JP6428335B2 - スラスト軸受 - Google Patents

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本発明は、スラスト軸受に関する。
従来、高速回転体用の軸受として、回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受が知られている。このようなスラスト軸受としては、フォイル式のスラスト軸受、すなわちスラストフォイル軸受がよく知られている。スラストフォイル軸受は、振動や衝撃によって発生する回転軸の動き(スラストカラーの軸方向変位と傾き)を吸収できるように、軸受面が柔軟なフォイル(金属製薄板)によって形成されており、軸受面の下に軸受面を柔軟に支持するためのフォイル構造を有している。
このようなスラストフォイル軸受の一形態として、円環板を周方向に分割して切り出した複数の円輪(円環)片形状のフォイル片(トップフォイル片)によって軸受面を形成し、これらトップフォイル片をそれぞれ波板状のフォイル片(バンプフォイル片)で支持した構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。各々のトップフォイル片(厚さ100μm前後)はスラストカラーに対して傾斜角を有しており、これによってスラストカラーとトップフォイル片との間の軸受隙間は側面視くさび形に形成される。すなわち、スラストカラー(回転軸)の回転方向上流側から下流側に向かうに連れて軸受隙間が狭くなるように形成されている。従って、軸受隙間が広い側(上流側)から軸受隙間が狭い側(下流側)に向かってスラストカラーが回転すると、潤滑流体がくさびに流れ込み、負荷能力が発揮される。
トップフォイル片は、スラストカラー(回転軸)の回転方向上流側の端辺のみがベースプレートに固定されており、軸受荷重が増加すると、この固定辺(上流側の端辺)を支点としてトップフォイルは水平になるように傾斜を緩め、傾斜角が0.1°程度になったとき最大負荷能力を発生する。一方、バンプフォイル片は山の稜線がトップフォイル片の下流側端辺に平行になるように配置され、バンプフォイル片におけるスラストカラー(回転軸)の回転方向下流側の端辺のみがベース板に固定されている。すなわち、上流側の端辺は自由端となっている。
バンプフォイル片がこのように配置され、固定されているのは、トップフォイル片に発生する流体潤滑膜の圧力が軸受隙間の狭い側(下流側)で高くなるためであり、該部位を高い剛性で支持することにより、負荷能力を高めるためである。
特開平10−331847号公報
ところで、上記のスラストフォイル軸受構造では、トップフォイルの下流側端辺側で軸受隙間が最も狭くなっており、高負荷時にはサブミクロンに達することがある。従って、この下流側端辺側ではスラストカラーとの接触が起こり易くなっており、接触が起こると軸受寿命が低下し、最悪の場合焼き付きが生じてしまう。これを避けるには、トップフォイルの下流側端辺とスラストカラーとを常に平行にしておくのが望ましい。
しかしながら、一般にスラストフォイル軸受では、その外周端側でのスラストカラーの周速が内周端側での周速に比べて速いため、外周端側では流体潤滑膜の圧力(膜圧)が高くなり、内周端側では周速が遅いため圧力(膜圧)が低くなる。このため、トップフォイルの外周端側はバンプフォイル側へ押し込まれてスラストカラーから離れる方向へ動くものの、内周端側はスラストカラーの側へ起き上がることにより、スラストカラーに近づいてしまう。その結果、トップフォイルの下流側端辺側では、内周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなり、高負荷に耐えられなくなる。
そこで、従来のスラスト軸受では、例えば特許文献1に示されるようにバンプフォイルを径方向にて複数に分割している。そして、このように分割したバンプフォイルにおいて、(a)内周側に剛性の低いバンプフォイルを配置したり、(b)内周側のバンプフォイルの山の高さを低くすることにより、トップフォイル内周側の支持力を弱め、内周端側の起き上がりを抑制することが考えられている。
しかし、このようにバンプフォイルを分割し調整してスラスト軸受を製造しようとしても、例えば(a)では、バンプフォイルの内周側と外周側とでそれぞれの剛性を適切にコントロールするのが難しく、従ってバンプフォイルの設計が困難である。また、(b)では、バンプフォイルの山の高さを10μmレベルでコントロールする必要があるため製作が難しく、特に量産時での品質の確保が困難である。
また、前述したように一般的には、トップフォイルの下流側端辺側における外周端側は内周端側に比べて周速の違いにより、バンプフォイル側へ押し込まれてスラストカラーから離れる方向へ動く。しかしながら、トップフォイルの外周側では、その外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになるため、この外周側端部での流体潤滑膜の膜圧は、その他の外周側(外周端から内寄りに入ったところ)に比べて低くなる。このため、トップフォイルはその内周端だけでなく、外周端でも起き上がりが生じ、この外周端も局所的に摩耗するおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、トップフォイルがスラストカラーに接触するのを抑制して高負荷に耐え得るようにした、スラスト軸受を提供することにある。
本発明のスラスト軸受は、回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受であって、上記スラストカラーに対向して配置されるトップフォイルと、上記トップフォイルの、上記スラストカラーに対向する面と反対側の面に対向して配置されて、該トップフォイルを支持するバックフォイルと、上記バックフォイルの、上記トップフォイル側と反対の側に配置されて、該バックフォイルを支持する円環板状のベースプレートと、を備え、上記バックフォイルは、上記ベースプレートの周方向に配列された複数のバックフォイル片によって形成され、上記トップフォイルは、上記バックフォイル片の上にそれぞれ配設された複数のトップフォイル片によって形成され、上記トップフォイル片には、上記回転軸の回転方向上流側に、上記ベースプレートに固定される固定部が形成されるとともに、上記バックフォイル片に対向する面が薄厚化されたことにより、その内周端側と外周端側とに、これら内周端側と外周端側との間の中間領域より薄肉に形成された内周端側薄肉部と外周端側薄肉部とが形成されていることを特徴とする。
このスラスト軸受によれば、上記バックフォイル片に対向する面が薄厚化されたことにより、トップフォイル片の内周端側と外周端側とに、中間領域より薄肉に形成された内周端側薄肉部と外周端側薄肉部とが形成されているので、これら内周端側および外周端側は中間領域に比べて撓み易くなる。
また、内周端側では内周端側薄肉部によってバックフォイル片との間に隙間が形成されるので、内周端側はバックフォイル片側に押し込まれ易くなっている。その際、内周端側では上記隙間によってバックフォイル片によりトップフォイル片をスラストカラー側へ押し返す力が生じにくくなる。よって、該スラスト軸受の内周端側でのスラストカラーの周速が外周端側での周速に比べて遅いことにより、内周端側がスラストカラーの側へ起き上がり易くなることが抑制され、トップフォイル片がスラストカラーに近づいてこれに接触することが防止される。
