で失敗した場合、店員が作業エリアに入って作業を開始したものと判断することができ、監視エリアの映像において店員が復帰する、すなわち人物検出で店員である人物が再度出現した場合、店員が作業を終了して作業エリアから出たものと判断することができ、これらの消失事象および復帰事象により店員が作業を行ったか否かを判定することができる。
特に、本実施形態では、監視エリアで店員が消失した事象が発生した消失時刻(作業開始時刻)から、監視エリアで店員が復帰した事象が発生した復帰時刻(作業終了時刻)までの経過時間、すなわち作業エリアでの滞在時間(作業時間)を計測し、その滞在時間を想定作業時間と比較して、店員が作業を行ったか否かを判定する。
図6(B)に示す例は、トイレ掃除の作業の場合であり、トイレ掃除の作業の想定作業時間を10分間とすると、この例では、滞在時間が12分間(1:04:00から1:16:00)となっているため、店員がトイレ掃除の作業を行ったものと判定する。
なお、レジカウンタでの接客(会計)の作業では、店員がPOS端末(販売情報管理装置)を操作することから、POS情報に基づいて、レジカウンタでの接客の作業を検知することができる。また、各作業を行う際の店員の動作から動きモデルを生成し、映像から取得した店員の動作を動きモデルと照合することで、店員の作業を検知することもできる。
次に、図1に示した本部のPC11で設定事項を入力するためにモニタ12に表示される設定事項入力画面について説明する。図7は、モニタ12に表示される設定事項入力画面を示す説明図である。図8は、モニタ12に表示される監視エリア選択画面を示す説明図である。
図7に示す設定事項入力画面は、作業項目ごとの作業内容および作業スケジュールに関する設定事項をユーザに入力させるものであり、この設定事項入力画面には、設定事項入力部51と、設定内容表示部52と、設定ボタン53と、エリア設定ボタン54と、が設けられている。
設定事項入力部51には、作業内容に関する設定事項として、作業番号(NO.)、作業項目、作業エリア、想定作業時間(滞在時間)および想定移動量(動線量)の各入力欄が設けられており、また、作業スケジュールに関する設定事項として、作業時間帯および許容時間の各入力欄が設けられている。
作業番号(NO.)の入力欄には、作業項目に順に付与する通し番号を入力する。作業項目の入力欄には、作業項目の名称を入力する。作業エリアの入力欄には、作業エリア(監視エリア)の名称を入力する。エリア設定ボタン54は、図8に示す監視エリア選択画面を表示させるものである。なお、作業項目および作業エリアの名称は、監視エリア選択画面で選択される監視エリアに対応付けて予め登録され、監視エリアを選択することで自動的に入力されるようにしてもよい。
想定作業時間および想定移動量の入力欄には、作業検知部33において滞在時間および移動量に基づいて店員が作業を行ったか否かを判定する際のしきい値となる想定作業時間および想定移動量を入力する。
作業時間帯の入力欄には、作業を実施する時間帯を入力する。この作業時間帯の入力欄では、全時間帯を指定したり、複数の時間帯を入力したりすることができる。例えば、レジカウンタでの接客や陳列整理の作業では、全時間帯を指定する。調理や店内での品出しの作業では、ピーク時の直前の時間帯(例えば6:00、11:00)とする。なお、画面には開始時間が表示されているが、ポップアップ画面等を用いて、1時間単位や10分間単位等で時間帯の選択ができるようにしてもよい。
許容時間の入力欄には、実施状況評価部41において作業の実施状況を評価する際の許容時間を入力する。
設定内容表示部52は、設定事項入力部51に入力された内容を一覧表示するものである。設定ボタン53は、設定事項入力部51で入力された情報に基づく設定処理を作業内容設定部35および作業スケジュール設定部36に実行させるものであり、設定事項入力部51で1つの作業項目の入力が終了して、設定ボタン53を操作すると、作業内容設定部35において作業内容を設定する処理が行われ、また、作業スケジュール設定部36において作業スケジュールを設定する処理が行われ、その設定内容が設定内容表示部52に表示される。
図8に示す監視エリア選択画面は、作業項目ごとの監視エリアをユーザに選択させるものであり、この監視エリア選択画面には、監視エリア表示選択部61と、エリア設定ボタン62と、が設けられている。
