JP2015140909A - スラスト軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸1に設けられたスラストカラーに対向して配置されるトップフォイル10と、トップフォイル10の、スラストカラーに対向する面と反対の面側に配置されたバックフォイル20と、バックフォイル20の、トップフォイル10側と反対の側に配置されて、バックフォイル20を支持する円環板状のベースプレート30とを備える。バックフォイル20は、ベースプレート30の周方向に配列された複数のバックフォイル片21によって形成され、トップフォイル10は、バックフォイル片21の上にそれぞれ配設された複数のトップフォイル片11によって形成され、バックフォイル片21とトップフォイル片11との間には、それぞれ制振フォイル片51が配置されている。
【選択図】図3
Description
この構成によれば、トップフォイル片の形状を従来のものから変更することなく、従来と同じに形成することができる。また、制振フォイル片の端辺をトップフォイル固定辺とともにベースプレートに固定しているので、点付溶接などによるフォイル片の固定点の数を従来と同じにすることができ、したがって製造コストの上昇を抑えることができる。
この構成によれば、制振フォイル片をその下流側の端辺でトップフォイル固定辺とともにベースプレートに固定しているので、トップフォイル片が流体潤滑膜を介してスラストカラーに押し込まれた際、トップフォイル片と制振フォイル片とが互いに対向する方向、すなわち相反する方向に滑るようになり、したがってこれらトップフォイル片と制振フォイル片との間の相対的な滑り量が増加し、より高い摩擦減衰効果が発揮される。
この構成によれば、フォイル間の滑りによる摩擦減衰に加えて、制振合金からなる制振フォイル片が曲げ変形することによる減衰効果も加わり、したがってより高い摩擦減衰効果が発揮される。
この構成によれば、トップフォイル片における回転軸の回転方向下流側がより容易にかつ円滑に傾斜できるようになり、したがって、例えばスラストカラーが一対のトップフォイルによって挟み込まれているような場合に、始動トルクが低減する。また、回転軸が回転を開始した後も、トップフォイル片が容易にかつ円滑に傾斜するため、最適傾斜角が得られ易くなり、負荷能力が向上する。
この構成によれば、バンプフォイル片によってトップフォイル片を弾性的に支持することができる。また、回転軸の回転方向下流側の端辺がベースプレートに固定されるバンプフォイル固定辺とされているので、トップフォイル片に発生する流体潤滑膜の圧力が軸受隙間の狭い側、すなわち回転軸の回転方向下流側で高くなるようにするべく、この回転方向下流側を高い剛性で支持することができ、これによって負荷能力を高めることができる。
この構成によれば、この傾斜面上にバックフォイル片を介してトップフォイル片を配設することにより、トップフォイル片の高さを傾斜面に沿って精度よく変化させることができる。また、その際にバックフォイル片については、高さを変化させることなく一定の高さに作製すればよく、したがって加工コストを抑えることができる。
このようにすれば、バンプフォイル片によってトップフォイル片を弾性的に支持することができる。
図1は、本発明のスラスト軸受が適用されるターボ機械の一例を模式的に示す側面図であり、図1中符号1は回転軸、2は回転軸の先端部に設けられたインペラ、3は本発明に係るスラスト軸受である。
また、インペラ2は静止側となるハウジング5内に配置されており、ハウジング5との間にチップクリアランス6を有している。
また、回転軸1には、スラストカラー4より中央側に、ラジアル軸受7が設けられている。
図3(a)〜(c)に示すようにバックフォイル20は、ベースプレート30の周方向に配列された6枚のバックフォイル片21によって形成されている。これらバックフォイル片21は、ベースプレート30の各支持領域31上にそれぞれ配置され、これによってベースプレート30の周方向に配列されている。また、これらバックフォイル片21は、後述する制振フォイル片51やトップフォイル片11より僅かに小さく形成され、したがって図3(a)に示すようにベースプレート30上にてスラストカラー4側に露出することなく、トップフォイル片11および制振フォイル片51に覆われている。
なお、ベースプレート30への端辺21aの固定については、スポット溶接以外にも、例えばネジ止めなどによって行うことができる。
また、トップフォイル片11は、図3(b)に示すようにその固定辺12より回転方向下流側が曲げ加工されており、これによってバンプフォイル片21の山部23の高さ分の段差を吸収できるように立ち上げられ、回転方向下流側がバンプフォイル片21の山部23上に載せられている。一方、回転方向下流側の端辺(トレーリングエッジ)側は、制振フォイル片51と同様に、固定されることなく単にバンプフォイル片21の山部23上に支持された自由端となっている。
本実施形態では、図2に示したようにスラスト軸受3Aをスラストカラー4の両側に設けている。このようにスラストカラー4の両側に設けることにより、スラスト方向の移動量を極力抑えることができる。すなわち、スラスト移動量を小さくすることにより、図1に示したチップクリアランス6を狭くすることができ、これによって流体性能を向上することができる。
これに対して本実施形態では、前記したようにトップフォイル片11に薄肉部14を形成しているため、始動トルクが小さくなる。
その際、トップフォイル片11と制振フォイル片51との接触面、および制振フォイル片51とバンプフォイル片21との接触面でそれぞれ滑りによる摩擦を生じることにより、トップフォイル片11が押し込まれる動きが抑えられる。また、押し込まれたトップフォイル片11が元の状態に戻る際にも、滑りによる摩擦を生じる。
