JP2015140044A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Yuichi Seki
祐一 関
浩樹 新谷
Hiroki Shintani
浩樹 新谷
亮介 近藤
Ryosuke Kondo
亮介 近藤
昌士 鬼頭
Masashi Kito
昌士 鬼頭
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Abstract

【課題】比較的簡素な構造で回転電機を効果的に冷却可能な車両用駆動装置を実現する。【解決手段】車両用駆動装置に関する。入力部材10を支持する支持壁25、摩擦係合装置CL、及びロータRoを支持するロータ支持部材40の径方向延在部が、軸方向Lに沿って内燃機関側から記載の順に配置されている。支持壁25に、入力部材10に設けられる油供給部81からの油を回転電機MGへと導く誘導油路74が形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関に駆動連結される入力部材と、ロータを有する回転電機と、入力部材と回転電機とを連結又は解放する摩擦係合装置と、ロータを支持するロータ支持部材と、を備える車両用駆動装置に関する。
上記のような車両用駆動装置として、韓国公開特許第10−2010−0008470号公報(特許文献1)に記載された装置が知られている。特許文献1の装置では、トランスミッションアセンブリの入力軸の内部から供給される油が、摩擦係合装置〔エンジンクラッチ7〕に供給されて、当該摩擦係合装置の冷却が行われる。その後、油は、ロータ支持部材〔ロータ軸3〕と保持器との接続部に設けられた排出口を通って、遠心力により回転電機のステータに供給されて、当該ステータを冷却する。特許文献1によれば、前記排出口の存在によって油の流れを円滑化することができ、摩擦係合装置及び回転電機を効果的に冷却することができる旨、謳われている。
しかし、特許文献1の装置のように摩擦係合装置と回転電機とが共通の油路を流れる油によって冷却される構造では、摩擦係合装置を冷却した後の比較的高温の油が回転電機に供給される。このため、いくら油の流れが円滑化されるとは言っても、回転電機の冷却を効果的に行うことは困難であった。また、排出口を形成するためには、ロータ支持部材と保持器との接続部に特殊な構造〔直交状態で互いに係合する王冠部11と放射突起部13〕を設けることが必要とされており、構造の複雑化を招いていた。
韓国公開特許第10−2010−0008470号公報
そこで、比較的簡素な構造で回転電機を効果的に冷却可能な車両用駆動装置の実現が望まれる。
本発明に係る車両用駆動装置は、
内燃機関に駆動連結される入力部材と、
ロータを有する回転電機と、
前記入力部材と前記回転電機とを連結又は解放する摩擦係合装置と、
径方向に延びる径方向延在部を有し、前記ロータを径方向に支持するロータ支持部材と、
少なくとも前記回転電機及び前記摩擦係合装置を収容するケースと、を備え、
前記ケースは、前記回転電機及び前記摩擦係合装置に対して軸方向の一方側で前記入力部材を支持する支持壁を有し、
前記摩擦係合装置と前記径方向延在部とが同軸に配置され、
前記支持壁、前記摩擦係合装置、及び前記径方向延在部が、軸方向に沿って前記内燃機関側から記載の順に配置され、
前記支持壁に、前記入力部材に設けられる油供給部からの油を前記回転電機へと導く誘導油路が形成されている。
本願において、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれても良い。
また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
この構成によれば、入力部材を支持する支持壁がロータ支持部材の径方向延在部や摩擦係合装置とは軸方向の異なる位置に配置されるので、これらを避けるように支持壁を配置することができる。そして、そのような支持壁に誘導油路が形成されているので、入力部材に設けられる油供給部からの油を、摩擦係合装置を迂回して回転電機へと導くことができる。よって、他の部材の冷却には用いられていない比較的低温の油で、回転電機を効果的に冷却することができる。しかも、支持壁に誘導油路を形成するだけで良いので、簡素な構造で回転電機の冷却効果を高めることができる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
1つの態様として、前記ロータ支持部材は、円筒状に形成されて前記ロータを径方向内側から保持するロータ保持部をさらに有し、前記誘導油路における前記ロータ側の開口部であるロータ側開口部と前記ロータ保持部とが径方向に見て重複する部分を有するように配置され、前記ロータ保持部の内周面における前記ロータ側開口部に対応する軸方向の位置に、周方向に延びる周溝部が形成され、前記ロータ及び前記ロータ保持部の少なくとも一方に、前記周溝部から前記回転電機の冷却対象部分へと油を導く冷却油路が形成されていると好適である。
本願において、2つの部材の配置に関して、「ある方向に見て重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。
この構成によれば、誘導油路のロータ側開口部と径方向に見て重複するように配置されるロータ保持部の内周面の周溝部の存在により、静止部材である支持壁内の誘導油路から、回転部材であるロータ支持部材へと、効率的に油を供給することができる。また、周溝部で受け取られた油を、冷却油路を介して回転電機の冷却対象部分へと適切に導くことができる。
1つの態様として、前記摩擦係合装置は、対をなす内側摩擦板及び外側摩擦板と、前記内側摩擦板を径方向内側から支持する内側支持部と、前記外側摩擦板を径方向外側から支持する外側支持部と、を有し、前記ロータ保持部の内周面に、前記外側支持部が前記ロータ保持部とは別部材である場合において前記外側支持部と連結するためのスプライン係合部、又は前記ロータ保持部が前記外側支持部を兼ねる場合において前記外側摩擦板を支持するためのスプライン係合部が形成され、前記ロータ保持部の内周面を基準とする前記周溝部の深さが、前記スプライン係合部を構成するスプライン溝部の深さよりも深いと好適である。
この構成によれば、ロータ保持部の内周面にスプライン係合部が形成されている場合であっても、比較的深い深さを有する周溝部で適切に油を受け取り、誘導油路から供給される油がスプライン溝部に沿って軸方向に流れるのを抑制することができる。
