JP2015139801A - 金型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアブローの効果が届く範囲に鋳バリを留めること、粉状の鋳バリが付着残存することを防ぐこと、エアブローでの除去に適した大きさの鋳バリを形成すること、スライド中子のキャビティ形成前進限における位置決め精度の低下を防止させること。【解決手段】固定型1、固定型1に対して開閉可能な可動型2、可動型2の開閉方向に交差する方向に進退動可能なスライド中子3を含み、固定型1、可動型2、スライド中子3でキャビティMが形成される金型装置Aであって、スライド中子3は、キャビティMからスライド中子後退方向に向けて拡開末広がり状のスライド中子側摺動面15、可動型側摺動面11によって進退動可能と成し、スライド中子側摺動面15にスライド中子3の進退方向に独立配置させた複数の凹み部18a〜18dと凹み周辺平面部18e〜18iからなる鋳バリ堰止め部18を備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、ダイカスト鋳造法あるいは射出成形法(高圧鋳造法)などに用いられる金型装置に係り、特に、固定型と可動型とによってキャビティを形成するスライド中子を備えた金型装置に関する。
例えば、溶湯(アルミニウム合金やマグネシウム合金など)を金型キャビティ内に圧入充填して製品を成形する量産技術として知られているダイカスト鋳造法では、可動および固定型の型開閉方向の移動では形成できない凹凸部(以下アンダーカット部と称する)を成形するためのスライド中子(可動中子、引抜き中子とも称されている)を備えた金型装置が用いられる。
例えば、固定型と、この固定型に対して開閉(型締め、型開き)可能な可動型と、この可動型側に進退動可能に備えられて可動型の開閉動作に連動または追動して進退動するアンダーカット部形成用のスライド中子とによってキャビティが形成される金型装置が知られている(特許文献1および特許文献2などを参照)。
特開平5−169225号公報(特許請求の範囲、段落0013および図1、図2などを参照) 特開平11−221657号公報(特許請求の範囲、段落0011および図1などを参照)
ダイカスト鋳造法では、キャビティに溶湯を圧入充填して製品を成形する1サイクル毎に、固定および可動型の型合わせ面や、スライド中子の摺動面(以後、「スライド中子側摺動面」と称する)と金型側の摺動面(以後、「金型側摺動面」と称する)との間の僅かな隙間に溶湯が侵入して発生する鋳バリを除去するエアブローによる金型清掃が行われる。このとき、型開き状態にある固定・可動両型間にロボットによって搬入される自動スプレー装置(各エア噴射ノズル)から噴射されるエアブローが届く範囲に付着残存する鋳バリは除去されるものの、エアブローが届き難い位置に付着残存した鋳バリにおいては除去されないことがある。その一つが、スライド中子側摺動面および金型側摺動面の奥方向(キャビティからスライド中子後退方向)に入り込んだ鋳バリである。
すなわち、固定および可動型の型合わせ面は全面に露出しているためにエアブローが当たりやすく、この型合わせ面に発生した鋳バリをエアブローで容易に除去することが可能であるが、スライド中子後退時のスライド中子側摺動面および金型側摺動面の隙間は狭くエアブローが届き難いため、特に、両摺動面の奥方向に付着残存している鋳バリが除去されないことがある。
型締め時のスライド中子側摺動面と金型側摺動面との間の隙間は非常に狭く、狭い空間では侵入する溶湯量(熱量)に対する金型接触面積(脱熱量)が大きく、溶湯が速やかに凝固するため、溶湯が噴霧状に吹き込むと瞬時に霧状のまま凝固し、粉末状の鋳バリになる。
粉末状の鋳バリは、粒子が非常に小さいためにエアブローによる吹き飛ばし除去がし難く、両摺動面に付着残留してしまうことがある。
