JP2015139888A - インプリントモールド及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

インプリントモールド及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被転写基材の主面に対向する対向面の面形状に応じてインプリント処理時に当該主面に歪みが生じたとしても、所望とする範囲の倍率の微細凹凸パターンを有するインプリントモールドを製造する方法を提供する。【解決手段】微細凹凸パターン200を有するモールド100を用いたインプリント処理により、被転写基材10の主面11側のパターン領域PAに当該微細凹凸パターン200に対応する微細凹凸パターン2を形成してインプリントモールド1を製造する方法は、被転写基材10の主面11に対向する対向面13の面形状に基づいて、モールド100を変形させるための補正倍率を算出する工程と、補正倍率に基づいて変形させたモールド100を用いてインプリント処理を行い、被転写基材10のパターン領域PAにレジストパターン41を形成する工程と、レジストパターン41をマスクとして被転写基材10をエッチングする工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、インプリントモールド及び半導体デバイスを製造する方法に関する。
微細加工技術としてのナノインプリント技術は、基材の表面に微細凹凸パターンが形成されてなる型部材(インプリントモールド)を用い、当該微細凹凸パターンをインプリント樹脂等の被加工物に転写することで微細凹凸パターンを等倍転写するパターン形成技術である(特許文献1参照)。特に、半導体デバイスにおける配線パターン等のさらなる微細化の進行等に伴い、半導体デバイスの製造プロセス等においてナノインプリント技術が益々注目されている。
ナノインプリント技術において用いられる微細凹凸パターンを有するインプリントモールドとしては、従来、電子線(EB)リソグラフィーにより作製されてなるものが知られている(非特許文献1参照)。具体的には、電子線描画装置を用いてモールド用基板の一方の面上にレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとしてモールド用基板をドライエッチング処理に付することによりインプリントモールドが作製される。このようにして作製されるインプリントモールドは、その作製工程において電子線描画装置により極小スポットビームを走査させる必要があることで作製に膨大な時間を要し、作製コストの非常に高いものとなる。また、所定回数の転写工程に使用されると、被転写材料(インプリント用樹脂等)に形成される微細凹凸パターンに欠陥が生じてしまったり、インプリントモールドの微細凹凸パターンが損傷してしまったりすることがある。
このようにして被転写材料に形成される微細凹凸パターンの欠陥やインプリントモールドの微細凹凸パターンの損傷が生じてしまった場合に、その都度、電子線(EB)リソグラフィーにより作製された新たなインプリントモールドに交換するとなると、ナノインプリント技術を経て製造される半導体デバイス等の製品の多大なるコストアップにつながってしまう。
そのため、産業規模でナノインプリント技術を実施する際には、一般に、電子線(EB)リソグラフィーにより作製されたインプリントモールドをマスターモールドとし、当該マスターモールドを用いてマスターモールドの微細凹凸パターンを反転させた微細凹凸パターンを有するレプリカモールドを多数作製し、そのレプリカモールドをナノインプリント技術におけるインプリントモールドとして用いるのが通常である(特許文献1参照)。
このようにして得られるレプリカモールドは、低コストでの大量生産が可能である。そのため、それらをナノインプリント技術におけるインプリントモールドとして用いることで、仮に当該インプリントモールドが損傷してしまったり、当該インプリントモールドにより被転写材料に形成される微細凹凸パターンに欠陥が生じてしまったりしても、次々と新しいインプリントモールドに交換しながらナノインプリント技術を実施することができ、半導体デバイス等の製品の製造コストを低減することができる。また、多数のレプリカモールドを作製しておくことで、複数のインプリント装置のそれぞれにレプリカモールドをセットして同時に使用することができ、半導体デバイス等の製品の生産性を向上させることができる。
特開2010−282995号公報
谷口淳著,「はじめてのナノインプリント技術」,P180,2005年,工業調査会刊
一般に、レプリカモールドにおいては、微細凹凸パターンの寸法精度に優れることとともに、その用途等に応じ、所望とする倍率で微細凹凸パターンが形成されていることが要求される。特に、半導体デバイス等の製品を製造するために用いられるレプリカモールドにおいては、極めて厳しい倍率(例えば、±0.1ppm以下)での微細凹凸パターンの形成が要求されており、半導体デバイス等のさらなる微細化の進行等に伴い、さらに厳しい倍率での微細凹凸パターンの形成が要求されることが予想される。なお、「パターンの倍率」とは、レプリカモールドのパターンの形成されている領域(パターン領域)の中心座標をゼロとしたときのパターンの座標の、設計値(座標値)に対する位置ずれ率(ppm)を意味するものとする。