また、外周端側でも外周端側薄肉部によってバックフォイル片との間に隙間が形成されるので、外周端側もバックフォイル片側に押し込まれ易くなっている。その際、外周端側でも上記隙間によってバックフォイル片によりトップフォイル片をスラストカラー側へ押し返す力が生じにくくなる。よって、トップフォイルの外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになることにより、外周端側がスラストカラーの側へ起き上がり易くなることが抑制され、トップフォイル片がスラストカラーに近づいてこれに接触することが防止される。
また、上記スラスト軸受においては、上記内周端側薄肉部が、上記外周端側薄肉部より径方向の幅が広いことが好ましい。
スラスト軸受の内周端側でのスラストカラーの周速が外周端側での周速に比べて遅いことによる、スラストカラー側へ起き上がり易くなるトップフォイルの内周端側の部位は、トップフォイルの外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになることによる、スラストカラー側へ起き上がり易くなるトップフォイルの外周端側の部位より広い。従って、内周端側薄肉部の方を外周端側薄肉部より径方向の幅を広くすることで、トップフォイル片がスラストカラーに近づいてこれに接触することがより効果的に防止される。
また、上記スラスト軸受においては、上記内周端側薄肉部が、上記外周端側薄肉部より薄いことが好ましい。
前述したように、スラストカラー側へ起き上がり易くなる部位は、内周端側の方が外周端側より広い。従って、内周端側薄肉部の方を外周端側薄肉部より薄くすることで、内周端側薄肉部の方のバックフォイル片との間の上記隙間が外周端側薄肉部の方の上記隙間より大きくなるため、トップフォイル片がスラストカラーに近づいてこれに接触することがより効果的に防止される。
また、上記スラスト軸受において、上記バックフォイル片は、その周方向の一方の側が径方向にて複数に分割され、且つ、他方の側が径方向にて連続する連続辺とされていることが好ましい。
このスラスト軸受によれば、バックフォイル片の周方向の一方の側を径方向にて複数に分割しているので、内周側の分割された片と外周側の分割された片とがそれぞれ独立して動作するようになり、従って、トップフォイル片がバックフォイル片側へ押し込まれたときに生じるバックフォイル片の変形が径方向において滑らかになる。よって、バックフォイル片による支持力も径方向においてより滑らかに変化する。また、バックフォイル片の分割された各片が、連続辺によって一体化されているため、バックフォイル片のベースプレート上への固定が容易になる。
また、上記スラスト軸受において、上記トップフォイルの上記固定部および該固定部の近傍部で該固定部より上記回転軸の回転方向下流側に、上記中間領域より薄肉に形成された固定部側薄肉部が形成されていることが好ましい。
このようにすれば、トップフォイル片における回転軸の回転方向下流側が容易にかつ円滑に傾斜できるようになり、従って、例えばスラストカラーが一対のトップフォイルによって挟み込まれているような場合に、始動トルクが低減する。また、回転軸が回転を開始した後も、トップフォイル片が容易にかつ円滑に傾斜するため、最適傾斜角が得られ易くなり、負荷能力が向上する。
また、上記スラスト軸受において、上記トップフォイル片は、円環板をその周方向にて分割した円弧板状に形成されており、上記内周端側薄肉部と上記中間領域との境界線は、上記トップフォイル片の内周端の周方向に沿う円弧状になっており、上記外周端側薄肉部と上記中間領域との境界線は、上記トップフォイル片の外周端の周方向に沿う円弧状になっていることが好ましい。
このようにすれば、トップフォイル片の内周端側や外周端側がスラストカラーの側へ起き上がり易くなることが、回転軸の回転方向上流側から下流側にかけてほぼ均一に抑制され、従ってトップフォイル片がスラストカラーに近づいてこれに接触することがより確実に防止される。
また、上記スラスト軸受において、上記トップフォイルの上記固定部は、上記回転軸の回転方向上流側に位置する直線状の固定辺を含んで形成され、上記バックフォイル片は、山部と谷部とを交互に形成した波板状のバンプフォイル片によって形成されるとともに、上記山部の配列方向が上記固定辺と交差して配置され、上記トップフォイル片には、上記バンプフォイル片に対向する面の一部が薄厚化されたことにより、上記谷部に対向する箇所に、上記山部に対向する箇所に比べて薄肉に形成された谷部側薄肉部が形成されていることが好ましい。
流体潤滑膜の圧力がトップフォイル片に作用すると、トップフォイル片の内周端と外周端に挟まれた径方向の中央部では、バックフォイル側への撓みが大きくなり、同部位において流体潤滑膜の圧力が低下して負荷能力が下がる。
そこで、谷部側薄肉部を形成することにより、トップフォイル片は回転軸の回転方向上流側から下流側にかけて、すなわち周方向において曲がり易くなるものの、径方向では曲がり難さ(曲げ剛性)が維持される。従って、トップフォイル片を形成する板材を従来に比べて厚いものを用いることにより、周方向においては従来と同様の曲がり易さを維持しつつ、径方向では従来より曲がり難くして中央部でのバックフォイル側への撓みを抑制することができる。
本発明のスラスト軸受にあっては、トップフォイル片の内周端側と外周端側とに、中間領域より薄肉に形成された内周端側薄肉部と外周端側薄肉部とを形成しているので、内周端側や外周端側がスラストカラー側へ起き上がり易くなることを抑制することができる。従って、本発明のスラスト軸受によれば、トップフォイル片がスラストカラーに近づいてこれに接触することを防止することができるとともに、高負荷に耐え得る優れたものとなる。
本発明に係るスラスト軸受が適用されるターボ機械の一例を示す模式図である。 本発明に係るスラスト軸受の第1実施形態を示す図であり、スラストカラーを挟んだ状態のスラスト軸受の側面図である。 本発明に係るスラスト軸受の第1実施形態の平面図である。 本発明に係るスラスト軸受の第1実施形態を示す図であり、(a)は図3のA−A線矢視断面図、(b)はトップフォイル片の構成を説明するためにその裏面を示す平面図と側面図とを対応させた説明図、(c)はバンプフォイル片の平面図、(d)はトップフォイル片及びバンプフォイル片の形状を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。 本発明に係るスラスト軸受の第2実施形態を説明するための図であり、(a)はトップフォイル片の裏面を示す平面図と側面図とを対応させた説明図、(b)は図4(a)に対応する位置での断面図である。 本発明に係るスラスト軸受の第3実施形態を説明するための図であり、(a)はトップフォイル片の裏面を示す平面図と側面図とを対応させた説明図、(b)は(a)のC−C線矢視断面図、(c)は谷部側薄肉部の説明図である。 本発明に係るスラスト軸受の第4実施形態を示す図であり、(a)はスラスト軸受の平面図、(b)は(a)のD−D線矢視断面図、(c)はトップフォイル片及びバンプフォイル片の形状を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。
以下、図面を参照して本発明のスラスト軸受を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明のスラスト軸受が適用されるターボ機械の一例を模式的に示す側面図であり、図1中符号1は回転軸、2は回転軸の先端部に設けられたインペラ、3は本発明に係るスラスト軸受である。
回転軸1には、インペラ2が形成された側にスラストカラー4が固定されており、このスラストカラー4には、このスラストカラー4を挟持するようにして一対のスラスト軸受3が配置されている。