また、スライド中子の設置位置によっては両摺動面間に連続して溶湯が侵入して大きく薄い鋳バリが発生することがある。スライド中子後退時の両摺動面間の隙間(間隔)が狭く、大きく薄い鋳バリはエアブローで排出除去され難い。
このように、金型清掃時のエアブローによって除去されずに鋳バリがそのまま付着残存すると、鋳造を複数回繰り返すうちに、特に、スライド中子においては鋳バリがスライド中子側摺動面や金型側摺動面などに徐々に圧着積層(固着堆積)するなどによって以下のような不具合が生じる。
鋳バリがスライド中子のキャビティに対する前進限(キャビティ形成中子入り限)の位置決めを行う部分などに徐々に溜まってキャビティに対するスライド中子の位置精度が低下し、製品の寸法不良を引き起こすおそれがある。
また、鋳バリが一部に集中して堆積することによって、当該部分に中子シリンダの力(圧力)が集中することとなり、その結果、型割れなどを引き起こす原因となるおそれがある。
さらに、スライド中子の位置精度低下により可動・固定型の型締め動作が阻害され、鋳造が停止することによる生産性の悪化を招く。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、スライド中子を備えた金型装置であって、エアブローで鋳バリの除去ができる範囲で鋳バリを堰き止めること、スライド中子側摺動面および金型側摺動面に粉状の鋳バリが付着残存することを防ぐこと、鋳バリをエアブローで除去しやすい大きさにすることなどにより、エアブローによる鋳バリの除去を確実と成して鋳バリの付着残存を防ぐこと、スライド中子のキャビティ形成前進限(キャビティ形成中子入り限)における位置決め精度の低下を防止し、当該位置決め精度を継続維持させること、一部に堆積した鋳バリを原因とした応力集中による型割れを防止すること、スライド中子の位置決め精度を維持継続させることで可動・固定型の型締め動作の阻害なく鋳造を継続し生産性を維持すること、などが本発明の目的である。
前記課題を解決するために、本発明に係る金型装置は、少なくとも以下の構成を具備している。
固定型と、この固定型に対して開閉可能な可動型と、この可動型の開閉方向に交差する方向に進退動可能なスライド中子とを含み、前記固定・可動両型と前記スライド中子とでキャビティが形成され、前記スライド中子は、前記キャビティからスライド中子後退方向に向けて拡開末広がり状のスライド中子側摺動面と金型側摺動面の両側テーパ摺動面によって進退動可能とする金型装置であって、
前記両側テーパ摺動面のいずれか一方または両方に、複数の凹み部と、凹み周辺平面部を備えていることを特徴とする。
前記凹み部は、前記両側テーパ摺動面のいずれか一方または両方において、製品成形部より所定の位置からスライド中子後退方向に向けて独立配置されている構成を採用することが好適なものとなる。
このような構成によれば、凹み部が設けられたテーパ摺動面間は、凹み部を設けられていないテーパ摺動面間の隙間よりも空間容積が大きく、同じ容積の鋳バリの侵入量であれば奥方向まで達しにくくなる。また、スライド中子側摺動面と金型側摺動面の間の隙間に侵入した溶湯は、キャビティ側に位置する手前の凹み部から奥方向(スライド中子後退方向)に向けた各凹み部の空間に充満し、各凹み部周りの凹み周辺平面部の狭い隙間で凝固が促進される。
また、テーパ摺動面に設けられた凹み部は、凹み部を設けられていないテーパ摺動面間の隙間よりも空間容積が大きく、溶湯量(熱量)に対する金型接触面積(脱熱量)が小さいため、溶湯の凝固が遅く、鋳バリが噴霧状に噴いても凝固する前に後続の溶湯が充填されるので粉末状にならずにまとまった形状の鋳バリとなる。
また、複数の各凹み部に生成した鋳バリは、凹み部により形成される厚肉部分と凹み周辺平面部により形成される薄肉部分とに形成され、薄肉部はエアブローで容易に破断されるため、エアブローによる除去に適切な大きさとなる。