監視エリア表示選択部61には、店舗の配置図上に監視エリアの候補が表示されており、マウスなどの入力デバイス13を用いて、監視エリアの候補のいずれかを選択する操作を行うことができる。図8に示す例は、ゴミ捨ての作業の場合であり、店舗の出入口の売り場側に設定された監視エリアを選択する。監視エリア表示選択部61で監視エリアを選択してエリア設定ボタン62を操作すると、図7に示す設定事項入力画面に戻る。
なお、本実施形態では、図7に示した設定事項入力画面および図8に示した監視エリア選択画面を本部のモニタ12に表示させるようにしており、これによりスーパーバイザーなどの本部側のユーザが入力操作を行うことができるが、これらの画面を店舗のモニタ4に表示させて、店長や店員などの店舗側のユーザが入力操作を行うようにしてもよい。
次に、スーパーバイザーなどの本部側のユーザが、店員による作業の実施状況を確認するために、本部のモニタ12に表示される実施状況確認画面について説明する。図9は、本部のモニタ12に表示される総覧表示画面を示す説明図である。図10および図11は、本部のモニタ12に表示される詳細表示画面を示す説明図である。
図9に示す総覧表示画面は、対象期間における作業の実施状況を一覧表示するものであり、この総覧表示画面には、凡例表示部71と、一覧表示部72と、計画設定ボタン73と、が設けられている。
一覧表示部72には、対象期間における作業の実施状況を表す一覧表が表示されている。この一覧表では、対象期間である作業日を時間帯に分けて時間帯ごとの作業の実施状況を作業スケジュールに対比させて作業項目ごとに表示されている。すなわち、この一覧表には、作業項目ごとに計画欄および結果欄が設けられており、計画欄に作業スケジュールが表示され、結果欄に作業の実施状況が表示されており、作業スケジュールと対比して作業の実施状況を確認することができる。
具体的には、計画欄では、作業スケジュールにおいて作業を実施するように設定された各作業案件に対応するセルに「実施」の文字が表示されている。また、結果欄では、計画欄に表示された作業案件ごとに作業の実施状況に関する評価結果を示す文字、すなわち「作業OK」、「前倒し」、「遅延」および「未実施」の文字が表示されている。
凡例表示部71は、一覧表示部72の一覧表の各セルに施される強調表示(塗りつぶし色など)を説明するものである。
また、この総覧表示画面では、作業スケジュールを変更することができる。具体的には、まず、作業スケジュールの変更内容(作業項目および時間帯)に応じて、該当するセルの範囲を選択して右クリックすると、「実施する」および「実施しない」の選択肢が表示され、そのいずれかを選択すると、該当するセルの表示が選択された内容に変更される。
このように作業スケジュールを変更する操作を行って、計画設定ボタン73を操作すると、作業スケジュール設定部36において作業スケジュールを更新する処理が行われ、以降の処理に反映される。
このように、作業の実施状況を一覧表示する総覧表示画面で作業スケジュールを変更することができるため、作業の実施状況を見ながら簡単に作業スケジュールを修正することができる。
図10および図11に示す詳細表示画面は、作業の実施状況を詳細に表示するものであり、この詳細表示画面には、凡例表示部81と、一覧表示部82と、映像表示部83と、コメント入力部84と、入力ボタン85と、が設けられている。
この詳細表示画面は、図9に示した総覧表示画面の一覧表示部72で1つのセルを選択する操作(マウスのクリック)で表示され、図10に示す詳細表示画面は、図9に示した総覧表示画面においてトイレ掃除の作業項目で「遅延」の表示があるセルを選択した場合に表示されるものであり、図11に示す詳細表示画面は、図9に示した総覧表示画面において店内での品出しの作業項目で「未実施」の表示があるセルを選択した場合に表示されるものである。
図10および図11に示す詳細表示画面の一覧表示部82には、図9の一覧表示部72で選択されたセルに対応する作業項目および時間帯に関する詳細な作業の実施状況を表す一覧表が表示される。この一覧表には、図9に示した総覧表示画面と同様に、計画欄および結果欄が設けられており、計画欄に作業スケジュールが表示され、結果欄に作業の実施状況が表示されており、作業スケジュールと対比して作業の実施状況を確認することができる。また、図9の一覧表示部72では、作業の実施状況が1時間単位で表示されるが、図10および図11の一覧表示部82には、作業の実施状況が10分単位で表示されており、店員が作業を行った時間帯を詳細にユーザが把握することができる。