また、インペラ2は静止側となるハウジング5内に配置されており、ハウジング5との間にチップクリアランス6を有している。
また、回転軸1には、スラストカラー4より中央側に、ラジアル軸受7が設けられている。
「第1実施形態」
図2、図3、図4(a)〜(d)は、このような構成のターボ機械に適用されたスラスト軸受3の第1実施形態を示す図であり、図2はスラストカラー4を挟んだ状態の要部を断面視したスラスト軸受3の側面図である。また、図3はスラスト軸受3の平面図、図4(a)は図3のA−A線矢視断面図、図4(b)はトップフォイル片の構成を説明するためにその裏面を示す平面図と側面図とを対応させた説明図、図4(c)はバンプフォイル片の平面図、図4(d)はトップフォイル片及びバンプフォイル片の形状を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。
図2に示すようにこの第1実施形態では、スラスト軸受3A(3)はスラストカラー4を挟んでその両側にそれぞれ配置されている。これら一対のスラスト軸受3A(3)、スラスト軸受3A(3)は、共に同じ構成となっており、回転軸1に固定された円板状のスラストカラー4に対向して配置された円環状(円筒状)のもので、回転軸1に外挿されて設けられている。
スラスト軸受3A(3)は、スラストカラー4に対向して配置されたトップフォイル10と、このトップフォイル10の、スラストカラー4に対向する面と反対側の面に対向して配置されたバックフォイル20と、このバックフォイル20の、トップフォイル10側と反対の側に配置された円環板状のベースプレート30と、を備えて構成されている。本実施形態では、一対のスラスト軸受3A(3)、スラスト軸受3A(3)の、それぞれのベースプレート30、ベースプレート30間に、二点鎖線で示す円筒状の軸受スペーサ40が挟持されており、ベースプレート30、ベースプレート30は締結ボルト41によって軸受スペーサ40を介して連結されている。また、一方のベースプレート30は、その外面が締結ボルト41によってハウジング5に固定されており、従って一対のスラスト軸受3A(3)、スラスト軸受3A(3)は、スラストカラー4を挟んだ状態で締結ボルト41によってハウジング5に固定されている。
ベースプレート30は、図3に示すように厚さ数mm程度の円環板状で金属製のもので、その外周部に上記締結ボルト41を挿通するための貫通孔42を複数(本実施形態では8個)形成している。このベースプレート30には、スラストカラー4側の面に、バックフォイル20やトップフォイル10を支持するための支持領域が設けられている。本実施形態では、後述するようにバックフォイル20、トップフォイル10がいずれも複数枚(6枚)のバックフォイル片21、トップフォイル片11によって形成されており、従ってベースプレート30は、その内周部を周方向に6つに分けて6つの支持領域31を形成している。なお、本実施形態ではこれら6つの支持領域31は設計上の領域であり、隣り合う支持領域31、支持領域31間には特に境界線等は設けられていない。
これら各支持領域31には、図2に示したようにそれぞれバックフォイル片21、トップフォイル片11がこの順に配置され、支持されている。
図3に示すようにバックフォイル20は、ベースプレート30の周方向に配列された6枚のバックフォイル片21によって形成されている。これらバックフォイル片21は、ベースプレート30の各支持領域31上にそれぞれ配置され、これによってベースプレート30の周方向に配列されている。また、これらバックフォイル片21は、後述するトップフォイル片11より僅かに小さく形成され、従って図3に示すようにベースプレート30上にてスラストカラー4側に露出することなく、トップフォイル片11に覆われている。
これらバックフォイル片21からなるバックフォイル20は、フォイル(薄板)で形成されてトップフォイル10(トップフォイル片11)を弾性的に支持する。このようなバックフォイル20としては、例えば、バンプフォイル、特開2006−57652号公報や特開2004−270904号公報などに記載されているスプリングフォイル、特開2009−299748号公報などに記載されているバックフォイルなどが用いられる。なお、特開2006−57652号公報や特開2004−270904号公報に記載されているスプリングフォイル、特開2009−299748号公報に記載されているバックフォイルは、ラジアル軸受に用いられるフォイルであるが、これらを平面状に展開して円環板状に形成すれば、スラスト軸受に用いられるフォイルとなる。
本実施形態では、図3、図4(a)、(c)、(d)に示すようにバックフォイル20がバンプフォイルからなり、従ってバックフォイル片21はバンプフォイル片からなっている。バンプフォイル片21(バックフォイル片)は、厚さ数百μm程度のフォイル(金属製薄板)がプレス成形によって波板状に成形されたもので、図4(c)に示すように全体が扇形の頂点側を切り欠いて内周側、外周側をそれぞれ円弧状とした、略台形状(円弧板状)に形成されている。
このように波板状に成形されたバンプフォイル片21は、図4(a)、(d)に示すようにベースプレート30に接する谷部22と、トップフォイル片11に接する山部23とが交互に配置されて形成されている。谷部22は、バンプフォイル片21(バックフォイル片21)の最底部を形成しており、山部23の頂部(稜線)は、バンプフォイル片21(バックフォイル片21)の最頂部を形成している。ここで、バンプフォイル片21は、図3に示す回転軸1の回転方向下流側の端辺21aが、バンプフォイル片21の固定辺(バンプフォイル固定辺)となっている。上記谷部22及び山部23は、図4(c)に示すようにバンプフォイル片21の固定辺21a(端辺)と直交する方向に配列されている。すなわち、谷部22、山部23の配列方向は、上記固定辺21aと直交する方向に形成されており、従って谷部22、山部23は、上記固定辺21aと平行に延在するように形成されている。
これら谷部22及び山部23は、それぞれほぼ等ピッチで形成されている。また、山部23の高さは、上記固定辺21aと反対の側から固定辺21a側に向かって、すなわち図3中に矢印で示す回転軸1(スラストカラー4)の回転方向の下流側に向かうに連れて、図4(a)、(d)に示すように所定の高さずつ高くなるように形成されている。
また、バンプフォイル片21は、図4(c)に示すようにその周方向の一方の側、本実施形態では回転軸1の回転方向下流側の端辺21aと反対の側が、径方向にて4つ(複数)に等分割され、他方の側となる端辺21a(固定辺)が径方向にて連続する連続辺とされている。このように端辺21aと反対の側が4つに分割されたことで、バンプフォイル片21は、4つの帯状のバンプフォイル分割片21b(バックフォイル分割片)と固定辺21a(連続辺)とによって構成されている。
4つの帯状のバンプフォイル分割片21b間には、それぞれスリット21cが形成されている。これらスリット21cは、本実施形態ではバンプフォイル20の外周が形成する円と同心円の一部を形成する円弧状に形成されている。これらスリット21cの幅は、径方向に隣り合うバンプフォイル分割片21bが互いに干渉することなく、独立して動けるような寸法に設定されている。このような幅のスリット21cによってバンプフォイル片21の一方の側が4つの帯状のバンプフォイル分割片21bに分割されていることにより、これら4つの帯状のバンプフォイル分割片21bはそれぞれ独立して動くようになっている。