このような要求を満足するために、レプリカモールド用基板における微細凹凸パターンの形成される面(主面)には、極めて高い平坦度が要求されている現状がある。当該主面の平坦度が低いと、マスターモールドの微細凹凸パターンを高精度に転写することができず、レプリカモールドにおいて微細凹凸パターンの寸法精度が低下してしまうとともに、微細凹凸パターンの倍率が所望とする範囲を超えてしまうためである。
しかしながら、主面の平坦度が極めて高いレプリカモールド用基板を用いても、製造されるレプリカモールドにおいて微細凹凸パターンの倍率が所望とする範囲を超えてしまうことがある。この原因を本発明者らが鋭意検討した結果、レプリカモールド用基板の主面に対向する対向面(裏面)の面形状が、レプリカモールドの微細凹凸パターンの倍率に影響を与えていることが判明した。
すなわち、マスターモールドを用いたインプリント処理によりレプリカモールド用基板の主面に微細凹凸パターンを形成する場合、通常、レプリカモールド用基板は、インプリント装置の基板ステージ上に載置され、真空吸着される。このとき、レプリカモールド用基板の裏面の面形状に応じ、真空吸着されたレプリカモールド用基板の主面に歪みが生じる。歪みが生じている状態で、レプリカモールド用基板の主面上の被転写材料(インプリント樹脂等)に微細凹凸パターンが形成された後、レプリカモールド用基板の真空吸着の解除に伴い歪みが解消することで、被転写材料に形成された微細凹凸パターンは伸長又は収縮する。
このレプリカモールド用基板の主面側の平面視における一方向(X方向)及びその直交方向(他方向,Y方向)における各歪み量に依拠して、レプリカモールドの微細凹凸パターンの倍率が所望とする範囲を超えてしまうという問題が生じる。また、X方向及びY方向の歪み量間にバラツキがあると、レプリカモールドの微細凹凸パターンの倍率がX方向及びY方向で異なり、少なくとも一方向における上記倍率が所望とする範囲を超えてしまうという問題も生じる。さらには、一般に、多数のレプリカモールド用基板を用いて多数のレプリカモールドを作製するが、レプリカモールド用基板ごとに歪み量にバラツキがあることで、所望とする範囲内の倍率の微細凹凸パターンを有するレプリカモールドを安定的に製造することが困難であるという問題も生じ得る。
このような問題が生じないようにするために、裏面の平坦度が良好なレプリカモールド用基板を用いてレプリカモールドを製造することも考えられる。しかし、裏面の平坦度を良好にするためには、裏面を研磨する必要があるが、それに伴い、レプリカモールド用基板が高価なものになってしまい、レプリカモールドの製造コストが上昇してしまうという問題がある。
上記課題に鑑みて、本発明は、レプリカモールド用基板等の被転写基材の主面に対向する対向面の面形状に応じてインプリント処理時に当該主面に歪みが生じたとしても、所望とする範囲の倍率の微細凹凸パターンを有するインプリントモールドの製造方法及び半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、微細凹凸パターンを有するモールドを用いたインプリント処理により、被転写基材の主面側のパターン領域に前記微細凹凸パターンに対応する微細凹凸パターンを形成してインプリントモールドを製造する方法であって、前記被転写基材の主面に対向する対向面の面形状に基づいて、前記モールドを変形させるための補正倍率を算出する補正倍率算出工程と、前記補正倍率に基づいて変形させた前記モールドを用いてインプリント処理を行い、前記被転写基材のパターン領域にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、前記レジストパターンをマスクとして前記被転写基材をエッチングするエッチング工程とを含むことを特徴とするインプリントモールドの製造方法を提供する(発明1)。
インプリント処理によりインプリントモールドを製造する場合、当該インプリントモールド用の被転写基材の裏面(微細凹凸パターンが形成される主面(表面)に対向する面)の面形状が、主面側に形成される微細凹凸パターンの倍率に影響を与える。しかしながら、上記発明(発明1)によれば、当該被転写基材の裏面の面形状に基づいて、インプリント処理に用いられるモールドの倍率補正(補正倍率に基づく変形)を行うため、インプリントモールドにおける微細凹凸パターンの倍率を所望とする範囲で形成することができる。
上記発明(発明1)においては、前記補正倍率算出工程において、基板ステージ上に真空吸着された前記被転写基材の主面の面形状を計測し、当該主面の面形状が前記対向面の面形状であると仮定して前記補正倍率を算出するのが好ましい(発明2)。
一般に、インプリント処理により微細凹凸パターンを形成する場合、インプリント装置の基板ステージ上に被転写基材が載置され、真空吸着される。このとき、被転写基材の裏面の面形状に応じて、主面に歪みが生じる。例えば、被転写基材の裏面の面形状が略凸レンズ状であれば、真空吸着された被転写基材の主面が略凸レンズ状になるように歪みが生じる。そして、被転写基材の主面は優れた平坦度を有するため、裏面の面形状が、真空吸着された被転写基材の主面側に実質的に現われる。よって、上記発明(発明2)によれば、真空吸着された被転写基材の主面の面形状を計測することにより、当該主面の面形状を裏面の面形状と仮定することができるため、主面の面形状に基づいてモールドの倍率補正を行うことができ、インプリントモールドにおける微細凹凸パターンの倍率を所望とする範囲で形成することができる。