また、トップフォイル片11の、固定辺12に対する回転方向下流側の近傍部に薄肉部14を形成しているので、荷重がかかった際に回転方向下流側がより容易にかつ円滑に傾斜できるようになり、したがって始動トルクが低減する。また、回転軸1が回転を開始した後も、トップフォイル片11が容易にかつ円滑に傾斜するため、最適傾斜角が得られ易くなり、負荷能力が向上する。
第2実施形態のスラスト軸受3B(3)が第1実施形態のスラスト軸受3A(3)と主に異なるところは、図4(a)〜(c)に示すように、制振フォイル50を構成する制振フォイル片55の、回転軸1の回転方向下流側の端辺が、固定辺56としてトップフォイル片11の固定辺12とともに、ベースプレート30に固定されている点である。
さらに、制振フォイル片55の固定辺56を回転方向下流側に隣り合うトップフォイル片11の固定辺12とともにベースプレート30に固定しているので、トップフォイル片11が流体潤滑膜を介してスラストカラー4に押し込まれた際、上下に重ねられたトップフォイル片11と制振フォイル片55とはその自由端側が互いに対向する方向、すなわち相反する方向(互いの固定辺の方向)に滑るようになる。したがって、これらトップフォイル片11と制振フォイル片55との間の相対的な滑り量が増加するため、より高い摩擦減衰効果が得られるようになる。
第3実施形態のスラスト軸受3C(3)が第1実施形態のスラスト軸受3A(3)と主に異なるところは、図5(a)〜(c)に示すように、ベースプレート30の前記支持領域31に傾斜面32を形成した点と、バンプフォイル片21の山部23の高さを、全て同一にした点である。
例えば、前記実施形態ではバックフォイル20や制振フォイル50、トップフォイル10をそれぞれ6つのバックフォイル片21(バンプフォイル片21)、制振フォイル片51(55)、トップフォイル片11で構成し、したがってベースプレート30の支持領域31もこれに合わせて6つ形成(設定)したが、バックフォイル片21(バンプフォイル片21)や制振フォイル片51(55)、トップフォイル片11は、複数であれば5つ以下でも7つ以上であってもよい。その場合に、支持領域31の数についても、バックフォイル片21(バンプフォイル片21)や制振フォイル片51(55)、トップフォイル片11の数に合わせるのはもちろんである。
また、トップフォイル片や制振フォイル片、バンプフォイル片の形状、支持領域上へのトップフォイル片やバンプフォイル片の配置、傾斜面の傾斜方向など、前記実施形態以外にも種々の形態を採用することが可能である。
Claims (8)
- 回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受であって、
前記スラストカラーに対向して配置されるトップフォイルと、
前記トップフォイルの、前記スラストカラーに対向する面と反対の面側に配置されたバックフォイルと、
前記バックフォイルの、前記トップフォイル側と反対の側に配置されて、該バックフォイルを支持する円環板状のベースプレートと、を備え、
前記バックフォイルは、前記ベースプレートの周方向に配列された複数のバックフォイル片によって形成され、
前記トップフォイルは、前記バックフォイル片の上にそれぞれ配設された複数のトップフォイル片によって形成され、
前記バックフォイル片と前記トップフォイル片との間には、それぞれ制振フォイル片が配置されていることを特徴とするスラスト軸受。 - 前記トップフォイル片は、前記回転軸の回転方向上流側の端辺が、前記ベースプレートに固定されるトップフォイル固定辺とされており、
前記制振フォイル片は、前記回転軸の回転方向上流側の端辺、あるいは回転方向下流側の端辺が、前記トップフォイル片の前記トップフォイル固定辺とともに、前記ベースプレートに固定されていることを特徴とする請求項1記載のスラスト軸受。 - 前記制振フォイル片は、前記回転軸の回転方向下流側の端辺が、前記トップフォイル片の前記トップフォイル固定辺とともに、前記ベースプレートに固定されていることを特徴とする請求項2記載のスラスト軸受。
- 前記制振フォイル片が、制振合金によって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスラスト軸受。
- 前記トップフォイル片は、前記トップフォイル固定辺に対する前記回転軸の回転方向下流側の近傍部に、他部に比べて薄肉に形成された薄肉部を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスラスト軸受。
- 前記バックフォイル片は、山部と谷部とを交互に形成した波板状のバンプフォイル片によって形成されるとともに、前記回転軸の回転方向下流側の端辺が前記ベースプレートに固定されるバンプフォイル固定辺とされ、かつ、前記山部の配列方向が前記バンプフォイル固定辺と交差して配置され、
前記山部は、その高さが前記回転軸の回転方向上流側から前記回転軸の回転方向下流側に向かうに連れて高くなるように形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスラスト軸受。 - 前記ベースプレートには、前記バックフォイル片を支持する各支持領域に、前記トップフォイル片の前記トップフォイル固定辺側から前記回転軸の回転方向下流側の端辺側に向かうに連れて高さが増加する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスラスト軸受。
- 前記バックフォイル片は、山部と谷部とを交互に形成した波板状のバンプフォイル片によって形成されるとともに、前記山部の配列方向が前記傾斜面の傾斜方向に一致するように配置されていることを特徴とする請求項7記載のスラスト軸受。
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