なお、バンプフォイル片21としては、端辺21a(固定辺)と反対の側が複数に分割されていれば、4分割でなく、2又は3分割、あるいは5分割以上であってもよい。また、等分割されることなく、従って各分割片の径方向における幅が互いに異なって形成されていてもよい。例えば、後述するトップフォイル片11の内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16の直下に配置されるバンプフォイル分割片21bについては、対応する内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16の径方向における幅とほぼ等しい幅に形成してもよい。
また、本実施形態では、バンプフォイル片21はその4つのバンプフォイル分割片21b間において、特に内周側と外周側との間で剛性を変えることなく全てがほぼ均一な剛性に形成されている。また、同じ列上にある山部23の頂部の高さも、ほぼ同じに形成されている。これにより、バンプフォイル片21の設計や製作が容易になっている。
また、バンプフォイル片21は、回転軸1の回転方向下流側の端辺21aが、後述するトップフォイル片11における回転軸1の回転方向下流側の端辺11aと平面視した状態でほぼ一致する位置に配置されている。そして、このバンプフォイル片21は、端辺21aとなる谷部22の形成方向に沿って、ベースプレート30にスポット溶接(点付溶接)され、固定されている。
その際、バンプフォイル片21の端辺21aは、全体が連続する一つの谷部22によって形成されているため、この谷部22全体を容易に溶接することができる。従って、バンプフォイル片21は、溶接による固定が容易に行えるようになっている。
なお、ベースプレート30への端辺21aの固定については、スポット溶接以外にも、例えばネジ止めなどによって行うことができる。
トップフォイル10も、図3に示すようにベースプレート30の周方向に配列された6枚のトップフォイル片11によって形成されている。これらトップフォイル片11は、円環板をその周方向にて分割した円弧板状、すなわち、厚さ数百μm程度の金属製の薄板(フォイル)により、扇形の頂点側を切り除いて内周端側、外周端側をそれぞれ円弧状とした、略台形状に形成されている。トップフォイル片11の内周端側の円弧が形成する円は、トップフォイル片11の外周端側の円弧が形成する円と同心円になるように形成される。このような形状のトップフォイル片11は、ベースプレート30の各支持領域31上にて上記バンプフォイル片21を覆ってそれぞれ配置され、ベースプレート30の周方向に等間隔で配列されて全体として略円環板状に配置されたことにより、トップフォイル10を形成している。
なお、トップフォイル片11は支持領域31より一回り小さく形成されるとともに、バンプフォイル片21より僅かに大きく形成されている。これによってトップフォイル片11は、互いに干渉することなく、また、バンプフォイル片21をスラストカラー4側に露出させることなく、その上面を覆った状態で各支持領域31に配置されている。ただし、本発明はこれに限定されることなく、トップフォイル片11をバンプフォイル片21と同じ大きさに形成してもよく、あるいは、バンプフォイル片21より小さく形成してもよい。
また、このトップフォイル片11は、回転軸1(スラストカラー4)の回転方向上流側に固定部13を有しており、この固定部13によってベースプレート30に固定されている。この固定部13でのベースプレート30への固定は、上記バンプフォイル片21の端辺21aと同様に、スポット溶接(点付溶接)によってなされている。なお、この固定部13のベースプレート30への固定についても、スポット溶接以外に、例えばネジ止めなどで行うこともできる。
固定部13は、回転軸1(スラストカラー4)の回転方向上流側に設けられていれば、面状であっても直線状であってもよいが、本実施形態ではある程度の幅を有する直線状に形成された、固定辺12となっている。
また、このトップフォイル片11は、図4(a)に示すようにその固定辺12側が曲げ加工されており、これによってバンプフォイル片21の山部23の高さ分の段差を吸収できるように立ち上げられ、固定辺12より端辺11a側が山部23上に載せられている。一方、端辺11a(トレーリングエッジ)側は、固定されることなく単にバンプフォイル片21の山部23上に支持された自由端となっている。
また、このトップフォイル片11には、上記バックフォイル片21に対向する面がエッチング加工等によって削られ、薄厚化されたことにより、図4(b)中にドット地で示すように、その内周端側と外周端側とに、これら内周端側と外周端側との間の中間領域14より薄肉に形成された内周端側薄肉部15と外周端側薄肉部16とが形成されている。これによってトップフォイル片11は、その内周端側、外周端側がいずれもこれらの間の中間領域14に比べて撓み易くなっている。
本実施形態では、内周端側薄肉部15と中間領域14との境界線15a、および外周端側薄肉部16と中間領域14との境界線16a、すなわち段差部が、いずれもトップフォイル片11の内周端や外周端の周方向に沿う円弧状になっている。すなわち、内周端側薄肉部15と中間領域との境界線15aは、トップフォイル片11の内周端の周方向に沿う円弧状になっており、外周端側薄肉部16と中間領域14との境界線16aは、トップフォイル片11の外周端の周方向に沿う円弧状になっている。
なお、本実施形態では、上記の固定辺12(固定部13)やこれに隣接して配置された曲げ加工部分、さらにはこの加工部分の近傍部17には、内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部が形成されていない。これは、図2に示すように固定辺12側では、バンプフォイル片21の山部23の高さが低いことでトップフォイル片11がスラストカラー4に接触するおそれがないためである。そして、このように近傍部17に薄肉部を形成しないことにより、トップフォイル片11を製造するにあたって、固定辺12側をプレスで曲げ加工する際に加工部分の近傍となる近傍部17を掴むことが容易になり、加工上有利になる。薄肉部を形成しない近傍部17の形成範囲としては、例えば図4(a)、(d)に示すように固定辺12側から、少なくともパンプフォイル片21において最も固定辺12側に近い山部23の頂点にかかる程度とされる。
図4(b)に示すように内周端側薄肉部15の、トップフォイル片11における径方向の幅W2については、トップフォイル片11全体の径方向の幅W1に対して0.2倍〜0.5倍、すなわち、W2=0.2W1〜0.5W1とするのが、後述するようにトップフォイル片11の内周端側の、スラストカラー4側への起き上がりを抑制しつつ、トップフォイル片11の中間領域14側を従来と同様に機能させることができ、好ましい。
一方、外周端側薄肉部16の、トップフォイル片11における径方向の幅W3については、トップフォイル片11全体の径方向の幅W1に対して0.05倍〜0.3倍、すなわち、W3=0.05W1〜0.3W1とするのが、後述するようにトップフォイル片11の外周端側の、スラストカラー4側への起き上がりを抑制しつつ、トップフォイル片11の中間領域14側を従来と同様に機能させることができ、好ましい。
ただし、これら内周端側薄肉部15、外周端側薄肉部16については、内周端側薄肉部15の径方向の幅W2の方を、外周端側薄肉部16の径方向の幅W3より広く(大きく)形成するのが好ましい。スラスト軸受3の内周端側でのスラストカラー4の周速が外周端側での周速に比べて遅いことによる、スラストカラー4側へ起き上がり易くなるトップフォイル10の内周端側の部位の広さは、トップフォイル10の外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになることによる、スラストカラー4側へ起き上がり易くなるトップフォイル10の外周端側の部位の広さより広い。従って、内周端側薄肉部15の方を外周端側薄肉部16より径方向の幅を広くすることで、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することがより効果的に防止される。