上記発明(発明2)においては、前記パターン領域を包含する、当該パターン領域よりも面積の広い領域の面形状を計測するのが好ましく(発明3)、上記発明(発明2,3)においては、前記被転写基材は、前記主面から突出する、前記パターン領域が上面に位置する凸構造部を有し、前記凸構造部の周縁に位置する領域の面形状を計測するのが好ましい(発明4)。
上記発明(発明2〜4)においては、前記補正倍率算出工程において、前記主面の面形状を回転楕円体で近似し、前記回転楕円体で近似された前記主面の面形状に基づいて、前記補正倍率を算出するのが好ましい(発明5)。
上記発明(発明2〜5)においては、前記補正倍率算出工程において、前記主面の面形状から前記被転写基材の主面の歪み量を求め、当該歪み量に基づいて前記補正倍率を算出するのが好ましく(発明6)、かかる発明(発明6)においては、前記主面内の一方向及びそれに直交する他方向における前記歪み量をそれぞれ求め、各歪み量に基づいて前記一方向及び他方向のそれぞれに平行な方向における前記補正倍率を算出するのが好ましい(発明7)。
また、本発明は、半導体基板の主面に微細凹凸パターンが形成されてなる半導体デバイスを製造する方法であって、前記半導体基板の主面に対向する対向面の面形状に基づいて、前記半導体基板の主面に微細凹凸パターンを形成するためのインプリントモールドの補正倍率を算出する補正倍率算出工程と、前記補正倍率に基づいて変形させた前記インプリントモールドを用いてインプリント処理を行い、前記半導体基板の主面にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、前記レジストパターンをマスクとして前記半導体基板をエッチングするエッチング工程とを有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法を提供する(発明8)。
さらに、本発明は、被転写基材の主面側のパターン領域に微細凹凸パターンを形成するために用いられるインプリントモールドを製造する方法であって、前記被転写基材の主面に対向する対向面の面形状を求める工程と、前記被転写基材の主面側のパターン領域に形成される前記微細凹凸パターンの設計値及び前記面形状に基づいて、前記インプリントモールドの微細凹凸パターンの設計値を求める工程とを有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法を提供する(発明9)。
本発明によれば、レプリカモールド用基板等の被転写基材の主面に対向する対向面の面形状に応じてインプリント処理時に当該主面に歪みが生じたとしても、所望とする範囲の倍率の微細凹凸パターンを有するインプリントモールドの製造方法及び半導体デバイスの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るインプリントモールドの製造方法の各工程を切断端面図にて示す工程フロー図である。 図2は、本発明の一実施形態において使用可能なレプリカモールド用基板の他の構成例を示す断面図である。 図3は、本発明の一実施形態において使用可能なレプリカモールド用基板を示す平面図である。 図4は、本発明の一実施形態において使用可能なレプリカモールド用基板を示す切断端面図である。 図5は、本発明の一実施形態においてレプリカモールド用基板のパターン形成面が変形する例を示す平面図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施形態としてインプリントモールドの製造方法を例に挙げて説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではなく、例えば、シリコンウェハ等の半導体基板に微細凹凸パターンを形成して半導体デバイスを製造する方法にも適用可能である。
〔インプリントモールドの製造方法〕
図1は、本実施形態に係るインプリントモールドの製造方法の各工程を断面図にて示す工程フロー図である。
なお、本実施形態に係るインプリントモールドの製造方法として、微細凹凸パターンを有するマスターモールドを用いたインプリント処理により、当該マスターモールドの微細凹凸パターンを反転させてなる微細凹凸パターンを有するレプリカモールドを製造する方法を例に挙げて説明するが、このような態様に限定されず、当該レプリカモールドを用いたインプリント処理により、当該レプリカモールドの微細凹凸パターンを反転させてなる微細凹凸パターンを有するレプリカモールドを製造する方法であってもよい。
図1に示すように、本実施形態に係るインプリントモールドの製造方法においては、まず、主面11側から突出する凸構造部12上にハードマスク層20が設けられているレプリカモールド用基板(被転写基材)10を用意し、当該レプリカモールド用基板10をインプリント装置(図示せず)の基板ステージ50上に載置する(図1(a)参照)。
レプリカモールド用基板10としては、本実施形態において製造されるレプリカモールド1(図1(f)参照)の用途(光インプリント用、熱インプリント用等の用途)に応じて適宜選択され得るものであり、インプリントモールドを製造する際に一般的に用いられている基板(例えば、石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、アクリルガラス等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板;ニッケル基板、チタン基板、アルミニウム基板等の金属基板;シリコン基板、窒化ガリウム基板等の半導体基板等)を用いることができる。
