JP2015140096A - 乗物用シート - Google Patents

Abstract

【課題】シート本体のスライド調整及び傾き調整を同時にかつ円滑に行うことができる乗物用シートを提供する。【解決手段】シートクッション１１とシートバック１２とを備えたシート本体１０が、床面Ｆ側に対しシートポジション調整機構３０を介してスライド調整及び角度調整可能に支持される。シートポジション調整機構３０は、シートクッション１１下面の前側で床面Ｆ側の部材とシートクッション１１側の部材との間に両端部が回動可能に連結された前側の伸縮ロッド３１と、シートクッション１１下面の後側で床面Ｆ側の部材とシートクッション１１側の部材との間に両端部が回動可能に連結された後側の伸縮ロッド４１と、床面Ｆ側の部材とシートクッション１１側の部材とのうち、一方の部材に配設された前後方向に延びる湾曲長孔状のスライド案内孔５２と、他方の部材に配設されかつスライド案内孔５２に沿って摺動する摺動体６１と、を備えている。【選択図】図１

Description

この発明は乗物用シートに関する。

従来、乗物用シートにおいては、例えば、特許文献１に開示されている。
特許文献１に開示されている乗物用シートにおいては、シート本体と、車体側に固定される円弧状又は湾曲状のロアレールと、シートクッション側に回動可能に軸着されるリアアッパーレールと、シートクッション側に回動可能に軸着されるフロントアッパーレールとから構成される。
リアアッパーレールは、リアガイド部内に摺動可能に挿入され、フロントアッパーレールはフロントガイド部内に摺動可能に挿入される。
そして、円弧状又は湾曲状のロアレールに沿ってリアアッパーレール及びフロントアッパーレールを摺動させながらシートクッションを前方又は後方に移動することで、シートクッションの前部及び／又は後部の上下高さを調整可能にしている。

特開平９−１５０６５５号公報

ところで、特許文献１に開示されている乗物用シートにおいては、シートクッションが前方又は後方への移動に伴って、円弧状又は湾曲状のロアレールに沿ってリアアッパーレール及びフロントアッパーレールが摺動するときには、これらリアアッパーレール及びフロントアッパーレールが軸を中心として回動する。このため、ロアレールに沿ってリアアッパーレール及びフロントアッパーレールが摺動するときの動きが煩雑化し、円滑に摺動できない懸念が想定される。

この発明の目的は、前記問題点に鑑み、シート本体のスライド調整及び傾き調整を同時にかつ円滑に行うことができる乗物用シートを提供することである。

前記課題を解決するために、この発明の第１の発明に係る乗物用シートは、シートクッションとシートバックとを備えたシート本体が、床面側に対しシートポジション調整機構を介してスライド調整及び角度調整可能に支持された乗物用シートであって、
前記シートポジション調整機構は、前記シートクッション下面の前側で前記床面側の部材と前記シートクッション側の部材との間に両端部が回動可能に連結された前側の伸縮ロッドと、
前記シートクッション下面の後側で前記床面側部材と前記シートクッション側部材との間に両端部が回動可能に連結された後側の伸縮ロッドと、
前記床面側の部材と前記シートクッション側の部材とのうち、一方の部材に配設された前後方向に延びる湾曲長孔状のスライド案内孔と、
前記他方の部材に配設されかつ前記スライド案内孔に沿って摺動する摺動体と、を備えていることを特徴とする。

第１の発明によると、前側の伸縮ロッドを短縮させ、後側の伸縮ロッドを伸長させながら、シート本体をスライド案内孔と摺動体との案内によって前方へスライドさせることで、シート本体のシートクッションを前側が低く後側が高い前傾姿勢に調整することができると共に、シート本体を前方へスライド調整することができる。
これとは逆に、前側の伸縮ロッドを伸長させ、後側の伸縮ロッドを短縮させながら、シート本体をスライド案内孔と摺動体との案内によって後方へスライドさせることで、シート本体のシートクッションを前側が高く後側が低い後傾姿勢に調整することができると共に、シート本体を後方へスライド調整することができる。
前記したようにして、前側の伸縮ロッドと後側の伸縮ロッドとを伸縮させ、シート本体をスライド案内孔と摺動体との案内によって前後方向へスライドさせることで、シート本体のスライド調整及び傾き調整（座面角度及び背もたれ角度の調整）を同時にかつ円滑に行うことができる。