また、内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16の削り量、すなわち内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16の肉厚(厚さ)と中間領域14の肉厚に対する差は、10〜30μm程度であればよい。このような肉厚分を削って中間領域14の厚さt1に対し内周端側薄肉部15の厚さt2や外周端側薄肉部16の厚さt3を10〜30μm程度薄く形成することにより、この差分に相当する隙間を、上記バンプフォイル片21の山部23の頂点との間に形成することができる。この隙間は、スラストカラー4とトップフォイル片11との間に形成される流体潤滑膜に影響するものであり、この流体潤滑膜も充分薄厚であるため、上記隙間は10〜30μm程度でも充分に機能する。また、この程度の削り量であれば、トップフォイル片11の内周端側や外周端側を極端に曲がり易くすることなく、スラストカラー4側への起き上がりを良好に抑制することが可能になる。
ただし、これら内周端側薄肉部15、外周端側薄肉部16については、内周端側薄肉部15の厚さt2の方を、外周端側薄肉部16の厚さt3より薄く形成するのが好ましい。
前述したように、トップフォイル片11におけるスラストカラー側へ起き上がり易くなる部位の広さは、内周端側の方が外周端側より広い。従って、内周端側薄肉部15の方を外周端側薄肉部16より薄くすることで、内周端側薄肉部15の方のバンプフォイル片21との間の上記隙間が外周端側薄肉部16の方の上記隙間より大きくなるため、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することがより効果的に防止される。
本実施形態では、図3に示すようにバンプフォイル片21の谷部22及び山部23が、トップフォイル片11の固定辺12と交差する方向に配列するように、バンプフォイル片21を配置している。従って、これら谷部22や山部23は、トップフォイル片11の固定辺12や端辺11aの長さ方向に延在し、特に端辺11aに対しては平行に延在している。よって、このバンプフォイル片21上に載置されることによってトップフォイル片11は、上記山部23の配列方向に沿って固定辺12側から端辺11a側に向かうに連れて、漸次ベースプレート30の内面から遠ざかるようにバンプフォイル片21の山部23によって設定された初期傾斜角で傾斜して配置されている。
ここで、初期傾斜角とは、荷重がゼロのときのベースプレート30に対するトップフォイル片11の傾斜角である。また、傾斜角とは、図4(d)に示すようにバンプフォイル片21の山部23の高さ増加量によって決まる角度(傾斜角、勾配)θである。従って、荷重が増すとバンプフォイル片21の山部23がベースプレート30側に押し込まれ、全体が平坦化することにより、傾斜角θは初期傾斜角より小さくなる。
次に、このような構成からなるスラスト軸受3A(3)の作用について説明する。
本実施形態では、図2に示したようにスラスト軸受3Aをスラストカラー4の両側に設けている。このようにスラストカラー4の両側に設けることにより、スラスト方向の移動量を極力抑えることができる。すなわち、スラスト移動量を小さくすることにより、図1に示したチップクリアランス6を狭くすることができ、これによってターボ機械としての流体性能を向上することができる。
スラスト方向の移動量を極力抑えるため、両スラスト軸受3Aはスラストカラー4に対して大きな隙間が生じないように近接して設置される。これにより、両スラスト軸受3Aのトップフォイル片11(トップフォイル10)はスラストカラー4に対して若干押し付けられた状態になる。
このような状態で回転軸1が回転し、スラストカラー4が回転を始めると、スラストカラー4とトップフォイル片11は擦れ合いつつ、両者の間に形成されたくさび形の空間に周囲流体が押し込まれる。そして、スラストカラー4が一定の回転速度に達すると、両者の間に流体潤滑膜が形成される。この流体潤滑膜の圧力によってトップフォイル片11(トップフォイル10)はバンプフォイル片21(バックフォイル20)側へ押し付けられ、スラストカラー4はトップフォイル片11との接触状態を脱し、非接触で回転するようになる。
スラスト荷重が加わると、トップフォイル片11はさらにバンプフォイル片21側へ押され、トップフォイル片11の傾斜角θは浅く(小さく)なる。その際、スラスト軸受3A(3)ではその外周端側でのスラストカラー4の周速が内周端側での周速に比べて速いため、周速が遅い内周端側ではトップフォイル片11がスラストカラー4側へ起き上がり易くなっている。また、トップフォイル片11の外周側では、その外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになるため、この外周側端部での流体潤滑膜の膜圧は、その他の外周側(外周端から内寄りに入ったところ)に比べて低くなる。このため、トップフォイル片11はその内周端だけでなく、外周端でも起き上がり易くなっている。
しかし、本実施形態では、トップフォイル片11の内周端側に内周端側薄肉部15が形成され、外周端側に外周端側薄肉部16が形成されているので、これら内周端側、外周端側が中間領域14に比べて撓み易くなっている。また、内周端側では内周端側薄肉部15によってバンプフォイル片21との間に隙間が形成され、外周端側でも外周端側薄肉部16によってバンプフォイル片21との間に隙間が形成されるので、内周端側、外周端側が共にバンプフォイル片21側に押し込まれ易くなっている。
その際、内周端側では、上記隙間によってバンプフォイル片21がトップフォイル片11をスラストカラー4側へ押し返す力が生じにくくなっている。よって、該スラスト軸受3A(3)の内周端側でのスラストカラー4の周速が外周端側での周速に比べて遅いことにより、内周端側がスラストカラー4側へ起き上がり易くなることが抑制される。すなわち、内周端側はスラストカラー4側へ起き上がり難くなっている。また、外周端側でも上記隙間によってバンプフォイル片21がトップフォイル片11をスラストカラー4側へ押し返す力が生じにくくなっている。よって、トップフォイル片11の外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになることにより、外周端側がスラストカラー4側へ起き上がり易くなることが抑制される。すなわち、外周端側もスラストカラー4側へ起き上がり難くなっている。
また、内周端側がバンプフォイル片21側へ押し込まれて上記隙間が無くなっても、中間領域14に比べると隙間の分だけバンプフォイル片21のバネ力が弱くなっているので、内周端側は前述のとおりスラストカラー4側へ起き上がり難くなる。同様に、外周端側でも中間領域14に比べてバンプフォイル片21のバネ力が弱くなっているので、外周端側も前述のとおりスラストカラー4側へ起き上がり難くなる。
よって、スラスト荷重がさらに増して流体潤滑膜の膜厚がさらに薄くなったとしても、トップフォイル片11はスラストカラー4に接触し難くなり、結果としてより高いスラスト荷重を受けることが可能になる。