レプリカモールド用基板10の厚さは、基板の強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定され得る。なお、本実施形態において「透明」とは、波長300〜450nmの光線の透過率が85%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
ハードマスク層20を構成する材料としては、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードマスク層20は、後述する工程(図1(e))にてパターニングされ、それにより形成されたハードマスクパターン21は、レプリカモールド用基板10をエッチングする際のマスクとして用いられる。そのため、レプリカモールド用基板10の種類に応じたエッチング選択比等を考慮して、ハードマスク層20の構成材料を選択するのが好ましい。例えば、レプリカモールド用基板10が石英ガラスである場合、ハードマスク層20として金属クロム膜等が好適に選択され得る。
なお、ハードマスク層20の厚さは、レプリカモールド用基板10の種類に応じたエッチング選択比等を考慮して適宜設定される。例えば、レプリカモールド用基板10が石英ガラスであって、ハードマスク層20が金属クロム膜である場合、ハードマスク層20の厚さは、3〜10nm程度である。
本実施形態において、レプリカモールド用基板10として、図1(a)に示すように、主面11の略中央に位置する、主面11から突出する凸構造部12と、裏面13の略中央に形成される凹部14とを有するものを例に挙げて説明するが、このような態様に限定されるものではない。例えば、上記凸構造部12や凹部14を有しない平板状の基板であってもよい(図2参照)。特に、主面11に凸構造部12を有し、裏面13に凹部14を有するレプリカモールド用基板10(図1(a)参照)においては、当該凸構造部12や凹部14が形成される際に裏面13の平坦度が低下することがあるため、本実施形態に係るインプリントモールドの製造方法が特に有益である。
凸構造部12を有するレプリカモールド用基板10においては、凸構造部12の上面12aが、レプリカモールド1における微細凹凸パターン2の形成されるパターン領域PAである。また、凸構造部12を有しないレプリカモールド用基板10においては、当該基板10の主面11の所定の領域(マスターモールド100において微細凹凸パターン200が形成されている領域に相当する領域(インプリント処理時に対向する領域))がパターン領域として設定され得る。
本実施形態において、レプリカモールド用基板10の凹部14は、当該凹部14の外形をレプリカモールド用基板10の主面11側に投影した投影領域15が、平面視における凸構造部12の外形を物理的に包含するように形成されている(図3参照)。このような凹部14を有するレプリカモールド用基板10を用いて製造されるレプリカモールド1によれば、インプリント処理時、特に離型時に当該レプリカモールド1を湾曲させることができ、レプリカモールド1の離型を容易に行うことができる。
基板ステージ50には、基板ステージ50に載置されたレプリカモールド用基板10の凹部14の外側に位置するように吸着孔51が設けられている。この吸着孔51を介して基板ステージ50に載置されたレプリカモールド用基板10が真空吸着され、基板ステージ50上に固定される(図1(b)参照)。
次に、レプリカモールド用基板10を基板ステージ50に真空吸着させ(図1(b)参照)、その状態のまま、レプリカモールド用基板10の主面11の面形状を計測する。
レプリカモールド用基板10の主面11、特に凸構造部12上のパターン領域PAは、極めて高い平坦度(平面度)を有する。当該主面11の平坦度が劣悪であると、パターン領域PAに形成される微細凹凸パターン2(図1(f)参照)の精度が低下してしまうためである。
しかしながら、レプリカモールド用基板10によっては、裏面13の平坦度(平面度)が劣悪である場合がある。そして、基板ステージ50上のレプリカモールド用基板10が真空吸着されると、レプリカモールド用基板10の裏面13の面形状が実質的に主面11側に現われる。すなわち、裏面13の面形状に応じて、真空吸着されたレプリカモールド用基板10の凸構造部12上のパターン領域PAが伸長又は収縮する方向に、歪みが生じることがある。例えば、図4(a)に示すように、レプリカモールド用基板10の裏面13の面形状が略凸レンズ状であれば、真空吸着されたレプリカモールド用基板10のパターン領域PAが伸長する方向に歪みが生じる(図5(a)参照)。一方、図4(b)に示すように、レプリカモールド用基板10の裏面13の面形状が略凹レンズ状であれば、パターン領域PAが収縮する方向に歪みが生じることがある(図5(b)参照)。なお、図5(a),(b)において、真空吸着前のパターン領域PAが実線で表され、真空吸着後のパターン領域PAが破線で表されている。また、レプリカモールド用基板10の裏面13に、部分的な凸部又は凹部がある場合も、真空吸着されたレプリカモールド用基板10のパターン領域PAが伸長又は収縮する方向に歪みが生じる。