この発明の第２の発明に係る乗物用シートは、第１の発明の乗物用シートであって、
前側及び後側の伸縮ロッドは、ロック式ガススプリングによってそれぞれ構成されていることを特徴とする。

第２の発明によると、前側及び後側の伸縮ロッドを、既存（市販）のロック式ガススプリングを用いてそれぞれ構成することができるため、例えば、前側及び後側の伸縮ロッドを、油圧シリンダによって構成する場合と比べ、複雑な油圧制御回路が不要となり、コスト低減に効果が大きい。

この発明の実施例１に係る乗物用シートを示す側面図である。 図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う縦断面図である。 シート本体が前傾された状態を示す説明図である。 シート本体が後傾された状態を示す説明図である。 この発明の他の実施例に係る乗物用シートを示す側面図である。

この発明を実施するための形態について実施例にしたがって説明する。

この発明の実施例１を図面にしたがって説明する。
図１に示すように、乗物用シートの主体部をなすシート本体１０は、シートクッション１１と、シートクッション１１のサイドフレーム部の後部にリクライニング機構１３を介して傾き調整可能に配設されたシートバック１２とを備えている。
そして、シートクッション１１は、床面Ｆ側にシートポジション調整機構３０を介してスライド調整及び角度調整可能に支持される。

図１に示すように、シートポジション調整機構３０は、前側の伸縮ロッド３１と、後側の伸縮ロッド４１と、前後方向に延びる湾曲長孔状のスライド案内孔５２と、このスライド案内孔５２に沿って摺動する摺動ローラ６１（この発明の摺動体に相当する）とを備えている。
この実施例１において、前側の伸縮ロッド３１は、その上下両端部が、シートクッション１１下面の前側で床面Ｆに取り付けられた前ブラケット２０（この発明の床面Ｆ側の部材に相当する）と、シートクッション１１下面の前側に取り付けられた前ブラケット２２（この発明のシートクッション側の部材に相当する）とに、それぞれ連結ピン３５、３６によって回動可能に連結されている。
また、後側の伸縮ロッド４１は、その上下両端部が、シートクッション１１下面の後側で床面Ｆに取り付けられた後ブラケット２１（この発明の床面側部材に相当する）とシートクッション１１下面の後側に取り付けられた後ブラケット２３（この発明のシートクッション側部材に相当する）とに連結ピン４５、４６によって回動可能に連結されている。
また、この実施例１において、前側及び後側の伸縮ロッド３１、４１は、既存（市販）のロック式ガススプリングによってそれぞれ構成されている。

また、前後方向に延びる湾曲長孔状のスライド案内孔５２は、床面Ｆとシートクッション１１とのうち、一方に配設されたガイドプレート５１（この発明の一方の部材に相当する）に形成されている。
摺動ローラ６１は、他方に配設されたブラケット６０（この発明の他方の部材に相当する）に配設されたブラケット６０に回転可能に取り付けられている。
この実施例１において、ガイドプレート５１は、前側の伸縮ロッド３１と後側の伸縮ロッド４１との間に位置する床面Ｆの位置に取り付けられており、このガイドプレート５１に形成されるスライド案内孔５２は、前後方向の中央部が高く、前後両端に向けてしだいに低く形成された前後方向に延びる湾曲長孔状に形成されている。
そして、シート本体１０が前後方向の中央部に配設された状態にあるときには、スライド案内孔５２の前後方向の中央部に摺動ローラ６１が配置されるように設定されている。
この実施例１において、摺動ローラ６１は、図２に示すように、ガイドプレート５１とブラケット６０との間に跨って取り付けられた水平方向の段付きボルト６２の軸部６３外周面に対し転がり軸受６４を介して回転可能に配設されている。

この実施例１に係る乗物用シートは上述したように構成される。
したがって、図１に示すように、シート本体１０が前後方向中央部に配置された状態において、例えば、手動操作によって、前側の伸縮ロッド３１を短縮させ、後側の伸縮ロッド４１を伸長させながら、シート本体１０をスライド案内孔５２と摺動ローラ６１との案内によって前方へスライドさせることで、図３に示すように、シート本体１０のシートクッション１１を前側が低く後側が高い前傾姿勢に調整することができると共に、シート本体１０を前方へスライド調整することができる。