本実施形態のスラスト軸受3A(3)にあっては、トップフォイル片11の内周端側に中間領域14より薄肉の内周端側薄肉部15を形成して内周端側を撓み易くし、外周端側にも中間領域14より薄肉の外周端側薄肉部16を形成して外周端側も撓み易くするとともに、これら内周端側、外周端側でバンプフォイル片21との間に隙間を形成しているので、内周端側、外周端側のいずれにおいても、バンプフォイル片21によりトップフォイル片11がスラストカラー4側へ押し返される力を生じにくくすることができる。
よって、内周端側でのスラストカラー4の周速が外周端側での周速に比べて遅いことにより、内周端側がスラストカラー4側へ起き上がり易くなることを抑制することができ、また、トップフォイル片11の外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになることにより、外周端側がスラストカラー4側へ起き上がり易くなることも抑制することができる。従って、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することを防止することができ、これによって軸受寿命の低下や焼き付きを防止することができる。また、内周端側や外周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることがないため、高負荷に耐え得る優れたものとなる。
また、このように内周端側薄肉部15および外周端側薄肉部16を形成することで軸受寿命の低下や焼き付きを防止したので、バンプフォイル片(バックフォイル片)21として、内周端側と外周端側とで同じ剛性、同じ山の高さのものを用いることができる。これにより、その設計や製作を容易にすることができる。例えば、バンプフォイル片21をプレス成形によって容易に製作することができる。また、内外周間で山の高さを同一にしたバンプフォイル片21を用いることができるので、寸法管理が容易になる。よって、このようにバンプフォイル片21の設計・製作を容易にし、寸法管理も容易にしたので、バンプフォイル片21の制作コストを低減することができる。
「第2実施形態」
次に、本発明のスラスト軸受の第2実施形態について説明する。
第2実施形態のスラスト軸受が第1実施形態のスラスト軸受3A(3)と主に異なるところは、トップフォイル片として、図5(a)、(b)に示す構成のものを用いた点にある。ここで、図5(a)はトップフォイル片50の裏面を示す平面図と側面図とを対応させた説明図、図5(b)は図3のA−A線矢視断面図である図4(a)と同じ位置での断面図である。
図5(a)、(b)に示したトップフォイル片50が図4(b)に示したトップフォイル片11と異なるところは、トップフォイル片50の固定辺12とその近傍部、すなわち固定辺12と該固定辺12に対して回転軸1の回転方向下流側に位置する近傍部が、中間領域14や近傍部17に比べて薄肉に形成された固定部側薄肉部18となっている点にある。
固定部側薄肉部18は、固定辺12の長さ方向に沿って直線状に形成されたもので、内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16と同様に、エッチング加工等によって形成されている。この固定部側薄肉部18については、同じエッチング加工工程によって内周端側薄肉部15または外周端側薄肉部16と同時に形成し、これと同じ薄さに形成することができる。また、これら内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16とは異なる厚さ(薄さ)に形成したい場合では、内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16のエッチング加工とは別工程で、固定部側薄肉部18を形成することもできる。
本実施形態では、固定部側薄肉部18によって該固定部側薄肉部18より回転軸1の下流側をより曲がり易くするべく、固定部側薄肉部18を内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16より薄く形成するのが好ましい。そのため、トップフォイル片50の板材(薄板)に対してエッチング加工を複数回行い、内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16の加工と固定部側薄肉部18の加工とをそれぞれ別に行う。固定部側薄肉部18の厚さについては、エッチングによる削り加工を行わない中間領域14等の厚さ(数百μm程度)の、50%〜70%程度の厚さとするのが好ましい。このような厚さに形成することで、これより回転軸1の下流側をより曲がり易くすることができる。
また、この固定部側薄肉部18は、図5(b)に示すバックフォイル片21に対して、その山部23のうち固定辺12に最も近い山部23の頂点(稜線)にかからないように、形成されている。すなわち、固定部側薄肉部18は、固定辺12を含んでこれと該固定辺12側の山部23の頂点(稜線)との間に位置するように、その幅が設定され、形成されている。これにより、トップフォイル片50は、固定部側薄肉部18及び内周端側薄肉部15、外周端側薄肉部16以外の箇所が、全体的に山部23上に載ってこれらに均等に支持されるようになり、図4(d)に示した傾斜角θが維持される。また、固定部側薄肉部18を形成したことにより、該固定部側薄肉部18より端辺11a側がより容易にかつ円滑に傾斜できる(傾くことができる)ようになっている。さらに、このような固定部側薄肉部18を形成することにより、該固定部側薄肉部18以外の箇所の肉厚を、従来に比べて厚くすることも可能になる。
本実施形態にあっては、トップフォイル片50の、固定辺12とこれに対する回転方向下流側の近傍部に固定部側薄肉部18を形成しているので、荷重がかかった際に端辺11a側がより容易にかつ円滑に傾斜できるようになる。従って、回転軸1が回転を開始した後も、トップフォイル片50が容易にかつ円滑に傾斜するため、最適傾斜角が得られ易くなり、負荷能力が向上する。
ここで、高いスラスト荷重を受けているときには流体潤滑膜の圧力が高くなるので、トップフォイル片50はバンプフォイル片21に直接支えられていない部分、すなわちバンプフォイル片21の谷部22上に位置する箇所が撓み、ここから圧力が逃げて負荷能力が低下する可能性がある。
しかし、本実施形態ではトップフォイル片50の固定辺12側に固定部側薄肉部18を形成しているので、トップフォイル片50が傾斜する(曲がる)動きを妨げることなく、従来に比べてトップフォイル片50の板材の板厚(中間領域14の板厚)を厚くすることが可能である。従って、このようにトップフォイル片50の板厚を厚くことにより、バンプフォイル片21に支えられていない部分での撓みを少なくすることができ、負荷能力の低下を抑制することができる。
「第3実施形態」
次に、本発明のスラスト軸受の第3実施形態について説明する。
第3実施形態のスラスト軸受が第2実施形態のスラスト軸受と主に異なるところは、トップフォイル片として、図6(a)〜(c)に示す構成のものを用いた点にある。ここで、図6(a)はトップフォイル片60の裏面を示す平面図と側面図(上記平面図のB−B線矢視断面図)とを対応させた説明図、図6(b)は図6(a)のC−C線矢視断面図、図6(c)は谷部側薄肉部の説明図である。
図6(a)〜(c)に示したトップフォイル片60が図5(a)、(b)に示したトップフォイル片50と異なるところは、図5(b)に示したバンプフォイル片21の谷部22に対向する箇所に、山部23に対向する箇所に比べて薄肉に形成された谷部側薄肉部19を形成した点である。