真空吸着されたレプリカモールド用基板10のパターン領域PAにインプリント処理によりレジストパターン41を形成した後、真空吸着を解除すると、レプリカモールド用基板10に生じていた歪みが解消されて真空吸着前の状態に戻り、それに伴い、パターン領域PAが収縮又は伸長する。このとき、レプリカモールド用基板10のパターン領域PA上に形成されたレジストパターン41も、パターン領域PAとともに収縮又は伸長する。例えば、X方向の歪み量εXが1.3ppm、Y方向の歪み量εYが1.7ppmであるとすると、パターン領域PAに形成されたレジストパターン41に、真空吸着の解除に伴い、1.3ppm相当のX方向の変形、1.7ppm相当のY方向の変形が生じる。
一般に、レプリカモールド1を作製するときには、多数のレプリカモールド用基板10を準備し、各レプリカモールド用基板10に対して、マスターモールド100を用いたインプリント処理が行われる。この多数のレプリカモールド用基板10において、各レプリカモールド用基板10の真空吸着により生じるX方向及びY方向の歪み量εX,εYが略同一であれば(歪み量εX,εYに実質的にバラツキがなければ)、パターン領域PA上に形成されるレジストパターン41の倍率も略一定に変化するため、当該歪み量εX,εYを見越した設計(レプリカモールド1やマスターモールド100の設計)も可能となる。
しかし、多数のレプリカモールド用基板10のそれぞれにおいてX方向及びY方向の歪み量εX,εYにバラツキがあると、それらから製造される多数のレプリカモールド1のそれぞれにおいて微細凹凸パターン2の倍率にバラツキが生じてしまう。
そこで、本実施形態においては、基板ステージ50に真空吸着されたレプリカモールド用基板10の主面11側の面形状を計測し、真空吸着による主面11のX方向及びY方向の歪み量εX,εYをそれぞれ求め、当該歪み量εX,εYに基づいてマスターモールド100の補正倍率を算出する。そして、当該補正倍率に基づいて、インプリント装置の倍率補正機構(図示せず)による倍率補正を行い、マスターモールド100を変形させてインプリント処理を行う。これにより、真空吸着が解除されたときにパターン領域PAに形成されているレジストパターン41の倍率(位置ずれ率)、すなわち、レプリカモールド1における微細凹凸パターン2の倍率を所望とする範囲で形成することができる。
レプリカモールド用基板10の主面11側の面形状を計測し、主面11の歪み量εX,εYを求める方法としては、例えば、以下のような方法を挙げることができる。
まず、レーザー変位計(例えば、LK−G5000,キーエンス社製)等を用いて、基板ステージ50上に真空吸着されたレプリカモールド用基板10の主面11の高さ分布を計測し、当該高さ分布データから主面11の面形状を取得する。当該主面11側における高さ分布の計測領域としては、主面11側の全面であってもよいが、少なくともパターン領域PAを包含し、当該主面11の高低差を有意に計測可能な領域であればよい。また、上記計測領域の形状は、円形であってもよいし、矩形であってもよい。本実施形態のように、レプリカモールド用基板10の主面11側に凸構造部12が設けられている場合、当該凸構造部12の外側に位置する所定の領域の高さ分布を計測するのが好ましい。さらに、裏面13に凹部14が形成されている場合、当該凹部14の外形を主面11側に投影した投影領域15を包含する領域であって、凸構造部12の外側に位置する所定の領域16の高さ分布を計測するのが望ましい。(図3参照)。
なお、レプリカモールド用基板10の主面11側は、通常、極めて平坦度(平面度)が高いため、レプリカモールド用基板10を基板ステージ50に真空吸着させたとき、レプリカモールド用基板10の裏面13の面形状が、主面11側に実質的に現われる。よって、基板ステージ50に真空吸着させたレプリカモールド用基板10の主面11の高さ分布から得られる主面11の表面形状を、裏面13の面形状として仮定することができる。
次に、上述のようにして取得した主面11の面形状に対し、回転楕円体によるフィッティング処理(最小二乗法によるフィッティング処理)を行い、当該回転楕円体面の曲率(X方向の曲率及びY方向の曲率)を算出する。
そして、このようにして算出した曲率とレプリカモールド用基板10の厚さとに基づいて、レプリカモールド用基板10の主面11のX方向の歪み量εX及びY方向の歪み量εY(図5(a),(b)参照)をそれぞれ算出する。なお、歪み量εX,εYは、レプリカモールド用基板10の主面11が平坦であると仮定して算出する。その後、X方向の歪み量εX及びY方向の歪み量εYに基づいて、マスターモールド100の補正倍率(X方向の補正倍率及びY方向の補正倍率)を算出する。
マスターモールド100のX方向及びY方向の補正倍率は、X方向の歪み量εX及びY方向の歪み量εYに基づいて、下記のようにして算出することができる。