1つの態様として、前記摩擦係合装置に対して径方向内側から油を供給するための、前記油供給部とは別の第2の油供給部をさらに備え、前記摩擦係合装置は、対をなす内側摩擦板及び外側摩擦板を有し、前記内側摩擦板及び前記外側摩擦板は、径方向に見てロータ保持部と重複する部分を有するように、前記ロータ保持部の径方向内側の収容空間に配置され、前記ロータ保持部における径方向に見て前記ロータ及び前記周溝部とは重複しない部位、又は前記径方向延在部における前記ロータ保持部との境界部位に、前記収容空間と前記ロータ支持部材を挟んで前記収容空間の外側に位置する空間とを連通する連通孔が形成されていると好適である。
この構成によれば、第2の油供給部から供給される油により、摩擦係合装置を構成する内側摩擦板及び外側摩擦板を適切に冷却することができる。また、内側摩擦板及び外側摩擦板を冷却した後の油を、周溝部ひいては回転電機の冷却対象部分へと流通させることなく、連通孔を介して、ロータ保持部の径方向内側の収容空間からその外側の空間へと排出することができる。よって、内側摩擦板及び外側摩擦板を冷却した後の比較的高温の油が回転電機の冷却対象部分に到達してその冷却効率が低下するのを有効に抑制することができる。
1つの態様として、径方向における前記入力部材と前記支持壁との間にこれら双方に接するように軸方向に並んで配置された入力軸受とシール部材とをさらに備え、軸方向における前記入力軸受と前記シール部材との間に、前記油供給部からの油を前記誘導油路へと導く連絡油路が形成されていると好適である。
この構成によれば、連絡油路が周方向に延びるように形成されるので、回転部材である入力部材に設けられる油供給部から、静止部材である支持壁内の誘導油路へと、効率的に油を供給することができる。
1つの態様として、前記誘導油路は、前記油供給部側の開口部である供給側開口部から前記ロータ側の開口部であるロータ側開口部まで径方向に延びるように形成され、車両搭載状態で、前記ロータ側開口部が前記供給側開口部よりも下方に位置すると好適である。
この構成によれば、重力の作用を利用して、静止部材である支持壁内の誘導油路から、回転部材であるロータ支持部材へと、効率的に油を供給することができる。
車両用駆動装置の概略構成を示す模式図 車両用駆動装置の部分断面図 図2の部分拡大図 図2の部分拡大図 図3の部分拡大図
本発明に係る車両用駆動装置の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る車両用駆動装置1は、車両の車輪Wの駆動力源として内燃機関E及び回転電機MGの双方を備えた車両(ハイブリッド車両)を駆動するための車両用駆動装置(ハイブリッド車両用駆動装置)である。具体的には、車両用駆動装置1は、1モータパラレル方式のハイブリッド車両用の駆動装置として構成されている。
以下の説明では、特に明記している場合を除き、「軸方向L」、「径方向」、「周方向」は、入力軸10の回転軸心を基準として定義している。なお、各部材についての方向は、それらが車両用駆動装置1に組み付けられた状態での方向を表す。また、各部材についての方向や位置等に関する用語は、製造上許容され得る誤差による差異を有する状態を含む概念である。
図1に示すように、車両用駆動装置1は、内燃機関Eに駆動連結される入力軸10と、摩擦係合装置CLと、回転電機MGと、変速入力軸50と、変速装置TMと、車輪Wに駆動連結される出力軸Oとを備えている。摩擦係合装置CL、回転電機MG、及び変速装置TMは、入力軸10と出力軸Oとを結ぶ動力伝達経路に、入力軸10の側から記載の順に設けられている。また、車両用駆動装置1は、オイルポンプOPと、ポンプ駆動機構60とをさらに備えている。これらは、ケース(駆動装置ケース)2内に収容されている(図2を参照)。本実施形態では、入力軸10が本発明における「入力部材」に相当する。
内燃機関Eは、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等)である。本実施形態では、内燃機関Eの出力軸である内燃機関出力軸(クランクシャフト等)が、入力軸10に駆動連結されている。本実施形態では、内燃機関出力軸は、ダンパDを介して入力軸10に連結されている。なお、内燃機関出力軸と入力軸10とが直接的に連結されていても良い。
入力軸10と回転電機MGとの間に、摩擦係合装置CLが介挿されている。摩擦係合装置CLは、内燃機関E及び入力軸10と回転電機MGとを選択的に駆動連結する。すなわち、摩擦係合装置CLは、入力軸10と回転電機MGとを連結又は解放する。本実施形態では、摩擦係合装置CLは、油圧駆動式に構成されている。摩擦係合装置CLは、係合を解除した状態で車輪Wから内燃機関Eを切り離す、内燃機関切離装置として機能する。
回転電機MGは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを果たすことが可能である。回転電機MGは、蓄電装置(バッテリやキャパシタ等)と電気的に接続されている。回転電機MGは、蓄電装置から電力の供給を受けて力行し、或いは、内燃機関Eのトルクや車両の慣性力により発電した電力を蓄電装置に供給して蓄電させる。回転電機MGは、変速入力軸50と一体回転するように駆動連結されている。
変速入力軸50は、変速装置TMに連結されている。本実施形態では、変速装置TMは、変速比を変更可能に備えた自動又は手動の変速機構と、カウンタギヤ機構と、差動歯車機構とを含んで構成されている。変速装置TMは、変速入力軸50に入力される回転及びトルクを、その時点における変速比に応じて変速するとともにトルク変換して、左右一対の出力軸O及び車輪Wに伝達する。これにより、車両用駆動装置1は、内燃機関E及び回転電機MGの少なくとも一方のトルクを車輪Wに伝達させて車両を走行させることができる。
本実施形態に係る車両用駆動装置1は、入力軸10と変速入力軸50とが同軸に配置されるとともに、出力軸Oが入力軸10及び変速入力軸50とは平行かつ別軸に配置された複軸構成となっている。このような構成は、例えばFF(Front Engine Front Drive)車両に搭載される車両用駆動装置1の構成として適している。
図2に示すように、ケース2は、軸方向Lに分割形成された第一分割ケース部21と、第二分割ケース部22と、第三分割ケース部24とを有する。第一分割ケース部21は、主に変速装置TMを収容する。第二分割ケース部22は、主に摩擦係合装置CL及び回転電機MGを収容する。第三分割ケース部24は、第二分割ケース部22の内燃機関E側の開口を閉塞する。