図10および図11の一覧表示部82で1つのセルを選択する操作(マウスのクリック)を行うと、選択されたセルに対応する時間帯の映像が映像表示部83に表示される。ここで、一覧表示部82では、図9に示した総覧表示画面の一覧表示部72より短い時間帯単位で作業の実施状況が表示されている。すなわち、図9の一覧表示部72は1時間単位であるのに対して、図10および図11の一覧表示部82は10分単位であり、短い時間帯に絞り込んで映像を表示させることができ、これにより、店員が映った映像を速やかに見つけることができる。
特に、図10に示す例は、一覧表示部82で「遅延」の表示があるセルを選択した場合であり、この場合、作業項目(ここではトイレ掃除の作業)に対応する監視エリアの映像に店員が映っているものと考えられるため、その監視エリアの映像を映像表示部83に表示させる。ここで、店員がトイレ掃除の作業を実際に実施した場合には、映像表示部83に表示される映像には、店員がトイレの出入口からトイレに入り、その後店員がトイレから出てきた状況が映っており、これにより、トイレ掃除の作業を店員が実際に実施したか否かを確認することができる。
なお、評価結果が前倒しの場合にも、遅延の場合と同様に、店員が作業を実施していることから、監視エリアの映像に店員が映っているものと考えられるため、一覧表示部82で「前倒し」の表示があるセルを選択すると、作業項目に対応する監視エリアの映像が表示される。ここで、監視エリアの映像において、顧客が映ることがあるが、この場合、顧客のプライバシーを保護する形で表示することが望ましい。例えば、店員以外と認識された人物を消去したり、店員以外と認識された人物の顔画像にモザイク処理を施すなどして個人が特定されないようにすると良い。店員以外と認識された人物を消去した場合には、店員のみが映る映像となり、店員の作業の実施状況が把握しやすくなるなどの利点がある。
一方、図11に示す詳細表示画面は、一覧表示部82で「未実施」の表示があるセルを選択した場合であり、この場合、作業項目(ここでは店内での品出しの作業)に対応する監視エリアの映像に店員が映っていないものと考えられるため、監視エリアの映像を表示しても意味がない。そこで、映像表示部83には店舗全体の映像が表示される。これにより、作業スケジュールで設定された時間帯に店員が何をしていたかを確認することができる。
なお、図11に示す例では、1つのカメラ1(全方位カメラ)による店舗全体が映った映像を表示しているが、店舗全体が映った映像がない場合には、複数のカメラ1の映像を順次切り替えて表示させたり、複数のカメラ1の映像を並べて表示して、その中から1つのカメラ1の映像を選択して表示させたりするようにしてもよい。
また、図10および図11に示す詳細表示画面において、計画欄において「実施」の表示があるセルを選択すると、選択されたセルに対応する時間帯の映像が表示されるようにしてもよい。この場合、結果欄のセルに「実施」の表示がないと、該当する時間帯に監視エリアに店員がいないものと考えられることから、監視エリアの映像を表示しても意味がないため、映像表示部83には店舗全体の映像が表示される。これにより、作業スケジュールに設定された時間帯に店員が作業を実施することができなかった理由を把握することができる。
コメント入力部84には、キーボードなどの入力デバイス13を用いて、店長や店員などの店舗側のユーザに対する改善事項の指摘および指導を行うコメントをユーザが入力する。スーパーバイザーなどの本部側のユーザは、一覧表示部82で作業の実施状況を確認し、さらに、映像表示部83に表示された映像を見ることで、店員が実際に作業を行ったか否かを確認することができ、これに基づいてコメントを入力する。図10に示す例では、トイレ掃除の作業で遅延となっていることから、トイレ掃除の作業を指定されたタイミングで行うように指導するコメントを入力する。また、図11に示す例では、店内での品出しの作業が未実施となっていることから、店内での品出しの作業を確実に実施するように指導するコメントを入力する。
コメント入力部84にコメントを入力して入力ボタン85を操作すると、コメントが店舗のPC3に送信されて、コメントを表示した画面がモニタ4に表示され、これにより店長や店員などの店舗側のユーザがコメントを閲覧することができる。
なお、本実施形態では、図9に示す総覧表示画面および図10および図11に示す詳細表示画面を本部のモニタ12に表示させるようにしており、これによりスーパーバイザーなどの本部側のユーザが閲覧や入力操作を行うことができるが、これらの画面を店舗のモニタ4に表示させて、店長や店員などの店舗側のユーザが閲覧や入力操作を行うことができるようにしてもよい。