例えば、レプリカモールド用基板10の主面11のX方向の歪み量εXが1.3ppm(真空吸着により、レプリカモールド用基板10の主面11がX方向に1.3ppm伸長)、Y方向の歪み量εYが1.7ppm(真空吸着により、レプリカモールド用基板10の主面11がY方向に1.7ppm伸長)である場合、パターン領域PAに形成されるレジストパターン41は、真空吸着の解除により、X方向に1.3ppm収縮し、Y方向に1.7ppm収縮する。マスターモールド100の倍率補正を行わずにインプリント処理を実施すると、X方向の倍率が−1.3ppm(レプリカモールド1の設計値に対して1.3ppm収縮)、Y方向の倍率が−1.7ppm(レプリカモールド1の設計値に対して1.7ppm収縮)のレジストパターン41が形成されることになる。そこで、これらの倍率が所望とする範囲(例えば、±0.1ppm)となるように、マスターモールド100の補正倍率を算出するが、その前提として、マスターモールド100の微細凹凸パターン200の倍率を、例えば、設計値(等倍転写を前提としてレプリカモールド1の設計値から求められるマスターモールド100の設計値)に対して2ppm程度拡大させてマスターモールド100を作製しておく必要がある。その上で、レプリカモールド用基板10の主面11のX方向及びY方向における収縮量が見かけ上同一(例えば、2.0ppm)になるように設定し、実際の歪み量εX,εYと設定値(例えば、2.0ppm)との差分を補うことのできる補正倍率(X方向及びY方向)をそれぞれ算出する。すなわち、上記の例においては、X方向の補正倍率を0.7ppm、Y方向の補正倍率を0.3ppmとする。これにより、レプリカモールド用基板10の主面11上(パターン領域PA)に形成されるレジストパターン41の倍率を所望とする範囲にすることができる。
なお、一般には、多数のレプリカモールド用基板10のそれぞれにおいて、X方向及びY方向の歪み量εX,εYにバラツキがあることが予想される。そのため、マスターモールド100を作製するにあたり、予め、多数のレプリカモールド用基板10の裏面13の面形状を上述のようにして測定し、基板ステージ50に真空吸着させたレプリカモールド用基板10の主面11のX方向の歪み量εX及びY方向の歪み量εY(図5(a),(b)参照)をそれぞれ算出しておく。この歪み量εX,εYの算出結果を指標として、マスターモールド100の微細凹凸パターン200の倍率(レプリカモールド1の設計値から等倍転写を前提として求められるマスターモールド100の設計値に対する拡大率。上記の例で言えば2ppm)を求め、当該マスターモールド100を作製すればよい。
そして、上述のようにして算出された補正倍率に基づいて、倍率補正機構(図示せず)によるマスターモールド100の倍率補正を行った上で、レプリカモールド用基板10に対してインプリント処理を行い、レプリカモールド用基板10のパターン領域PAにレジストパターン41を形成する(図1(c),(d)参照)。このレジストパターン41は、レプリカモールド用基板10のX方向及びY方向の歪み量εX,εYを反映させて形成されているため、真空吸着が解除された後のレプリカモールド用基板10において所望の倍率を有するものとなっている。
なお、本実施形態におけるマスターモールド100は、転写されるべき微細凹凸パターン200の他、位置合わせ用のアライメントマーク(図示せず)や、位置精度を評価するために用いられる計測用マーク(図示せず)等を有する。マスターモールド100を用いたインプリント処理により、レプリカモールド用基板10の凸構造部12上のパターン領域PAに、マスターモールド100の計測用マークに対応する計測パターンが形成される。
続いて、レジストパターン41が形成されたレプリカモールド用基板10をエッチング処理に付し、レプリカモールド用基板10のパターン領域PA上のハードマスク層20をエッチングし、ハードマスクパターン21を形成する(図1(e)参照)。そして、ハードマスクパターン21をマスクとしてレプリカモールド用基板10をエッチングしてパターン領域PAに微細凹凸パターン2を形成し、最後に、ハードマスクパターン21を除去することで、レプリカモールド1を製造することができる(図1(f)参照)。
なお、上述のようにして製造されるレプリカモールド1の微細凹凸パターン2の倍率は、例えば、微細凹凸パターン2とともに形成される計測パターンの位置(座標)を、座標測定装置(例えば、IPRO Series(ケーエルエー・テンコール社製)など)を用いて計測して求めることができる。
上述したように、本実施形態においては、レプリカモールド用基板10の裏面(主面11に対向する対向面)13の平坦度、及びそれによる真空吸着時の歪み量ε(εX,εY)を反映させた補正倍率により、マスターモールド100が倍率補正されるため、レプリカモールド用基板10のパターン領域PAに形成される微細凹凸パターン2の倍率を所望とする範囲にすることができる。
このように、本実施形態に係るインプリントモールドの製造方法によれば、レプリカモールド用基板10の裏面13の面形状に応じて生じる主面11の歪みにかかわらず、所望とする範囲の倍率の微細凹凸パターン2を有するインプリントモールド1を製造することができる。
また、予め、多数のレプリカモールド用基板10の裏面の面形状を測定し、主面11のX方向の歪み量εX及びY方向の歪み量εYをそれぞれ算出しておくことで、この歪み量εX,εYの算出結果を指標として、マスターモールドの倍率を求め、当該マスターモールド100を作製することができ、その結果、マスターモールド100の倍率補正により、所望とする範囲の倍率の微細凹凸パターン2を有するインプリントモールド1を製造することが可能となる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
<マスターモールドの作製>