第一分割ケース部21には、径方向に延びる円環板状の軸支持部材28が回転電機MG側から固定されている。この軸支持部材28は、例えばオイルポンプOPを構成するポンプ本体部を収容するポンプケースの構成部材(ポンプボディ及びポンプケースの少なくとも一方)を兼用するものである。なお、オイルポンプOPとしては、内接型又は外接型のギヤポンプや、ベーンポンプ等を用いることができる。軸支持部材28には、オイルポンプOPから吐出される油が流通する第一油路71が径方向に沿って形成されている。軸支持部材28は、その径方向内側端部に、当該軸支持部材28の板状部分から回転電機MG側とは反対側(変速装置TM側)に向かって延びる筒状軸支持部29を有する。この筒状軸支持部29には、例えば油路を構成するための“ステータシャフト”と称される円筒状部材が含まれても良い。
第一分割ケース部21に接合される第二分割ケース部22は、径方向に延びる円環板状の中間壁23を有する。中間壁23は、軸方向Lにおける軸支持部材28と回転電機MGとの間に配置されている。第二分割ケース部22に接合される第三分割ケース部24は、径方向に延びる円環板状の支持壁25を有する。支持壁25は、回転電機MGに対して軸方向Lで内燃機関E側に配置されている。支持壁25は、回転電機MGのステータSt、ロータRo、及び摩擦係合装置CLの外形に対して相補的に、径方向外側から径方向内側に向かうに従って軸支持部材28側(内燃機関E側とは反対側)に位置するように、段付板状に形成されている。
支持壁25における径方向内側部分25aは、径方向に見て回転電機MGと重複する部分を有するように配置されている。支持壁25の径方向内側端部に、入力軸受55が固定されている。入力軸受55としては、同軸に配置される内輪及び外輪と、これらの間に配置される転動体(ボールやローラ等)とを有する転がり軸受を用いることができる。図3に示すように、本実施形態では、入力軸受55は、内燃機関E側とは反対側における内輪と外輪との間の隙間を閉塞する閉塞板56を有している。このような閉塞板56を有することで、入力軸受55には、シール機能が付与されている。つまり、入力軸受55はシール機能付軸受として構成されている。
第三分割ケース部24を軸方向Lに貫通する状態で、入力軸10が配置されている。入力軸10は、入力本体部11と、この入力本体部11よりも大径の筒状に形成された入力筒状部12と、入力本体部11と入力筒状部12とを連結するように径方向に延びる円環板状の入力連結部13とを有する。入力本体部11は、ダンパDに対する連結部となる中実部11Aと、この中実部11Aよりも変速入力軸50側に一体形成された中空部11Bとを含む。中空部11Bの径方向内側の空間に、変速入力軸50の端部が収納されている。入力筒状部12は、中空部11Bにおける開放側端部(中実部11A側とは反対側の端部)の位置から、軸支持部材28側に向かって延びている。入力連結部13は、支持壁25よりも軸支持部材28側(ケース2内)において、中空部11Bにおける開放側端部と入力筒状部12における支持壁25側の端部とを連結している。
入力軸10は、ケース2に対して回転可能に支持されている。本実施形態では、入力軸10は、第三分割ケース部24を構成する支持壁25に固定されるとともに入力本体部11(本例では中空部11B)の外周面に接するように配置された入力軸受55を介して、支持壁25に支持されている。支持壁25は、入力軸受55を介して、回転電機MG及び摩擦係合装置CLに対して軸方向Lの一方側(本例では内燃機関E側)で入力軸10を支持している。支持壁25には、詳しくは後述するように第四油路74が形成されている(図4を参照)。また、入力本体部11と支持壁25との間には、これら双方に接するようにシール部材58も配置されている。入力軸受55とシール部材58とは、軸方向Lに所定間隔を隔てて並んで配置されている。シール部材58は、入力軸受55の軸方向中心(概ね転動体の位置)に対して閉塞板56側とは反対側に配置されている。
摩擦係合装置CLは、摩擦板31と、内側支持部32と、外側支持部33と、押圧部材34とを有する。これらは、入力軸10及び変速入力軸50と同軸に配置されている。摩擦板31は、対をなす内側摩擦板31Aと外側摩擦板31Bとを有する。内側摩擦板31A及び外側摩擦板31Bはそれぞれ複数枚ずつ備えられており、これらは軸方向Lに沿って交互に配置されている。複数の内側摩擦板31Aは、入力筒状部12と一体回転するように連結された内側支持部32によって径方向内側から支持されている。内側支持部32は、径方向に貫通形成された内側貫通孔32aを有する(図5を参照)。本実施形態では、内側貫通孔32aは、軸方向L及び周方向に分散して形成された複数の円形孔として形成されている。
複数の外側摩擦板31Bは、外側支持部33によって径方向外側から支持されている。外側支持部33は、後述するロータ支持部材40とは別部材として構成されるとともに、当該ロータ支持部材40と一体回転するように連結されている。外側支持部33は、径方向に貫通形成された外側貫通孔33aを有する(図5を参照)。本実施形態では、外側貫通孔33aは、周方向に分散して形成された、軸方向Lに延びる複数の長孔として形成されている。外側貫通孔33aの総断面積(複数の外側貫通孔33aの断面積の総和)は、内側貫通孔32aの総断面積(複数の内側貫通孔32aの断面積の総和)よりも大きく設定されている。押圧部材34は、供給される油圧に応じて軸方向Lに沿って移動して、複数の摩擦板31を圧接する。摩擦係合装置CLは、押圧部材34を反押圧方向側に向かって付勢するための付勢部材35も備えている。摩擦係合装置CLは、押圧部材34が複数の摩擦板31を圧接した状態で、入力軸10とロータ支持部材40とを連結する(両回転部材を繋げる)。また、摩擦係合装置CLは、複数の摩擦板31の圧接が解除された状態で、入力軸10とロータ支持部材40とを解放する(両回転部材の繋ぎを解除する)。
摩擦係合装置CLは、回転電機MGのロータRoの径方向内側であって径方向に見てステータSt及びロータRoと重複する部分を有するように配置されている。本例では、内燃機関E側に位置するおよそ半分の摩擦板31と、ステータSt及びロータRoにおける軸支持部材28側のおよそ半分とが、径方向に見て重複するように配置されている。また、押圧部材34の全体が、径方向に見てステータSt及びロータRoと重複するように配置されている。