次に、スーパーバイザーなどの本部側のユーザが、対象期間における集計単位期間(例えば日、週および月)ごとの実施状況を確認するために、本部のモニタ12に表示される実施状況確認画面について説明する。図12は、本部のモニタ12に表示される総覧表示画面を示す説明図である。図13は、本部のモニタ12に表示される詳細表示画面を示す説明図である。
図12に示す総覧表示画面は、対象期間である作業月における作業の実施状況を一覧表示するものであり、この総覧表示画面には、凡例表示部91と、一覧表示部92と、計画設定ボタン93と、が設けられている。
一覧表示部92には、対象期間における作業の実施状況を表す一覧表が表示されている。この一覧表では、対象期間を1カ月とし、集計単位期間を1日としており、1カ月における日ごとの実施状況が作業項目ごとに表示されている。また、この一覧表には、図9に示した総覧表示画面と同様に、計画欄および結果欄が設けられており、計画欄に作業スケジュールが表示され、結果欄に作業の実施状況が表示されており、作業スケジュールと対比して作業の実施状況を確認することができる。
この場合、集計部42において、作業案件ごとの評価結果から集計単位期間で作業日ごとの評価結果を取得する処理が行われ、この日ごとの評価結果が一覧表示部92に表示される。また、評価結果(作業OK、前倒し、遅延および未実施)には、不適切である度合いが高い順、すなわち未実施、遅延、前倒し、作業OKの順に優先順位が付与されており、1日における複数の作業案件ごとの評価結果のうち、優先順位が最も高い評価結果をその日の評価結果としている。
例えば、ある作業項目における1日の全ての作業案件が適切に実施された場合には、該当するセルに「作業OK」が表示される。また、ある作業項目における1日の全ての作業案件のうち、前倒し、遅延、未実施が1回でも発生した場合は、該当するセルに「前倒し」、「遅延」、「未実施」のうちの優先順位が最も高い評価結果を示す文字が表示される。
なお、図12に示す例では、対象期間を1カ月として、作業月における日ごとの評価結果を表示するようにしたが、対象期間を1週間として、1週間における日ごとの評価結果を表示するようにしてもよい。
図13に示す詳細表示画面は、作業の実施状況を詳細に表示するものであり、この詳細表示画面には、図10および図11に示した詳細表示画面と同様に、凡例表示部101と、一覧表示部102と、映像表示部103と、コメント入力部104と、入力ボタン105と、が設けられている。
この詳細表示画面は、図12に示した総覧表示画面の一覧表示部92で1つのセルを選択する操作(マウスのクリック)で表示され、ここで選択されたセルに対応する日および作業項目に関する詳細な作業の実施状況を表す一覧表が、図13の一覧表示部102に表示される。この一覧表には、図12に示した総覧表示画面と同様に、計画欄および結果欄が設けられており、計画欄に作業スケジュールが表示され、結果欄に作業の実施状況が表示されており、作業スケジュールと対比して作業の実施状況を確認することができる。また、図12の一覧表示部92では、作業の実施状況が日単位で表示されるが、図13の一覧表示部102では、作業日の作業の実施状況が時間帯単位で表示されており、店員が作業を行ったタイミングを詳細にユーザが把握することができる。
図12の一覧表示部102で1つのセルを選択する操作(マウスのクリック)を行うと、選択されたセルに対応する時間帯の映像が映像表示部103に表示される。図13に示す例は、一覧表示部102で「遅延」の表示があるセルを選択した場合であり、この場合、図10に示した例と同様に、作業項目(ここでは店内での品出しの作業)に対応する監視エリアの映像が表示される。
なお、一覧表示部102で「前倒し」の表示があるセルを選択すると、図13に示した例と同様に、作業項目に対応する監視エリアの映像が映像表示部103に表示される。また、一覧表示部102で「未実施」の表示があるセルを選択すると、図11に示した例と同様に、店舗全体の映像が映像表示部103に表示される。
コメント入力部104では、図10および図11に示したコメント入力部84と同様に、キーボードなどの入力デバイス13を用いて、店長や店員などの店舗側のユーザに対する改善事項の指摘および指導を行うコメントをユーザが入力する。図13に示す例では、店内での品出しの作業が遅延となっていることから、店内での品出しの作業に関する指導を行うコメントを入力する。