平板形状の基材として、石英ガラス基板(152mm×152mm、厚さ:6.35mm)を準備し、この基材の上記の一の面上にスパッタリング法によりクロム薄膜を成膜した。次いで、このクロム薄膜上に、スピンコート法により、電子線感応ポジ型レジストを塗布した。この塗膜に対して設計座標に基づいて電子線描画を行い、現像して、凹凸構造領域内のハードマスク材料層上に、所望のレジストパターンを形成した。
なお、上記設計座標を求めるにあたり、厚さ5nmのCrからなるハードマスク層20が主面11側の凸構造部12上に設けられているレプリカモールド用基板10としての石英ガラス基板を多数用意し、その中から任意に抽出した10枚のレプリカモールド用基板10をそれぞれインプリント装置の基板ステージ50上に載置して真空吸着し、レプリカモールド用基板10の主面11側の高さ分布を、レーザー変位計(LK−G5000,キーエンス社製)を用いて計測し、当該高さ分布データからレプリカモールド用基板10の主面11側の面形状を求めた。そして、レプリカモールド用基板10の主面11側の面形状に、回転楕円体を最小二乗法によりフィッティングし、当該回転楕円体面のX方向及びY方向の曲率をそれぞれ求め、当該曲率及びレプリカモールド用基板10の厚さから、X方向及びY方向の歪み量εX,εYを算出した。10枚のレプリカモールド用基板10におけるX方向の歪み量εXは1.18〜1.91ppm(X方向に1.18〜1.91ppm伸長、平均1.48ppm)であり、Y方向の歪み量εYは1.16〜1.85ppm(Y方向に1.16〜1.84ppm伸長、平均1.57ppm)であった。この結果から、マスターモールド100の上記設計座標として、マスターモールド100の微細凹凸パターン200の倍率をレプリカモールド1の微細凹凸パターン2の所望とする倍率(設計値:±0.1ppm)より2ppm拡大させたものを用いた。
続いて、レジストパターンを介してクロム薄膜をエッチングしてハードマスクパターンを形成し、当該ハードマスクパターンをマスクとして基材(石英ガラス基板)をエッチングし、マスターモールド100を作製した。
<レジストパターンの形成>
上記レプリカモールド用基板10としての石英ガラス基板をインプリント装置の基板ステージ50上に載置し、そのレプリカモールド用基板10の主面11側の高さ分布を、レーザー変位計(LK−G5000,キーエンス社製)を用いて計測し、当該高さ分布データからレプリカモールド用基板10の主面11側の面形状を求めた。
続いて、レプリカモールド用基板10の主面11側の面形状に、回転楕円体を最小二乗法によりフィッティングし、当該回転楕円体面のX方向及びY方向の曲率をそれぞれ求めた。そして、当該曲率及びレプリカモールド用基板10の厚さから、X方向及びY方向の歪み量εX,εYを算出したところ、X方向の歪み量εXは1.64ppm(X方向に1.64ppm伸長)であり、Y方向の歪み量εYは1.84ppm(Y方向に1.84ppm伸長)であった。
このようにして算出した歪み量εX,εYに基づいて、レプリカモールド用基板10のパターン領域PAに形成されるレジストパターン41のX方向及びY方向における収縮量(レプリカモールド用基板10の真空吸着の解除による収縮量とマスターモールドの補正倍率との和)が2ppm±0.1ppmとなるように、マスターモールド100の補正倍率(X方向の補正倍率:0.4ppm、Y方向の補正倍率:0.2ppm)を算出した。
このようにして算出した補正倍率に基づいて、倍率補正機構によりマスターモールド100を変形させた上で、インクジェット装置を用いて、ハードマスク層20上に光硬化性のインプリント樹脂を供給してインプリント処理を行い、レジストパターン41を形成した。なお、マスターモールド100には、微細凹凸パターン200の他に、複数の計測用マークが設けられており、レプリカモールド用基板10のパターン領域PAには、マスターモールド100の微細凹凸パターン200に対応するレジストパターン41とともに、当該計測用マークに対応する計測パターンが形成された。
<倍率の評価>
上述のようにして形成された計測パターンの位置(座標)を、座標測定装置(ケーエルエー・テンコール社製,IPRO Series)を用いて計測し、レジストパターン41の倍率を評価した。倍率は、X方向が、+0.03ppm、Y方向が、−0.08ppmであり、所望とする倍率(±0.1ppm)の範囲内の値を得た。
〔比較例1〕
実施例1と同様にして、レプリカモールド用基板10を基板ステージ50上に載置し、真空吸着した状態で、主面11側の表面形状を計測してX方向及びY方向の歪み量εX,εYを算出した。X方向の歪み量εXは1.46ppmであり、Y方向の歪み量εYは1.70ppmであった。
マスターモールド100の倍率補正を行わなかった以外は実施例1と同様にして、上記レプリカモールド用基板10のハードマスク層20上に、インクジェット装置を用いて光硬化性のインプリント樹脂を供給してインプリント処理を行い、レジストパターン41を形成した。
<倍率の評価>
上述のようにして形成された計測パターンの位置(座標)を、座標測定装置(ケーエルエー・テンコール社製,IPRO Series)を用いて計測し、レジストパターン41の倍率を評価した。倍率は、X方向が、+0.48ppm、Y方向が、+0.21ppmであり、設計倍率(±0.1ppm)の範囲を超える値となった。