図2に示すように、回転電機MGは、ケース2(本例では第二分割ケース部22)に固定されたステータStと、このステータStの径方向内側に回転自在に支持されたロータRoとを有する。ロータRoは、当該ロータRoから径方向内側に延びるロータ支持部材40により、径方向に支持されている。ロータRoとロータ支持部材40とは一体回転する。図3に示すように、ロータ支持部材40は、ロータ保持部41と、径方向延在部44と、筒状支持部48とを備えている。ロータ保持部41は、軸方向Lに延びる円筒状に形成され、ロータRoを径方向内側から保持する。ロータ保持部41は、摩擦係合装置CLの外側支持部33と一体回転するように連結されている。摩擦板31とロータ保持部41とは、径方向に見て重複する部分を有するように配置されている。本実施形態では、ロータ保持部41と外側支持部33とは、スプライン係合部Aにより、周方向の相対回転が規制された状態で連結されている。また、ロータ保持部41と外側支持部33とは、スナップリング等の移動規制部材37により、軸方向Lの相対移動が規制されている。また、本実施形態では、径方向におけるロータ保持部41と外側支持部33との間には、所定の隙間が形成されている。
ロータ保持部41の内周面には、周方向に延びる周溝部42が形成されている。本実施形態では、周溝部42は、周方向に連続する環状の溝部として形成されている。周溝部42は、その断面形状において、底部の幅(軸方向長さ)に比べて開口部の幅(軸方向長さ)が長い台形状(逆台形状)に形成されている。周溝部42は、その軸方向Lの両側に、径方向内側に向かうに従って軸方向Lの外側に向かう傾斜壁部を有する。周溝部42は、ロータ保持部41におけるスプライン係合部Aよりも内燃機関E側であって、径方向に見て支持壁25における径方向内側部分25aと重複する部分に形成されている。
径方向延在部44は、ロータ保持部41の軸方向Lにおける軸支持部材28側の端部から径方向内側に延びる、円環板状に形成されている。径方向延在部44は、摩擦係合装置CLと同軸に配置されている。径方向延在部44は、摩擦係合装置CLに対して軸方向Lにおける軸支持部材28側を、径方向に沿って延びるように配置されている。これにより、支持壁25、摩擦係合装置CL、及び径方向延在部44が、軸方向Lに沿って内燃機関E側から記載の順に配置されている。径方向延在部44における径方向内側部分は、径方向外側部分に対して軸支持部材28側にオフセットして配置されている。径方向延在部44におけるオフセット境界部となる径方向の中央部に、回転センサ9が配置されている。径方向延在部44にセンサロータ9Bが固定され、その径方向外側に対向配置されるセンサステータ9Aが、第二分割ケース部22の中間壁23に固定されている。回転センサ9としては、例えばレゾルバ等を用いることができる。
径方向延在部44は、その径方向内側部分に、軸方向Lに貫通形成された軸挿通孔46を有する。軸挿通孔46は複数設けられており、これらは周方向に略均等に分散配置されている。この軸挿通孔46には、後述するポンプ駆動機構60を構成する第一伝達部材63が配置されている。また、本実施形態では、ロータ保持部41における径方向延在部44との境界部位に、連通孔45が形成されている。なお、「径方向延在部44との境界部位」とは、径方向延在部44との境界と、その近傍部位とを含む概念である。
筒状支持部48は、ロータ保持部41よりも径方向内側を軸方向Lに延びる、ロータ保持部41よりも小径の円筒状に形成されている。筒状支持部48は、径方向延在部44の径方向内側の端部から、内燃機関E側に向かって延びるように設けられている。筒状支持部48は、入力軸10を構成する入力本体部11の中空部11Bと同程度の外径及び内径を有している。筒状支持部48と中空部11Bとは、軸方向Lに所定の隙間を隔てて並んで配置されている。ロータ支持部材40を構成するロータ保持部41と径方向延在部44と筒状支持部48とは、全体として、内燃機関E側に向かって開口する中央筒部付きの碗状に形成されている。このロータ支持部材40の内部空間(収容空間P)に、入力軸10の入力筒状部12が配置されるとともにその入力筒状部12よりも径方向外側に摩擦係合装置CLが収容されている。
筒状支持部48は、変速入力軸50に対して径方向及び周方向の相対移動が規制される状態で、変速入力軸50に取り付けられている。本実施形態では、筒状支持部48と変速入力軸50との取付部は、スプライン係合部とインロー嵌合部との組み合わせにより構成されている。本実施形態では、インロー嵌合部は、スプライン係合部に対して軸方向Lで入力軸10の入力本体部11側に設けられている。
図2に示すように、変速入力軸50は、ケース2に対して回転可能な状態で支持されている。変速入力軸50は、ケース2を構成する第一分割ケース部21に固定された軸支持部材28により、径方向に支持されている。変速入力軸50は、軸支持部材28の筒状軸支持部29における両端部で、軸支持部材28に対して回転可能に支持されている。軸支持部材28を軸方向Lに貫通する変速入力軸50は、ロータ支持部材40をも軸方向Lに貫通する状態で配置されている。さらに、変速入力軸50の内燃機関E側の端部が、入力軸10(入力本体部11の中空部11B)の径方向内側空間に挿入されている。変速入力軸50には、軸方向Lに沿って延びる複数の軸内油路が、互いに異なる周方向の位置に平行に形成されている。このような軸内油路には、第一油供給部81に連通する第二油路72(図4も参照)と、第二油供給部82に連通する第六油路76(図3も参照)とが含まれる。また、軸内油路には、摩擦係合装置CLの作動油圧室に油を供給するための油路も含まれる。
本実施形態に係る車両用駆動装置1は、オイルポンプOPを駆動するためのポンプ駆動機構60をさらに備えている。ポンプ駆動機構60は、互いに駆動連結されたポンプ駆動部材61と、第一伝達部材63と、第二伝達部材66とを有する。
図3に示すように、ポンプ駆動部材61は、筒状に形成されている。ポンプ駆動部材61には第一ギヤ62が形成されている。ポンプ駆動部材61は、ロータ支持部材40の筒状支持部48と入力軸10の入力筒状部12との間に、これらと同軸に配置されている。筒状支持部48とポンプ駆動部材61とに接する状態で第一ワンウェイクラッチF1が配置され、ポンプ駆動部材61と入力筒状部12とに接する状態で第二ワンウェイクラッチF2が配置されている。そして、筒状支持部48と第一ワンウェイクラッチF1と第二ワンウェイクラッチF2とが、径方向に見て重複する部分を有するように配置されている。また、筒状支持部48とロータRoとも、径方向に見て重複する部分を有するように配置されている。