図6(a)に示すように谷部側薄肉部19は、トップフォイル片60の外周端から内周端あるいは側端にまで延びて溝状に形成されたもので、上記内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16、固定部側薄肉部18と同様に、エッチング加工等によって形成されている。また、谷部側薄肉部19については、固定部側薄肉部18と同様の薄さにするのが好ましい。従って、トップフォイル片60を製造する場合、本実施形態ではトップフォイル片60の板材に対してエッチング加工を複数回行う。例えば、谷部側薄肉部19と固定部側薄肉部18とを同じエッチング加工工程で形成し、次いで、内周端側薄肉部15について別のエッチング加工工程で形成し、その後、外周端側薄肉部16についてさらに別のエッチング加工工程で形成する。なお、内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16の形成に際しては、谷部側薄肉部19を形成した箇所はエッチング加工を行わず、谷部側薄肉部19を避けた位置にのみ選択的にエッチング加工を行うようにする。
ここで、上記した「バンプフォイル片21の谷部22に対向する箇所」とは、例えば以下のようにして定義される。
すなわち、図6(c)に示すようにバンプフォイル片21の山部23の頂点をHとし、山部23の谷部22側の位置、つまり山部23と谷部22との境界線をLとし、さらに頂点Hと境界線Lとのベースプレート30上での中間点をMとすると、谷部22を挟んだ二つの中間点M、M間を、谷部22に対向する箇所とする。従って、図6(c)に示すようにトップフォイル片60の中間点M、M間に対応する箇所に、谷部側薄肉部19を形成する。なお、図6(c)では谷部22が幅を有している場合について示したが、谷部22が単に折り曲げ部であり、幅を有していない場合には、上記境界線Lが隣り合う山部23、山部23間で共通になるだけで、上記した定義はそのまま用いることができる。
本実施形態にあっては、第2実施形態と同様に固定部側薄肉部18を形成しているので、従来に比べてトップフォイル片60の板材の板厚を厚くすることが可能である。
ここで、流体潤滑膜の圧力がトップフォイル片60に作用すると、トップフォイル片60の内周端と外周端に挟まれた径方向の中央部では、バックフォイル片21側に撓み(凹み)易くなる。このような撓みが大きくなると、同部位において流体潤滑膜の圧力が低下し、負荷能力が低くなる。
すなわち、トップフォイル片60の内周端や外周端では、トップフォイル片60とスラストカラー4との間に形成される流体潤滑膜の圧力がトップフォイル片60の周囲の流体の圧力(周囲圧)に近くなっているのに対し、トップフォイル片60の内周端と外周端に挟まれた径方向の中央部では、上記流体潤滑膜の圧力が上記周囲圧より高くなっている。流体潤滑膜がこのような圧力分布を有することにより、上記中央部では内周端側や外周端側に比べてバックフォイル片21側へ大きく撓む(凹む)ようになる。その際、大きく撓んだ上記中央部では軸受隙間(流体潤滑膜の厚さ)が増えることにより、同部位における流体潤滑膜の圧力が低下し、上記したように負荷能力が低下する。
そこで、本実施形態では谷部側薄肉部19を形成することにより、トップフォイル片60を、その回転軸1の回転方向上流側から下流側にかけて、すなわち周方向において曲がり易くすると同時に、径方向での曲がり難さ(曲げ剛性)を、谷部側薄肉部19の形成前と同様の曲がり難さに維持している。従って、トップフォイル片60を形成する板材を従来に比べて厚いものを用いることにより、周方向においては従来と同様の曲がり易さを維持しつつ、径方向では従来より曲がり難くして中央部でのバックフォイル片21側への撓みを抑制することができる。
よって、本実施形態では、径方向中央部での撓みを抑制することにより、同部位において流体潤滑膜の圧力が低下して負荷能力が低くなることを抑制することができる。
「第4実施形態」
次に、本発明のスラスト軸受の第4実施形態について説明する。
第4実施形態のスラスト軸受3B(3)が第1実施形態のスラスト軸受3A(3)と主に異なるところは、図7(a)〜(c)に示すように、ベースプレート30の上記支持領域31に傾斜面32を形成した点と、バンプフォイル片21の山部23の高さを、全て同一にした点である。なお、図7(a)はスラスト軸受3の平面図、図7(b)は図7(a)のD−D線矢視断面図、図7(c)はトップフォイル片及びバンプフォイル片の形状を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。
本実施形態では、図7(a)に示すように支持領域31における、上記バンプフォイル片21、トップフォイル片11を支持する領域全体を、トップフォイル片11の固定辺12側から下流側の端辺11a側に向かうに連れて高さが増加する傾斜面32としている。すなわち、傾斜面32を、図7(b)に示すように端辺11aに対して直交する方向に傾斜させて形成している。
また、バンプフォイル片21については、上記第1実施形態と同様に、ベースプレート30に接する谷部22と、トップフォイル片11に接する山部23とを交互に配置した波板状に形成している。ただし、本実施形態では、図7(b)、(c)に示すように、山部23の高さを全て同一に形成している。
また、谷部22及び山部23については、上記実施形態と同様に、トップフォイル片11の固定辺12と交差する方向に配列させている。すなわち、谷部22、山部23の配列方向を上記固定辺12と交差する方向とし、傾斜面32の傾斜方向に一致させている。これにより、バンプフォイル片21の山部23は、その高さがベースプレート30の傾斜面32の傾斜方向に沿って、すなわち回転軸1の回転方向の下流側に向かうに連れて、所定の高さずつ高くなっている。つまり、第1実施形態と見掛け上同一になっている。従って、このバンプフォイル片21上に配置されるトップフォイル片11は、その傾斜角θが、第1実施形態と同様に形成される。本実施形態では、この傾斜角θは図7(c)に示すように傾斜面32の傾斜角θによって決まる。
本実施形態のスラスト軸受3B(3)にあっても、図4(b)に示したトップフォイル片11と同様に、トップフォイル片11に内周端側薄肉部15と外周端側薄肉部16とを形成し、内周端側、外周端側を共に撓み易くするとともに、これら内周端側、外周端側でバンプフォイル片21との間に隙間を形成しているので、内周端側、外周端側のいずれにおいてもバンプフォイル片21によりトップフォイル片11がスラストカラー4側へ押し返される力を生じにくくすることができる。よって、内周端側でのスラストカラー4の周速が外周端側での周速に比べて遅いことにより、内周端側がスラストカラー4側へ起き上がり易くなることを抑制することができ、また、トップフォイル片11の外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになることにより、外周端側がスラストカラー4側へ起き上がり易くなることも抑制することができる。従って、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することを防止することができ、これによって軸受寿命の低下や焼き付きを防止することができる。また、内周端側や外周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることがないため、高負荷に耐え得る優れたものとなる。