本発明の金型装置によれば、凹み部が設けられたテーパ摺動面間は、凹み部を設けられていないテーパ摺動面間の隙間よりも空間容積が大きいので、同じ容積の鋳バリであれば奥方向まで達し難くなる。これにより、エアブローで除去できる範囲に鋳バリを堰き止めることができるため、ダイカスト鋳造法において1サイクル毎に行なわれるエアブローによる金型清掃時に確実に鋳バリを除去することが可能になる。
また、型締め時のテーパ摺動面間の隙間よりも広い空間である凹み部には溶湯が連続して入りやすく、粉末状にならずにまとまった形状になるため、エアブローで除去することができる。
また、複数の各凹み部に生成した鋳バリは、凹み部により形成される厚肉部分と凹み周辺平面部により形成される薄肉部分とに形成され、薄肉部はエアブローで容易に破断されるため、除去に適切な大きさに形成され、スライド中子後退時のテーパ摺動面間の隙間に引っかからずにエアブローで除去することができる。
従って、本発明によれば、鋳バリ堆積を原因としたスライド中子のキャビティ形成前進限(キャビティ形成中子入り限)における位置決め精度の低下を防ぎ、その位置決め精度の継続性を図ることができる。加えて、スライド中子の位置精度低下を原因とした可動・固定型の型締め動作の阻害により鋳造が停止することによる生産性の悪化を防止するとともに、鋳バリ堆積(中子型締め応力集中)による型割れを防ぐことができる、などの顕著な効果を有するスライド中子を備えた金型装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る金型装置において、固定・可動両型の型締め状態を概略的に示す説明図である。 同金型装置の可動型を型合わせ面側から見たときの正面図で、(a)は、スライド中子を前進移動させた状態を示し、(b)は、スライド中子を後退移動させた状態を示す。 同金型装置において、固定・可動両型の型開き状態を概略的に示す説明図である。 スライド中子を可動型の型合わせ面側から見たときの正面図である。 同スライド中子のテーパ摺動面に独立配置された鋳バリ堰止め部の凹み部に鋳バリ(溶湯)が堰止めされた状態の一例を示す要部の拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むがこれのみに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る金型装置の型締め状態を概略的に示す説明図(縦断側面図)であり、図2は、同金型装置の可動型を示す正面図であり、図3は、同金型装置の型開き状態を概略的に示す説明図(縦断側面図)である。
≪金型装置Aの説明≫
金型装置Aは、固定型1と、この固定型1に対して開閉(型開き・型締め)可能な可動型2と、この可動型2側に進退動可能に組み込み備えられるスライド中子3とを、主要な構成として備えている。そして、金型装置Aは、可動型2の型開き方向のアンダーカット部4を有する製品Wを成形(鋳造)するキャビティMは、これら固定型1、可動型2、スライド中子3によって形成される構成を成している。
≪固定型1および可動型2の説明≫
固定型1および可動型2は、周知の型構造(例えば、おも型と入子)にて構成されている。そして、可動型2は、スライド中子3が進退動可能に組み込まれる可動型側製品成形部5周りの製品Wのアンダーカット部4が成形される部分に位置する型合わせ面(型分割面)6に、可動型側製品成形部5からスライド中子後退方向に向けた中子設置凹部7を備えている。
一方、固定型1は、スライド中子3が前進限まで移動し、可動型2の型締め動作が行われた時点で、スライド中子3の後記するストッパー凸部17が係合する中子ロック凹部8を、可動型2側の中子設置凹部7と対向する型合わせ面9に備えている。
これにより、スライド中子3が前進限まで移動し、可動型2の固定型1に対する型締め動作が完了した時点でスライド中子3側のストッパー凸部17が中子ロック凹部8に係合することで、スライド中子3が固定されるようになっている。つまり、キャビティMに圧入充填される溶湯圧(充填圧)などによりスライド中子3が後退方向に不用意に移動しないようになっている。