第一ワンウェイクラッチF1によるポンプ駆動部材61に対するロータ支持部材40の相対回転の規制方向と、第二ワンウェイクラッチF2によるポンプ駆動部材61に対する入力軸10の相対回転の規制方向とは、互いに同一方向となっている。このため、これら2つのワンウェイクラッチF1,F2が協働することで、ポンプ駆動部材61は、入力軸10(内燃機関E)及びロータ支持部材40(回転電機MG)のうちの回転数が高い方と同速で回転する。
第一伝達部材63は、一体回転するように連結された第二ギヤ64と第三ギヤ65とを有する。第二ギヤ64は、ポンプ駆動部材61に形成された第一ギヤ62に噛み合っている。第三ギヤ65は、ロータ支持部材40の径方向延在部44に対して第二ギヤ64側とは反対側(軸支持部材28側)に配置されている。第二ギヤ64と第三ギヤ65とは、径方向延在部44を挟んで軸方向Lの両側に分かれて配置されている。第一伝達部材63は、径方向延在部44に形成された軸挿通孔46に挿通された状態で配置されている。これにより、第一伝達部材63は、径方向延在部44を軸方向Lに貫通する状態で配置されている。
第二伝達部材66は、一体回転するように連結された第四ギヤ67と第一スプロケット68とを有する。第四ギヤ67は、第一伝達部材63に形成された第三ギヤ65に噛み合っている。第一スプロケット68は、第四ギヤ67に対して軸方向Lでポンプ駆動部材61及び第一伝達部材63側とは反対側(軸支持部材28側)に配置されている。第一スプロケット68には、チェーン69が巻きかけられている。図2や図3では図示は省略されているが、ポンプ駆動機構60には、変速入力軸50とは別軸に配置されるポンプ軸に固定された、チェーン69に巻きかけられる第二スプロケットも含まれている。なお、そのようなチェーン機構に代えて、ベルト機構やギヤ機構等を含んでポンプ駆動機構60が構成されても良い。
このように、本実施形態に係るポンプ駆動機構60において、ポンプ駆動部材61と第二伝達部材66とは、径方向延在部44を軸方向Lに貫通する状態で配置される第一伝達部材63を介して駆動連結されている。このため、軸方向Lにおけるポンプ駆動部材61と第二伝達部材66との間にロータ支持部材40の径方向延在部44が存在する場合であっても、ポンプ駆動部材61の回転を適切に第二伝達部材66ひいてはオイルポンプOPに伝達できる。そして、上述した2つのワンウェイクラッチF1,F2との協働により、内燃機関E及び回転電機MGのうちの回転数の高い方のトルクによってオイルポンプOPを駆動することができる。これにより、車両用駆動装置1の下部に設置された油貯留部(例えばオイルパン;図示せず)から油が汲み上げられるとともに、オイルポンプOPから所定油圧の油が吐出される。吐出された油は、油圧制御装置(図示せず)を介して、摩擦係合装置CL等の係合の状態の制御や、装置各部の潤滑及び冷却等のために供給される。
以下、図2〜図5を参照して、オイルポンプOPから吐出された油を利用した、回転電機MG及び摩擦係合装置CLの冷却構造について説明する。本実施形態では、概略的には、回転電機MGを冷却するための油供給経路と、摩擦係合装置CLを冷却するための油供給経路とが、並列的に設けられている。すなわち、オイルポンプOPから吐出された油は、一部が回転電機MGに供給されるとともに、他の一部が摩擦係合装置CLに供給されるように構成されている。
図2に示すように、オイルポンプOPから吐出された油は、軸支持部材28の内部の第一油路71等を通って径方向内側に向かって流れ、変速入力軸50の内部に形成された第二油路72及び第六油路76にそれぞれ供給される。
図2及び図4に示すように、第二油路72内の油は、軸方向Lに沿って内燃機関E側に向かって流れ、変速入力軸50の内燃機関E側の端部孔から、入力本体部11の中空部11Bの径方向内側空間に至る。入力軸10は、中空部11Bにおける軸方向Lで入力軸受55とシール部材58との間の位置に、径方向に貫通形成された油孔15を有する。本例では、複数の油孔15が、周方向に分散して形成されている。この油孔15を通って、油が入力軸10の径方向外側に供給される。本実施形態では、第二油路72に連通する油孔15により、第一油供給部81が構成されている。この第一油供給部81は、回転電機MGに油を供給するための油供給部となる。本実施形態では、第一油供給部81が本発明における「油供給部」に相当する。
第一油供給部81からの油は、ケース2(第三分割ケース部24)の支持壁25を利用して、回転電機MGへと導かれる。本実施形態では、支持壁25に、第一油供給部81からの油を回転電機MGへと導く第四油路74が形成されている。なお、第一油供給部81と第四油路74との間には、第一油供給部81からの油を第四油路74へと導く第三油路73も形成されている。第三油路73は、径方向における入力軸10と支持壁25との間であって、且つ、軸方向Lにおける入力軸受55とシール部材58との間に形成されている。第三油路73は、周方向に連続する環状の油路となっている。本実施形態では、第三油路73が本発明における「連絡油路」に相当する。
第三油路73に連通するように、支持壁25における径方向内側部分25aに第四油路74が形成されている。第四油路74は、その第一油供給部81側(第三油路73側)の開口部である供給側開口部74aよりも、ロータRo側の開口部であるロータ側開口部74bが下方に位置するように配置されている。第四油路74は、供給側開口部74aからロータ側開口部74bまで径方向に延びるように形成されている。本実施形態では、第四油路74は、径方向に沿って直線状に形成された単一の油路となっている。第四油路74は、車両用駆動装置1が車両に搭載された状態(車両搭載状態)で、実質的に鉛直方向に沿うように配置されている。第四油路74は、鉛直方向に対して例えば±10°未満の交差角度を有する状態となるように配置されている。
第四油路74は、第一油供給部81を構成する油孔15と同じ軸方向Lの位置に形成されている。また、第四油路74は、そのロータ側開口部74bが径方向に見てロータ保持部41と重複する部分を有するように配置されている。このため、第一油供給部81から供給された油は、第三油路73及び第四油路74を通って、ロータ保持部41の径方向内側の空間へと導かれる。なお、第四油路74のロータ側開口部74bから出た油は、重力の作用を受けて、鉛直下側に滴下する。本実施形態では、第四油路74が本発明における「誘導油路」に相当する。