上述した実施例1及び比較例1の結果から明らかなように、実施例1においては、X方向及びY方向の倍率が所望とする範囲(設計の範囲)内のレジストパターン41が形成された。一方、比較例1においては、X方向及びY方向の倍率は、レプリカモールド用基板10を真空吸着した状態での主面11側のX方向及びY方向の歪み量εX,εYとマスターモールド100の設計倍率(レプリカモールド1の微細凹凸パターン2の所望とする倍率に対して拡大させた倍率(2ppm))との差分に相当する値であった。すなわち、歪み量εX,εYに基づきマスターモールド100の倍率補正を行わないことで、当該歪み量εX,εYに応じてレジストパターン41の倍率が変化してしまうということができる。
この結果から、実施例1のように、真空吸着されたレプリカモールド用基板10の主面11の面形状から、X方向及びY方向の歪み量εX,εYを求め、当該歪み量εX,εYからマスターモールド100の補正倍率を算出し、当該補正倍率に基づいて、倍率補正機構によりマスターモールド100を変形させてインプリント処理を行うことで、所望とする範囲の倍率を有する微細凹凸パターン2を形成可能であることが確認された。
本発明は、半導体デバイスの製造過程において半導体基板等に微細凹凸パターンを形成するためのナノインプリント工程にて用いられるインプリントモールドを製造する方法や、半導体デバイス等を製造する方法として有用である。
1…レプリカモールド(インプリントモールド)
2…微細凹凸パターン
10…レプリカモールド用基板(被転写基材)
11…主面
12…凸構造部
13…裏面(対向面)
41…レジストパターン

Claims (9)

  1. 微細凹凸パターンを有するモールドを用いたインプリント処理により、被転写基材の主面側のパターン領域に前記微細凹凸パターンに対応する微細凹凸パターンを形成してインプリントモールドを製造する方法であって、
    前記被転写基材の主面に対向する対向面の面形状に基づいて、前記モールドを変形させるための補正倍率を算出する補正倍率算出工程と、
    前記補正倍率に基づいて変形させた前記モールドを用いてインプリント処理を行い、前記被転写基材のパターン領域にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして前記被転写基材をエッチングするエッチング工程と
    を含むことを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
  2. 前記補正倍率算出工程において、基板ステージ上に真空吸着された前記被転写基材の主面の面形状を計測し、当該主面の面形状が前記対向面の面形状であると仮定して前記補正倍率を算出することを特徴とする請求項1に記載のインプリントモールドの製造方法。
  3. 前記パターン領域を包含する、当該パターン領域よりも面積の広い領域の面形状を計測することを特徴とする請求項2に記載のインプリントモールドの製造方法。
  4. 前記被転写基材は、前記主面から突出する、前記パターン領域が上面に位置する凸構造部を有し、
    前記凸構造部の外周縁に位置する領域の面形状を計測することを特徴とする請求項2又は3に記載のインプリントモールドの製造方法。
  5. 前記補正倍率算出工程において、前記主面の面形状を回転楕円体で近似し、前記回転楕円体で近似された前記主面の面形状に基づいて、前記補正倍率を算出することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のインプリントモールドの製造方法。
  6. 前記補正倍率算出工程において、前記主面の面形状から前記被転写基材の主面の歪み量を求め、当該歪み量に基づいて前記補正倍率を算出することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のインプリントモールドの製造方法。
  7. 前記主面内の一方向及びそれに直交する他方向における前記歪み量をそれぞれ求め、各歪み量に基づいて前記一方向及び他方向のそれぞれに平行な方向における前記補正倍率を算出することを特徴とする請求項6に記載のインプリントモールドの製造方法。
  8. 半導体基板の主面に微細凹凸パターンが形成されてなる半導体デバイスを製造する方法であって、
    前記半導体基板の主面に対向する対向面の面形状に基づいて、前記半導体基板の主面に微細凹凸パターンを形成するためのインプリントモールドの補正倍率を算出する補正倍率算出工程と、
    前記補正倍率に基づいて変形させた前記インプリントモールドを用いてインプリント処理を行い、前記半導体基板の主面にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして前記半導体基板をエッチングするエッチング工程と
    を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  9. 被転写基材の主面側のパターン領域に微細凹凸パターンを形成するために用いられるインプリントモールドを製造する方法であって、
    前記被転写基材の主面に対向する対向面の面形状を求める工程と、
    前記被転写基材の主面側のパターン領域に形成される前記微細凹凸パターンの設計値及び前記面形状に基づいて、前記インプリントモールドの微細凹凸パターンの設計値を求める工程と
    を有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
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