これとは逆に、前側の伸縮ロッド３１を伸長させ、後側の伸縮ロッド４１を短縮させながら、シート本体１０をスライド案内孔５２と摺動ローラ６１との案内によって後方へスライドさせることで、図４に示すように、シート本体１０のシートクッション１１を前側が高く後側が低い後傾姿勢に調整することができると共に、シート本体１０を後方へスライド調整することができる。
前記したようにして、前側及び後側の伸縮ロッド３１、４１を伸縮させ、シート本体１０をスライド案内孔５２と摺動ローラ６１との案内によって前後方向へスライドさせることで、シート本体１０のスライド調整及び傾き調整（座面角度及び背もたれ角度の調整）を同時にかつ円滑に行うことができる。

また、図３に示すように、シート本体１０が前側位置までスライド移動されたときには、床面ＦからヒップポイントＰ３までの高さ寸法Ｈ３が、図１に示すように、シート本体１０が中間位置に配置されたときの床面ＦからヒップポイントＰ２までの高さ寸法Ｈ２よりも大きくなって、シートクッション１１の高さが変化される（高くなる）。

また、図４に示すように、シート本体１０が後側位置までスライド移動されたときには、床面ＦからヒップポイントＰ１までの高さ寸法Ｈ１が、図１に示すように、シート本体１０が中間位置に配置されたときの床面ＦからヒップポイントＰ２までの高さ寸法Ｈ２よりも小さくなって、シートクッション１１の高さが変化される（低くなる）。
また、前記実施例１において、スライド案内孔５２と摺動ローラ６１との間に、摺動ローラ６１のスライド方向の移動をロック並びにアンロックするロック機構を配設することもできる。この場合、ロック機構がロックした状態で、前側及び後側の伸縮ロッド３１、４１を伸縮させることで、シート本体１０をスライドさせることなく傾き調整（座面角度及び背もたれ角度の調整）を行うこともできる。

なお、この発明は前記実施例１に限定するものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施例１においては、床面Ｆ側に対し、スライド案内孔５２を有するガイドプレート５１が取り付けられ、シートクッション１１側に対し、スライド案内孔５２に沿ってスライド可能に嵌挿される摺動ローラ６１を有するブラケット６０が取り付けられる場合を例示したが、図５に示すように、シートクッション１１側に対し、スライド案内孔１５２を有するガイドプレート１５１が取り付けられ、床面Ｆ側に対し、スライド案内孔１５２に沿ってスライド可能に嵌挿される摺動ローラ１６１が有するブラケット１６０が取り付けられる場合においてもこの発明を実施することができる。
但し、この場合、スライド案内孔１５２は、前後方向中央部が低く、前後方向両端部に向けてしだいに高くなる湾曲長孔状（円弧長孔状も含む）に形成される。
また、前記実施例１においては、前側の伸縮ロッド３１と後側の伸縮ロッド４１とがロック式ガススプリングによって構成される場合を例示したが流体圧制御によって伸縮される流体圧シリンダによって構成されてもよく、ねじ式によって伸縮される伸縮ロッドによって構成されてもよい。
また、前記実施例１においては、シート本体１０のシートクッション１１のサイドフレーム部の後部にリクライニング機構１３を介してシートバック１２が傾き調整可能に配設された場合を例示したが、シートクッション１１とシートバック１２とが一体に構成される場合においてもこの発明を実施することができる。

１０ シート本体
１１ シートクッション
１２ シートバック
３０ シートポジション調整機構
３１ 前側の伸縮ロッド
４１ 後側の伸縮ロッド
５１ ガイドプレート
５２ スライド案内孔
６０ ブラケット
６１ 摺動ローラ（摺動体）

Claims (2)

1. シートクッションとシートバックとを備えたシート本体が、床面側に対しシートポジション調整機構を介してスライド調整及び角度調整可能に支持された乗物用シートであって、
   前記シートポジション調整機構は、前記シートクッション下面の前側で前記床面側の部材と前記シートクッション側の部材との間に両端部が回動可能に連結された前側の伸縮ロッドと、
   前記シートクッション下面の後側で前記床面側部材と前記シートクッション側部材との間に両端部が回動可能に連結された後側の伸縮ロッドと、
   前記床面側の部材と前記シートクッション側の部材とのうち、一方の部材に配設された前後方向に延びる湾曲長孔状のスライド案内孔と、
   前記他方の部材に配設されかつ前記スライド案内孔に沿って摺動する摺動体と、を備えていることを特徴とする乗物用シート。
2. 請求項１に記載の乗物用シートであって、
   前側及び後側の伸縮ロッドは、ロック式ガススプリングによってそれぞれ構成されていることを特徴とする乗物用シート。

Images