上述したように、ロータ保持部41の内周面における第四油路74のロータ側開口部74bに対応する軸方向Lの位置には、周方向に延びる周溝部42が形成されている。周溝部42は、径方向に見て第四油路74と重複する部分を有する位置に形成されている。本実施形態では、ロータ保持部41の内周面を基準とする周溝部42の深さは、ロータ保持部41と外側支持部33とのスプライン係合部Aを構成するスプライン溝部の深さよりも深く設定されている。本例では、周溝部42の深さは、スプライン溝部の深さの1.5倍〜2倍程度に設定されている。周溝部42は、第四油路74から径方向外側(鉛直下側)に向かって滴下する油を受け止めるオイルレシーバとして機能する。ロータ保持部41は、周溝部42の底部に、径方向に貫通形成された油孔41aを有する(図5を参照)。本例では、複数の油孔41aが周方向に分散して形成されている。この油孔41aを介して、周溝部42と、ロータRoとロータ保持部41との境界面に沿って形成された第五油路75とが連通している。
図5に示すように、第五油路75は、周溝部42と回転電機MGのステータStのコイルエンド部Ceの径方向内側の空間とを連通している。第五油路75は、周溝部42からコイルエンド部Ceへと油を導く。なお、コイルエンド部Ceは、ステータStを構成するステータコアに巻装されるコイルのうち、ステータコアから軸方向Lに突出する部分である。本実施形態では、第五油路75が本発明における「冷却油路」に相当する。また、コイルエンド部Ceが本発明における「冷却対象部分」に相当する。なお、第五油路75を通って油がコイルエンド部Ceへと導かれる過程でロータRoも冷却される点を考慮すれば、ロータRoも本発明における「冷却対象部分」に含まれる。第五油路75は、互いに連通接続された軸方向油路75Aと、径方向油路75Bと、環状油路75Cと、油噴出孔75Dとを含む。
軸方向油路75Aは、ロータRoの径方向内側端部において、軸方向Lに沿ってロータ保持部41と平行に延びるように形成されている。本例では、複数の油孔41aと同数の軸方向油路75Aが、周方向に分散して互いに平行に配置されている。径方向油路75Bは、軸方向油路75Aにおける軸方向Lの両端部から、径方向に沿って延びるように形成されている。径方向油路75Bは、ロータ保持部41と、ロータRoの軸方向Lの両側の端面に接するように配置された油路形成部材43とに亘って形成されている。本例では、複数の軸方向油路75Aと同数の一対の径方向油路75Bの組が、周方向に分散して放射状に配置されている。環状油路75Cは、ロータRoの軸方向Lの両側の端面と油路形成部材43との境界面に沿って、それぞれ周方向に連続するように形成されている。
油噴出孔75Dは、コイルエンド部Ceの径方向内側の空間に開口するように、環状油路75Cから径方向又は軸方向Lに沿って形成されている。本例では、複数の径方向油路75Bと同数の径方向の油噴出孔75Dが、径方向油路75Bのそれぞれと同じ周方向位置に放射状に配置されている。また、周方向に隣接する径方向の油噴出孔75Dどうしの間に、軸方向Lの油噴出孔75Dが形成されている(図4を参照)。これにより、複数の径方向油路75Bと同数の軸方向Lの油噴出孔75Dが、周方向に分散して互いに平行に配置されている。径方向の油噴出孔75Dと軸方向Lの油噴出孔75Dとは、周方向に交互に現れるように配置されている。径方向及び軸方向Lの油噴出孔75Dの開口部は、いずれも、径方向に見てコイルエンド部Ceと重複する位置に形成されている。
本実施形態では、第一油供給部81からの油は、第三油路73と第四油路74とを通って回転電機MG(ここでは、ロータ支持部材40に支持されたロータRo)へと導かれる。油は、周溝部42で受け止められた後、第五油路75を通って流れる。その際、油は、ロータRoとの間の熱交換によって当該ロータRoを冷却する。また、第五油路75を通って流れる油は、その後、油噴出孔75Dから噴出してコイルエンド部Ceに降り注ぐ。コイルエンド部Ceに降り注いだ油は、コイルエンド部Ceとの熱交換によって当該コイルエンド部CeひいてはステータStを冷却する。このようにして、回転電機MGの全体が冷却される。回転電機MGを冷却後の油は、再度、油貯留部(オイルパン等)に戻される。
図2及び図3に示すように、変速入力軸50の内部の第六油路76内の油は、軸方向Lに沿って内燃機関E側に向かって流れ、変速入力軸50に径方向に貫通形成された油孔51を通って、変速入力軸50の径方向外側に供給される。本実施形態では、第六油路76に連通する油孔51により、第二油供給部82が構成されている。この第二油供給部82は、摩擦係合装置CL(ここでは特に、複数の摩擦板31)に対して径方向内側から油を供給するための、第一油供給部81とは別の油供給部となる。本実施形態では、第二油供給部82が本発明における「第2の油供給部」に相当する。
第二油供給部82からの油は、軸方向Lにおけるポンプ駆動部材61と入力軸10の入力連結部13との間を通って、入力筒状部12の径方向外側に配置された摩擦係合装置CLへと導かれる。なお、その際、油は2つのワンウェイクラッチF1,F2の冷却及び潤滑も行う。本実施形態では、入力軸10の入力筒状部12に、軸方向L及び径方向の双方に対して傾斜する油孔16が形成されている。油は、この油孔16を通って、収容空間Pに配置された摩擦係合装置CLへと導かれる。図5に示すように、本実施形態では、内側支持部32及び外側支持部33は、それぞれ径方向に貫通形成された内側貫通孔32a及び外側貫通孔33aを有するため、油は、複数の摩擦板31どうしの間を通って径方向に流れる。その際、油は、摩擦板31との熱交換によって当該摩擦板31を冷却する。なお、外側貫通孔33aの総断面積を内側貫通孔32aの総断面積よりも大きく設定することで、摩擦板31どうしの間の油の流れが円滑化される。
外側支持部33の外周面とロータ保持部41の内周面との間には、微小隙間が形成されており、この微小隙間を通って軸方向Lに油が流通可能となっている。ロータ保持部41における、軸方向Lで移動規制部材37に対して周溝部42側とは反対側の部位に、連通孔45が形成されている。連通孔45は、ロータ保持部41における径方向に見てロータRoとは重複しない部位に形成されている。本実施形態では、連通孔45は、ロータ保持部41における径方向延在部44との境界部位に形成されている。連通孔45は、径方向外側に向かうに従って軸方向Lで軸支持部材28側に向かう傾斜状に形成されている。連通孔45は、摩擦係合装置CLが配置された収容空間Pと、ロータ支持部材40を挟んで位置する収容空間Pの外側の空間(油貯留部側の空間)とを連通している。本例では、複数の45が、周方向に分散して傾斜放射状に形成されている。