コメント入力部104にコメントを入力して入力ボタン105を操作すると、コメントが店舗のPC3に送信されて、コメントを表示した画面がモニタ4に表示され、これにより店長や店員などの店舗側のユーザがコメントを閲覧することができる。
なお、本実施形態では、図12に示す総覧表示画面および図13に示す詳細表示画面を本部のモニタ12に表示させるようにしており、これによりスーパーバイザーなどの本部側のユーザが閲覧することができるが、これらの画面を店舗のモニタ4に表示させて、店長や店員などの店舗側のユーザが閲覧や入力操作を行うことができるようにしてもよい。
次に、スーパーバイザーなどの本部側のユーザから店長や店員などの店舗側のユーザに改善事項の指摘および指導を行うコメントを通知するコメント通知画面について説明する。図14は、店舗のモニタ4に表示されるコメント通知画面を示す説明図である。
このコメント通知画面は、店舗側のユーザに作業の実施状況を提示して改善事項の指摘および指導を行うものであり、本部のPC11の店員作業管理部32で生成されて、店舗のPC3に送信されて店舗のモニタ4に表示され、店長や店員などの店舗側のユーザが閲覧する。本部のPC11では、このコメント通知画面と同様の構成の入力画面をモニタ12に表示させ、スーパーバイザーなどの本部側のユーザがコメントを入力する。
図14に示すコメント通知画面には、凡例表示部111と、一覧表示部112と、コメント表示部113と、確認ボタン114と、が設けられている。
一覧表示部112には、対象期間における作業の実施状況を表す一覧表が表示されている。この一覧表では、図9に示した総覧表示画面と同様に、対象期間である1日を時間帯に分けて時間帯ごとの作業の実施状況を作業スケジュールに対比させて作業項目ごとに表示されている。
コメント表示部113には、作業が適切に実施されたことの評価、ならびに改善事項の指摘および指導を行うコメントが表示される。図14に示す例では、店内での品出しの作業項目が遅延となっており、また、調理の作業項目が未実施となっていることから、店内での品出しの作業および調理の作業を確実に実施するように指導するコメントが表示されている。
店長や店員などの店舗側のユーザがコメント表示部113に表示されたコメントを見て確認ボタン114を操作すると、コメント通知画面を閲覧した旨の通知が本部のPC11に送信され、これにより、店舗側のユーザがコメント通知画面を閲覧したことを本部側のユーザが把握することができる。
なお、図10および図11に示した詳細表示画面のコメント入力部84、ならびに図13に示した詳細表示画面のコメント入力部104で入力されたコメントも、店舗のモニタ4において図14に示した例と同様のコメント通知画面に表示させればよいが、図14に示した一覧表示部112を省略して、コメントのみを表示させることも可能である。
以上のように本実施形態では、作業の実施状況に関する情報を作業スケジュールと対比可能に表した表示情報(一覧表示部72,82,92,102,112)が出力されるため、作業スケジュールにしたがって店員が作業を適切に実施しているかどうかをユーザが簡単に把握することができる。
また、本実施形態では、作業内容設定部35において、作業項目ごとに店舗内に監視エリアを設定し、作業検知部33において、監視エリアの映像から店員を検出して、監視エリアにおける店員の滞在状況に基づいて、店員が作業を行ったことを検知するようにしており、店員が作業を行う作業エリアは作業項目ごとに異なる場合が多いため、作業エリアに対応する監視エリアを作業項目ごとに設定して、その監視エリアにおける店員の滞在状況を取得することで、店員の行動を詳しく解析することなく、店員が所定の作業を行ったことを簡単にかつ十分な精度で検知することができる。
また、本実施形態では、作業内容設定部35において、予め設定された監視エリアの候補の中から作業項目に対応する監視エリアを選択するユーザの入力操作に応じて、作業項目ごとの監視エリアを設定するようにしたため、作業項目ごとに監視エリアを設定する際のユーザの操作が容易になり、ユーザの利便性を高めることができる。