そして、固定型1側の固定型側製品成形部10は凹型で、可動型2側の可動型側製品成形部5は凸型に形成されている。これにより、成形された製品Wは、図3に示すように、固定・可動両型1,2の型開き時に、可動型2側の可動型側製品成形部5に抱き付いた状態で、固定型1側の固定型側製品成形部10から脱型(離脱)されるようになっている。
中子設置凹部7は、輪切り断面視で長方形などのブロック状に形成されるスライド中子3の輪切り断面形状に適合させた、例えば、平面視でコの字形状にて、可動型2の型合わせ面6にスライド中子後退方向から可動型側製品成形部5に向けて形成される。
そして、中子設置凹部7の型合わせ面6に連設する両壁面は、可動型側製品成形部5からスライド中子後退方向に向けて拡開末広がり状の可動型側摺動面11としてなる。すなわち、図2に示すように、中子設置凹部7は、可動型2を型合わせ面6側から見て、下向きの略縦長台形状に形成されている。
≪スライド中子3の説明≫
図4は、スライド中子を示す正面図である。
スライド中子3は、周知のように、可動型2側のスライド中子後退方向に設置される中子引抜きコアプラ(油圧シリンダなど)12によって可動型2側に進退動可能に組み込み設置される。これにより、可動型2が固定型1に対して型締め動作するときにキャビティMに向けて前進移動され、そして製品Wが成形(鋳造)された後の可動型2の型開き動作に追動してスライド中子後退方向に向けて後退移動されるものである。
このスライド中子3は、製品Wのアンダーカット部4を成形するアンダーカット成形部13を有するスライド中子側製品成形部14を先端側(キャビティM挿入側)に備える適宜長さを有する輪切り断面視で四角形や長方形などのブロック形状に形成される。
そして、スライド中子3は、可動型2の中子設置凹部7の両側可動型側摺動面11に対応させたスライド中子側摺動面15を両側面に備えて、可動型2側に進退動可能に設置されるとともに、中子引抜きコアプラ12のロッド先端にカップリングと称されている軸継手部材16を介して連結保持されるように形成されている。
また、スライド中子3は、前進限まで移動した時点で、固定型1の型合わせ面9に備えられている中子ロック凹部8と対応する部位にストッパー凸部17を備えている。
スライド中子3の両側スライド中子側摺動面15は、スライド中子3がキャビティMに向けてその前進限(先端にアンダーカット成形部13を有するスライド中子側製品成形部14を固定・可動両型1,2の可動型側製品成形部5,10に型合わせ衝合させる)まで移動した状態において可動型2側の中子設置凹部7の両側可動型側摺動面11に密着(密接)するテーパ角度にてスライド中子3の両側面に形成されている。
そして、このような形態に形成されているスライド中子3の両側スライド中子側摺動面15には鋳バリ堰止め部18を備えている。
≪鋳バリ堰止め部18の説明≫
鋳バリ堰止め部18は、キャビティMに溶湯が圧入充填(射出充填)されたときに、スライド中子3の両側スライド中子側摺動面15と可動型2側の両側可動型側摺動面11との間に僅かに存在する隙間(中子進退クリアランス)19に侵入した鋳バリを堰止めするものである。これにより、隙間19に侵入した溶湯の一部がキャビティMから遠のくスライド中子後退方向に向けた広範囲において鋳バリとなって発生することを防ぐようにしている。
鋳バリ堰止め部18は、スライド中子3の両側スライド中子側摺動面15に凹み形状と平面形状とで形成されている。
具体的に説明すると、鋳バリ堰止め部18は、図2および図4に示すように、スライド中子3のスライド中子側製品成形部14より所定の位置からスライド中子後退方向に向けたスライド中子3の両側スライド中子側摺動面15に、一定の間隔をおいて独立配置される複数の凹み部18a〜18dと、この凹み部18a〜18d周りの凹み周辺平面部18e〜18iから形成されている。