摩擦係合装置CLを冷却後、外側支持部33とロータ保持部41との間の微小隙間に到達した油は、移動規制部材37によって周溝部42側への流れを堰き止められた状態で、軸方向Lに沿って径方向延在部44側へと流通する。そして、油は、ロータ保持部41と径方向延在部44との境界部位から連通孔45を通って、再度、油貯留部(オイルパン等)に戻される。
以上説明したように、本実施形態では、支持壁25、摩擦係合装置CL、及び径方向延在部44が軸方向Lに沿って内燃機関E側から記載の順に配置されるとともに、支持壁25に、第一油供給部81からの油を回転電機MGへと導く第四油路74が形成されている。このため、入力軸10に設けられる第一油供給部81からの油を、摩擦係合装置CLを迂回して回転電機MGへと導くことができる。よって、摩擦係合装置CLの冷却には用いられていない比較的低温の油により、回転電機MGを効果的に冷却することができる。しかも、支持壁25に第四油路74を形成するだけで良いので、簡素な構造で回転電機MGの冷却効果を高めることができる。
また、第三油路73がシール機能付きの入力軸受55とシール部材58との間に形成されるとともに、有意な深さを有する(例えば、スプライン溝部よりも深い)周溝部42が第四油路74のロータ側開口部74bに対応する位置に形成されている。このため、第一油供給部81からの油を、あまり散逸させることなく、効率的にコイルエンド部Ceへと導くことができる。よって、回転電機MGの冷却効率をさらに高めることができる。
また、別経路から供給されて摩擦係合装置CLを冷却した後の油は、ロータ保持部41の内周面において移動規制部材37を越えて軸方向Lで周溝部42側に流通することが規制され、連通孔45を通って油貯留部(オイルパン等)に戻される。このため、摩擦係合装置CLを冷却した後の比較的高温の油がコイルエンド部Ceに到達するのを、有効に抑止することができる。よって、回転電機MGの高い冷却効率を担保することができる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る車両用駆動装置の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、第四油路74を通って供給される油が、ロータ保持部41及びロータRoを経由してコイルエンド部Ceに供給される構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第四油路74の径方向外側の開口部が径方向に見てロータ保持部41と重複する部分を有することなく、コイルエンド部Ceのみと重複するように配置され、第四油路74からの油が直接的にコイルエンド部Ceに供給されても良い。この場合、コイルエンド部Ceのみが本発明における「冷却対象部分」に相当することになる。
(2)上記の実施形態では、第四油路74が車両搭載状態で実質的に鉛直方向に沿う直線状に配置されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。第四油路74は、少なくともロータ側開口部74bが供給側開口部74aよりも下方に位置するように配置されていれば良い。特に、第四油路74は、車両搭載状態で水平方向成分よりも鉛直方向成分が大きくなるように配置されていれば好適であり、例えば鉛直方向に対して例えば±45°未満、±30°未満、或いは±20°未満等の交差角度を有する状態で配置されていても良い。また、第四油路74が所定形状に屈曲して形成されていても良い。
(3)上記の実施形態では、周溝部42が断面台形状に形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。周溝部42は、例えば断面矩形状や断面三角形状に形成されていても良い。
(4)上記の実施形態では、ロータ保持部41の内周面を基準とする周溝部42の深さが、スプライン係合部Aを構成するスプライン溝部の深さの1.5倍〜2倍程度に設定されている例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、周溝部42の深さは、スプライン溝部の深さの2倍以上に設定されていても良いし、1.5倍未満に設定されていても良い。後者の場合において、オイルレシーバとしての機能が損なわれない範囲内で、周溝部42の深さがスプライン溝部の深さよりも浅く設定されても良い。
(5)上記の実施形態では、ロータ保持部41の内周面における第四油路74のロータ側開口部74bに対応する位置に、周方向に連続する環状の周溝部42が形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。オイルレシーバとして機能し得るものであれば、そのような環状の周溝部42に代えて、周方向に断続的に形成された複数の円弧状の周溝部が形成されていても良い。或いは、軸方向Lでロータ側開口部74bに対して移動規制部材37よりも内燃機関E側に円環板状の堰部材が設置され、当該堰部材と移動規制部材37とにより、軸方向Lに対向配置された一対の板状部材からなる油受け部が形成されていても良い。
(6)上記の実施形態では、摩擦係合装置CLの外側支持部33とロータ支持部材40のロータ保持部41とが別部材である構成を前提とし、これらがスプライン係合部Aにより連結されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。ロータ保持部41が外側支持部33を兼用する構成とし、ロータ保持部41の内周面に外側摩擦板31Bを支持するためのスプライン係合部が設けられていても良い。この場合においても、ロータ保持部41の内周面を基準とする周溝部42の深さは、外側摩擦板31Bを支持するためのスプライン係合部の深さよりも深く設定されることが好ましい。
(7)上記の実施形態では、第五油路75の一部がロータRoとロータ保持部41との境界面に沿って形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第五油路75の一部がロータRoの内部に形成されていても良いし、第五油路75の一部がロータ保持部41の内部に形成されていても良い。