また、本実施形態では、作業内容設定部35において、映像に映らない作業エリアで店員が作業を行う場合に、その作業エリアに対するアクセスエリアに監視エリアを設定し、作業検知部33において、監視エリアを撮影した映像において店員が消失した事象および復帰した事象をもって、店員が作業を行ったことを検知するようにしたため、店員が作業を行う作業エリアが売り場以外の場所でカメラを設置せずに済ませたいという理由や、作業エリアにカメラを設置することが難しいという理由により、作業エリアの映像を取得することができない場合でも、店員が作業を行ったことを検知することができる。
また、本実施形態では、画面情報生成部44において、対象期間における作業案件ごとの実施状況を一覧表示する一覧表示情報(一覧表示部72,82)を生成して出力するとともに、その一覧表示情報内の注目する作業案件を選択するユーザの操作に応じて、選択された作業案件に対応する店員の作業状況を映した映像を出力するようにしたため、一覧表示情報で作業の実施状況を大まかに把握することができる。そして、注目する作業案件については店員の実際の作業状況を映像で確認することができる。このため、作業検知部33で行われる作業検知処理の精度が低く、誤検知が発生する場合でも、実際の作業状況を正確に把握することができる。
また、本実施形態では、画面情報生成部44において、対象期間における作業案件ごとの実施状況を時間帯別に一覧表示する第1の一覧表示情報(総覧表示画面の一覧表示部72,92)を出力するとともに、第1の一覧表示情報より短い時間帯別に作業案件ごとの実施状況を一覧表示する第2の一覧表示情報(詳細表示画面の一覧表示部82,102)を出力し、その第2の一覧表示情報内の注目する作業案件を選択するユーザの操作に応じて、選択された作業案件に対応する映像を出力するようにしたため、短い時間帯に絞り込んで映像を表示させることができるため、店員の実際の作業状況を映した映像を手際よく見つけ出すことができる。
また、本実施形態では、実施状況確認画面(詳細表示画面)に、ユーザがコメントを入力するコメント入力部84,104が設けられ、このコメント入力部84,104に入力されたコメントが他のユーザに通知されるようにしたため、スーパーバイザーなどの本部側のユーザから店長や店員などの店舗側のユーザにコメントを送って改善事項の指摘および指導を行うことができる。そして、本部側のユーザは、作業の実施状況を確認しながらコメントを入力することができるため、適切なコメントを手際よく作成することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
また、本実施形態では、実施状況評価部41において、作業検知部33の検知結果と作業スケジュールとを比較して、作業案件ごとに、作業の実施の有無および実施のタイミングの良否に関する評価を行うようにしたため、作業の実施の有無および実施のタイミングの良否をユーザが簡単に把握することができる。
また、本実施形態では、集計部42において、実施状況評価部41で取得した作業案件ごとの評価結果(作業OK、前倒し、遅延および未実施)を所定の集計単位期間ごとに集計して、その集計単位期間ごとの評価結果を取得するようにしたため、任意の集計単位期間(例えば日、週および月)における作業の実施状況を即座に把握することができる。
また、本実施形態では、集計部42において、集計単位期間内に複数の作業案件がある場合に、不適切である度合いが高い順に評価結果に付与された優先順位にしたがって、作業案件ごとの評価結果から集計単位期間ごとの評価結果を取得するようにしたため、1つの集計単位期間における複数の作業案件のうち、最も問題のある作業案件の評価結果がその集計単位期間の評価結果となるため、問題のある期間を即座に把握することができる。
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。また、上記実施形態に示した本発明に係る店員作業管理装置、店員作業管理システムおよび店員作業管理方法の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
例えば、本実施形態では、コンビニエンスストアなどの小売店舗の例について説明したが、このような小売店舗に限定されるものではなく、小売店舗以外の業務形態の店舗に適用することも可能である。
また、本実施形態では、作業スケジュールを、作業を実施するタイミング(時間帯)を1時間単位で定めたものとしたが、この作業を実施するタイミングは、1時間より短い期間、例えば10分単位で定めるようにしてもよく、また、作業を実施するタイミングを1時間より長い期間、例えば1日単位で定める、すなわち実施する時刻を定めずに1日に実施する回数のみを定めたものとしてもよい。