≪凹み部18a〜18dの説明≫
複数の凹み部18a〜18dは、図1および図3に示すように、スライド中子3の進退動作方向に対して直交する方向に向けた所定の凹み幅で、所定の凹み深さを有する円弧状(湾曲状)に形成されている。
そして、このようにスライド中子3の両側スライド中子側摺動面15に独立配置させた複数の凹み部18a〜18dにおいて、スライド中子側製品成形部14からスライド中子後退方向側に至る寸法、つまり、図1および図4に示すように、スライド中子3先端のスライド中子側製品成形部14より所定の位置からスライド中子後退方向の凹み部18aに至る寸法L1を15〜30mm、好ましくは15〜20mmに設定することが好適である。
また、複数の各凹み部18a〜18dの可動型側摺動面11からの最大凹み深さL2は、図2の(b)および図4に示すように、スライド中子3のスライド中子後退方向への後退移動によって拡開される可動型2の可動型側摺動面11とスライド中子3のスライド中子側摺動面15との間の拡開隙間30よりも以下の深さに設定することが好適である。
また、図2の(b)に示す凹み部18a〜18d間における凹み周辺平面部18f〜18hの幅寸法L3は、1〜20mm、好ましくは5〜10mmに設定することが好適である。
[作用説明]
つぎに、以上の構成されている本実施形態に係る金型装置Aを適用させたダイカスト鋳造法について説明する。
図5は、鋳バリ堰止め部に鋳バリ(溶湯)が堰止めされた状態の一例を示す要部の拡大断面図である。ここでは、図1〜図3を適宜参照しながら説明する。
図3に示す型開き状態から図1に示す型締め状態に、固定型1に対する可動型2の型締め動作が開始するとき、スライド中子3は、中子引抜きコアプラ12により前進移動され、カット成形部13を有する先端のスライド中子側製品成形部14が可動型2側の可動型側製品成形部5に対して型合わせされる。
そして、継続する可動型2の型締め動作によって固定型1との型締めが完了することで、スライド中子3のスライド中子側製品成形部14が固定型1側の固定型側製品成形部10に対して型合わせが行われる。これにより、固定・可動両型1,2、スライド中子3によって製品Wを成形(鋳造)するためのキャビティMが形成される。
固定型1に対する可動型2の型締め完了によってキャビティMが形成されると、図示省略の溶湯射出装置の射出動作によって図1に示す湯口(鋳込み口)31から湯道32を通りキャビティM内に溶湯が圧入充填される。このとき、キャビティMに圧入充填された溶湯の一部が、可動型2(中子設置凹部7)の可動型側摺動面11とスライド中子3のスライド中子側摺動面15との間の僅かの隙間19に侵入(侵入)してくる。
すると、隙間19に侵入してきた溶湯は、キャビティM側(図5において紙面下側)に位置する一つ目(最初)の凹み周辺平面部18eを経て凹み部18aに溜まり、当該凹み部18aから溢れた溶湯は二つ目の凹み周辺平面部18fを経て凹み部18bに溜まり、当該凹み部18bによって堰止めされる(図5参照)。そして、仮に二つ目の凹み部18bから溶湯が溢れ出た場合には三つ目の凹み周辺平面部18gを経て凹み部18cに溜まり、最終的には三つ目の凹み部18dから溢れ出た場合には四つ目の凹み周辺平面部18hにて堰止めされる。
これにより、溶湯がキャビティM内に圧入充填されるとき、可動型2の可動型側摺動面11とスライド中子3のスライド中子側摺動面15との間の僅かな隙間19に侵入した溶湯は、自動スプレー装置(各エア噴射ノズル)から噴射されるエアブローが届く範囲において鋳バリとなって付着残存することとなり、エアブローによって確実に取り除かれるものである。