(8)上記の実施形態では、連通孔45が、ロータ保持部41における径方向延在部44との境界部位において、軸方向L及び径方向の双方に傾斜するように貫通形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば連通孔45が、ロータ保持部41における軸方向LでロータRoよりも軸支持部材28側の部位において、径方向に沿って貫通形成されていても良い。或いは、連通孔45が、径方向延在部44におけるロータ保持部41の内周面近傍に対応する部位(“径方向延在部44におけるロータ保持部41との境界部位”の一例)において、軸方向Lに沿って貫通形成されていても良い。
(9)上記の実施形態では、入力軸受55が閉塞板56を有するシール機能付軸受として構成されている例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば入力軸受55として、閉塞板56を有さない通常の転がり軸受を用いても良い。
(10)上記の実施形態では、本発明をFF(Front Engine Front Drive)車両に搭載される車両用駆動装置に適用した例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えばFR(Front Engine Rear Drive)車両や4WD(Four-Wheel Drive)車両に搭載される車両用駆動装置にも、同様に本発明を適用することができる。
(11)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、例えば1モータパラレル方式のハイブリッド車両用の駆動装置に利用することができる。
1 車両用駆動装置
2 ケース
10 入力軸(入力部材)
25 支持壁
31A 内側摩擦板
31B 外側摩擦板
32 内側支持部
33 外側支持部
40 ロータ支持部材
41 ロータ保持部
42 周溝部
44 径方向延在部
45 連通孔
55 入力軸受
56 閉塞板
58 シール部材
73 第三油路(連絡油路)
74 第四油路(誘導油路)
74a 供給側開口部
74b ロータ側開口部
75 第五油路(冷却油路)
81 第二油供給部(油供給部)
82 第二油供給部(第2の油供給部)
E 内燃機関
CL 摩擦係合装置
MG 回転電機
St ステータ
Ce コイルエンド部(冷却対象部分)
Ro ロータ(冷却対象部分)
L 軸方向
A スプライン係合部
P 収容空間

Claims (6)

  1. 内燃機関に駆動連結される入力部材と、
    ロータを有する回転電機と、
    前記入力部材と前記回転電機とを連結又は解放する摩擦係合装置と、
    径方向に延びる径方向延在部を有し、前記ロータを径方向に支持するロータ支持部材と、
    少なくとも前記回転電機及び前記摩擦係合装置を収容するケースと、を備え、
    前記ケースは、前記回転電機及び前記摩擦係合装置に対して軸方向の一方側で前記入力部材を支持する支持壁を有し、
    前記摩擦係合装置と前記径方向延在部とが同軸に配置され、
    前記支持壁、前記摩擦係合装置、及び前記径方向延在部が、軸方向に沿って前記内燃機関側から記載の順に配置され、
    前記支持壁に、前記入力部材に設けられる油供給部からの油を前記回転電機へと導く誘導油路が形成されている車両用駆動装置。
  2. 前記ロータ支持部材は、円筒状に形成されて前記ロータを径方向内側から保持するロータ保持部をさらに有し、
    前記誘導油路における前記ロータ側の開口部であるロータ側開口部と前記ロータ保持部とが径方向に見て重複する部分を有するように配置され、
    前記ロータ保持部の内周面における前記ロータ側開口部に対応する軸方向の位置に、周方向に延びる周溝部が形成され、
    前記ロータ及び前記ロータ保持部の少なくとも一方に、前記周溝部から前記回転電機の冷却対象部分へと油を導く冷却油路が形成されている請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記摩擦係合装置は、対をなす内側摩擦板及び外側摩擦板と、前記内側摩擦板を径方向内側から支持する内側支持部と、前記外側摩擦板を径方向外側から支持する外側支持部と、を有し、
    前記ロータ保持部の内周面に、前記外側支持部が前記ロータ保持部とは別部材である場合において前記外側支持部と連結するためのスプライン係合部、又は前記ロータ保持部が前記外側支持部を兼ねる場合において前記外側摩擦板を支持するためのスプライン係合部が形成され、
    前記ロータ保持部の内周面を基準とする前記周溝部の深さが、前記スプライン係合部を構成するスプライン溝部の深さよりも深い請求項2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記摩擦係合装置に対して径方向内側から油を供給するための、前記油供給部とは別の第2の油供給部をさらに備え、
    前記摩擦係合装置は、対をなす内側摩擦板及び外側摩擦板を有し、
    前記内側摩擦板及び前記外側摩擦板は、径方向に見てロータ保持部と重複する部分を有するように、前記ロータ保持部の径方向内側の収容空間に配置され、
    前記ロータ保持部における径方向に見て前記ロータ及び前記周溝部とは重複しない部位、又は前記径方向延在部における前記ロータ保持部との境界部位に、前記収容空間と前記ロータ支持部材を挟んで前記収容空間の外側に位置する空間とを連通する連通孔が形成されている請求項2又は3に記載の車両用駆動装置。
  5. 径方向における前記入力部材と前記支持壁との間にこれら双方に接するように軸方向に並んで配置された入力軸受とシール部材とをさらに備え、
    軸方向における前記入力軸受と前記シール部材との間に、前記油供給部からの油を前記誘導油路へと導く連絡油路が形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記誘導油路は、前記油供給部側の開口部である供給側開口部から前記ロータ側の開口部であるロータ側開口部まで径方向に延びるように形成され、
    車両搭載状態で、前記ロータ側開口部が前記供給側開口部よりも下方に位置する請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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