また、本実施形態では、図8に示したように、作業項目ごとの監視エリアを設定する際に、監視エリア選択画面上に監視エリアの候補を表示させてユーザに選択させるようにしたが、マウスなどの入力デバイス13を用いて、店舗の配置図上に監視エリアをユーザが自由に入力することができるようにしてもよい。この場合、例えば、監視エリアを多角形で設定する場合には、入力デバイス13を用いて監視エリアの頂点を入力すればよい。また、監視エリアの外周を表す線をマウスで描画して、そのマウスの軌跡で監視エリアを設定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図10、図11および図13に示したように、店員の実際の状況を確認するために映像を出力するようにしており、この映像は動画および静止画のいずれでもよく、さらに、店舗に設置されたマイクロホンによる音声を出力するようにしてもよい。
また、本実施形態では、作業スケジュールの一例を示したが、この作業スケジュールを店員ごとに設定するようにしてもよい。これにより、店員の熟練度に応じた作業スケジュールの設定が可能になる。この場合、作業検知部33において人物認識により店員を識別するようにすればよい。また、作業スケジュールを曜日で異なるように設定してもよい。
また、本実施形態では、店員作業管理を行うPC11に作業検知部33を設けたが、この作業検知の機能の一部、例えば人物検出の機能を、別の装置で構成し、あるいはカメラ1に一体化して人物検出機能付き撮像装置として構成することも可能である。
また、本実施形態では、店員作業管理に必要な処理を、本部に設けられたPC11に行わせるようにしたが、この必要な処理を、図1に示したように、店舗に設けられたPC3や、クラウドコンピューティングシステムを構成するクラウドコンピュータ21に行わせるようにしてもよい。また、必要な処理を複数の情報処理装置で分担し、IPネットワークやLANなどの通信媒体を介して、複数の情報処理装置の間で情報を受け渡すようにしてもよい。この場合、必要な処理を分担する複数の情報処理装置で店員作業管理システムが構成される。
このような構成では、店員作業管理に必要な処理のうち、少なくとも演算量が大きな処理、例えば作業検知処理を、本部に設けられた装置に行わせるようにするとよい。このように構成すると、残りの処理で必要となる情報のデータ量が少なくて済むため、残りの処理を本部とは異なる場所に設置された情報処理装置に行わせるようにしても、通信負荷を軽減することができるため、広域ネットワーク接続形態によるシステムの運用が容易になる。
また、店員作業管理に必要な処理のうち、少なくとも演算量が大きな処理、例えば作業検知処理を、クラウドコンピュータ21に行わせるようにしてもよい。このように構成すると、残りの処理は演算量が小さくて済むため、店舗などのユーザ側に高速な情報処理装置が不要となり、ユーザが負担するコストを軽減することができる。
また、クラウドコンピュータ21に必要な処理の全部を行わせ、あるいは、必要な処理のうちの少なくとも表示情報生成処理をクラウドコンピュータ21に分担させるようにしてもよく、このように構成すると、店舗や本部に設けられたPC3,11の他に、スマートフォン22やタブレット端末23などの携帯型端末でも、表示情報(総覧表示画面など)を表示することができるようになり、これにより店舗や本部の他に外出先などの任意の場所で店員による作業の実施状況を確認することができる。
また、本実施形態では、本部に設置されたPC11に店員作業管理に必要な処理を行わせるとともに、PC11で生成した表示情報(総覧表示画面など)を、このPC11のモニタ12や店舗に設置されたPC3のモニタ4で閲覧するようにしたが、表示情報の閲覧装置をPC3,11とは別に設けることも可能であり、例えば、前記のようにスマートフォン22やタブレット端末23などの携帯型端末を表示情報の閲覧装置とする他に、店舗に設置された販売情報管理装置に表示情報の閲覧装置としての機能を付加することも可能である。また、表示情報をプリンタで出力することも可能である。
また、本実施形態では、本部に設置されたPC11に店員作業管理に必要な処理を行わせるとともに、このPC11で設定事項の入力などの必要な入力操作を行うようにしたが、店舗に設置されたPC3で必要な入力操作を行うようにしたり、あるいはPC3,11とは別の情報処理装置、例えばタブレット端末23などの携帯型端末で必要な入力操作を行うようにしたりしてもよい。