また、ベースプレート30の各支持領域31に傾斜面32を形成し、バンプフォイル片21の山部23の高さを全て同一にするとともに、該山部23の配列方向を傾斜面32の傾斜方向に一致させているので、この傾斜面32上にバンプフォイル片21を介してトップフォイル片11を配設することにより、トップフォイル片11の高さを傾斜面32に沿って精度よく変化させることができる。すなわち、トップフォイル片11に所定の傾斜角θを付与することができる。また、その際にバンプフォイル片21については、山部23の高さを変化させることなく一定の高さに作製すればよく、従ってその加工コストを抑えることができる。よって、このスラスト軸受3B(3)によれば、加工を容易にして量産性を向上し、コストの低減化を図ることができる。また、加工が容易になってバラツキが少なくなるため、設計時に予測した軸受性能(例えば軸受負荷能力)が得やすくなる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態ではバックフォイル20やトップフォイル10をそれぞれ6つのバックフォイル片21(バンプフォイル片21)、トップフォイル片11で構成し、従ってベースプレート30の支持領域31もこれに合わせて6つ形成(設定)したが、バックフォイル片21(バンプフォイル片21)やトップフォイル片11は、複数であれば5つ以下でも7つ以上であってもよい。その場合に、支持領域31の数についても、バックフォイル片21(バンプフォイル片21)やトップフォイル片11の数に合わせるのはもちろんである。
また、上記第4実施形態では、トップフォイル片として第1実施形態のトップフォイル片11を用いているが、これに代えて、第2実施形態のトップフォイル片50、あるいは第3実施形態のトップフォイル片60を用いることもできる。
さらに、第4実施形態においてベースプレート30の支持領域31に傾斜面32を形成する場合、バンプフォイル片21が載る面全体を傾斜面32とするのに代えて、一部を平坦面とし、バンプフォイル片21の一部を傾斜面32上に、残部を平坦面上に配置してもよい。その場合に、平坦面は傾斜面の上側(端辺11a側)に形成してもよく、下側(固定辺12側)に形成してもよい。さらに、傾斜面の両側に平坦面を形成してもよい。
また、内周端側薄肉部15、外周端側薄肉部16については、これらと中間領域14との境界線15a、境界線16aを、図4(b)に示したようにトップフォイル片11の内周端や外周端の周方向に沿う円弧状に形成する以外にも、例えば回転軸1の回転方向上流側から下流側にかけて直線状に形成するなど、種々の形態を採用することができる。
さらに、内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16の厚さについても、均一な厚さに形成することなく、例えば境界線15a側から外側(内周端側または外周端側)にかけて漸次肉厚が薄くなるように、内周端側薄肉部15や外周端側薄肉部16のバックフォイル片21に対向する面を傾斜面にしてもよい。
また、トップフォイル片やバンプフォイル片の形状、支持領域上へのトップフォイル片やバンプフォイル片の配置、傾斜面の傾斜方向など、上記実施形態以外にも種々の形態を採用することが可能である。
また、バンプフォイル片21(バックフォイル片21)については、上記したように各分割片を4つにすることなく、2つ以上のいくつに分割してもよく、さらには、分割しなくてもよい。また、分割片を形成した場合には、連続辺を形成することなく、従って分割片をそれぞれ連結することなく、完全に独立した形態に形成してもよい。
また、トップフォイル片やバンプフォイル片の形状、支持領域上へのトップフォイル片やバンプフォイル片の配置、傾斜面の傾斜方向など、上記実施形態以外にも種々の形態を採用することが可能である。
1…回転軸、3、3A、3B…スラスト軸受、4…スラストカラー、10…トップフォイル、11…トップフォイル片、11a…端辺、12…固定辺、13…固定部、14…中間領域、15…内周端側薄肉部、15a…境界線、16…外周端側薄肉部、16a…境界線、17…近傍部、18…固定部側薄肉部、19…谷部側薄肉部、20…バックフォイル、21…バックフォイル片(バンプフォイル片)、21a…端辺(連続辺)、21b…分割片、22…谷部、23…山部、30…ベースプレート、31…支持領域、32…傾斜面、50…トップフォイル片、60…トップフォイル片

Claims (7)

  1. 回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受であって、
    前記スラストカラーに対向して配置されるトップフォイルと、
    前記トップフォイルの、前記スラストカラーに対向する面と反対側の面に対向して配置されて、該トップフォイルを支持するバックフォイルと、
    前記バックフォイルの、前記トップフォイル側と反対の側に配置されて、該バックフォイルを支持する円環板状のベースプレートと、を備え、
    前記バックフォイルは、前記ベースプレートの周方向に配列された複数のバックフォイル片によって形成され、
    前記トップフォイルは、前記バックフォイル片の上にそれぞれ配設された複数のトップフォイル片によって形成され、
    前記トップフォイル片には、前記回転軸の回転方向上流側に、前記ベースプレートに固定される固定部が形成されるとともに、前記バックフォイル片に対向する面が薄厚化されたことにより、その内周端側と外周端側とに、これら内周端側と外周端側との間の中間領域より薄肉に形成された内周端側薄肉部と外周端側薄肉部とが形成されていることを特徴とするスラスト軸受。
  2. 前記内周端側薄肉部が、前記外周端側薄肉部より径方向の幅が広いことを特徴とする請求項1記載のスラスト軸受。
  3. 前記内周端側薄肉部が、前記外周端側薄肉部より薄いことを特徴とする請求項1又は2に記載のスラスト軸受。
  4. 前記バックフォイル片は、その周方向の一方の側が径方向にて複数に分割され、且つ、他方の側が径方向にて連続する連続辺とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスラスト軸受。
  5. 前記トップフォイルの前記固定部および該固定部の近傍部で該固定部より前記回転軸の回転方向下流側に、前記中間領域より薄肉に形成された固定部側薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスラスト軸受。
  6. 前記トップフォイル片は、円環板をその周方向にて分割した円弧板状に形成されており、
    前記内周端側薄肉部と前記中間領域との境界線は、前記トップフォイル片の内周端の周方向に沿う円弧状になっており、
    前記外周端側薄肉部と前記中間領域との境界線は、前記トップフォイル片の外周端の周方向に沿う円弧状になっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスラスト軸受。
  7. 前記トップフォイルの前記固定部は、前記回転軸の回転方向上流側に位置する直線状の固定辺を含んで形成され、
    前記バックフォイル片は、山部と谷部とを交互に形成した波板状のバンプフォイル片によって形成されるとともに、前記山部の配列方向が前記固定辺と交差して配置され、
    前記トップフォイル片には、前記バンプフォイル片に対向する面の一部が薄厚化されたことにより、前記谷部に対向する箇所に、前記山部に対向する箇所に比べて薄肉に形成された谷部側薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスラスト軸受。

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