すなわち、スライド中子側摺動面15に独立配置された凹み部18a〜18dと凹み周辺平面部18e〜18iからなる鋳バリ堰止め部18に堰止めされた鋳バリは、図2の(b)に示すように、スライド中子3のスライド中子後退方向への後退移動によって拡開された可動型2の可動型側摺動面11とスライド中子3のスライド中子側摺動面15との間の拡開隙間30からスライド中子後退方向に吹き飛ばし取り除かれる。
また、スライド中子側摺動面15に独立配置された凹み部18a〜18dと凹み周辺平面部18e〜18iからなる鋳バリ堰止め部18に堰止めされた鋳バリが隙間19の肉厚をもった薄肉の鋳バリで連結されたときには、薄肉の鋳バリがエアブローによって容易に分断されエアブローで吹き飛ばすのに適した大きさとなるため、スライド中子3のスライド中子後退方向への後退移動によって拡開された可動型2の可動型側摺動面11とスライド中子3のスライド中子側摺動面15との間の拡開隙間30からスライド中子後退方向に吹き飛ばし取り除かれる。
キャビティM内への溶湯の圧入充填が完了し、図示省略の金型冷却装置によってキャビティM内の溶湯が硬化(凝固)されると、可動型2の型開き動作が開始する。すると、この型開き動作に追動または型開きが完了する直前または型開き完了後において中子引抜きコアプラ12によりスライド中子3がスライド中子後退方向へと後退移動され、製品Wのアンダーカット部4からスライド中子3のアンダーカット成形部13を引き離す。
そして、アンダーカット成形部13のアンダーカット部4からの引き離しが完了するまたは完了した時点で、図示省略の製品取出し装置による製品Wの取出しが行われ、最後に、図示省略の自動スプレー装置が固定・可動両型1,2間に搬入されて、固定・可動両型1,2の可動型側製品成形部5,固定型側製品成形部10やスライド中子3のスライド中子側製品成形部14、型合わせ面(型分割面)6,9などから鋳バリなどの付着物が吹き飛ばし取り除かれる。このとき、前記したように、鋳バリ堰止め部18に堰止めされた鋳バリは当該鋳バリ堰止め部18からスライド中子後退方向に吹き飛ばし取り除かれる。そして、可動型側製品成形部5,固定型側製品成形部10,スライド中子側製品成形部14などへの離型剤の塗布が行われることで、鋳造1サイクルが完了し、次の鋳造ショットに移る。
以上説明したように、本実施例に係る金型装置Aを適用させたダイカスト鋳造法によれば、溶湯のキャビティMへの圧入充填時に、可動型2の可動型側摺動面11とスライド中子3のスライド中子側摺動面15間の僅かな隙間19に侵入してきた溶湯を鋳バリ堰止め部18によって堰止めし、隙間19の奥側(キャビティMから遠ざかるスライド中子後退方向)への侵入を阻止することができる。
これにより、エアブローで鋳バリが除去できる範囲に鋳バリを堰き止めるため、例えば、ダイカスト鋳造法において1サイクル毎に行なわれるエアブローによる金型清掃時に確実に鋳バリを除去することが可能になり、鋳バリ堆積によるスライド中子3のキャビティ形成前進限(キャビティ形成中子入り限)における位置決め精度の低下を防止させ、その継続性を図ることができる。
また、鋳バリ堰止め部18の各凹み部18a〜18dに侵入した鋳バリは、各凹み部18a〜18dの凹み深さL2に相当する容積を有することで、侵入する溶湯量(熱量)に対する金型接触面積(脱熱量)が小さいため、溶湯の凝固が遅く、鋳バリが噴霧状に吹いても凝固する前に後続の溶湯が充填されるので粉末状にならずまとまった形状になるためエアブローで除去しやすくなり、細かい粉状鋳バリ(鋳バリ滓)の付着残存による製品の品質低下などを防ぐことも期待できる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても本発明に含まれる。前述の各図で示した実施の形態は、その目的および構成などに特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
例えば、鋳バリ堰止め部18は、凹み形状に限らず、他の形状であってもよい。つまり、溶湯のキャビティMへの圧入充填時に、可動型2の可動型側摺動面11とスライド中子3のスライド中子側摺動面15との間の僅かの隙間19に侵入してきた溶湯がスライド中子後退方向の広範囲に至らないように、溶湯の流れを堰止めすることができる、例えば、凸状や筋状であってもよい。この凸状や筋状は溶接などによる肉盛りと切削による整形加工にて形成することができる。ただし、凸状や筋状に設けられた鋳バリ堰き止め部はアンダーカット形状であってはならない。
また、鋳バリ堰止め部18は、スライド中子3のスライド中子側摺動面15の一定範囲における一部に設けた形態としているが、同スライド中子側摺動面15の全面に設けることができる。また、鋳バリ堰止め部18は、可動型2の中子設置凹部7の可動型側摺動面11側に設けることができる。
また、鋳バリ堰止め部18は、中子設置凹部7の可動型側摺動面11とスライド中子3のスライド中子側摺動面15との双方に設けることができる。この場合、可動型側摺動面11側の鋳バリ堰止め部18とスライド中子側摺動面15側の鋳バリ堰止め部18とが対応せずに、キャビティM側からスライド中子後退方向に向けた方向(スライド中子3の進退方向)においてずらした位置関係とすること、または、スライド中子前進限位置の状態で可動型側摺動面11側の鋳バリ堰き止め部18とスライド中子側摺動面15側の鋳バリ堰止め部18の間の凹み周辺平面部が接する位置関係とすることが好ましい。
また、鋳バリ堰止め部18により、スライド中子3のスライド中子側摺動面15と中子設置凹部7の可動型側摺動面11との当たり面積が小さくなり面圧が上がる。つまり、鋳バリ堰止め部18の独立配置されている各凹み部18a〜18d間に位置する凹み周辺平面部18f〜18hやその両側の凹み周辺平面部18e,18iなどが中子設置凹部7の可動型側摺動面11に対して部分的な面接触にて当接(圧接)されることとなり、当該面接触部分の面圧が上がる。これにより、隙間19が発生しにくくなり、鋳バリの侵入を防ぐことが期待できる。
凹み部18a〜18dの形成されていないテーパ摺動面の当たり部に残余した鋳バリなどの付着物は、凹み部18a〜18d間の凹み周辺平面部18f〜18hで掻き取られて凹み部18a〜18dに回収する鋳バリ回収部としての機能をも期待することができる。鋳バリ堰止め部18に掻き集め回収された粉状鋳バリは、次回溶湯充填時に鋳バリ堰き止め部に充填される溶湯に取り込まれて厚肉の鋳バリとして除去される、あるいは定期的に行われる金型のメンテナンスのときに取り除かれる。
A 金型装置
M キャビティ
W 製品
1 固定型
2 可動型
3 スライド中子
4 アンダーカット部
5 可動型側製品成形部
6,9 型合わせ面
10 固定型側製品成形部
11 可動型側摺動面(テーパ摺動面)
14 スライド中子側製品成形部
15 スライド中子側摺動面(テーパ摺動面)
18 鋳バリ堰止め部
18a〜18d 凹み部
18e〜18i 凹み部周辺平面部
19 隙間
30 拡開隙間

Claims (2)

  1. 固定型と、この固定型に対して開閉可能な可動型と、この可動型の開閉方向に交差する方向に進退動可能なスライド中子と、を含み、
    前記固定・可動両型と前記スライド中子とでキャビティが形成され、
    前記スライド中子は、前記キャビティからスライド中子後退方向に向けて拡開末広がり状のスライド中子側摺動面と金型側摺動面の両側テーパ摺動面によって進退動可能とする金型装置であって、
    前記両側テーパ摺動面のいずれか一方または両方に、複数の凹み部と、凹み周辺平面部を備えていることを特徴とする金型装置。
  2. 前記凹み部は、前記両側テーパ摺動面のいずれか一方または両方において、製品成形部より所定の位置からスライド中子後退方向に向けて独立配置されていることを特徴とする請求項1に記載された金型装置。
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